新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

派遣の前に:大学への政策を改めよ!

2008-03-26 20:34:24 | 医局制度改革・医学教育改革

さて、今日は連続投稿します

産科休止、派遣で解決できるか  

「医師を派遣した大学は、いわば“わが身を切る思い”だったことだろう」――。産科を閉鎖せざるを得ない病院に医師を派遣する信州大学などに対し、文部科学省高等教育局の三浦公嗣医学教育課長は感謝の意を表した。産科医の退職などで分娩の取り扱いを休止した施設などに対し、厚生労働省は近隣病院からの医師派遣という“応急処置”で対応する予定だが、「根本的な解決ではない」との批判も根強く残っている。  

厚生労働省は3月25日、文部科学・総務・防衛各省との「地域医療に関する関係省庁連絡会議」で、今年1月以降に分娩の取り扱いの休止などを予定している医療機関への対応策として近隣病院からの医師派遣などの対応策を提示し、了承された。  

文科省の三浦課長は「各大学に『産科医を派遣する余裕があるか』という調査を実施したが、地域で最大規模の病院である大学病院でも産科医を派遣する余裕がない状況が分かってきた。医師を派遣した大学は、いわば“わが身を切る思い”だったことだろう。この場を借りてお礼を申し上げたい」と述べた。  

また、福島県の県立南会津病院に医師を派遣する防衛省からは外山千也大臣官房衛生監が出席し、「福島県の南会津郡というのは、香川県の広さに匹敵する山間豪雪地帯だそうだが、そこの唯一の病院なので派遣に協力する」と前置きした上で、次のように述べた。 「当省の医官は通常と異なり、2年間の初期臨床研修の後に2年間ほど部隊で勤務し、そこで一般診療の経験をしてから専門研修をする。従って、派遣先の病院は産科医官にとって専門研修を行うのにふさわしい病院であれば大変ありがたい」と注文を付けた。

■ 77施設が分娩休止・制限 

厚労省は今年1月、産科医療機関の実態調査を実施し、この日の会議で調査結果を公表した。それによると、1月以降に分娩の取り扱いを休止した医療機関と休止の予定がある医療機関は45施設(病院28、診療所17)、分娩の取り扱いを制限した医療機関と制限予定がある医療機関は32施設(病院19、診療所13)で、計77施設だった。  

これら77施設への対応について、厚労省は70施設を「対応が必要な医療機関」から除外。8施設は「産科医療機関の集約化に伴う休止」で、62施設は「近隣の他の医療機関で対応可能」と結論付けた。  残る7施設について、厚労省は近隣病院からの医師派遣などで対応することを検討し、5施設について医師確保の見通しが立った。

具体的には、福島県の県立南会津病院に防衛省と愛育病院(東京)が後期研修医を派遣し、長野県の伊那中央病院と飯田市立病院には信州大学が派遣、沖縄県の公立久米島病院には県立病院が派遣する予定。群馬県の総合太田病院には慶応義塾大学(東京)が週2回派遣する予定。 

産科医を確保できなかった独立行政法人国立病院機構長野病院(長野県)と藤枝市立総合病院(静岡県)について、厚労省は「文部科学省、防衛省、大学、各県と産科医派遣または近隣医療機関の対応を検討中」としている。

■ 日本産婦人科学会の反応 

同会議に出席した日本産婦人科学会の吉村泰典理事長は「こういった困難な状況にある時に、限られた医師をこのように派遣していただくことも施策の1つではないか。緊急避難的にはこういうことも考えていかなければならない」と理解を示した。  一方、同学会の「産婦人科医料提供体制検討委員会」の海野信也委員長は1月に実施したアンケート調査の結果を示した。それによると、緊急措置として派遣される場合に産科医が求める条件は、(1)報酬、(2)勤務条件、(3)医療体制、(4)制度上の問題――の4点に集中している。  

このうち、「報酬」について海野信也委員長は「時間外手当の適正な支給など社会常識で考えればごく当然のことが行われていない現場の実態を反映している」と説明した。 

「勤務条件」については、「本来順守されるべき基本的な労働条件が確保されていないことが産婦人科の根本的な問題。現場があまりにも非人間的であり、それが放置されている」と指摘。 

「医療体制」については、「小児、麻酔科の体制が整備されていない状況で産科医だけを派遣しても機能しない」として、この点を特に強調した。  

海野委員長はまた、厚労省が各都道府県に勤務医の労働環境の改善を図るように求めた3月21日付の医政局長通知に触れ、次のように述べた。 

「正直申し上げて、これでは短期的には難しい。人がいないからだ。現場の医師に無理にでも働いてもらわなければならない状況だ。そのためには時間外労働の正当な報酬や分娩手当ての支給は必要だということを全国の部会長が述べている。このままでは地域医療が破綻し、緊急派遣が必要となる地域がさらに増えてくることが明白だろう。政府のご対応をお願いしたい」

更新:2008/03/25 22:21 キャリアブレイン

----------------------------------ここで書かれている事で、一つ突っ込みを・・・。

日本で一番人口当たりの医師数が少ない埼玉県から、医師を引っこ抜くのは辞めてください。埼玉県の医療はぎりぎりで保っていますし、所沢は西東京の医療にも関係している地域なので・・・・。

かる~く、引き受けたものだな・・・・。

さて、それはさておき・・・日本の医療で早急に解決できる問題は金の問題。これは政府が決断すればよいだけ。

あまり改革的な意見を述べたり、行動を起こしたりするのが苦手な人が日本人というのは多いようなので・・・すぐに決断を出来ないのかもしれないが・・・もう決断すべきときに来たと思いますけどね。

 

長期的に見れば「医者を増やす」ことが必要だ。一部の医師の中、そして医大生の中には「将来医者は余るのだから、増えないほうが仕事がなくならなくて良い」といっている人がいる(たまたま、それを喫茶店で聞いた)。将来、更に医療は進み・・・結局医者は余らない。

新しい環境に行けば、更に新しい問題が増え・・・新しい分野が生まれる。 そんな事もわからないのか・・・? と、言いたかった。

 しかし、医者を増やすにももはや日本にはそれも難しい。大学の評価が低い。 医局の権力を削るために様々な政策を行い、それによって「医療崩壊」を引き起こした国だが、大学を復活させないためにそのままの状態にしているのが・・・難しい理由だ。

医局制度や教育制度に関しては・・・そのうち、4月の半ば以降に書きますw

さて、ここで大学の話を書いたのは次のような理由からです。

 

過去において「村社会」といわれた医局ですが、この医療崩壊でその性質は消えつつあります。ここで大学を再生する必要があります。

なぜなら「医学生」の教育、「先端医療研究」を行う大学院生、「先端医療を学ぶ」医師の教育に大学はなくてはならないからです。

 

先日、大学病院の医師の一人(40代)の先生が「俺は大学からもらっているのは31万だよ」といっていました。

彼がやっているのは「診療」「研究」「教育」という分野ですが、すでに「診療」だけで手一杯になっており「研究」「教育」はなおざりです。

すなわち「今やらなくてはならない事(診療)」に時間をかける事しかできず、「将来のために行う事(研究・教育)」には時間が避けないのです。

 

しかも、自分の生活を守るためには「バイト」をしないといけない。31万×12+αですから600万以下でしょうね。 僕のところにも、先日・・関東圏内の大学病院からお手紙が来まして「年収600万+バイト料」で助教というお話でしたが、そのくらいしかもらえないのが大学だと思います。

 

 お金の問題だけではないのですが、人を集めるにも「給料が安くて、仕事がバカみたいに多く、家族も振り返られない」所に誰が行くでしょうか?

 それゆえ、人が大学から離れていく。 そうすると、医学生を教える人もいなくなり・・・医者を増やそうという話自体が不可能になる

 

「今、計算したが・・・アクシズの後部は地球の引力に惹かれて落ちる。貴様らの頑張りすぎだ!」

という、有名なシャアの台詞(有名じゃない?)がありますが

「今、計算したが・・・このまま行けば日本の医療は、再生の機会なく崩壊する。貴様ら(厚労省や国)の頑張りすぎだw」

 という感じです。

医療を立て直すための最初の一歩として、大学の独立行政法人化も含めて・・・再び考え直す必要があると思います

 

 さて、最後にネタです

僕は自転車に乗ることも好きで・・・実は自転車を高速でこぐのが大好きです。高校時代は実は足に2.5kgずつ錘をつけてこいで登校していました。 そして時々足の錘をはずしてスピードを上げて走るのが好きでしたw

高校3年生の高体連の1週間前です。1ヶ月前にぎっくり腰(急性腰痛症)のため、練習が出来なくなった僕は久々に走れるようになり、最後にハードルの調整をしていました。 練習が終わったあと自転車で仲間たちと一緒に帰ったときの事です。

高校から800mくらい坂があるのですが、ここを全力でこいで坂の下まで向かっていました。かなりスピードが出ます。

最後のコーナーを曲がったとき

「げっ!」

いきなり車!

よけ・・・・きったけど、コントロール不能!

メーデー・・・・

吹っ飛びました

 

10mくらい飛びましたが、受身を取ったおかげで全身打撲で済みました。

電柱に激突したので(1,2回バウンドして)、後ろから来た友人は

 「死んだと思った

 とのこと。

悪運強く生きておりますが、そのときはまだ死ぬなという事だったのでしょう

ただ、このあとの高体連・・。ハードルは決勝で力を出し切れず8位と惨敗。しかし、そこから勉強を開始して・・今このように医者になって、いろいろな人の役に立つ事ができております。

人生、一事が万事・・塞翁が馬・・・という事か。

 

最後に、医療再生のために大学の再生プラン(教育組織としての)が必要だと思われる方は、応援をよろしくお願いいたします

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

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3 コメント

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腰が痛いのは、辛いですね。 (腰痛アドバイザー)
2008-03-27 02:33:33

腰が痛いのは辛いものです。
私も14年間悩まされました。

私が考案した腰痛解消法をお試しください。

【3分腰痛解消法】で、検索すると見つかります。

腰をお大事に。
返信する
幸運 (チョコ)
2008-03-27 12:28:14
こんにちわ!
今日のネタ,びっくりしました!
死ぬかと思った事件その2ですね。
(前回はバナナで...)
受け身が取れたのも,先生のすばらしい運動神経のおかげですね☆
生きててよかった~~~
返信する
大事にします (アンフェタミン)
2008-03-27 23:05:47
>腰痛アドバイザーさん
こんばんは、コメントありがとうございます

腰痛に関して、現在は「腰椎椎間板ヘルニア」に移行しました。

腰痛アドバイザーさんの3分腰痛解消法、参考にいたします

また、コメントいただければと存じます

>チョコさん
こんばんは、コメントありがとうございます

幸運が続いております。地味に・・・一番最初の幸運は小3か小4のときですが・・・こちらは大きな事件だったのでやめて起きます。

本当に受身は良かったですw

また、コメントいただければと存じます
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