新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医師働き方改革検討会:少しずつ話し合われるようになってきたようです

2017-09-27 05:49:02 | 医療

おはようございます。

 

昨夜、帰宅しました。

 

四日連続で、あまり寝ることができなかったので(予想外)、昨日は疲れて寝てしまいました。

 

いくつか、この2週間の間にも気になる記事を見つけていたのですが、とりあえず1つ紹介します。

メディウォッチからです。

医師の勤務実態を精緻に調べ、業務効率化方策を検討―医師働き方改革検討会

 

 

 医師における「罰則付きの時間外労働上限規制」の特例を検討するにあたり、当面、「医師の勤務実態の精緻な把握」「労働時間の捉え方」、「勤務環境改善策」、「医療の質や安全性、健康との関係」などを議論していく—。

 9月21日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」では、こういった方針を固めました(関連記事はこちら)。年明け(2018年)早々に「今後の医師の働き方の在り方」に関するいくつかのシナリオを盛り込んだ中間整理を行い、それを2020年度以降の医学部定員の検討につなげ(医師需給分科会で議論)、さらに特例に関する議論などを深め2019年3月に報告書を取りまとめることになります。

9月21日に開催された、「第2回 医師の働き方改革に関する検討会」

病院の種類で医師の働き方がどう異なるのか、詳細に調査せよとの要請

医師も「罰則付きの時間外労働の上限規制」(▼1か月当たり45時間・1年当たり360時間の上限を違反した場合には罰則課す▼労使が合意しても年720時間(月平均60時間)の上限を超えてはならない▼労使合意による特例の上限を、2か月から6か月の平均で80時間以内、単月で100時間未満、年6回までとする)となることが決まっていますが、医師には応召義務(医師法第19条)が課されるなどの特殊性があるため、検討会で「規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策」などを議論します。

厚生労働省は▼10-12月に医師の勤務実態や勤務環境改善策などを議論する▼年明け(2018年)1月に中間整理を行う(結果を踏まえて、医師需給分科会で2020年度以降の医学部定員を検討する)▼検討会で引き続き、働き方改革について検討し、2019年3月目途に報告書を取りまとめる—という大きなスケジュール案を示しました。

さらに、8月2日に開催された初会合の議論を受け、今後の論点として(1)医師の勤務実態の精緻な把握、労働時間の捉え方(労働時間への該当性や宿直・研究活動の扱いなど)(2)勤務環境改善策(タスクシフト、タスクシェア、AIの活用、勤務環境改善支援センターの機能強化など)(3)整理が必要な事項(応召義務、医療提供体制の確保、国民の理解)(4)時間外労働規制の在り方(上限の在り方、医療の質・安全性確保など)―を例示しています。

検討会における今後の論点 
このうち(1)で「勤務実態の把握」については、今年(2017年)4月に公表された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査、昨年12月に実施)結果があり、例えば
医師の39%で週当たり勤務時間が60時間を超え、ほとんどが病院勤務医である
▼診療科によって勤務時間や、その内訳は多様である
▼当直回数が5-8回のケースと9回以上のケースとを比べると、「待機時間」に大きな差がある(診療時間や研究などの診療外時間に大きな差はない)
▼大学病院では勤務時間、とくに研究などの診療外時間が他病院より長い傾向にある
▼20-40代で子供のいる女性医師では勤務時間が比較的短くなる—といった状況が明らかになりました。
時間外労働が60時間を超える医師が4割弱おり、そのほとんどは病院勤務医である(10万人調査結果から)
診療科によって、時間外労働60時間となる医師の割合は異なる(10万人調査結果から)月あたりの宿直回数が5-8回と9回以上とを比べると、診療時間・診療外時間に大きな差はないが、9回以上では待機時間に大きな差があるようだ(10万人調査結果から)大学病院では、研究などの診療外時間が多く、結果として勤務時間が長くなっているようだ(10万人調査結果から)
過去最大規模で詳しく行われた「現時点で最良のエビデンス」(渋谷健司構成員・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)となる調査結果ですが、例えば診療外時間となる研究が、自発的に行われたものなのか、管理監督の下で行われたものなのか、などは明らかになっていないという限界もあります。このため、今村聡構成員(日本医師会女性医師支援センター長)らは「勤務実態をより詳細・整理に把握するための調査」を行うよう要望。厚労省は「検討する」との答えにとどめていますが、例えば「大学病院と地方の一般病院とで、研究時間にどのような差があるのか」などをタイムスタディ形式で調べることも視野にいれた新調査設計が検討される見込みです。この点、山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院院長)も「現在の医療提供体制、とくに救急・産科において、どれだけの時間外勤務に依存しているのかなどが見えるようにしてほしい」と強く求めています。

 (中略)

同じく(1)の労働時間の捉え方では、例えば「学会発表のための研究・資料作成」が労働時間にどこまで含まれるのか、「宿直」のうちどの部分が労働時間に含まれるのか、などを検討することになります。

(中略)

 

 

大学病院では、研究などの診療外時間が多く、結果として勤務時間が長くなっているようだ(10万人調査結果から) なお業務効率化に関しては、今村構成員らから院内会議・文書作成の効率化・簡略化を求める声が出ています。診療報酬改定に向けた議論でも、こうした指摘がなされており、2018年度の診療報酬改定における対応にも期待が集まります(関連記事はこちら)。

 

 (3)の整理が必要な事項では、▼応召義務の在り方▼医療提供体制確保との関係▼国民の理解—という難しいテーマが列挙されました。

 医師法第19条には応召義務(診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない)が定められおり、これが長時間労働を招く大きな理由の1つとなっています。この点、渋谷構成員は「時代にあった応召義務を検討することも必要かもしれない」とコメント。「国民の理解」とも関係しますが、例えば夜間の救急外来に極めて軽症の患者が来た場合にも「応召義務」があるために当直医が対応しなければならないのか、いわゆる「適正受診の啓発」というテーマにも真正面から検討が行われる見込みです。

(以下、略)


10年前から色々書いてきました。

 

医師数は人口当たりとしては少なく、医師数を増やす必要がある。ただし、教官の数が足りないので、急な増員は不可能なので、時間的距離を減らすことと医師の集約化でしばらくは対応する方が良いのではないか・・・など。

 

僕は病院勤務しかしておりませんので、こういう考え方になるのですが、昔(居酒屋)で「医師数が増えたら患者さんが減るから、歯科医師と同じようになるので開業医には不利。医師不足で良い」という医師らしい人の会話を聞きました。違う目線ではそうなるかもしれません。また、外科系の勤務医は「手術」の件数を考えると増えすぎるのは不利と考えると思います。

 

外科医の手術件数が一律に減ってしまうと、患者さんも不安だと思いますし・・・。

 

昨日、職場の方から質問がありました。

「数年前に当時の部下の方が「胃癌」になったが、職域病院ではなく外の病院にすぐ紹介された。なぜ、紹介されたのか?職域病院で手術ができる病院はあるのか?」

 

「うちの職域病院だと、どうしても患者さんの人数、手術件数に限界があります。仮ですが、手術件数が2件くらいの病院で手術をするのと200件の病院で手術をするのとどちらが良いですか? 患者さんのことを誠実に考えれば、そこは紹介になります。職域病院でも中央の方ではできるかもしれませんが、手術件数が地方では足りないかもしれません。僕だって、この1年間で新しく出た抗がん剤が6〜7種類ありますが、どれも使っていないので、情報しか知らないのです。使ってみた感じとかがわからないので、そういう不安はありますよ」

 

多分、うまく調整が必要なんです(中途半端な手術件数の病院は手術以外の病院収入が出るようにして、少ない手術件数の病院から医師や患者さんを移動とかですね)が、患者さんのこと(一人一人に向き合う時間)も手術の件数も、みんなが幸せになる方向があると思っています。

ようやく、このような話が厚労省でもなされるようになったことは、良かったと思います。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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600万アクセス達成:応援ありがとうございます+2週間留守にします

2017-09-13 21:34:35 | Blogを書く理由

先ほど、ふとブログを見て気がつきましたが、Total アクセスが600万を超えていました

 

応援ありがとうございます。

 

多分、2、3日前に達成しているのだと思います。10年近くブログをやっているわけですが、ありがたい限りだと思っております。

 

最初のブログを閉鎖した時、月に10万以上のアクセスをいただいておりました。

今は1日だいたい2000〜2500、少ないときは1600アクセスくらいですので月当たり60000前後でしょうか。約10年ですので、600万アクセスくらいになったのだと思います。

 

僕が長い期間ブログを書いているのも、多くの方々がコメントをくださったり、応援をしていただいているからだと思っております。

 

今後もこのblogを通して、もし誰かの役に立てるのであれば、少しでもお役に立てるようにと思っております。引き続き応援をよろしくお願いいたします。

 

明日から2週間ほど、出張で家を留守にします。コメントの返信がなかなかできないかと存じますが、ご容赦いただければと存じます。

 

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多くの人から知り合って良かったと言われる人になりたい

2017-09-13 21:01:31 | Weblog

こんばんは

 

2冊目の本の執筆作業の半分は終わったかなと思っています。文章部分だけは書き終わりました。あとはイラスト部分。イラストも、僕の最初のイメージでは1ページにイラスト+文章という感じでしたが、「イラストはもっと増やしてもいいな。たぶん、その方が特徴が際立つ」と思い直しました。医学生が「血液疾患+血液内科」のイメージができるようになればいい。そのために何か役に立てるのであれば・・・と。

 

僕のイメージは文章より、ポンチ絵+αで理解を促進する。生存曲線もあえて引用せずに手書きで説明する。頭の中では4コマ漫画みたいなことが、病気の説明で起きているのですが、美術2の僕にはそこまでの画力がない(笑

 

まぁ、あとはやってみてですね。なんで頭の中にこんなに鮮明に画像が出ていて、アニメのように動き回っているのに絵で現そうとすると全く違うものになるのだろう(?)

 

こういうのは才能がないのだろうなぁ・・・・。

 

中学校の美術の写生会で「絵は悪くないが、どうしてこの写真の風景が、こうなるのか?」と質問されて、答えられなかった僕です。見てる通りに描けないから・・・としか言いようがない(笑

 

ということで、少し色々落ち着いてきたので、少し考え事をしておりました。

 

正直、この2年間くらいは人生の中では「底」の方をもがいている感じだったような気がします。別に人生で悪いことが起きていたわけではないと思います。悪いこともあったかもしれませんが、僕は通常「都合よく解釈」するので、「悪いことが起きている」とあまり思わない方です。

 

10年前に「あんなにいびられているのに、よくついていけるね」と、ある血液内科の先生から言われたことがありますが、「え〜。僕いびられているんですか?」と返していました。

 

他にもだいたい悪いことが起こっても、「多分将来的に悪くない結果になるのだろう」と自然と思っていたと思います。嫌だな〜と思っても、「こうやられたら嫌な気持ちがすることがわかったから、ありがたい」と思えていたのです。

 

それが多分、ある時期を境に「イライラ」が本当に抑制できなくなってきて、心の中に溜め込んで行った結果、絶不調になったように思っています。

 

絶不調になってからは、何をやってもうまくいかない(とは、あまり周りは思っていなかったようですが、僕にとっては絶不調です)。本来ならばこの程度の事柄なら、数日で終わるのに2週間もかかっているとか。当直の調整をミスしたとか(取りまとめをしていた時期があり)。いつもなら覚えていられる(昔は手帳に指示を記載しなくて怒られたことがあります(ちゃんと指示はこなしてます)が、「書いたら指示を忘れるかもしれないから書きません」と答えていた時期があります)のに、忘れっぽくなった(歳のせいか・・・笑)。

 

本来、僕は多正面同時行動が得意な(ADHDタイプ)タイプで1つのことに集中するよりは、2つか3つのことに取り組む方がうまくいく人間です(飽きやすいともw)。だからいつでも余裕があったと思うのですが、どうしても1個にすら集中できない。思ったようにできなくて、さらにイライラする。そう思っていたところです。

 

ここ最近ずっと考えていました。

 

どうやったら、この「イライラ」が解消できて、調子が戻るのだろうか?

 

誰も抑うつとは思わないかもしれないが、どうやったらこの調子の悪さが復調するだろうか・・・と。

 

最近「補中益気湯+ビタミンB+ビタミンC」なども使っています(ストレスはビタミンBとビタミンC±マグネシウム、カルシウムで改善する、もしくは軽減されるという報告があります)が、それとは別に考え続けていたわけです。

 

で、ふと最近思ったことがあります。「7つの習慣」などにも書かれていますが、過去のことに囚われすぎているかと。

 

僕は誰かの時間を無駄にするのは嫌いです。誰かに頼まれたら、できるだけ速やかにそれを終わらせますし、できそうになければそう言います。それでも頼む人がいますけど、その場合は遅れることを了解してもらっています。人と待ち合わせをしたら、待ち合わせ時間よりだいぶ早くついて、場所を確認した上でそこが見える位置で残り時間を潰すようなタイプです。

 

そんな僕が「自分の時間を無駄にされた」というような気持ちを強く持っていました。1回どころか、この人たちには自覚がないのではないか・・・。人の気持ちを考えることもできないのか?

本当につい最近まで、2年間くらい「許せない」という気持ちが強かったわけですが、そのイライラが自分の手足や思考すら縛っていたような気がします。

 

その気持ちが自分の「今」の動きにまで影響を与えていると自覚しました。自己評価も下げていましたし、もはや自分の可能性も考えられないと思っていました。

 

ここにきてようやく、少しだけ抜け道が見えてきたような気がします。

 

基本的に僕は幸せだったわけです。医者という自分の好きな仕事で収入を得ることができ、楽しく過ごせていました。患者さんのためにも、後輩のためにも、ともかく知り合った多くの人のためにできることを行うことができたら、それが嬉しかったわけです。

別に相手が感謝しなくてもよくて、ただ喜んでくれていたら、少しでも力になれたなら・・僕は嬉しかったわけです。

 

最近は怒りに目が眩んで、どうしても「良いところ」に目がいかなかったように思えます。もちろん、このblogでコメントをくださる皆様を始め、多くの方々の役に少しでも立てていたら、嬉しいわけなんですが。

 

僕はこの数週間(職場の人が、僕が目を閉じながらため息ついていると思っていたらすいません)、空いた時間でずっと考え事をしていました。ともかく、この「憎しみ」「時間を無駄にされたという思い」を手放そう。これが僕の可能性をさらに阻害している。過去は通り過ぎたもので、未来はこれからくるものなのに、未来や現在にまで過去が影響を与えるのは余計である。

そう思って、ずっとその辺りのことを忘れようと思っていましたが、なかなか忘れられず(笑

 

そこで、忘れるためにどうしたら良いかを考えてみました。最終的には簡単なことで、「目を前に向ける」「意識を未来にやる」ことでした。

 

あの時、なんであんなことをしていたのか。どうして口だけで、実際は何もしていなかったのか。どうして・・・と思っていても仕方がありませんので(ついでに、「3ヶ月前から思っていたんだけど、そこはこうだと思っていたんだ」で、「なら3ヶ月前になぜ言わない!」と僕がブチ切れたわけですが、それももう忘れて・・・)

 

で、自分の意識を未来にやると「医師」以外の可能性というのはあまりないかもしれませんが、この人生において医師以外の職業は考えていませんので、問題はないわけです。

 

で、僕がやりたいことは

「妻子が幸せに過ごせるようにする」

「妻子が一緒にいて幸せだったと、僕が死ぬ時に言ってくれるように、ありがとうと言ってくれるようにサポートをする」

「両親が幸せに生きられる手伝いをする」

「友人や後輩たちと良い人間関係を作る(約束を守り、困っていたらできる範囲で助ける)」

「目の前の患者さん、blogなどを通じて知った患者さんのためにできることをする」

「医師の後輩たちの教育を通して、日本の医療に貢献する」

「可能であれば、研究などを通して未来の医療の発展に貢献する」

 

というようなものだと思いました。やりたいことはですけど。

 

で、そう言ったことを考えていたら、次のような結論に到達しました。

 

「知り合った人たち(リアル、ネットを含め)に『知り合って良かった』と言われる人間になりたい」

 

ということです。もちろん、全ての人にそう思われることはないでしょう。そんな人間はいませんし、たいてい気に入らないと思う人はいると思います。

 

ただ、それでも「相手のために」できることを行う。それは自分を犠牲にして・・・というつもりではなく、できる範囲でです。

相手のことを思いやることができ、できることを何かしようと思える人間でありたい。

 

そう思ったら、医師としては論文とか研究とかは二の次で、やはり臨床と教育が優先かなと思うに至りました。そうしたら、恐ろしいほど「論文や研究で時間を無駄にした」という気持ちが消えていきました。まぁ、論文も英文4つと日本語1つが出せずに終わったので、なんだかね〜とは思わないでもないのですが、そんなものでしか評価できない社会ならばどうでもいいか・・・とも思うようになり。

 

僕は僕がやろうとしていることで、そしてそれをやり続けていれば、

そして妻子が元気に楽しく過ごしてくれたら、

友人や仲間、後輩が、そして知人(患者さん含む)が僕との人間関係を喜んでくれたら

 

それが一番なのではないかと思いました。

 

ということで、ようやく軌道修正ができつつある僕でした(まだ、完璧とは思えないのですが)。

 

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生きていたという何かを残すために本を書く:金儲けは考えず

2017-09-12 20:56:32 | Weblog

こんばんは

 

明後日から2週間ほど出張するので、ブログのコメントなどのお返事ができません。パソコンなどを持ち運べないもので・・・。そんな理由もあって執筆作業を急いでいるのですが、ふとこの記事を見て強く思ったことがあります。

かなり長いので、ほとんど略して引用します。

命に関わる損をさせても「表現の自由」なのか 健康本を巡る出版関係者の思い

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170912-00010003-bfj-soci&p=1

9/12(火) 15:30配信

 

“目は1分でよくなる!”“《塩と水》だけであらゆる病気が癒え、若返る”“がんに勝つレシピ”“医者に頼らなくてもがんは消える”……書店やAmazonで目を引く場所には、このようなタイトルの、いわゆる「健康本」がずらりと並んでいる。

これらには医師などの専門家から「科学的根拠が疑わしい」と批判の声も多い。特に、“医者に頼らなくてもがんは消える”のように医療を否定・批判する本は、それを読んだ患者が適切な受診機会を逃し、命に関わる可能性もある

このような健康本について、出版業界の「中の人」は、実際のところ、どう思っているのだろう。複数の出版関係者に話を聞くと、変わりゆく出版業界の姿が浮かび上がってきた。【BuzzFeed News Medical / 朽木誠一郎】

「そんなの9割ウソだから」「作っているのオレなんだから」と、健康本ライターは母に言いたい。

健康本を作っているのは、どんな人なのか。例えば、Aさんは何冊か健康本を執筆した経験のある、50代の男性。理系ジャンルが専門のライターだ。

(中略)


このような経験から、健康本については「著者だけでなく、出版社の責任も大きいのではないか」とAさんは思う。

低コストでいい加減な内容の本を作って、それが売れたからとセミナーやインタビューで編集者が自慢する。こんな流れはそろそろ止めないといけない

(中略)

健康本は「基本的には売り上げのため」「損害があっても自己責任」と、総合出版社勤務の編集者。

なぜ、出版社は健康本を作るのか。総合出版社に勤務する30代男性の編集者Bさんは「もちろん人の役に立つ本を出したい、というのはある」が「ベストセラーを見込める分野であり、基本的には売り上げのため」と説明する。

Bさん自身は健康本を担当したことはない。しかし、Bさんの所属する総合出版社でも、いわゆる健康本は多数、出版されている。

「もともと、売り上げが高い=敏腕編集者というのは、やはり私たちの憧れです。特にビジネス書や実用書では、その傾向が顕著かもしれません」

「その上で、“健康本は売れる”というのは昔からわかっていたこと。週刊誌が“薬を飲んではいけない”などのシリーズで部数を伸ばした影響もあると思います」

出版不況と言われる時代になり、「新興の出版社やビジネス書・実用書の出版社だけでなく、老舗を含むあらゆる出版社」が「健康本に飛びつくようになった」とBさん。

(中略)

医師が執筆・監修すれば「一定の情報の信頼性を担保できるはず」というのが「落とし所になっている」とBさんは指摘する。

「しかし、専門出版社の一部を除けば、ほとんどの編集者や校閲者は、その医師の主張がどれくらい妥当なのか、専門的に判断することはできません。かなりの程度、著者の主張に依拠せざるを得ません」

(中略)

「その医師がこれまで、各メディアでどのように発信してきたか、といったことも十分にチェックします。目立つばかりで不確かな情報を聞き、伝えてしまうと、一気に信用を失うことがあるので」

医療についての情報は「人の命を奪い得るもの」。それを表現の自由で済ませていいとは「思いません」とCさんは言う。

「本来なされるべき医療で命が助かったはずの人が、健康本の紹介する代替医療に走り、助からなかったときに、自己責任で済ますには重すぎます

「はっきりと線を引くのは難しいですが、程度問題として、その情報がどのくらい人命に関わるかで判断するべきでは」

(以下略)


別にこの記事を読んだからではないのですが、執筆作業について色々考えました。

 

基本的に売り上げのために本を書く。

 

確かに、一般的に出版社はそうだろうとは思います。では、執筆する作者はどうだろうか?

 

自分はそうだろうかと思ったわけです。

 

売れないより売れた方が嬉しい・・。それはその通りです。

ただ、そういうつもりで書いたわけではないのです。遠回りになりますがブログを始めた話から書かせていただきます。

 

僕はこのブログを2008年から、前のブログを含めて良いなら2006年7月頃から書き始めました。

 

当初は医療問題、特に医師不足から近い将来「医療破綻」が起きるのではないかと思っていた(今でも思ってはいますが、やり方は色々あるかなと思います)から書き始めました。Mixiでそれらの話を書き込んだところ、有名医師ブロガーであった先生に奨められました。

 

一度やめたりしましたが、今も続けているのは大きく理由は2つあります。

 

一つは病気のことなどを相談してくださる患者さんやご家族がいらっしゃるので、ご相談内容になんとか対応したいと思ったからです。

これは僕自身、実際に主治医として治療などにあたる患者さんだけでなく、様々な方からご相談をいただきました。コメントとして公開していないものもあります(個人のメールアドレス書かれたら、公表できないので、捨てメールを使ってやりとりをしました。実は何人もいらっしゃいます。)。

そういったご相談をいただくことで、僕は新しい知識や経験、調べたりする機会をいただいてきたわけです。

 

患者さんやご家族のためにも「できること」があるかもしれませんし、そうすることで自分自身のためにもなるわけです。

 

情けは人の為ならず・・・ではないのですが、僕はありがたい経験を得るチャンスをいただいていると思っていますし、目の前にいないどなたかの力になるチャンスもいただいているわけです。

 

ありがとうございます。

 

そして2つ目に、僕は人間はいつ死んでもおかしくないと思いながら生きています。死にたくはないですが、死にたくないから死なないのであれば、誰もそんな嫌な経験をする人はいません。

確かに自殺される方もいらっしゃいますが、それは状況によって引き起こされたものだと思いますので。

 

ですので、いつでも何かを残せないかと思っていました。このブログも書きながら、多分どこかで実際書いてもいると思いますが、「誰かのために何かを残したい」「自分がいたという何かを残したい」と思って書いてもいたわけです。

 

ありがたいことに、僕は1冊目の本を書く機会をこのブログのおかげで得ました。儲けたいと思ったわけではなく、若手血液内科医や総合内科などで血液疾患に出会う医師、そしてその方々から診療を受ける患者さんや家族のために尽くすことができると思って書いたわけです。

研究で目の前にいない患者さんや家族の力になかなかなれなかったものの、教育という分野で多くの医師や患者さん(家族含む)のために何かできるかもしれない。何かを残せるかもしれないと思って書きました。

 

葉隠に「私なく考えるとき、不思議と知恵が出てくる」というような文章があります。本当にそう思っています。僕も多少は知識もありますし、色々考えたりする力があると思いますが、ずば抜けた才能はなかっただろうと思います。それでも「人のために尽くしたい。何かを成し遂げて死にたい」と思い続けていましたし、今でも思っています。

 

そう思って書いた本なので、僕は自分の本が結構多くの人の役に立てると思っています。

 

だから、多くの医師や医学生さんに手に取ってもらいたいと思っています。売れたら嬉しいですけど、どちらかというと誰かが読んでくださって、その知識を誰かのために使ってくださる。もしくは、勉強になった、使えたと本を読んでくださった方が思ってくださるのであれば、僕も少しは何かを残せたかもしれないと思えるわけです。

血液内科 ただいま診断中!クリエーター情報なし中外医学社

だったら、もっと安くしろ・・・と言われそうですが、出版社さんの儲けも出ないといけませんし、自費出版できるほどお金持ちではなくて・・・(汗

 

遠い将来、患者さんやご家族のための本とかを安くかけたらいいのに・・・と思ったりします。

 

また、いま書いている学生向けの本(自分の中の盛り上がりを考えると、結構ページ数増えるかも)もいいものになってほしいと、考えています。医師になった未来の学生さんが「あの本に書いてあったな・・・」と思ってくれる本にできればと思っています(要するに国家試験対策にも、臨床にも使える・・・両方にあまり関係ないところは記載しない)。

 

死ぬまでに何を残せるか。子供たちや妻にも残せるものを残したいですし、患者さんやご家族の役に立ちたいですし、良い意味で記憶に残ってほしいとも思います。日本という国にも何かを残したいですし、できれば素晴らしい研究とかをして、世界に何かを残せれば・・・そんなことをいつも考えています。

 

以前も書きましたが、僕は葉隠武士道が好きです。

葉隠 上 (岩波文庫 青 8-1)
クリエーター情報なし
岩波書店

「武士道とは死ぬことと見つけたり。二つ二つの場にて早く死ぬかたに片付くばかりなり・・・・(略)。毎朝毎夕、改めては死に死に、常住死心になりているときは、武道に自由を得、一生越度なく、家職を仕果たすべきなり」

武道ではなく、人生と考えれば「いつ死んでも良いように覚悟を決めて生きていれば、人生の選択にも自由を得て、一生落ち度(後悔)もなく、生きていけるだろう」というような感じになるのだと思います。

 

出版する人たちが、その記事を書いたことで「何を残すのか」

 

お金を得るために、人を傷つけてまで書く内容がそこにあるのか

 

もし、すぐにも死ぬ可能性があるのであれば、その健康本を書くのか?

 

ちなみに僕はとりあえず、明日死ぬ可能性があるとしても、書けるのであればこの本(1冊目も2冊目も)を書きます。何かを残すことができるなら・・・って


まぁ、その前に子供たちに会いに行ったり、妻と話をしたりするのでしょうけど(笑

 

 

 

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医学生に良い本を届けたい

2017-09-11 22:15:17 | Weblog

こんばんは

 

昨日から少し地方に出張しておりました。若干寒かったのもあるのですが、3時過ぎに目が覚め・・・。

 

眠れない(汗

 

眠れなかったので、起きて色々考え事をしておりましたところ、4時半のアラームがなり・・・。とりあえず本を読むことにしました。

 

持って行った本は「心眼力」という本。だいぶ昔に買ったのですが、本棚にあるのを見つけて持って行きました。

心眼力 -柔らかく燃えて生きる30の智恵- (CD付)クリエーター情報なしサンマーク出版

読んでいて、色々思うところがあり。

 

そうこうしているうちに6時過ぎたので、朝食を食べて仕事をして、帰ってきたというところです。

 

帰宅後はとりあえず頑張って執筆中ですが、思うような形にならなかったらど〜しよう。

 

医学生の役に立つ本を一冊届けたいなぁと思う今日この頃です。

 

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P.S

出張の前日が飲み会が夕方に終わり、中途半端な時間に寝て・・・起きたのが12時で眠れなくなり・・・。

その翌日はそのせいで早めに寝たせい(それでも23時)か、朝が3時・・。

睡眠のバランスが悪い気がする・・・

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執筆活動中:思った以上にページ数は少ないかも

2017-09-08 22:12:31 | Weblog

こんばんは

 

先ほどまで執筆活動に勤しんでいました。まぁ、どうせ何回か見直すわけですが、集中力が回復してきたのでスムーズに進んでいます

 

学生向けなので、僕がカンファレンスやいろいろなところで学生や研修医に教えていた「基礎的な知識」が主体になります。ほぼ理解するための幹、根の部分ばかり。たまに葉っぱとかもありますが・・・。

 

そうすると衝撃的なことが・・・。

 

疾患にもよりますが、1ページ(しかも半分はイラスト)で終わるものがある。そのため全体として200ページはいかないのではないか・・・?

前回は250ページくらいと言いつつ384ページでしたが、今回は250ページくらいと思っていたら200ページで終わりそうです。

 

そんなことを思いながら進めております。けど、病棟などで学生さんから聞いた話を考えると「最低限+α」はこれくらいだろう・・・。

 

さて、明日は上司の自宅の庭で焼肉パーティが予定されています。明後日は出張ですので、できるだけ明日のうちに執筆活動を進めてしまおうと思っています。

 

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国立循環器病センターの36協定:残業月300時間はもしかすると残業代出すため?

2017-09-07 19:29:03 | 医療

こんばんは

 

最近は朝早いせいか、夜が眠くなって11時前には寝てしまいます。学生時代は0時就寝、4時起きだったのですが、今はちょっと辛い(笑

 

慣れたら大丈夫なのかもしれませんが、臨床業務などに復帰すると4時間だと少し辛いかもしれませんね。なんといっても不規則な生活になるので。

 

前振りはこの辺で終わりまして、少しきになる記事をご紹介します。まぁ、多くの方がすでに目にしていると思いますが。

 

国循「残業300時間まで」の労使協定 過労死基準3倍

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170907-00000008-asahi-soci

9/7(木) 5:15配信

 臓器移植や救急など高度医療を担う国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)が、勤務医や看護職員の時間外労働を「月300時間」まで可能にする労働基準法36条に基づく労使協定(36(サブロク)協定)を結んでいたことが、弁護士による情報公開請求でわかった。国の過労死認定基準(過労死ライン)の「月100時間」の3倍にあたる長さで、国循は今後協定内容を見直す方針という。

 府内の主要病院が労働基準監督署に届け出た36協定の開示を、過労死問題に取り組む松丸正弁護士(大阪弁護士会)が国に請求。国循の36協定(2012年4月1日付)では、非常勤を含む勤務医や一部の看護師、研究職ら約700人について、特別な事情がある場合、「月300時間、年間2070時間」まで時間外の労働時間を延長できる(年6回まで)内容となっていた。

 病院側と「労働者過半数」の代表とが取り交わしたもの。ほかの病院は上限100時間前後までの協定が多かった

 国循は取材に、実際の勤務は「(36協定の上限時間までに)十分余裕はある」と説明。長時間労働の場合は所属長に勤務の分担を求めたり、職員に産業医との面談を勧めたりしているとした上で、「国で議論されている(働き方改革の)内容を踏まえ協定内容を見直す予定だ」と明らかにした。


さすがに失笑しました(笑

 

他の病院での36協定は100時間前後と書いていますが、結んでいない病院も多いと思います。それが問題になっていましたしね

 

36協定を病院にも・・・って。

 

過労死ラインくらいの36協定を結んで・・・というのも十分ブラックだろうと言われそうですが、これは急性期病院勤務の医師なら驚かないでしょう。けど、さすがに300時間は驚いた(笑

 

僕の場合は残業とは言わないのでしょうけど、後期研修医の頃は本当に忙しかった(笑

特に後期研修医の1年目は1日に18時間くらいが平日勤務(仕方がないのです。20歳以上年上の医師2人と僕の3人体制だったので、僕ができることをできる限りやっていました。それに勉強もしますしね)だったから、普通に考えて残業10時間とすると週に50時間×4週で200時間

実際は土日・祝日もきているから結構働いていますが、そんなレベルですよ(笑


36協定で残業時間上限が月300時間というのを労働者側の代表が結んだというのもどうかと思いますが。

 

いや、僕も月の残業時間300時間くらい(と計算される)の勤務を2年していたら、体重が12、3kg減りましたから・・さすがにそれは殺人的な36協定ですよ(笑

(定健で面倒臭くて体重計乗っていませんでしたが、妻と温泉に行ったときに体重計に乗ってびっくりしましたw 65〜6kg→53kg。このときは2年間で病院にいなかった日が15日間。妻(当時は未婚ですが)に色々言われました。ちなみに今は67〜68kgです)

労働者を守っていない(笑

 

本当にこれを見たときに大爆笑していました。

 

実際はそんなに働いてはいない・・・って、そりゃそうだろう。週60〜70時間の残業を全員がしている(ことはないはずですが)病院なんて、僕も行きたくないです(笑

 

急性期で忙しい病院は実際に月の残業時間100時間では済まないところは多いと思います。失礼ながら暇な病院もいっぱいあると思いますし、逆に忙しい病院もいっぱいあると思います。国立循環器病センターはすごく忙しい病院の1つだと思いますし、研究もしているから大変だと思います。

もしかするとすごく忙しく研究などをしている方々に残業代を払うための36協定なのかもしれませんが・・・。それでも36協定なので・・・(笑

 

まぁ、36協定を結ばずに残業とか当直とかを認めないまま、同じくらい働かせている病院よりましということでしょうかね。残業時間月に100時間なんて、忙しい病院だったらありえない設定かもしれない。研究なども含めたら簡単に越しますね。

 

この36協定の意味がどこにあるのかはわかりませんが(もしかすると、少しでも手当てを出そうという36協定かも)、常識の範囲にした方が良いとは思います。けど、もしかするとまだ良いのかもと思ってしまいました。

 

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大学病院から地方への休日医師派遣:大学の待遇改善が先ではないか?

2017-09-05 04:02:18 | 医療

おはようございます。

 

昨日は、色々調整ごとがあり興奮しているのか、少し早く目が覚めました。4時半には起きる予定でしたので、まぁいいかと思い、とりあえず記事を書いております。

 

先日よりフェイスブックなどでこちらの記事が紹介されております。せっかくなので、僕もブログで紹介します。

NHKニュースです

休日に大学病院などから医師派遣 地方の医師の負担軽減へ

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170903/k10011123901000.html

地方の病院に勤める医師の負担を軽減することで定着を図っていこうと、厚生労働省は、休日などに都市部の大学病院などから医師を派遣し、代わりに診療を行う取り組みを来年度から全国で実施することになりました。

都市部から離れた地域の中には医師不足が深刻化しているところがあり、厚生労働省が去年、全国の医師およそ10万人を対象に行った調査では、51%の医師が、東京23区や政令指定都市、それに県庁所在地などを除く地方で勤務する意思はないと答え、その理由として、医師が少なく、大量の業務を1人で負担させられる不安があるという回答が目立ちました。

厚生労働省は、地方の病院に勤める医師の負担を減らして定着を図っていこうと、休日などに都市部の大学病院や中核病院などから医師を派遣し、代わりに診療を行う取り組みを来年度から実施していくことになりました。

(以下略)


以前より書いておりますが、大学病院は臨床、教育、研究と行うには待遇が悪くなっています。そういう理由もあり、そこまで人が豊富にいる状況ではないと思います。

 

やる気のある医師が集まっているとしても自分の生活を一般の医師に近い水準にするためには、アルバイトをして年収の半分くらいを稼ぐようになっています(+αの仕事を行います。アルバイトに行けば、その分は病院内で勤務する病院が多いと思います)。

 

休日も含め、臨床や研究に対応しているというのが僕の印象です。血液内科だからかもしれませんが。

 

地方の病院に派遣する余裕があるかしら?

 

と思っています。

 

 

以前も書きましたが(医師の地域偏在解消対策:少し気になるところがありますが・・・)もし、これが大学病院の業務の一環のような形で行われ、派遣先の病院からの給与等が「大学病院」もしくは「医局」に入っていくようになれば、おそらく大学から医師がまた消えていくと思います。そうではなくても、大学病院の医師が日曜日に働いたら、翌日は休暇が取れるというシステムにはならないだろうと思っています。

 

もう少し情報がないかとネットを探しておりましたが、分科会の報告書くらいしか見つかりませんでした。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000170226.html

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000167959.pdf

 

この辺は前の記事にも書いた気がするので、割愛します。もう少し情報が欲しいなぁ。

 

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個々の患者さんに治療を合わせるために:話さないとわからないですよね

2017-09-04 18:58:14 | 医学系

こんばんは

 

今日は土曜日の仕事の代休です。朝から教科書を書いたり、走ったりしております。

 

今書いているのは医学生向けなのですが、1ページに1項目を基本として作成しています。過去に書いたものを見直したらこんなことものが出てきました。

 


さて、MDSの治療の基本ですが、第一に知っておくべきことがあります。それは完治させる方法が「同種移植」しか現在は存在しないことです。薬で簡単に治る、副作用はほとんどなく延命可能であれば治療はあまり困りません。完治させるには「致死率」が高い危険を伴う治療しかないこと。それがMDS治療の難しさでもあり、やりがいでもあります。

 

高リスクMDSであり、同種移植が可能であれば、移植を検討するはずですから治療選択肢は困りません。同種移植(完治)ができない高齢者に多い疾患ということもそういう意味では難しいところです。

 

完治できないのであれば治療を開始するかどうか・・・ということも検討材料になります。症状がなく、本人が困っていないのに副作用の強い治療を行えば、病気を見て患者さんを診ていないということになります。高リスクMDSであれば普通は血球減少がある(症状もある)はずですが、低リスクMDSと診断したものの好中球は1000/µl以上あり、貧血の症状もなく、血小板も8万/µlくらいあるので出血リスクも低い。ここで何らかの治療を開始して、患者さんに副作用が出たら信頼関係を失うことになるかもしれません。患者さんの症状はどうか、予後はどうか、それを含めて標準治療はどうなるのかを示しながら、患者さんと治療をどう行なっていくか決定すること(個々の患者さんに合わせる)が重要です。

 

このページは概念的なもので、国家試験には出ません(おそらく)。ただ、臨床医としての考え方の基本的なものだと思っています。


自分で言うのも何ですが、こう言う話を学生のころは聞いたことはなかったです。経過観察も選択肢に入ることは教科書にも書いていますが、軽症のうちに治療したらリスクが少なく治る病気であれば治療しますものね。

考えてみたら当たり前だけど、さっさと治療をしないのか・・・。他のがんであれば症状が出る前に治療するのが当たり前ですから(もう少しすると前立腺癌とかは変わるかもしれませんが)、こういうことを教えるのは血液内科でなくてはと思います。

 

医者をしていて「患者さんを診ている」と思うのは、全ての知識を動員して統計学的なことだけではなく、患者さんに合わせた治療を行うために、患者さんや家族と協議している時だと思います。あとは患者さんが困っている時に話を聞く、何か予測と違う変化があれば対応する(予測通りならば、予定通り実行する)と言うレベルです。大きな方針を決定する場所でいかにきちんと話し合うかは医師としてのやりがいでもあり、患者さんや家族との信頼関係を構築するためにも重要です。

 

僕はやはり医師が全てを決めるのではなく、患者さんや家族と治療方針を決める場が重要だと思っています。医師は今の時点で最も良いと思う治療、多くは標準治療を提示します。その理由も説明しますし、他の選択肢も簡単には言いますが、ある程度はベストと思われる選択肢を選べるようにします。

 

しかし、きちんと話をしていたら「患者さん、もしくは家族が難色を示している」ことがわかる時もあります。受診頻度のこともありますし、お金のこともあります。治療の副作用に対する不安であることもあります。話せばそれを解決することができる時もありますし、標準治療以外の方法、もしくは近くの病院への紹介などという方法もあるかもしれません。

 

話し合いましょうという姿勢は患者さんや家族にもわかると思います。そうすれば色々なことを患者さんや家族が話をしてくれます。それがなくては実は患者さんに対する対応が医者もできません。知識があっても、その知識を役立たせる情報を引き出すためには患者さんと話さないといけないからです(他の診療科でも診ている患者さんがそちらの主治医が怖くて相談できず、僕に相談することもよくありました・・・。で、僕が処方(対応)して、向こうの治療に関連する症状であれば僕からそちらの医師にさりげなく連絡など)。

 

そういうことを学生さんに少しでも知ってほしい・・・という1ページになっております。伝わるかはわかりませんが(笑

 

 

医学生が手に取ってくれるほんになれば良いなぁと思います。

 

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十勝マルシェに行ってきます

2017-09-02 18:43:35 | Weblog

こんばんは

 

本日はちょっとしたフェスティバルみたいなものがあり、その救護をしておりました。一応色々なことは考えて、大きな問題に対処できるようにしていたのですが、大きな事故などもなく終了しました。良かったです。

 

子供が転んだとか、足をひねったとかちょっとしたことはあったのですが、一件だけ困ったことが。

 

子供が空気を入れたバルーンドームみたいなので遊んでいたら、手が痛いと言って動かさなくなった。昔、肘内障をやったので、今回もそうではないかと。

 

まぁ、触った限りでは折れているという感じではなく、繰り返すこともあるので、少し整復動作をしましたが、やっぱり動かし始めると泣いてしまう・・・。

 

レントゲンとかで折れていないという確証がないと、無理やりやってもっと悪くしたと言ったら問題なので、途中でやめました。お母さんには「先ほど整復動作をした後、少し自分で動かしたりしているので折れてはいないと思うのですが、わからないので、家に帰って夕方(発症が昼の2時くらい)になっても動かさなかったら、病院に行くようにしてください」と伝えました。

 

正直、子供は僕は見る機会がほとんどないので、やりにくいです。

 

で、先ほど帰ってきたのですが、この土日は「十勝マルシェ」というイベントをしているので、今から職場の方と一緒に行きます。

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