新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

忙しい週末でした

2015-04-26 21:58:28 | Weblog

こんばんは

 

今週は若干忙しい週末でした。

金曜日の夜は研究会があり、色々と勉強をしておりました。昨日は後輩の結婚式に参加し、そのあとそこに参加していた後輩たちとさらに飲みに行っておりました。

 

今日は大学病院で実施していた講習会のインストラクターとして活動しておりました。

 

まぁ、いろいろやることをやっております。

 

若干疲れ気味なので、やることをやったら今日は眠りたいなぁと思っています。

 

明日からまた頑張ろう

 

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ナイジェリアの謎の病:感染症?化学物質?なんでしょう

2015-04-19 20:43:28 | Weblog

こんばんは

 

今日は病棟のバックアップでしたが、行ってすぐに患者の一人が意識がないような状況で、パタパタしておりました。やるべきことを行い、改善の方向に向かったので4時くらいには帰りましたが、先程意識が回復してきたという連絡を受けました。

まぁ、とりあえず大丈夫だとは踏んでいますが…。

 

さて、ナイジェリアの話は気になりますね

 

ナイジェリアで「謎の病」、24時間で死亡 既に18人が犠牲に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150419-00000017-jij_afp-int

AFP=時事 4月19日(日)11時46分配信

【AFP=時事】ナイジェリア南西部で今月13日以降、発症から24時間以内に命を奪う「謎の」病気による死者が相次いでいる。南西部オンド(Ondo)州保健省のダヨ・アデヤンジュ(Dayo Adeyanju)長官は18日、AFPに対し、23人がこの病気にかかり、うち18人が死亡したと明らかにした。

インドの奇病、原因は果物のライチ?

 これに先立ちAFPの電話取材に応じていた同州政府報道官は、同州のオデイレレ(Ode-Irele)という町で発生したこの病気にかかると頭痛や体重減少、かすみ目、意識消失などの症状が出て発症から1日以内に死亡するが、検体検査ではエボラウイルスやその他のウイルスは検出されていないと述べていた。

 一方、世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、これまでに14人が発症し、うち12人が死亡したという情報を得ていると明らかにした。WHOのタリク・ヤシャレビチ(Tarik Jasarevic)報道官はAFPに宛てた電子メールでこの病気の調査を進めていると述べた他、WHOの別の報道官グレゴリー・ハートル(Gregory Hartl)氏は予備的な報告によるとこの病気の患者は全員が今月13~15日の間に発症したとしている。

 オンド州のアデヤンジュ保健長官によれば、WHOや国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)、ナイジェリア疾病対策センター(Nigerian Centre for Disease Control、NCDC)の専門家らが調査のため、既にオデイレレに入っている。【翻訳編集】 AFPBB News

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患者の発生が一時期に集中しているので、なんらかの感染症だと思いますが。。。

 

食事など何らかの共通項があるのか、地理的なものか、それとも何か別の共通項があるのか。非常に気になるところです。

間違っても生物兵器ではないと思いますが・・・。いや、化学兵器の可能性もあるか。

 

いずれにせよ、情報が待たれるところですね。

 

では、明日からも頑張ります

 

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L-システインのアルコールによる胃癌予防効果:面白そうですね

2015-04-18 08:00:03 | Weblog

おはようございます。

 

相変わらず研究を主体に活動中です。研究も一番重要なポイントかなと思う地点におりますが、これが上手くいくか行かないかで大きく状況が変わるなぁと思いながら実験中です。

 

ただ、当直や外来などは相変わらずやっており、外来では「初診」みたいなことが書いているにもかかわらず、予約患者が30名近くで、そこに7名も新患が来たものだから回らない・・・。

 

別にかまわないといえば構わないのですが・・・骨髄穿刺をするかしないかで1時間外来で悩まれていた方もいて

「いや、あの外来でできる検査ですし・・・・。あと、適応はありますが、少なくともゆっくりしか進行していないし、今日決めなくてもいいですよ」

と思わず言ってしまいました。

 

で、結局当然昼ご飯は食べられず・・・。ただ、患者さんが「これ昼ごはんの足しにしてください」とカロリーメイトをくださったので、飢えをしのぐことができました

 

そういうことで、追いまくられたため外来でカルテの整理と紹介状の返事を書き終わったのは7時・・・。

さらに運悪くいつも来てくださっている研究助手の方が早退されており、予定していた検体保存を頼む相手がおらず・・・。検体保存などをしているうちに9時

そこから自分の実験を始めて最終的に11時(pm)になっておりました

 

まぁ、仕方がないのですが。

 

今日は軽く走った後に、実験して、そのまま娘のいる妻の実家へ移動するつもりです。明日はバックアップなので病棟を見ないといけないのと急変時対応があるので、遠出できないから買い物は今日行かないといけませんし。

 

さて、少しこちらの記事を紹介します。

下戸の飲酒 胃がんになりやすい!?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150416-00000005-khks-soci

河北新報 4月16日(木)9時55分配信

  下戸は胃がんになりやすい? 東北大大学院医学系研究科の飯島克則講師(消化器内科)らのグループは、アルコールから生じる発がん物質アセトアルデヒドが、酒に弱い人ほど高い濃度で長時間、胃の中にとどまることを実験で明らかにした。

【がん治療は「歯が命」】口内菌の感染予防

  アセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2型」には活性型と不活性型がある。酵素が不活性型のため、少量の飲酒で顔が赤くなったり動悸(どうき)が激しくなったりする人が「下戸」だ。日本人の3~4割が不活性型とされる。

  グループは20~30代の男性20人を「酒に強い人(活性型)」と「弱い人(不活性型)」に分け、アルコール度数約15%の酒200~300ミリリットルを胃に直接注入し、経過を調べた。

  2時間後、酒に弱い人のアセトアルデヒド濃度は、強い人の5.6倍のままでとどまり、胃粘膜が高濃度のアセトアルデヒドにさらされていることが分かった。

  また、アルコールと一緒にアミノ酸の一種「L-システイン」を胃に入れると、アセトアルデヒド濃度は酒に強い人で67%、弱い人でも60%低下。アセトアルデヒドを無毒化する作用を確認した。

  飯島講師は「酒に弱い人は胃がんになりやすいことを自覚してほしい」と注意を促す。同時にL-システインの飲酒による胃がん予防効果に着目し「将来的にはサプリメントの服用で胃がんリスクを低減できるかもしれない」と話す

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面白いですね。直接論文を見ていないので、アルコールの強い弱い(ALDH2の有無)でL-システインが胃の中で生じる効果に差があるのかはわかりませんが(マスコミさんなので、そこに意味のある差があるかは考えずにそのまま書いているかもしれません。論文上そう書いてあったと)、どのような方であっても一定の効果を得られるというならばよいですよね。

 

しかも、飲むにあたって大きな有害事象はないと思いますので、1次予防にはよさそうですね。

 

時間を見て(研究室行ったら)論文を見てみようかと思っています。

 

 

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聖マリアンナ医大の精神保健指定医取り消し問題:そして専門医機構の評価も始まるなぁ・・・

2015-04-15 23:06:14 | 医療

こんばんは

 

今日もバタバタの毎日でしたが、少し早く帰ってきました。おかげでブログの更新もできそうです。

 

先程、少し不思議なコメントがありましたが、整形外科の先生のブログに見えたのでしょうか(汗

一応、血液内科医のブログなので、整形外科の手術とは関係ありません。

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します。

 

<聖マリアンナ医大病院>精神保健指定医20人資格取り消し

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150415-00000111-mai-soci

毎日新聞 4月15日(水)21時36分配信

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)の医師が「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとされる問題で、厚生労働省は15日、同病院に勤務するか過去に勤務していた医師計20人の指定医の資格を取り消すことを決めたと発表した。17日付で取り消される。指定医の取り消しは過去に3例あったが、一度に大量の指定医の資格が取り消されるのは初めて。

 精神保健指定医は、精神障害があり自分や他人を傷つけるおそれがある患者の強制入院や、身体拘束の可否を判断をするために必要な資格。資格取得には一定期間の実務経験に加え、資格を持つ指導医のもとで自ら診察した入院患者8例以上のリポートを厚労省に提出する必要がある。

 処分理由によると、処分された医師のうち11人は、自分で診断や治療に十分関与していない患者なのに、治療に関わったとの虚偽のリポートを提出した。残り9人はいずれも指導医で、11人が作成した虚偽のリポートについて、実際に治療を担当した患者か確認せず提出に必要な署名をした。同省は20人とも指定医として著しく不適切と判断した。医師らは「グループ診療や会議で出ていた症例なのでリポートにしても問題ないと思った」などと釈明しているという。

 厚労省によると、今年1月下旬、同病院に所属する医師から提出されたリポートの内容が、別の医師のリポートに酷似していることが発覚。病院に保管されていた過去5年のカルテの記載とつき合わせ、11人の不正を確認した。同省は先月27日に同病院に立ち入り検査を実施したが、組織的な関与は把握できなかったという。

 この問題を受け、同病院は調査委員会を設置して調査を進め、指摘を受けた医師を一般外来の初診から外した。神経精神科では今月から「外来診療および入院病床の確保・維持が極めて困難な状況になった」として診療体制を縮小しているという

 厚労省によると、指定医には通院患者の診療などで通常の医師より高い診療報酬が支払われ、救急入院施設など一定数の指定医がいることを要件にした施設基準もある。2012年3月末で1万3880人の指定医がいるという。【桐野耕一、金秀蓮】

---------------------------------------------ー

まぁ、個人の権利を制限できる資格なので、通常の専門医以上に取得する医師の適性を見極めてほしいとは思います。

 

こういう問題があったからではありませんが、いよいよ専門医機構(http://www.japan-senmon-i.jp/)による評価も始まりそうな感じですね

http://www.japan-senmon-i.jp/organization.html

 

これからが大変だと思います。専門医の維持も難しくなるのだろうなぁ。

 

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がんセンターの名称を語った本に関して:九州がんセンターの声明より

2015-04-14 23:59:38 | 医療

こんばんは

 

今、帰ってきました。

実験をしているうちに午後9時過ぎになり、そのまま実験を継続していたら12時になるというお決まりパターンでした。

 

先日の京都での学会の話でいろいろコメントをいただきました(スルーしてくださいと書かれていたので、一応公開せずにスルーしましたが、よろしかったでしょうか?)。確かに乳児を連れて京都は辛いなぁ…と思いましたが・・・よく考えてみるとうちの嫁さんと娘は・・・夢の国に行ってらっしゃいます。風邪ひいて無きゃいいけど・・・と考えながら・・・京都は行かないけど、夢の国にはいくんだよなぁ・・・とちょっと思いましたw

 

さて、今日は九州がんセンターのHPからです。

 

国立がんセンターあるいは九州がんセンターの名称をかたった書籍タイトルの監修本について

国立がんセンターあるいは九州がんセンターの名称をかたった書籍タイトルの監修本について

株式会社「史輝出版社」から刊行されている「元国立がんセンター医師が実証!ガンを攻略するフコイダンの威力」また、「青山書籍」の「元がんセンター医師が実証!!ガンを直接攻撃する!このフコイダンの凄い力」という書籍について、その内容は九州がんセンターが研究したものでも認めたものでもありません。 監修者は平成6年6月1日~平成7年5月31日まで、整形外科の非常勤職員として勤務した事実はありますが、これのみをもって元国立病院九州がんセンター医師という誇大な広告をしています。

監修者及び本の内容等、当センターとはいっさい関係がありませんので十分ご注意ください。

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まず、個人的な考えでしかありませんが、免疫賦活化・・・を歌う様々な商品がありますが、おそらく全員に効くということはないと思います。もし、全員に一律に効くのであれば「癌免疫賦活化薬」というような位置づけで商品化されることでしょう。それこそドラッグラグですよ。

 

逆に全く効かないかといわれると、否定することはできません。だって、実証してないですし・・・。フコダインもいろいろ書かれていますが、結局実証されたものはなくて・・・だから薬になっていないのだと思います。恐らく、効く人には効く可能性はあると思います。将来的に「こういう形質、こういう遺伝子の異常のある人、ないガン細胞が主体の人であれば効く」などということはわかるかもしれませんが、全面的に押していくのは今は無理だと思います。

 

代替療法のような位置づけかもしれませんが、漢方薬などで転移性腫瘍が縮小したという報告はあります。十全大補湯や補中益気湯など補剤のグループでの報告だと思いますが、これはマウス実験などで「免疫調整作用」「NK細胞活性化作用」「液性免疫改善作用」など検証されていて、そういうことも起きる可能性はある・・・と思います。ただ、これだって「免疫賦活化作用があるから推奨」という位置づけではないです。僕も多重がんで血液腫瘍以外が緩和的な状況になった方に、多少良い効果があるように十全大補湯などを処方しました(調子はよくなったそうです。まぁ、そういう薬ですから)。ただ、それで劇的に効くと思って出しているわけではなく、この漢方薬は少なくともこの患者さんに対して悪い方向にはいかないだろうという形で、症状を少しでも緩和できるように出したという感じです。それでよい方向に行ったらラッキーと言えますが、全員に効くなどと口が裂けても言えないです。

 

がんの免疫も難しくて「特異免疫(これをターゲットにして攻撃)」がよさそうなものもあれば「自然免疫(自分ではないやつをやっつけよう)」がよさそうなものもありますし、腫瘍が周囲に「免疫抑制型」のリンパ球やマクロファージ(M2でしたっけ?)、単球などを集めているという報告はいっぱいあります(マクロファージは自分で論文引いたことがないもので・・・)

 

そういった「ガンの周囲」の影響や、がん細胞そのものの性質…さまざまなことを考慮する必要があります。

 

今回の本の件は「本を売り出すため」に「虚偽・・もしくは誇大広告」のようなものを行っています。しかも、こういう本を手にされたということは、何かにすがりたい、藁にもすがりたいという状況の患者さんやご家族がいて、その方々を対象にしているということが個人的には非常に悪質だと思っています

 

恐らく病気でない人であれば「何をまた、眉唾な」と思うところを、病気であり、しかも一般医療では厳しい状況になった人を狙って、お金を巻き上げようとするような商法です。一部にはまともな人(会社?)もいるのかもしれませんが、こういうことがあるので注意が必要だと思います。

 

ちょっと気になったので書いてしまいました。

 

ついかで

「リンゴ病」患者報告数、6週連続増-最多の東京、一部地域で警報値超過

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150414-00000000-cbn-soci

 ほおが赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」の患者報告数が6週連続で増えていることが14日、国立感染症研究所のまとめで分かった。首都圏や東北地方からの報告が目立っており、都道府県別で全国最多となった東京都は「定点当たりの報告数は過去5年平均を超えた状態が続いている」と指摘している。【新井哉】

 3月30日から4月5日までの週の全国の患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、前週比5%増の定点当たり0.46人となった。都道府県別では東京が0.95人で最も多く、次いで福岡(0.92人)、埼玉(0.88人)、石川(0.83人)、神奈川(0.75人)、千葉(0.72人)、青森(0.71人)、宮城(0.63人)、新潟(0.59人)、福島(0.57人)などの順だった。

 東京都内では3週連続で増えており、北区(2.71人)などの保健所管内で警報基準値の2.0人を超過。また、前週に比べて14%増えた千葉県では、海匝保健所管内で警報基準値に達した。県内の年齢群別では3―7歳が多かったという。同県は「2014年以降報告数が多い状態が続いており、今後の流行状況に注意が必要」としている。

 このほか、福岡県の福岡市城南区(5.0人)と同市早良区(2.4人)、新潟県の魚沼(3.0人)、埼玉県の春日部(2.17人)などの保健所管内で警報基準値を上回った。

 伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、10―20日ほどの潜伏期間の後に、ほおに赤い発疹が現れた後、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。

 一方、成人では、ほおの赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性があるという。

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僕らだとどうしてもaplastic crisisを思い出してしまいます。溶血性貧血の患者さん、注意しておこう。

 

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内科学会総会に参加せず:珍しく家でのんびりです

2015-04-11 22:00:24 | Weblog

こんばんは

 

今週は寒暖の差が激しい1週間でしたね。寒くなったり、暑くなったり。

今週も実験を中心とした生活を送っておりますが、まず第一に先日急変してバタバタした患者さんが無事に人工呼吸器や透析から離脱して、改善の方向に向かい始めました。よかったよかった・・・ということで、僕はまた病棟から離れてちまちま実験をしております。

 

さらに、ふとした拍子に気が付いたことに関してさらに情報を深めて論文にするように言われ、いまどういった解析をするべきかを考え、倫理委員会の書類などを作成し直しています。何を解析すればよいのやら(特に遺伝子系)。

 

うちの教授からは「今やっているやつが上手くいかなかったときの滑り止めとしてやっておけ」と言われましたが、まぁどっちもうまくいかせたいところです。

 

今日は午前中は実験していましたが、午後からは妻の実家で娘と妻を拾って買い物にいきました。来週末あたりにこちらに戻ってくる方向で調整しておりますが、それに合わせて、柵や椅子などを購入しようといっておりましたが・・・・。いざ買おうと思ったらサイズがわからず、購入せず(笑

 

そんな感じでした。

 

なお、昨日から日本内科学会総会が京都にて行われております

この2、3年間くらいは毎年演題を出しておりましたが・・・「京都か~遠いなぁ」という思いと「総合内科専門医の更新に必要な75点を越えて109点あるから、もういいか・・・」と思ったのと、うちの嫁さんに「京都に旅行に行きたい?学会があるのでせっかくだから京都でも3人で回らない?」と言ったところ、「いかなくていい」と言われ・・・(汗

 

そういうわけで、今年は珍しく演題も出さずにのんびりと家で過ごしております・・・。

 

さらに京都で日本医学会総会もやっております

医療「革新」へ課題共有 医学会総会、京都で開会式

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150411000054

印刷用画面を開く

 第29回日本医学会総会2015関西の開会式が11日、京都市左京区の国立京都国際会館であった。13日までの3日間に約3万人の医療関係者が参加し、「医学と医療の革新を目指して―健康社会を共に生きるきずなの構築」をテーマに、少子超高齢社会における医療や介護、社会保障の在り方を議論する。

 式には、皇太子さまが出席された。総会の本庶佑副会頭が開会宣言し、井村裕夫会頭が「医学、医療は大きな転換期にある。個の医療や先制医療、再生医療をはじめとした医学の進歩と、少子超高齢化の一方で持続可能な健康社会をどう築くかという医療の課題を理解してもらえると期待している」と語った。日本医学会の高久史麿会長らがあいさつに立った。

 続く開会講演で、山中伸弥京都大教授はiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究の現状や医療応用に向けた取り組みを説明。自身が所長を務めるiPS細胞研究所が掲げる新薬開発や再生医療の実現などの目標について「順調に推移していて達成はほぼ間違いない。さらに先を見据えて研究を進めたい」と意気込みを述べた。

 総会は4年ごとで、今回は京都を主会場に「オール関西」で開催。学術講演は「医学」「医療」「きずな」に分類した20の柱で約100のセッションがあり、800人余りが講演する。初めて一部の学術講演に市民も参加できるようにした。左京区のみやこめっせや京都大、下京区の京都劇場などでも開かれる。

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人口減少、予防医療が重要 京都医学会、井村元京大総長が講演

http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20140928000113

印刷用画面を開く

 来年春に京都市を中心に関西で開催される日本医学会総会に向け、京都府内の医療関係者が集う京都医学会が28日、中京区の府医師会館であった。元京都大総長の井村裕夫氏が特別講演し、日本の人口減少に伴う今後の医学の課題について語った。

 日本の医療・医学界で最大規模の同総会は4年に1度だが、前回2011年は東日本大震災で規模を縮小しており、来春は8年ぶりの本格開催となる。府医師会主催の京都医学会は今回、総会のプレイベントとの位置づけで、約500人が訪れた。

 井村氏は少子高齢化による医療費負担の増加を課題の一つに挙げ、病気が発症する前に予防する先制医療の重要性などを指摘。「日本の人口構成が大きな曲がり角を迎えている。新しい医学、医療の在り方を模索し、革新することが必要だ」と語った。

 このほか、「高齢者の終末期医療を考える」とのテーマでシンポジウムがあり、医師や認知症患者の家族が意見を述べあった。

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僕は人口減少に関しては「教育、経済、社会福祉の発展により子育てに不安がない社会」になれば改善の方向に行くのではと思っているので、医療に関しては「高齢化」を中心に考えたいと思っています。

 

すなわち、高齢化すれば「どこか遺伝子の異常が起きる(血液疾患を発症していなくても、遺伝子の異常が起きてくることはAge related clonal hematopoiesis associated with adverse outcomesというNEJM(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1408617)でも示されましたが、癌のリスクは増大してきます。逆にそういうものが積みあがっていくということは、本来それを除去する免疫系が上手く働かなくなってくるということでもあり、様々な疾患が増えることも予想の範囲内です。)」

また、昔は60歳後半に同種造血幹細胞移植をするなどは考えない時代でしたが、今は60後半なら普通に検討すると思いますし、病院によっては70代にも同種移植を検討しています。骨髄腫などを中心にどんどん良い薬ができてきています

 

慢性骨髄性白血病は2~3年で移植ができなければ死亡する疾患であったのに、今では90%の人が5年以上生きますし、骨髄腫などは延命はできないといわれていたのがどんどん延命できるようになっています(良いことなんですけど、昔は2,3年で減っていた患者さんの数がそのまま積み重なっています。CMLも骨髄腫も3年くらい前までの当院の患者さんは把握しているので、だいたい状況はわかっています)。

 

すなわち、医療ができることが増えています

 

にもかかわらず、この先に患者数が増えることを予測しなかったり、今のままなら少子化が進むから医師は増やさなくてよい(政治家の範囲なんですけどね・・・たぶん。やる気ないのかな・・・)というのは僕はおかしいと思っています。

 

・・・まぁ、そんなことが京都で行われていますが、今は自分の実験と家族生活の確立に時間を使いたいと思います。

実験が上手くいって、論文が早くいくつか通るといいなぁ(昨年度同様、頑張りたいと思います)

 

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ドラッグラグ、デバイスラグ:遅いことは問題ですが、安全性は確認しないといけないと思っています

2015-04-06 22:35:58 | 医療

こんばんは

 

今日は少し早めに帰ってきました。なんとなーくですが、疲れていたので(笑

 

まぁ、緊急事態もなさそうだというのもありますし、雨が降りそうだったからというのもあります。

先程、ネットを見ていたら、結構刺激的な題名の記事が目に入ってきました。

 

4歳女児を“殺した”日本の医療 小児に危険な機器使用を強いる厚労省の怠慢

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150404-00010005-bjournal-soci

Business Journal 4月3日(金)17時52分配信

 今年1月、4歳の女の子が脳死し、その肺や肝臓、腎臓が各地で移植を待つ患者のもとに届けられ、移植手術が行われました。実は、この女の子は「特発性拡張型心筋症」という心臓の病気で、彼女自身、心臓の移植を待つ身で、家族は移植の準備を進めて米テキサスの病院で受け入れが可能となり、移植への道が開けていたその矢先、容体が急変して脳死となってしまったのです。

 特発性拡張型心筋症は「特発性」との文言からもわかるように、心筋が伸び切ってしまう原因不明の疾患で、心臓の機能が十分に果たせなくなってしまいます。女の子は補助人工心臓をつけていました。補助人工心臓が血栓をつくってしまい、その血栓が脳に移動して脳血管に詰まってしまったのです

実は、女の子に装着されていた補助人工心臓は大人用のもので、子供が使用する場合は血栓ができやすいと指摘されていたのです。「小児用がないのだから仕方がない」と考えがちですが、世界にはすでに小児用の補助人工心臓があり、使用例もあるのです。

 小児用の補助人工心臓はドイツのベルリンハート社製で、「血栓もできにくいため、海外では1990年代からすでに1500例以上も使われています」と、心臓の専門医は話します。

 第一線の現場で「小児用の補助人工心臓を使いたい」との声は以前より挙がっており、日本では3年前から治験が始まっていたのです。結果は良好とあって、この夏にも認可されるところまで来ています。ただ、要望が強いことを受け、4月1日から臨床試験を行う医療機関は条件が緩和され、小児用人工補助心臓が使えるようになりました。小児用人工補助心臓使用の道が開けたとはいえ、あまりに対応が遅すぎるのではないでしょうか。

 目の前に心臓移植が決まっている子がいるのに、安全が担保できない大人用の補助人工心臓を使い、治験中の小児用を使えなかったのは、なぜでしょうか。

 日本は、医療では世界の先進国です。特に、がんの手術等ではナンバー1と評価されています。その国が、このような対応をするのは許されないように思います。補助人工心臓を必要とする小児は、毎年15人ほどいるそうです。その子たちの命を保証するためにも、あまりに遅いデバイスラグ(医療機器の承認が遅れること)は、すぐにも解決していく必要があります

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まず、この女の子のご冥福をお祈りいたします。

 

機械でも薬でもそうだと思いますが、一定のリスクがあります。僕は申し訳ないのですが内科医で、しかもあまり人工心肺などは使わない(さすがにそんな状況では抗癌剤治療はできないと思いますので・・・。心臓の駆出率(EF)が30%以下の人に白血病の治療を何回かしたことはありますが、かなり大変でした。QOLも落ちますし)ので、この人工心肺でどの程度血栓症のリスクがあるかは存じません

 

ただ、死亡率などは5%あったりするとかなり高いという印象があり、10~20%(造血幹細胞移植)あるようなものはかなり適応を考えます。同様にこの機械を使用するかどうかは主治医はよく考えただろうと思います。

 

この記事を書いた記者さんも「主治医」が悪かったとは思っていないと思いますし、書き方も異なります。実際に「デバイスラグ」があるとすれば、解消するに越したことはないだろうと思います。ただ、それは安全性が担保されていないといけないわけです

 

まぁ、なんとなくですが、機械では大きな問題はないような気もしますが・・・。

 

ドラッグラグに関して、僕も早めに解消してほしいといつも思っています。ただ、それと安全性チェックをしなくてよいというのは別物だと思っています。

 

ある程度の安全性チェックはしたほうが良い(と、僕は思っています)。有効性ではなくて安全性のチェックは少なくともしたほうが良い…ですよ、僕の考えは。

 

簡単に書きますと日本で医療を提供されることが多い民族は「日本人」が多いと思います。アジア系のほぼ単一民族ですので、ヨーロッパなどと遺伝子が偏っていたりします。ある種の薬は効きやすかったり、効きにくかったり。濃度が上がりやすかったり、上がりにくかったり

効きにくいのも困りものですが、濃度が上がって副作用が多いのも困ります。

 

だから、少なくとも安全性のチェックはしてほしいなぁと思っています。

 

効果がどうかということに関しては、もちろん検証が必要です。ただ、それによって使用するタイミングが遅くなることが問題であれば、使いながらの検証もできるかもしれないとは思っています。

その場合、効果がなかった薬を承認した、実際機械を導入してみたらもっと合併症が多かったとかマスコミさんが騒ぎ立てるなら、今のままでもよいのかもしれません・・・。

 

いや、もう少し早く使えるといいなぁ・・・・(汗

 

昔も新薬を待ち続けた人がいたしなぁ・・・・

 

ただ、この「4歳児を殺した」という表現から「デバイスラグ」などを早く解消したいという思いは伝わってくるのですが、早さ重視だけでなく、日本人が単一系民族なだけに安全性も重視しないといけないよねとは思っています(状況によっては副作用が全体的に目立つ可能性もあるので)。

 

ただ、他の疾患で使用できるのに、別の疾患では使えないというのはやめてほしいですね

こういうドラッグラグはできるだけ早く解消してほしいです

 

 

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沖縄の基地問題:場所が重要だから、よい第3案を見つけてほしいです

2015-04-05 11:41:52 | Weblog

あと、追加で医療とは関係のない話を一つ

 

沖縄の基地の関係で知事さんと官房長官が会談しましたが・・・

 

辺野古移設に理解を=沖縄知事「新基地は不可能」―菅官房長官

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150405-00000016-jij-pol

時事通信 4月5日(日)10時15分配信

 菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志知事が5日午前、那覇市内のホテルで会談した。菅氏は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画について「日米同盟の抑止力の維持を考えたとき、辺野古移設はぜひ進めたい」と理解を求めた。これに対し、翁長知事は「新基地は絶対建設することはできない。不可能となるだろう」と述べ、計画に反対する考えを重ねて示した
 菅氏は会談で「抑止力、普天間飛行場の危険除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策だ」と指摘。「辺野古移設を断念することは、普天間の固定化につながる。関係法令に基づき、環境などに配慮しながら、粛々と続ける」と述べた。同時に沖縄振興にも言及し、「県としっかりと連携して進めたい」と呼び掛けた。
 これに対し、翁長氏は昨年の同県知事選や衆院選の県内全選挙区などで辺野古移設反対派が勝利したことを踏まえ「県民の圧倒的な反対が示された」と強調。「危険除去のために『沖縄県で負担しろ』という話をされること自体が日本政治の堕落ではないか」と政府の姿勢を批判した。
 両者の正式な会談は、翁長氏が辺野古移設反対を掲げて昨年11月の知事選に勝利した後、初めて。辺野古移設に関する政府と沖縄の対立は根深いが、菅、翁長両氏は対話を通じて打開策を模索したい考えだ
 辺野古移設をめぐっては、翁長氏が3月、作業停止を沖縄防衛局に指示。これに対し、林芳正農林水産相が防衛局の申し立てを認めて知事指示の効力を止める決定を行って対抗、政府と沖縄の亀裂が深まった。 

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まぁ、たぶんみなさん同じようなことを考えていると思いますが、位置関係上沖縄は日本の国防には大きな意味があるようにみえます。

 

どう見ても中国などが太平洋に出ていく際に通過せざるを得ないところにある、最重要地点の一つだと思います。

そこに「アメリカ軍がいる」となると、中国に対するかなりの抑止力にはなっていると思います。

 

そういう意味では沖縄の方には申し訳ないのですが、沖縄に基地があるかないかでだいぶ状況が違ってくると思います。

 

日本人として思うのは沖縄の方が、それで苦労されるのであれば、その分何とかそれを補う対応を政府は提案し、そして沖縄県知事は「反対、反対」ではなくて、何か対案を上げてもらいたいと思います(そうじゃないと、県知事さんが馬鹿に見えます。反対するだけならだれでもできますので)。

 

「友愛」という、相手に攻撃される可能性を考えられなかった方が県外移設などという話を言い出したと思いましたが、位置が重要だということは多くの人が地図を見たら理解可能なのではないかしらと思ったりしています。

 

だから、このお二人が話し合って、より良い第3案を見つけ出してほしいと思います。

ただ、自然環境には最大限の配慮をしてほしいですね。適当にやるからこういうごたごたが起きる(汗 

 

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医療統計の本

2015-04-05 11:06:51 | Weblog
たったこれだけ!統計学
クリエーター情報なし
金芳堂

こんにちは。

 

ちょっと時間を見ながら輸血認定医を確保するために購入した、輸血のテキストを読んでいます。輸血というのもなかなか難しく、勉強させられます。

 

まぁ、わかっていたから別個に2冊も購入したのですが。

 

勉強というと先週か先々週くらいに後輩の一人に統計のことを聞かれました。一応、僕の知る限りで答えたのですが、その時に上の統計の本(内容はそんなに多くない、本質的なことだけ書いてある)をすすめました。

 

まぁ、統計学を授業でやりましたが、実際にはどの統計の手法を適応するかで、あとは統計ソフトが普通は行います。ということは、統計手法を適切に選択できればよいということになりますので、上の本をまずお勧めしたという感じです。論文読むのにも必要なので、学生さんにもちょうどいいかも。

 

個人的には統計解析にはJMP(SAS社の)とEZR(自治医大血液内科の神田先生が作られた統計ソフト)の二段構えで解析しています。得意な領域が違うというか、僕は生存解析にはEZRを他の解析にはJMPを使用しています。

EZRも無料の統計ソフトであるだけでなく、論文で投稿されて承認されていて、それを引用すればOKというのがいいですよね。ちょっと全角大文字がいかなるところに入ろうと使えないため、そういうことには注意が必要ですが。

 

今年の京都の日本内科学会総会には久々に参加しないで(演題出し損ねましたし、内科専門医の更新分の単位75はもう超えていますし)、ゆっくりさせてもらうつもりですが、引き続き参加する学会には演題を出すという基本方針で頑張りたいなぁと思います。

 

そろそろネタがきつくなってきていますが(笑

 

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カルテ記載はとても重要です:ついかでどこで撤退を決めるかも重要

2015-04-04 12:02:06 | 医療

こんにちは

 

今週は最初から最後までバタバタした1週間でした。

週途中で書きましたが、週頭に急変した患者さんも何とか持ち直し、ご家族も非常に喜ばれていると聞いております。

 

あと、今日は久々に実験室にはいかずに朝からランニングと筋トレをしていました。11月末に椎間板ヘルニアが再燃して、いろいろできなくなってから4ヵ月ぶりです。

ゆっくり走って、腕立て伏せ、腹筋、5kgのダンベルを使ったトレーニングくらいしかしていませんが、久々に体を動かしたので少し気分が良いです。

 

さて、この後昼ご飯を食べて、娘に会いに妻の実家に行ってきますが、その前に一つ。

 

群大病院の執刀医退職…「納得いかない」と反論

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150403-00050004-yom-soci

読売新聞 4月3日(金)7時29分配信

 群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受け、患者8人が死亡した問題で、病院側は記者会見で、執刀医が3月31日付で退職したことを発表した。

 退職金は支払われていないという。

 また、病院側が3月に公表した調査報告書に対し、執刀医から反論の上申書が寄せられたことも明らかにした。患者への説明が不十分とされた点について、「時間をかけて説明した」と反論。「全例で過失があった」とされたことには「納得いかない」などとしている。

 反論に対し、病院側は「診療記録がないため判断できない」と認めなかった。

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 先程、いただいたコメントの返信に昔僕が経験した嫌なことを記載しました。

 

それは当時はベルケイドがようやく使われ始め、レナリドミドもサリドマイドもない時代。骨髄腫は延命することも難しく、QOLをいかに維持するかという時代に、ISSなどで評価すると3年程度の生存期間が見込める方が5年目くらいに病状が増悪しました。ベルケイドは副作用で中止、サリドマイドは個人輸入して使用してみましたが効果がなく、結局緩和ケア的な方向で進みました(というより、血小板も輸血依存になり手づまりという状況)。本人といつもいる家族とは「緩和的に」という方向で了解を得ましたが、遠方から初めて来た長男が「医療行為を止める(わけではないのですが、積極的な治療はやめるという判断をしたわけです)なんて納得がいかない、おれが本人を説得する」と言って、状況説明後も本人を説得し続けて、本人が折れて治療をすることになりました。

その際に治療をやる(副作用で中断したが効果があったベルケイド)時に「効果があればあったで腫瘍崩壊のリスクもあり、透析ができる状況ではなく致命的、効かなかったら副作用が中心になり、本人がつらいだけになる。」と言っても、長男は(他の患者家族もきいていてくださったのですけど)聞かずに結局やって、予測通りの事になりました。 

その際に家族に説明した通りのことになり、この時点で打つ手はなく、苦しくないようにすることしかできないことを伝えました。

 (ちなみに僕は前の記事でも書きましたが、教授や他の医師が無理と言っても僕ができると思えば救命に行きます。頭の中でかなりのシミュレーションを繰り返しますので、僕が動き出した場合の救命率は高いんですよ。僕が帰ってきてから挿管したりした患者さんの救命率が上昇したといっていた看護師さんもいますし)

長男以外の家族は「説明を受けたとおりになったのだから仕方がない」となりましたが、長男はその後カルテ差押え+文書提出をされました。カルテに記載がある通りで、説明した通りになりました。病気の予後評価として3年のところが5年になり、原疾患が進行して病気で亡くなったと思いますが・・・とお返事をして終わりになりましたが、説明をきちんとしてもこういう話になったりします

ですので、僕のカルテの記載は実際はもっと説明していますが、時間の記載(今は電子カルテ上に記載するようになっていますが)とかなり細かい内容(教授に説明しすぎて、身動きが取れなくならないように…と言われるくらい)を記載しています。看護師さんから教科書みたいな説明で分かりやすいと(まぁ、一般の人がわかるように書いていますので)いわれますが、そのくらいしていてもこんなこと言われたりします。

 

カルテに記載がなければ、いくら説明したといっても無駄です。

ただ、主治医の「全例で過失があったと認定」に納得がいかないというのは非常によくわかる言い分です。群馬大学の体質が見えたような気がしたので、ここの大学には行きたくないなと思いました。

 

腹腔鏡死亡、群大病院が再調査…調査委提案受け

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00050165-yom-soci

読売新聞 4月2日(木)21時50分配信

 群馬大学病院(前橋市)で腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受け、患者8人が死亡した問題で、病院側は2日夜、前橋市内で記者会見を開き、開腹手術の死亡問題を含め総合的に検証する委員会を新たに設置することを発表した。

 患者が死亡しているのに高難度手術が続いた理由などについて再調査し、真相究明を目指す。

 この日、東京都内で開かれた調査委員会で外部委員から調査の見直しを提案されたのを受け、決定した。今回の調査委は、病院側が先月公表した最終報告書を巡り、調査手続きや内容を巡る不備が指摘されていたため開かれた。

 調査委では問題点として、〈1〉外部委員が報告書の内容を承認した後に「過失があった」などと無断で加筆していた〈2〉執刀医ら当事者の聴取内容の詳細を外部委員に知らせなかった〈3〉検証もなく高難度手術が続けられた背景が解明しきれていない――といったことが挙げられた。

最終更新:4月2日(木)21時50分

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まぁ、やっぱり群馬大学には行きたくないなぁと思ったのが一つと、どの程度まで亡くなった患者さんが続いたら撤退するべきかというのは難しいと思います。

 

 血液領域では有名な話ですが、非常に悪性度が高く病死される方が多い「NK/T細胞リンパ腫」に対するSMILE療法のことです。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/asco2010/201006/515447.html

http://www.bloodjournal.org/content/120/15/2973?sso-checked=true

http://www.nccn.org/about/nhl.pdf

NCCNガイドライン2014に標準治療として記載されているSMILEですが、治験の最初のお2人が亡くなられ、その後は上のような結果になったと聞いております。

2人亡くなった時点で「この治療は死亡率が高い、やめよう」となれば世界になだたるSMILE療法は生まれませんでした

 

もちろん、SMILE療法では死亡例が2例続いたため、さまざまな検証をされたと伺っておりますが、どこで引くのか、どこまでは許容なのかというのは重要だと思います。

 

 まぁ、僕は今回の件はどこかで引くべきだったと思っていますが

 

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