新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療連携:縦と横と心

2008-04-01 21:49:09 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは。

まずはご報告ですが・・・・とりあえず、

何故か付き合う事になってしまいました

ご報告終わり。

さて、今日は日鋼記念病院(室蘭市新富町)の救命救急センターが三月三十一日付で廃止になる記事を書こうかと思ったのですが、先ほどのエビさんのコメントを見て、少し自分の考え をもう少し詳しく書いてみようかと

 

まず、現時点で多くの医局は「縦」の関係を中心としています。もちろん、「国立がんセンター」ですとか、「循環器センター」などへの派遣(もともと様々な出身医局で構成)はありますが、医局の垣根を越えての連携というものはほとんどありません

そこで横の連携を作ろうというのが趣旨です。

医局の良いところは縦の連携で「地域医療」のために人を派遣しているところです。地方の医大に関してはまだ、医局による医師の派遣はある程度行われています。最も、以前のようにうまくいっているわけではないのでしょうけど

 

この医局の良いところを失わず、横の連携を作る事で「医療技術」的にも「システム」的にも共に発展していく・・・というのが狙いの一つです。

二つ目に「地域医療義務化」となったとしても、本人の希望があれば「自分のやりたい研修」「医療技術の向上」を行えるようになる点

 

3つ目に「国」が計画している「家庭医」制度。Primary Careができる医者が多くなっても、実は病院の外来は減らないと思うのです

何故って・・・病院で診療した患者さんを・・・自分の責任の下、経過を診て行きたいと思うのが、医者の責任感。相手が「きちんと経過観察してくれる」という信頼がある。もしくは、何かあったとしても命に別状があるなどの大きな事がない疾患・・・だとか、そういうものの他は、なかなか診療所に送れないのではないかと思うのです。

 すなわち、家庭医を目指すとはいえ「病院の外来負担をなくそう」というのであれば、それなりに信頼される「横のつながり」を持っている、それなりの専門的知識を持っている医師でないと「病院の患者の経過観察」を任せられないと思うのではないか・・・と考えています。

 

考えていますと書きましたが、実はこれは「イギリス」で1950~1960年代に実際にあった話で「家庭医」が病院への「Gate keeper」をしていたものの、病院側は専門的知識に欠けるという理由で「診療所」に患者を帰すことができずに、病院の外来でKeepしてしまったため、結局病院の外来に患者があふれたという事があります。

 

今回、地域医療を作るにせよ・・・家庭医制度を導入するにせよ、病院への外来負担を下げるために行うのであれば・・・この問題を解決しておかねばなりません。

それゆえ、開業医の先生が「出身医局」の垣根を越えて「先進医療」を学ぶ機会を常に持っている事(実際の現場で)・・・というのを考えました。

 

また、このようにする事で自然と地域の横の連携も出来てくるのではないかと考えています。

ですから、網の目のようにして連携を組みます。

第1の糸は「医局制度」の良い点を利用した「縦の糸」。これは地域への医者の派遣も含めて。時には専門医療だけでなく、そのような事を担う必要は在るのだと思います

第2の糸は「医局」「病院」の垣根を越えた「横の糸」。これは全国区です。自分が学びたい「勉強」「医療」を学び、自分の所属する病院へ持って帰り「知識」「システム」「技術」を伝播していく。それが繰り返される事で「日本の医療」がある程度均一になり、外の医療を目にする事で様々な刺激にもなるでしょう。

 

第3の糸は「地域の連携」を信頼の絆で結ぶための「心の絆」「信頼感」 技術や知識の連携だけでなく、相手が同じ病院、もしくは○○病院、大学などで機会を見つけて様々な勉強をしている・・・という事に基づいて「あの人はこの患者が再発したら、すぐに大学に患者を送ったりしてくれるだろう」

 

そういったものが、僕が考えている「医局」や「教育制度」としての意味・・・でしょうか? 何よりも医療業界全体が改善すれば「患者さん」のためになります。医療費などの問題は先輩方にお任せして、僕はこの方面を考えてみています。

 

もう一ひねりするために、まだ考え事をしています。

最も良い医療制度は何だろうかと・・・・・どうすれば最良に行き着くのだろうと(まぁ、一人では考え付かないし、医療でも何でもそのときに良くても将来良いとは限らないのだから)は思っています。

 

話は変わりますが・・・・・ 因みに、文頭に書きました「付き合う事になりました」というのはです。

4月1日ですから。

 

僕はこのまま「独り身」で「医療制度改革」と「医療」をやっていくんだい (これも嘘・・・にしたいようorz)

 

ナイス「エイプリルフール」と思われた方。また、横のつながりなどは重要だな・・・・と思われる方。応援をよろしくお願いいたします。 また、ご意見などお待ちしております。  

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ

なかのひと 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 死因究明にAi | トップ | 「厚生労働」3月号より:現実... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先越されました  (sakura)
2008-04-01 22:24:22
ガ~~~ン、、、先取りされてしまいましたっ!!4月1日エイプリルフール記事の書き出し。
どんなウソ書こうかな~と仕事しながら考えてましたが、かぶるのでやめました。
(あ~更新する前にこっちチェックしてよかった~)

、、、とどーでもいい前置きはさておき、なんだか敢えてお尋ねしなくても、フツフツ湧き上がる疑問(医学的な方ね!)にお答えしてくださる記事を文字通り<眠らずに>書いておられるお方だとうっすらわかってきたので、これからも時々訪問させていただきます。

それにしても更新ペースがエネルギッシュで、自分とこのお気楽ブログとは大違い、、、です。
返信する
おめでとうございます! (チョコ)
2008-04-01 23:13:16
こんばんわ!
私、今日はだまされ三昧です...
アンフェタミン先生の文頭の一言
完璧にだまされました...
先生のことだから、きっと最後のあたりに何か書いてあるはず!ってワクワクしながら記事を読み続け...

 げ~っ!またやられてしまった~

って、叫んでしまったチョコでした
返信する
You can see for miles! (エビ)
2008-04-02 17:17:17
>「地域医療義務化」となったとしても、本人の希望があれば「自分のやりたい研修」「医療技術の向上」を行えるようになる…素晴らしいーまさにこれでちゅ(:_;)
地域枠の卒後僻地義務化とかじゃなくたって今だって普通に系列なら僻地に行くんですもの必要ですよね。
「医局」「病院」の垣根を越えた第2の「横の糸」により全国区で学ぶチャンスが得られ、そして自分のフィールドに還元していく…遠くまで見渡せる素晴らしい視野をお持ちなのだなと感動しています。
門外漢が口にするのは生意気なのですが、学位も在り方に関わるようなことになるのかなと想像もしてみました。
心で繋いでいく、そういう優しい発想が出来るアンフェタミン先生は本当に素晴らしい方です。少し涙が出てしまいました。

エイプリルフールはびっくりしましたけどおめでとう言わなくちゃよね、と思って読んでいました。
アンフェタミン先生の彼女になれる女性はきっと、私は世界で一番幸せだと感じられるのでしょうね。
返信する
エイプリルフール (アンフェタミン)
2008-04-02 22:52:44
>sakuraさん
こんばんは、コメントありがとうございます

エイプリルフールネタ・・・いろいろありますよね。記事を作ってみたり、Blog中止の連絡とか・・・

僕を知っている人は・・・たぶん、嘘だと思ったはずw 「こいつにそんな甲斐性はない」

「やりがい」があればいくらでも起きていられるような気がします。
最近は医療制度関連が多いですが、造血幹細胞移植に関しては勉強を続け、血液学・腫瘍学も楽しんでいます。

エネルギーはありますが、まだまだ若輩者ゆえ、皆様にご指導いただきながらやっていく所存です。

sakuraさん、今度もどうかよろしくお願いいたします。
また、コメントいただければと存じます

>チョコさん
こんばんは、コメントありがとうございます

すいません、嘘なんです。エイプリルフールなんですもの・・・。悲しい事に・・・w

まぁ、そのうち良い事もあるかと思っていますw

また、コメントいただければと存じます

>エビさん
こんばんは、コメントありがとうございます

横の連結。これは必要だと思っていますが、医局制度をこれ以上崩壊させる事なく・・・良いところだけを抽出し、更にこれを加える。

そんな事を行うためには・・・二つの条件が最低でも必要だと思っています。「医療費の増大」「医者の大増員」

これを行うつもりでないと、更に医者が分散して各個撃破されかねません。

ただし、この方針が示されたら早急にでも行うべき施策だと思っています

まぁ、なかなか難しいですが・・・。

学位のあり方、医局のあり方・・・すべてが変わります。それゆえ、なかなか難しいかもしれませんが・・・チャンスがあれば変えていければと思います。

僕の彼女・・・・ですか。う~ん、幸福なのか・・不幸なのか・・・。微妙です

いずれにせよ、頑張ります

また、コメントいただければと存じます
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医局制度改革・医学教育改革」カテゴリの最新記事