さて、もう一つきになる記事があります。
これです。
医学部定員、国管理の見直しを=規制改革会議が中間報告
7月2日17時53分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080702-00000107-jij-pol
政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は2日、年末の第三次答申に向け中間報告をまとめた。「社会保障・少子化対策」「農林水産業・地域」など7分野で具体策を列挙。医師不足解消のため、大学医学部の定員を国が管理している現行制度の見直しなどを打ち出した。
深刻化している医師不足の原因について、中間報告は「(国管理による)医学部定員の抑制も一因」と指摘。一部の大学に限り定員増を認めた2006年の医師確保総合対策に触れ、「場当たり的で、国管理の限界が露呈した」と、安定的に医師を供給する仕組みの構築を求めた。その関連で、医学部への編入要件の緩和検討なども要請。さらに、医療の質向上のため、メディカル・スクール(医科大学院)の設置も明記した。
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医学部への編入などに関しては、希望があるのであればOKだと思います。
しかし、その前に教育改革は行うべきです。
昨日の記事でママサンさんからも「裾野を広げる事」に関して、コメントをいただきました。僕も裾野を広げる事は問題ないと思います。
しかし、医学部の教育内容を改革する必要はあります。
正直に書けば医学部の教育に関して「教育」をするための組織ではない「現行の医局」では厳しいと思っています。
今の医学教育に関して「編入」してきたがついていく事ができない。しかし、医師国家試験は合格できた・・・では心もとない。
先日書いたかもしれないが、医師国家試験は頑張れば2ヶ月ほどで完成してしまう。
僕も大学の5年生のころ、先輩から
「人の面倒を見るような立場になるのだから、6年生の頭までに国家試験を100回受けたら100回合格できるようにしておけ」
といわれ、国家試験の勉強を始めたのが2月の頭。
母校の5年生の試験が1月末にあって、それが終わった直後から勉強を開始しました。それから頑張れば2ヶ月ほどで、一応100に近い確率で合格できるという状況(自信)は持っていました。
数ヶ月試験問題の練習をしていけば、そのときの知識レベルにもよりますが現行の医師国家試験は合格可能です。
それが良いか悪いかは不明です。しかし、裾野を広げるのであれば・・・ある程度「ふるい」をかけるようにしなくてはなりません。もともと試験問題を解くのが得意な「偏差値上位」の人間が「試験問題の反復練習」で点数を確保するだけではいけないと思います。
それにだいたい医師国家試験は偏差値「約40」切りなんですよね。45あれば安全圏。裾野が広がっただけだと、いろいろな意味で問題です。
臨床実習改革、国家試験改革・・・いろいろ行う必要があります。
そういった教育制度改革を行ってからではなくては、編入制度にしろ医学部定員の増加にせよ、悪い方向に向かいうる・・・・という危機感があります。
僕はだからまずは「教育改革」が重要だと思っています。
誰も手をつけたがらない「医局の問題」ではありますが、ここを改革しなくては「医師の増員」も「労働環境の改善」も「国民の健康を守り幸せな将来を築く」ことも難しいのではないかと思っています。
20代の若手ゆえに無茶な事を言っているのかもしれませんが、「医局の改革」「教育改革」なしに医療の問題は解決しないというのが僕のスタンスなんだと思います。
「教育改革の重要性」に関して賛成していただける方は応援をよろしくお願いいたします。
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こんな事かいていたら、いろいろな医局ににらまれそうですねw
もっとも、ただで終わるタイプではないですけどw
派遣される医師の意見は聞きますが、地方の病院の維持が優先されていました。
新研修制度は研修医が研修病院を選ぶので、病院は給与や労働条件、研修内容を提示して病院同士が競争します。
市場で研修医に価格を付け、高い価格を着けた病院が研修医を獲得する自由市場経済の世界に変わったのです。
共産圏でおこなわれてきた計画経済は需要よりもコストで生産していたために、供給不足でしたが、行列ができ、消費欲を制限して成り立っていました。
計画経済の配給から市場経済になると、高い価格を付けたものが商品を手に入るため、一部の人に商品が集中し、ハイパーインフレが発生します。
ロシアなどは市場管理をしなかったためにハイパーインフレになり、中国は市場を管理して市場の失敗はありませんでしたが、成長の暴走という国家の失敗を招きました。
医局制度から新研修制度への移行で供給不足が発生し、医師のインフレが発生しています。
供給量を増やすことは必要ですが、市場経済に適応できる形に医局が変化する必要があります。
市場経済では情報の開示、制度の整備が必要ですが、医局が大学内でバラバラに管理されている限り、全ての医局を良くすることは出来るはずがありません。
大学で一つの医局にまとめたり、NPO法人化するところから始まります。
こんばんは、コメントありがとうございます
近森先生のおっしゃっている事、非常にわかりやすく勉強になります。
地方への医師派遣が配給制度で、今現状が「医局」の枠を超えて自由経済・市場原理が加わったという事、非常にわかりやすいと思いました。
医師不足が表面化し、さらに医師派遣組織(民間医局など、CBもそうですね)などが発達した事で、医局を介さずとも医師が勤務先を探すことが可能になってきました。
その事を医局が認識しなければ、早晩医局も崩壊するとは思います。
計画経済から市場原理に移行した際の状況、先生のおっしゃっている事が今起きている事なのだろうと思います。
研修医にしても後期研修医にしても、(新臨床研修制度で)インフレが生じていて「高値」をつけた病院が集中して獲得し、他の病院は獲得できずに状況が更に悪化していく。
それゆえ、供給量を増やすだけでなくて・・市場原理に対応できる形に医局が変わっていく必要があると僕も思います
先生がおっしゃってる「情報の開示」「制度の整備」に関して、医局がばらばらに管理されているうちは全ての医局を良くする事が出来ないということですが、僕個人としては医局ごとの横のつながりを強化していくことが情報開示・制度の整備に繋がるのではないかと考えております
横のつながりを「医局の枠」を超えて行うようにする事と、それを管理する組織を作ることを考えておりました。
大学で一つの医局でまとめるというのは・・・同じ診療科目であれば・・ナンバーではなくて一つにまとめるということでしょうか。
NPO法人化に関しては近森先生のお考えはどのようなものなのでしょうか。
また、いろいろと御教授いただけますとうれしく存じます
また、コメントいただければと存じます