新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

海老蔵さん、休んでください:台本が頭に入ってこないのは抑うつのサインです

2017-06-27 21:09:52 | Weblog

こんばんは

 

先ほどコメントで海老蔵さんたちの話をして、ふと思ったので記事にします。

 

こんなに台本が頭に入らないのは初めて…海老蔵吐露

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1845600.html

[2017年6月25日10時15分]

 歌舞伎俳優・市川海老蔵(39)が25日、ブログを更新し、22日夜に亡くなった妻小林麻央さん(34)の元に行き、話した後、涙で台本が読めないと吐露した。

 「まおのところへ行き しばし話して、、、それから台本です。しかし こんなにも台本が頭に入らないのは初めてで、焦りを超えて愕然としています、…」

 「まおとはたくさんお話出来ているような気分なんですよ、不思議と、、そして色々振り返ると振り返ると思い出すと やはり耐えられないかなしさが…耐えられないかなしさが、、涙で台本みれないし、見えたところで覚えられないしもう笑うしかないんです、」

 海老蔵は、麻央さんから言葉をかけられたように感じたともつづった。

 (以下、略)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

台本が読めないとも書かれていますが、頭に入ってこないとも書いてあります。

 

奥さんが亡くなったばかりで、気持ちが沈むのは当たり前です。こういうストレスの強い出来事の後に「本が読めない。頭に入らない」というのも抑うつを疑うシグナルの1つです。

 

仕方がない話であって、今無理をするべきではないと思います。子供達が稽古に気乗りしないというのも、むしろ当然のことであって休ませても良いのではないかと思います。

 

抑うつをチェックする簡単な質問があります。

 

1、「睡眠」に関すること

2、「趣味など喜びを感じていたことを同じようにできているか」ということ

3、「集中力を維持できているか、昔できていたことが同じようにできるか」ということ

 

です。

 

海老蔵さんは本来であれば台本はすぐに頭に入ってくる人なのに、それが入らないといっているのは3番目の集中力の欠如と考えます。歌舞伎という「好きなこと」に取り組むことができないのであれば、2番目も当てはまるかもしれません。

 

僕は身近に接する人間ではないですし、海老蔵さんのブログを見ているわけでもないのですが、奥さんが亡くなって気持ちが沈むのは当たり前です。

できれば少しでも休まれた方が良いのではないかと。また、お子さん達と一緒に過ごされても良いのではないかと。

 

プロの方ですから、そんなわけにはいかないという気持ちもわかりますし、7月に息子さんの公演があることもわかりますが、「小林麻央さんに見せたい」という状況が変わったわけですので、今は少しだけ休まれる方が良いのではないかと。

 

集中力が欠如した状態では、思わぬ事故とかもおきかねません。

 

もしかすると延期すると多くの方に迷惑がかかるとお考えかもしれませんが、普通の人であればそこは理解できると思います。

 

約束を守るというのは人として重要なことですし、僕も自分の中の決め事として2つ目にあげていますが(ベンジャミン・フランクリンの13徳を考えながら:アンフェタミンの13目標(?))、良い仕事を息子さんと一緒に仕上げるのも大事ではないでしょうか?

 

直接関係ない1人の医師でしかありませんが、少し思いましたので書かせていただきました(先ほどコメントに返信して、ふと書きたくなったもので。すいません)。

 

どうにかして海老蔵さんに伝われば良いのですけど。

 

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明日は朝から釣りに行きます(久々に)

2017-06-24 22:55:38 | Weblog

こんばんは

 

今日は仕事から帰ってきた後、久々に釣具屋に行きました。職場の方と一緒に明日は釣りに行く予定です。

 

少し天候は悪そうですが、帯広に来てから初めての釣りです。

 

本当はすでに日本国内にいない予定だったため、車も自転車も、釣り具も、料理道具も・・・色々なものを持って来ませんでした・・・

 

しかし・・・ついに釣りに行ってまいります。

 

これをきっかけに時間があれば、少しずつ釣りに行けたらなぁと思っています。

 

まぁ、車がないから、他の人にお願いするくらいしかできないのですが・・・orz

 

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緩和ケアと在宅医療の発展を祈念いたします:小林麻央さんの訃報より

2017-06-24 05:17:45 | 医療

 

おはようございます

 

木曜日、金曜日と日本輸血細胞治療学会に参加してきました。まぁ、ポスターを見て回って、ポイントをゲットして自宅に帰りましたが。代休ですので、ここは自由にやりました。はい。

 

自宅に帰ると娘が2ヶ月の間にまた成長(体は小さいのですけど、色々できるようになってました)しておりました。自分で靴を脱いで、揃えて玄関の右隅に置いた時は感動してしまいました(まだ3歳前なので)

 

今後もこうやって元気に成長する姿を見ていけたら良いなぁと思います(見てないのですけど、時々しか)。

 

妻子のところに帰宅して、北海道に帰る前に小林麻央さんの訃報がありました。ご冥福をお祈りいたします。

 

Yahooニュースで外科の先生の記事が載っていました。僕もほぼ同感で、モルヒネなどを用いた緩和ケアは非常に重要であり、苦痛を取ってくれるということと、統計学と個人の経過は異なるということをお伝えしたいと思います。

小林麻央さん逝去に がん専門医が思うこと

https://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20170623-00072448/

 

(引用なし)

この記事ではモルヒネを痛みの緩和だけで書いていますが、モルヒネ(など)は様々な苦痛をとってくれます。使い方をうまく行えば、すごく良い薬です。

 

小林麻央さんは酸素も吸っていましたが、モルヒネは呼吸緩和にも使用できます。息苦しい、酸素が欲しい・・・という感覚もなくしてくれます。僕もモルヒネを使うことで、患者さんがSpO2 50% くらい(人によっては30%台)まではご家族と共に話す時間が上手く作れたので、ご家族にも感謝されていました。

 

在宅医療に移られて、ご家族も「その時」が来るのを分かってはいらっしゃったと思います。よく「死の受容」の過程とは言いますが、受容されていたのだとは思います。ただ、自分のことはともかく、お子さんのことを思えばどんなに辛かっただろうと、他人でしかないのに思ってしまいます。

 

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論新社

 

緩和医療は「その時」が来るまでの時間をいかに有意義なものにするか、苦痛をとることでご家族とともに過ごす時間をより良いものにすることが目的だと思っています。僕たちも「完治不能」と判断した白血病や悪性リンパ腫などの緩和ケアをします。いかに時間をうまく使っていただくかを、僕たち医者はできるだけ今の状態を引き延ばし、できるだけ良い時間を作り出すことはお伝えしますが、その時間が限られていることも話はします。そして痛みや不安などの「阻害要因」をできるだけ取り除いていく。そういうものだと僕は認識しています。

 

病院では「いつ何が起こるか」という不安が家族には少ないかもしれません。モニターがついていますし、医療従事者は常にいますので。しかし、時間がより短くなったために病院に入院したのだとしたら、患者さんの「家族と過ごす時間」を奪うことになってしまいます。そういう意味では在宅医療で病院と同様のことができればより良いと思います。それは患者さんにとって・・という目線です。家族ではなくてすいません。ただ、家族のサポート体制や医療体制が出来上がれば、家族の不安や心労もある程度取り除けるかもしれません。

 

今回は病院ではなく、ご自宅でお看取りをされました。在宅というのも大変だと思いますが、病院とは違って色々できることも多いかと思います。できないこともありますが、それは在宅医療の発展とともに改善するのだろうと思います。

 

今後も緩和ケア・在宅ケアの発展とより良い医療体制の確立を祈念しております。

 

そろそろ出発準備をしないといけません。今日も1日頑張ります。

 

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明日から日本輸血細胞治療学会に行きます:妻子のところにも癒されに行きます

2017-06-21 22:11:35 | Weblog

こんばんは

 

今日は1日かけて公衆衛生的なことをしておりました。出発前に少し時間があったのですが(1時間くらい)、ちょっと疲れていたので無理に仕事はせずに休憩していました。

 

実感としては若干疲れ気味です。

 

明日、明後日と代休をとって日本輸血細胞治療学会に参加してきますが、せっかくの機会なので学会に少しでたら妻子のところに行きたいなと思っております。

 

ゴールデンウィーク以来ですし、なかなか帰れないので(理由がなければ遠出はできないので)。土曜日も出張しないといけないので、とりあえず金曜日に慌てて帰る手はずです。

 

ともかく、娘の顔を見て癒されたい〜と思う今日この頃です。

 

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医師の長時間労働とストレスの話:医師が自分を「スイッチオフ」できるシステム作りを

2017-06-19 22:32:45 | 医療

こんばんは

 

今日は午前中は医療教育、午後は禁煙外来を含めた診療をしていました。風邪をうつされたのか、若干だるい感じもしますが・・・まぁ、医師は気を張っている限りは風邪などは引かないもの・・・かもしれません(笑

 

この気を張っていれば・・・というのが食わせ物で、昔は確かに大変だった。原子力で動いているとか(鉄腕アトムかw)、色々言われていましたが、2年間で体重が68kgから53kgという変動は僕もビビりました(笑

 

流石にこのままではまずいかな〜と思っていたら、1年勤務が伸びたので、そこからは無理しないようにしていました(頼りになる後輩が大学に戻ってきたのと、「お前が休まなかったら後輩が休めないから休め」と言われたので)。

 

少し血液内科の勤務の紹介・・・と思って検索したら、こんなサイトが引っかかりました。別にこのサイトを利用して、転職しようとは思っていませんが、参考程度に

 

https://doctor-agent.jp/howto/6489/

一部引用

血液内科医・腫瘍内科医のQOLはどうなの?働き方は?

血液内科医のキャリアとしては、大学病院や日本血液学会研修施設に指定されている医療機関に所属して移植医療やあらゆる血液疾患の幅広い症例を数多く経験し、高度な知識や技術を習得して血液専門医の取得を目指すもしくは、海外の大学院に留学して研究の道に進むなど様々です。

学会発表や論文発表を積極的に行い研究分野で活躍するという道もあります。

血液内科は悪性腫瘍の検査から治療まで行います。急変が起こるかもしれない患者を対象にすることが多いため、重篤な患者の全身管理を怠らず、日々の変化にも柔軟に対応できるような観察眼を身に付ける必要があります

重篤な患者を診療することが多い為、過酷なイメージを持つ方もいますが、血液内科医の働き方は様々であるので医療機関によって異なると考えられます。

医師が臨床に専念できる為の施設やスタッフが揃っている病院は働きやすいと言えるでしょう。

転職をする上で医療機関と医師本人のニーズの一致が最も重要な要素であると言えるでしょう。

血液内科医として専門に特化した診療を行いたいのか、プライマリーケアを中心とした一般内科標榜で血液内科の専門として勤務するのかにより大きく働き方も変わってくるでしょう。

(引用終わり)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こんな記載もありました

また、血液内科の医師数は約1700人で内科系では最も少ない診療科になります。求人情報を見てみると多くの求人が地域の中核病院で、大都市圏に求人が集中しやすい傾向にあります。」

ということで、働き方には色々あると思うのですが、僕も後期研修医の時は結構大変でした。それこそ余裕で過労死ライン(笑

 

毎日新聞の記事から「疲弊する勤務医」という話です。

 

疲弊する勤務医 長時間労働が常態化 過労死ライン超6.8%

https://mainichi.jp/articles/20170618/ddm/016/040/029000c

 

 昨年1月、1人の女性研修医が過労による自殺で命を絶ち、労働基準監督署から今年5月末に労災認定を受けた。そこから見えてきたのは、労使協定を無視した長時間労働の常態化だった。患者の安全のためにも、患者の命を預かる医師の過重労働の是正が求められている。

 

 「自己犠牲によって自らの生活や将来を失ったりしてはならない」

 これは4月、厚生労働省の専門家会議がまとめた「医師・看護師等の働き方ビジョン」の一節だ。新潟市民病院の後期研修医だった木元文さん(当時37歳)の過労自殺は、この1年3カ月前に起きていた。

 医師の過重労働は、長い間改善が進んでこなかった。勤務医を対象にした厚労省調査によると、昨年6月の時間外労働時間は約5割が20時間以上で、6・8%は「過労死ライン」の80時間超。当直も多く、7割が宿直明けに通常勤務をしていた。日本外科学会の会員調査(2013年)では、医療事故やその手前の「ヒヤリ・ハット」の原因の81%に「過労・多忙」があった

 なぜ過重労働は解消できないのか。一つには「正当な理由なく患者を断ってはならない」という医師法上の「応招義務」がある。

 また、東京大医科学研究所の湯地晃一郎特任准教授(血液内科)は「医師は看護師と違い、交代制になっていない。受け持ち患者の容体が急変すると、当直医に加えて主治医も呼ばれる」と指摘する。

 (中略)

「医師数増やすしかない」

 一方、抜本的解決には「医師数を増やすしかない」との声もある。

 政府は1982年、将来的に医師が過剰になるとの予測から、医師数の抑制方針を閣議決定。00年代に地域医療の崩壊が叫ばれ、地域枠などを設けて医学部定員を増やしたが、今も人口当たりの医師数は経済協力開発機構(OECD)の加盟国平均より少ない。日本医師会は医師の偏在が問題だとし、増員そのものには消極的だ。

 労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人代表は「入力作業などを他の職員に委ねても、医師の負担はあまり減らない。交代制勤務ができるよう医師数を増やすべきだ」と主張。聖路加国際病院の福井次矢院長は「救急や病理は医師不足が深刻で、国は診療科ごとに医師数の調整をしてほしい」と話す。

 (略)

 新潟労働基準監督署が認定した木元さんのうつ病発症1カ月前の残業時間は「過労死ライン」の2倍の160時間超。毎日新聞が情報公開請求で得た資料によると、同時期に後期研修医として在籍していた医師の7割以上の20人が、労使協定で定められた月80時間の上限枠を超える残業をしていた。

 病院側も手を打っていなかったわけではない。2009年に労基署から長時間労働の是正勧告を受けた後、医師数を2割増やし、医師の事務を代行する医療秘書も5倍以上に増員した。だが、外来患者も09年度の25万2753人から16年度は26万8703人に増加した。救急外来は過半数が軽症患者で「多くの市民が、うちに来れば何でも診てくれると思っている」(片柳憲雄院長)という状態だった。

 (中略)

 木元さんの夫は取材に対し「医師の使命感は分かるが、妻の死は病院による殺人だ」と訴えた。「全国過労死を考える家族の会」東京代表で、自らも医師の夫を過労死で亡くした中原のり子さんは警鐘を鳴らす。「医師の長時間勤務は、犠牲的精神など個人の力で解決できるものではない」【柳沢亮】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

個人的にも自殺未遂をした医師や突然死された医師(突然死ではないですが、お世話になった小児血液の先生も亡くなりました)なども知っています。

 

僕は自分で言うのもなんですが、ストレス耐性は高い方だと思っています。色々ストレスにさらされてきましたからね〜。どちらかというと雑草みたいに這い上がってきた人間だし(笑

 

ずっとエリートというわけでもなく・・・偏差値32からの大学受験・・・って(笑

 

それは良いのですが、ストレスは基本的に「何かに対する個人の反応」です。ストレスの原因になるものがあって、それに対する体や心の反応は個人差があります。真面目な人ほど自分がうまくできなければ、それでさらに頑張ろうとして悪循環になると思います。

逆にうまく手を抜ける人であれば、ある程度息抜きをしてストレスを溜めないこともできると思います。

 

ただ、医師はストレスが溜まりやすい環境にあると思っています。比較的真面目な人が多く、患者さんや家族を含めた人間関係もあり、死と接する仕事(手は抜けない)であり、常に勉強し続ける必要性・・・などなど。

 

特に応召義務がありますので、患者さんがいる限り自分自身を「スイッチオフ」にしにくいと言うことです。途中で書いてありますが、チーム制・交代制にできる医師数がいれば、完全オフにすることもできると思いますが、主治医制だとそう言うわけにも行きません。

今の医師数でも「病院の集約化」と「チーム制」と「患者さんが病院に来るまでの時間的距離の短縮」ができれば、対応できると思いますが、それができない限りは医師はストレスが溜まりやすい環境下に置かれると思います。

一部の「医師が十分にいる病院」は別ですが・・・。

 

僕は学生時代はずっと4時間睡眠でしたし、3時間でも特に問題ありませんでした。ただ、医師になってからは3時間とか4時間では、年齢とか別にして辛い要素があります。病院勤務の状況だと、いつ呼ばれるかわからないので、スイッチが完全にオフにならないと言うことです。すなわち、睡眠の質が保たれていない

今は緊急コールが少ない場所にいますので、だいたい4時間でも大丈夫ですが、大学院生の時も急変があれば呼ばれる可能性が高かったので、病棟の状況をみては「呼ばれるかもしれないな」とスイッチオンの体制で寝床に入っていました(正式にはオンコールではないのですが、勝手にオンコール体制みたいなw)。

 

これと合わせて、患者数が比較的多くて、医師数が少ない野戦病院みたいなところは多くの医師が過労気味になると思います。この同時期に後期研修医として在籍していた医師の7割以上が過労死レベルの残業をしていたと言う記載がそれに当てはまると思います。

 

正直・・・楽な病院、楽な勤務はあると思いますが、非常にきついところはきついと思います。

 

ストレスを溜めないためには

1、しっかり寝ることができる環境

2、家族などとの時間、趣味の時間が取れる環境

3、仕事がある程度あり、やりがいを感じられる環境

が必要だと思うのですが、忙しくなりすぎると全てがなくなると思います。

忙しければ寝ることができない、自分の時間は当然取れない、仕事に忙殺されてやりがいどころではない。

 

ですので、スイッチをオフにできる環境づくりが必要ではないかと思います。

そんなことを考えました。

 

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阿部内閣支持率低下:国民不在で、やっていることが根拠が不明だからでしょう

2017-06-18 21:55:02 | Weblog

こんばんは

 

本日も空いた時間で本を書いたり、走ったり・・・そんな1日を過ごしていました。

夕方からは少し歩いて、近くの公園を散歩したりして気分転換もしていましたが、2ヶ月近く家族と会っていないと寂しい気もします。

 

医師の出身地や診療科、その他を管理して、特定の病院に派遣できる(もしくは情報を提供する)ことで、医師が家族と離れ離れになっていくと・・・やる気が削がれていくかもしれませんね。そうなったら医師にとっても、地域住民にとっても不幸なことですね。

 

さて、あまり政治のことは書いていないのですが、安倍内閣の支持率が下がってきたみたいですね。僕も最近やりすぎではないの・・・と思っているので、同じような心境の人が多いのでしょうね。

 

<毎日新聞調査>内閣支持36% 前回から10ポイント下落

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170618-00000031-mai-pol

6/18(日) 17:39配信

 

 

 毎日新聞は17、18両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は36%で、5月の前回調査から10ポイント下落。不支持率は44%で同9ポイント上昇した。不支持率が支持率を上回ったのは2015年10月以来。学校法人「加計(かけ)学園」の問題や、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法への批判が影響したとみられる。

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園が国家戦略特区を利用して獣医学部を新設する計画を巡っては、早期開学が「総理のご意向」と記述された文書が見つかり、文部科学省が再調査で存在を認めた。しかし、政府は計画に首相の意向が働いたことは否定している。

 今回調査で、これまでの政府の説明に「納得していない」は74%を占めた。「納得している」は10%。内閣支持層も59%が「納得していない」と答えた。政府が獣医学部新設を認めた経緯について、国会の閉会中も衆参両院の予算委員会などで「検証すべきだ」は59%で、「検証する必要はない」の26%を上回った。

 組織的な犯罪集団が犯罪を計画、準備した段階で処罰できるようにする改正組織犯罪処罰法は、一方で一般の人も捜査対象になる懸念が指摘されている。改正法に「反対」は47%、「賛成」は32%だった。

 自民、公明両党は改正法を参院法務委員会で採決しない「中間報告」という方法で参院本会議にかけ、15日に可決、成立させた。改正法が「十分に審議されていない」は69%に上り、「十分に審議された」は12%にとどまった。改正法に賛成する層でも6割弱が審議不十分と考えている。

 (以下略)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕は改正法とかがダメだとは思っていないし、獣医師が必要ならば必要で開学すれば良いと思っています。

ただ、本当に必要ならば示せば良いし、うやむやにしようとするのは心にやましいところがあるからではないかと思っています。先日も書きましたけど。

加計学園の話:「総理側、官邸側が調査しない」ということは事実なのでしょう

 

総理が言った、言わない・・・という話よりも、僕は「獣医師が必要ならば、その根拠を示し、地域が四国が良いならば、その根拠を示せば良い」と思っています(繰り返しちゃいました)。

 

それができないのであれば、総理が「友人関係」があるので、便宜を図ったと言われても仕方がない話です。

 

そして、その幕引きを図りたいからかどうかは知りませんが、改正組織犯罪処罰法の審議が中途半端に終わったのも「国民不在」という印象を受けます。

 

僕は自分で、あまり人を悪く見ない方(性善説で考えます)だと思っているので、僕がそういう印象を受けたのならば、ほとんどの人はそう思っていると考えています。

 

この支持率は当たり前だと思いますが、他の新聞社やテレビ局のデータがどうなるか知りたいところです。

 

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医師の地域偏在解消対策:少し気になるところがありますが・・・

2017-06-17 22:21:44 | 医療

おまけでもう一つ。

こちらも紹介します

医師の地域偏在解消に向けた抜本対策、法律改正も視野に年内に取りまとめ—医師需給分科会(2)

http://www.medwatch.jp/?p=14349

医師偏在の解消に向けた抜本的な対策を考える上では、まず「ニーズ」をきちんと把握し、その上で医師の要請数や配置を考えていく必要がある—。

 15日に開催された医師需給分科会(医療従事者の需給に関する検討会の下部組織)では、構成員からこういった意見が相次ぎました(関連記事はこちら)。今秋から「抜本的な対策」の議論が分科会で始まりますが、どのようにニーズ把握などを行うかが重要な論点となりそうです。分科会では、法律改正も視野に入れて年内(2017年内)に意見をとりまとめます。

医療のニーズを把握した上で、医師の供給数を算出するロジックは維持

分科会では、昨年(2016年)春に中間まとめを行い、地域医療構想などを踏まえて将来における医師の需要量と供給数について「2024年頃に約30万人で需給が均衡し、2040年には医師が3.4万人過剰となる」(中位推計)といった試算を行いました(関連記事はこちらこちら)。

(略)

しかし、その後に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下、ビジョン検討会)が設置され、その報告書(ICTやAIの発展、地域包括ケアの推進など、医療を取り巻く環境の変化を踏まえた『医療従事者の新しい働き方』『今後求められる医療従事者像』などが固められている)を踏まえて、医師などの需給を推計しなおすことになっています(関連記事はこちらこちら)。

(以下略)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

厚労省の資料はこちら

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000167959.pdf

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000167960.pdf

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000167963.pdf

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000167964.pdf

 

最初の資料を見ていて言いたくなること。

1、医師国家試験を合格したもの全員が「医業」に従事する想定

先日のニュース記事を見た限りでは、医師の希望者は増えているが、一定人数で医師ではなくて別の職業に就く希望のものがいるようだが・・・。

2、キャリアパスについて

自治医大のキャリアパスを真似ているのかもしれないが・・・。記載されているのは「地域医療の実践能力を取得する」という話。専門的なところをおろそかにすると、今度は専門的な医療ができる医師が少なくなったという話にならないかしら。

がんの特効薬ができて手術が不要になったら、薬が効かないがんができて・・・手術ができる人がいなくなった・・・そんな話になったりして

誰かが専門的なことを、誰かが全般的なことを・・・全員が同じ方向に向くのはまずいでしょう。特に専門医療が多いのが良いとは思わないですけど、全員が全般的なものをやっていたら、専門医療の引き継ぎ手がいなくなりますし・・・

バランスが大事な気がします。これは直接話を聞いて見たら何かわかるのかもしれないですけど。

3、勤務地・診療科の限定、就業義務年限

勤務地はともかく、診療科の制限は一生ものなのでやめてほしい。一般的に40歳超えると教育を受ける側ではなくなってしまう。医師になろうと夢を見て医師に「修学資金貸与」を受けてまでなったのに、自分のなりたいような医師になれないのは「やる気」をそいでしまう。

4、新しい専門医制度

がどうなるのか・・・と今でも思う(笑

 

最近でもいろいろ意見が出ていますが、どうなるのでしょうかね(笑

5、大学との連携や、大学からの代診医派遣とかをやる前に大学教員の待遇改善を

いつも書いているので今更ですが、本当に人の派遣をまたやるのであれば、待遇改善をしないと良い人材は集まらないと思いますけどね。専門医機構の話もそうですが、大学に権力を再集中させるにしても、まともな機能を持たせるには良い人材が集まる必要があるので、もう少し良い待遇にするようにしないと。

アルバイトに行くことが前提の大学病院で、代診医として派遣されるときにアルバイト先よりも給与条件が悪ければ行きたいとは思わないでしょうしね。少し想像したらそうなるのですが・・・(汗

6、地域医療に行きたい医師が20代で49%って・・・。

研修医や後期研修医が家庭を持つ前に思っているとか、地元に戻ろうかと思っているという可能性はあります。ただ、それは全く地方で勤務する気がないわけではない(二重否定)という医師の数でしょうね。逆側に全く地方に行かないという選択肢しかないのであれば。

 

最後の参考資料で言いたくなること

1、年齢は大丈夫?

相変わらず70歳以上もカウントしていますね。90代もそれなりにいそうですが、この方々が普通に診療されると思っているのでしょうか?

昔、2007年頃の笑い話は「鬼籍」に入られている方もわからずカウントされていたという話がありますが・・・。

 

2、常勤勤務医の勤務時間は年齢が上がるにつれ減少する・・・って

60代になっても週に60時間以上勤務は辛いのでは?

今のところ、週に60時間以上は40代までというデータですので、ここが月に80時間以上残業がある(残業とは言わないのでしょうけど)状況ですね。一応過労死ラインということになっているので、少し検討をよろしくお願いしたいところです。

第一、これは診療科関係なく調べているので、診療科によっては本当にきびしいですよ。

 

 3、診療科ごとの検討は・・内科はひとくくり

内科にも忙しいところ(血液内科、循環器内科など)もあります・・・(汗

一応、最近のアンケートとか見ていないですけど、昔(2008年頃)はきつい診療科3つのうちの2つです(汗

 

あんまり状況は変わっていないと思うけど(笑

 

そんなことをさらっと見て思いました(笑

 

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全医師データベースの件:地方に無理やり・・とはしないでほしい

2017-06-17 21:49:51 | 医療

こんばんは

 

今日は執筆とトレーニング、そしてカブトムシが成虫になった時の準備をしておりました。

カブトムシが成虫になったら子供達に配り歩く予定ですが、欲しいと言っている方々に会うまでの期間が少し空いているので・・・。それまでは育てておかないといけないのです(汗

 

将来、時間ができたらブリーダーでもやってみようかしら(笑

 

さて、今日はこちらの記事を紹介します。

 

全医師データベース構築へ 厚労省、地域偏在解消に活用

http://www.asahi.com/articles/ASK6H61G8K6HULBJ00S.html

野中良祐

2017年6月15日21時19分

 医師の地域偏在の解消に役立てるため、厚生労働省は、すべての医師の出身大学や研修先、診療科などを登録したデータベースを構築する。都道府県の担当者が検索することを想定し、都道府県出身の医師の誘致や定着への活用を図る。今年度中の運用開始を目指すという。

 15日に開かれた、偏在対策を話し合う厚労省の医師需給分科会で示された。

 医師は2年に一度、氏名や就業先などを届け出ることが医師法で義務づけられている。データベースは、卒業後に初期臨床研修を受けた施設や、専門医制度で専攻しているプログラムなども一元化して管理する。

 データベースを使うと、卒業してからの年数や、地元にゆかりがあるなど、条件に合う医師を探せるようになる。ビッグデータとして、初期臨床研修の内容と定着率の関係を解析し、研修プログラムの改善にも役立てていく。

 (以下略)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これについては一言だけ。

もし、全医師をデータベース登録して把握して、「できればあの地方の医師が足りないから、行ってくれないか?」というような制度にすると・・・家庭持ちにとっては厳しいように思われますね。

医師がいない場所は理由があって医師がいないわけです。

とりあえず思いつく理由として以下のようなものを考えます。

1、症例数が少なく、経験や技術を得る機会がない病院や地方

当然ながら若手医師は行きたくないですよね。自分の将来の「基礎」となるところが磨けないわけですから。また、中堅も嫌ですよね。指導医がいなければさらに嫌かもしれませんね、上を目指そうというタイプには。

疲れて少し休みたいのであれば、2人くらいで対応したら良いかもしれませんが、1人医長とかだと厳しいかもしれませんね

2、総合的に様々な患者さんは来るものの専門的な技能は磨きにくい病院

これは人によります。将来的に開業したり、総合内科・家庭医などを目指す人は良いかもしれません。できれば良い指導医がいれば良いかもしれません。ただし、総合内科・救急というのは武器(専門技術)がないと意外とできることは限られますので・・・。

3、地方で家族の同伴が難しい状況

辺鄙な場所の場合、家族などの同伴が厳しい場合もあります。僕は公立でもいいのではないかと思うタイプ(僕はずっと公立なので)ですが、私立の良い小学校、中学校、高校と通わせたいと思っている配偶者であれば、地方には行きたがらないかもしれません。そうすると単身赴任で長期・・・しかも、患者がいるからなかなか帰宅できない。

この場合は最悪、週1などで帰れるような体制をとるくらいは必要があるかなと。そうでなければ絶対行かないですよね。離婚しかねないですよね

4、人間関係が合わない

病院でも地方でもいいですが、人間関係が合わないこともありますよね。たまに人間関係そのものがゴタゴタしている病院もあります(笑

 

5、人数が何れにせよ少なく、疲弊する

少ないところに、1人や2人呼び寄せても焼け石に水だったりします。

 

まぁ、このようにいろいろ考えられることはありますので、無理やり配置するようなことにならなければ良いのですが、今の政府は無茶苦茶しそうなので(笑

 

時間的距離が短くなる形で改善してしまえば、全て解決するのですが。

 

もし、近い将来、すぐに移動できるようなシステムができれば、ほとんどのものは解決しますよね。そっちの方が医師の偏在、云々言っているよりも早いかもと僕は思っています。

例えば「どこでもドア」を作るとか(笑

 

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「血液内科ただいま診断中」重版(増刷)決まりました:皆様ありがとうございます

2017-06-16 17:50:07 | Weblog

こんばんは

 

先ほど禁煙外来を行っていたときですが、出版社の方からメールが来ておりました。

 

「血液内科ただいま診断中の売れ行きが良く、在庫がなくなって来ましたので増刷したいと思います。修正点などがなければ増刷したい」という内容でした(もう少し長いですよ)

 

このblogはアンフェタミンという匿名の医師が行なっているブログではございますが、著者に変わりましてお礼を申し上げます。発売開始から2ヶ月で増刷されるのはペースが専門書としては早いようです。

 

多くの現場の医師にお役に立てれば嬉しく存じます。引き続き宜しくお願い申し上げます。

 

今日はそういうことで、職場の方が「お祝いをしましょう」と言ってくださったので、今から飲みに行きます。

 

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血液内科 ただいま診断中!
クリエーター情報なし
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疫学データと個人の運命は異なる:神様でないから個人のことはわかりません

2017-06-11 21:10:14 | 医療

こんばんは

 

いよいよ本格的に空いた時間で書き物をしております。学生さんが少しでもわかりやすいと言ってくれるのを期待しながら、どうやったら喜んでくれるかなと思いながら書いています。

教科書を書くというのは自分の勉強にもなるわけです。しかも、どうやったらわかりやすくなるかを考えるわけですから、理解も深まります。

 

少しずつ進めていますが、基礎分野を書いているため少し時間がかかっています。臨床分野になると伝えたいことは頭の中にいっぱいあるのですけど。

 

さて、本日はこんな記事が載っていましたので、ご紹介します。

 

<たばこ>ヘビースモーカーだけど長生きの人がいる理由

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170611-00000007-mai-soci

6/11(日) 10:10配信

 受動喫煙対策が話題ですが、肺がんとたばこの関係を解説する際、よく出るのが「私のおじいさんはヘビースモーカーだったけど、長生きした」などのエピソードです。医学的な言葉で言い換えれば、疫学データ(人を集団で観察した場合)と個人の運命(個人・個体で観察した場合)とが異なる結果になる、という実例です。なぜそのようなことが起こるのか。順天堂大学医学部公衆衛生学講座准教授で、呼吸器内科医の和田裕雄さんに解説してもらいました。

 ◇アンジェリーナ・ジョリーさんの予防切除

 まず最初に、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんの例を紹介しましょう。アンジェリーナさんは、遺伝子検査の結果、「BRCA1」あるいは「BRCA2」というがん抑制遺伝子のうち「BRCA1」に生まれつき変異を持っていることが分かり、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」が疑われました。

(中略)


 病気の原因を単純化すると、体質などの「遺伝要因」と生活環境などの「環境要因」に分けて考えることができます。がんの場合もいずれかの要因、あるいは、両方の要因によって遺伝子から作られるたんぱく質に変化が起き、がん細胞が表れて増殖するなど細胞レベルでの変化が生じます。

(中略)


 ◇喫煙者は肺がんリスクが5.5倍

 2000年以前の研究結果をまとめて解析した論文によると、喫煙したことがある人は、全く喫煙したことがない人の5.5倍、肺がんになる危険が増すと結論付けています。この世からたばこがなくなり、喫煙者と喫煙経験者が存在しなくなると、肺がん患者は現在の約6分の1になるということです。しかし、肺がん患者は0人にはなりません。この理由は、公害などの環境要因、あるいは、遺伝要因の影響のためだと考えられます。

 でも、たばこをやめるだけで肺がん発症の危険性を6分の1に減らすことが可能なのですから、私はたばこはやめた方が良いと考えています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最近は健康診断の胸部単純写真を見る機会が多いのですが、必ずチェックしていることがあります。

 

喫煙歴と家族歴です

 

喫煙歴はここでいう環境要因ですが、家族歴は遺伝要因の可能性があるからです。

 

上の記事でBRCAの話が出てきましたが、がん抑制遺伝子というのは異常をきたしていても遺伝します。がん遺伝子というのは増殖を促進させる遺伝子ですが、これが異常になっていた場合は受精卵が無秩序に増殖するために正常に生まれてくることはありません。遺伝性腫瘍の遺伝子はがん抑制遺伝子です。

がん抑制遺伝子については何種類もあるわけですが、2つあるブレーキが片方壊れているようなものです。両方壊れてしまうとアクセル踏みっぱなしのため発がんします。どのがん抑制遺伝子が異常に成るかで起こりやすい「がん」は変わります。完全に片方が欠損しているような方は、先ほどから言っている遺伝性腫瘍の患者さんになると思います。ただし、完全に欠損しているわけではないが少し異常がある人というのはいるわけです。

というよりは少し異常・・・というのはおそらく異常のうちには入っていなくて、ちょっと普通ではない人・・・という感じです。

遺伝子の一塩基多型(SNP:スニップ)というものがあります。正常ではないが国民の1%以上の人が持つものを言います。

肺がんだとNRF2遺伝子のSNPが有名です。おそらくこのような感じで、色々な人が色々なSNPを持っているのではないかなと思っています。

僕はちなみにある遺伝子のSNPが自分にあることを知っているのですが(笑)、個人的には悪影響ではなくて良い方向の期待をしています(そういうのも調べてみたいのですよね。実は・・・担がん患者さんと健常人で比率に違いがあるのではないかと思っているのですが)。

 

ただ、そんなことはよくわかっていないわけです。ですので、ご家族で早くにがんを発症されたりした方がいる場合、何かしら「がんになりやすい因子」があるのではないかと思って注意して読影をしています。

 

もしかしたら、「うちの父はヘビースモーカーだけど、がんにはならなかった」という方は確かにがんに関する影響は少ない方なのかもしれません。しかし、タバコには心血管系のイベントを起こすリスクもありますので、いいことはあまりないです。

 

で、全ての方に言いたいのは医療というものが全て確率の学問であるため、「病気を発症するかどうか」「病気が治療して治るかどうか」「最も良い治療は何か」というものは神様でないのでわかりません

タバコを吸ってもがんにもならないし、脳梗塞にも心筋梗塞にもならないとわかっていたら、

「他の人には影響のないところで吸ってください」

と言います。個人の嗜好ですから。

 

ただ、個人の運命はわからないわけです。ですから、医師としてわかっていること

少なくとも、タバコを吸うことによって発がんリスクや脳梗塞、心筋梗塞になるリスクは上昇します。できることならやめた方が良いと思います

ということをお伝えすることになります。

 

個人の運命はわかりませんが、疫学データを参考に「良いことを勧め」「悪いことを避ける」のが医師が患者さんに提供するべきものですので、やめられる人はタバコをやめましょう

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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