こんばんは
今日は午前中は医療教育、午後は禁煙外来を含めた診療をしていました。風邪をうつされたのか、若干だるい感じもしますが・・・まぁ、医師は気を張っている限りは風邪などは引かないもの・・・かもしれません(笑
この気を張っていれば・・・というのが食わせ物で、昔は確かに大変だった。原子力で動いているとか(鉄腕アトムかw)、色々言われていましたが、2年間で体重が68kgから53kgという変動は僕もビビりました(笑
流石にこのままではまずいかな〜と思っていたら、1年勤務が伸びたので、そこからは無理しないようにしていました(頼りになる後輩が大学に戻ってきたのと、「お前が休まなかったら後輩が休めないから休め」と言われたので)。
少し血液内科の勤務の紹介・・・と思って検索したら、こんなサイトが引っかかりました。別にこのサイトを利用して、転職しようとは思っていませんが、参考程度に
https://doctor-agent.jp/howto/6489/
一部引用
血液内科医・腫瘍内科医のQOLはどうなの?働き方は?
血液内科医のキャリアとしては、大学病院や日本血液学会研修施設に指定されている医療機関に所属して移植医療やあらゆる血液疾患の幅広い症例を数多く経験し、高度な知識や技術を習得して血液専門医の取得を目指すもしくは、海外の大学院に留学して研究の道に進むなど様々です。
学会発表や論文発表を積極的に行い研究分野で活躍するという道もあります。
血液内科は悪性腫瘍の検査から治療まで行います。急変が起こるかもしれない患者を対象にすることが多いため、重篤な患者の全身管理を怠らず、日々の変化にも柔軟に対応できるような観察眼を身に付ける必要があります。
重篤な患者を診療することが多い為、過酷なイメージを持つ方もいますが、血液内科医の働き方は様々であるので医療機関によって異なると考えられます。
医師が臨床に専念できる為の施設やスタッフが揃っている病院は働きやすいと言えるでしょう。
転職をする上で医療機関と医師本人のニーズの一致が最も重要な要素であると言えるでしょう。
血液内科医として専門に特化した診療を行いたいのか、プライマリーケアを中心とした一般内科標榜で血液内科の専門として勤務するのかにより大きく働き方も変わってくるでしょう。
(引用終わり)
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こんな記載もありました
「また、血液内科の医師数は約1700人で内科系では最も少ない診療科になります。求人情報を見てみると多くの求人が地域の中核病院で、大都市圏に求人が集中しやすい傾向にあります。」
ということで、働き方には色々あると思うのですが、僕も後期研修医の時は結構大変でした。それこそ余裕で過労死ライン(笑
毎日新聞の記事から「疲弊する勤務医」という話です。
https://mainichi.jp/articles/20170618/ddm/016/040/029000c
昨年1月、1人の女性研修医が過労による自殺で命を絶ち、労働基準監督署から今年5月末に労災認定を受けた。そこから見えてきたのは、労使協定を無視した長時間労働の常態化だった。患者の安全のためにも、患者の命を預かる医師の過重労働の是正が求められている。
「自己犠牲によって自らの生活や将来を失ったりしてはならない」
これは4月、厚生労働省の専門家会議がまとめた「医師・看護師等の働き方ビジョン」の一節だ。新潟市民病院の後期研修医だった木元文さん(当時37歳)の過労自殺は、この1年3カ月前に起きていた。
医師の過重労働は、長い間改善が進んでこなかった。勤務医を対象にした厚労省調査によると、昨年6月の時間外労働時間は約5割が20時間以上で、6・8%は「過労死ライン」の80時間超。当直も多く、7割が宿直明けに通常勤務をしていた。日本外科学会の会員調査(2013年)では、医療事故やその手前の「ヒヤリ・ハット」の原因の81%に「過労・多忙」があった。
なぜ過重労働は解消できないのか。一つには「正当な理由なく患者を断ってはならない」という医師法上の「応招義務」がある。
また、東京大医科学研究所の湯地晃一郎特任准教授(血液内科)は「医師は看護師と違い、交代制になっていない。受け持ち患者の容体が急変すると、当直医に加えて主治医も呼ばれる」と指摘する。
(中略)
「医師数増やすしかない」
一方、抜本的解決には「医師数を増やすしかない」との声もある。
政府は1982年、将来的に医師が過剰になるとの予測から、医師数の抑制方針を閣議決定。00年代に地域医療の崩壊が叫ばれ、地域枠などを設けて医学部定員を増やしたが、今も人口当たりの医師数は経済協力開発機構(OECD)の加盟国平均より少ない。日本医師会は医師の偏在が問題だとし、増員そのものには消極的だ。
労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人代表は「入力作業などを他の職員に委ねても、医師の負担はあまり減らない。交代制勤務ができるよう医師数を増やすべきだ」と主張。聖路加国際病院の福井次矢院長は「救急や病理は医師不足が深刻で、国は診療科ごとに医師数の調整をしてほしい」と話す。
(略)
新潟労働基準監督署が認定した木元さんのうつ病発症1カ月前の残業時間は「過労死ライン」の2倍の160時間超。毎日新聞が情報公開請求で得た資料によると、同時期に後期研修医として在籍していた医師の7割以上の20人が、労使協定で定められた月80時間の上限枠を超える残業をしていた。
病院側も手を打っていなかったわけではない。2009年に労基署から長時間労働の是正勧告を受けた後、医師数を2割増やし、医師の事務を代行する医療秘書も5倍以上に増員した。だが、外来患者も09年度の25万2753人から16年度は26万8703人に増加した。救急外来は過半数が軽症患者で「多くの市民が、うちに来れば何でも診てくれると思っている」(片柳憲雄院長)という状態だった。
(中略)
木元さんの夫は取材に対し「医師の使命感は分かるが、妻の死は病院による殺人だ」と訴えた。「全国過労死を考える家族の会」東京代表で、自らも医師の夫を過労死で亡くした中原のり子さんは警鐘を鳴らす。「医師の長時間勤務は、犠牲的精神など個人の力で解決できるものではない」【柳沢亮】
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個人的にも自殺未遂をした医師や突然死された医師(突然死ではないですが、お世話になった小児血液の先生も亡くなりました)なども知っています。
僕は自分で言うのもなんですが、ストレス耐性は高い方だと思っています。色々ストレスにさらされてきましたからね〜。どちらかというと雑草みたいに這い上がってきた人間だし(笑
ずっとエリートというわけでもなく・・・偏差値32からの大学受験・・・って(笑
それは良いのですが、ストレスは基本的に「何かに対する個人の反応」です。ストレスの原因になるものがあって、それに対する体や心の反応は個人差があります。真面目な人ほど自分がうまくできなければ、それでさらに頑張ろうとして悪循環になると思います。
逆にうまく手を抜ける人であれば、ある程度息抜きをしてストレスを溜めないこともできると思います。
ただ、医師はストレスが溜まりやすい環境にあると思っています。比較的真面目な人が多く、患者さんや家族を含めた人間関係もあり、死と接する仕事(手は抜けない)であり、常に勉強し続ける必要性・・・などなど。
特に応召義務がありますので、患者さんがいる限り自分自身を「スイッチオフ」にしにくいと言うことです。途中で書いてありますが、チーム制・交代制にできる医師数がいれば、完全オフにすることもできると思いますが、主治医制だとそう言うわけにも行きません。
今の医師数でも「病院の集約化」と「チーム制」と「患者さんが病院に来るまでの時間的距離の短縮」ができれば、対応できると思いますが、それができない限りは医師はストレスが溜まりやすい環境下に置かれると思います。
一部の「医師が十分にいる病院」は別ですが・・・。
僕は学生時代はずっと4時間睡眠でしたし、3時間でも特に問題ありませんでした。ただ、医師になってからは3時間とか4時間では、年齢とか別にして辛い要素があります。病院勤務の状況だと、いつ呼ばれるかわからないので、スイッチが完全にオフにならないと言うことです。すなわち、睡眠の質が保たれていない。
今は緊急コールが少ない場所にいますので、だいたい4時間でも大丈夫ですが、大学院生の時も急変があれば呼ばれる可能性が高かったので、病棟の状況をみては「呼ばれるかもしれないな」とスイッチオンの体制で寝床に入っていました(正式にはオンコールではないのですが、勝手にオンコール体制みたいなw)。
これと合わせて、患者数が比較的多くて、医師数が少ない野戦病院みたいなところは多くの医師が過労気味になると思います。この同時期に後期研修医として在籍していた医師の7割以上が過労死レベルの残業をしていたと言う記載がそれに当てはまると思います。
正直・・・楽な病院、楽な勤務はあると思いますが、非常にきついところはきついと思います。
ストレスを溜めないためには
1、しっかり寝ることができる環境
2、家族などとの時間、趣味の時間が取れる環境
3、仕事がある程度あり、やりがいを感じられる環境
が必要だと思うのですが、忙しくなりすぎると全てがなくなると思います。
忙しければ寝ることができない、自分の時間は当然取れない、仕事に忙殺されてやりがいどころではない。
ですので、スイッチをオフにできる環境づくりが必要ではないかと思います。
そんなことを考えました。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。