黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

2010全女準決勝 対浦和レッズ戦「ようやく届かぬ差が見え始めた完敗」

2010-12-26 23:34:33 | アルビレディース
第32回全日本女子サッカー選手権 準決勝 2010年12月26日 14:00K.O
東京都・国立西が丘サッカー場(2,310人)晴 風弱し 芝良 主審 井脇真理子

アルビレックス新潟レディース 1-3(0-2、1-1) 浦和レッズレディース


10分 失点、27分 失点、74分菅澤優衣香、84分 失点



[浦和レッズレディース]

-------山郷-------
-土橋--熊谷--矢野--竹山-
-----藤田--柳田-----
-岩倉----------堂園-
-----北本--荒川-----

SUB:GK小金丸、DF西田、MF岸川、FW吉良、FW松田
監督:村松浩

67分 北本→吉良
72分 荒川→松田
88分 岩倉→西田



[アルビレックス新潟レディース]

-------菅澤-------
-佐伯-上尾野辺-阪口--小原-
-------川村-------
-山本--東山--上田--山崎-
-------大友-------

SUB:GK諏訪、DF中村楓、MF中村早、MF斎藤、FW口木
監督:奥山達之

60分 小原→斎藤
73分 佐伯→中村楓










全女準決勝、西が丘サッカー場へやってきたアルビレックス新潟レディース。
固くなるかなと心配するのが馬鹿らしくなるほど試合前はリラックスモード。
クラブとしては初の準決勝だ、西が丘だと言っているが、選手個人としては大学なりユースなりで決勝の場を踏んでいるので久しぶりの感覚ってとこか。

茨城での調整も順調に行なわれたみたいだ。

アルビは菅澤選手を1トップに川村選手をアンカー、トップ下に上尾野辺選手と阪口選手が入るいつもの形。
レッズ相手に踏ん張れるかどうかは、川村選手の出来にかかる。

本当に新潟の大雪が嘘のような晴れた空。
大雪で交通機関が麻痺したために西が丘行きを断念したサポーターもいた今年最後の日曜日。
定刻、14:00K.O。

開始早々、アルビは菅澤選手のポストプレーでポイントを作りながら攻め込むも、細かなミスを狙われて浦和のカウンターを食らう。
さすが今季の新人王藤田、素早いプレスとこぼれ球を拾う類稀なるセンスでアルビの中盤がなかなか自由にさせてもらえない。
前半10分、藤田にボールを奪われ岩倉のスルーパスを北本に通されてしまう。
東山選手が手を上げた瞬間、「しめた、上手くオフサイドを取れた。」と思ったが、アルビのDFが反応できずにそのまま残っていて万事休す。
北本選手とGK大友選手が1対1の状態になって先制点を奪われる。
結局、この1点が決勝点になった。
今大会を通じて、ずっと出続けているディフェンス面でのミスが今回も出てしまった。

現在の浦和レッズとアルビでは全てにおいて差があるが、レッズのCBコンビ矢野・熊谷との差が一番大きい。
レッズレベルの相手になると東山選手も他の選手のフォローまでは手が回らないこともある。
東山選手とペアを組むアルビのCBの選手も大学生レベルからなでしこリーガーのレベルにパワーアップしてくれないと先はない。

前半、これだけ早い時間に点を取られると以前までならシュンとなってしまって試合にならないことが多かったが、今のアルビは違う。
気持ちは切れないで1点を取りに浦和レッズという強敵に立ち向かっていく。

浦和の岩倉は今年のなでしこリーグカップで大ブレークした印象を持つが、リーグ後半戦も好調を維持していて、この試合も攻撃の起点になっていた。

さらにこれまでアルビの攻撃を支えてきた右サイド小原・山崎コンビを堂園・竹山コンビがマッチアップ。
裏を取ったり、取られたり、主戦場となった。それぞれのクラブでトレーニングを積んできた彼女達の戦いにこそなでしこリーグの価値があると思う。

25分過ぎ、不用意なミスで自陣でスローインを与えるアルビ。
ベテラン土橋からスローイングからの一連の流れで北本・荒川がボールを回し堂園が最後に決めて2-0。
さすがに開始30分弱で2点差はキツイ。
キツイがせっかくここまで来たのだから、下を向いてもしょうがないので自分達のサッカーをあくまでも貫こうとするボールをセット。
前掛かりになったところを鋭いカウンターを食らい、強烈なシュートを撃たれることもしばし。
守護神大友が阿修羅のごとく身体と手を使ってガード。これ以上の失点はさせない。

ミスが出て攻めても攻めてもスピードに乗ったカウンターでゴール前を襲われてしまう前半を2-0で終了。
アルビの足が止まっていないのが希望の光だ。



後半、土橋・柳田の田崎組のベテランに疲れが見える。
土橋は怪我明けにも関わらず、この日はフル出場。アルビにとっては大原学園時代からずっと壁となっている選手だけに、いつまでも元気で嫌な選手でい続けてほしいものだ。
アルビも阪口・佐伯両選手が先発し、また、第一試合に出場したINACには甲斐・田中・坂井も先発出場していたので以前田崎でサッカーに携わった方にとっては思うものがあったのではないだろうか。

が、藤田は元気だ。元気すぎる。少しは疲れてくれ。ルーズボールを拾いすぎだ。
アルビは大学生や高校生に比べたらちょっとは当たりが強いと思うのだが、なかなか倒れないし、そこから繋いでくる。

アルビはベレーザやレッズ以外だったらほとんど決まっているサイドへのスルーパスが悉くその前でインターセプトされてしまう。
思いっきり両サイドが攻撃態勢のスイッチが入った瞬間に浦和のスピードのあるカウンターを食らう。
いつもの通り、高めの最終ライン取りをしているので自陣へ戻ることでスタミナを消耗してしまう。
このパスの読みが熊谷・矢野といった代表の読みであって、アルビにはまだ無い大きな差だ。

サイドバックで活躍していた竹山。レッズも若手が伸びてきている。それもユースからの育成で。

ようやく前目の北本・荒川も疲れを見せはじめてきた。
が、入ったのが吉良や松田でさらに一苦労。メンバーチェンジで落ちない。むしろ上がった。
(窪田や庭田がベンチ入りしてないでこの質はさすがだよ。)

斎藤選手が出てきて、少しサイドからのクロスが上げられるようになる。

中村楓選手が交代出場。
今季、退場劇を演じたレッズ戦。個人としてリベンジとなる。
守備は堅い。SHに上がった山崎選手が攻撃しやすいフォローをする。(山崎選手にとってもレッズJr.ユース出身の選手と対戦することは自分自身の成長のバロメーターになる。)
残念なのは得意のキラーパスが不発だったことくらだ。

ようやく残り15分というところで、アルビもCKから最後、菅澤選手が利き足の頭で決めて1点差。
サポーターはこれからの数分間、夢を見させてもらう。


攻めて、攻められ、次の1点をどちらが取るかで試合が決まるという展開。
オフサイドにはなったものの危ないピンチも切り抜け、数少ないチャンスにかけるアルビ。

だんだん中盤が間延びしてきたのか、プレスがかからなくなってくる。一番キツイ時間だが、ここが頑張りどころ。

残り5分になろうかという時に、竹山のクロスに岩倉が飛び込んで勝負有り。
竹山・岩倉・堂園、今年のレッズを象徴する選手に最後の最後でやられたって感じだ。

まあ、新人王藤田がいなかったらもうちょっと何とかなったとも思う。
日ノ本学園高校の看板背負ったスーパールーキー、次の対戦では何とかしたいぞ。

村松監督は冷静にお約束の時間稼ぎをしながら試合終了へ時計の針を進める。
大人である。

アディショナルタイム2分が過ぎ、試合終了。


今年、リーグ戦2試合、カップ戦予選1試合、そして今回東電からもぎ取った全女での対戦。
4回の公式戦の対戦は4敗となった。
得点を挙げることはできるようになったのだが、試合として90分間をコントロールできない。
勝負どころでミスが出る。細かいミスが相手の決定機に繋がる。
トラップが長かったり、パスのミスだったり、ポジショニングだったり。
アルビにはまだまだ隙がたくさんある。
まあ、これからやることは再確認できたので、試合ができたことは本当によかったと思う。
浦和レッズが敗戦を感じる状況を一瞬でもいいから作れるようにアルビらしさの精度を上げなくては。

田崎亡き後、浦和レッズと日テレ・ベレーザはアルビにとっては大事な目標であり、自分達の実力のメジャーだ。
お互いにもっと強くなって見る者をもっと感動させてほしい。
ハイプレッシャーの中で全くミスのない試合ができたらお互いに幸せではないだろうか。理想論だけど。



クラブの職員もたくさん西が丘に来ていた。
国立霞ヶ丘を当事者として体験できればクラブの財産になったのだが、これはまだお預け。
次のチャンスが訪れるようにクラブとしても頑張ってほしい。

早大ア式女子 インカレ特集今年も始まる

2010-12-26 00:09:32 | 女子サッカー
WASEDA SPORTSで今年のインカレ特集が始まった。

ALL For 1.5   WASEDA the 1st

関係ない人には全く興味の無いインタビュー記事ではあるが、気になる人にはかなりまとまった良い編集になっている。
新聞の学生さん、良い仕事するな。

まあ、最終的な結果はともあれこういう大学内でも記事になる対象になるってことはすごいことだと思う。今年は他の部活動がかなり良い成績を残しているので。
形に残るので学生時代の思い出になるだろう。
残り少ない学生生活やサッカー競技人生、学生さん達も心のエンドロールが掛かってきているので気持ちも高ぶっているんだろうな。

学連に所属する大学生にとってどの大会よりも大切なインカレ。個人が代表に選らばるよりもある意味価値は高いはずだ。
日本女子サッカーリーグというJFAが作った流れに乗らず、わが道を選んだ早大の選択はそれはそれで有りだと思う。
大会のレベル的なことはさておき、そこでどういう経験をするかが、今後の人生に影響するんだろう。
今回は予選で体調不良者が出てしまったりして、大変な思いをしたからなおのこと優勝したいだろうな。

とにかくア式サッカー部もそうだけど、寒いなかでも取材を頑張れ、学生記者さん達!!

「サッカー人生の締めくくり」って言葉は寂しいけれど、4年生は最後の残り2試合を悔いの無いように。
※小野瞳みたいに悩んだ末にサッカーを続ける選択する人もいるらしいが。東電かな?