黄紙に注意! 鳶ブログ

サッカーに魅せられて全国行脚。
奥山監督率いるアルビレックス新潟レディースを応援しています。

女子ユース世代、そろっと来春のことを考えると

2010-12-07 06:22:51 | 女子サッカー
2年前にニュージーランドで行なわれたU-17女子W杯も選手もそろっと皆さんが卒業を迎える。
常葉学園橘高校の吉田弘監督率いるいわゆる吉田ジャパンの選手のその後をまとめてみた。

FIFA U-17女子W杯 ニュージーランド2008(2008.10.28-11.16)
U-17日本女子代表メンバー

【スタッフ】
監督:吉田 弘【(財)日本サッカー協会ナショナルコーチングスタッフ】
コーチ:坂尾 美穂【(財)日本サッカー協会ナショナルコーチングスタッフ/JFAアカデミー福島】
GKコーチ:川島 透【(財)日本サッカー協会ナショナルコーチングスタッフ】

【選 手】
GK齊藤 彩佳 1991.08.26 173㎝/60㎏ 常盤木学園高校 → なでしこリーグ 東京電力(2010)
GK中村 沙樹 1992.08.01 175㎝/68㎏ JFAアカデミー福島 → (2011)来春卒業
GK池田 咲紀子 1992.09.08 167㎝/58㎏ 浦和レッズジュニアユースレディース → (2011)来春卒業

DF屋田 渚 1991.04.03 160㎝/58㎏ 神村学園高等部 → チャレンジリーグWEST ジュブリーレ鹿児島(2010)
DF岸川 奈津希 1991.04.26 166㎝/60㎏ 浦和レッズジュニアユースレディース → なでしこリーグ 浦和レッズレディース(2010)
DF石田 みなみ 1991.05.14 163㎝/52㎏ 常葉学園橘高校 → 早稲田大学ア式蹴球部(2010)
DF千葉 望愛 1991.09.06 158㎝/51㎏ 浦和レッズジュニアユースレディース → 早稲田大学ア式蹴球部(2010)
DF千葉 梢恵 1991.10.07 167㎝/57 ㎏ 常盤木学園高校 → 早稲田大学ア式蹴球部(2010)
DF大島 茉莉花 1992.07.17 159㎝/52㎏ 神村学園高等部 → 早稲田大学ア式蹴球部(2011)来春卒業

MF亀岡 夏美 1991.01.05 163㎝/50㎏ JFAアカデミー福島 → なでしこリーグ 東京電力(2009) → ルネサンス熊本(2010)
MF杉山 貴子 1991.04.04 158㎝/53㎏ 常葉学園橘高校 → 武蔵丘短期大学(2010)
MF竹山 裕子 1991.09.30 160㎝/51㎏ 浦和レッズジュニアユースレディース → なでしこリーグ 浦和レッズレディース(2010)
MF井上 由惟子 1991.10.12 162㎝/55㎏ ジェフユナイテッド市原・千葉レディース → なでしこリーグ ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
MF高橋 彩織 1992.01.24 161㎝/53㎏ 日テレ・メニーナ → なでしこリーグ 日テレ・ベレーザ(2010)
MF嶋田 千秋 1992.02.18 170㎝/60㎏ 日テレ・メニーナ → チャレンジリーグEAST 日本体育大学(2010)
MF浜田 遥 1993.01.26 172㎝/59㎏ JFAアカデミー福島 → (2011)来春卒業
MF田中 陽子 1993.07.30 155㎝/47㎏ JFAアカデミー福島 → (2012)さ来春卒業

FW吉岡 圭 1991.06.06 153㎝/52㎏ FC VICTORIES→ チャレンジリーグWEST バニーズ京都(2010)
FW吉良 知夏 1991.07.05 160㎝/55㎏ 神村学園高等部 → なでしこリーグ 浦和レッズレディース(2010)
FW齊藤 あかね 1993.01.12 166㎝/63㎏ 常盤木学園高校 → (2011)来春卒業
FW岩渕 真奈 1993.03.18 153㎝/44㎏ 日テレ・メニーナ → なでしこリーグ 日テレ・ベレーザ(2010)※(2011)来春卒業



この世代に対してアルビレックス新潟の貢献は全くない。育成という面でこの世代に絡めるのはあと何十年後なんだろう。
吉田ジャパンなので常葉学園橘高校から召集するのは構わないが、常葉学園橘高校の方針からか、皆早大をはじめとした学連に行ってしまうので将来のなでしこジャパンやU-20日本女子代表に絡んでこなくなる。
早大ア式は吉田ジャパンのDF陣をごっそりと推薦入学で獲得している。

なでしこリーグ(Jリーグの下部組織)のチームの選手はほぼトップチームに昇格してなでしこリーグ入りしている。当然その後の年代別代表等に絡む。

さて、この傾向、JFAアカデミー福島が年代別代表の主力となる今後はどうなることだろう。
日本サッカー協会のお偉方は早大OGが多いので、やはり引退後のことを考えるとJFAアカデミー福島にとってもエリートコースは早大入学になってしまうのかな。
ちょっとは現役プレーヤーとしてW杯や五輪を目指してもらいたい気はするが、学連には代表選手になる以上の別の魅力もあるわけで、そこら辺が難しいところ。

ともかく、目下のところ、なでしこリーグの各クラブにとって選手獲得競争の最大の敵は早大になっているわけで、早大以上の魅力を各クラブが出していかないと日本のトップレベルの女子サッカーの先が無くなる。早大生が卒業後にも仕事と両立されてサッカーを続けるというのなら別だが、これまでの事例からそれは稀だ。
U-20日本女子代表だった日ノ本学園高校の瀬口七海やU-20日本女子代表には選ばれなかったがユース世代のトップレベルである常盤木学園高校の一原梓・権野貴子・坂本理保らが学業を最優先にサッカーに取り組んでいる早大ア式を選んだことをなでしこリーグ及び各クラブはもっと真剣に考えた方が良い。
とはいえ、これくらいの戦力が学連に無いとユニバーシアードで世界と戦えないのも事実なので、早大に入学した学生さんには学業も重要だけどちょっとだけサッカーも頑張ってもらいたいとは思う。インカレはたぶん向こう4年間はライバル不在で独壇場だろうから実は頑張るというのが一番難しいのかもしれないが。

学連に優る一番の魅力は「安定した就職」とか「大学で学びながら高いレベルのなでしこリーグで活躍できる環境」、そして「大学卒業後もチームに残ることができるような就職状況」だろうから、そこら辺をなでしこリーグ各クラブがどう整備し、どうアピールしていくかだろうな。
究極ベストな選択肢はそれ相応の収入が確保できるプロ契約選手なのだけど、それをするにはリーグやクラブにお金をもっと入ってくる仕組みを作らないとダメだ。
まあ、その課題は女子サッカーだけでなく、女子団体球技あるいはアマチアスポーツ全体の悩みではあるのだけど。



FIFA U-17女子W杯 トリニダード・トバゴ2010
U-17日本女子代表メンバー

今年の吉田ジャパンのメンバーが来春以降どういう進路を辿るのか。
U-20日本女子代表やなでしこジャパンに影響するだろうし、ここの選ばれなかった人達が今後の年代別代表になっていくのかもしれない。
まず何より、なでしこリーグの各クラブが選手達からもっと魅力的にならないと本当に取り返しのつかない事態になってしまう。
JFAアカデミー福島や常葉学園橘高校の選手育成がクラブチームの終焉を導くことにならないよう願うばかりである。
大学生チーム中心になって急速に弱体化したかつてのアジアの強国台湾のようにならないでほしいな。