福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

希望 ~ 再会の日のために

2020-04-07 15:45:00 | コーラス、オーケストラ

全世界の人々に、苦難の日々がつづいている。
友に、家族に、我が身に、忍び寄る健康や命への不安。
そして、明日は食べていけるのかという日々の生活への不安。

合唱指揮者であるわたしにとって何より辛いのは、演奏会のみならず、日々のレッスンすら行えないということである。合唱団の皆さんと共に音楽作りすることが生きる歓びであり、それは収入の絶たれることよりも苦しいことなのだ。

岐阜の合唱団からはクラスターが発生し、死者まで出てしまったことに胸が痛むが、この痛ましい出来事は、わたしの指導する合唱団も含め、どこで起こってもおかしくなかったことである。閉ざされた空間に、人が集い、声を発するということでしか「合唱」が成り立たないとするなら、新型コロナウイルスの収束が、かなりのレベルでなされない限り、活動の再開が難しいということになる。ここに出口の見えないもどかしさがある。

わたしの関わる直近の演奏会に限っても、以下が中止、または延期となった。

延期
1.やまと国際オペラ協会 設立5周年記念演奏会
モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」(ハイライト)、「レクイエム」
福島章恭指揮 やまと国際オペラ協会管&合唱団
2月29日(土)より8月16日(日)に延期
やまと芸術文化ホールメインホール

2.ベートーヴェン生誕250周年記念特別演奏会
モーツァルト「フィガロの結婚」序曲
ベートーヴェン「交響曲第7番」「ミサ曲ハ長調」
福島章恭指揮 東京フォルトゥーナ室内管弦楽団
ヴェリタス・クワイヤー東京 & 混声合唱団ヴォイス
5月2日(土)より2021年2月25日(水)に延期
紀尾井ホール

中止
大阪フィルハーモニー交響楽団 第537回定期演奏会
ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」
尾高忠明指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団&合唱団
4月10日(金)、11日(土)フェスティバルホール

それぞれの演奏会に対する想いは、別の機会に改めたい。

再開時期は見えず、判断も難しい。
機械音痴のわたしでも、少し勉強すれば、オンラインによるレッスンも可能となるのかもしれないが、生で息を合わせる感覚にはほど遠いものとなるであろうし、全団員の通信環境づくりも難しいだろう。自宅では大きな声で歌えない、という方だってあるに違いない。



いまは、ただただ、一日も早い収束(さらには終息)を祈るばかりである。

しかし、ただ座して待っているわけにもいかない。
合唱団員の皆さんの情熱、心の灯を消してしまわないように、できることを探らなくてはならない。

大フィル定期については、尾高先生より「来年の定期演奏会で取り上げたい」という力強いお言葉も頂いている。これは大きな希望だ。  

希望がもてる、というのは、なんと素晴らしいことだろう。

どんな暗闇にあっても、どんな谷底にあっても、人々が歌をやめることはない。
音楽を必要としない人などはいない。

音楽を愛する人よ。合唱を愛する人よ。
希望の光を胸に抱き、その灯をますます盛んに燃やしながら、来たるべきときに備えよう。再会の日は必ず訪れる。


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