9日土曜日、大阪フィル「新春名曲コンサート」終演後の新年会を1次会のみで失礼した理由はこれ。
1月30日に本番を控えた「マタイ受難曲」公演のための最終合宿が10日~11日にかけて行われたためである。
総勢120名前後。東京ジングフェライン、あつぎマタイを歌う会、長岡混声合唱団のほか、大阪、名古屋からのメンバーも集っての大所帯である。
ところは、相模原市城山町の「もみじホール」。
残響がたっぷりあるため初日は戸惑いもあったが、2日目はコーラスの並びの変更も功を奏し、実りのあるレッスンとなった。
この2日間でのメンバーの成長も大きかったが、ボクにとっても演奏会全体のイメージが掴めたのは有り難かった。
ようやく、本番像が見えてきたと言っても過言ではない。
もみじホールのお宝であるベヒシュタインをを弾いてくれたのは、小沢さちさん。
本番で共演する古楽器オーケストラに備え、ピアノパートをすべて半音低く移調して弾くという荒技を立派にこなしてくれた。
「マタイ」ヴォーカルスコアのピアノ・パートは、そのまま弾くのだって大変なのに、実に驚くべきことである。
しかも、音にするだけでなく、音楽的に美しいのだから。
ところで、もみじホールの敷地内に気になる碑が建てられていた。
「旧川尻字苦久保の地」
川尻字苦久保(にがくぼ)とは、旧地名ということだが、いったいどんな苦難に充ちた由来が、この地名に込められていたことだろう。
もちろん、「マタイ受難曲」公演は、「苦悩を乗り越えて歓喜へ」の道を歩んでいることは間違いない。