福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

パーヴォ・ヤルヴィのブラームス初日

2014-12-10 21:38:04 | コンサート


パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルを聴くのは、横浜に於ける「フィデリオ」以来。

今回は、会場をオペラシティ・タケミツ メモリアルに移してのブラームス・チクルス。交響曲とコンチェルトを組み合わせての4公演。その初日を聴く。

前半は、フォークト独奏によるピアノ協奏曲第1番。しかし、不覚にも睡魔に襲われたため、演奏について語る資格なし。百日咳を退治するため服用している薬のせいか、いつ眠たくなるか分からず、演奏中にやられてしまった(それゆえ車の運転も出来ず不便で仕方ない)。

ただ、ひとつ言えるのは、ピアノがドカンと舞台中央に置かれると、わたしの位置(2階センター)からは、チェロ、ヴィオラ、木管群が遮られ、ただでさえ、フルオケよりも音量の小さな室内オーケストラが、十分に聴こえなかった。バランス的には録音の方が良いかも知れない。

さて、後半はメインの交響曲第1番。
休憩時間の珈琲とハーゲンダッツで眠気を吹き飛ばし、気合い十分で臨む。

しかし、酔えなかった。
パーヴォが振れば、巨匠タイプの演奏とはならないことは分かっていたが、たとえば第1楽章での、突然の超レガートや木管の浮き上がらせ方や歌い回しが恣意的に感じられて、集中できないのだ。

また、アマチュアの如く、常に全力でひたむきな奏法も良いけれど、もっと大編成で余裕をもって鳴らした響きの方がブラームスには相応しい気もする。

速いテンポによる中間の二つの楽章は、このスタイルも悪くないのだが、終楽章には、もっと太い柱が欲しいと思った。

終演後は、万雷の拍手に、飛び交うブラヴォーの声。

これには異を唱えない。
こういうブラームスがあっても良いだろう。でも、わたしの胸に鳴るブラームスはこんなもなではないぞ! と思いながら、「こりゃ、ブルックナーだけでなく、ブラームス・プロジェクトもしなくてはならないか?」などと妄想したりした。

アンコールは、ハンガリア舞曲の第10番と第1番。
これは良かった!
交響曲ではマイナスだった、大芝居や仕掛けが、こういう小品ではモノを言う。それでいて、ピアニシモの哀歓に人生を思わせるのだから堪らない。

さて、残る3公演のうち、仕事の都合で聴けるのは明日のみ。どんなヴァイオリン協奏曲と交響曲第2番となるか、楽しみにしよう。

以上、帰りの電車に揺られながらの走り書きにて、乱文失礼。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そのレーベル名はKAMOCS(かもっくす)

2014-12-10 00:54:26 | レコード、オーディオ

 

愛知祝祭管弦楽団とのブルックナー「第8」CDを製作・販売するに当たり、レーベル名が必要とのことで急遽考えたのがこれである。

欧文表記で”KAMOCS”。これを、日本語で「かもっくす」と読ませる。

音楽用語や作曲家にまつわること、宇宙や大自然に関すること、などアレコレ考えてはみたものの、なかなか名案が浮かんでこない。では、自分に関係のあることを考えてみるかと思った途端に閃いたのである。

 

そう、これは我が両親の故郷、鹿児島県姶良市蒲生町(かもうちょう)の八幡神社境内に聳え立つ巨木。樹齢1,500年を超すという日本一の大楠(国指定・特別天然記念物)なのだ。ここは、まさにパワースポットで、この巨樹のそばに立つだけで大きなエネルギーを授かることができる。

先祖代々暮らしてきた土地への尊敬と自分のDNAの確認、大楠の神聖な力にあやかろうということで、蒲生の楠 = かもうくす= KAMOCS (かもっくす)としたのである。

こう決めたことをWAON RECORDSの小伏さんにお伝えすると上掲のように素敵なロゴを格安で作ってくださった。これが、なかなか愛おしいデザインでとても気に入っている。

せっかく立ち上がったレーベル"KAMOCS"。
一発屋に終わらせるには勿体ない。第2弾、第3弾とリリースできるよう可能性を探っていきたい。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする