19日土曜日には東京交響楽団川崎定期を聴いてきました。ジョナサン・ノットの音楽監督就任記念演奏会です。
東京交響楽団 川崎定期演奏会 第45回
18:00開演
指揮:ジョナサン・ノット
笙:宮田まゆみ
武満 徹:セレモニアル -秋の歌-
マーラー:交響曲 第9番 ニ長調
武満のセレモニアルは、生演奏では初めて聴きましたが、美しかった。
ステージ上のオーケストラ本体とは別に、フルートとオーボエによる3つの組が、上手、下手の3階席と2階席後方に陣取り、客席を包むような効果が夢のようでした。
ただ、このとき、やや不安だったことは、客席から聴こえる3群の音の生々しさに較べ、オーケストラ本体の音が弱く聴こえたこと。
私の座席が2階席中央の後ろよりだったためか、ステージの音にエコーが掛かりすぎて、力感が伝わりにくかったのです。
宮田まゆみによる笙の音だけが妙に明瞭に届いてくるのが不思議でした。
武満演奏で感じた不安は、マーラーで的中し、弦のプレイヤーが懸命に弾いている割には音が来なくて、ややもどかしい感じがしました。
ミューザ川崎が初体験だったため、どこまでホールのせいで、どこまでが演奏者のせいなのか判断できません。
次のチャンスには、もう少しステージに近い座席を確保してみたいと思います。
とまれ、たいへんに熱のこもった演奏で、気持ちよかったことは事実。
バーンスタインやバルビローリのような陶酔感とは無縁ながら、ノットの卓抜な音楽性が随所で光っていました。
今回は、演奏がどうのこうのより、東京交響楽団の新しい時代の幕開けを祝福したいと思います。
これからの歳月で、もっともっとノット色が出てくれば、面白くなること間違いなしでしょう。