瑞龍寺と寿司屋の間での楽しみは、土蔵造りの町並みで知られる山町筋のシュークリームであった。
ところが、今日に限って、11時開店とのこと。50分も待てないので断念。強い日差しの中、シュークリームを心の杖として歩いただけにガックリ。
気を取り直し、重要文化財・菅野家住宅、土蔵づくりのまち資料館などを見物。どちらも、案内係の方が、懇切丁寧な建物の解説をしてくださり、気持ちよかった。どちらも入館料200円(さらに、後者は北陸新幹線利用者は半額の100円)は良心的。
日の出寿司を出て、電車まで時間を持て余したので、荷物を預けておいた宿泊先のレストランで生チョコタルトとともにティータイム。
無事にシュークリームの仇討ちを果たすことができたのである。

富山に行ったら寿司だ。
と、人は言う。
2011年3月以降、寿司や魚料理を遠ざけてきたわたしであるが、富山湾の地魚なら良かろうということで、訪れたのがここ、万葉線(路面電車)で高岡駅より一駅、末広町にある日の出寿司である。
もともと、駅近くの鮨金を目指していたのだが、生憎のランチ休業とのことで、こちらに来たのだが、実に美味かった。
すべて絶品だったが、取り分け感銘を受けたのが、氷見鮪。それを口に入れたとき、ゲーテのファウスト博士でなくても「留まれ、お前は美しい!」と言ってしまうであろうほどの至福であった。
白海老、岩牡蠣、鰺など、これだけ堪能して3,200円(ほかに、味噌汁付き)というのは、都内では考えられないお値段。











高岡駅隣接の山海亭にて、白海老のかき揚げうどんと黒昆布おにぎり。
誰に聞いても寿司を勧められるも、コンサート前に時間なし。というわけで、軽くご当地ものを。
黒昆布をまぶしたおにぎり。なんだか鬼太郎に登場する妖怪のような愛おしい姿です。
氷見うどんは、乾麺をゆでた平麺。かき揚げ、おにぎりともども、ホッと安らぐお味でした。

今日は道中の牛すき丼、イタリアン、中華などには目もくれず、お目当ての信州蕎麦店「あずみのおそば 樽屋玄助」へ!

この蕎麦はただ者じゃない。
格安のランチと言えども手抜きなし。香り、喉ごしともに最上級。東京でもなかなかない。大阪に来たら「うどん」という概念を覆す絶品だ。
さらに、豆腐、ポテトサラダ、味噌おにぎり、すべてに細やかな味への気遣いが感じられる。
是非塩だけで食べてみてくれ、という。蕎麦つゆが器の底に2センチほどしかないあたり、己が蕎麦への自信の表れであろう。
1日限定20食に間に合ったのは幸い。


大阪淀屋橋。どこで昼飯を食おうか? とスマホで検索し見当をつけた信州蕎麦の店に向かう途中、この店構えに引き込まれてしまった。この誘惑には勝てる由もない。

牛すき丼 + だし汁入り明石焼き
税込み 800円也。
いやあ、旨い。満足。
BGMが、はっぴいえんどの「風をあつめて」、ポールの「Pipes OF Peace」というのも良かった。
その後、このオフィスビル街の谷間を散策してみたが、食べてみたいランチの波状攻撃! 何泊しても足りそうにない。さすが、大阪の食はディープだ。移住したくなるほどに。

さて、いまは、部屋の掃除が終わるまでコーヒーで時間潰し。SHATTLE'S BEST COFFEEなるチェーン店、東京にあったっけ? 完全分煙でないのが玉に瑕だが、まあまあ落ち着けた。
流石に正午を過ぎると、どこも混雑。11時半の出動は大正解であった。

大阪フィル合唱団のドヴォルザーク「スターバト・マーテル」初レッスンより帰宅。今回の自宅へのお土産はこれ。
「飲むみかん」by 早和果樹園
濃縮還元でないストレート果汁ならではの旨さ!
これがコンビニで買える関西の方が羨ましい(たまたま、ボクの寄ったコンビニにあっただけなのかも知れないが・・)。
シールの貼り方も雑で、いかにも手作業という空気が醸し出されております。

さあ、一息ついたら、頭のスイッチを今宵の「マタイ」に切り替えよう。
今日のランチ(?)は、長岡からのセルフ土産、ロンドレット・バウムのメープル・バウム。
この色、艶、たまりません!
防腐剤、保存料なし。もちろん、ショートニング、マーガリン不使用。
素材で勝負。虚飾とは無縁の濃厚な味わい。バウムクーヘン好きを唸らせる絶品です。
長岡にお立ち寄りの折りには是非!!

家の用事で駅まで出かけたので、これ幸いと、ランチはリッチなカレーのお店アサノへ。
「また、アサノか?」と呆れることなかれ。 写真をよく見て欲しい。そう、今日は皿の上にアサノご自慢のカツがない。艶やかなゆで玉子の行儀良く置かれたエッグカレーである。二代目になってからはじめての注文だから、何年ぶりだろう?
カツカレーのルーはポークカレー、エッグカレーのそれはチキンであることは自明のことだが、アサノの場合、その味わいは想像以上に違う。脳髄までガツンと痺れるようなポークに対し、チキンは柔らかく優しい味なのだ。この傾向は先代の頃にはもっと著しく、前者=ポークの孤高はムラヴィンスキーの音楽をすら思わせたものである。とすれば、後者=チキンはブルーノ・ワルターとも言えようか。
いまでこそ、カツカレーは自他共に認めるアサノの看板メニューではあるが、ボクが通い始めた20年ほど昔、最も人気のメニューはチキンであった。先代に直接聞いたことだから間違いない。もちろん、先代ははじめからカツカレーに自信を持っていたのだけれど、今のように客の8~9割がカツカレーを注文する、ということもなく、客の半数近くはチキンを食べていたのだ。
あの頃は、まだ、各種ガイドブックに採り上げられることも少なく、テレビの取材もなく、お店もノンビリしていて、ルーを持ち帰りたいと言えば分けてくれたし、漬け物の切れ端をお土産にくれたり、エッグカレー用のゆで玉子が切れれば、おじさんが目玉焼きを焼いてくれたりした。懐かしいな。
さらに、今はメニューにないビーフカレーもあり、これも独特の深い味わいがあった。いまも瞼を閉じるとあの芳しい香りが思い浮かぶ。しかし、狂牛病騒ぎのあと、注文する客がパタリといなくなってメニューから消えた。これも、先代が無念そうに語ったことである。
期間限定で復活してくれないかな?
あのビーフカレー。

本日をもって、約1か月に及んだ歯の治療が完了した。東大和市のH歯科まで、通院に我が家から片道2時間強。一見随分無駄な時間のように見えるが、通院回数僅か4回で、左右の各1本の奥歯の治療と歯石のほぼ完全除去が済んだのだから、却って早道だったと思う。
そもそも、H歯科の斉藤院長とは、15年を越すお付き合いだ。はじめて伺ったとき(当時は小田原市に開業されていた)、わたしの歯をしげしげと眺めたあと、「椅子から降りて、目をつぶって真っ直ぐ歩いてみて」
と言う。そこで、言われた通りに歩いてみると、2メートルと行かぬうちにかなり左に蛇行していた。
次に、再び診察台にてある細工を施してから「もう一回歩いてみて」という。すると、目を閉じながら何メートル歩いても真っ直ぐ歩けるのだ。これには我ながら驚いた。
その魔法の細工とは、ついひと月ばかり前に近所の歯科医で被せたばかりの銀歯を外しただけ。つまり、被せた銀歯そのもの、或いは取り付け方が適切でなく、それが真っ直ぐ歩けないほどに身体を歪ませていたのである。このとき、歯の噛み合わせの良し悪しが、如何に人間の生活に影響を与えるかを身をもって体験した。
それ以来、信頼できる歯科医いうことで、家族ぐるみでお世話になっている。斉藤先生の秘術のお蔭で、2人の娘たちは、学校の歯科検診の度に貰ってくる治療勧告通知をすべて無視しつつ、ただの一度も虫歯を削ったり、詰め物をすることなく成人を迎えることができたし、その独特の調整法で歯並びもかなり改善(矯正とまではいかないが)された。
というわけで、歯医者にゆくだけで、途中で食事でもすれば半日掛かりなワケだが、その価値があると信じるからできることである。
本日の帰り道には、治療完了を確認するため、リッチなカレーの店アサノにて、カツカレーを食す。両方の奥歯で思う存分、カツや漬け物を噛める幸せを味わうことができた。しかも、運の良いことに、わたしのルーが本日のお昼の部、最後の一杯。
さあ、力を頂いたので、これから執筆とコーラス・レッスン、頑張るぞ。


そもそも、H歯科の斉藤院長とは、15年を越すお付き合いだ。はじめて伺ったとき(当時は小田原市に開業されていた)、わたしの歯をしげしげと眺めたあと、「椅子から降りて、目をつぶって真っ直ぐ歩いてみて」
と言う。そこで、言われた通りに歩いてみると、2メートルと行かぬうちにかなり左に蛇行していた。
次に、再び診察台にてある細工を施してから「もう一回歩いてみて」という。すると、目を閉じながら何メートル歩いても真っ直ぐ歩けるのだ。これには我ながら驚いた。
その魔法の細工とは、ついひと月ばかり前に近所の歯科医で被せたばかりの銀歯を外しただけ。つまり、被せた銀歯そのもの、或いは取り付け方が適切でなく、それが真っ直ぐ歩けないほどに身体を歪ませていたのである。このとき、歯の噛み合わせの良し悪しが、如何に人間の生活に影響を与えるかを身をもって体験した。
それ以来、信頼できる歯科医いうことで、家族ぐるみでお世話になっている。斉藤先生の秘術のお蔭で、2人の娘たちは、学校の歯科検診の度に貰ってくる治療勧告通知をすべて無視しつつ、ただの一度も虫歯を削ったり、詰め物をすることなく成人を迎えることができたし、その独特の調整法で歯並びもかなり改善(矯正とまではいかないが)された。
というわけで、歯医者にゆくだけで、途中で食事でもすれば半日掛かりなワケだが、その価値があると信じるからできることである。
本日の帰り道には、治療完了を確認するため、リッチなカレーの店アサノにて、カツカレーを食す。両方の奥歯で思う存分、カツや漬け物を噛める幸せを味わうことができた。しかも、運の良いことに、わたしのルーが本日のお昼の部、最後の一杯。
さあ、力を頂いたので、これから執筆とコーラス・レッスン、頑張るぞ。

