麻生氏のナチスの手口問題が、日々浮きぼりになっています。その重要な試金石は、日々の報道に視ることができます。それはマスコミ自身の発する言葉に象徴されています。しかし、そのマスコミが、真逆のことをやって、平気でいるのです。ここに第4の権力の座に座っているマスコミの思想・立ち居地があります。
民主主義は、その言葉の示すとおり、国民が主人公です。主役です。デモクラーシのデモは、ピープル、すなわち国民・人民です。クラシーは、ルール、すなわち統治力・支配力です。ピープルがルールを維持管理するのです。
この視点を現在の日本に当てはめるとすると、どうでしょうか。地域の自治会、自治体、国家、会社・職場、或いは、あらゆる組織や団体において、このピープルがルールを維持管理する視点と装置をどのように具体化するか、このことをものさしにして、日々生きていくことができれば、結局は自分の暮らしがよりよいものになることは確実でしょう。自分の労働が、この民主主義をものさしにして、正当に評価されるのであれば、その対価としての賃金・収入が、自分のものになるからです。
ところが、トリックを使って、この民主主義をねじまげ、偽り、スリカエて、情報を垂れ流し手いることを最大の原因として、不正・不当がまかりとおっているのです。だから、自分の労働の成果が、自分のものにならない状況があたりまえのように席巻しているのです。その典型が、マスコミの報道にあると、愛国者の邪論は考えているのです。
その資料を掲載しておきます。まず全国紙です。
安倍自公政権の知る権利を奪う秘密保護法案の問題を指摘しながら、新聞週間で知る権利の重大性を指摘しておきながら、安倍自公政権と真っ向対決している政党である共産党の主張は排除・軽視・黙殺するのです。しかし、「野党」批判を展開することで、政治不信を煽るのです。各紙の社説を比べれば、また内容を吟味すれば、高見の思想が浮きぼりになります。偉そうなことは言うな!偉そうなことを言うのであれば、公平な報道、違いの判る公平報道に徹しろ!ということになります。
民主主義は立場の違いを認め合る事、話し合いで解決することです。マスコミは共産党との立場の違いはあるにしても、ジャーナリズムとして、社会の公器として、立場の異なる共産党の主張を国民に報せる責務があるはずです。このことを自覚した報道をすべきです。
このことは、いわゆる社会主義の世の中になったとしても、同じです。日本のマスコミが、社会主義国として認知?している中国・北朝鮮を批判する記事を日々垂れ流していることは、そのまま、資本主義国である現在の日本のマスコミに、そのまま突き刺さっているのです。このことをマスコミ関係者は、どれだけ自覚しているでしょうか。
新聞週間について、特集記事は掲載したものの、社説を掲載しなかった朝日、両方について社説も書かなかった日経、産経・読売の社説も比べるとどっちを優先しているか、明瞭です。
朝日 秘密保護法案/知る権利はつけ足しか 2013/9/19 4:00
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1?
毎日 新聞週間/報道の使命胸に刻んで 2013/10/14 4:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20131014k0000m070096000c.html
毎日 秘密保護法案/懸念材料が多すぎる 2013/9/4 6:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20130904k0000m070119000c.html
読売 新聞週間/真実を伝える役割これからも /2013/10/16 2:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20131015-OYT1T01188.htm
読売 秘密保護法案/報道の自由への配慮が必要だ 2013/9/6 2:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130905-OYT1T01629.htm
読売 国家安保戦略/日本の将来へ包括的指針示せ 2013/9/13 2:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130912-OYT1T01507.htm
産經 国家安保戦略/受動と依存脱し責任担え 2013/9/14 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/130914/plc13091403100004-n1.htm
産經 秘密保全法案/言論に配慮し情報管理を 2013/8/18 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../politics/news/130818/plc13081803200002-n1.htm
産經 薄煕来判決/真の法治社会実現は遠い 2013/9/24 6:00
http://sankei.jp.msn.com/column/topicslist/../../world/news/130924/chn13092403070001-n1.htm
中日/東京 秘密保護法案/軍事国家への入り口だ 2013/9/13 8:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013091302000147.html
東京は、以上のような社説を書きながら、同じ視点で国会質問をした志位発言をどのように意味づけて報道したのでしょうか。検証すべきです。
では、地方紙はどうでしょうか。全国紙に比べれば、憲法的視点は明確です。しかし、その地方紙においても、国民に報せる責務という点で、どうでしょうか。また、容認できないとする「秘密保護法案」を提案する安倍自公政権に対するスタンスはどうでしょうか。極めて曖昧です。これが新聞の限界でしょうか。
人権主義・民主主義・平和主義を擁護するという視点に立つ時、これらを踏みにじる政府に対して、どのようなスタンスで国民に報せる責務を全うするつもりでしょうか。またこの政府と真っ向対決する政党を黙殺するということをどのように説明するというのでしょうか。民主主義の基本は、国民主権です。国民の行動です。この国民の判断と行動は、どのような情報が流されるかにかかっています。その情報の媒体は、新聞であることは、世論調査でも検証されているところです。しかも、その新聞が経営しているテレビも重要な情報媒体です。
それらの媒体、マスメディアがどのようなスタンスで、どのような情報を国民に提供していくか、そのことが秘密保護法を通過させるかどうかの試金石です。政治をよりよいものにするかどうか、国民生活をよりよいものにするか、試金石はここにあります。マスコミは、そういう意味で、自ら踏絵を、自らによって突きつけられているのです。このことは戦前の最大の教訓です。これらの教訓を活かすか、殺すか、以下の社説を読み比べ、実際の国会論戦がどのように報道されているか、結論は明確です。事実は一つです。
地方紙です。
北海道 新聞週間/読者との絆さらに強く 2013/10/14 10:00
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/497867.html
北海道 秘密保護法案/危険性に変わりはない 2013/9/24 10:00
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/493574.html
陸奥新報 特定秘密保護法案「国民理解と慎重審議が不可欠」 2013/10/16 10:06
www.mutusinpou.co.jp/index.php?cat=2&
岩手日報 新聞週間/「知る権利」守るために 2013/10/16 10:05
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2013/m10/r1016.htm
福島民友 新聞週間/復興へ信頼と期待に応えたい 2013/10/16 12:05
http://www49.atpages.jp/toms/charset.php?s=Shift_JIS&d=UTF-8&url=http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/131016s.html
福島民友 秘密保護法案/「知る権利」を保障できるか 2013/9/18 12:05
http://www49.atpages.jp/toms/charset.php?s=Shift_JIS&d=UTF-8&url=http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/130918s.html
福島民報 秘密保護法案/真実究明に大きな懸念 2013/10/14 10:05
http://www.minpo.jp/news/detail/2013101411487
茨城 あすから「新聞週間」/真実に向き合う記事を 2013/10/14 4:05
http://ibarakinews.jp/news/column.php?elem=ronsetu&
茨城 秘密保護法案/知る権利に重大な懸念 2013/9/6 4:05
http://ibarakinews.jp/news/column.php?elem=ronsetu&
神奈川 知る権利/保護を最優先に議論を 2013/9/22 12:05
http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1309220001/
信濃毎日 新聞週間/知る権利に応えるために 2013/10/14 10:05
http://www.shinmai.co.jp/news/20131014/KT131012ETI090006000.php
信濃毎日 秘密保護法/「報道配慮」の見当違い 2013/9/30 10:05
http://www.shinmai.co.jp/news/20130930/KT130928ETI090002000.php
新潟日報 秘密保護法案 「知る権利」が脅かされる 2013/9/17 10:05
http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20130917066981.html
岐阜 特定秘密保護法案/知る権利に重大な影響も 2013/9/6 10:05
http://www.gifu-np.co.jp/column/syasetsu/?
神戸 新聞週間/知る権利危ういときこそ 2013/10/16 8:05
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201310/0006423230.shtml
中國 あすから新聞週間/「地域のため」胸に刻む 2013/10/14 10:00
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201310140079.html
山陽 新聞週間/ネット社会で増す役割 2013/10/14 10:06
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013101409104079/
徳島 新聞週間/よりよい徳島のために 2013/10/15 10:06
http://www.topics.or.jp/editorial/news/2013/10/news_13817973235555.html
愛媛 あすから新聞週間/役割の大きさを肝に銘じたい 2013/10/14 10:06
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201310142501.html
高知 秘密保護法案/危険な本質は変わらない 2013/9/26 10:06
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=308595&nwIW=1&nwVt=knd
西日本 新聞週間/あえて「不都合な真実」も 2013/10/16 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/46499
西日本 秘密保護法案/取り繕いでは済まされぬ 2013/9/23 12:00
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/41387
佐賀 「秘密保護法案」解釈で統制強化の恐れも 2013/9/3 8:06
http://www.saga-s.co.jp/news/ronsetu.0.2544064.article.html
熊本日日 秘密保護法案/情報管理の行き過ぎを懸念 2013/9/6 12:06
http://kumanichi.com/syasetsu/kiji/20130906001.shtml
宮崎日日 特定秘密保護法案/「知る権利」守れるか疑問だ 2013/9/17 10:06
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=56027&catid=15
南日本 新聞週間/息苦しさに目を凝らし 2013/10/16 8:06
http://373news.com/_column/./syasetu.php?ym=201310&storyid=52013
琉球新報 新聞週間/生活者の知る権利守る 2013/10/15 10:06
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-213821-storytopic-11.html
沖縄タイムス 秘密保護と報道/「知る権利」守る覚悟を 2013/10/15 10:06
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2013-10-15_55352/
最後に、試金石・踏絵を紹介しておきます。それは、以下のとおりです。
1.日米軍事同盟について、どのように報道しているか、です。日米軍事同盟廃棄を掲げている政党や団体がいるのです。この事実を、事あるごとに配信・報道すべきです。
2.財界・多国籍企業の大儲けに対してルールによって規制する政党が存在しているのです。このルールを事あるごとに配信・報道すべきです。原発にしても、原発利益共同体に対して真っ向対決する政党が存在しているのです。
3.日本国憲法第9条をはじめとして憲法の原則を位置づけた報道をすべきです。上記の新聞の使命・責務、秘密保護法案、集団的自衛権論、靖国・伊勢参拝などを報道する際にも、憲法のどこの、何に違反しているのか、歴史的・条文的・社会的背景を説明すべきです。憲法をものさしにした報道をすべきです。原発にしても、ものさしは憲法です。
愛国者の邪論は、マスコミが垂れ流す報道について、いつも、この3つの視点を軸に検証することにしています。これは、何も偏ったことではなく、日本国の最高法規である憲法を指針にしているに過ぎません。これは間違っているとしたら、日本国民は何を根拠に、この国に生きるのでしょうか。
勿論、以上の社説のなかの一致できる部分を拾い上げて、共同していくという視点は大切にしたいと思っています。しかし、論点は論点、論争は論争です。違いと一致点は区別しながら、それらは関連させて論じていくべきものです。国民の生活と権利擁護、憲法を活かすためです。
それにしても、日本の民主主義は、大きな分岐点にあるように思います。各紙の論調を見れば、いっさいの妥協は有り得ないところまで来ているように思います。それもこれも、憲法を活かすのか、日米軍事同盟深化論を許すのか、底流はそこにあると確信しています。だからこそ、マスコミは、スリカエをせず、この論点をタブー視せず、国民に公平に情報を提供すべきなのです。
以上掲載した社説の中身については、今後、活用していきたいと思います。長くなりますので、引用して論評はしません。ご覧になって、比較検討をお願いします。