昨日から今日にかけて、テレビは伊勢神宮、伊勢神宮と大騒ぎしていました。まるで、江戸時代の「御蔭参り」のようでもありました。しかし、この報道のなかで、大ウソとスリカエが、またまた行なわれました。そこで検証してみることにしました。
まず、人々の素朴な「信仰心」について、あれこれ問題にするつもりは、毛頭ないことをお断りしておきます。井上順孝『神道入門』(平凡社新書06年1月刊)には、05年には、初詣に、過去最高の9千万人がでかけたとあります。成田不動とか川崎大師といった仏教寺院に初詣する人もいるが、大半は神社にお参りする。東京の都心にある明治神宮には、1990年代以降のデーターを見ても、正月三が日で毎年300万人ほど参拝客があり、参拝者数のトップを占め続けていると書かれています。また存在する神社は、宗教法人になっているもので大小あわせて約8万社にのぼるのだそうです。仏教寺院は約7万寺だそうです。
この宗教施設に、国民が無病息災・家内安全・五穀豊穣を含めて「ご利益」を求めて参拝しているのですが、その信仰心は、大いに尊重されなければなりません。しかし、国家や政治勢力が、こうした民衆の信仰心を利用することについては、大いに正していかなければならないと思っているところです。そこで、今回の「儀式」について、国民の「信仰心」や物見遊山的感情を利用するスリカエとその大ウソを検証してみる必要があると思い、記事を書くことにしました。
まず、原則です。ウィキによれば、以下のように書かれています。
NHKは「政治的公平」「対立する論点の多角的明確化」などの放送法第4条が求める放送を行い、受信者は受信料を支払うことが放送法で規定されている(第64条)。NHKは法に定める要件を満たしたテレビジョン受信設備の設置者から、受信契約に基づく受信料を徴収することによって運営されている。このほか、受信料収入に比べれば極一部ではあるが、国際放送に対する国からの交付金がある。
NHKは法人税法上の公共法人とされているため、法人税の納税義務が免除されている。ただし地方税法上では非課税とされていないため、法人の道府県民税(都民税)・市町村民税については、従業員数等に基づく「均等割」のみ納付している。(引用ここまで)
放送に当たっての放送法などの原則については、以下をご覧ください。
日本のマスコミの不正が消費税増税報道で鮮明に!マスコミを憲法の人権民主主義の立場に立たせるためには 2013-10-02:11:29:17
この原則は日本国憲法に基づいています。この「政治的公平」「対立する論点の多角的明確化」などの放送法第4条が求める放送を行うことが義務付けられているにもかかわらず、この原則は、実際に活かされているでしょうか。この原則を「ものさし」として、一つひとつの放送を検証する必要があります。という問題意識にもとづいて、以下述べてみます。
最大の問題は、
1.内閣総理大臣安倍晋三氏は、私人ではありません。公人です。以下を見れば明瞭です。しかもある官僚が自分のブログに、「私人」として書いた日本語が、被災地を貶めたとして処分されました。彼が官僚ではなかったら、恐らく、処分になるなどという問題にはならなかったことでしょう。しかし、彼は私人ではなく国家公務員として処分されたのでした。信用失墜行為でした。しかし、内閣総理大臣の靖国神社に対して行なった行為は「私人」としての資格でした。
【靖国参拝】官房長官「政府として立ち入らない」 2013.8.15 11:43 [官房長官]
麻生氏ら3閣僚、靖国参拝=安倍首相は真榊奉納 2013年4月26日
首相動静―9月10日http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY201309100460.html
2.伊勢神宮の歴史について、肝心なことは報道していません。それは、明治以前と明治以後、昭和の戦前と戦後の違いについてです。
(1)この儀式が壬申の乱後に天武天皇 によって始められたこと、この事件の意味と始めた理由については無視しています。
(2)またそもそも伊勢神宮について、その歴史・由来・果たしてきた役割など、何も報道してません。何故でしょうか。
(3)しかも伊勢神宮の儀式の大本である神道の関係についても触れていません。
(4)更に言えば日本神話との関係についても、触れていません。
(5)明治以後の国家神道との関係は、根本問題であるにもかかわらず、黙殺です。特に国体の本義と伊勢神宮・天照大神の関係などについては、全くの不問です。その点が極めて政治的です。
(6)以上の政治イデオロギーは無視しておいて、この儀式を20年に一度に行なわれる、しかも1300年も続いてきた神秘的な儀式であるかのように報道するのです。しかもその根底にはアマテラスをお参りするお蔭参りと同じレベルであるかのように、民衆の信仰心を装った極めて政治的なイデオロギーぷんぷんの報道に終始しているのです。
例えば、
①伊勢神宮と戦争 宗教が国家の道具となるとき - Astand - 朝日新聞デジタル 2012年8月31日
1942年12月12日 伊勢神宮
・…天皇は密かに伊勢神宮に参拝。皇祖アマテラスに深々と戦捷祈願を行った。 海軍侍従武官城英一郎はその日記に「緒戦の戦勝を感謝、非常の国難に御身を以て国民を率ひられ、尚将来の神明の御加護を祈念あらせられる」(引用ここまで)
3.以上の点について、全く問題にしないことと安倍首相の参加をさりげなく報道することは無関係ではありません。この参拝は、靖国参拝に匹敵する意味のある問題と言えます。
4.だからこそ、というか、以上の歴史的事実と近代社会の人権思想の発展を踏まえると、安倍首相の参拝は信教の自由の問題としても大問題と言わなければなりません。
5.このことは、安倍首相をはじめとしてマスコミが中国・北朝鮮を批判する際の視点からみても、大問題と言えます。特定のイデオロギーの儀式に公人である総理大臣安倍晋三が参加することを無批判的に報道するNHK・日本のマスコミ、或いは批判を許さない、更に言えば、批判を黙殺するマスコミという構図は、中国・北朝鮮政府が国民の知る権利・表現する権利を奪う行為と、五十歩百歩なのです。
それでは、以下の報道について、その注目点について、ご覧ください。
「遷御の儀」前ににぎわう 伊勢神宮 10月2日 12時28分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131002/k10014970561000.html
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三重県の伊勢神宮では、式年遷宮のクライマックスの行事「遷御の儀」が2日夜行われるのを前に、多くの参拝者でにぎわっています。伊勢神宮の「式年遷宮」は、社殿や宝物などを20年に一度、新しく造り替える行事です。2日夜、ご神体を新しい正殿に移す「遷御の儀」が行われるのを前に、伊勢神宮の内宮には、これまでの正殿に最後の参拝をしようと、午前中、大勢の人たちが訪れました。また、境内にご神体を運ぶ際に通る屋根付きの通路が設けられ、明かりがともされるちょうちんを取り付けるなど、儀式に向けた準備が進められています。沖縄県から夫婦で訪れた31歳の女性は「きょうの遷宮にあわせて来ました。あす帰るので新しいお宮を見ることができませんが、来てよかったです」と話していました。伊勢神宮の内宮では、2日午後1時で、一般の参拝は締め切られ、午後6時から神職およそ150人が殿に向かい、午後8時にご神体を移す儀式が始まります。(引用ここまで)
一般参拝者を封じておいて、一部の人間だけに見せる!神様を隠蔽しているところが面白い!と思いませんか?
伊勢神宮でまもなく遷御の儀 10月2日 19時12分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131002/k10014983821000.html
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三重県の伊勢神宮で20年に一度行われる「式年遷宮(しきねんせんぐう)」のクライマックスの行事「遷御の儀(せんぎょのぎ)」が午後8時から始まるのを前に、儀式を執り行う150人の神職たちが、神様がまつられている正殿のある敷地に入りました。伊勢神宮の「式年遷宮」は、社殿や宝物などを20年に一度、新しく造り替える行事です。内宮では、ご神体を新しい正殿に移す「遷御の儀」が始まるのを前に、儀式を執り行うおよそ150人の神職たちが太鼓の音を合図にご神体がまつられている正殿のある敷地に入りました。
列の先頭には、天皇陛下のお使いや天皇陛下の長女で臨時祭主の黒田清子さんが並び、たいまつの明かりの中、参道を進んでいました。午後8時からは、秋篠宮さまや安倍総理大臣など、神宮から招かれた3000人の参列者が見守る中、ご神体を移す「遷御の儀」が行われます。
1300年の歴史
伊勢神宮の「式年遷宮」は1300年の歴史が伝えられています。中断されたのは戦国時代のおよそ120年だけで、太平洋戦争のあとは4年延期されました。式年遷宮が20年に一度行われる理由は「木造建築である社殿の尊厳を保つため」「宮大工などの技術を伝承するため」「20年は人生の区切りと考えられるため」など、さまざまな説があります。式年遷宮の行事は8年にわたって続き、合わせて33の行事や神事が執り行われます。62回目を迎える今回も平成17年から行事が始まり、社殿や鳥居など65棟の建物と宝物や装束など1600点が新調されました。そのために、地元のほか、長野県や岐阜県のヒノキの木が1万本余り使われたということです。一連の費用はおよそ570億円が見込まれています。式年遷宮で最も重要な行事となるのがご神体を新しい正殿に移す「遷御の儀」です。内宮のご神体は三種の神器の一つの「ヤタの鏡」で、白い絹のとばりに覆われて、午後8時、すべての明かりが消されて雅楽が演奏されるなか、およそ150人の神職によって、現在の正殿の隣に建て替えられた新しい正殿へと移されます。(引用ここまで)
「安倍総理大臣など」って、総理大臣が、こういう儀式に参加するのは問題ないということでしょうか。NHKの見識が問われます。また「神宮から招かれた3000人の参列者」と一般参拝者の区別はどうなっているのでしょうか。曖昧です。しかも、その招かれた参列者だけが「見守る中、ご神体を移す」儀式が行なわれるというのも不思議です。これは差別奨励儀式と言えます。
伊勢神宮で「遷御の儀」始まる 10月2日 21時8分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131002/k10014987511000.html
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三重県の伊勢神宮でご神体を新しい社殿に移す「式年遷宮」のクライマックスの行事「遷御の儀」が始まりました。伊勢神宮の「式年遷宮」は社殿や宝物などを20年に1度新しく作り替える行事です。神宮の内宮ではご神体を新しい正殿に移す儀式「遷御の儀」が始まりました。午後8時、境内のすべての明かりが消され、神職が鶏の鳴き声をまねて「カケコー」と唱えました。そして、天皇陛下のお使いによる「出御」のかけ声を合図におよそ150人の神職の列がご神体を囲んでこれまでの正殿を出発しました。ご神体は白い絹のとばりで覆われ、神職たちの列は雅楽の演奏が響き渡るなか、ゆったりとした歩みで新しい正殿へと進んでいきました。ご神体は、新調された宝物などとともに新しい正殿に収められます。(引用ここまで)
伊勢神宮で「遷御の儀」 10月2日 23時2分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131002/k10014989161000.html
三重県の伊勢神宮でご神体を新しい社殿に移す「式年遷宮」のクライマックスの行事「遷御の儀」が2日夜行われました。伊勢神宮の「式年遷宮」は社殿や宝物などを20年に1度新しく作り替える行事です。神宮の内宮では2日夜8時からご神体を新しい正殿に移す儀式「遷御の儀」が始まりました。境内のすべての明かりが消され、神職が鶏の鳴き声をまねて「カケコー」と唱えると、天皇陛下のお使いによる「出御」のかけ声を合図に、およそ150人の神職がご神体を囲んでこれまでの正殿を出発しました。ご神体は白い絹のとばりで覆われ、雅楽の演奏が響き渡るなか、神職たちはゆったりとした歩みで新しい正殿に入りました。ご神体は、新調された宝物などとともに収められ、儀式は2日午後9時35分に終了しました。神宮から招かれて参列した東京の70歳の男性は「本当に神々しく神様が移られるときには心が澄んで自然に手を合わせていました。私たちも次の20年に向けて頑張らねばと思いました」と話していました。また娘と一緒に訪れた伊勢市の56歳の女性は「遷宮を長い間続けてこられた先人の努力への思いなどいろんな思いが胸に込み上げて感動しました」と話していました。(引用ここまで)
NHKは、以下の二つの記事を密接に関連したものとして捉えて報道しているでしょうか。或いは視聴者は、どうでしょうか。ここに伊勢神宮の戦争責任問題が浮かび上がってきます。靖国神社以上の戦争責任です。
式年遷宮おもてなしの心で 10月3日 17時50分http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_1003_02.html
…伊勢神宮の参拝者の数は、すでに先月15日に、過去最高だった3年前を更新し、ことし中に1300万人以上が訪れる見込みです。新しい店舗や宿泊施設が次々とでき、東京をはじめ全国からのツアーも増えて経済効果が大いに注目されています。しかし、そうした面だけでなく、地元の人たちのおもてなしの心に触れ、伊勢の歴史を感じ取っていただくのも、お伊勢参りの楽しさかもしれません。(引用ここまで)
学徒出陣 大学の実態把握進まず 9月24日 20時10分
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_0924.html
…高梨さんは、「当時は軍に入ることを当たり前のように思っていた。死ぬということもあまりピンとこなかった。ただ、もうこの戦争は負ける。その後はどうするんだということをずいぶん議論しました」と話していました。(引用ここまで)