つづき
第八には、こうした認識だからこそ、「自民党の一強」に対して「多弱の野党がまず備えなければならない大事なポイント」は「安倍政権への監視体制」であるとして、そのためには「一点共闘」論が使われてしまうのです。しかも「各党が一点で力を合わせる」「一点共闘」は、「政権に再考を迫るため」なんだそうです。安倍自公政権温存論です。
こうした「評価」をいただいてしまったのですが、これには共産党の綱領と政策と運動について、致命的な弱点が背景にあります。それは「一点共闘」と民主連合政府の関係が曖昧なこと、更に言えば、民主連合政府と、いわゆる「よりまし政権」構想の関係が曖昧なこと、しかも一点共闘の積み重ねを通して安倍自公政権を打倒するのか、改良を求めるのか、展望が極めて曖昧なのです。以下の第8回中央委員会総会決議をご覧ください。
…「自民党と正面から「対決」するとともに、あらゆる分野で「抜本的対案」を示し、国民との「共同」を広げる――こうした政治姿勢の全体が、党躍進の力となった。わが党が、こうした政治姿勢を揺るがず、ぶれず、貫くことができた根底には、綱領の力があることを、確信をもってつかむことが大切である。(引用ここまで)
とありますが、これで安倍自公政権と「対決」し、「抜本的対案」を示し、国民との「共同」を広げた後に、どうするのか、不明確です。これでは国民は政治がどのような方向に向かっていくのか、判らないでしょう。ところが、「綱領の力」を強調する「綱領」では、以下のように書かれているのです。
…統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる。党は、その場合でも、その共同が国民の利益にこたえ、現在の反動支配を打破してゆくのに役立つかぎり、さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。(引用ここまで)
「さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす」とありますが、どこの段階で「力をつくす」のでしょうか。。全く不明です。しかも、日本共産党の政権論は、政党の枠組みのみを視野に入れてはいないのです。以下ご覧ください。
…現在、日本社会が必要としている変革は、社会主義革命ではなく、異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配の打破――日本の真の独立の確保と政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命である…民主主義的な変革は、労働者、勤労市民、農漁民、中小企業家、知識人、女性、青年、学生など、独立、民主主義、平和、生活向上を求めるすべての人びとを結集した統一戦線によって、実現される。統一戦線は、反動的党派とたたかいながら、民主的党派、各分野の諸団体、民主的な人びととの共同と団結をかためることによってつくりあげられ、成長・発展する。当面のさしせまった任務にもとづく共同と団結は、世界観や歴史観、宗教的信条の違いをこえて、推進されなければならない。(引用ここまで)
共産党は、「第一の躍進」の際には「民主連合政府綱領」を発表しました。90年代後半の「第二の躍進」の際には、「よりまし政権」構想を提起しました。以下をご覧ください。
日本共産党の政権論について 不破哲三委員長に緊急インタビュー 2012-12-27 00:08:23
しかし、その後、この方針は、曖昧なまま、今日に至っています。
しかも、以上の「綱領」の規定を、使ってきませんでした。愛国者の邪論は、90年代後半の「第二の躍進」後、二大政党政治を煽り、「自民か民主か」の枠外に外されてしまって、後退を余儀なくされたのは、この綱領の規定を使う創造性と論戦と運動が弱かったことに最大の要因があると思っております。そういうなかで、党の「自力」は後退してきたのではないでしょうか。人間が気概を持って、掲げて勇躍するためには、何が必要か、明白です。確信です。ということは、「確信」力の低下にさいなまれてしまったのです。何故か!
「自民か民主か」に対峙する「自民・民主連合か、共産党か」という枠組みに論戦と運動を展開できなかった、或いはしなかった共産党の問題は、解明されなければなりません。何故ならば、あれほど、これほどいじめられている国民に対して、共産党の政策を響かせることができなかったのです。「偽り」とは言え、民主党に期待した国民のエネルギーから汲み取るべきことは何か、です。そのことに関連して言えば、自民党に代わりうる政権構想論、政権公約論を民主党にもっていかれたという事実です。共産党に来なかったという事実です。
愛国者の邪論は、そのことを昨年の総選挙の際に提起しました。それについてはブログをご覧ください。それは政権交代を実現した前回総選挙、その後の参議院選挙に見られた国民の巨大なエネルギーから学んだからに他なりません。
次に都議選前後とその後の政権構想問題について、記事をご覧ください。
安倍自公政権の暴走に打撃を与え国民を守るためには真っ向対決する共産党が暫定政権構想を打ち出せ!その1(2013-06-19 14:42:39)
安倍自公政権の暴走に打撃を与え国民を守るためには真っ向対決する共産党が暫定政権構想を打ち出せ!その2(2013-06-19 22:28:28)
共産党が参院選で躍進するためには暫定政権構想を提唱する必要がある!都議選の最大の成果はこれだ!3(2013-06-28 15:26:18)
「自共対決に勝つ」は共産党の単独政権はムリだが共産党も入った国民連合政権樹立ではないのか!その4(2013-06-30 08:22:03)
安倍自公政権への対立軸をハッキリさせろ論に応えるためには暫定国民連合政権構想の提唱こそ!その5(2013-06-30 23:52:37)
政党の枠組み論から国民運動の発展こそ「自共対決」に勝利できる!暫定国民連合政権構想提唱をこそ!その6(2013-07-02 12:34:02)
変化する情勢に機敏に対応し国民の期待に応えるためには政策の進化こそ!暫定国民連合政権こそ今旬!その7(2013-07-02 12:37:38)
ねじれは安倍自公政権暴走防止装置!憲法活かす政権樹立の為参院で更に少数に!暫定連合政権構想を!8(2013-07-05 08:49:41)
偽りの経済成長論に対峙する原発ゼロをめざす暫定国民連合政権構想の提唱で安倍自公政権の打倒を!(2013-07-09 08:09:12)
非正規労働者と正規労働者などの団結連帯を強め暫定救国国民連合政権構想提唱で美しき流れと風を!の声を!(2013-07-14 20:46:01)
砂上の議席は国民の貧困生活推進で崩壊は確実!3年待たず解散総選挙実現、暫定救国国民連合政権樹立を!(2013-07-22 09:12:47)
原発と同じ集団的自衛権行使論を輸出し既成事実化!国民無視の暴走安倍政権は何としても打倒しなければ!(2013-07-29 13:51:22)
ビゴーも嗤う責任転嫁と無責任の権化!ドーピング五輪風刺画抗議の安倍政権は本末転倒!退陣今でしょ!(2013-09-13 08:58:35)
ドーピングで東京招致に成功したがエネ根とされた原発をコントロールできない安倍自公政権に即退陣を!(2013-09-14 10:20:23)
秋の臨時国会では安倍自公政権の退陣を一大世論に高めていく追及を!さもなければ日本は沈没する!(2013-09-14 11:59:35)