日本はやっぱり平和ボケで、平和ボケしている日本にいると危機感ないですが世界は絶えず動いているんだなと思います。こんなニュースをヤフーニュースを読みながら、『エリザベート』の中の「時代は動いている」というルドルフの台詞を思いだしています。前職の会社の関係からこういうニュース、全く意味がわからないとか無関心とかいうわけではありません。いい会社ではなかったですがこういう点では学びもあったということか・・・。そう思うことにしましょう。
<南スーダン>外国人の退避に協力…自衛隊機で数十人
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160712-00000005-mai-pol
ツィッターの中では、来年の大河ドラマになんと井上さんと花ちゃんがキャスティングされることが発表されてびっくりぽんな盛り上がりをみせています。花ちゃん、映像は初だと思いますが井上さんと去年ルキーニを演じた尾上さんも一緒なら安心かな・・・。
あらためて7月7日(木)18時30分開演、夜の部 キャスト
エリザベート:花總まり
トート:井上芳雄
フランツ:田代万代生
ルドルフ:古川雄大
ゾフィー:涼風真世
ルキーニ:成河
少年ルドルフ:池田優斗
カメラが入ったのはこの日だけではないみたいですね。ツィッターみていると何回も入っているような。客席に入ってすぐの正面に一台。舞台の左右に一台ずつ。スタッフもたくさんいて本気モードの撮影。(ちなみにわたしの経験から、カメラマン、外部委託とか派遣の可能性大です。夢がない話なのでここではやめましょう・・・)
「わたしが踊る時」「飛ぶがいい♪」「いつか俺の腕の中に・・・♪」井上さんトートの声がずっと頭の中で回っています。「勝ったのね♪」と勝ち誇る花ちゃんシシィが最期は自分のもとにやってくることを見抜いている、わかっている(人は誰も死から逃れることはできないので)トートが腕の中でシシィをあそばせているようなそんな余裕を感じました。二人のデュエットはすっごい張り合っていた感があったように思う去年よりも深化し、なんというか、お互いをわかっている、お互いを認め合っている同士のような、戦友のような雰囲気を醸し出していたように思います。うまく表現できませんが、お互いにさらに相手より一段上を行こうとしつつ、相手を尊重して立てているような、そんな雰囲気を感じました。
少女時代のシシィのニヒヒな笑顔がさらにかわいく深化。「パパみたいになりたい」パパ「親戚づきあいがペストみたいに大嫌いなんだ」シシィ「わたしだって」。うんうんとパパの言葉にうなづくときのニヒヒな笑顔が自由奔放な少女っぷりをよく醸し出していたと思います。「自由に生きたい、ジプシーのように、のぞむまま、気まぐれに生きたい♪」人は生活があるのでそんなふうに自由気ままに生きることはむずかしいです。自由にしていいよって言われたら逆に何していいんだかわからなかったり、自由であることはむずかしいですが、シシィは根っからの自由人だったんですね。生活の心配をする必要がなかったということでは一般庶民とくらぶべくもありませんが・・・。
バートイシュルのヘレネのお見合いの場面。「鹿!」ってドレスをたくしあげて走るシシィは荷物運びのソンハさんルキーニに「どーも」って挨拶。それから棺のセットの上で足をばたばたさせる姿のまあかわいいこと。マカロンに夢中になって、フランツがヘレネをダンスに誘いにくる場面では、姉さんヤッターって感じで手を叩いて喜んでいたと思います。でもフランツがダンスを誘ったのはシシィでした。そりゃそうだよな、って観客が納得できなければそのあとの物語が意味をもたなくなってくる大事な場面。ヘレネの「ひどいドレス、ヘンなヘアー」が進化していることもあり、客席は納得度がさらに高くなっていると思います。
マイヤーリンクの場面。人は死に魅入られたときこんな表情をしているものかと、眼圧のすごい古川さんルドルフを観ながら思いました。人は一度死に魅入られてしまうと止めることはできないのだとは、25年前妹とのお別れのあと警察官からきかされたことでした。今回のルドルフは自らトートにキスする時間も長く、自ら積極的に死へと向かっていく、強い覚悟をもって自分の意志で死を選び取った、そんなルドルフになっていたように思います。ハンガリーの王冠をソンハさんルキーニが見せつけながら、にっと笑ってさっとルドルフの頭をかすめていく場面。ルキーニの王族に対する侮蔑ぶりがよく現れていたと思います。あがないきれない運命に翻弄されていく感が走りだしていました。宝塚の雪組初演では、黒天使がつぎつぎと王冠をもちかえていってルドルフが手にすることはできないという演出でした。いずれにしても切なく、残酷な場面です。
「ルドルフどこなの、聞こえてるの、寒くないの、震えてるの♪」「ママは自分を守るため、あなたを見捨ててしまった♪」「この罪は消せない♪」気がついた時にはもうおそい。自死遺族が背負っていかなければならない罪の重さに打ちひしがれるシシィを花ちゃんは声と表情と動きでよく体現されていました。残酷ですが自分が死なせてしまったという罪悪感を自死遺族はずっと背負っていくしかありません。自分に引き寄せながら観てしまう場面です。待っていたとばかりに棺の後ろから姿を現したトートに、「あげるわ、命を♪」「死なせて~♪」ってシシィはすがりついていくのに、キスしようとしてシシィの表情をみたトートは「まだわたしを愛していない」と拒絶。花ちゃんシシィの狂ったような、崩れた表情もお見事でした。直後にルキーニが写真を撮られたシシィは泣き叫びながら舞台の袖へと引っ込んでいきます。ルキーニが「シシィはすごいエゴイスト」「死さえも切り売りしている♪」「哀しみを国民と分かち合う、表向きはな♪」と歌うのだから、これでもかというぐらいに残酷。ここでもソンハさんルキーニの王族に対する侮蔑ぶりがすごいなと思いました。
「泣いた、笑った、くじけ求めた、むなしい闘い、敗れた日もある、それでも、わたしの命ゆだねる、それはわたしだけに♪」。人はみんな孤独。自分の命をちゃんと自分で引き受けて生きていくしかないのだという想いが花ちゃんシシィを観ながらあらためてせまってきたのでした。シシィの口から何回もこぼれる「孤独」ということばが胸にせまります。
少女時代「パパみたいになりたい♪」
コルフ島「パパみたいになれなかった♪」
出会いの時「ふたり、寄り添えればすべてに耐えることができる、あなたがそばにいれば♪」
夜のボート「すれ違うたびに孤独は深まる♪」
思いつくままに書き連ねているのでまとまっていないですね。シシィがヴィンデッシュ嬢の姿に自らの孤独を思い知らされ打ちひしがれる場面のことも書きたいですがまた次回。
トップの写真は7月7日夜の部キャストボード
花ちゃんシシィと蘭ちゃんシシィ
城田さんトートと井上さんトート
古川さんルドルフと京本さんルドルフ
照明の加減で、特にルドルフを撮るのはむずかしい。思ったよりもきれいに撮れていました。