たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-東京宝塚劇場公演(2)

2020年11月24日 00時01分56秒 | 宝塚
月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-東京宝塚劇場公演
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/c118208999c4df50089a7425053cf30d

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-ナウオンステージを視聴
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/047b5a19a90491b3ce0ce893d2c22775

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』宝塚大劇場千穐楽LV(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/1a0998a4e0212b1a981b6f7acaaae90b

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』宝塚大劇場千穐楽LV
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/4e01fc08d7efb187404ae549c637fea4

『WELCOME TO TAKARAZUKA』、大劇場公演は初舞台生の口上だったところが、月城かなとさんのソロになっていました。プログラムに「舞楽 越天楽-疫病退散の祈りを込めて」とあります。オペラグラスでみると雛人形の五人囃子のように美しい顔立ちと舞姿だと思いました。鳥居が浮かぶセットが現れ、松本悠里さんが傘をおいて雪の中を踊る「雪の巻」、美しいかげソロどなたかと思ったらエトワールもつとめた白雪さち花さん、心にしみわたる歌声でした。松本悠里さん、日本人形のような可愛いらしさ、色あせることがありません。かつての思い人は男役さんたち3人でした。登場してはけるだけですがほおかむりした立ち姿が美して芝居として余韻が残る登場の仕方。月がだんだんと満ちていく「月の巻」で流れていたのはベートーヴェンのピアノソナタ「月光」でした。間違えていました。オーソドックスな日本物のショーですごく好きとナウオンのたまきち、ショーだけれどすごく演じている、みんな芝居心で表現しよとしているという話は芝居の月組の力。月城かなとさんと風間柚乃くんの引き抜きがある「花の巻」で流れる曲、よく知っているけれどわからなかったのは、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」でした。たまきちが話しているようにショー全体でひとつの物語のようで、誰もが知る洋楽と日本舞踊の見事なマッチングは見やすく、生演奏だったらさらに見応えあるだろうなと思わずにはいられませんでした。美園さくらちゃん、日本物のお化粧も似合い、オペラグラスでみると手先指先の仕草もすごく綺麗でした。

 『ピガール狂想曲』、開演5分前になるとアコーディオンの音色が流れる舞台空間は、この世にいる間に訪れることはもうないであろうパリへといざなってくれているようでした。

「花は自然に咲くものよ、自らの力でね」、ゴーストライターをさせてきた傲慢な夫ウィリー@鳳月杏さんにすっかり愛想をつかし、男に振り回されるのはもうこりごりよという時のガブリエル@美園さくらちゃんの台詞。鍛え抜かれ、引き締まったボディラインと努力に裏打ちされているであろう自信、ベル・エポックと呼ばれる時代の、絵画から抜け出したようなドレスの着こなしと生き生きのびのびと役を生きている姿がいちだんと素敵でした。今まで批判のことばを向けてきた全ての人を納得させてもう何も言わせないトップ娘に成長した姿は癖がぬけて気持ちいいかぎりでした。ムーラン・ルージュの舞台にデビューすることになり、今までダンスなんてやったことがない女性がジャック@珠城りょうさんとデュエットダンスを踊る稽古をしているときのぎこちなさが自然でうまいなあと思いました。ジャックを実は女性と知らずにキュンとなり、ピンとのびた背筋で着こなすゴージャスなドレスに身を包んで自ら支配人シャルル@月城かなとさんの元を訪ねるときの可愛い貫禄、ウィリーと渡り合い手紙を破り捨てる時の、男性から自立していこうとする20世紀の女性。今この時に堂々とガブリエルを演じている姿にかつて涼風真世さんの相手役に選ばれてからめきめきと成長した姿をみせた麻乃佳世ちゃんの姿が重なりました。

 月組トップ娘役の系譜。劇中の舞台として披露されるフレンチ・カンカンの場面に、1996年久世星佳さんのトップお披露目公演『CAN CAN』でダンサー風花舞ちゃんが披露したスーパーカンカンが甦ってきたのはわたしだけではないでしょう。風花ちゃん、とにかくクルクルと踊りまくっていました。まさかロンドン公演で足を痛め満身創痍だったとは驚きました。月組のカンカンはこの時以来かな。タカラジェンヌの身体能力の高さ、すごいですね。ほんとにすごい、選ばれし方々。ドレスを身に着けたまま当たり前のように舞台上を側転したり、足あげたり、二階席からみるとフォーメーションもきれいでした。振付は麻咲梨乃さん。

 珠城りょうさんの男性の振りをしているジャンヌと、瓜二つな腹違いの兄ヴィクトールとの演じ分け、短い間に入れ替わる場面は幾度もあり、どっちがどっちだか混乱しそうになりました。ウィリーの「また着替えた」は台本通りなのかな。ナウオンでちなつさんが話しているように短い間での早替わりなのに登場するとき全く息があがることもなくちゃんと演じ分けられていてすごいと思いました。ジャンヌが女性でありヴィクトールより若くみえるように、工夫を重ねた、体格と背は削りようがない、どうすればいいかわからなかった、どうなるのかこんなに想像がつかなかったことは初めてとたまきち。あるときシャルルの執務室に現れたジャンヌがピンク色のグロスをつけてきたのがすごくかわいかったと月城かなとさん。ムーラン・ルージュの再起をかけた舞台が大騒ぎで失敗し行方をくらますも「死ねなかった」と戻ってきてなお子どもの頃に憧れた風車に夢を託そうとするシャルルの姿にキュンとなるジェンヌちゃん、銀橋でうたう姿はいちだんと乙女で可愛くなっていました。トップスターと二番手さんが最後は結ばれる大団円という設定、めったにないので希少。

 月城かなとさんのシャルル、わたしは勝手に『I AM FROM AUSTRIA』のエマのマネージャー役リチャードと重なるところがあるのですがすごくよくなったと思います。すごい美人さんが演じる三枚目キャラ、手探りだったところがようやくご自身の中でバランスがとれてきて落としどころがみえてきたような安定感、自信をもって演じていると感じました。出番多くて、純粋な心をいつまでも持ち続けるオジサン、かっこよさに磨きがかかった三枚目ぶりでした。

 ちなつさんのウィリー、劇場で観劇しても模様の入った衣装の着こなし具合、素敵でした。コメディを担って舞台の流れを作っていく役割、エネルギーがいるというナウオンでの話。出番多くはないですがダメンズぶりを遺憾なく発揮していて存在感あります。妖艶な夫人からひげをうけたイケオジまで役柄の振り幅の広さよ。何をやっても安定。ガブリエルへの手紙を読んでいる途中でガブリエルが手紙を破るとライトが消える演出、楽しいですね。

 劇場で観劇している醍醐味を感じたのはフィナーレ、ロケットから幕があがると、大階段にたまきちとたまきちを囲むようにマーメイドドレスの娘役さんたちの姿。美しいドレスさばき、花が咲き誇るように繰り広げられるダンスから、娘役さんたちが舞台上でドレスを広げてポーズを決めている時、大階段から燕尾服の男役さんたちが続々と降りてくる流れ、大階段の燕尾服ダンスはエリザベートのフィナーレで男役さんたちが踊る群舞を思い起こさせました。燕尾服の着こなし、ちなつさんさすがの美しさ。そして美園さくらちゃんが大階段に姿を現しデュエットダンス、ここで歌っているたまきちのすごさよ。一連の振付は羽山紀代美さん。宝塚をみにきているという満足感とトキメキ。























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