たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

終わりはない

2015年08月22日 23時22分26秒 | 祈り
遺族、英語でなんというのかネットで調べてみると、the bereaved family

ビリーブ:事故・死などがO1(人)からO2(近親)を奪う

アメリカ英語では、survivor ともいう

英検一級の語彙。そんなことはどうでもいいですが、ビリーブが過去形になって過去分詞として
familyを修飾しているので、近親を奪われた人、という意味になる、のかな?たぶん。

古いものがまだまだグチャグチャあるので、少しずつどんどん捨てていきたくて、古い手紙を整理していたら、また妹からの手紙と再会しました。
たぶんお別れの二カ月ぐらい前の夏。
手先が器用だった妹は自分の服を手作りしていました。
この手紙は、私にスカートを作って送ってくれたのに同封されていたもののようです。
22年前のもの。妹が作ってくれた洋服の中で年齢に合わなくなった物は、一枚のワンピースだけ残してリサイクルショップに送りました。だからどの洋服に同封されていた手紙なのか思い出すことはできません。
こんなに何度も手紙がきていたんだ。

うつ病で苦しいこと、不安が強いことが書かれている。公立病院に通院して薬をだしてもらっていた。病気になってしまった自分にひどく自信を失っている。担当医に励まされたようだ。
この先生は知っているのだろうか。患者が旅立ってしまったことを。
私に手紙を書くことで苦しい気持ちが少し楽になっているとある。
胸えぐられる。
なぜ私は見捨ててしまったのだろう。なぜ私はもっと受けとめてやらなかったのだろう。
なぜ私は話をちゃんときいてやろうとしなかったのだろう。
今さらおそい。
まさか旅立ってしまうなんて思わなかった。そんなに苦しんでるなんてわからなかった。
何にも知らなかった。心が病気になるなんて知らなかった。考えたこともなかった。
今さらおそい。

なぜ妹が先に逝って私が残っているのかわからないけれど、遺された私は精一杯生きるしかない。
これからどうやって生きていけばいいのかわからなくて苦しい時は続いている。
何を信じればいいのかわからなくて希望がみえないのだけれど、自分を信じて精一杯生きるしかない。
魂がやすらかであってほしい。そして見守り続けてほしい。進むべき道に導いてほしい。
心の中で祈り続ける。自分がこの世にあるかぎり、遺族に終わりはないのだとあらためて思う。



『レディ・ベス』の母、アン・ブーリンが凋落していく分厚い小説を図書館で借りて読んでいる。ドロドロの利権争い。人の世はいつになっても同じかとため息がでる、うんざりしてくる。
こんな中をベスは運よく生き延びられたものだ、本当に。人のたくましさを信じたいと思う。

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