たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

母が亡くなった翌年-2013年9月

2024年04月28日 14時52分06秒 | 祈り

「2013年9月27日(金)

朝日カルチャーセンター新宿

レ・ミゼラブルをより楽しむために

 川口竜也さん・𠮷原光夫さん

楽屋が一緒でいつもお喋りしている。

レミゼは3つの音から始まった。エポニーヌの「ひとり~」のシンプルな音に色んなバリエーションが加わってできあがっている。

バルジャンとジャベールはもとは一つ。生き方が違った。

バルジャンにとっての司教とジャベールにとってのバルジャンは重なりあっている。バルジャンにジャベールが許されるバリケードの場面、縄をとかれたジャベールはバルジャンの瞳に神の光をみる。

ジャベールが人間くさくなりこわれていく様子は服にも現れている。だんだんヨレヨレ。

ジャベールの自死に至る場面を演じるのはしんどい。

ジャベールはガブローシュに子供の頃の自分の姿をみている。ガブが討たれて近くに連れていかれた時の反応は演じる人によって異なる。映画ではアドリブでナポレオンからもらった紋章をガブの胸につけるが、舞台の短い時間でガブへの思いを表現するのは難しい。

下水道でバルジャンとジャベールが出会う場面、演じる人に任されているが𠮷原ジャベールは駆け込んでいく、4人それぞれ。

𠮷原さん、ジャベールを演じる日はだれとも喋らない。カンパニーもわかってくれている。逆にバルジャンに戻る時はたくさん喋る。役替わりはきつい。

ガブの討たれる場面がああなった時は本当におどろいた。

𠮷原さん、2011年版のオーディション、レミゼをみたことがなく大劇場にでてみるといわれてアンジョルラスで応募。イケメンぞろいですぐに違うと感じて気づいたらジャベールの列へ。アンジョルラスの歌は歌わないままおわった。イギリス人スタッフはリラックスムード、その後方で日本人スタッフがすごく難しい顔をしてすわっている。どっちの温度にあわせればいいの?

川口さん、ティナルディエで応募、スターズを歌ってみてと言われて歌ったらもういいよと言われたのでダメなのかと思った。ティナルディエの歌はすごく練習していったが全く歌わなかった。

𠮷原さん、2011年、オーディションの段取りが耳に入っておらず、自分が歌い終わったらさっさと出ていってしまってすごく怒られた。

旧演出のレミゼは白黒、アンティーク、暗いと言われたのは照明も小さな劇場で使うようなシンプルで地味なもの、光をかなり落としていた。

ジョン・ケアードのこだわり、シェイクスピアの手法をとりいれている。さすがロイヤルシェイクスピアカンパニー(𠮷原さん)

新演出はカラー。

エピローグ、ファンティーヌとエポニーヌがバルジャンを迎えにきて最後アカペラコーラス、楽器の音を抑えて声を小さくしてひとつひとつを細かくていねいに演じていく。かなりきついが最大の見せ場。「人を愛することは神さまのおそばにいくこと」に全てが集約されている。

プロローグ、バルジャンが市長になって登場するまでの展開が早くてよくわからないのは演出家の意図。最後でああこういうことだったのかと観客がふりかえってくれればいい。

レミゼの中で一生懸命生きていない人はいない。19世紀の話だが今のわたしたちの日常と同じ。だからレミゼは続いている。生きることは毎日が闘い。職場でも他の場でも・・・。

体調、気持ち、お客さんの反応によって演技はちがってくる。

進化しないようにしている。同じことをいかに色あせることなく演じていくか。

人間として成長した姿で11月帝劇にもどってくる。カンパニー、一人一人きっとみんな思っている。

アクシデントもさらけ出してやってきている。最初、バルジャンは吉原さん一人だったので緊張していておぼえていない。ひたすら家と劇場の往復のみ。

川口さん、初日プレビュー、すごくうれしかった。

演じていて自然に涙がでてきてしまうことはある。意図して流すことはない。

ムダはセリフはひとつもない。

音楽がすごくいいので、無理に自分でどっか変えてやろうとせず、のっかっていけばいい。むずかしい楽曲に逆に助けられている。

吉原さん、やりたいのはコゼット、(他にあるとすれば・・・)

バルジャン、エピローグ、早替わりの連続、バタバタ。市長になるところは2分40秒、メイクもよごしをおとしてし直すのでマネージャーに靴をはかせてもらい、衣装をきせてもらわないと間に合わない。

ジャベールはプロローグは余裕がある。

吉原さん、「いやなこといっぱいあるじゃないですか」、子供が電車に乗ってきて2人分の席に3人ですわろうと騒ぐのでひっぱたいた。3人がおりる駅で一緒におりて話をしたら3人ともちゃんと悪いってわかっている。のど飴をあげて別れた。体罰はその前後にある背景も考えるのが大事ではないかと思う。

吉原さんの坊主頭は演出家の意向。

イギリス人と通訳を介しながらコミュニケーションとるのはなかなかむずかしい。細かいニュアンスが伝わらなかったり・・・。

体調管理で気をつけていることは特にない。毎日同じ動線でうごく人もいるが、逆にそうしなかった時になんか失敗するんじゃないかと不安になるので、そういうことはしない。(吉原さん)

 

レミゼ深い。夜は帝劇のジャベールの場面がよみがえったり、色々。死生観、宗教観、学ぶところがたくさんある。エピローグ、バルジャンの旅立ち、前向きに演じてほしいといわれた。死生観のちがい。そこが希望になっているんだな・・・。」

 

「2013年9月30日

アメリカへの旅とレミゼ・チケでなんだかすごくあわただしく過ぎている。

ドライなオートマティックなアメリカ式って日本には合わない。私の感性にも本当になじまなくって辛い。なんか世の中ヘンだよなあ。結局弱い立場の人間がバカみてる場面が多いように私は感じてしまうのだがどうだろう。

自分はどこへ行くべきなのか、結局わからないまま時はどんどん過ぎていく。ヘンなストレスにまみれて私の人生は終わっていくのだろうか。

本を読んで色々考えたい。哲学を勉強したい思いはかなえられるのか。

くやしくってくやしくって涙がにじむ毎日である。」

この記事についてブログを書く
« 残念ですがK大学の教授も御用... | トップ | 厚労省、偽情報対策の報告書2... »

祈り」カテゴリの最新記事