映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、園子温監督、長谷川博已主演の「ラブ＆ピース」です。
今や日本で一番映画を撮る人となった園子温監督。監督自身も固定化されたイメージを持たないことを心情として、毎回新しい方向に挑戦している姿勢は、個人的にも好きです。
今回の作品は、オリジナル脚本によるファンタジックな内容で、子温監督初の特撮を取り入れています。
物語は、長谷川演じる、うだつの上がらないサラリーマンの鈴木良一が、ミドリガメ・ピカドンと出会ったことでかつての夢であるロックミュージシャンとして大変貌していくと言うもの。
そこに、捨てられた動物やおもちゃと共に地下で暮らす西田敏行演じる謎の男が絡み、彼の不思議な力で、巨大なカメとなったピカドンにより、鈴木の人生が思わぬ方向へと進んでいきます。
ファンタジーとコメディーと反戦モノと特撮モノが加わって予想だに出来ない子温ワールド全開の映画に仕上がっていました。
ここ数本の作品でエンターテーメントの側面を十二分に披露した子温監督、彼がどんな方向へと舵を切るのかは、神のみぞならぬ彼のみぞ知るところですが、個人的にはお腹いっぱいの状態なので、そろそろ冷たい熱帯魚やヒミズなどの毒のある社会派作品も観てみたいものです。
