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映画 デトロイト

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キャスリン・ビグロー監督による1967年に起きたデトロイト暴動を描いた映画「デトロイト」を観賞

ハート・ロッカー、ゼロ・ダーク・サーティなどで有名な女性オスカー監督、キャスリン・ビグローが今回選んだのは、1967年に起こったデトロイト暴動中に起こった警察官による黒人殺害事件というショッキングな題材です。

今回の内容は、1967年7月に起こった死者43名、負傷者1000名以上に及ぶ無法地帯となった黒人居住区で市警、州警察、州軍隊によるデトロイト暴動と鎮圧の裏で起こったアルジェ・モーテル事件を克明に描いています。

宿泊者の空砲によるイタズラを発端として、犯人捜しに躍起となり、ついには拷問による強制的な自白強要の中で三人の黒人が警官により殺害されるというショッキングな事件に費やされた40分は、まさに息を呑むシーンの連続、アメリカの暗黒の歴史をストレートに表現し怒りと共に憎しみの涙も伴うほどのすさまじさです。

極限下でのリアリティ―を追求する監督しては、クリント・イーストウッド監督を思い浮かべますが、女性監督してはビグロー監督が唯一無二の存在だと感じる僕としては、この作品で完全にノックアウトです。

彼女は、紛争や暴動を通じて、暴力を見せることで暴力を否定していることを改めて感じます。黒人大統領オバマの誕生から白人の代表ともいうべきトランプ大統領の誕生と180度転換するような状況に陥るアメリカ。今まさにデトロイトでの悲劇を繰り返さないためにも、この映画を必要不可欠な存在です。

憎悪から生まれる自らの思考を消失させる暴力は、どの国にでも起きうる。そんな時代だからこそ、こうした作品から目を背けず、すべての人に観てほしいです。


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