映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。伝説のロックギタリスト・ジミヘンドリックスの伝記ドラマ。「JIMI:栄光への軌跡」です。
ロックファンなら、誰もが認める不世出のギタリスト。僕にとっても、ウッドストックでのジミヘンのステージ映像が強く印象に残り、彼を超えるギタリストとしてのカリスマは生まれないと思ってます。
今回の映画は、無名のバックミュージシャンながら、卓越したギターテクと個性的な風貌により、キース・リチャードの恋人リンダにより見出され、元アニマルズのチャス・チャンドラーのマネージメントによりイギリスデビュー。クラップトンとの共演の機会を得て、イギリスで注目を浴びながら、リンダとグルービーの恋人との確執。凱旋帰国したアメリカでの不人気による挫折等の中で、ビートルズのポールとの出会いを得て、成功への扉を開いていく。
27歳でこの世を去った彼の生涯を描くのではなく、彼が成功を収める前の謎の時期にスポットをあてたものです。
ジミを演じたアンドレ・ベンジャミンは、OUTKASTのメンバーとしてまた、俳優としても、その才能を輝きを放つ逸材。その彼が、崇拝するジミを演奏から体型まで乗り移ったかのような素晴らしい演技でした。
監督のジョン・リドリーは、アカデミー賞作品賞を受賞した「それでも夜は明ける」の脚本を手掛けた人物。ジミを見出したリンダがキースの恋人であった事実を調べ上げ、リンダとジミの関係を軸に描いたことで、ジミ・ヘンドリックスを知らない人でも共感できる作品へと昇華しています。
輝かしいロックの一時代を感じながら音楽と人間ドラマの融合した濃密な時間を楽しんで観てください。