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DVD 散歩する侵略者

ポスター画像

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、キネマ旬報ベストテン4位の黒沢清監督作品「散歩する侵略者」です。

物語は長澤まさみ演じる鳴海の元に数日間行方知らずになっていた松田龍平演じる夫の真治が別人になって帰ってくる。真治は、会社を辞め自分の記憶を探るように散歩を始める。一方、町では一家惨殺事件が発生。ジャーナリストの桜井は、惨殺事件の生残りの女子高生を探す青年と共に取材を始めるが、謎の集団につきまとわれる。若者の正体は異星人の侵略者で。彼を抹殺しようとする組織だった。

侵略者に奪われた夫を慕う妻。同じく侵略者となった若者と女子高生。二人の手助けをし生き残る決断をするジャーナリスト。静と動が同時進行で進む不思議な世界は、今までのSF作品にない展開でおもしろい。松田龍平の持つクールな雰囲気は適役で、変わってしまった夫に戸惑いながらも、新しい夫として受け入れようとする長澤まさみの戸惑いを讃えた演技もいい。

ラストの結末には、少し違和感を持ちましたが時間経過においては自然な展開でSF侵略戦争であったことを想起させてくれました。

今回の作品、文化庁の芸術選奨の対象作品として黒沢清監督が受賞しています。異星人による侵略は、心と体を奪われるという行為を散歩にたとえ、静かに侵攻していく恐怖が芸術的に評価されたのではないかと思います。


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