人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

憲法と戦争

2006-11-06 04:53:35 | 法律
おそらく日本国憲法で一番有名な条文は、第9条でしょう。憲法上、日本は戦争をしてはいけないわけです。(国家防衛のために武力行使が許されるだろう、など色々と論争はありますがここでは省きます)

しかし、他の国ではこのような条文がありません。例えばアメリカは、戦争をしていいことになっています。

では、アメリカでは誰が宣戦布告するのでしょう。実は全軍の指揮を取る大統領ではなく、議会(立法府)なのです。大統領には宣戦布告する権利はありません。考えてみれば当たり前のことで、いくら国民による選挙で当選したからといえ一人の人間が行えるのは危険すぎますし、やはり国民の総意を一番反映しているとされる立法府の決議で行うべきでしょう。また、上下院は国の立法を行うだけでなく州の代表であるという特色もあるので、合衆国(正確には「合州国」)であるアメリカには適しているといえると思います。

では、憲法9条を改正せずに少しずつ戦争っぽい行為に出ている日本では、誰が宣戦布告の権利を持っているのでしょうか?私にはわかりませんが、小泉前首相をはじめとする内閣府がある程度影響力を持っていたことは否定できないと思います。しかも日本では首相が立法府にも席を置くため、権力の分離ができていません。ちょっと危険な状態なのではないでしょうか。

議院内閣制を変えるという派手な手段もありえるかもしれませんが、私は9条の改正が必要だと考えています。戦争に行くべきとは当然思いませんが、いざ戦争に近い行為を行った場合の法制度が整っておらず、内閣府・立法府間の力関係でどちらでも宣戦布告ができてしまう可能性が少なからず存在することがその理由のひとつです。特に緊急時では迅速な決断と明確な手順が必要となるので、これを整備するためにも60歳を迎えた憲法の改正が望ましいのではないかと思います。

9条があるから戦争に行けないのではなく、今まで戦争をする必要性がなかっただけではないでしょうか?有事の際には、改憲なくして戦争は起こるでしょう。憲法は理想論を表すものだけでなく、実際法律としての最高規範性を持つものであり続けるべきだと考えます。

異論はあるところだと思いますので、ご自由にコメントを掲載してください。

1 コメント

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改憲は賛成。 (にこちゃんふうせん(まゆか))
2006-11-07 15:27:38
日本は先進国の中でも唯一(だったはず)、第二次世界大戦後改憲をしていない国ですよね。
社会情勢と同時に変えていく必要はないでしょうけど現行の憲法で強引な解釈をし続けるよりも、日本の現状に即した憲法に変えることが必要だと思います。
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