人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

今更ながら、数学のお勉強

2009-10-16 11:25:51 | 人生論・閃き
直近の10年間で色んな考え方やモデルを身につけてきたつもりですが、もう少し抽象的なレベルでのモデルがほしいときにぶち当たるのが、決まって数学の理解の壁です。

一時は理解していたはずの多変数微積分学、そして学ぶことがなかったそれ以降の数学の概念は、自然の理にも政策のモデルにも通じるアルファベットのひとつとも言えます。それらを処理するためのモデルが作れないことを最近感じています。

もともと、数学もモデリングも得意の方でしたが、それらを併せて、実践的に使ったことがあまりありません。工学部でもなければ宇宙基地設計者でもありませんので、仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。

しかし、このようなモデリングを会社の経営などに応用することもできると思います。Queuing theoryが銀行窓口やエレベータのプログラミングに使われています。在庫管理にも似たようなモデルが応用されています。一方、取締役会自体にはあまり効率性などが求められず、直面する課題も人間関係や企業価値という抽象的なものとなっています。そのため、理論より入手可能な情報と経験に基づいています。「経営論」と言っても、実際のところ半分は精神論だったりします。

さて、今年に入って微積分学以降の教科書を数冊購入しました。ほとんど手がつけれていない状況ですが、これらを自由に応用できるようになれば、まったく新しい経営モデル、まったく新しい日程の立て方ができるような気がするのです。実は後者の「効率的な一日の過ごし方」についてはかなりの時間を費やして考えてきたのですが、これをもう一歩進めたいと思っているのです。

やりたいこと、やらなければならないものには優先順位があり、締め切りがあります。人間には体力の限界もあります。そして基本的には、やらなければならないものは効率的にこなし、逆にやりたいことには時間を費やしたいわけです。すべてが「効用(utility)」という共通の単位で示すことができるのかもしれませんが、それでは「どうしてもこれはこの日までやらなければならない」ということが効用無限になったりしてしまうので完璧なモデルは作れません。並行して複数の「やらなければならないもの」ができればそれに越したことはないと思いますが、それぞれの質への影響はどの程度で、それによる効用の変化はどうなるのだろうか。

抽象的な世界だから、判断は気まぐれで曖昧なものとなってしまいます。そこで、自分をモデル化し、環境をモデル化する。ガチガチな人生になってしまうように思えるかもしれませんが、複雑なインプットに柔軟に対応できるようなモデルが作れれば、そうでもないはずです。

それを可能とするのは、やはり数学の理解だと思います。3次元の空間と一定の時間の流れの中で暮らしているのに、数百次元の概念を扱えるのは魅力的ではないでしょうか。4次元でうまく生きていくのが朝飯前になるかもしれません。わからないことはわかりませんが、どれだけわからないのか、何にどのような確率があるのか、わかるようになる方法はあるのか、情報検索の価値はあるのか・・・。実際に複雑なモデルを作る必要はないかもしれませんが、それを作れるということは貴重なことなのではないでしょうか。