人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

一番辛抱強い時期

2007-01-08 04:46:41 | ビジネス
社会における日本人が一番辛抱強い時期はいつだろう、と考えてみました。もちろん個人差がかなりあるところだと思いますが、一般的に実は社会人1年目なのではないかと思えてきました。

環境に慣れることも大変ですが、無能でも窓際族でも中卒でも痴呆症でも会社の誰もが自分より偉い。そして実際、偉そうに振舞ったりする。命令する。一発芸を意味のないタイミングで求めてくる。それを笑顔で対応しなくてはならない新卒の社員は、営業より社内接待で苦しむケースも多いのではないでしょうか。

人間、年をとるに連れて辛抱強くなるのかと思いきや、そうでもないかもと思ったわけです。必要があるから耐えるだけであって、ある程度慣れるにしろ、根本的には辛抱強くなるわけではないのでは。一般的な上司はその上役より部下に甘えるし、自分が部下として理不尽だと思ったことを部下にさせてしまうことも多い。

・・・これはなぜだろう。

人間は基本的にわがままで、わがままが通る環境だったらわがままになってしまえ、という心理が働くのかもしれません。また、年をとればプライドも高くなるだろうし、取引先、後輩、メディアなど周りがチヤホヤしてくれることが多いでしょう。調子にのってしまい、オレガオレガ症候群になってしまうだけでなく、ちょっとしたことでも腹を立たせてしまうのではないでしょうか。

20代後半と40代後半、レストランで店員のミスにどなっているのはどちらが多いでしょう。

優しかったり尊敬できたりする役員も、敬意を払っているからそうであって、対等に話そうとしたら嫌な顔をするかもしれません。優位だからこそ優しくできるのかもしれません(なんだか書くにつれてかなり悲観的になってしまいましたが)。

そして反発する若者を「かわいい」「元気がいい」と思える頃には、それは別に辛抱しているわけではありません。とすると、やはり一番辛抱する時期は新卒社員なのかもしれません。

だとしたら、それを理解し、大人同士の接し方で接するようにすれば、若手が楽に能力を発揮でき成長するだけでなく、その後輩たちにも同じような接し方ができるようになるのではないでしょうか。このような好循環が社内文化になっている会社は、日本で何割あるのでしょう・・・自分がいる会社は、そのような社内文化があるようなところにしたいものですね。