妄想による愉快な国際時事ネタ解釈
四生の盲者日記
李登輝氏靖国参拝
靖国問題、本来国際問題にはならない事象を、無理矢理国際問題にし続けた結果、反応したら中共の負けというところまで追い込まれている。胡錦涛はこのカラクリにはとうに気がついており、だからこそ安倍首相の便法にのっているのだが、本日、歴史問題など比べ物にならない位中共が嫌がる台湾問題に結びついた。
日本のマスコミが書くところの中国の反発
・中国、日本政府李登輝入国許可に再度強烈な不満を表明(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/tai_gang_ao/2007-06/07/content_6211719.htm
定例記者会見で、外交部スポークスマンが正式回答
「李登輝の日本での行動から彼が何を考えているかが分かる、中国は日本が入国を認めたことに強烈な不満を表明する」
外交部の定例記者会見がある木曜日に参拝しておいて「個人的」と言い切る日台、従来の政府見解を繰り返すスポークスマン、どちらも見事な腹芸といえる。
政府の公式見解は上のとおりだが、次のような記事も出ている。
・李登輝靖国を参拝、「台独」分子の醜い素顔をさらけだした(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/tai_gang_ao/2007-06/07/content_6211245.htm
東京発の新華社電で、「「台独」分子の李登輝が「A級戦犯を祀った靖国神社」を参拝」から始まり、「日本軍国主義に「強制入隊」させられフィリピンで戦死した兄」と続き、「李登輝は靖国神社に参拝することで「台独」分子の醜い素顔をさらけ出した。李登輝は日本首相の靖国参拝を支持した「日本軍国主義」の「民族腐敗」分子だ」と締めくくる。
兄が日本から強制的に軍にとられ、結果として戦死したのなら、常識的に考えて弟は反日になると思うのだが。そうならなかったのみならず、日本軍国主義者の「台独」分子の「民族腐敗」分子になってしまった。
李登輝氏とは複雑な人物のようだ。
「靖国」「台独」という単語に条件反射つけられた人民のガス抜き用に予め用意したとも考えられるが、現行の首脳部に不満を持つ勢力がすり抜けさせたとも考えられる。
この先の発表に注目。
李登輝氏の個人的な参拝の理由もそうだがが、筆者は「靖国」は国際問題にはならない事象、してはならない性質の事象だと考えている。その意味において、中共が対日強行に走り、首脳会談を拒否してG8で恥をさらすくらいには突っ走ってもらいたい。
大きな流れの中で
・化学兵器の「闇市場」 中国人主導、米が注視(和文、共同)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200706020240.html
米政府は1990年代から、「Q.C.チェン」という中国人が率いる「闇の化学兵器市場」を調査していた、との記事。
中国を拠点に北朝鮮、イランに化学兵器関連の原料、技術、設備を拡散した、というからまるでスパイ映画かヒーロー映画に出てくる悪の秘密組織の首領のようだ。
21世紀にいくらなんでもベタすぎると思ったら、5日たって意外な事に中共、それも胡錦涛お膝元の青年報が食いついてきた。
・日本マスコミがデマ、中国人が生物化学兵器闇市場を仕切ると(中文、中青在線)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-06/07/content_6208084.htm
上記記事が展開している「中の陳さんなどいない」反論を、久しぶりに細かく読み込んでいったら、どうにも突っ込みたくなったので、いちいち突っ込みながら書いてみる。
反論1:共同の記事を読む限りではボルトン氏は断言していない
事実:
記事「ボルトン前国連大使は、中国の軍関連企業などが会社名を変えて拡散行為を続ける一方、「拡散の常習犯で問題の核心」であるチェン氏の名前は常に浮上したと説明。化学兵器を保有している可能性が高い北朝鮮がチェン氏と関係していても「驚かない」と述べた。」
ボルトン氏が推測しているのは、「チェン」が北朝鮮と関連しているという一点。「中国の軍関連企業が拡散行為を続けている」「チェン氏は拡散の常習犯で問題の核心として知られていた」という二点については断言している。
反論2:共同は「Q.C.チェン」の住所も勤務先も面貌すら書いていない、そんな人間を特定できるわけがない
突っ込み:言い訳にしても必死すぎ、よりによってそんな認めるような事言わなくても・・・
反論3:日本の外務省職員の一人は、記者にそんな話は知らないといった
突っ込み:外務省の守衛さんはそんな話知らないと思う、逆に職務上知っていたら知ってるとは言えないと思う。
ここで全く無関係に思える事象を一つ。
・自衛隊が市民団体を調査=「内部文書」公表、共産指摘-イラク派遣反対運動など
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007060600712
「イラク派遣反対」を標榜する「市民団体」「ジャーナリスト」の活動を陸自の情報保全隊が監視している、と「共産党」が発表。
妄想をたくましくすれば、日米-中間の大きな軋みの一部が「Q.C.チェン」の記事になったり、共産党が考える「すっぱ抜き」という形で我々の眼に見える形になっているものかと考えられる。
それはまあいいとして、共産党は違憲・違法と鬼の首でもとったように書いているが、どこが違憲・違法なのかさっぱりわからない。
筆者などは赤旗などで報告書の内容を読むと逆に頼もしく思える。(共産党の独特というか悪意ある解釈にはむしろ失笑してしまうが)
なんとなく、大きな流れに抗しきれない人々の悲鳴、のようにも思える。
一方その頃、李登輝前台湾総統は靖国を参拝していた。
・李・前総統が靖国神社参拝「個人的な事情で」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070607i103.htm?from=main1
日本のマスコミが口をそろえて「必至」呼ばわりしている「中国の反発」、詳細は別エントリーで。
<<参考>>
志位委員長の会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-07/2007060702_06_0.html
自衛隊が違憲・違法の国民監視
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-07/2007060701_01_0.html
自衛隊ここまで監視
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-07/2007060725_01_0.html
自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_jieitai.html
変な話
・外務省報道官、ミサイル防衛システムについて見解を表明(和文、中国国際)
http://japanese.cri.cn/151/2007/06/05/1@95004.htm
彼女の言い分
1「ミサイル防衛システムは戦略的なバランスと安定に影響を及ぼす」
↓
2「大国間の相互信頼と地区の安全に不利となる」
↓
3「またな核拡散問題を引き起こす可能性がある」
1~2については論理的に納得がいくが、2~3の展開には無理がある。
このような幼稚な屁理屈を持ち出さざるを得ないほどMDは嫌なようだ。
違和感を感じたのは、次の「中国、6.4事件についての米の中国に対する非難に反駁」なる発言が外交網には収録されていないからだ。
・中国、6.4事件についての米の中国に対する非難に反駁(和文、中国国際)
http://japanese.cri.cn/151/2007/06/05/1@94987.htm
姜瑜報道官は「1980年代末に起きた政治的騒乱にはすでに明確な結論がおろされた。ここ20年来、中国の社会は安定し、経済は発展しており、民主化と法整備も絶えず進展を収めた。中国人民は法に基づいてそれぞれ人権の自由を享受している。中国の政府と人民は中国の特色ある社会主義の道を揺るぎなく歩んでいく」と述べました。
とまあ、相変わらず嘘八百を並べ立てている訳ですが、この大本営発表ですら国内向けには漏らさない姿勢、立派といえば立派。
筆者は天安門事件で知り合いをなくしているので、これが絡むと冷静でいられなくなる。中共を非難するそれらしい理屈を考えたこともあったが、それよりも「知り合いを殺された私怨」と考えた方が自然。
<<参考>>
・外交部スポークスマン定例記者会見(中文、外交網)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t326811.htm
別件:
・解放軍士官がH5N1で死亡(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/politics/2007-06/05/content_6201791.htm
こちら↓WHOの発表に沿うもので、密接接触者には異常がみられなかった模様。
・鳥インフルエンザ-中国における状況-更新2
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/2007who/67who04.html
・鳥インフルエンザ-中国における状況-更新3
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/2007who/67who07.html
SARSで余程懲りたのか、あるいは隠し切れない程パンデミックが始まっているのか。
亳州無情
無錫の次は安徽省亳州市内の様子、「浮き草」と表現しているが写真を見る限り「アオミドロ」、原因は富栄養化。
http://news.xinhuanet.com/photo/2007-06/05/content_6199415_1.htm
クラゲが大量発生するくらい河に垂れ流していたのが、ついに処理しきれなくなってきたという事らしい。
環境問題というか、古典的な「公害」。
問題はこのようにマイナスイメージを、あの国でなぜ国内向けに報道するのか、という点だが。
一番理解しやすいのは、この報道で誰かが損をして、誰が得するかなのだ。
損をする人達 ⇔ 得をする人達
公害企業の経営者 党中央
地方政府 党中央
要するに「調和」社会に向けての分かりやすいスケープゴート、かと思える。
上がったものは必ず下がる
この前まで空母空母いってた光明報が、突然「制海権には原潜」を言い出したり。
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-06/05/content_6198300.htm
この前まで、中国新幹線は中国ブランドを強調していた青年報が、突然「実は重要な部品は外国製でした」と言い出したり。
http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-06/04/content_6193364.htm
なんとも尻のすわりがよろしくない。
昨日が特別な日だったので、中共のなかでも混乱があったのだろうかと妄想してみる。
個人的には、上海市場がどこまで下がるのか野次馬根性で一日中見ていた。
中共が政治目的を達成するために対外的な手段を選択するのは、まだ先かと思われる。
18周忌
・「天安門事件当時の活動家、現在も刑務所に」と人権団体
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200706040021.html
18年経って、当時を知らない人が増えてきたのは事実である。
しかし、逆に中共が隠しているからこそ、あの未明の騒ぎ、炎の赤、煙の黒、流血のこげ茶、焼死体の黒と桃色、生臭い死臭、ゴムの焼け焦げる匂いは、筆者の中で結晶化せずに残っており、今朝のことのように思い出せる。
個人的には不幸なのかもしれないが、ありがたい。
言い訳の為の捏造
米国FDAは「中国製の練り歯磨きは捨てる」よう国民に呼びかけているが、中国質総局の声明。
・質総局、FDA輸入禁止措置について会見(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/health/2007-06/03/content_6190491.htm
要点
中国衛生部専門家グループによるジエチレングリコールに関する検査結果
・人体から速やかに排出され、体内に蓄積することはない
・発がん性もない
・化学物質としては低毒性に類する
・中毒を引き起こしたとの報告もない
「米国の規則でも食品にジエチレングリコールを使用することが認められている。練り歯磨きの成分は輸出前にFDAに提示され、販売許可を受けている。FDAの呼びかけは非科学的で矛盾に満ちており、無責任である」
とまで言い切っている。米国で食品にジエチレングリコール仕様を認めた規則、というのが不明であるが、とりあえずジエチレングリコールの安全性については次の資料が参考になる。
http://qsar.cerij.or.jp/SHEET/F99_16.pdf
質総局と衛生部専門家グループには気の毒だが、ジエチレングリコールという物質はヒトが経口吸収した事例が多く、飲むとどうなるかは判明している。
70数%という高濃度のジエチレングリコール溶液を経口吸収した事例であるものの、腎毒性と死亡が認めれれており、発がん性以外は捏造である。
もちろん、今回練り歯磨きに含有していたジエチレングリコールは最高で4%らしい上、練り歯磨きの性質上飲下する可能性も低い、その意味においてFDAの呼びかけは非科学的であるとの見解には筆者同意する。一方でFDAの立場を考えれば、今回の呼びかけは合理的であり、国民の健康への責任を果たすものだと思う。
まあ、質総局が科学的な見解を出してくるとは思っていなかったものの、すぐ嘘とばれるような捏造までしてくるとまでは思っていなかった。
<<参考>>
・「中国製練り歯磨きは使用回避を」米FDAが異例の警告(和文、日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070602AT2M0201102062007.html
古い記事
遊園地で問題になりましたが
童話劇「白雪姫と七人の小人」(中文、北京晩報)
http://news.xinhuanet.com/ent/2007-05/28/content_6161186.htm
先月28日の記事。
微妙なデフォルメが懲りていない。
無錫無情
続報
http://news.xinhuanet.com/local/2007-06/01/content_6186111.htm
http://news.xinhuanet.com/comments/2007-06/01/content_6183092.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2007-06/01/content_6186380.htm
http://news.xinhuanet.com/local/2007-06/02/content_6188366.htm
長江から水を引き込んだり、活性炭をぶち込んだり、過マンガン酸カリをぶち込んだり、はてはミサイルを30数発発射して人工的に雨まで降らせてみたり、思いつくありとあらゆる手をつかって当面の水は確保した模様。
現在、「どうしてこうなったのか」を考えているようだ。
長いこと中国を見ているとなんとなく感じるのだが。
下水整備をすすめたものの、予算をみんなでピンはねしまくり。規模を縮小して実施された下水整備も、施工は手抜きで汚水が垂れ流しまくりだった、という実にアジア的現実がオチな気がする。
まさに公害。
無錫旅情2
続報
・太湖の生態系は急速に悪化 無錫の水危機を誘発(中文、新華社)
http://news.xinhuanet.com/local/2007-06/01/content_6185159.htm
ただ単に煮詰まったからではなく、経済発展に伴う富栄養化、つまり公害だった模様。
・化学工場廃水
・食品工場廃水
・生活廃水
・農業廃水
農業廃水、というか化学肥料の使用料については記事中で統計データが示されており
1979年:24.4kg/㌶ から 2007年:66.7kg/㌶ へと増加している。
生活廃水も、人口密度1000名/km2のところから排出される廃水が、特に処理されずに直接湖に垂れ流されているのが現状。
よく今まで問題(異臭どころではなく、体調不良などの)にならなかったというのが筆者の感想。「雑感」にも書いたが、都市部の表通りと、役場の建物、兵隊が着る服にかけた金の5%でも下水道の整備に回すべきだった。
まあ、20年前にも「廃水」だろうがゴミだろうが全部河に流していたので、おそらくあの地域に人が住み始めてからずっとそうしてきたのだろう。
つまり中国中がこんな感じなのは想像に難くない。
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