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【妄言】西園寺一晃氏「福田辞任で中日関係の基本方針は変わらない」【和文/人民日報】

http://www.people.ne.jp/a/78dca588ef8f44fe9c63f0e0d786c722

 東京都日中友好協会の西園寺一晃副会長は1日、福田首相の突然の辞任によって中日の戦略的互恵関係の基本方針が変わることはないものの、中日関係にとって福田首相より良い人選になることはないとの認識を表明した。「中国新聞網」が伝えた。

 西園寺氏は、良好な発展を見せている中日関係にとって、福田首相の突然の辞任が惜しむべきことであるのは間違いないと言う。「中日関係の良好な発展の契機を作ったのは安倍前首相の訪中だが、今日にまで発展したのは中国の指導者と福田首相が共に努力した結果だ」。西園寺氏は、後任が誰になろうと中日両国の戦略的互恵関係を変えることはないし、それは不可能だと信じている。「自民党政権であれ民主党政権であれ、中日関係にとって、福田康夫氏より良い首相が出ることはない」。

 日本の第12代、第14代首相を務めた西園寺公望の曾孫にあたり、しかも大手メディアで長年仕事をしてきた西園寺氏は日本の政局を熟知している。西園寺氏によると、福田首相の突然の辞任は、その引き継いだ「負の遺産」が余りにも重すぎたからで、致し方ないことだ。そしてこの悪しき「歴史遺産」を作ったのは、小泉純一郎元首相なのだ。「実は日本は長年にわたり、非常に成功した日本式の経済発展モデルを形成してきた。だが小泉氏が在任中に大規模な経済改革を行い、ひたすら欧米諸国に学び完全な自由主義の市場経済を推し進めたために、貧富の格差が急激に拡大し、国民の間に深刻な不満が広がった。小泉氏が改革の弊害が露わになる前に退任し、手のつけようのないゴタゴタを後継者に押しつけたために、安部政権は昨年の参院選で歴史的な惨敗を喫したのだ」。

 西園寺氏によると、安部氏の後を継いだ福田首相は多大な努力を払ったものの、積年の問題をすぐに解決することはできなかった。米国のサブプライム危機、世界的な原油・穀物暴騰は、脆弱な日本経済にとって間違いなく追い打ちとなった。国内の物価高騰、増税、国民生活の質の急激な低下も、福田内閣の支持率低迷を直接的に招いた。「このような世界的な経済危機を前にしては、福田首相でなくとも、誰に交代しようと対応に苦慮する。福田首相の辞任で、日本社会の未来はさらに不確実性が高まる」。

 福田首相の後任については、西園寺氏は現状では麻生太郎氏の呼び声が最も高いと見る。「自民党にしてみれば、次の党首は国民的人気が最も高く、衆院選を勝利に導くことのできる人物でなければならない。単に人気の面からなら、麻生氏が最強であることは間違いない」。だが西園寺氏は、麻生氏が政権を掌握するには少なからぬ困難を克服しなければならないとも指摘する。「最も不利な点は、麻生氏は福田首相が新たに任命した自民党幹事長であり、福田政権と非常に近い関係にあったことだ。福田氏が重任に堪えられなかったのに、その右腕だった麻生氏にはできるのか?このことから国民の間に生じる懸念を軽視することはできない。また、これまで派閥政治を行ってきた自民党にしてみれば、麻生氏の勢力には限りがあり、他の党派の支持を得られるかどうかは未知数だ」。

 西園寺氏は、麻生氏以外の党首候補として、初の女性防衛大臣を務めた小池百合子氏や、福田内閣の町村信孝官房長官の名も上がっていることを指摘。「だがわたし個人の考えでは、新しい党首が誰になろうと、衆院選で多数の議席を獲得するのは非常に難しいと思う。これにより政局はさらに複雑になり、見通しが利かなくなる」と述べた。(編集NA)

 

 おそらく、次の政権にたいする牽制の意味で書かれた記事だとは思うのだが、「大手メディアで長年仕事をして、日本の政局を熟知」しているにしては

・ねじれ国会が小泉のせいになっていたり
・小泉改革が大失敗になっていたり
・なにより「麻生が福田の右腕」になっていたり

プロパガンダとはいえ、現実認識能力に疑いを持たざるを得ない文章。
 文革の真っ最中の北京に10年間も滞在したのでは、プロパガンダもこのようにレトロなものになってしまうのだろう。

 どうやら、中共も事態に危機感を覚えつつある模様。

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【雑感】福田首相辞任を各国速報…韓国は後任注視、中国には一定の痛手【和文/読売】

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080901-OYT1T00711.htm?from=navr

 【北京=杉山祐之】中国国営新華社通信は1日夜、福田首相の辞任表明を速報した。福田政権発足当初から、その不安定さを十分認識していた胡錦濤政権は、日本の政局を注視しながら、今後も両国関係の長期的な発展を目指す方針だ。

 胡政権にとって福田首相は、大きな利益をもたらす存在だった。靖国参拝はせず、「民主」を強調せず、「戦略的互恵」の名の下で実益を与えた。3月のチベット暴動後は、対中非難を抑え、胡政権を実質的に支えた。東シナ海でのガス田開発問題では「中国の主権」に踏み込まず、北京五輪開幕式にも出席した。

 こうした福田首相の辞任は、胡政権にとって、一定の痛手ではある。ただ、織り込み済みの結果であるのも間違いない。1日の新華社電は「福田内閣の支持率は、今年はずっと低迷状態にあった」と報じた。

 また、中国筋によると、5月の胡氏訪日で日中共同声明をまとめた背景には「親中的な福田政権のうちに、中日関係の長期的枠組みを定めておきたい」という、日本の政治情勢をにらんだ戦略的発想もあった。


 読売、実に刺を含んだ記事である。
 たしかに、当日中に「さようなら福田媚中政権」特集ページを組むくらいだから、新華社が準備していた可能性は高い。
http://news.xinhuanet.com/world/2008-09/01/content_9751670.htm

 まあ、あそこまで何もできないと、辞任が時間の問題だったのは確かだが。
 ただし、去年は下馬評を書きまくった新華網も、本日朝現在まだ「次の候補」には触れていないので、明確な時期まで知っていたわけではなさそう。

 朝日によれば
>日本政治が専門の呉寄南・上海国際問題研究所研究員は「日中関係のレールは敷かれているので、後任が誰であっても小泉政権時代に戻ることはない」と語った。
http://www.asahi.com/special/08014/TKY200809010356.html
とのことだが、もし現職の総理大臣が靖国神社に参拝すれば、勝手に逆戻りしてくれるのは間違いない。

 なお、米共和党大会では、日本時間本日朝
アジア政策では日本との同盟関係がアジアの平和と繁栄の基礎だと重視する方針を示したうえで「地域と国際問題で、日本に指導的な役割の強化を期待する」(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20080902AS2M0200P02092008.html
とする政策綱領が採択されている。

 中共にとっては嫌な流れだろう。

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