【政界地獄耳】:国民が難癖つけたから返金する。問題あるか?/12.16
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:国民が難癖つけたから返金する。問題あるか?/12.16
★コロナ対策の助成金を巡り、自民党元幹事長・石原伸晃が代表を務める政党支部が約60万円を受給していたことが判明し、内閣官房参与を4日間で辞任。同党の環境副大臣・大岡敏孝の党支部も約30万円の受給が発覚。大岡は辞任要求を拒否した。13日のテレビ番組で立憲民主党国対委員長・馬淵澄夫は大岡に対して「任命権者がきちっと判断し、辞めろと言うべきだ」としていた。
★ところが14日夜、立憲民主党両院議員総会長・阿部知子と党ジェンダー平等推進本部長代行・岡本章子がそれぞれ代表を務める同党支部が20年に新型コロナウイルスによる臨時休校対策の助成金を阿部の団体が約24万円、岡本の団体が約3万円を受給していた。馬淵は格好のつかない話になってきた。また元F1ドライバーで自民党の山本左近も自身が代表を務める「山本左近政策研究会」が昨年10月、新型コロナの影響で臨時休校となった小学生の保護者らが有給休暇を取った場合に、事業主に支払われる「小学校休業等対応助成金」約80万円を受け取っていた。
★立憲は党幹事長・西村智奈美が「制度上の問題はなく適正な受給であるが、政治団体の受給は国民の理解が得られず返還する」、山本は「関係省庁に相談した上で政治団体も申請ができると確認した」とした一方で、「今回の行為は国民の理解が得られない行為であったことを率直に反省致します」とした。2人の説明は“何も悪くはないが、国民が難癖をつけたから返金する。問題あるか”と言っているようなものだ。悪用とは言わないまでも制度を作る側が困っている国民への制度を“利用”させてもらっただけだと言っているのではないか。政治家は新たな産業が生まれれば役所と共に、その産業を育成するといって団体を作り議連を作る。なんにでも口を出すのも結構だが、文書交通費の議論も含めて制度の恩恵ばかりを追いかけているように見えるのは私だけだろうか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2021年12月16日 08:19:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。