路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さん「岸田総理への手紙」を立憲・辻元清美議員が代表質問で全文読み上げ

2021-12-19 06:35:30 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さん「岸田総理への手紙」を立憲・辻元清美議員が代表質問で全文読み上げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さん「岸田総理への手紙」を立憲・辻元清美議員が代表質問で全文読み上げ

 辻元清美さん。国会で総理大臣に厳しく迫る“闘う”議員。政治にうとい私でも名前を知っている。(「私」は赤木雅子さん=以下同)

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 その辻元さんから人づてに連絡があった。私の夫、赤木俊夫のことを国会で質問してくれるという。夫は財務省で公文書の改ざんをさせられ、命を絶った。でも財務省の調査報告書にはその事実が書かれていない。私は再調査をお願いしているけど、国は応じてくれない。

手紙を手にする辻元衆院議員(提供写真)

   手紙を手にする辻元衆院議員(提供写真)

 それを国会で岸田総理大臣に問いただすからメッセージをいただけませんか、というお話だった。

 総理大臣に言葉を伝えてもらえるなんてありがたいお話だ。でも私は怖かった。辻元さんは国会でもネットでもよく攻撃を受けている。メッセージを預けたら私も攻撃されるだろう。折角だけどお断りしてしまった。

 でも、これをきっかけに私は自分で岸田総理大臣に直接手紙を出した。想像以上に大きく報道され、話題になった。驚いたのはヤフーニュースの「みんなの意見」。衆院選で重視するテーマは? という質問に「森友問題の再調査」と答えた人が4分の1で断トツの1位だ。

 そして辻元さんからまた連絡が。国会の代表質問で手紙を全文読み上げて岸田総理に見解を聞くという。そこまでしてくださるのに逃げる訳にはいかない。9日、大阪・高槻市の地元事務所を訪ねた。

 会うなり盛り上がったのは2人とも同じピンクのマスクだったこと。「あ~同じだ!」と笑う姿は闘士のイメージとは程遠い。携帯のカバーも身の回りのどれもがピンク。男ばかりの中で頑張ってるけど、本当は可愛い人なんだと感じた。辻元さんは怖くない。怖いのは辻元さんや私を攻撃してくる人たちなんだ。

 ■「私の裁判人生に、やっと女性が現れた」

 うちとけたところで辻元さんは私の目を見て「一人で暮らしてるの?」。その言葉に、一人で闘う女性同士の心遣いを感じた。辻元さんも攻撃されれば傷つくし怖いこともあるだろう。私も同じだ。政界も裁判も財務省も周りは男性だらけ。男性に囲まれる圧迫感、攻撃される恐ろしさ。女性同士だからこそわかりあえる。私の裁判人生に、やっと女性が現れた……。

 辻元さんの代表質問は11日の午後3時前後。私の総理への手紙が読み上げられる。NHKが全国に生中継する。岸田総理もだけど、全国の女性の皆さんが聞いてくださったらうれしい。

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年10月11日  11:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんが「岸田さんならわかってくれる」の言葉に込めた意味

2021-12-19 06:35:20 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんが「岸田さんならわかってくれる」の言葉に込めた意味

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんが「岸田さんならわかってくれる」の言葉に込めた意味

 岸田総理大臣への手紙。出そうか、やめようか……赤木雅子さんはここ数日、悩み続けていた。

 夫の俊夫さんは財務省で公文書の改ざんをさせられ3年前命を絶った。でも財務省の調査報告書にはそのことが書かれていない。夫が亡くなった事実をきちんと書いてほしい。そう求め続けても安倍元総理と菅前総理に相手にされなかった。

 ■数日迷った末、手紙を出した

 岸田新総理は「人の話をしっかり聞くのが特技」という。今度こそ話を聞いてくれるかも。でもまた相手にされなかったら悲しすぎる。迷いに迷った末やはり出そうと決めた。6日のことだ。

岸田総理への手紙(投函前に赤木さんが撮影)/(提供写真)

 岸田総理への手紙(投函前に赤木さんが撮影)/(提供写真)

 文面はその日、歯の治療を受けながら考えた。話を聞く人だからまず「私の話を聞いてください」と切り出そう。続いて「夫が改ざんを苦に亡くなったことが書かれていないのはなぜですか?」とずばりたずねる。その上で「夫が正しいことをしたことに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください。そして新たな調査報告書には夫が亡くなったいきさつをきちんと書いてください」と訴える。

 最後に書いたのは……。

 「正しいことが正しいと言えない社会はおかしいと思います。岸田総理大臣ならわかってくださると思います。第三者による再調査で真相を明らかにしてください」

 家に帰り手書きで書きあげた。すぐに総理官邸の岸田総理大臣宛てに配達証明の速達で出した。翌7日午前10時23分に配達された。総理宛ての郵便物はまず秘書官の手に渡るという。きっと岸田総理まで届くだろう。

 手紙を出した後の記者会見で「岸田さんならわかってくれる」という言葉にどういう思いを込めたのか質問が出た。そこを聞いてほしかった。

 「総裁選の時、岸田さんは最初、再調査をするような発言をしていました。でもすぐに変わりました。誰かから何か言われたんでしょうか? 本当は再調査すべきだと思っているから最初そう言ったんだと思います。正しいことが正しいと言えない社会はおかしい。それが誰よりわかるはずだから、こう書きました」

 岸田総理大臣、あなたは「話を聞く力が誰よりも優れている」と自ら語りましたね。夫を亡くした妻のこの訴えを、どのように聞きますか? 

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年10月09日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さん被災地ボランティアで思う 小さな存在だから国に見捨てられていいはずがない

2021-12-19 06:35:10 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さん被災地ボランティアで思う 小さな存在だから国に見捨てられていいはずがない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さん被災地ボランティアで思う 小さな存在だから国に見捨てられていいはずがない

 「この被災地は私ら夫婦と同じやわ。国に見捨てられようとしている……」

 赤木雅子さんはつぶやいた。夫の俊夫さんは近畿財務局職員。財務省の公文書改ざんを告発する文書を残し命を絶った。ところがその事実を財務省は改ざんの調査報告書に一言も書いていない。俊夫さんが残した文書も表に出さないよう雅子さんに求めた。夫の死をなかったことにされ、国に見捨てられたと感じた。

忘れられていいわけがない(撮影)相澤冬樹

     忘れられていいわけがない(撮影)相澤冬樹

 では見捨てられた被災地とは? 熊本県球磨村神瀬地区。昨年7月の球磨川大水害で5メートルの洪水に襲われ、被災した多数の住民が地区外に避難した。復興すれば戻れる。だが国土交通省は突然、水害対策の住宅地のかさ上げを膝の高さほどにとどめる方針を示した。地元に動揺が走った。2階の屋根から救出された人もいるほど水位が上がったのに、それでは意味がない。住民が再建をあきらめ、過疎の進む集落が消えるのを待っているのか?

 雅子さんは夫を失ってから、被災地でのボランティア活動を心の支えにしている。神瀬地区も繰り返し訪れ、土砂の除去や建物の清掃に参加してきた。その仲間から、復興に前向きとは思えない国の対応を聞き、思わず冒頭の言葉がこぼれた。

 国の方針が示されて5日後の9月26日、神瀬地区で住民の集いが開かれた。テーマは看板作り。地区にある22の集落ごとに地名を書いた看板を立てる。それで「故郷に戻るぞ」という住民の思いを示そう。子どもたちも加わり、気持ちの明るくなる絵が描かれた。

 雅子さんも制作の手伝いに加わった。前回記事で紹介した「初の顔出し講演」に鹿児島で踏み出した翌日のことだった。

 赤木雅子さんは思う。被災地の住民が納得いくように説明せず、国土交通省が方針を決めてしまうのはなぜだろう? 私が夫の死に納得できないのに、財務省が「調査は尽くした」「説明はした」と言い張るのと同じじゃない? 小さな存在だから、世間から忘れられ、なかったことにされていく。でも被災地を忘れていいわけがない。

 私も忘れられないように国と闘っている。自民党総裁選でも改ざんの再調査が議論になった。再調査しないという岸田さんが選ばれたけど、この後の総選挙でもきっと争点になる。与野党は関係ない。私は再調査をする人に当選してほしい。

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年10月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:麻生大臣や財務省とは大違い…赤木雅子さん「きちんと謝罪してくれる議員もいるんや」

2021-12-19 06:34:50 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:麻生大臣や財務省とは大違い…赤木雅子さん「きちんと謝罪してくれる議員もいるんや」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:麻生大臣や財務省とは大違い…赤木雅子さん「きちんと謝罪してくれる議員もいるんや」

 岡山県のとある住宅の前。入り口にロープが張られ「立入禁止」の札が掲げてある。そこに現れた一人の男。お構いなしでロープをくぐり敷地に入り込んできた。

 ここは森友事件の公文書改ざんで夫を亡くした赤木雅子さんの実家。財務省近畿財務局に勤めていた夫の俊夫さんが命を絶った後、身を寄せていた時の出来事だ。ロープは押し寄せる報道陣を退けるためのもの。男が平気で入ってくるのを見て雅子さんはおびえた。

 会えないとわかると、男は名刺を置いて帰った。何者か?

 「立憲民主党 衆議院議員 川内博史」

 なんて強引な人だろう。その名は不快感とともに脳裏に刻まれた。

 それから3年。雅子さんは初めて川内議員と対面した。国を相手に裁判を闘う中、川内議員も事件を追及していると知ったからだ。だがあの時の思いは忘れられない。議員会館で向き合うや雅子さんは問いただした。

 「あの時なぜロープをくぐって入ってきたんですか?怖かったんですよ」

 たじたじとなって「あれはですね」と説明を始めた川内議員。だが言い訳は無用だ。すぐにがばっと頭を下げ、額をテーブルにこすりつけながら声を絞った。

 「申し訳、ありませんでした」

 雅子さんは意表を突かれた。わだかまりがすうっと解けていった。

 「きちんと謝罪してくれる議員もいるんや。麻生大臣も財務省の人たちも謝ってくれないのに」

 ■鹿児島で初の顔出し講演

 さらに半年がたった今月25日、雅子さんは川内議員の地元、鹿児島市を訪れた。地元の人たちに話をしてほしいという依頼を快く引き受けた。

川内議員と講演にのぞむ赤木雅子さん(鹿児島市内=撮影:相澤冬樹)

 川内議員と講演にのぞむ赤木雅子さん(鹿児島市内=撮影:相澤冬樹)

 「『立入禁止』のロープをくぐって入ってきた男がいまして」と例のネタで笑いを取ってから続けた。

 「夫に起きたことは皆さんの周りで起きてもおかしくありません。真相を知るためには世論の力が大事なんです。皆さん、関心を持ってください」

 実は雅子さんが人前で顔を見せて話をしたのは今回が初めて。また一つハードルを越えた。

 余談だが川内議員は私の高校の1年上の先輩だ。1年後輩にはこのたび警察組織のトップに就任した人物がいる。面識はないがお伝えしたい。

 「性犯罪者はちゃんと逮捕しろよ。先輩たちが政権を取ったら真っ先に更迭されるぞ」 

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年09月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:麻生さん、読者は関心ありますよ…赤木雅子さんの怒りに財務省職員は凍り付いた

2021-12-19 06:34:40 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:麻生さん、読者は関心ありますよ…赤木雅子さんの怒りに財務省職員は凍り付いた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:麻生さん、読者は関心ありますよ…赤木雅子さんの怒りに財務省職員は凍り付いた

 毎度お騒がせ麻生太郎財務大臣。自民党総裁選で麻生派内の対応が割れ、てんてこ舞いの中、またも炎上発言が飛び出した。21日の閣議後会見。森友事件の再調査について総裁選の候補たちが会見で答えたことを受け、記者に質問されると……。

 「読者の関心があるのかねえ?」

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 そんなの過去のことだろ、という本音がにじむ。ところが発言を日刊ゲンダイなどが伝えると、ネットで話題沸騰。ヤフーニュースやツイッターでランキングトップに躍り出た。

真相を求める赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹)

  真相を求める赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹)

 麻生さん、読者は関心あるようですよ。それに肝心の当事者のことを忘れていませんか? 現場で改ざんをやらされ、命を絶った財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さん。妻の雅子さんは真相を求め、今も必死に裁判で渡り合っているんです。

 赤木雅子さんが、国と、改ざんを指示した佐川宣寿・元財務省理財局長を相手に闘っている裁判の非公開協議が8日、大阪地裁で行われた。佐川氏の代理人弁護士はコロナ対応でモニターを通したリモート参加だったが、そこで強硬に審理の打ち切りを求めたのだ。

 提訴から1年半、裁判は「赤木ファイル」が主な争点だった。改ざんの指示などを俊夫さんが残した文書で、国がやっと開示に応じたのが3カ月前。佐川氏の代理人は原告も立証に時間をかけ過ぎだとして、結審して裁判を終わらせてもいいくらいだと主張した。

 ■「あんたらがトロトロしとるからこうなるんじゃ!」
 
 これに雅子さんは憤った。原因は国がファイルをなかなか出さなかったからじゃないの。横に座っていた財務省職員の方を向いて「あんたらがトロトロしとるからこうなるんじゃ!」と故郷の岡山弁で言い放った。凍り付く財務省の職員たち。次に雅子さんはモニターの向こうにいる佐川氏の代理人に向き直った。

「裁判が遅いのは国のせいじゃないですか。私たちの責任じゃないです。それで裁判を終わらせようなんて、とんでもありません」

 誰にも止められない迫力だった。もちろん裁判は終わりはしない。

 前回の記事で、雅子さんが財務省に乗り込みバトルを繰り広げた話を紹介したところ、多くの反響があった。麻生さん、やっぱり読者は関心ありますよ。関心ないのは麻生さんじゃないですか?

相澤冬樹
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 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年09月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:森友問題「再調査しない」と断言する総裁候補3人は、赤木雅子さんの奮闘ぶりを知るべき

2021-12-19 06:34:30 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:森友問題「再調査しない」と断言する総裁候補3人は、赤木雅子さんの奮闘ぶりを知るべき

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:森友問題「再調査しない」と断言する総裁候補3人は、赤木雅子さんの奮闘ぶりを知るべき

 自民党総裁選が告示された17日、4人の候補の記者会見で質問に出た森友再調査。森友学園への国有地巨額値引きと、取引を巡る公文書改ざん。真相解明の再調査をするのかという問いに、野田聖子氏以外の3人は全員「再調査はしない」と、見事なほど一致した。

 再調査を求めているのは赤木雅子さん。現場で改ざんをやらされて命を絶った財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻だ。雅子さんがどんな思いで真相を求め行動しているのか、「再調査しない」と言い放つ彼らは知りもしないだろう。その一端をここに記す。

 8月11日。真夏の日差しが照りつける財務省前の路上に報道陣が大勢集まっていた。雅子さんが情報開示請求のため財務省を訪れる。その様子を取材するためだ。

 財務省はピリピリしていた。本人が来るというので最大級の警戒態勢。報道陣は内部の取材に入れないと宣告した。

 これに雅子さんがおさまらなかった。真相につながる情報を何とか引き出すには、開示請求したことを多くのマスコミに報じてもらい、大勢の方に知ってもらうことが重要なのだ。

 ■財務省でのひと悶着にも「私を向いて対応してくれました」

 雅子さんは弁護士とともに財務省内に入るや、報道陣を入れてほしいと交渉を始めた。かたくなに拒否する担当者。理由を尋ねても庁舎管理上の問題としか答えない。では弁護士自らがスマホで様子を撮影するのはどうか? それもダメだという。納得できない雅子さんは担当者に食い下がること1時間、思わず叫んだ。

 「私の夫は財務省に改ざんをさせられて亡くなったんですよ!」

 その瞬間、室内の空気が凍った。その場にいた全員が身じろぎもしなかった。皆わかっているのだ。結局、弁護団が撮影して報道陣に提供するのはOKとなった。

これがその時の写真(弁護団撮影)

      これがその時の写真(弁護団撮影)

 そんなバトルをしているとは、外で待っている私や報道陣にはわからない。ことが終わって出てきた雅子さんに顛末を聞いた私は、さぞ怒り心頭だろうと思って尋ねた。すると意外にも「本省の方の対応はよかったですよ」と言う。

 「納得できない答えは多かったけど、きちんと私を向いて対応してくれました。夫のことをわかってくれている感じがしました」

 遺族はこんな思いを重ねて真相に迫ろうと闘っているのだ。自民党新総裁は、少なくとも雅子さん本人に、なぜ再調査をしないのか納得できる説明をすべきだろう。

相澤冬樹
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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんに傍聴席から拍手「疑惑や不信を招く行為をこれ以上続けないで」

2021-12-19 06:34:20 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんに傍聴席から拍手「疑惑や不信を招く行為をこれ以上続けないで」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんに傍聴席から拍手「疑惑や不信を招く行為をこれ以上続けないで」

 傍聴席で拍手が沸いた。それを耳にした赤木雅子さん(50)は涙ぐんだ。

 「とっちゃん、みんな味方だよ。見ててくれるかな?」

 雅子さんの夫、赤木俊夫さん(とっちゃん)は森友学園への国有地値引きを巡り公文書を改ざんさせられ命を絶った。雅子さんは国などに裁判を起こし、夫が改ざんの詳細を記録した文書「赤木ファイル」の開示を求めた。裁判前日の22日、518ページに及ぶ赤木ファイルが開示されると、新事実が次々に読み取れた。

 「佐川氏の名挙げ指示」「改ざん指示に抵抗の痕跡」
 
 報道各社が大きく伝えた。待望の赤木ファイルを見て雅子さんは法廷で何と発言するのか? それがこの日の注目点で、33席の傍聴席に214人もの希望者が詰めかけた。証言台で雅子さんが訴えたことは……。

口頭弁論の後、取材に応じる赤木雅子さん(C)共同通信社

 口頭弁論の後、取材に応じる赤木雅子さん(C)共同通信社

 「赤木ファイルを見て、手書きの文字が夫の字だとすぐに分かりました。夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを作ってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」

 実際、涙で声が詰まりそうだった。

 「赤木ファイルには、私の知らない事実がたくさん記載されていました。夫が反対をしても一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが分かりました。佐川さんから国会答弁を踏まえた修正を行うように指示があったという記載もありました」

 新事実が明らかになっても、麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う。

 ■「第三者による再調査を」

 「国が夫の代わりに、国民の皆さんに何があったのかすべてを明らかにするべきだと思います。そのためにも、赤木ファイルで明らかになった新事実をもとに、第三者による再調査を実施するべきだと思います」

 「財務省の皆さんが改ざんの具体的経緯を明らかにしないことは、国民の疑惑や不信を招くような行為です。疑惑や不信を招くような行為をこれ以上続けないことを、私は心から願っていますし、夫も同じように願っていると思います」

 この言葉で締めくくり、またも涙ぐんだ雅子さん。その時、傍聴席から拍手が起きた。一人、また一人と数人が呼応した。数秒して拍手が収まると裁判長が静かに告げた。

 「静粛に願います」

 そこで雅子さんの胸に去来したのは……。

 「超うれしいです。夫への拍手でもあるし、心から応援してくれているんだと、温かい気持ちになりました」

 実は前の晩から歯が痛くなって体調は万全ではなかったのだ。それを補って余りある、すてきな拍手だった。

相澤冬樹
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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」

2021-12-19 06:34:10 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」

 「これ、夫の字です。すぐにわかります」

 文書を封筒から取り出して真っ先に、赤木雅子さん(50)は目を奪われた。書き込まれた手書きの文字。独特のくせ字で、自分以外は読めないだろう。3年前に命を絶った夫の文字だ。懐かしさと恋しさでいっぱいになった。

夫の手書きの文字を指さす赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹)

  夫の手書きの文字を指さす赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹)

 これが「赤木ファイル」。ついに国から開示された。それだけでニュースとなる注目の「赤木ファイル」とは何か? 森友事件で公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが、その実態を詳細に記した文書だ。夫の死の真相を知りたいと、妻の雅子さんが裁判を起こしてから1年以上にわたり国に開示を求めてきた。

 待望のファイルは518ページに及ぶ。改ざんを指示する財務本省からの相次ぐメール。差出人は黒塗りされているが重大な新事実がわかった。安倍首相(当時)の妻、昭恵さんの名前などを示し「削除した方が良い」と指示している。麻生財務大臣、安倍首相の名も記されていた。

 改ざんを指示する本省からのメールに、俊夫さんが手書きで「修正等の必要なし」と書いている部分もある。改ざんに抵抗した俊夫さんの無念の思いがにじんでいるようで、雅子さんはまたも胸が熱くなった。つらかったろう、悔しかっただろうな。

 俊夫さんは生前、「自分がやった犯罪行為について記録に残しているんだ」と雅子さんに打ち明けていた。俊夫さんの上司だった池田靖さんも雅子さんに「一目見て改ざんのことが詳細にわかる文書を俊夫さんは作っていた」と語っていた。

 夫が必死の思いで残した告発の記録はいったいどういう内容なんだろう? それは雅子さんにとって夫そのものであり、近畿財務局の中にある限り、夫が財務局に閉じ込められているようだった。その赤木ファイルがついに自分のもとに帰ってきた。そう、ファイルが出てきたのではなく、夫が私のもとに戻ってきたんだ。おかえり。そう思うとこれはただの518枚の紙ではなく、いとおしさが募る。

 ■随所に「重大な新事実」

 戻ってきた「夫」によって数々の新事実がわかった。それでも麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う。雅子さんは23日、法廷で発言する。夫が肌身離さず持ち歩いていた国家公務員倫理カードに書いてあることを、財務省の人たちはどう思うのか?

 「国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?」

相澤冬樹
著者のコラム一覧
 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年06月23日  13:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル「黒塗りはダメ。ゼッタイに」の世論が不可欠

2021-12-19 06:33:50 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル「黒塗りはダメ。ゼッタイに」の世論が不可欠

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル「黒塗りはダメ。ゼッタイに」の世論が不可欠

  今や時の言葉となった「赤木ファイル」。全国紙も地方紙も、沖縄から北海道まで津々浦々で取り上げられている。その論調も「黒塗りなど許されない」「全面開示すべき」と足並みそろっている。

大阪地裁での協議後に記者会見する赤木雅子さん(撮影:相澤冬樹)

 大阪地裁での協議後に記者会見する赤木雅子さん(撮影:相澤冬樹)

スピリチュアル大好き(安倍前首相の妻・昭恵夫人)/(C)日刊ゲンダイ

 スピリチュアル大好き(安倍前首相の妻・昭恵夫人)/(C)日刊ゲンダイ

 「赤木ファイル」とは何か? 森友事件で公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが、その実態を詳細に記した文書だ。夫の死の真相を知りたいと妻の赤木雅子さん(50)が裁判で開示を求めたが、国は「あるともないとも言わない」と逃げ続けてきた。ところが裁判官にも提出を迫られ、追い込まれて、ついに存在を認めた。「やっぱりあるじゃないか!」ということで「赤木ファイル」は一躍トレンドに躍り出たのである。

 存在判明後初となる12日の裁判所での協議。赤木雅子さんはいつも通り、法廷に入ってくる国の代理人たちに「よろしくお願いします」とお辞儀した。

 これまでは黙って会釈するぐらいの反応は返ってきた。ところがこの日は振り向きもしない。まるで雅子さんがそこにいないかのように。

 「赤木ファイルを出さざるをえなくなったから無視されるのかな」

 そう思うと彼女はブルーな気分になった。その後の協議でも国は誠実に答えない。赤木ファイルはどこでいつ見つかったのか?

 「裁判に関係ないから答える必要はない」

 提出時期も明言せず、次に法廷が開かれる6月23日ギリギリまで出さないつもりかと思われた。雅子さんの心はどんどん沈んでいった。

 ■再び現場に無理をさせるのか

 何より気になるのは、国が一部を黒塗りすると主張していることだ。プライバシーを理由に名前などを隠すと。「できる限り狭いものとする」とはいうが、これまでの国の態度を見れば安心はできない。

 そして黒塗りをさせられるのは常に現場だ。俊夫さんもやらされた。これ以上現場の職員に無理をさせないでほしい。黒塗りなどせずそのまま出してほしい。

 そこで心強いのは報道各社の論調だ。「黒塗り許すまじ」と迫っている。だから雅子さんは願う。報道により「黒塗りはダメ。ゼッタイに」という世論が高まれば、赤木ファイルの全面開示を勝ち取れるのではないかと。

 
 ■相澤冬樹 大阪日々新聞・元NHK記者

 大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者。1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを経て現職。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース・森友学園への国有地値引きも経緯を記した公文書の改ざん】  2021年05月14日  14:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.12.17】:福岡県議会・十中前副議長、課長級以上の県職員にパー券販売|問われる規範意識

2021-12-19 06:15:50 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【HUNTER2021.12.17】:福岡県議会・十中前副議長、課長級以上の県職員にパー券販売|問われる規範意識

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.12.17】:福岡県議会・十中前副議長、課長級以上の県職員にパー券販売|問われる規範意識 

 久留米市長選出馬を表明し、今年6月に就任したばかりの福岡県議会副議長を11月に辞任した十中大雅氏が、10月に開いた政治資金パーティーのパーティー券を、課長級以上の県職員に買わせていたことが分かった。

◇  ◇  ◇

 問題の政治資金パーティーは、県内のホテルで10月5日に開かれた「十中大雅副議長就任祝賀会」。6月に副議長に就任した十中氏が、コロナ禍の中、2万円会費のパーティー券を売りまくり、千万円単位の政治資金を集めたとみられている。

 県関係者の話によれば、十中氏側からパーティー券を買うよう依頼があり、課長級以上の職員の多くが購入したという。パー券を購入した一人が、次のように憤る。
「副議長として県政を支えてくれるものと考え、パーティー券を購入しました。相手は副議長なんですから、頼まれれば断るわけにはいきません。まあ、実態はパー券の押し売りですよね。違法ではないので引き受けましたが、まさか祝賀会から1か月かそこらで副議長という重要な職を放り出されるとは思ってもみませんでした。怒っている職員は少なくないと思いますよ」

 違法ではないとしても、役所を政治活動に利用するのは間違いだ。県職員のコメントにあるように、「頼まれれば断れない」という上下関係が存在するもの事実だろう。そもそも、県会議員の政治資金パーティーの会場に、多くの県職員が顔を出す光景は、決して好ましいものではあるまい。実際、問題の副議長就任祝賀会に参加した議会関係者は、県職員が大勢参加していることに気づいて呆れたと話す。

 「毎年10月1日から、赤い羽根募金が始まります。一般の方々が赤い羽根をつけて歩き回ることはほとんどないと思いますが、この時期になると、率先して募金をつのる立場の県職員は襟元に赤い羽根をつけます。十中さんの祝賀会に出たら、赤い羽根をつけた人がゾロゾロ。“県職員だな”と眺めていると、部長級だけでなく、なぜか課長級もいる。“よくやるな”という感じでした。副議長の立場を利用したパー券の押し売りですね。それが、ひと月で辞任じゃ政治資金詐欺と言われても仕方がないでしょう」

 ちなみに福岡市では1997年(平成9年)、自民党福岡市議団の創立40周年記念パーティーを巡って市議らが市交通局幹部にパーティー券販売の斡旋を依頼。地下鉄工事を受注した建設会社に割り当てていたことが表面化し、交通事業管理者が自殺する事態となる、いわゆる「パーティー券事件」が起きている。十中氏がどうやって県庁内部でパー券を売り捌いたのか調べる必要があるが、この元県議には規範意識が欠けているとしか思えない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑念・地方自治・福岡県議会】  2021年12月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2021.12.15】:十中大雅元福岡県議陣営の選挙収支報告に虚偽の疑い

2021-12-19 06:15:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER2021.12.15】:十中大雅元福岡県議陣営の選挙収支報告に虚偽の疑い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.12.15】:十中大雅元福岡県議陣営の選挙収支報告に虚偽の疑い 

 久留米市長選出馬を理由に任期途中で県議会副議長の職を放り出した十中大雅氏の陣営が、2019年(平成31年)4月に行われた福岡県議会議員選挙の際、県選管に提出した選挙運動費用収支報告書に虚偽の疑いがあることが分かった。

 ■後援会の支出を選挙収支に計上

 下は、平成31年3月29日告示、4月7日投開票の日程で行われた福岡県議会議員選挙で、十中陣営が県選管に提出した選挙運動費用収支報告書の一部だ。ハンターは、印刷費支出のページに記載がある「チラシ・封筒」、「室内用ポスター リーフレット」に注目した(*赤い囲みはハンター編集部)

 「チラシ・封筒」は契約日が2月1日で支出額は224,640円、支払い日は2月28日。「室内用ポスター リーフレット」も同じ契約日で支出額が437,400円、支払い日は2月22日となっている。

 選挙期間中に掲示や頒布が認められている印刷物は限られており、選挙用ポスター、選挙用ビラ、選挙用はがき程度だ。公費負担となった選挙用ポスターとビラの印刷費は上掲のページに明記されているとおりで、それぞれ879,700円と115,360円である。

 つまり、2月に支出された「室内用ポスター」や「チラシ」は、選挙用ではなかったということ。「リーフレット」は後援会活動用の印刷物とみられるが、いずれも選挙運動費用にカウントすることはできない。入手した領収書のコピーを確認したところ、あて名は「十中大雅後援会」となっていた。

 明らかに後援会活動にかかったものと分かる支出はまだある。「演説会場費」として計上され、3月23日に久留米市内のホテルに支払いが実行された「207,900円」の領収書には、但し書に「「3/18」 会場費として」とある(下、参照)。これもあて名は「十中大雅後援会」。選挙の告示は3月29日で、18日に選挙の演説会をひらいたとすれば、違法な「事前運動」だったことになる。

 

 ■後援会の政治資金収支も虚偽の可能性

 選挙運動費用とは思えない一連の支出は、どうみても後援会活動にかかったものだ。そこで、十中氏の資金管理団体「十中大雅後援会」が県選管に提出した2019年分政治資金収支報告書を確認したが、人件費や事務所費といった経常経費の記載があるだけで、政治活動費にかかる支出は「0」となっていた。同報告書には、本来記載されるべき印刷費などの記載がないことから、政治資金規正法上の不記載、あるいは虚偽記載の疑いがある。

 十中陣営の選挙運動費用収支報告書は虚偽ではないのか――?県選管によれば、ハンターの記者が指摘した点について十中氏側に伝えたが、回答が返ってきていないという。違法状態の収支報告書は修正もされず、放置されたままとなっている。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑念・地方自治・福岡県議会・選挙・久留米市長選】  2021年12月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.12.14】:裁判と刑事告訴で揺れる政治学者・三浦瑠璃氏の夫の会社

2021-12-19 06:15:20 | 【電力需要・供給、原発再稼働・廃棄物(核ゴミ)の中間貯蔵施設・他の電力...

【HUNTER2021.12.14】:裁判と刑事告訴で揺れる政治学者・三浦瑠璃氏の夫の会社

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.12.14】:裁判と刑事告訴で揺れる政治学者・三浦瑠璃氏の夫の会社 

 「裁判だらけですね」――そう話すのは、太陽光発電システムなどを中心とした投資コンサルタント会社「T社」の関係者だ。

 T社のトラブルと疑惑については、8月5日の配信記事「ざわつく女性政治学者の周辺|訴えられた夫の会社」で報じており、同社が刑事事件に関連しているのではないかという、情報を基づく内容だった。

三浦瑠麗

 T社を取り仕切るX氏は、才色兼備の政治学者として知られる三浦瑠璃氏の夫。菅義偉前首相や二階俊博元幹事長らとも関係が深いとされる三浦氏の夫とあらば、永田町でも注目される。

三浦清志

 今回、独自に入手した、X氏が東京地裁で係争中の民事裁判の資料や周辺情報から、そのX氏の窮状が浮き彫りになった。

 ■メガソーラー発電所巡るトラブル

 T社が争っている相手は、東京都に本社がある投資会社A社とその関連企業B社だ。今年4月、T社が投資会社に対して、貸し付けている2億円の支払いを求めて民事提訴したのだが、そこれまでには複雑な経緯があった。

 2018年7月、T社は兵庫県福崎町にメガソーラー発電所を建設するという計画をぶち上げる。そこに10億円の投資をしたのが訴えられた投資会社A社だ。

 裁判資料によれば、実質的には投資会社A社の関連企業B社が10億円を投資会社経由で、福崎町のメガソーラー発電所に特化したT社傘下のグループ3社と、2018年6月17日に交わした開発契約書に基づいて投資していたことがわかる。10億円のうち5億円は愛媛県の地銀からの融資、残りはM社などの自己資金だという。

 A社はそのB社から手数料1億円を受け取る約束があったようで、T社側から支払いを受けた。福崎町のメガソーラー発電所の計画に実質的に必要な金額は7億円程度とされ、10億円から1億円を差し引き9億円。すると2億円が余剰となる。その2億円をT社はA社に返済せよと求めているのだ。だが、肝心の福崎町メガソーラー発電所の計画はまったく進んでいない。

 ■計画頓挫で刑事告訴

 T社は、京都市の会社が進めていた福崎町メガソーラー発電所の土地や許認可(ID)を5億円で買収。その後、T社自身が完成させる予定だったことが裁判資料からは読み取れる。しかしT社は、京都市の会社との間でも紛争を起こしている。福崎町メガソーラー発電所予定地周辺の住民同意がとれないというのだ。

 ある地元住民が、こう話す。
 「当初は主に京都市の会社が開発準備にあたり、私たち住民への説明会も開催していた。その主体がT社に代わり、説明会も十分に行われなくなった。T社はアンケートなどを送ってきて、住民の意向を尋ねる姿勢をみせていましたが、不十分なものでまったく誠意を感じませんでした。最近になって、T社と京都市の会社がもめて裁判になっていると聞きました。正直、京都市の会社がやっていれば大きな反対理由もなく、同意したと思います」

 T社と京都市の会社との民事訴訟は継続している模様で、福崎町メガソーラー発電所の土地やIDの買収には至っていないとみられている。要するにT社は、投資会社A社やB社に福崎町のメガソーラー発電所の開発を約束したにもかかわらず、頓挫したままになっているということだ。

 投資したはずのメガソーラー発電所が完成しなければ、A社とB社の投資額10億円が焦げ付く。先述した裁判資料は、A社がT社を警視庁麻布警察署に詐欺罪で刑事告訴したことを示唆している。

 ■訴訟相手は元ソニー会長兼CEOの会社

 T社の背後には、三浦瑠璃氏の華麗なる人脈が見え隠れする。だが、A社やB社も負けず劣らず。B社のホームページには、取締役議長という肩書で元ソニー会長兼CEOの出井伸之氏、取締役に元財務省理財局次長の小手川大助氏らが名前を連ねる。さらに「顧問」として、東京地検特捜部の元部長・大鶴基成弁護士の名前まである。

 「B社は出井さんが実質的な創業者だそうです。向こうも投資に失敗とあらば、メンツもあるだろうし黙っていられないはず。三浦氏夫妻も冷や汗ものじゃないか。他の社員にも、訴訟のことは一切、しゃべっていない」(冒頭で登場したT社の関係者)

 A社はT社に対してメガソーラー発電所の開発や投資の返済を度々求めたが、実行されていない。計画は事実上頓挫しているにもかかわらず、なぜか2億円の部分に限定して、逆にT社が民事訴訟でA社に払えと言って争うという不思議な状況だ。今後の展開に注目が集まっているのは言うまでもない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・裁判・太陽光発電システムなどを中心とした投資コンサルタント会社「T社」】  2021年12月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2021.12.13】:宮路拓馬内閣府政務官の選挙収支に虚偽の疑い

2021-12-19 06:15:10 | 【政治とカネ・政党交付金・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会名による政治資金...

【HUNTER2021.12.13】:宮路拓馬内閣府政務官の選挙収支に虚偽の疑い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.12.13】:宮路拓馬内閣府政務官の選挙収支に虚偽の疑い 

 今年10月に行われた衆議院議員総選挙で鹿児島1区から出馬して当選した宮路拓馬内閣政務官の陣営が、県選挙管理委員会に提出した選挙運動費用収支報告書に、告示前の後援会活動とみられる支出を数多く記載していたことが分かった。「選挙運動」と「政治活動」が全く区別されており、公職選挙法が求める報告書の記載内容から逸脱している状況だ。現状では虚偽記載にあたる可能性がある。

 宮路氏側に事実関係の確認を求めたところ、内容を文書で送るようにとの指示。言われた通りに宮路氏の国会事務所に質問書を送ったが、回答期限を延ばした挙句、事実上の取材拒否となる短い文面のFAXを送ってくるという不誠実な対応だった。

 ■後援会活動経費が混在

 ハンターが鹿児島県選挙管理委員会に開示請求して入手した宮路陣営の選挙運動費用収支報告書には、「選挙運動費用」ではなく「後援会活動」にかかった支出とみられるものがいくつも計上されていた。

 例えば、収支報告書24ページにある広告費のうち8月3日支払いの137,500円(のぼり代:7月28日は契約締結日)、同月11日支払いの69,080円(看板代:8月2日は契約締結日)。総選挙の公示は10月19日、投開票が31日であり、時期的にみて後援会活動か政党活動にかかった費用とみるのが普通だ。
*下が報告書の該当ページ。以下、報告書の赤い書き込みはハンター編集部)

同様に、26ページにある食糧費のうち、9月3日の弁当代4,760円、9月4日の弁当代4,080円も選挙運動とは関係のない、後援会活動か政党活動の支出だった可能性がある。
*下が報告書の該当ページ)

 人件費支出にも疑問がある。報告書の4ページにある205,000円、同日付72,000円、同日付72,000円については、領収書の記載に「10月1日~18日分」(*報告書の下が、問題の領収書のコピー)とあり、選挙前の働きに対する報酬だ。公示前でも立候補準備として労務者報酬を支払うことは可能だが、この期間、宮路陣営が後援会活動に注力していたことを考えると支出目的を質さざるを得ない。
*下が報告書の該当ページと領収書の写し)

 宮路陣営がツイッター上に投降した画像なども確認してみたが、いずれも活発な「後援会活動」を示すものばかりだった。

 

■公示3か月前に「事務所開き 初穂料」

 公示の3か月以上前に「選挙事務所開き」を行えば違法な「事前運動」となるが、それを疑わせる支出が、下の報告書34ページに出てくる「榊代1,360円」と「初穂料25,000円」だ。

 神社が発行した初穂料の領収書を見れば一目瞭然(*下、参照)、但し書きには「事務所開き」と手書きされていた。選挙事務所が開けるのは、公示日、選管に立候補届出をする際に提出する「選挙事務所設置届」が提出された後。それまでに可能なのは後援会の事務所開きしかない。従って、8月の榊代や初穂料は選挙運動費用ではない。

 報告書には、その他にも7月から借上げられた事務所の賃料など、活動実態からみて選挙運動費用ではなく、後援会活動もしくは政党活動にかかった費用とみられる支出が散見される。

 “報告書の中に選挙運動費用以外の支出が含まれているのではないか?”――宮路氏の事務所に確認を求めたところ、「文書で質問内容を送れ」と指示されたため、永田町にある議員会館の事務所に質問書を送付した。質問事項は以下のとおりである。

1 収支報告書24ページにある広告費のうち、7月28日の137,500円(のぼり代)、8月2日の69,080円(看板代)は、選挙運動費用以外の支出ではありませんか?選挙運動費用以外の支出であれば、後援会活動にかかった費用か、政党活動にかかった費用か、ご回答下さい。

2 同様に、26ページにある食糧費のうち、9月3日の弁当代4,760円、9月4日の弁当代4,080円も選挙運動とは関係のない支出ではありませんか?選挙運動費用以外の支出であれば、後援会活動にかかった費用か、政党活動にかかった費用か、ご回答下さい。

3 4ページにある人件費のうち、10月18日に支出された205,000円、同日付72,000円、同日付72,000円は、領収書の日付によれば選挙前の働きに対する報酬のようです。これは選挙運動以外の支出ではありませんか?選挙運動費用以外の支出であれば、後援会活動にかかった費用か、政党活動にかかった費用か、ご回答下さい。

4 34ページにある榊代1,360円、初穂料25,000円は領収書の記載などから見て、明らかに選挙運動費用ではないものと思料いたします。後援会の活動費ではありませんか?

5 以上指摘させていただいた点以外にも、7月から借上げられた事務所の賃料など選挙運動費用ではなく、後援会活動もしくは政党活動にかかった費用とみられる支出が散見されます。精査された上、選挙運動費用以外の支出が何項目含まれているのか、ご回答下さい。また、間違いであった場合、修正されるか否かもご回答下さい。

 「精査に時間がかかるため回答期限を延ばしてもらいたい」という連絡があったため承諾したが、数日後にFAXされてきたのは下の1枚だった。

  「木で鼻を括る」とはこういうことをいう。これは回答ではなく、事実上の取材拒否。精査に時間がかかると言っておいて、質問には答えないというのだから呆れた事務所である。

 ちなみに、このFAXが送られてくる前日の12月9日、議員会館のエレベーターで偶然、宮路議員に出会った。名刺を出して「質問書をお送りしています」と挨拶して別れようとしたが、記者を呼び止めた宮路氏は「いつも厳しいご指摘をありがとうございます」と頭を下げた。慇懃無礼が実相であることは、このFAXを見れば明らかだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【選挙・衆院選2021・鹿児島1区】  2021年12月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪ビル火災】:大阪府警が容疑者の重体の男の氏名公表 放火と殺人の疑い

2021-12-19 01:52:50 | 【事故・不慮の事故・原発事故・惨事・予期せず、意図せず、発生する出来事、火災他】

【大阪ビル火災】:大阪府警が容疑者の重体の男の氏名公表 放火と殺人の疑い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪ビル火災】:大阪府警が容疑者の重体の男の氏名公表 放火と殺人の疑い 

 大阪市北区の繁華街・北新地にある雑居ビル4階の心療内科クリニックから出火し、24人が死亡した火災で、大阪府警は19日未明、現住建造物等放火と殺人の疑いが持たれている重体の男は住所職業不詳谷本盛雄容疑者(61)と特定したと明らかにした。

谷本盛雄容疑者(共同)谷本盛雄容疑者(共同)

谷本盛雄容疑者(共同)

 容疑者の自転車がビル近くで見つかっていたことが捜査関係者への取材で判明。周辺の防犯カメラに似た人物が自転車に乗る様子が写っていた。谷本容疑者が現場に乗り付けた可能性がある。府警は18日、死亡した6人の身元を確認したと発表した。

 火元のクリニック内の防犯カメラに写っていた事件当時の映像などから特定した。クリニックの診察券が見つかっている。

 身元が分かった犠牲者の内訳は20~30代の女性4人と30~40代の男性2人で、いずれも大阪府内在住。女性1人がクリニック関係者で、男性1人が自営業、4人は無職だった。

 捜査関係者によると、谷本容疑者の運転免許証が現場のビル内から見つかっていたことも判明した。

 出火の約30分前には、ビルの北西約3・5キロにある大阪市西淀川区の住宅で床が焼けるぼやがあった。ぼやとビル火災の間には、同区内の防犯カメラにも男が自転車に乗って移動する姿が写っていた。谷本容疑者はこの家に住んでいた時期があり、最近になり再び自宅として住み始めたとみられる。

 府警は谷本容疑者がぼやの後、住宅からビルに向かったとみて沿道の防犯カメラを解析し、二つの火災の関連や谷本容疑者の事件直前の足取りを調べている。

 火災では、クリニックにいた27人が心肺停止で搬送され、うち24人が死亡した。院長とも連絡が取れていない。残る3人は谷本容疑者と20~30代くらいの女性2人。府警は18日、ビルと住宅を現場検証した。

 現場は「西梅田こころとからだのクリニック」。目撃情報によると、谷本容疑者が受付近くの暖房器具そばに紙袋を置いて蹴り倒した際、漏れ出た液体に引火した。現場からは油分のようなものが検出されており、府警が詳しく鑑定する。

 火災は17日午前10時15分ごろに起き、クリニックの一部を焼いた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・「大阪ビル火災」】  2021年12月19日  01:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【事件】:大阪北新地ビル放火で浮上する「犯行の計画性」と「京アニ事件との類似性」

2021-12-19 01:51:00 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【事件】:大阪北新地ビル放火で浮上する「犯行の計画性」と「京アニ事件との類似性」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【事件】:大阪北新地ビル放火で浮上する「犯行の計画性」と「京アニ事件との類似性」

 現場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

 17日午前10時すぎ、大阪市北区曽根崎新地の雑居ビル4階の「西梅田こころとからだのクリニック」から突然、オレンジ色の火の手が上がった。

75台の消防車が消火活動にあたった(C)日刊ゲンダイ

  75台の消防車が消火活動にあたった(C)日刊ゲンダイ

 エレベーターを上がってすぐ右隣に非常階段があり、クリニックの入り口は左手にある。中に入ると、すぐ左が受付になっていて、その奥に20人ほど座れる待合室があった。診療開始直後、男がクリニックを訪れ、手に持っていた紙袋を受付近くの床に置き、蹴り倒した。袋から流れ出た液体が近くの暖房器具で引火し、燃え上がった。

 79平方メートルほどの狭い室内は瞬く間に黒煙に包まれ、有毒ガスが充満。火は入り口付近で激しく燃え、逃げ場を失った患者とスタッフは呼吸困難になり、バタバタとその場に倒れ込んだ。心肺停止状態の男性17人、女性10人が次々とストレッチャーで運び出され、水色のシートや毛布にくるまれた体は「くの字」に曲がり、ほぼ動いていなかった。その後、搬送先の病院で24人の死亡が確認されたが、亡くなった人の多くは外傷がなく、死因は一酸化炭素中毒だった。約25平方メートルが燃え、午後5時4分にようやく鎮火した。

 「あのクリニックは働く人のうつ病や大人の発達障害外来をしているので、悩みを抱え、働きながら通院している中高年がかなりいました。コロナの流行で、さらに患者が増えた印象です。仕事帰りにも診察を受けられるように、午後の診療は10時までやっています。いつも患者であふれ、1時間待ちなんてこともザラです。午前中に診察があるのは火曜日と金曜日だけで、その日は休職者が職場に復帰するための集団治療が行われています。17日も集団治療を受ける患者がたくさんいたはずです。ひょっとしたら犯人は、それを知っていたのかもしれません」(通院患者)

 放火犯はクリニックの通院患者で、心肺停止で病院に搬送されて意識不明の重体。犯人が受付近くの暖房器具で火を付けられると考え、可燃性の液体を用意してクリニックに向かっていたとしたら、周到な計画性がうかがわれる。

 36人の命が奪われ、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人を彷彿させる大惨事。第1スタジオにガソリンがまかれたことなど、類似点は多い。

 「青葉真司被告(43)は事件当日、近所のガソリンスタンドでガソリン40リットルを購入し、<多くの人が働いている第1スタジオを狙った>と供述しています。ライターで火を付けた後、わずか30秒後には3階建てのスタジオ全体に高温の煙が充満し、被害者たちは逃げ遅れました。遺体はすすだらけで、ほとんどの方の死因は一酸化炭素中毒でした。空気中の21%の酸素が6%以下になると、呼吸が停止するため、酸素濃度が低い空気を1回吸い込んだだけで、死亡することもあります」(捜査事情通)

 たまたま現場に居合わせ、無差別放火テロの巻き添えになった被害者が不憫でならない。

 ■容疑者に61歳の男性患者が急浮上

 大阪市北区曽根崎新地の「西梅田こころとからだのクリニック」に放火したのは、大阪市西淀川区に住む61歳の男とみられることが分かった。男は同クリニックに患者として通っていたという。

 火を付けたとみられる男が住んでいた家は現場から約3.5キロ離れた場所にあり、18日のNHKニュースによると、近所の住民は「付き合いはなく、空き家かと思っていたが、1カ月前から男を見かけるようになった」と話した。

 また、放火事件の30分ほど前の午前9時45分ごろ、男の家で放火とみられるボヤが起きていたことも判明。警察はクリニック放火事件との関連を調べている。

 男は病院に搬送されて治療を受けているが、容体はかなり危険な状態だという。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース】  2021年12月18日  18:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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