路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:辺野古の計画外工事 法治国家の衣投げ捨てた

2019-06-09 06:01:25 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・在沖米軍・オスプレー・普天間移設、米兵の犯罪】

【社説】:辺野古の計画外工事 法治国家の衣投げ捨てた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:辺野古の計画外工事 法治国家の衣投げ捨てた 

 県民投票で示された民意を一顧だにせず、なりふり構わず工事を強行する。法治国家の衣をかなぐり捨てたかのような国の姿勢である。

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は新たに造成した「K8」と呼ばれる護岸を使って、埋め立て用土砂の陸揚げを始めた。
 2013年に防衛省が県に提出し14年に変更された公有水面埋立承認願書の「設計概要説明書」は、現在の工事区域の土砂搬入場所として大浦湾側の埋め立て区域の「中仕切岸壁」を明示している。「K8」護岸や、先に使用している「K9」護岸からの陸揚げについては触れていない。
 設計概要説明書に記載した事項は県に対する約束事である。護岸に係船機能を追加するのなら県の承認が必要になるはずだが、協議の申し出すらない。
 これについて岩屋毅防衛相は7日の記者会見で「具体的な陸揚げ場所までは特に限定されているわけではない。K8護岸からの搬入は問題ない」と言ってのけた。
 防衛相の発言は、提出した文書が単なる参考資料であって従う必要はないと表明したに等しい。そうであれば、このような説明書に何の意味があるのか。その場しのぎで作成したものだったのか。
 今後、埋め立てを伴う公共工事を国が進める際に提出される設計資料は、内容が予告なしに無断で変更されるという前提で受け取らなければならなくなる。ひとり沖縄だけの問題ではない。
 法令の順守を指導する立場にある政府が、本来取るべき手続きを無視して埋め立てを進めている。独裁国家と見まがうような振る舞いである。
 土砂の搬入を急いだからといって、全体の工期が短縮されるとは思えない。埋め立て予定海域東側に軟弱地盤が広がっているからだ。既成事実を積み重ね、県民に無力感を味わわせ、諦めさせることが目的と言っていいだろう。
 軟弱地盤は最も深いところで海面から約90メートルに達する。広範囲にわたり改良工事が必要になるという。地盤強化のため砂を締め固めたくいを約7万7千本打ち込む工法が検討されているが、「現状では90メートルまで打ち込むのは技術的に不可能」ともいわれている。
 政府は埋め立て工事に要する総事業費を「少なくとも3500億円以上」と説明するだけで、明確な金額を示し切れていない。工期についてもあやふやだ。県の試算では、地盤の改良だけで1500億円、総工費は最大2兆6500億円まで膨らむ。
 地元が強く反対する中、総工費や工期を明示できない状態で進められているのが辺野古の埋め立てである。このようなずさんな公共事業がかつてあっただろうか。
 民意を踏みにじるだけでなく、莫大(ばくだい)な血税を浪費する荒唐無稽な工事である。直ちに中止すべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月13日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:那覇空港で停電 幾重もの防止策不可欠だ

2019-06-09 06:01:15 | 【経済・産業・企業・IT・ベンチャー・起業・インバウンド(訪日外国人客)事業】

【社説】:那覇空港で停電 幾重もの防止策不可欠だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:那覇空港で停電 幾重もの防止策不可欠だ 

 客を招き入れ、送り出す玄関口がこれではいけない。県民にとっても県内外を移動する大事なインフラであり、一方で物流を担う拠点である。空港機能は、まさしくライフラインに等しいことを肝に銘じてほしい。

 那覇空港で9日午前6時56分ごろから同8時20分ごろまで停電があった。搭乗手続きなど主要機能が失われ、少なくとも数百人に影響が出た。運航ダイヤも終日乱れた。国内、国際線で少なくとも24便が欠航、遅延している。
 運航機能だけが損なわれたのではない。エスカレーターやトイレの洗浄なども停止している。空港利用者、とりわけ幼児や高齢者、障がいのある人たちへの不便は計り知れない。
 停電の原因は2機ある変圧器のうち、1機に過剰な電力が流れ、もう1機の変圧器に全電力が流れて処理能力を超え、ブレーカーが落ちたことだという。送電は正常だったため、備えていた非常用発電機も稼働しなかった。
 那覇空港は3月に国内、国際線旅客ターミナルビルをつなぐ連結施設が完成している。国際、国内の客の乗り継ぎがスムーズになった。併せて施設規模も拡大している。
 国際線のチェックインカウンターが3倍の60ブースとなり、飲食店や土産品店など36店が新たに出店した。
 運営管理する那覇空港ビルディング(NABCO)によれば、今回の停電の原因の一端には、連結ターミナルの設計をした際に想定していた電気使用量を超えたことがあるという。
 詳細な停電原因については「調査中」としているが、二度とあってはならないことだ。早急に原因を究明し、徹底した再発防止策を講じる必要がある。
 停電を受け、那覇空港ビルディングは、3台あるうちの1台の変圧器の設定を変更して電力の許容量を拡大した。残りの2台についても許容量の設定変更をする対策を検討するという。
 これを機会に想定されるあらゆるシステムエラーやヒューマンエラーについても検討を進めてもらいたい。
 2018年の速報値で那覇空港の旅客数は2138万人(国内線1754万人、国際線384万人)に上る。1日当たり6万人近く人が利用している。利用客数の増加に伴い、空港施設にかかる負荷も増大している。それに備えた対応策は常に更新されなければならない。
 国土交通省によると、災害以外での長時間停電は全国でも例がないという。
 2020年3月には第2滑走路の利用開始が予定されている。離島県である沖縄にとって、いざという時に別の空港を使うなど、代替の利かない施設である。
 空港は、誰にとっても常に安心、安全が確保された施設でなければならない。幾重にも安全策を講じるべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月12日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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