路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【加計学園】:安倍首相“新元号ショー”の裏で、獣医学部のゴリ押し認可がまた露呈!

2019-06-06 08:15:30 | 【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】

【加計学園】:安倍首相“新元号ショー”の裏で、獣医学部のゴリ押し認可がまた露呈! 問題だらけで文科省が「改善」要求

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【加計学園】:安倍首相“新元号ショー”の裏で、獣医学部のゴリ押し認可がまた露呈! 問題だらけで文科省が「改善」要求 

 安倍首相の“私物化”が止まらない。新元号の発表後には異例の総理会見を開いたが、そこでは「ちょうど本日から働き方改革が本格的にスタートします」「かつては何年もかけてやっと実現するレベルの改革が、近年は国民的な理解のもと、確実におこなわれるようになってきた」「一億総活躍社会をつくることができれば、日本の未来は明るい」などと新元号にかこつけて自分の政策をアピールまでおっぱじめる始末だった。

安倍首相新元号ショーの裏で、加計学園獣医学部のゴリ押し認可がまた露呈! 問題だらけで文科省が「改善」要求の画像1

   学校法人 加計学園HPより
 
 働き方改革では、経済界の要望に応えて“残業代ゼロで働かせ放題”の「高度プロフェッショナル制度の創設」をゴリ押し。安倍首相は過労死遺族の面談要求を拒否したその日、銀座の料亭で経団連の今井敬、御手洗冨士夫・両名誉会長らと会食するなど、国民の切実な声を無視した。そうやって“お友だち”を優遇して強行採決した法案を「かつては何年もかけてやっと実現するレベルの改革」「国民的な理解のもと」などと胸を張るとは、まったく国民を舐めきっている。

 だが、安倍首相の“お友だち優遇”政治の問題は、まだまだ終わらない。じつはつい先日も、あのアベ友案件で、やはりと言うべき結果が報告されたからだ。そう、加計学園問題だ。

 先月3月29日、文科省は、新たに開設された大学などにおける設置計画の履行状況を調査した結果を公表。そこで「改善」が指摘された私立106校のなかに、岡山理科大学獣医学部が入っていたのだ。

 しかも問題は、その「改善」を指摘された内容だ。公表された調査結果によると、岡山理科大の獣医学部に対して出された指摘は〈定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が高いことから,定年規程の趣旨を踏まえつつ適切な教員組織の編制に努めること〉ということだった。

 そして、この問題は、獣医学部の新設を認める答申を出した文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)でも指摘されつづけていたものなのだ。

 簡単に振り返ると、加計学園の獣医学部新設をめぐっては、2017年、設置審は新設認可判断を8月から10月に延期したが、当初から設置審は「定年退職した65歳以上の教授と、大学を卒業したばかりの若手が多い」(毎日新聞2017年6月5日付)と指摘していた。実際、加計学園が文科省に提出した書類では、専任教員75人のうち、1〜6年生が揃う2023年度末時点で定年の65歳以上となる教員が20人にも及んでいた。

 ところが、同年11月9日に設置審は新設を認める結論の答申を出す。しかも、認可を認める答申が出されながらも、この「教員の定年問題」が解決されているわけではなかった。留意事項としてやはり〈完成年前に、定年規定に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が比較的高い〉と注文がつき、その後も問題は解消されておらず、今回、「改善」の指摘が出されたのだ。

 いや、こうなることはある程度、想像できた結果なのかもしれない。というのも、新設を認める答申を出したあと、設置審の委員からは「みんな納得していない。忸怩たる思いだ」などと不満が噴出。マスコミに対して問題点を訴えるという事態となったからだ。

 しかも、設置審の委員が「依然として実習体制が十分でない」と指摘したところ、「取りまとめ役を務めた委員」が「設置審としてこれ以上認可を先延ばしにすれば、学園側と訴訟を含めたトラブルになる可能性がある」などと発言。「訴訟という言葉を聞かされ、何も言えなくなった」と話す委員もいたほどだった。

 ◆問題だらけの加計学園獣医学部のゴリ押し認可を安倍首相は説明せよ 

 非公開の審議で、事実上、圧力が加えられたなかで出された、加計学園獣医学部の設置認可──。結果、開学後もさまざまな問題が起こっており、たとえば今年2月に本サイトで報じたように、「深刻な四国の獣医師不足を解消するため」という大義名分で新設されたはずなのに、四国で獣医師になることを希望する「四国枠」合格者がたった1名しかいなかったのである。

 この問題については、加計学園だけの責任ではない。なにせ、地方ではとくに確保に悩まされてきた公務員獣医師の問題は「地方では獣医大学があっても増えるものではない」「まずは待遇の改善をおこなうことが先決だ」と指摘されつづけていたのだ。だが、安倍首相はそうした意見に対してまともに答えず押し切った。結果、こうした状況に陥っていることを、安倍首相はしっかり国民に説明するべきだ。

 改元を自己アピールの機会にし、まるで新元号によって新しい時代に変わるかのような演出に余念がない安倍首相。まんまと成功しメディア各社の調査では支持率が軒並み上昇しているようだが、森友・加計問題をはじめ、安倍首相の疑惑が消えてなくなることなどけっしてないのである。(編集部)

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2019年04月03日  10:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:羽生九段最多勝 不屈の心で築いた記録

2019-06-06 06:10:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【社説①】:羽生九段最多勝 不屈の心で築いた記録

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:羽生九段最多勝 不屈の心で築いた記録 

 将棋の羽生善治九段が、歴代最多となる千四百三十四勝を挙げた。棋界の第一人者でありながら、今は若手の台頭でタイトルを失っているが、その苦境の中、不屈の心で築いた偉大な記録だ。

 羽生さんは四日、王位戦の予選で永瀬拓矢叡王(26)に勝利。大山康晴十五世名人(一九九二年没)が持っていた通算千四百三十三勝の歴代最多記録を更新した。

 大山十五世名人は、昭和を代表する大棋士。記録の達成は亡くなった六十九歳の時で、プロ入りから五十二年のことだった。

 一方、羽生さんは一九八五年のプロ入りから三十三年、まだ四十八歳での達成。勝率も、大山十五世名人の六割四分七厘を大幅に上回る七割八厘という高さだ。

 この間、九六(平成八)年には史上初となる七冠の全制覇を成し遂げ、平成を代表する棋士となった。タイトルを次々に獲得してもおごらず、強さとともにその謙虚な人柄でも尊敬を集めた。

 だが近年は、人工知能(AI)を取り入れた将棋ソフトで研究する豊島将之(とよしままさゆき)三冠(29)をはじめ、羽生さんを目標としてきた若い世代の前に苦戦が続いている。

 昨年は、これも前人未到の「タイトル獲得通算百期」という大記録の懸かる竜王戦で敗北。二十七年ぶりで無冠となったが、その際の談話が実に前向きなものだった。「しっかり反省し、これから先につなげていけたら」と。

 無冠となった後は「前竜王」を名乗ることもできた。だがそれは選ばず、二十人以上いる「九段」の一人として、新たな一歩を踏み出した。敗戦の弁ともども、敗れても屈せず、再び立ち上がろうとする気概のにじむ選択だった。

 プロ棋士でもAIに勝てなくなった現代、棋士に求められるのは単なる勝ち負けではなく、知恵と気力を絞って競い合う生身の人間の迫力やすごさ、ひいては一芸に打ち込む人間の美学を、見る者に示すことではないだろうか。

 羽生さんが大山十五世名人の記録に並んだ五月二十三日の王位戦予選を、その例に挙げたい。相手は「光速流」の異名を持つ谷川浩司九段(57)。かつてはタイトル戦で名勝負を繰り広げ、今はともに「九段」を名乗る。

 中盤は谷川九段が優勢となったが、羽生さんは諦めず、勝負手を放って逆転で勝利。偉大な記録にふさわしい名局となった。この一局を、さらには苦境にあってもなお前進を志すその姿を、将棋ファンでなくとも心に刻みたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:天安門事件30年 真相究明に背向けるな

2019-06-06 06:10:36 | 【中国・共産党・香港・台湾・一帯一路、「国家の安全」、個人の権利を抑圧する統治】

【社説②】:天安門事件30年 真相究明に背向けるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:天安門事件30年 真相究明に背向けるな 

 中国が民主化デモを武力鎮圧した一九八九年の天安門事件から四日で三十年となった。中国は事件封印に躍起だが、国際社会で信頼される真の大国を目指すなら、真相究明に背を向けてはならない。

 中国報道官は五月下旬の記者会見で、外国報道陣が事件について聞くと「政府は早々に一九八九年の『政治的風波』に対する評価を定めている」などと答えた。

 中国語で「風波」とは「騒ぎ」を表す。中国公式発表ですら犠牲者三百十九人とする大事件を「風波」と言うのは、民主化弾圧との批判をかわす狙いに映る。中国は一顧だにしないが、英政府は犠牲者を三千人とも推計する。

 発生日付から「六・四」と呼ばれる事件は国内ネットで検索できず、学校でも教えられない。本紙報道によると、ある高校生が北京の中学時代の同級生に聞いたところ、事件を知っていたのはクラスで二人だけだったという。事件から三十年後の中国の実情である。

 中国は、「天安門後」に生まれた若者には事件を封印し、事件を経験した世代には厳しい報道統制で批判や論評を禁じてきた。

 どの国にも直視したくない恥ずべき過去はあろうが、総括や反省をせず、国民や国際社会の記憶から消し去ろうとするのは、とても誠実な態度とはいえない。

 事件当時の学生指導者の一人で懲役十一年の判決を受けた王丹氏(50)は、亡命先の米国で本紙の取材に「状況は事件当時より悪化している。悲しいが、短期的には中国の民主化が進む希望はない」と悲観的な見通しを示した。

 王氏は事件に先立つ八九年四月に天安門広場で演説し、党や政府の指導者と子弟の資産公開や民間新聞の発行などを訴えた。学生らの運動は、政治腐敗への抗議や社会格差是正など民主化要求を核とするものであったといえる。

 だが、当局は彼らに「動乱分子」のレッテルを貼ったままだ。犠牲者遺族でつくる団体「天安門の母」は九五年以来、真相究明や責任追及を求める公開書簡を出してきたが、事件再評価の動きはない。百二十七人が名を連ねた「天安門の母」のうち、五十六人が鬼籍に入った。

 中国の国防相は二日、シンガポールでの会議の際の質疑応答で、軍による制圧を「正しいやり方」と正当化した。事件を封印する姿勢より強硬で開き直りにも映る。遺族らは納得できないだろう。誠実に真相究明に向き合ってほしい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:永井荷風の散歩姿は変わっている。有名な写真がある。洋装に下駄(げた)。

2019-06-06 06:10:32 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【筆洗】:永井荷風の散歩姿は変わっている。有名な写真がある。洋装に下駄(げた)。それにこうもり傘。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:永井荷風の散歩姿は変わっている。有名な写真がある。洋装に下駄(げた)。それにこうもり傘。

 今の感覚からすれば、これだけで十分奇妙だが、決定的なのは腕にぶら下げた買い物かごである▼買い物かごと聞けば、スーパーに置いてあるプラスチック製のかごを思い浮かべるかもしれぬが、そうではなくて昭和の夕暮れ時のお母さんに似合いそうな籐(とう)などで編んだかごである。二度の離婚の後は一人暮らしだった荷風は自分で煮炊きしていたというから、買い物かごが重宝したのか。一説ではその買い物かごの中に預金通帳まで入れて持ち運んでいたそうである▼その話題に倹約家だった荷風さんなら買い物かごを勧めたかもしれぬ。政府はスーパーやコンビニなどでのレジ袋の無償配布を一律に禁止する方針だそうだ▼海洋汚染につながるプラスチックごみを少しでも減らそうという取り組みで、一部の自治体では既に行われている▼今までは無料だったレジ袋が一枚数円から十円。釈然としないが、払いたくなければ自分のバッグを使うしかあるまい。こうした日常的な取り組みがプラスチックごみを意識する一つの象徴にもなれば、法制化の意味はあろう▼スーパーなどで見ている限り、レジ袋を断るマイバッグ派は圧倒的に女性である。買い物かごの荷風の姿を奇妙と書いたが、そういう男性の姿が当たり前になる時代は悪くない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年06月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【私設・論説室から】:国難突破どこ吹く風

2019-06-06 06:10:28 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【私設・論説室から】:国難突破どこ吹く風

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:国難突破どこ吹く風 

 初夏の風が頬に心地よいと感じていたのもつかの間、国会周辺から生臭い風が吹き始めた。衆院の「解散風」である。

 今年は三年に一度、半数が改選される参院選の年だ。衆院議員任期は二年以上残っており、通常なら参院選だけ行われるが、六年前の参院選で大勝した自民党は今回、議席を減らす可能性が高い。ならば衆院も解散してダブル選挙の相乗効果で議席を増やそうというのが解散風の正体だ。自民党が圧勝した過去二回の再現をもくろんでいるのだろう。

 とはいえ、二年前の衆院解散時、安倍晋三首相少子高齢化北朝鮮情勢を「国難」と称し、それを突破する「国難突破解散」と言ったことを不問に付すわけにはいかない。

 今年十月の消費税率10%への引き上げで増える財源の使途を一部、国の借金返済から、教育・子育て支援に変更したり、北朝鮮に対して「力強い外交を進める」ためには、国民の信を得る必要がある、という理屈だった。

 今回、消費税増税の延期をダブル選挙の大義に掲げるなら二年前の公約は無意味になるし、力強い外交結末前提条件なしの日朝首脳会談実現だとしたら国民への裏切りだ。

 当初から疑義があった「国難突破」を解散の大義にしたこと自体、そもそも誤りだったのではないか。だとしたら、首相がすべきは衆参ダブル選挙で国民に信を問うことではなく、自ら職を辞することである。(豊田洋一)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2019年06月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:6月4日(火)

2019-06-06 06:10:24 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【首相の一日】:6月4日(火)

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:6月4日(火) 

 【午前】8時55分、官邸。9時2分、閣議。17分、宇宙開発戦略本部。34分、谷内正太郎国家安全保障局長、外務省の秋葉剛男事務次官、鈴木量博北米局長、岡浩中東アフリカ局長。10時16分、自民党サイバーセキュリティ対策推進議員連盟の野田聖子会長らから提言書受け取り。11時11分、シャナハン米国防長官代行の表敬。岩屋毅防衛相ら同席。

 【午後】0時53分、吉村泰典内閣官房参与。1時26分、二階俊博自民党幹事長。2時7分、全国トラックドライバー・コンテスト優勝者の樋口和孝さんらの表敬。トラック運転席試乗、記念撮影。20分、麻生太郎副総理兼財務相、財務省の岡本薫明事務次官、浅川雅嗣財務官、武内良樹国際局長。3時7分、麻生副総理兼財務相。37分、公邸。月刊誌「Hanada」掲載用のジャーナリスト桜井よしこ氏との対談。4時43分、官邸。45分、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。5時10分、谷内国家安全保障局長、北村滋内閣情報官、防衛省の槌道明宏防衛政策局長、大塚海夫情報本部長。19分、北村内閣情報官。46分、衛藤晟一首相補佐官。6時8分、外務省の秋葉事務次官、岡中東アフリカ局長。16分、外務省の秋葉事務次官、金杉憲治アジア大洋州局長。31分、公邸。大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト、コモンズ投信の渋沢健会長、JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストらと会食。8時35分、全員出る。宿泊。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年06月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:「自動運転」逆走 技術過信はなかったか

2019-06-06 06:10:20 | 【事故・不慮の事故・原発事故・惨事・予期せず、意図せず、発生する出来事、火災他】

【社説①】:「自動運転」逆走 技術過信はなかったか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:「自動運転」逆走 技術過信はなかったか 

 事故に遭った乗客はすごい恐怖を味わっただろう。横浜市の新交通システムの逆走事故で十四人が重軽傷を負った。同型の無人車両は各地で運行されており、原因の徹底究明は待ったなしだ。

 横浜市の湾岸沿い十一キロ(新杉田-金沢八景間)を走る「金沢シーサイドライン」は、一九八九年から運行を開始し、九四年に無人化した。自動列車運転装置(ATO)を搭載し、路線状況を隅々まで記憶したコンピューターの制御で動く仕組みだ。

 運行は司令室の職員が常に監視する。だが事故の際、異常を示す信号がATOから送られた形跡はなかった。

 運営会社「横浜シーサイドライン」の三上章彦社長は「逆走は想定外だった」とする。しかし現実に車両は二十五メートルも逆走した。車止めがなかったらさらに暴走し壁などに激突した恐れがある。

 同型システムは東京都の「ゆりかもめ」や九三年にオーバーラン事故を起こした大阪市の「ニュートラム」、神戸市の「ポートライナー」など横浜含め計七路線ある。通勤通学客だけではなく国内外の観光客も日常的に乗っており「想定外」ではすまされない。

 駆動の仕組みは異なるが無人運転で名古屋市と豊田市を高速で結ぶ「リニモ」も緊急点検し、一部区間では職員を常駐させた。当然の措置である。この際、全国の無人運転列車の安全性を念には念を入れて確かめるべきだ。

 事故路線は毎日約五万人が利用している。ここで指摘したいのは国の原因究明がなされないまま焦って運行再開することだ。

 運営会社は他の交通機関と連携し代替輸送などに全力を尽くす必要がある。再開の場合でも乗客の心理面を考慮し、リニモ同様職員を常駐させるべきだろう。

 気になるのは「新交通」という呼び方だ。最も古いポートライナーは八一年開業だ。各路線とも最新の技術なのか疑問が残る。

 無人運転の場合はあらゆる事態を想定し、自動停止で事故を防ぐ機能が必要不可欠だ。だが今回、逆走事故を防ぐ機能はなく、構造欠陥を抱えたシステムが長期間にわたり使われていた可能性さえある。

 無人運転とはコンピューター運転の言い換えだ。だが安全を担保するのはあくまで人間による不断の努力であるべきだ。機械が何を起こしたのか。その解明なくして無人の乗り物が人を運ぶことはあり得ないはずだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:日韓防衛相会談 向き合って信頼回復を

2019-06-06 06:10:16 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説②】:日韓防衛相会談 向き合って信頼回復を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:日韓防衛相会談 向き合って信頼回復を 

 日韓防衛相会談が八カ月ぶりにシンガポールで実現した。懸案になっていたレーダー照射問題で結論は出なかったが、北朝鮮問題などで両国の協力は欠かせない。対話で信頼を積み上げてほしい。

 日本国内には、レーダー照射を韓国側が認めないのなら、防衛相会談に応じるべきでないという批判的な意見が多かった。

 確かに韓国側は、「自衛隊機が威嚇飛行をした」との主張を繰り返すだけで、進展はなかった。

 責任論にこだわるよりも、再発防止策を話し合う方が重要なのは言うまでもない。

 その点、会談では艦船などの偶発的衝突を避けるための「行動基準」を順守することで認識を共有しており、意味があった。

 日韓関係は歴史問題などを巡り、たびたび悪化してきた。防衛当局間の協力まで影響を受けることはほとんどなかった。

 ところが昨年十月、海上自衛隊旗の掲揚問題がもつれ、海上自衛隊は韓国・済州島で行われた観艦式への参加を見送った。

 さらに同年十二月、韓国艦艇による日本の海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題が起き、両国の軍事交流や協力関係が途絶えてしまった。

 北朝鮮の非核化をめぐる交渉が停滞し、日韓の協力が必要な場面が増えている。大局的な観点から関係改善を図るべきだ。

 防衛当局のトップが直接会談したことで、取りあえず不正常な状態を脱する糸口が見つかった。しかし政府レベルで見ると、対立は依然として続いている。

 戦時中の元徴用工を巡り、日本企業に賠償を求める韓国での判決が、最大の原因だ。

 日本政府は一九六五年の日韓請求権協定により、この問題に関する仲裁委員会の設置を求めているが、韓国側は応じていない。

 日本企業の資産が実際に売却され実害が出た場合、日本政府は報復措置を取るとしており、両国関係に多大な悪影響を与えよう。

 韓国側からはなかなか打開策が出ない。「司法の判断を尊重する」との文在寅(ムンジェイン)大統領の考え方が影響しているからだ。ならば今月下旬の二十カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、日韓首脳が会談したらどうか。

 今年三月、訪韓日本人は三十七万人を超え、月別では国交正常化以降最高となった。韓国からも昨年、年間七百万人以上が日本を訪れた。この貴重な国民的交流を、政治が壊してはならない。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:作家の向田邦子さんが家族写真の思い出を書いていた。

2019-06-06 06:10:12 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【筆洗】:作家の向田邦子さんが家族写真の思い出を書いていた。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:作家の向田邦子さんが家族写真の思い出を書いていた。

 写真屋さんに家族写真を撮ってもらう▼大騒ぎだったそうだ。小学五年の向田さん、かわいそうに数日前に鼻の頭におできができてしまった。泣いているとお父さんが「お前の鼻を写すんじゃない」とどなる。お母さんが修整を頼んであげるととりなしたが、いよいよ撮影という時に笑い上戸の弟が笑いだし、お父さんにしかられる▼大騒ぎだった写真。だが、大人になって見返すと当時の様子や匂いまでよみがえってくると書いている。「大雨の日に雨戸を叩(たた)いて落ちてきた夏みかんや枇杷(びわ)の匂いがしてくるのである」▼その家にも家族の写真があったはずである。そして包丁を手にする前にもう一度、その写真を見ていたら別の展開もあったのではないかと想像したくなる。農林水産省の元事務次官が四十代の長男を包丁で刺し、殺害した事件である▼長男は自分や妻に暴力を振るっていた。川崎市で子どもを殺傷したような事件をやがて長男も起こすのではないか。そんな不安があったという▼世間に迷惑をかけるぐらいなら。思い詰めた心が理解できぬわけではない。が、その包丁を首肯することはできぬ。関係機関への相談など手はまだ残っていたと信じる。命を奪い、すべての道を閉ざしてしまった。七十六歳の元次官の結論を哀れとうめく。それでも間違っている。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年06月05日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:6月3日(月)

2019-06-06 06:10:08 | 【政策・閣議決定・骨太方針・国の基金・愚策、マイナカード・2025大阪万博他】

【首相の一日】:6月3日(月)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:6月3日(月) 

 【午前】9時44分、官邸。10時、平田竹男東京五輪・パラリンピック推進本部事務局長。28分、東京・内幸町の帝国ホテル。宴会場「桜の間」で国内外の大手製薬会社の最高経営責任者(CEO)らによる会合「BCRミーティング」に出席し、あいさつ。48分、官邸。49分、石井準一自民党参院議員。11時30分、宗像紀夫内閣官房参与。45分、平井卓也宇宙政策担当相、高田修三宇宙開発戦略推進事務局長。

 【午後】0時39分、政府与党連絡会議。1時1分、麻生太郎副総理兼財務相。2時4分、河野太郎外相、谷内正太郎国家安全保障局長、上月豊久駐ロシア大使、外務省の秋葉剛男事務次官、正木靖欧州局長。33分、岩屋毅防衛相、槌道明宏防衛政策局長加わる。3時12分、ヤンドロコビッチ・クロアチア議会議長の表敬。32分、北村滋内閣情報官。48分、西川公也内閣官房参与。4時15分、荒井広幸内閣官房参与。34分、浜田宏一内閣官房参与。59分、国会。5時1分、自民党役員会。40分、官邸。44分、茂木敏充経済再生担当相、新原浩朗経済産業省経済産業政策局長。6時34分、イスラム諸国の駐日大使らとの食事会「イフタール」。7時15分、東京都渋谷区西原の中華料理店「ジーテン」。河野雅治外務省中東和平担当特使夫妻、昭恵夫人と会食。9時38分、東京・富ケ谷の私邸。43分、岸田文雄自民党政調会長。10時33分、岸田氏出る。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年06月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:浦西中に米軍落下物 「普天間」は早急に閉鎖を

2019-06-06 06:01:30 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・在沖米軍・オスプレー・普天間移設、米兵の犯罪】

【社説】:浦西中に米軍落下物 「普天間」は早急に閉鎖を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:浦西中に米軍落下物 「普天間」は早急に閉鎖を 

 最も安全でなければならない学校に、またしても米軍ヘリの部品が落下した。今度は浦添市の浦西中学校だ。2017年にも米軍は宜野湾市の普天間第二小学校で落下物事案を引き起こしている。これ以上、看過できない。危険な米軍普天間飛行場は早急に閉鎖すべきだ。

 米海兵隊は浦西中で発生した落下物について普天間飛行場所属のCH53Eヘリコプターのプロペラ部品であることを5日認めた。
 浦西中では4日午後3時半ごろ、校庭のテニスコートに生徒二十数人と野球部員がいた。部活動をしていた生徒は「校庭の上空からひらひらと何かが落ちてきた」と話している。地面に落ちた後に上空を見ると、学校から南に向けて飛行するヘリを目撃した。落下物は縦18センチ、横12センチ、重さ約20グラムの部品だが、部活動中の生徒の足元に落ちている。
 プロペラの運航性能を維持する部品のようだが、米軍の整備態勢はどうなっているのか。おざなりのチェックで運用している可能性がある。原因がはっきりするまでヘリの飛行を中止するよう米軍に対し強く求めたい。
 普天間第二小学校で17年に発生した落下物事案では、米軍ヘリの窓が小学校の運動場に落ちた。当時、約60人の児童が運動場にいて、落下地点と児童との距離は約10メートルしか離れていなかった。しかも落下の衝撃で飛んだとみられる石が男児の左腕に当たった。
 問題なのは、同じく17年に宜野湾市の緑ヶ丘保育園で発生した事案である。円筒状の部品が衝撃音とともに保育園の屋根に落ちているのが見つかった。米軍ヘリの部品であることは認めたものの、飛行したヘリから落ちた可能性は低いと関与を否定し、解明をうやむやにしたままである。
 民間と違い米軍が絡む事故は機密のベールに包まれ、責任の帰属や発生原因すら特定できない。
 緑ヶ丘保育園の落下物で徹底した究明を怠り、頰かむりを続けていることが綱紀の緩みを助長していないか。厳しく検証すべきだ。
 浦西中を含め県内の児童生徒は、他県にない危険にさらされながら学校生活を送っている。米軍基地があるためだ。
 教育を受ける静穏な環境が確保されず、幸福追求の権利など憲法上の権利がことごとくないがしろにされている。
 浦西中は普天間飛行場の南約2キロに位置する。同校の上空は米軍ヘリが日常的に飛行するルートだ。
 このままでは、いつか大事故が起きるのではないかという不安は消えない。
 事は生命に関わる問題である。被害がないからといって軽視することは許されない。
 重大事に至る可能性があったことを念頭に徹底した原因究明が必要だ。
 同時に、普天間飛行場の早期閉鎖に向けて議論を開始するよう、日米両政府には強く求めたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月06日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:広がる宿泊税 道民の理解が不可欠だ

2019-06-06 05:05:55 | 【税制・税収・納税・減税・ふるさと納税・物納・脱税・差し押さえ・競売】

【社説①】:広がる宿泊税 道民の理解が不可欠だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:広がる宿泊税 道民の理解が不可欠だ 

 札幌市の秋元克広市長が、市内のホテルや旅館の利用者から徴収する宿泊税の導入を検討する考えを明らかにした。

 道内では、スキーリゾートのニセコ地区を擁する後志管内倶知安町が11月から宿泊税の徴収を始めるほか、道も類似の観光税を検討している。

 いずれも、来道観光客の増加を新たな財源の確保につなげ、観光振興に投資するのが狙いだ。

 ただし、札幌市も道も、宿泊客の約4割を道民が占めている。道民を納得させられなければ、道外客の理解も得られまい。

 税金の使い道を具体的に示し、新たに税を課す意義を丁寧に説明しなければならない。

 道内の観光客は2017年度で5610万人に上った。外国人客は279万人となり、6年連続で過去最高を更新した。

 札幌は道内観光の拠点であり、案内板の多言語化や公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の整備などを迫られている。

 札幌市の観光関連予算はこの4年で1・5倍の20億円超まで増えたものの、高度経済成長期に整備された都市基盤の更新費が膨らむ中、これ以上の増額は難しい。財政難の道も事情は同じだ。

 だからといって、取りやすいところから取るという安易な発想では、負担増となる宿泊客の反発は避けられない。

 宿泊施設からも、客足に影響するのではないかと懸念する声が聞こえる。

 税金分を余計に払ってでも、道内を観光したくなるような環境整備が求められる。

 駅や空港から観光地を巡るための2次交通の充実や、観光業界で働く人材の育成といった施策に、税金が生かされることがはっきりと分かるようにすべきだ。

 道と札幌市による税徴収が実現すると、二重課税になる。税法上は問題がないとされるが、支払う側は抵抗を感じるだろう。

 札幌市は、福岡県と福岡市が宿泊税200円の場合に県が50円、市が150円を得ることで合意したのを参考に、道と調整を進めるという。

 札幌市と道は、負担を過重にしない軽減策や、事業者の煩雑な手間を避ける徴収方法を、検討段階から話し合う必要がある。

 宿泊税については後志管内ニセコ町や富良野市なども導入を検討している。

 地域ごとに不公平が生じない仕組みでなければならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月06日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:米国の関税政策 安保絡めるのは筋違い

2019-06-06 05:05:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

【社説②】:米国の関税政策 安保絡めるのは筋違い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:米国の関税政策 安保絡めるのは筋違い 

 トランプ米大統領はメキシコからの全輸入品に10日から5%の追加関税を課す方針を表明した。

 メキシコ国境から流入する不法移民の抑制策を促すためという。有効な対策を講じなければ最大25%まで引き上げるとしている。

 トランプ氏は声明で「(移民の大量流入は)米国の安全保障と経済に緊急かつ尋常でない脅威」と関税発動の正当性を主張した。

 安全保障を理由とする輸入制限は世界貿易機関(WTO)も認めてはいるが、武力衝突が起きた場合などの例外的な措置に限られる。移民を安全保障の脅威と断じるのは筋違いと言える。

 一方的な関税が自由貿易の国際ルールを逸脱するのは明らかだ。米産業界や議会だけでなく政権内にも異論があるのは当然である。

 国際経済への悪影響を顧みない中国との制裁合戦も先鋭化している。トランプ氏の関税政策は歯止めを失っているように見える。

 トランプ氏は身勝手な振る舞いを慎み、方針を撤回すべきだ。

 不法移民対策はトランプ氏の選挙公約の柱だが、メキシコ国境の壁建設が進まないなど成果がみえない。なりふり構わぬ強硬策に出たのは、来年の大統領選に向け支持層をつなぎ留めたいのだろう。

 メキシコは米国にとって中国に次ぐ2番目の輸入相手国だ。高関税を課せば両国はもちろん、世界に影響が及ぶ。

 対米輸出拠点をメキシコに置く日系自動車各社も例外ではない。

 しかも両国は新たな貿易協定の批准手続きに入っていた。メキシコにとっては、だまし討ち同然だ。

 中南米などからメキシコ経由で押し寄せる移民への対応を促したいのなら、対話を通じて解決を探るのが筋だ。移民出身国の貧困撲滅や政情安定には国際社会と協力して対策を講じる必要もあろう。

 そうした努力も尽くさずに高関税で脅せば、解決が遠のくだけでなく、相手の報復措置を招く。

 トランプ政権は自国の軍需産業を弱めるとして鉄鋼やアルミニウムに追加関税を課すなど、これまでにも安全保障を持ち出して輸入に制限をかけようとしてきた。

 先月には輸入車が安全保障の脅威になると結論づけ、追加関税も辞さない姿勢を鮮明にした。街の中を走る自動車が安全保障をどう脅かすのか理解に苦しむ。

 都合良く「安全保障上の脅威」をつくり上げているのではないか。

 日本政府は日米貿易交渉で米国にこうした論理を持ち込ませないよう、警戒が必要だ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:参院歳費返納 根本議論が置き去りだ

2019-06-06 05:05:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説①】:参院歳費返納 根本議論が置き去りだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:参院歳費返納 根本議論が置き去りだ 

 参院の定数6増に伴い、参院議員の歳費の自主返納を可能にする国会議員歳費法改正案が、参院議院運営委員会で与党と国民民主党の賛成多数で可決された。

 きょうにも参院本会議で可決され、今国会で成立する見通しだ。

 昨年成立の改正公選法は定数を6増し、政党が比例代表候補の一部で事前に当選順位を決める「特定枠」を設けられるようにした。

 1票の格差是正を掲げつつ、内実は合区対象の現職議員を救済したい自民党が、お手盛りの内容を数の力で押し通した。その経過を忘れてはならない。

 自主返納は選挙前に世論の批判をかわす小手先の策にすぎまい。

 二院制の下で参院はどのように国民の負託に応え、そのためにどんな選挙制度が望ましいのか。本来、格差是正に向けてはそうした根本の問題を考えるべきだ。

 その中で国民の理解を得られる定数と歳費の水準についても検討されるべきだが、昨年に続き今回も議論は置き去りにされている。

 議運委で可決された与党案は、選挙後から3年間、参院議員1人当たり月7万7千円を目安に国庫に自主返納できるようにした。公選法が禁じる議員の寄付行為の例外と位置付けている。

 これにより、今度の参院選で改選議席3増となることに伴う増加経費の2億2800万円を賄う。

 しかし返納するかどうかは個々の議員の判断に委ねられ、削減効果自体に疑問が拭えない。

 与党案は当初は参院の議員歳費を一律削減する内容だったが、衆参で歳費に差が出ることなどに批判が出ていた。そうした中、与野党協議で国民民主が提案した自主返納方式を、与党が取り入れた。

 国民民主党は定数増には反対としつつも、当初案を取り下げた与党の姿勢を評価し賛成に回った。分かりにくい対応だ。

 立憲民主党の案は期限を設けず衆参の歳費を月7万7千円減額、正副議長の歳費や首相、最高裁長官の給与も削減する内容だった。

 日本維新の会も議員歳費の2割削減を提案したが、いずれも掘り下げた議論はなされなかった。

 改正公選法を審議した昨年の参院政治倫理・選挙制度特別委は付帯決議で、参院の選挙制度改革について憲法の趣旨にのっとり、参院の役割と在り方を踏まえ引き続き検討を行うこととしている。

 各党は思惑の違いを超えて改革に取り組みつつ、定数と歳費の議論をすべきだ。参院選ではその姿勢が問われることになるだろう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:NHK同時配信 視聴者の理解を前提に

2019-06-06 05:05:35 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌】

【社説②】:NHK同時配信 視聴者の理解を前提に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:NHK同時配信 視聴者の理解を前提に 

 改正放送法が成立し、NHKがすべてのテレビ番組を放送と同時にインターネットで常時配信できることになった。

 テレビの受信契約を結んだ世帯は、追加負担なしにスマートフォンなどでも見られるようになり、年度内に新サービスが始まる。

 スマホでの動画視聴が広がり、テレビ離れが進む中、世帯数の減少も見込まれている。動画配信市場は海外勢の攻勢が激しい。

 NHKが同時配信を急ぐのは、危機感の表れだろう。

 新サービスで視聴者の利便性が高まるのは確かだが、将来の受信料制度は示されず、NHKの肥大化に対する懸念も根強い。

 NHKの事業は受信料に支えられている。同時配信の拡大が、視聴者の理解を得ての判断だったのか疑問だ。NHKは自らの将来像を明確に示す必要がある。

 常時同時配信は、通信環境の向上を背景に、放送と通信の融合が進む海外で広がってきた。

 NHKは2014年の法改正で災害報道や一部のスポーツ中継に限って認められたが、今後は地上波の全番組を配信できる。

 当面は放送の補完との位置づけで、災害時などを除き、未契約世帯にはスマホ画面にメッセージを表示して契約を促すという。

 しかし、テレビを持たない視聴者が増えれば、契約体系そのものの見直しも迫られよう。新サービスが視聴者の負担増につながることがあってはならない。

 一方、広告収入が減少傾向にあり、ネット事業の収益化も容易でない民放にとって、同時配信への投資は重い。

 豊富な資金力を背景に、NHKが事業拡大に突き進めば、民放でも、とりわけ経営基盤の弱い地方局が圧迫される恐れがある。

 NHKと民放は、それぞれの持ち味を生かして多様な番組を提供してきた。

 地域の放送文化が細り、放送の多様性を保てなくなれば、不利益を被るのは視聴者である。

 改正法はNHKにネット事業費を公表し、上限の認可を受けることなどを義務付け、民放への技術協力を努力義務とした。

 相次ぐ不祥事に加え、政権との距離の取り方を問題視する指摘もある。新たな事業を通じて総務相の関与が強まれば、政治の介入を受けやすくなるのではないか。

 配信事業が本格化すれば、影響力も増す。ガバナンスの強化はもちろん、透明性や独立性をどう担保するかが一層問われよう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年06月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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