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●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》

2023年09月25日 00時00分12秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年08月20日[日])
《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ」の最終処分先》…NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。百万歩譲って、せめて核発電所を止めてからにしませんか? 全ての核発電所の廃炉作業に着手してからにしませんか? マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流先どこにするのか、なんて考えるのは変でしょ?

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
     増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流
      先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…
    「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
     足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
     突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
     ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する
     人口減少、最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」
     があるという》…意味が分からない? 
     そんな理由で死の灰を受け入れるの?」

 対馬市の続報…。あぁ~あ、やっちゃったよ…。
 東京新聞の記事【対馬、核ごみ調査促進の請願採択 市議会特別委、業界団体が提出】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/270606)。《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査について、長崎県対馬市議会は16日、特別委員会を開き、地元の建設業団体が提出した調査受け入れを促進する請願を賛成多数で採択した。9月12日の本会議でも採択される見通し。文献調査に慎重な姿勢を示してきた比田勝尚喜市長は採択を受け「さらに熟慮する」とのコメントを発表し、今後の対応に注目が集まる。文献調査を巡っては、市内の建設業団体が人口減少や経済衰退を理由に受け入れを要請していた。請願の議決は賛成9人、反対7人、欠席が1人。一方、漁協の一部や市民団体が出した反対の請願6件は一括して不採択となった》。

   『●SLAPPと祝島
   『●SLAPPと原発、沖縄
   『●祝島の人たちは海を売っていない(1/2)
   『●祝島の人たちは海を売っていない(2/2)
   『●上関原発反対! ~祝い島島民の会blog~
   『●立ち止まるなら今…「原発政策を福島第一原発
        事故以前に先祖返りさせたのが自民党安倍政権」
    《祝島の閧いは終わらない政府、中国電力の非道
    《ところで人口3300人の上関町は原発誘致に熱心なようだが、
     巨大な原発2基から入ってくる莫大(ばくだい)な金(上関町には
     1984年度以降原発関連交付金として約70億円が支払われている)を、
     何に使おうとしているのだろうか。財政需要額の小さな町に多額の金が
     入ってきて町政が、いや町全体が狂うことはないだろうか。
     老婆心ながら心配になる》

   『●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
            大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!
   『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
     といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》
   『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
      町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》

 そして……はぁ? 《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》したというのに、またしても驚愕の大愚。核燃料サイクルは破綻し、サイクルの「環」は閉じないまま。使用済み核燃料中間貯蔵施設は、すなわち、《原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ」の最終処分》場ということ。(東京新聞)《◆核燃料サイクルが破綻しているのに活用に前のめり 日本国内で原発で貯蔵している使用済み核燃料は、膨大な量だ。およそ2万トンに上り、多くは貯蔵プールで保管する。政府は「核燃料サイクル」を掲げて再利用をもくろむが、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場は完成が延期され続けている。再利用で減らそうにも、要の施設が機能せず、思うようにいかずにいる》。使用済み核燃料中間貯蔵施設なので、上関町から、「六ケ所村の再処理工場が完成したら、搬出してね」って、そんなことは無理でしょ!? しかも、《「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好》…。

   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】

 中電や経産省、国が散々市民を分断してきた山口県上関町、《問われる町衰退の責任》(長周新聞)。そして、何より、祝島の皆さんがお気の毒で仕方ない。絶対にコンナモノを受け入れてはいけない。
 長周新聞の記事【上関を核のゴミ捨て場にするな 関電からゴミもらう中電の卑屈 降って湧いた中間貯蔵施設建設計画 県民の総力でたたかおう!】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27390)。《中国電力山口県上関町に対して使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案したことが、上関町内のみならず山口県内で物議を醸している。1982年の原発建設計画の浮上から41年を経て、原発については町内外の根強い反対世論に包囲されて建設には至っていないものの、さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場にする正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている。この間、上関町内に乗り込んで取材にあたってきた記者たちで、状況について分析、論議してみた》。

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27390

上関を核のゴミ捨て場にするな 関電からゴミもらう中電の卑屈 降って湧いた中間貯蔵施設建設計画 県民の総力でたたかおう!
社会 2023年8月13日

     (原発建設に反対し中電のボーリング調査を阻止する
      漁業者たち(2005年6月、上関町))

 中国電力山口県上関町に対して使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案したことが、上関町内のみならず山口県内で物議を醸している。1982年の原発建設計画の浮上から41年を経て、原発については町内外の根強い反対世論に包囲されて建設には至っていないものの、さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場にする正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている。この間、上関町内に乗り込んで取材にあたってきた記者たちで、状況について分析、論議してみた。


心してかかってこいよ!関電

 A 降って湧いたような中間貯蔵施設の誘致話で、「どうして上関なのか」「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好だ。中電の必要性からすると、島根原発の施設内に建設するのが妥当で、わざわざ上関まで使用済み核燃料を運んでくるというのは非効率でしかない。費用からしても非効率なのだ。中間貯蔵施設の必要性に迫られているのは誰がどう見ても関電で、原発銀座でもある福井県内の美浜高浜大飯の7基の原発施設内の核燃料プールにため込んだ使用済み核燃料が容量上限に近づいており、これを福井県外に持って行けということで、福井県ともめていた。

 B 核燃料プールの貯蔵容量の上限に対して関電は8割に上り、島根原発のみの中電は68%(約7割)で比較的余裕があるというが、実際のトン数を見たらわかるように、関電の美浜原発が抱えている使用済み核燃料の貯蔵量が480㌧(容量上限620㌧)、高浜原発が1380㌧(同1730㌧)、大飯原発が1820㌧(同2100㌧)で、あわせて3680㌧にものぼる。島根原発で中電が抱えているのは460㌧(同680㌧)とその差は歴然としている。上関に建設しようとしている中間貯蔵施設がどれだけの規模なのかははっきりしていないが、要するに関電の使用済み核燃料のゴミ捨て場にされるということだ。3000㌧クラスの規模になってもおかしくない。
 美浜原発は1、2号機が廃炉作業中で、3号機は40年以上稼働した老朽原発でありながら、これが再稼働している。高浜原発も1号機、2号機はもうじき50年になろうかという老朽原発で、3号機、4号機とて40年近く稼働している老朽原発だ。大飯原発も1号機、2号機は40年ごえ、3号機、4号機は40年ごえしているような原発だ。そこに溜め込んできた使用済み核燃料を福井県外に持ち出さないといけないため、関電が場所を求めている関係だ。なぜに山口県が関電のゴミ捨て場にされないといけないのかだ

 C 福井県が県外に持ち出せ」といっているものを喜んで受け入れるのが山口県・村岡知事なのだろうか。バカではあるまいか? と思うが、日本中どこを探しても「中間貯蔵施設をうちに建設して下さい」というような自治体は珍しい。地獄の沙汰もカネ次第で長年にわたって原発や米軍基地に郷土を売り飛ばす政治をやってきたとはいえ、山口県政界の態度も問われている。県民としては見過ごせない重大な問題で、「上関町の政策選択なのでコメントする立場にはない」では済まされない。当事者は立地自治体の上関町民のみとはならない。山口県東部の住民のみならず、山口県民全体が当事者として考えなければならない重大な問題なのだ。何か事が起これば無関係では済まないのだから。

 A 中間貯蔵施設などといっているが、核燃料サイクルそのものは破綻しており、実質的には最終処分場にされかねない。原発は建っていないのに、まさに「原発の墓場」にしようというのだ。核燃料サイクルでいうと、青森県六ヶ所村に30年前から建設している再処理工場がトラブル続きでメドがたたず、完成時期をずらしにずらして今日に至っている。総事業費として14兆7000億円を注ぎ込んで行き詰まっている。そのために全国の原発で敷地内なり貯蔵プールに使用済み核燃料を抱え続け、福島原発事故でもまさかあれほど大量の使用済み核燃料を原発内に抱えていたとは誰も思っていなかった。あの事故によって、使用済み核燃料をとり出すだけでも少々でない労力だったことはニュースでも報じられてきた。厳重に冷やし続けないといけないのだ。
 斯くして行き場のない使用済み核燃料が増え続けているのに原発は再稼働してさらに使用済み核燃料を増やし、かといって再処理工場がないために、急場凌ぎで中間貯蔵施設をつくろうといっている。原発を止めてしまえば使用済み核燃料は増えないのだから止めればよいのに、それはやらずに「たいへんだー!」「満杯になったら原発が止まるー!」と騒いでいる本末転倒も甚だしい
 使用済み核燃料は仮に再処理されても高レベルの放射性廃棄物となり、地下深くに埋めて数万年から10万年かけて安全に管理して、ようやく天然ウラン並みの放射能になるという。この建設場所も決まっていないのが現状だ。原発はよく「トイレなきマンション」とも揶揄されるが、そのように後先のことを何も考えていない政策なのだ。
 核燃料サイクルという実現できもしない建前を掲げることで原発政策を正当化し、無責任に使用済み核燃料だけが増え続けている
 これらを推進しているのは経済産業省であり、上関に中間貯蔵施設を作れと背後で糸を引いているのも国にほかならない。福井に断られたからといって山口県をゴミ捨て場にしようとする関電も厚かましいが、国の存在抜きに動くような話ではない


原発推進40年の挙げ句 町民の反発は必至

 B
 上関町内で住民に意見を聞いて回ったが、誰もが一様に驚いている。寝耳に水で、テレビのニュースで初めて聞かされて仰天した人がほとんどだ。事前に何らの話もなく、全国版ニュースでいきなり「上関町に中間貯蔵施設」が報じられた。これには推進派の住民も「えっ?」と戸惑っていたし、「なぜ関電の原発のゴミをわたしたち上関が引き受けなければいけないのか」と疑問を口にしていた。40年以上も原発騒動でもめてきて、上関原発建設計画については実質的に破綻して建設のメドもないなかで、今度は中間貯蔵施設というわけで、要するに上関をゴミ捨て場にするのだから「ふざけるな!」という感情になるのは当然だ。
 候補地として中電が示しているのは、90年代に入ってもともと原発用地として買い占めてきた土地で、より四代地区(予定地に最も近い集落)に近い。この土地を別目的である「中間貯蔵施設としてどうぞ」といって利用しようとしている。地権者からすると「話が違うではないか」という思いもあって、「こんなことが許されるのだろうか」「いまになって詐欺みたいな話だ」と話す住民もいた。いくら中電の所有地になっているからといって、こんな勝手な真似が許されるのか? と――。

 A 上関については長年取材にもあたってきて、推進派住民ともよく話はするのだが、さすがに今回のやり方については憤っている人が少なくない。頭越しですべてが勝手に動いており、住民そっちのけなのだ。一言の説明もなくいきなり報道で知らされ、住民感情としては穏やかでないものがある。中電の驕りというか、上関を好きなようにできるという思い上がりを感じとっている。
 それで町長と議会が飼い慣らされた賛成マシンとして同意したとしても、ちょっと単純にはいかないだろうな…という感触だ。住民同意がまるでない。現状では中電が町の上層部を例の如く丸め込んで、好き勝手に計画を持ち込んでいるだけなのだ。40年かかって原発1基建てられずにきた中電が、何をいい出すのかと思ったら「中間貯蔵施設をつくります」などといい始め、しかも上関に持ち込まれるのはその原発でできた行き場のない核のゴミ。傍から見ると、上関を公衆便所か何かのように扱っているし、「中電いい加減にしろよ!」という感情になるのも当たり前だ。
 ただこれは、中電の都合で動いているというよりも、関電と国の意向で動いている要素の方が強い。中電としてはカルテル問題でやり玉に挙がって社長の首が吹っ飛んでおり、監督官庁の経産省や電力業界のなかで首根っこを抑えられている。上関については原発計画もお手上げ状態なのは一番わかっているはずだ。近年は上関へのかかわりもどこか引き気味できていたが、そんな矢先に「中間貯蔵施設をつくります」などといい出しており、推進派住民からしても「なにをいまさら」という思いを口にする人は少なくない。長年にわたって踊らされてきたが、興ざめしている人々が大半だ。もう40年かけて今度は中間貯蔵施設を巡って大騒ぎが続くのかと思うとうんざりするのも当然で、「あいだ(飽きた)」という。


次期衆院選の重要争点 計画背後に自民岸派

     (漁業権を守るため中国電力の上陸を阻止する
      上関町祝島の島民や漁民たち(2010年))

 A 2011年以後は工事もストップして、上関原発建設計画については建設のメドがまるでない。これは福島事故を受けて国の原子力政策が揺らいだことも関係しているが、上関については福島事故以前からメドなどない。原発用地も虫食いで売却に応じていない地権者も複数いるし、極めつけは祝島が受けとりを拒否しているために漁業補償が成立していない。だから「着工」パフォーマンスはできても、実際に埋め立て工事などやれば漁業権侵害で訴えられるのは中電であり、手を付けられない関係だ。漁業補償が成立していない海域の公有水面埋立免許を出したのが村岡知事であり、これまた全国でも例がないことをやっている。
 漁業補償については2000年代に126億円が関係8漁協にばらまかれたが、すでに20年以上が経過しており、その間に漁業者もずいぶんと入れ替わった。民法上も債権は10年といわれるが、20年も前の契約と補償金をもって「漁業補償は成立している」といって現在の海に手を付けるというのも無理がある。漁業補償交渉は一からやり直さなければ、現在の漁業者の権利を侵害することになる。一銭も補償金をもらっていない現在の若手漁師にとっては容認し難いものだ。つまり、振り出しに戻っているということだ。ただ、振り出しに戻っているとはいえ、買い占めた広大な土地だけは擁している。そこに、ならば「中間貯蔵施設を作ります」というのだ。

 C 山口県では、1979年の豊北原発建設計画の断念から上関町に舞台を移して原発計画とのたたかいがくり広げられてきた。この間、山口県では1基も原発を建てさせていない。この最大の原動力は県民の反対世論の強さにある。自民党が牛耳る県政は中国電力の最大株主でもあり、中電とタッグを組んで推進してきたが、町内外の反対世論が圧倒している状況は変わらない。
 JCO東海村臨界事故が起きた後、佐藤栄作の息子である信二が「わたししか上関原発を建設できない」と原発建設の巻き返しを叫んで衆院山口2区で落選したこともあった。佐藤信二としては新規立地の突破口である上関を前に動かすことで中央政界において得点稼ぎをしようとしたのだろうが、逆に2区の有権者から総スカンを食らって、以後は国政に返り咲くことなどできなかったそれほど反対世論は根強いものがあるし、2区は米軍岩国基地と上関は重要な争点になる。

 A この時期に中間貯蔵施設が降って湧いて思うのは、次の衆院山口2区が大注目されるということだ。補欠選では岸信千世がかつがつ当選したものの、無所属で挑んだ平岡との差は僅かだった。中間貯蔵施設への態度如何によっては「岸家の命脈」は絶たれることになるに違いない。西村経産大臣は岸信介の後継者として地元岸派を引き継いだ吹田の娘婿で、これが上関をゴミ捨て場にしようと画策しているというのなら信千世も無関係では済まない。平岡が再度2区で挑もうとしているが、「上関への中間貯蔵施設建設は認めないとはっきり態度を打ち出せば、残り数千票の差など恐らくひっくり返る。保守層も含めてこの地域では国策に対してギリギリとした思いが鬱積しているのだから。逆に立憲民主党が日和った場合は自爆だろう

 C 上関への原発建設なり中間貯蔵施設の建設というのは、前段でも論議になったように上関町内、2300人の町民だけの問題ではない。仮に上関町長と議会が「作っていいですよ」といったからといって、「はい、そうですか。仕方ないですね」では済まない。広く山口県民全体の問題として考えなければならない性質のものだ。住民同意は上関だけで良いとはならない。周辺自治体の首長たちも態度が迫られることになる
 中央構造線断層帯が走っている目と鼻の先に中間貯蔵施設を建設して、仮に巨大地震に見舞われたらどうなるのか、あるいは台湾有事などを叫んでいる折に、ミサイル攻撃の格好の標的になることも歴然としている。何千㌧という使用済み核燃料を抱えた施設にもしかの事態が起こった時にどうなってしまうのか、何が起こりうるのか現実的に想定しなければ話にならない。上関以外の人には無関係という性質の話ではないのだ。いずれは県知事の同意も必要になるだろうし、そのときは村岡も態度が迫られることになる。山口県民としては選挙において厳正に審判を下さなければならない時がくる。


地域振興どころか衰退 中電による飼い殺し

 A 中電としては40年かけて狭い上関町は買収し尽くした。町長や町議は頭が上がるヤツなど一人もいないし、おかげで好き放題ができる関係だ。町は計画が浮上した頃には7000人以上いた人口が、いまや2300人と激減している。高齢者が多く、現役世代は都会に出て帰ってこない。それもこれも、40年間も原発騒動に時間を費やし、「原発ができれば町が発展する」とバカの一つ覚えの如く旗を振ってきたことと無関係ではない。
 「原発ができれば町財政が豊かになる」「原発ができればそこで働けて人口が増える」「原発ができれば…原発ができれば…」の夢追いをしてきて、産業振興に無関心なものだからますます人口が減少して人が住めない町になってきた
 この間、町内に取材に行ってみても、ずいぶんとこれまでに知り合ってきた町民の皆さんが亡くなられていて、空き屋の多さも尋常ではなかった。40年も経てば無理もない話ではあるが、「原発ができれば…」の罪深さを感じさせる。
 産業としては漁業が主力なのだが、その振興には不真面目で投機的に電源交付金に飛びついて箱物をこしらえたりするのだけは大好きなのが特徴だ。2000年代にかけて巨額の原発関連の交付金も下りたが、温泉を掘ったり、学校を新しくしたり、道の駅を作っても、身にならないから人口はますます減少する。町財政が厳しいというが、カネがいくらあってもこれではどうにもならない。
 北海道の小さな町がふるさと納税で年間100億円をこえる金額を集めたとかが話題になっているが、地方の魅力を発信して農産物を返礼品として掲げるだけでも、ずいぶんなことができるものだと感心する一方で、そんな努力もせずに口を開けて餌を与えられるまで待っているようなのが上関町政だ。「原発ができれば…」の投機的な姿勢が転換されないまま、ずるずると40年も経過してしまった。

 C もっとも罪作りなのは中電で、買収し尽くして町全体をコントロール下に置いてしまった。7000人を買収するより2300人を買収するほうが楽で済むし、人口など減れば減るほど楽に町全体をコントロールできる関係にほかならない。選挙をコントロールするのも、少なければ少ないほど対象が小さくて済む。買収選挙など当たり前で、町民の就職先や縁故関係から切り込んだり、住民間の矛盾であったりを調べ尽くして、それらすべてを原発推進に利用してきた。弱みを突いて反対派だった住民を転向させたり、反対派に手先を潜り込ませたり、実は裏でつながって飼い慣らしていたり何でもありだ
 上関の反対派といったとき、一般の住民たちは一生懸命に反対を貫いてきた一方で、インチキな輩、実は中電とつながっている(ぬえ)みたいな輩とかさまざまいるわけで、決して単純ではない。長周新聞としてはインチキな反対派幹部が運動を敗北に誘っていくことについては公然と批判を加えてきたし、裏切りについては記事にもしてきた。そういった連中は結局のところ住民のなかで正体が暴露されて力を失ってきた。そのことも上関原発が建設できなかった大きな要素になっている。
 今回の中間貯蔵施設についても柏原前町政の時期から町議会の全員協議会には話が振られていたというのに、いわゆる反対派といわれる町議たちはなぜダンマリをしていたのか? という疑問がある。盆明けには町議会で判断するといっており、8月中に全議員の態度が迫られる。郷土上関を核のゴミ捨て場にするのかどうかが問われている。
 関電から核のゴミ捨て場扱いをされているのに、「やったー! カネが入ってくる」「これで人口が増えます」みたいなことをいっているならどうかしている。福井県すら「県外に持ち出せ!」と激怒している代物大喜びで「上関に持ってきて!」といっているに等しいからだ。

 A いずれにしても上関だけの問題ではないし、広く山口県民の世論を結集して対峙しないことにはどうにもならない。原発にせよ、米軍基地にせよ、郷土を売り飛ばして中央政界で大きい顔をしているのが山口県の政治家たちで、これらも一緒になって中間貯蔵施設を山口県に持ち込むというのなら、上関原発闘争40年ではないが、本腰入れてやり合わないといけないということだ。最も手っ取り早い初めの一手としては、岸信千世を大差で落選させることになる。2区の有権者が激怒した選挙がどうなるのか、計画を持ち込んだ自民党岸派は補欠選挙以上に痺れたら良い。

 B 佐藤信二が落選した選挙では長周新聞も選挙区に乗り込んで号外を何万枚と戸別配布したが、大いにやりあったら良いのではないか。県民世論に火を付けていくほかない。現状では「中間貯蔵施設を作ります」と勝手にいっているだけで、作らせるも作らせないもすべて世論との力関係で決まる。原発を一基も建てさせていない山口県民相手に関電が豪腕を振るうというなら、なおさら県民感情としては燃えるものがある。
 普通に考えて、関西の電力供給のために溜め込んだ核のゴミを持ってこられて喜ぶ県民などいないし、「どうして山口県が受け入れないといけないのか?」と思うのが一般的だ。山口県は核の肥だめではないし、ふざけるな! と思っている人が大半だ。それらの世論をつなげて全県と現地がつながっていくことが大切だ。上関現地の問題に切り縮めたがっているのに対して、上関だけの問題では済まないことをはっきりさせて、運動を作っていくことが重要だ。この40年もそうやって対抗してきたのだ。
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●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》

2023年04月06日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年03月21日[火])
足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…

 《町民の皆さんがその道を選んだ》…なんでそうなるのだろうか??

   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を

 古賀茂明さん《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、と社長に聞く。社長が頷いたら、「では、1カ月以内に最終処分までの計画を出してください」と言う。それは無理だというだろうから、では1年待つと言って、議論を終わる。 これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる。 国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに止めるのは簡単だ。新政権には、是非そうした議論をして欲しい》。

 空虚な《地域振興》ではないのか? トイレなきマンションの、まずはトイレからの垂れ流しを止めてからの議論開始ではないのか?

 宮畑譲西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/231170?rct=tokuhou)によると、《原発活用に前のめりになる岸田文雄政権。今度は使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け、国の責任で取り組む方針をまとめた。語感の頼もしさと裏腹に不信が募る。東京電力福島第一原発事故の対応でも政府は「国の責任」を強調してきたが、独断専行に傾く局面が目に付いたからだ。最終処分を巡って今後、どんな展開が待ち受けるのか。文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)神恵内村(かもえないむら)にどう影響するのか。(宮畑譲西田直晃)》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/231170?rct=tokuhou

こちら特報部
核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること
2023年2月15日 12時00分

 原発活用に前のめりになる岸田文雄政権。今度は使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け、国の責任で取り組む方針をまとめた。語感の頼もしさと裏腹に不信が募る。東京電力福島第一原発事故の対応でも政府は「国の責任」を強調してきたが、独断専行に傾く局面が目に付いたからだ。最終処分を巡って今後、どんな展開が待ち受けるのか。文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)神恵内村(かもえないむら)にどう影響するのか。(宮畑譲西田直晃


◆たまり続ける使用済み核燃料

 「政府一丸となって、かつ、政府の責任で、最終処分に向けて取り組んでいく」。高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定を巡り、10日にあった閣僚会議。ここで示された基本方針の改定案に冒頭の一節が明記された。現在は意見公募(パブリックコメント)の最中で、改定されれば2015年以来、8年ぶりとなる。

 使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物は「核のごみ」とも呼ばれる。現状では各原発の貯蔵プールで使用済み核燃料がたまり続け、廃液をガラスと固めた「ガラス固化体」が加工されている。

     (新型転換炉ふげんの使用済み核燃料が保管されている
      プール=茨城県東海村の東海再処理施設で)

 「核のごみ」はやっかいだ。放射能が極めて強く、寿命も長い。00年制定の最終処分法によれば、地下深くで地層処分する計画だが、安全面の問題などから具体的な道筋を描くに至っていない

 国が責任を強調するのはこの状況の裏返しでもある。最終処分法の制定以降、「手挙げ方式」と呼ばれる全国公募が始まった。07年に高知県東洋町が応募したものの、町民の激しい反対で取り下げに。現在、選定プロセスの第1段階に当たる「文献調査」を受け入れているのは、北海道の寿都町神恵内村だけだ。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、過去5年に約160回の説明会を全国で開いたが、関心を持つ地域は限定的だった。かたや最終処分場が決まった国外の例では10件程度の候補地から1件に絞った経緯がある。担当者は「調査の結果、処分地になりえないことや民意の反対もある。候補地はもっと必要」と話す。


◆政府方針に不信「本当にできるのか」

 現行の仕組みでいえば、処分地選定と処分自体を担うのは、電力会社が事業費を拠出する原子力発電環境整備機構NUMOニューモ)だ。ただ処分地選定が難航するため、国は15年に基本方針が改定された時も、適性の高いと考えられる地域を提示するなど、前面に出た。今回は「さらに一段ギアを上げようということ」(前出の担当者)になる。

 神奈川工科大の藤村陽教授(物理化学)は「原発政策は国策なのだから国に責任はある」と理解を示す一方、懸念も浮かぶ。「国が地方に力ずくでやるということになってはいけない」

 根底には国への不信がある。「福島第一原発事故後の対応で、国や電力会社は信頼されることをやってきたのか」。例えば第一原発で生じる汚染水の後始末。首相時代の菅義偉氏は「政府の責任で対応する」と述べたが、海洋放出に反対する声に耳を貸さず、処理後に放出する方針を決めた。

 国が最終処分に前のめりになっても「本当にできるのか」と疑う向きもある。

 高レベル放射性廃棄物は安全になるまで10万年を要するとされる。大阪大の平川秀幸教授(科学技術社会論)は「日本は地震国そこら中に活断層がある地中深くに移した後に問題が見つかった場合、放射性廃棄物を取り出せるのか原発関連の技術への不信はぬぐえていないまして10万年先の安全を確保できるのか」と語る。


◆調査進まないのは「選挙が控えているから」

 岸田政権が「最終処分に向けて国の責任で取り組む」と宣言した今、文献調査が進む寿都町と神恵内村の人びとは何を思うのか

 2020年11月から始まった両町村の文献調査は現在も続いている。当初は約2年の予定とされたが、NUMOの広報担当者は「想定より時間が掛かっている。調査結果を評価するための考え方を経産省のワーキンググループに尋ねているところ。いつまで、と決まっていない」と話す。

 地質図や学術論文などを用いた文献調査が終われば、地元の意向を踏まえ、地質や地盤を調べる概要調査への移行を図るという。第2段階に当たる調査だ。

 3年前に文献調査への反対を表明した神恵内村議の土門昌幸さん(69)は「2年を過ぎても調査が終わらないのは、選挙が控えているからでは」といぶかる。ここで言う「選挙」とは4月に予定される村議選のこと。賛成派の村議が多い現状を踏まえ、波風を立てたくないのでは、とみる。

 土門さんは「村民への説明が不十分なまま時間がたってしまった。概要調査は知事が『受け入れない』と明確に表明しているので、村長に歩調を合わせるように働きかけるしかない」と自らに言い聞かせる。


◆賛否分かれて人間関係も壊れた

     (寿都町役場(右奥)の近くに立てられた看板=2020年撮影)

 一方、寿都町の反対派住民グループの槌谷和幸さん(74)は岸田政権に対して「端的に言うと、腹立たしいのひと言」と語気を強める。「『最終処分は国の責任で』と強調されると『調査が進む町村で国が処分地選定を強力に推し進める』に聞こえてしまう。国の言うことは全く信用できない」

 同町では、文献調査から概要調査に移る際、住民投票を実施すると条例で定めているが、町長の決定への拘束力はない。

 重みを持つのが町議会の意向で、現在は賛否が拮抗 (きっこう) する。10月には町議選が予定され、槌谷さんは反対派候補の擁立を模索中だ。しかし「見つけるのに苦労している。この小さな町は町民のつながりが濃密で、賛否が分かれたことで人間関係が壊れた人もいる」。

 推進勢力の出方も警戒する。NUMOの担当者らによる説明会について「『対話の場』と言っても実情は違う一方の見解を言い含める場になっている」。推進派への取り込み、反対派の切り崩しが今以上に進むことを危惧する。

 岸田政権は今月10日、「GXグリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原発の積極活用を盛り込んだ。異論が噴出するタイミングで最終処分の基本方針案を示し、「国の責任」を強調した。


◆「地方を悩ませ、苦しませているだけ」

 長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)は「最終処分場がないと一層、責められる。そうした声を意識しただけ。アピールの意味合いが強い」と述べ、批判そらしの意図を疑う。その上で「処分地選定に力を入れると言っても、実質的には電気事業連合会電事連)任せになる。特段の変化はないだろう」とみる。

 最終処分場の議論は避けては通れない一方、寿都町、神恵内村の例に漏れず、住民の納得を得ずに議論を進めるのは問題がある。

 信州大の茅野恒秀准教授(環境社会学)は「最終処分場についてはこれまでも、国主導での理解促進という言葉を多用してきたが、今の北海道の2町村を見ても見解の一致を見ておらずむしろ分断を招いている地方を悩ませ、苦しませているだけ」と断じ、こう続ける。「受け入れに対する厳しい現実を政権が直視せず、国民的理解を丁寧に得ようとしない安易な姿勢が問題。原発は安全で、電気代も下がるという技術的、経済的楽観論を捨て去るべきだ


◆デスクメモ

 原発を動かせばごみが出るしかし処分先が決まらず、たまる一方。管理に困る。置き場にも。なすべきことは明白原発を止め、ごみ増を防ぎ、その間に処分先を話し合うしかし国は稼働ありきごみが増えるほど後始末に困るのに不合理な思考に独断専行始末が悪すぎる。(榊)

【関連記事】「入学手続きに来ました」 核ごみ調査応募で北海道寿都町の片岡町長
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●《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は…大惨事の教訓を根底から覆し…福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》

2023年01月15日 00時00分03秒 | Weblog

(2023年01月03日[火])
アルプス処理水」なる〝汚染水〟の海洋放出についての経産省の宣伝がやたらとテレビで流れていて、呆れる。その海洋放出をどこの国でもうやっている的な、〝世界標準〟的な…、どこの国でやってんのか、是非、教えてほしい。「1/4」の自公お維支持者や「2/4」の選挙に行かない自公の間接支持者を洗脳しないでほしい。軍事費倍増、核発電所強制、汚染水海洋放出…キシダメ政権のやりたい放題は許されない。海洋放出の前に、福島をさっさと《原状回復》して見せて下さい。全ての《生業なりわい)》を返して見せて下さい。

   『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則
     40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…
   『●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽原発」
        「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?

 まずは、福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから…全ての核発電所の廃炉作業を始めるべきだったのに、12年近くが過ぎてしまった。
 長周新聞の記事【世界に類のない原発運転70年 地震列島で実行する無謀さ 岸田政府が運転期間延長に舵】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25306)によると、《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は、福島原発事故がもたらした大惨事の教訓を根底から覆し、またウクライナ戦争における原発がミサイル攻撃の標的になるという教訓も考慮せず福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》。

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●《想定できないから免責されるという論法なら「地震大国」の日本で
     原発は稼働させてはならない…原発政策を推進してきた国の結果責任》
   『●《史上最大の公害事件》核発電人災について《東電の旧経営陣に対し、
     東電に賠償するよう株主が求めた》株主代表訴訟…13兆円の賠償命令
   『●キシダメ首相は《原発の運転期間の延長に加え》《新増設や建て替えの
      検討を明言したのは初めて》――― 命名・次世代革新炉「キシダメ」
   『●《「電力が足りないから原発だ!」というのがいかに愚かなことか。
     『原発をとめた裁判長』を見れば誰でもわかる。是非ご覧いただきたい》
   『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
     最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!

 ミサイル攻撃の《標的》に加えて、この記事で指摘されている重要なことの一つは《使用済み核燃料》のこと。《使用済み核燃料プール》が攻撃を受けた際の被害のみならず、《あと何年で満杯になるのか》? それに、核燃料サイクルという「環」は閉じたのか? 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。《原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのか》?

   『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??
   『●リラッキングとオンカロ
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
    《敷地内の使用済み核燃料プールはあと何年で満杯になるのか。現在
     発電中の原発は3基。そのうち高浜4号機・大飯(おおい)4号機と、
     発電中の原発2基を抱える関西電力は、このまま発電を続けると
     高浜原発はあと「6年程度」、大飯原発はあと「8年程度」で満杯になる
     と回答。対策については、こう答えた。
     「六ケ所再処理工場が順調に稼働することにより、
     使用済み燃料ピット(竪穴)の満杯は回避できるものと考えています」》

   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
      「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/25306

世界に類のない原発運転70年 地震列島で実行する無謀さ 岸田政府が運転期間延長に舵
社会2022年12月21日

 福島第一原発事故による世界にも例を見ない甚大な犠牲を経て、日本政府は「原発への依存度をできるかぎり低減する」とのエネルギー政策をとってきた。しかし、岸田首相は8月にそれを覆し、原発最大限活用の方針を示した。経済産業省は8日、次世代型原子炉への建て替えや、「原則40年最長60年」と定められている運転期間の延長を盛り込んだ「行動指針」を明らかにした。日本列島にはおもに1970年代以降に54基の原発が建設されてきた。狭い国土にこれほどの原発が密集して林立している国は日本だけだ。この厳然たる現実は、日本が原発をめぐって指摘されているさまざまな危険性に真剣に向き合うことを要求している。老朽原発の運転は事故の危険性を高めるだけだ。2011年の東日本大震災時の福島原発事故は「原発の安全神話」を吹き飛ばした。日本は世界でも有数の地震・火山列島であり、近年地震や火山活動が活発化する時期に入っている。さらに今年に入ってからのロシアのウクライナ侵攻で、原発が武力攻撃の標的になることが突きつけられた。日本の原発もまた有事のさいにはミサイル攻撃の格好の標的にされることは明らかだ。

 日本では、54基の原発を40年近く運転してきたことによって膨大な量の使用済み核燃料が溜まっているが、処理方法は決まっていない。これ以上原発を増やし、老朽原発の運転を続けることは福島原発事故の再来を近づけ、ミサイル攻撃の標的とされ原爆投下と同様の惨事をもたらすもので、日本を滅亡の淵に立たせる亡国政治以外のなにものでもない

 最新の原発関連のトラブルは、9日の関西電力高浜原発1、2号機の海水処理施設での火災だ。冷却用に海からとり入れる水の一部を処理するための施設で、関電は原因はわかっていないとしている。1、2号機とも運転開始から50年近くを経過した老朽原発であり、想定外のトラブルである可能性も高い。

 経産省の行動指針は、福島原発事故を経て2012年に法律で定めた「(原発の運転期間)原則40年、最長60年」とするルールをなし崩し、運転の停止期間+60年とし、最大では運転開始から70年の老朽原発の運転も可能になる。

 世界的に見ると、60年以上運転した原発はなく、経産省の行動指針の異常さが際立っている。国際原子力機関(IAEA)の調べでは、すでに廃炉になった原発を含めても、運転期間が世界最長なのは、インドのタラプール原発1、2号機の53年1ヶ月だ。同原発から約1カ月遅れてアメリカのナインポイント1号機とスイスのベツナウ1号機が運転を開始しており、ともに運転期間は53年だ。

 また、IAEAによると2021年12月末までに世界で廃止予定の原発は199基あるが、平均寿命は29年だ。

 たとえばアメリカは運転期間を40年と規定し、規制当局の審査をクリアすれば20年間の延長が可能で、延長回数に制限はない。80年運転を認められた原発も6基ある。ただ多くの原発は設計時に耐用年数を40年間と想定してつくられており、老朽化が進むと維持コストも高くなり、事業者が長期運転よりも廃炉を選択するケースが多い。

 そもそも原発の設計は耐用年数を30~40年と想定している。設計段階で想定した原発の寿命を設計寿命としているが、当初原発の寿命は30年とされていた。30年はもつようにという計算による設計だ。

 それを日本政府はずるずると延長してきていた。事故を起こした福島第一原発1号機は1971年3月に営業運転を開始しており、事故当時は運転開始から41年を経過した老朽原発だった。当初運転期間は30年を目安としており、本来なら廃炉に向け運転が停止されているべき原発だった

 政府は1999年に福島第一原発1号機など、1970年前後に運転を開始した3基の寿命延長計画を認め、2005年には原発の運転を60年間とすることを想定した対策をまとめ、その後運転開始から40年を迎える原発を認めるなど老朽原発を積極的に酷使する方針をとってきた。

 老朽原発の運転は危険性が高まる。原発の機器は運転中、高温高圧、高い放射線という過酷な状況に置かれ、振動などによる金属疲労、温度がくり返し激しく変化することで起きる熱疲労、加えて冷却水や蒸気による侵食・腐食が発生する。

 さらに原発特有の問題として、放射線の問題がある。原子炉では運転中に発生する高エネルギーの中性子を受けて、鋼鉄の「粘り気」が弱くなる脆性劣化が起きる。原子炉圧力容器の鋼鉄も長時間の運転にともなって、粘り強さが減少し、もろく亀裂が入りやすくなる


老朽原発で事故が多発 専門家も危険性指摘

     (電源喪失で炉心溶融を起こした福島第1原発(2011年3月))

 老朽原発の事故は多発している。1999年には福島第一原発1号機で、原子炉内にある非常用炉心冷却系の配管にひびが入っていることが見つかっている。

 2004年には美浜原発三号機蒸気噴出事故が起こり、5人が死亡し6人が重傷を負った。当時同3号機の運転年数は30年に満たなかったが、点検リストから漏れて一度も確かめられなかった配管が経年劣化で薄くなって破れ、熱水と蒸気が噴出した。原発の部品数は約1000万点にのぼるとされ、見落としのリスクはつきまとい、老朽原発ほど配管などの劣化は激しい。

 また、東京電力柏崎刈羽原発では、福島事故後停止した7号機(運転開始から25年)のタービン建屋の配管が11年間点検されず、腐食で穴があいていたことが今年10月に明らかになった。

 このほかにも老朽化による問題は多発している。加圧水型原子炉では、格納容器を開口して蒸気発生器を丸ごととりかえる工事をよぎなくされる原発が続出した。沸騰水型では水流仕切り版(シュラウド)にひび割れが発生し、多くの原発でとり換えがおこなわれた。

 これらの補修工事はいずれも建設当初には想定されていなかった。しかも交換は非常に強い放射線のもとでおこなわれる作業で、労働者の被曝の危険性も高い。

 専門家は、原子炉の劣化状況を調べることは技術的に難しく、長期運転で劣化が進むと、点検漏れしたときのリスクが増し、重大な事故につながると指摘している。また、老朽原発の原子炉は技術的にも古く、耐震性の科学的評価も最新の知見にもとづくものではなく、事故のリスクが高いとしている。

 「あらゆる重大事故の多くは欠陥の見落としが原因だ。点検をしていても電気系統や制御装置はいつ劣化して故障するか予見できない。設計寿命はきわめて大事だ」と設計寿命をこえた運転の危険性を指摘する専門家もいる。

 原発の運転期間の延長は科学的な根拠にもとづくものではなく、廃炉には費用がかかるなど電力会社の利益追求の都合によるものであり、岸田政府が世界にも例のない70年もの運転を認める方針を出したことは福島事故をふたたび引き寄せかねないものだ


溜まる使用済み核燃料 10万年の保管可能か

 おもに70年代以降、54基の原発を建設・運転し続けてきた結果、日本列島には使用済み核燃料が溜まりに溜まっている。使用済み核燃料とはいっても高い放射線を放ち、保管・処理方法を間違えば重大事故を引き起こす。また、ウクライナの原発では使用済み核燃料の保管施設が砲撃されており、IAEAも使用済み核燃料の防護強化をうち出している。

 原発では、ウラン鉱石を原料にした燃料集合体を使用する。原子炉の中で4~5年使用したのち、新しい燃料集合体と交換する。使用後に残った「使用済み核燃料」は高い放射能をおび、人が近づけば数十秒で死亡するほど危険なものだ。使用済み核燃料の放射能が、もとのウラン鉱石と同じレベルに下がるまでにかかる時間は10万年で、その期間は安全に保管する必要がある。現在最適だとされている方法は「地層処分」で、地下数百㍍の穴を掘り保管する計画だ。

 スウェーデンでは今年1月、政府が使用済み核燃料の最終処分場建設計画を承認した。スウェーデンでも1970年代から使用済み核燃料の処分についての研究をおこなってきた。今回承認した計画は、地表から深さ500㍍のところに500本のトンネルを掘り、6000個の銅製保存容器で1万2000㌧の使用済み核燃料を、放射能が減衰する10万年後まで保管するというものだ。

 なお、建設に約10年かかり、最終処分場が完成して使用済み核燃料の貯蔵が始まるのは70年後だ。日本の場合、地震列島での「地層処分」の危険性も指摘されている。10万年ものあいだ安全に保管できるという保証はない。

 福島原発事故前の2010年段階での日本の使用済み核燃料の累計は1万6330㌧。これは世界第3位の累積量だ。ちなみに当時世界合計は約25万㌧。原発が動き続けていれば毎年1000~1200㌧の使用済み核燃料が発生する。

 使用済み核燃料は、崩壊熱を発生させるので水を循環させて冷やし続けなければならず、原子炉建屋内の貯蔵プールで数年間冷やすが、福島原発事故前の2010年段階ですでに各原発の貯蔵プールは満杯状態になっていた。たとえば東京電力の福島第一原発はあと2年で満杯、同第二原発はあと1・9年、柏崎刈羽原発はあと3年、関西電力の美浜原発はあと6・4年、大飯原発はあと6・1年、高浜原発はあと5・7年といった具合だった。

 福島原発事故の後、ほとんどの原発は停止したが、かりに通常運転が続いていれば、ほとんどの原発は現段階で使用済み核燃料プールは満杯になっていた

 国の計画では各原発敷地内での使用済み核燃料の保管は一時的なもので、ゆくゆくは青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場に運ぶというものだったが、再処理工場の完成が26回も延期され、完成のめどがたっていないため、原子炉建屋内の貯蔵プールに溜まり続けている。現在日本国内で貯蔵されている使用済み核燃料は1万8000㌧という。

 これは国内の貯蔵容量約2万4000㌧の75%をすでに占めており、満杯になるのは時間の問題になっている。

 大量の使用済み核燃料が日本中の原発敷地内に保管されているということの危険性は高い。

 ウクライナ危機において、使用済み核燃料の保管施設が砲撃の対象となったことで原発防護強化が喫緊の課題となっている。原子炉は鋼鉄製で、格納容器に守られ、意図的な航空機の激突にも耐えられるなど外部からの攻撃に一定の頑強さを有しているが、使用済み核燃料の保管施設は多重防護の仕組みになっていない場合が多い。IAEAが今年9月サポリージャ原発に調査団を派遣し、国連に提出した報告書のなかで、使用済み核燃料の保管施設に砲撃痕があったことをとりあげ、大規模な放射性物質の放出に至るおそれがあると警鐘を鳴らした。

 日本では、行き場を失った使用済み核燃料が、防護体制がほぼない各原発のプールに溜まり続けている。使用済み核燃料は膨大な熱を出し続けるため、冷却保管する必要があるが、原子炉と比較して保管施設、とくに冷却のためのプールは外部攻撃に脆弱だ。使用済み核燃料が大気にむき出しになれば、高濃度の放射能が広範囲に放出される使用済み核燃料プールが標的になった場合、大惨事になることは必至だ

 使用済み核燃料プールの破損によって甚大な被害を被ることは福島第一原発事故でも経験している。福島第一原発4号機は地震発生時、定期点検中であったため原子炉には核燃料はなかったにもかかわらず水素爆発を起こした。貯蔵プールの冷却水が循環できなくなり、冷やせなくなったために、水が高温になって蒸発し、燃料が露出して水素が発生して爆発したのだ。爆発によって施設が倒壊し、大量の鉄筋やコンクリート片がプールに落下し、使用済み核燃料の状況を確認できなくなった。

 ちなみにアメリカ政府は、この事態に対しプールに穴が開いて水が抜けたため、使用済み核燃料がむき出しになり、外気にさらされた可能性があると判断し、福島原発から半径50マイル(約80㌔㍍)に住む米国人に避難勧告を出した。日本政府の避難指示範囲は原発から半径30㌔㍍で、これを上回る異例の措置だった。後日、プールの水が保たれていることが確認され大惨事は回避されたが、アメリカ政府が使用済み核燃料プールの機能喪失の深刻さを認識していたことは明らかだ

 ウクライナでの使用済み核燃料保管施設の砲撃を受けて、国際機関は各原発に使用済み核燃料が溜まり続ける日本に対し、その防護を強化するための対策を強く求めている。

 原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのかという新たな問題が出てくるが、そうした問題の解決策もないまま岸田政府は原発最大限活用に舵を切った

 老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は、福島原発事故がもたらした大惨事の教訓を根底から覆し、またウクライナ戦争における原発がミサイル攻撃の標的になるという教訓も考慮せず福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ


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●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】…空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます

2021年03月09日 00時00分41秒 | Weblog

(2021年02月14日[日])
NTVの番組紹介【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】(https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894n2wbm0bud80875er.html)。

 〆のナレーション、「…その時間は10万年その覚悟はあるのか、核のごみは問いかけます」。一説には、その10倍…1000000年間「死の灰」を管理。

 空虚な《地域振興》。《余りに安易》な町長の決断…愚かすぎます。《賛成、反対は抜きにして学ぼう》…立候補しなくたって、《学》べます。
 《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めをかける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》。
 (基地問題に似ている)地域の分断を生むだけであり、《住民や近隣地域が負う代償》はあまりに大きい。空虚な《地域振興に期待》。自公政権は「札束で頬を叩くのはやめるべき」だ。《過疎の町に「最大20億円」財源の魅力》…それは「血」ではなく、「麻薬」です。「血液」の輸「血」と騙されて、《平和利用」に誘われて》「麻薬」中毒に。

 まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

   『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績
   『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?
   『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
        有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?
   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
        を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
          地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
         超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

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https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894n2wbm0bud80875er.html

2020年12月13日(日) 24:55
核のごみは問いかける
「尊重」の先には・・・

核のごみ処分場の調査に手をあげたことについて「パンドラの箱を開いた」と表現する片岡寿都町長。名物の強風を生かし1989年からクリーンなエネルギーである風力発電に力を入れてきました。なぜいま核のごみなのか。調査に応募することで国から最大20億円の交付金が得られるといいます。過疎と高齢化のマチを救いたい町長。鈴木知事はこの国の制度について「札束でほおをたたくやり方」と述べ反対の立場です。核のごみはどこへ行くべきなのでしょうか。

ナレーター/玉川砂記子  制作/札幌テレビ  放送枠/30分

再放送
12月20日(日)8:00~ BS日テレ
12月20日(日)5:00~/24:00~ 日テレNEWS24
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●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)

2020年10月22日 00時00分44秒 | Weblog


野村昌二氏による、AERAの二つの記事。【核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」】(https://dot.asahi.com/aera/2020100700019.html)と、
【核のごみ最終処分場で渦中の寿都町長が激白 「4、5年先を考えたら、今から手を打たねば」】(https://dot.asahi.com/aera/2020100800082.html)。

 《風光明媚な北海道の小さな町と村が、「核のごみ」で大きく揺れている。8日、北海道寿都町は国の選定プロセスの第1段階「文献調査」に応募すると発表した。だが、その元となる使用済み核燃料も、すでに「満杯」に近づいている》。
 《原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐって、北海道寿都(すっつ)町は、8日、国の選定プロセスの第1段階となる「文献調査」に応募すると発表した。2年間の文献調査で最大20億円の交付金が得られ、地域振興に期待するという。これに先立ち、AERAでは9月24日に片岡春雄・寿都町長にインタビュー。応募の「真意」を尋ねた》。

   『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績
   『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?
   『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
        有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?
   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
        を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
          地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》

 AERAの記事【関電“倍返し”金品受け取り問題発覚から1年 新旧経営陣いまだ対立】(https://dot.asahi.com/wa/2020100700030.html)によると、《現金に米ドル、金貨に小判……。関西電力役員らが、原発のある福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題の発覚から約1年。すでに新体制となった関電だが、新経営陣と旧経営陣が対立し、いまだにゴタゴタが続く。実力派の元相談役が“圧力電話”をかけるなど、法廷の外でもあつれきが表面化している》。
 《還流》以外に、政治家への濁流は無かったのでしょうかね? 核発電「麻薬中毒」の皆様ときたら、薄汚い。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
      「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
          関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

 さて、本題。
 《余りに安易》な町長の決断…愚かすぎます。《賛成、反対は抜きにして学ぼう》…立候補しなくたって、《学》べます。
 《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めをかける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

 核発電の賛否に関係なく、放火なんて論外なのは当然。
 地域の分断を生むだけであり、《住民や近隣地域が負う代償》はあまりに大きい。空虚な《地域振興に期待》。自公政権は「札束で頬を叩くのはやめるべき」だ。《過疎の町に「最大20億円」財源の魅力》…それは「血」ではなく、「麻薬」です。「血液」の輸「血」と騙されて、《平和利用」に誘われて》「麻薬」中毒に。
 日刊ゲンダイ【寿都町長宅を放火…核のゴミと20億円がもたらしたドロドロ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/279768)によると、《片岡町長が処分場選定の第1段階である「文献調査」への応募を言い出したのは今年8月。学習会を開いて町民の賛同を得ようとし、一方、町民の一部は反対するなど、町を二分する騒ぎになっている。9人いる町議は、5人が文献調査の賛成派で、4人が反対派だ》。

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●烏賀陽弘道さん
      『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が
             八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●濁流…《塩浜工業…高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの
       工事を受注。玄海での実績は…確認できない》そうだけれど…
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
      しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?

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https://dot.asahi.com/aera/2020100700019.html

核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」
野村昌二 2020.10.9 08:00 AERA

     (核のごみの最終処分場の応募検討を表明した、北海道寿都町。
      カキの養殖やホッケ漁などの漁業が基幹産業だ(寿都町提供))

 風光明媚な北海道の小さな町と村が、「核のごみ」で大きく揺れている。8日、北海道寿都町は国の選定プロセスの第1段階「文献調査」に応募すると発表した。だが、その元となる使用済み核燃料も、すでに「満杯」に近づいている。 AERA 2020年10月12日号で掲載された記事を紹介する。

原発にたまり続ける使用済み核燃料はどのくらいある? データはこちら

*  *  *

 住民には「寝耳に水」だった。

「驚きました。寿都はまだまだ死に体ではなく水産や製造、観光で伸びしろがあります。それを、核のごみというカードを出してきて、町長のやり方はアウトとしかいいようがない」

 日本海に面した北海道寿都(すっつ)町。町で30年近く、商店を経営する吉野寿彦さん(60)は、そう憤る。

 8月13日、同町の片岡春雄町長は突如、核のごみの最終処分場を巡る候補地選定に向けた「文献調査」への応募を検討する方針を表明したのだ。住民だけでなく多くの漁業関係者や道内の自治体も猛反発。鈴木直道・北海道知事も、寿都町の動きを「拙速」と批判した。

 片岡町長は本誌の取材に、表明した理由をこう述べた。

「町はこれまで風力発電などいろいろなことにチャレンジし財源確保に努めてきた。だが、新型コロナがあって経済が疲弊して4、5年先どうなるかわからなくなった。いま手を打てるものは打っていかないと」

 寿都は過疎の町だ。人口は約3千人で、この20年間で約3割減った。65歳以上の高齢者は4割近く。交付金や補助金への依存度が高く、財政難の町にとって2年間の文献調査に応じるだけで入る最大20億円の交付金は大きな魅力だ。

「核のごみ」とは、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物のことだ。


■核のごみの保管場所

 原発は、燃料のウランを核分裂させて出す大量の熱で湯を沸かし、蒸気でタービンを回して発電する。日本は、使い終わった核燃料は再処理し、抽出されたプルトニウムを再び発電に使う「核燃料サイクル政策」を維持している。しかしこの時、約5%は再利用できない廃液が残る。これが「核のごみ」だ。

 このごみは極めて強烈な放射能を持つ。そのため溶かしたガラス原料と一緒に固め「ガラス固化体」として封印し、10万年近く、地下300メートル以上に埋める「地層処分」を国策として決めた。

 1966年に日本初の商業用原発が運転を開始して半世紀以上。これまでたまった核のごみは2492本。それらは今、青森県六ケ所村の一時貯蔵施設に2176本、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構の再処理施設に316本が保管されている(3月末現在)。日本には再処理工場がないため、大半は英仏に委託し戻ってきたものだ。

 ただ六ケ所村は、あくまで「一時保管」。国内に核のごみの最終処分場はない。そこで国は2000年に法律をつくり、自治体から公募を始め、第1段階の「文献調査(2年程度)」に応じるだけで最大20億円、第2段階の「概要調査(4年程度)」に至れば最大70億円を、立地の成否に関係なく交付することにしたのだ。

 この間、唯一、高知県の東洋町が手を挙げたが、住民の猛反発で応募は撤回された。以来、正式に応募した自治体はなかった。

 NPO法人「原子力資料情報室」(東京都)の伴英幸・共同代表は、国のやり方は「アメとムチ」の構図だと批判する。

「昔から、日本の原子力政策は『札束で頬を叩く』と非難されてきました。交付金をちらつかせ誘致の動機にする方法は、やめるべきだと思う」

 北海道大学の小野有五(ゆうご)名誉教授(環境地理学)は、そもそも寿都は核のごみを持ってくる場所としては問題があると指摘する。


■危険な活断層が集中

 経済産業省が17年に公表した最終処分場の適地を示した「科学的特性マップ」によると、寿都町の大半は「適地」となっている。だが、小野名誉教授は、寿都から太平洋側の長万部(おしゃまんべ)にかけ「黒松内(くろまつない)低地断層帯」と呼ばれる32キロほどの活断層帯がほぼ南北に延び、寿都にマグニチュード7.3程度の大地震を引き起こす可能性があると語る。

「活断層の真上が危ないのはもちろんですが、18年に北海道で起きた胆振東部地震の震源地は、活断層から十数キロ離れた場所でした。また、16年の熊本地震では二つの断層が連動して起きている。黒松内低地断層帯も短い活断層が何本も走っていて、それがすべて連動すれば大地震になる。この断層帯は、北海道でもっとも危険な活断層が集中する地域。そのような場所に最終処分場をつくるべきではない」

 前出の片岡町長は9月29日に住民説明会を実施、その後、記者団に対し10月8日に予定されている町議会全員協議会の後にも国などに応募を伝える考えを明らかにした。ただ、地震のリスクについては、活断層から離れた場所はボーリング調査をし、安全性を確かめると話す。

「危険とわかれば文献調査はストップします」

 さらに9月11日、今度は、寿都町と同じ後志(しりべし)地域の神恵内(かもえない)村の商工会が、文献調査の応募検討を求める請願を村議会に提出したことがわかった。同26日、国などは住民説明会を村内で開いた。

 先の小野名誉教授は、厳しく非難する。

「神恵内村は、科学的特性マップでは大半が『不適地』であり、さらに海底の活断層がすぐ目の前にある。最終処分場にはふさわしくない」


■核燃料サイクルの要

 最終処分場だけではない。核のごみの元となる、使用済み核燃料も袋小路に迷い込んでいる。

 使用済み核燃料は、長期間熱を発し続けるため継続的な冷却が欠かせず、各原発の原子炉建屋内の核燃料プールで冷やされているが、そのプールが満杯に近づいているのだ。現在、国内17の原発の貯蔵可能量は2万1400トン。しかし、貯蔵量はすでに約1万6千トンと、全体の75%が埋まっている(3月末時点)。

 敷地内の使用済み核燃料プールはあと何年で満杯になるのか。現在発電中の原発は3基。そのうち高浜4号機・大飯(おおい)4号機と、発電中の原発2基を抱える関西電力は、このまま発電を続けると高浜原発はあと「6年程度」、大飯原発はあと「8年程度」で満杯になると回答。対策については、こう答えた。

六ケ所再処理工場が順調に稼働することにより、使用済み燃料ピット(竪穴)の満杯は回避できるものと考えています

 六ケ所再処理工場とは、六ケ所村に建設している施設のことだ。核燃料サイクルのとされ1993年に建設が始まったが、トラブル続きで遅れに遅れ、今年7月、ようやく原子力規制委員会の安全審査に正式に合格した。だが、老朽化した設備や機器の検査など多くのハードルが残る。

 先の伴共同代表は、もはや日本の核燃料サイクル政策は事実上破綻しているとしてこう語る。

「ここまで揉めるのは、日本の原発事業は核のごみの最終処分地を決めないまま進めた結果。原発政策を進める際、原子力事業者は効率的な原子炉をつくることには熱心だったが、核のごみについては『原発は国策』という理由で国任せ国は国で、ごみの発生者である原子力事業者に責任を押しつけてきたのが原因です。政策を転換し、脱原発に舵を切り、再生可能エネルギー政策をとるべきです」


■目の届くところで管理

 すでに六ケ所村にある核のごみについて、小野名誉教授は「製造物責任」の観点から、電力会社が自分たちですべて引き取り保管・管理すべきだと提言する。

「敷地内の空き容量が不足なら施設を増やし、より安全な形にして保管する。そして、地上の目の届くところで管理する。見えない場所に埋めるのが一番怖い。人間の技術は進歩しますから、よりよい処分法が見つかるまで、そうやって10万年間、保管・管理するしかないのです。人類の英知が試されます」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年10月12日号
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https://dot.asahi.com/aera/2020100800082.html

核のごみ最終処分場で渦中の寿都町長が激白 「4、5年先を考えたら、今から手を打たねば」
野村昌二 2020.10.9 11:30 AERA #AERAオンライン限定

     (片岡春雄・寿都町長(c)朝日新聞社)

 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐって、北海道寿都(すっつ)町は、8日、国の選定プロセスの第1段階となる「文献調査」に応募すると発表した。2年間の文献調査で最大20億円の交付金が得られ、地域振興に期待するという。これに先立ち、AERAでは9月24日に片岡春雄・寿都町長にインタビュー。応募の「真意」を尋ねた。

     (【写真】カキの養殖やホッケ漁が盛んな寿都町は
      こんなにも美しい)

*  *  *

――原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の文献調査への応募を検討したのはどうしてですか?

 実は昨年まで、さほど関心はありませんでした。寿都町は30年も前から、全国に先駆け風力発電事業を始めた自治体です。そうしたことから、他にも有効活用できるエネルギー政策は何だろうかと、昨年4月から議会や産業団体と一緒にエネルギー全般に関する勉強会を開いていて、その中で出てきたのが核のごみ。当初は関心がなかったのですが、今年になって新型コロナウイルスの感染が広がり、相当長引くと感じました。そうなると、町は、当面は風力発電やふるさと納税の利益で財政がひっ迫することはありませんが4、5年先を考えた時、今から何か手を打っておかないといけない。何ができるか考えた時にタイミング的にも一番よかったのが、今回の文献調査でした。

――核のごみの受け入れについては、いままでどの自治体も手を挙げてきませんでした。それだけ風評被害も含め心配があると思います。

 2007年に高知県の東洋町の町長が思い切って手を挙げると住民の猛反発を受け、結局、出直し町長選で敗れて撤回された。しかし、寿都町は30キロ圏内に泊原発があり、核廃棄物が出ています。この始末をどうするのか。どこかの地域で受け入れなければならないのなら、前向きに議論をするべきではないか、と。

――ということは、核のごみ問題に「一石を投じたい」という思いですか。

 そう。そこが一番です。いきなり最終処分場をつくって核のごみを町に持ってくるという話ではありません。「賛成か反対か」と結論を急ぐのではなく、まず「核のごみとはなんぞや」というところから勉強していきましょうと言っているのです。

――しかし、寿都町の町民有志の団体が8月末に行った署名では、町の人口約2900人の2割に達する695人が応募の撤回を求めました。民意をどう考えていますか。

 署名運動の仕方にもよると思います。「核のごみを持ってくる」と言われたら、「そんなものはいらない」と答えるでしょう。また核のごみがよくわからない中で、あまりにも核のイメージが先行してしまい、みなさん不安に感じるのは当然だと思います。

――専門家の中には、寿都から太平洋側の長万部にかけて延びる黒松内(くろまつない)低地断層帯という活断層の危険性を指摘している人もいます。地震のリスクはどう捉えていますか。

 専門家の方たちは誰も断定的なことは言っていません。活断層の上が危ないのはもちろんですが、そこから離れた場所でも「危ないだろう」と可能性の話をしています。だから私は、活断層から10キロ、20キロ離れた場所はボーリングをして、どういう地層になっているのか調査をします。

――ボーリングの結果、「安全でない」とわかったら、調査は打ち切るということですか?

 当然、できるわけないじゃないですか。いくら国が望んでも最終処分場の建設はストップします。

――途中でストップできるでしょうか?

 国はいつでも止められると言ってくれています。「文献調査」の後に「概要調査」、その次に「精密調査」と3段階あります。その都度、いつでも辞退することができると、国は言ってくれています。「国なんか信用できない」という意見もずいぶんあります。だから私は、梶山弘志経済産業大臣から「市町村長の意に反して第二段階に進まない」という一筆をいただいています。

――では町長自身、仮に寿都町に最終処分場をつくるとなった場合、どうしますか?

 今は結論が出せるわけではない。国が言っている説明が本当で最終処分場は安全なのか。その答えをいま私に求められてもわからない。だから今は、賛成、反対は抜きにして学ぼうと。単純な話なんです。

(構成・文/編集部・野村昌二)

※AERAオンライン限定記事
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