Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●「植民地気分」な日米共犯・両政府から「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?

2018年06月28日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>明治の足尾銅山での鉱毒被害の発…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-741336.html)。
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/小野寺大臣は飛行再開に同調…沖縄はもう独立した方がいい】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231504)。

 《▼民による請願は大日本帝国憲法に定められていた。日本国憲法にも権利として明記された請願権を活用し、静かな空を取り戻す取り組みが宜野湾市で動きだしている…▼「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」は田中正造の言葉。沖縄では空を荒らされ、村が破られないよう知恵や権限を用いた取り組みが続く。田中の死から105年。日本は真の文明を手にしていると言えるのか》。
 《県や地元自治体は翌12日の朝には日本政府に原因究明までの飛行停止を求めたが、米軍はその数時間後に飛行再開の方針を打ち出した米軍は沖縄県民を、ということは日本に在住するすべての人間をさげすみ切っている。それでも一連の事態を県外のメディアは満足に報じず、小野寺防衛相と来た日には、「米軍は安全を確認した上での判断だと思うと、飛行再開に同調する始末。どこの国の大臣なのか》。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》』 
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                     アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる
   『●「米軍機接近による児童の避難は…
      39日間に合計242回」、「最も多い日は一日に29回」…異常な現実
   『●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』?
       普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること
    《▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた
     米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認される
     と運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所で
     ごう音が響く…「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう
     「…銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」》

 足尾と福島と沖縄と…ニッポンに真の文明はあるのか?

   ●『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3)についてのつぶやき
   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
                五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」
                                      ・・・我国に真の文明は?

   『●原発再稼働・新規建設・原発輸出、無責任な暴走
                    ・・・・・・我国に真の文明は?
    「asahi.comの記事【真の文明は― 足尾そして福島】…。原発再稼働や
     原発の新規建設、さらには原発輸出……、脱原発派と一体どちらが
     無責任なのか? 原発推進派こそ、無責任な暴走である。こんな我国に
     真の文明は在ると言えるのか?……「福島の原発事故は過去の
     公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる
     足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造
     足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。
     そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた」」

 在日米軍特権な番犬様と、その横暴を許す、見て見ぬふりな、それどころか積極的に後押ししているとしか見えない日米共犯。《沖縄は今も日本の植民地だその日本はさらに米国の植民地である》。

   『●「FMSは武器取引を通じて、米国が他国を
      従属させるシステムでもある。日本の対米追従は強まる一方だ」

 週刊朝日の記事【「ウソツキ」「クソサヨク」“米軍落下物”の保育園に誹謗中傷 沖縄と本土のすれ違い】(https://dot.asahi.com/aera/2018061900048.html)によると、《昨年12月、上空を飛ぶ米軍ヘリの窓(重さ約8キロ)が同校の運動場に落下した。体育の授業中だった児童1人が軽傷。「その後」については、本土メディアではほとんど報じられていないが、子どもたちの教育環境の悪化は深刻の度を増している》。
 「本土」のデマ屋やウソ吐き屋にそれほど貶められないといけない程のことを沖縄は要望しているのか? 単に、「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」という最低限の要望に過ぎないというのに。

   『●「百田氏や自民党議員からの圧力は全てのメディアの 
          言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!
   『●脳内回路は大丈夫?? 自民党若手の脳内では、 
          「憲法学者達<<百田尚樹氏」という訳だ!?
   『●翁長知事「がくぜんとしている、日本の将来に禍根を残す」・・・
                     深層心理に「沖縄だからいいや」の醜さ
   『●芸術家との意見交換を通じて「心を打つ『政策芸術』を立案し、
                     実行する知恵と力を習得・・・だそうです
   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
     その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」
   『●むき出しの「言論弾圧政党」: 東京新聞社説
       「沖縄の二紙のみならず、報道機関全体で抗議すべきこと」
   『●「百田氏や自民党議員からの圧力はすべてのメディアの 
           言論の自由に対する挑戦・・・危機感を共有して」!
   『●高江破壊: 「沖縄・地域住民弾圧隊」による
      「市民に対する暴虐としか言いようのない異常な光景」
   『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」
      「事実関係を無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担
   『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
      沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ

 日刊ゲンダイの記事【週末オススメ本ミシュラン/初歩的な「どっちもどっち」論への反発】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/231392)によると、《わかりやすい解説ばかり求めて、タブーに挑戦しなくなっていることを憂えているのだと思うが、「池上彰」化はまた、あたかも偏らない公正中立な立場があるような幻想を肥大させている。それは池上がいた“NHK病”とも言えるだろう…大阪の鶴橋で女子中学生がこんなことをがなった。「…もう、殺してあげたい! いつまでも調子にのっとったら南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!」…ジャーナリズムの「池上彰」化に関連して私が著者に最も共感したのは、初歩的な「どっちもどっち」論への反発である。…「くたばれ! どっちもどっち」である。…選者・佐高信
 ヘイト屋デマ屋の狂気の横暴の一例。女子中学生までが洗脳され、殺人を口にする始末。

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです。
       これが一気に拡散するのは、この動画に英文字幕がついたものが
     YouTubeにアップされて以降》

   『●《差別の歴史、力の差を無視して
      「どっちもどっち」論に持ち込む》(阿部岳さん)低民度…抗い続けねば

 さて、沖縄知事選挙。
 沖縄タイムスの記事【宜野湾市長・佐喜真氏、沖縄県知事選へ意欲 出馬環境整うか】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/270694)によると、《自民党の候補者選考委員会が有力候補として人選を進めている…》。
 沖縄県知事選が近づく。《こんな人物》でいいの? 《戦前そのもの》を希求するような自公系沖縄県知事候補でいいの? 沖縄は完全に〝破壊〟されつくすのでは…?

   『●宜野湾市長選: 直近の沖縄主要選挙で5連敗目をアベ様に
    《園児が教育勅語を唱和…宜野湾市長が出席した大会の異様…現職で
     与党推薦の佐喜真淳氏(51)の再選を阻めば辺野古移設の歯止めになる
     ことから、全国的な注目度も高い。もっとも、それ以前にこんな人物を
     再選したら、宜野湾市民は常識を疑われることになりそうだ
     佐喜真市長が日本会議のメンバーかどうかは知らないが、
     善悪の判断がつかない園児に教育勅語を暗唱させ、一斉唱和させる
     なんて戦前そのものではないか

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-741336.html

<金口木舌>明治の足尾銅山での鉱毒被害の発…
2018年6月19日 06:00
足尾銅山 田中正造 大日本帝国憲法 普天間第二小 窓枠 落下 F15 嘉手納町議会 抗議 金口木舌

 明治の足尾銅山での鉱毒被害の発生は日本で初の公害とされる。住民が国に訴える請願、衆院議員の田中正造の直訴によって窮状が広く知られるようになった

▼民による請願は大日本帝国憲法に定められていた。日本国憲法にも権利として明記された請願権を活用し、静かな空を取り戻す取り組み宜野湾市で動きだしている

米軍機の住宅密集地上空の飛行を禁止する条例を制定しようと市議会に請願する運動だ。普天間第二小への窓枠落下から半年。ヘリ接近のたび、授業が中断される状況を改善したいとの思いがある

▼嘉手納基地では墜落したF15同型機が飛行を強行した。嘉手納町議会の抗議を米軍は拒み続けていて、議会は今月5本目の決議を可決した。住民の生命を守る立場から決議せざるを得ない機会が月5度あるのは異常である

▼「日本政府は要望する相手方か」。中城村議会はそんな思いで意見書を出さなかった。F15飛行再開を追認する態度には期待できないとの判断で、何も見限る訳ではない。国民を守る政府であれ、と願わざるを得ないむなしさだ

▼「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」は田中正造の言葉。沖縄では空を荒らされ、村が破られないよう知恵や権限を用いた取り組みが続く。田中の死から105年。日本は真の文明を手にしていると言えるのか
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231504

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ早大商卒業、英国・バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。『日本工業新聞』入社後、『プレジデント』編集部、『週刊文春』の記者を経て独立。弱者の視点に立ち、権力者の横暴を徹底的に批判する著作を出し続けている。消費税の逆進性を指摘する著作も多数。「機会不平等」「安心のファシズム」「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」「ちゃんとわかる消費税」など。

二極化・格差社会の真相
小野寺大臣は飛行再開に同調…沖縄はもう独立した方がいい
2018年6月20日

     (F15戦闘機(C)共同通信社)

 沖縄・嘉手納基地に所属する米空軍F15戦闘機の飛行訓練が、13日午前7時52分に再開された。午後4時ごろまでの間に約20機が離着陸を繰り返したという。

 同じ嘉手納基地の同型機が沖縄本島の南の海上に墜落したのは11日午前6時25分ごろのことである。県や地元自治体は翌12日の朝には日本政府に原因究明までの飛行停止を求めたが、米軍はその数時間後に飛行再開の方針を打ち出した。 

 1979年に嘉手納基地に配備されたF15の事故は、これで10件目。昨年からはF35など異機種との空対空訓練が増えたのに伴い、事故の危険性も高くなっていた。

 米軍は沖縄県民を、ということは日本に在住するすべての人間をさげすみ切っている。それでも一連の事態を県外のメディアは満足に報じず、小野寺防衛相と来た日には、米軍は安全を確認した上での判断だと思うと、飛行再開に同調する始末どこの国の大臣なのか

 ……事、ここに至って思う。沖縄はもう、独立したほうがいい。いや、一刻も早く、この国を離れなくてはならない。

 日本に属している限り、どれほどの県民が憤ろうと、心ある本土人が支援しようと、沖縄は永久に犠牲だけを強いられる。米軍はもちろん、同胞であるはずの日本政府も、沖縄では何をしても許されると信じ込んでいる

 沖縄は今も日本の植民地だその日本はさらに米国の植民地である。戦後初期には本土に集中していた在日米軍基地は、50年代後半から、まだ占領下にあった沖縄に移設されていった。本土の反基地運動に押された格好だが、この関係を日米両政府が利用して、沖縄の不利益は本土の利益、という構造が定着した。

 私自身は東京の人間だから、この構造は実に都合がよい。米軍という最悪の災厄を沖縄に押し付けてしまえるのだから。

 だが、もう耐えられないこれ以上、人でなしのままでいるのは嫌だ米軍の恐怖を想像すらできない低能ばかりがまかり通る社会などご免である

 私は沖縄県民に対する同情だけで琉球独立論を述べているつもりはない。米軍基地は日米安保体制の産物として存在するのだから、日本でなくなった暁の沖縄には彼らがとどまる理由はない。とすれば米軍基地を引き取るか、これを機に安保体制の見直しを図るか、いずれにせよ本土の人間も、少しは頭を使うようになれるのではないか

 沖縄の独立は、日本全体にとっての国益なのである。だから言うのだ。
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●石牟礼道子さん亡くなる…「戦後日本の裏面…日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきたのか」?

2018年02月21日 00時00分56秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>苦悩を見詰める】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-664763.html)。
東京新聞の社説【石牟礼道子さん 不知火の海の精として】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018021402000164.html)。

 《石牟礼道子さん、伊佐千尋さんが相次いで他界…石牟礼さん、伊佐さんの作品は、戦後日本の裏面で呻吟(しんぎん)する人々に光を当てた日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきたのか、私たちに問い掛けている》。
 《石牟礼道子さんの魂は天草の自然とともにあり、水俣の被害者と一体だった。そしてそのまなざしは、明治以来急激に進んだ近代化への強い懐疑と、そのためになくしたものへの思慕に満ちていた》。

 石牟礼道子さんが亡くなられました。ご冥福を御祈りします。
 琉球新報コラム【金口木舌】は《戦後日本の裏面…日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきたのか、私たちに問い掛けている》と言い、一方、東京新聞【社説】も《明治以来急激に進んだ近代化への強い懐疑と、そのためになくしたものへの思慕に満ちていた》と言います。一見、「環境」は修復されたように見えても、社会環境の回復にまだまだ遠い状況。そして、長き自民党政治の結果としての、《近代》の終着点としての、2011年3月11日の東京電力核発電人災と、その後の無責任政治。とみにアベ様の「政」の酷さ。目を覆うばかり。「原状回復」することもなく、アベ様や東京電力が「柏崎刈羽」の「カ」の字も口にすることは許されないはずなのに…。

   『●『上野英信の肖像』読了(2/2)
    「森崎和江、石牟礼道子さん…。石牟礼さん「わたくしにとっての筑豊」」

   『●『追われゆく坑夫たち』読了(3/3)
   『●『松下竜一未刊行著作集1/かもめ来るころ』読了(2/8)
    「石牟礼道子さんの『苦海浄土 ――わが水俣病』がもたらした
     松下センセと水俣との出遭い、因縁。翌年夏、センセはペン一本の生活へと転身」

   『●『松下竜一未刊行著作集2/出会いの風』読了(7/9)
    「石牟礼道子さんの『苦海浄土』も出版した講談社きっての名編集者、
     『豆腐屋の四季』により「私を世に出した人」加藤勝久さんは…」

   『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(1/3)
    「環境庁長官時代に見る差別主義者の姿。《斎藤 …/水俣病患者…。
     その逃げた先が麻布のテニスクラブで、テニスをして遊んでた話は
     有名ですね。/…あれほど気の弱い小さいつまらない男は世界中探しても
     いないと。/…/吉田 …石牟礼道子に会いたがっていたと…。
     だけど石牟礼道子は見向きもしなかったって》」

   『●『創(2010年2月号)』読了(3/3)
    「《矢崎 そういえば永さん、『苦海浄土』を書いた石牟礼道子さんや、
     写真家のユージン・スミスなんかと一緒に、よく水俣に行っていたもんね》。
     足尾銅山鉱毒事件と田中正造。足尾銅山鉱毒事件と同様に、奈良の
     平城京は都市公害の第1号。水銀説と奈良の大仏。北山修さん。
     核廃棄物について、《 これはもう、文明が生んだ「負の遺産」として、
     次世代に委ねるしかないね。われわれには、その汚物処理は手に負えないし、
     時間もない。ただ、この汚物は使い物にならない、という発言だけは
     残しておきたいけどね》」

   『●『ぢぢ放談』読了
   『●原発再開、過ちを繰り返そうとしている
    《熊本県水俣市の水俣湾。かつてこの海に垂れ流された高度経済成長の
     副産物、猛毒のメチル水銀が、最悪の公害といわれる水俣病の原因でした。…
       ◆水俣湾のドラム缶群…親水護岸のわきの遊歩道には、「魂石」と
     呼ばれる小さな石仏が約五十体、海に向かって並んでいます。
     作家の石牟礼道子さんや水俣病患者で漁師の緒方正人さんらでつくる
     「本願の会」が彫ったもの。何を祈り、何を伝えたいのでしょうか。
       「忘れてはならない」「繰り返してはならない」。水俣の祈りです。
     切ない願いが何度裏切られようと、水俣は祈り続けています。
     ◆命が軽視されている
       埋め立て地を見下ろす岬の上の水俣病資料館で昨年六月から半年間、
     「福島原発事故風評被害-水俣の経験を伝えたい」と題する緊急企画展が
     開催されました。
       パネル展示は、水俣と福島との類似点を訴えました。》

   『●『週刊金曜日』(2012年11月2日、918号) についてのつぶやき
    「「震災と記憶/語り継ぐことの難しさ」。石牟礼道子×田中優子対談
     「毒死した万物の声に身悶える」」

   『●「セブン‐イレブン〝鈴木帝国〟の落日」
      『週刊金曜日』(2014年1月31日号、977号)について
    《…石牟礼道子さん、アイリーンさんの反原発活動の話へと続くのだが…》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-664763.html

<金口木舌>苦悩を見詰める
2018年2月14日 06:00

 優れたノンフィクション作品に贈られる「大宅壮一ノンフィクション賞」に縁のある石牟礼道子さん、伊佐千尋さんが相次いで他界した。2人とも沖縄を題材とした著作を残した

▼石牟礼さんの代表作「苦海浄土 わが水俣病」は1970年の第1回受賞作だったが、本人は辞退した水俣病患者を描いた作品で賞を受けるのは忍びないという心情からだ

▼兄を沖縄戦で失ったからだろう。苦悩する者への深い思いを沖縄にも向けた。来県した際、戦跡を案内するという地元の申し出を断った。昨年6月、朝日新聞に寄せた随筆で「県民の四人に一人が亡くなったという沖縄の受苦を思うと、ご厚意に甘えるわけにいかなかった」と記した

▼沖縄で少年期を過ごした伊佐さんは敗戦から2年後、米軍の通訳として伊江島に渡った。地上戦の最中、住民が自ら命を絶ったことを知る。「誰が好んで死ぬのか。死にたくて死んだんじゃないという住民の悲痛な声を聞いた

民を虐げる為政者に厳しい目を向けた。米兵殺傷事件の裁判で陪審員となった体験に基づく作品「逆転」は78年の第9回大宅賞受賞作。コザ騒動を描いた「炎上」も米統治下の人権侵害に迫った

▼石牟礼さん、伊佐さんの作品は、戦後日本の裏面で呻吟(しんぎん)する人々に光を当てた。日本人が何を犠牲にして繁栄を手にしてきたのか、私たちに問い掛けている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018021402000164.html

【社説】
石牟礼道子さん 不知火の海の精として
2018年2月14日

 石牟礼道子(いしむれみちこ)さんの魂は天草の自然とともにあり、水俣の被害者と一体だった。そしてそのまなざしは、明治以来急激に進んだ近代化への強い懐疑と、そのためになくしたものへの思慕に満ちていた

 常世とこの世のあわいに住まう人だった。童女のように笑みを浮かべて、おとぎ話を語り継ぐように深く静かに怒りを表した

 「水俣川の下流のほとりに住みついているただの貧しい一主婦」(「苦海浄土くがいじょうど」)が水俣事件に出会い、悶々(もんもん)たる関心と小さな使命感を持ち、これを直視し、記録しなければならないという衝動にかられて、筆を執る

 事件の原因企業チッソを告発する活動家、はたまた哲学者と呼ばれることもあった人。しかし-。

 「近代日本文学を初期化した唯一無二の文学者」だと、石牟礼さんの全集を編み、親交の深かった藤原書店店主の藤原良雄さんは言う。「自然を征服できると信じる合理的、効率的精神によって立つ近代西洋文学に、日本の近代文学も強く影響を受けてきた」。それを、いったん原点に戻した存在、ということだろう。

彼女の魂は、不知火の海、そして出生地の天草、水俣の人や自然と混然一体だった。例えば、「しゅうりりえんえん」という詩とも童話ともつかぬ不思議な作品について、こう語ったことがある。「狐(きつね)の言葉で書きたかった」

 その作品は、ふるさとの海山、ふるさとに生きとし生ける命が産み落とす熱い言霊(ことだま)だったのだ。

   「不知火海にかぎらず、わたしたちの国では、季節というものをさえ、
    この列島のよき文化を産んだ四季をさえ、殺しました」(「天の病む」)

そんな、かけがえのない世界を、悪(あ)しき「近代」が支配する。わが身を蝕(むしば)まれるほどに、耐え難いことだったに違いない。

 有機水銀で不知火海を侵したチッソは「近代」の象徴であり、水俣病患者ではない石牟礼さんも被害者と一体化して、その「近代」に言霊を突きつけたのではなかったか。

 「大廻(うまわ)りの塘(とも)の再生を」。藤原さんに託した遺言だったという。塘とは土手。幼いころ遊んだ水俣川河口の渚(なぎさ)は、チッソの工場廃棄物とともに埋め立てられた。

 

 ふと思い出した歌がある。

 ♪悲しみと怒りにひそむ/まことの心を知るは森の精/もののけ達だけ…。(「もののけ姫」)

 石牟礼さんは、まこと、不知火の海の精だった。
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●首相からして歴史修正主義者な国の文科大臣の「食言」

2014年05月09日 00時00分40秒 | Weblog


CMLの記事【[CML 030591] 下村大臣の食言の意味について(村山談話関連)】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-April/030606.html)。

   『●一国の首相が歴史修正主義者なんて恥ずかしいし、
                 羞恥心の無さと自覚の無さという救いの無さ


 首相からして歴史修正主義者な国なのですが、その文科省下村博文大臣が村山談話について「食言」したそうです・・・・・・「「自虐史観」などというあいまいな造語でしか主張を展開できない人、組織の共通点の一つが、苦しまぎれに事実を二の次とした出まかせウソをまき散らして恥じない、ということです」。この「食言」も当然の結果だと頷けるのは、以下のような経緯があったからです。

   『●「僕らは「戦争」を知らない?」 『週刊金曜日』
                (2014年4月25日・5月2日合併号、989号)

     ■⑤『週刊金曜日』(2014年4月25日・5月2日合併号、989号) /
       【
村岡和博の政治時評/「閣議決定はされていない」 村山談話
       めぐり虚偽の答弁 下村文科大臣の訂正と誤算】、「「政府の
       統一見的な見解」には当たらないと答弁・・断言」。歴史修正首相でも
       否定できず
   (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/・・

   『●「闘うアート」 『週刊金曜日』(2014年4月18日、988号)
                       についてのつぶやき

     ■⑬『週刊金曜日』(2014年4月18日、988号) / 
       高嶋伸欣さん【大臣の事実誤認発言を2度も見逃した記者の怠慢
       なぜ?】、「下村博文・文部科学大臣が・・
       「
村山内閣総理大臣談話河野官房長官談話自体は、
       これは閣議決定されたものではありません・・」」という誤認

   『●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!?
               そして、国会は一体何をやってきたのか?

    「下村博文文部科学相も「議員辞職ものだ。これを認めれば、
       いろんな行事で天皇陛下に手紙を渡すことを認めることになる。
       政治利用そのもので、(足尾銅山鉱毒事件で明治天皇に直訴を試みた)
       
田中正造に匹敵する」と批判した」

   『●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件
    「下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」

   『●無節操の図: 橋下元大阪〝ト〟知事も十分に〝ト〟、
                 そして自民党も同じ穴のムジナ
    「橋下に対して「党を代表する人の発言ではない」と非難した下村博文
       文科相も、第1次安倍内閣の官房副長官だった07年、ラジオ番組で
       「従軍看護婦や従軍記者はいたが、
従軍慰安婦はいなかった
       「親が娘を売ったことはあったと思うが、
       
日本軍が関与していたわけではない」などと発言して物議を醸した。
       翌日の記者会見で「個人的な見解」と釈明していた」
      「安倍内閣には極右的な思想の閣僚が多い。昨年11月に米国の
       新聞に掲載された慰安婦問題を否定する意見広告には、
       安倍首相はじめ、稲田行革相、下村文科相、新藤総務相、
       古屋国家公安委員長の4閣僚が名を連ねています
       この意見広告は『彼女たちは当時世界中のどこにでもある
       公娼制度の下で働いていた』などと主張するもの。
       この大臣たちの歴史認識について、国会で追及することも
       考えています」(民主党関係者)

   『●原発推進: 国民が見えているとは思えない政権
      「■孤立招く歴史見直し
        新政権の要職には、下村氏をはじめ、安倍氏がかつて事務局長を
       務めた「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の
       メンバーが並ぶ。この会は、歴史教科書の慰安婦をめぐる記述を
       「自虐史観」と批判し、慰安婦への謝罪と反省を表明した河野談話の
       見直しを求めてきた
        また、行政改革相に就いた稲田朋美氏は「南京大虐殺」を否定し、
       東京裁判を「不法無効な裁判」と批判してきた。
        河野談話や村山談話の見直しは「戦後レジームからの脱却」を
       唱える安倍氏の持論だ」

==============================================================================
http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-April/030606.html

[CML 030591] 下村大臣の食言の意味について(村山談話関連)
maeda at zokei.ac.jp
2014年 4月 1日 (火) 10:06:38 JST

前田朗です。
4月1日

[net21]からの転送です。

下村文科相答弁の虚偽は、いくつかのMLで指摘されていますが、高嶋伸欣さん
が、過去の経過も踏まええてきちんと分析しています。

********************************
皆様    高嶋伸欣です

1 下村博文大臣は26日の無償措置法改正案の審議の場で、共産党の
議員に対する答弁で、「村山内閣総理大臣談話、河野官房長官談話
自体は閣議決定されたものではありません。検定基準における『政
府の統一的な見解』には当たらないものであります」と明確に断定
しました(国会の議事録「議事速報」で確認できます)。

2 でも、”村山談話が閣議決定ではない”という発言は、明らかに誤り
です。「朝日」の縮刷版で見ると。1995年8月15日夕刊のトップ記事
で詳しく報道されている中、何度も閣議で決定したとあります。さらに
はよく16日朝刊の第1社会面の記事紙面の半分を費やして、自民党
議員が大半である大臣たちから異論を出させないようにするために、事
前の準備をどのようにしていたのかということや、実際に一切の異論が
なく全員が賛成した経過を詳しく伝える記事が、掲載されています。

3 大臣が基本的な事実の認識を誤っていることが、明確になったのです。
質問した議員からは「驚くべきことだと言わなければなりません。」な
どと追及されても、なお大臣は「私は事実関係を申し上げているわけで
ありまして、閣議決定されていないということは、これは事実でありま
」と、発言しています。

4 大臣の勉強不足(?)は、責められるべきですが、不思議なのは大臣の
後ろに控えているはずの文科省の局長などは、村山談話が閣議決定されて
いることを知らないはずはないのに、そのことをすかさず大臣に囁いて発
言を訂正するように進言していないことです。議員からの質問項目は事前
に通告されているのですから、少なくとも事務方は関連情報を確認してい
て、大臣発言の誤りにはすぐに気付いたはずです。

5 このあたり、八重山教科書問題を含め、これまでの自民党政権でも自制
していた教育への政治的介入への限度を超えて「暴走」を続ける安倍政権
に対する文科省官僚たちが表明し始めた「反乱」・サボタージュの一端で
もありそうです。

6 ところで、これだけ明確な大臣の「食言」であるのに、ほとんどのメデ
ィアが報道していません

7 わずかに、「朝日」の記者が、その後に改めて下村大臣に対し再確認の
取材をしたところ、大臣が「閣議決定されていないという事実の説明をし
た」と答えたという経過を、27日朝刊の第4面右下に横書きの囲み記事
という目立つ扱いで、伝えています。
 けれどもこれは、大臣の事実誤認を問題にしたのではなく、河野談話と
村山談話を検定基準に言う「政府見解」に該当しないとする解釈の根拠の
再確認をしただけです。肝心の事実誤認の問題に記者が気付いていないの
明らかです。

8 上記のように、「朝日」は村山談話が閣議決定されたことを特筆大書の
報道で世の中に印象付けているのです。それなのに27日の4面下囲み記事
を書いた記者もこの紙面担当のデスクも、その事実について全く気付いてい
ないで、事実よりも解釈の論争のほうにこだわってしまった、ということの
ようです。

9 もともと、検定基準に「政府見解の記載を義務付ける」という規定を加え
ると下村大臣が昨年11月15日に明らかにした際、もっとも強く批判した
のも「朝日」でした。翌16日の朝刊では第1・2面で大々的に批判し、
そこには「政府見解といえば、1995年に村山富市首相がアジア諸国へ
の植民地支配を公式に認め、『心からのおわび』を表明した『村山談話』も
そうだ」と、いち早く言及しているのです。

10 この記事などで『村山談話』のことに気付いた八木秀次氏たちは、最近、
ことあるごとに同談話の無視や貶める情報の拡散を画策しています。そうし
小細工に同調する意識が根強い下村大臣が、河野談話が閣議決定されて
いないということにかこつけて政府見解とみなさないという論理に結びつけ
て、目障りな村山談話も教科書に載せるべきではない、ということにしよう
としたのではないか、などとも推測できます。

11 因みに、「村山談話」はすでに実教出版の『日本史B』の現行版に、引用
されて載っています。それも明確に謝罪している後半部分の全文がです。
 そして、新版のこの4月から高校2年生までが使用する新課程用の「高校日
本史B」にも全く同じ形で載っています。当然、この新版も検定に合格してい
ますし、検定に合格というお墨付きを同教科書に2013年3月に与えたのは、
かならぬ下村博文・文科大臣だったのです。

12 この新版の実教「日本史B」は都教委と神奈川教委が採択妨害をした「高校
日本史B」とは別のものです。けれども、この「日本史B」も「自虐的」である
として、保守派は批判の対象にしています。その分、同署の内容をそれなりに
チェックをしているようで、批判の根拠として『村山談話』の記載を挙げてい
ます。挙句に、八木氏は自分が責任者である「日本教育再生機構」の会報『教
育再生』2013年12月号の座談会で、この「日本史B」も「東京と神奈川では」
「採択がゼロになりました」という、これまた事実無根の発言をしています。
 東京都と神奈川県の採択結果はどちらも教育委員会のHPで検索が可能で、各
5校で採択されている事実の確認できます。このウソ発言はその後も訂正され
ていません。明らかに、営業妨害の発言です。

13 「自虐史観」などというあいまいな造語でしか主張を展開できない人、組織
共通点の一つが、苦しまぎれに事実を二の次とした出まかせ、ウソをまき散ら
して恥じない、ということです。 この反社会的な特性を持つ人物たちが次々
と安倍政権では登用され問題発言を繰り返しているのは、周知のことですが、
とうとうそれが文科大臣にまで及んだことを事実をもって自ら示したのが、今
回の下村発言でもある、と私は受け止めています。

14 これで、下村大臣は夏の内閣改造で留任になる可能性は薄れたといえそうで
す。それとも、さらに「名誉挽回」のためにさらなる「暴走」をするのでしょ
か。とばっちりが竹富町やその他の人々に及ばないようにと願うばかりです。

以上 文責は高嶋です     拡散・転送は自由です
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●原発再稼働・新規建設・原発輸出、無責任な暴走・・・・・・我国に真の文明は?

2014年03月19日 00時00分54秒 | Weblog


東京新聞の記事【川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031390135609.html)と、
asahi.comの記事【真の文明は― 足尾そして福島】(http://www.asahi.com/articles/CMTW1403140700002.html)。

 「新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定」・・・・・・暴走する原子力「推進」「寄生」委員会、そして九州電力と自公政権の愚かさ。 

 原発再稼働や原発の新規建設、さらには原発輸出・・・・・・、脱原発派と一体どちらが無責任なのか? 原発推進派こそ、無責任な暴走である。こんな我国に真の文明は在ると言えるのか?・・・・・・「福島の原発事故は過去の公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造の足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた」

   『●「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」
                                      ・・・我国に真の文明は?


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031390135609.html

川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針
2014年3月13日 13時56分

 原子力規制委員会は十三日、原発再稼働の条件となる新規制基準への適合審査の進め方について、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)ではおおむね適切に地震と津波が想定され、事故対策の設備面でも大きな問題はないとして優先的に審査を進めることを決めた。新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定となった。
 新基準では、最大級の地震と津波を想定して「基準地震動」と「基準津波」を設定。原発がこれらに襲われても十分に耐えられるよう建屋や配管などに強度を持たせ、防潮堤なども整備する。事故が起きても、被害を拡大させない対策をとるよう求めている。
 これまで八つの電力会社が十原発十七基の再稼働を規制委に申請したが、想定が足りないなどの問題点が指摘されてきた。十二日の審査会合で、川内原発と四国電力伊方原発(愛媛県)について目立った異論は出なかった。
 十三日の規制委会合では、島崎邦彦委員長代理が川内原発のみで基準地震動などが確定したと説明し、更田(ふけた)豊志委員は「川内原発の設備面の対応は十分満足できる」と述べた。このため審査のモデルとして、川内原発が選ばれた。
 規制委は、川内原発に周辺の火山から火砕流が到達する可能性がないかを確かめた後、対策が十分かを総合的に審査し、審査書案を作成。意見募集や公聴会を経て、審査は終わる。


◆住民避難態勢も不十分

 原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機を優先的に審査することを決めた。九電は電力需要が高まる夏前の再稼働を目指し、地元の鹿児島県知事も前向きな姿勢を示している。しかし、規制委が認める通り、新基準を満たすことは安全を確保するための最低条件にすぎない。

 川内原発は、東京電力福島第一原発とは異なる「加圧水型」と呼ばれる型。原子炉格納容器の容積が大きく、炉が暴走し始めても対処する時間の余裕が比較的あるとされる。

 しかし、炉内の圧力を逃すフィルター付きベント(排気)設備の設置はまだ計画段階で、緊急時の対策拠点もまだ代替施設があるだけだ。

 原発外では、昨年十月に事故を想定した避難訓練が実施されたが、実際の福島事故より、事故の進展スピードが遅く、避難に使うバスがあらかじめ集合場所に用意されているなど甘い内容だった。

 事故時に避難住民を受け入れてくれる先を事前に確保しておくことも重要だが、鹿児島県は県内避難にこだわり、隣接の熊本県との協議が遅れた。計画は定まったものの、福島で起きたように大渋滞で車が動けなくなる事態など、起こり得る問題を十分に想定しているとは言い難い。 (山川剛史)


<川内原発> 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉(PWR)。2基あり出力は各89万キロワット。1984年と85年に運転を開始した。東京電力福島第一原発事故時には2基とも運転中だったが、2011年9月までに定期検査に入り、停止中。原発の新規制基準が施行された13年7月、九電は2基の審査を原子力規制委員会に申請した。原発事故前、国内最大規模となる3号機(改良型PWR、159万キロワット)増設が計画されたが、手続きは凍結している。

(東京新聞)==========================================================================

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http://www.asahi.com/articles/CMTW1403140700002.html

真の文明は― 足尾そして福島
2014年3月14日10時27分

   (渡良瀬川の河川敷に立つ鳥羽義昭さん。上流の足尾銅山から
    流れ出た鉱毒によって、川沿いの地域は甚大な被害を受けた
    =群馬県館林市下早川田町)
   (かつて人びとの暮らし、生活があった谷中湖。いまは野鳥の楽園となり、
    野鳥観察やサイクリングなどを楽しめる。)


 ●鉱毒事件の地を訪ねて

 福島の原発事故は過去の公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造の足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた。

 1月中旬、渡良瀬遊水地は、野鳥観察を楽しむ人らでにぎわっていた。栃木、群馬、埼玉、茨城4県にまたがる33平方キロメートルの遊水地。その南端にある谷中(やなか)湖(450ヘクタール)は栃木市と群馬県館林市、埼玉県加須市の県境に位置する。「谷中」とは、かつてここにあった村の名前だ。

 湖に隣接する旧谷中村跡には村民の墓石などが残っている。安政、天明など江戸時代の年号が刻まれたものもある。「想像もつかないですよね。450軒が住んでいたなんて……」。館林市の行政書士、鳥羽義昭さん(69)が周囲を見渡し、言った。

 民家が立っていた場所には木が植わり、田んぼだった所にはヨシが茂る。鳥羽さんと村の中心部にある雷電神社跡に立った。ここで農村民は、雨を乞い、雷よけを願ったそうだ。

 1877(明治10)年ごろから、この地は渡良瀬川上流にある足尾銅山から流れ出た銅や鉛、カドミウムなどの有毒な重金属に汚された。この鉱毒によって農作物は枯れ、魚は死んだ。

 被害拡大の一因はこの地域を度々襲う洪水にあるとして、政府が遊水地を造る計画を立てると、栃木県は強引に土地の買い占めに走った。買い取り価格は田畑が10アール20~30円(現在の価値で約8~11万円)、宅地は1坪8円(同約3万円)ほどだったという。村民の多くは北海道オホーツク海沿岸などへ移住し、開拓民として苦労を重ねた。1906年、人口2700人の谷中村は強制廃村となった。

 「殖産興業」や「富国強兵」政策を掲げる明治政府にとって、足尾の銅は外貨を獲得できる重要な輸出品で不可欠だった。谷中村はその「犠牲」とも言えた。

 熊本大の小松裕教授(日本近代思想史)は著書でこう指摘する。「『貧乏村』なのに、堤防修築費など地方税からの支出がたくさん必要な『厄介村』というのが行政側の谷中村観であった。……洪水や不正・汚職事件等が発生したとき以外には新聞にも取り上げられることのない、いわば“忘れられた村”であった」(2013年、岩波書店)

 しかし、そんな村に廃村後も住みつづけた人びとがいた。「残留民」と呼ばれる16戸だ。木や板を集めて「仮小屋」を造って居座った。1907年6月末~7月、県に小屋を強制破壊されるまで遊水地化に抵抗した。そんな人びとの精神的支柱となったのが、田中正造だった。

 正造は1841年、現在の栃木県佐野市小中町で生まれた。政治家を志し、90年、衆議院議員となる。議員として鉱毒事件を追及、天皇への直訴も決行した。

 正造が谷中村に見たのは「お金で買えない共同体」の存在だ。谷中の村民たちが長い年月を経て築いてきた「結合の力」や「団結力」は、たとえ大金をはたいても買うことができない。人権と同じ価値がある。そう考えた。

 そして問題の本質を、近代化による「生命の軽視」だととらえた。足尾の事件を「鉱毒殺人問題」と呼んで「人災」と位置づけ、1913年、病に倒れるまで住民とともに闘い続けた。

 1972年の谷中湖造成時、住民から墓石の撤去を阻止する反対運動がおきた。丸く造る予定だったものが設計変更され、墓や村の跡を残して谷中湖はハート形になった。いま、輝く湖の水面は「自然は人の手でコントロールできる」という近代自然観を映す鏡のように見える。

 鉱毒の被害地である群馬県の大島村正儀内(しょう・ぎ・うち)出身の父を持つ鳥羽さんは現在、NPO法人「足尾鉱毒事件田中正造記念館」で理事を務める。「私たちには(足尾銅山を経営していた)古河鉱業は加害者。でも、足尾に行けば『古河様』です。産業を興してくれた人なんです」。そんな微妙な違いも肌で感じてきた。

 100年以上経ったが、鉱毒問題の解決にはほど遠い。東日本大震災で足尾銅山で使われた栃木県日光市の堆積(たいせき)場から渡良瀬川に土砂が流出、河川水から環境基準の約2倍の鉛が検出された。渡良瀬川沿いの農家はいまも、鉱毒の中和剤をまいてコメを作っているという。

 正造の教えとは何だったのか。鳥羽さんは「文明のあり方」と答えた。「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」。正造の言葉はその象徴だ。

 正造は晩年、知人に宛てた手紙の中でこう書いている。「谷中問題結了すとおもふなかれ。……谷中亡びても問題は生きて働かん」

 「福島」であらわになったのは、まさにこの「谷中」ではなかったか。そんな思いにかられた。鳥羽さんが言う。「足尾の毒はまだ残っています。後戻りはできないんです。原発もプルトニウムも。後処理ができないものがどんどん加えられていく気がします」


 ●宮本憲一・大阪市立大名誉教授(環境経済学)の話

 足尾も福島も被害が広範囲に及び、長期に続くという点で共通する。さらに、足尾では政府が古河鉱業を援助し、福島でも政府が東電と一体となって原発政策を進めた。この政官財が一体になった構図もよく似ている

 足尾事件では国は谷中村を廃棄した。福島では今、将来の展望が開けず、コミュニティーが無くなる可能性も出てきている。改めて足尾事件に学び、住民被害を繰り返さないことを考えなければならないだろう。

 日本の環境政策の最大の欠点は、批判的な意見に耳を傾けて、安全を重視した対策をとる「予防政策ができないこと。アスベスト問題でも、被害が出てから対策を講じている。さらに、地方を犠牲にすることで、全体の問題を解決しようとする。そのため、足尾事件の問題が繰り返し起こる。公害から得た教訓に学ぶ必要がある。
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●「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」・・・我国に真の文明は?

2013年11月16日 00時00分58秒 | Weblog


2か月前の東京新聞の社説【田中正造、百年の問い 足尾鉱毒と福島原発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090202000123.html)。

 山本太郎氏の手紙「事変」(※)でもお名前の出た田中正造さん。壊憲党の議員が、批判的な文脈で田中正造さんのお名前を出すのですから、呆れます。

     (※国語辞典によると「事変」とは、「 天変地異や突発的な騒動などの、
       非常の出来事。変事。 警察力では抑えきれず、軍隊の出動を
       必要とする程に拡大した騒乱。 宣戦布告なしに行われる国家間の
       戦闘行為。「満州―」」だそうです。皮肉を込めて・・・)

   『●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!?
                         そして、国会は一体何をやってきたのか?
   『●自ら投げた「政治利用」というブーメランを受け止めず(無自覚)、
                                山本太郎氏を批判する愚

 さて、その社説から。
  
   「時の政府はどうでしょう。・・・・・・根本解決を図ろうとはせずに、
    夏になると田んぼを真っ白に覆ったという鉱毒を巨大な溜池(ためいけ)を
    造ってその底に沈殿させ、封じ込めようと考えました。・・・・・・湖底に
    積もった毒が、取り除かれたわけではありません。・・・・・・国策の犠牲、
    大企業や政府の不作為、ふるさとの喪失、そして汚染水…。渡良瀬、
    水俣、そして福島の風景は重なり合って、この国の実像を今に突きつけます」。
   「田中正造よ、よみがえれ、そう念じたくもなるでしょう」。

 足尾銅山渡良瀬谷中も、水俣も、福島も似ています。

 最後に、「晩年の日記に残る鮮烈な一節。「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」」。我が国に「真の文明」はあるのでしょうか?

   『●田中正造「「私欲と奸悪」が原因の人災」
   『●田中正造さんと自公議員を比較しても仕方のないことだけれども・・・
   『●田中正造さん没後100年
   『●田中正造さんと安倍晋三首相と小泉純一郎元首相

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090202000123.html

【社説】
田中正造、百年の問い 足尾鉱毒と福島原発
2013年9月2日

 田中正造。足尾鉱毒と生涯をかけて闘った。四日はその没後百年。正造翁が挑んだものは、水俣病や福島原発の姿を借りて、今もそこにあるようです

 渡良瀬遊水地の三つの調整池のうちただ一つ、普段から水をたたえた谷中湖は、巨大なハートのかたちをしています。

 そのちょうど、くびれの部分が、旧栃木県谷中村の名残です。前世紀の初め、遊水地を造るために廃村にされながら、そのあたりは水没を免れました。

 ヨシ原と夏草に埋もれたような遺跡の奥に分け入ると、延命院というお寺の跡に、古びた赤い郵便受けが立っていて、その中に一冊のノートが置かれています。


「連絡ノート」は記す

 谷中村の遺跡を守る会の「連絡ノート」。ご自由にあなたの思いを書き込んでくださいと一九九四年に置かれて以来、十七冊目になりました。前夜の雨に湿ったノートをめくってみます。

 <5月19日。福島の原発や避難区域に指定されている集落が第二の谷中村にならないことを、ただただ願うばかりです>。東京都品川区の人。

 <6月30日。日本近代の公害の原点、谷中の歴史を学び、水俣と谷中を結び、真の文明を未来へつないでいくことを約束します。水俣病事件の受難者に寄り添いながら>。熊本県水俣市の人。

 どちらも丁寧な筆跡でした。

 原点の公害。それが足尾鉱毒事件です。

 現在の栃木県日光市にあった足尾銅山は明治期、東アジア一の産出量を誇っていた。当時の銅は主要輸出品。増産は国策だった。

 ところが、精錬時の排煙、精製時の鉱毒ガスが渡良瀬川上流に酸性雨を降らし、煙害が山を荒らした。そのため下流で洪水が頻発し、排水に含まれる酸性物質や重金属類などの鉱毒があふれ出て、汚染水が田畑を荒らし、人々の暮らしと命を蝕(むしば)んだ。

 栃木県選出の衆議院議員として、それに立ち向かったのが、田中正造でした。

 正造は明治憲法に保障された人権を愚直なまでに信奉し、十一年に及ぶ議員活動の大半を鉱毒問題に費やした。

 議員を辞職したあとも、困窮する住民の救済を訴え、一命を賭して明治天皇に直訴した。活動に私財を投じ、死後残した財産は、河原の石ころと聖書、憲法の小冊子。清貧の義民は、小学校の教科書にも紹介されて名高い。


重なるふるさと喪失

 時の政府はどうでしょう

 煙や排水を止めさせて、根本解決を図ろうとはせずに、夏になると田んぼを真っ白に覆ったという鉱毒を巨大な溜池(ためいけ)を造ってその底に沈殿させ、封じ込めようと考えました。それが谷中湖です。

 足尾閉山から今年でちょうど四十年。湖底に積もった毒が、取り除かれたわけではありません。東日本大震災の影響で、渡良瀬川下流から基準値を超える鉛が検出されたのも、偶然とは思えません。

 国策の犠牲、大企業や政府の不作為、ふるさとの喪失、そして汚染水…。渡良瀬、水俣、そして福島の風景は重なり合って、この国の実像を今に突きつけます

 田中正造よ、よみがえれ、そう念じたくもなるでしょう。でも、私たちが求めるものは、それだけですか。

 去年正造の伝記小説「岸辺に生(お)う」を上梓(じょうし)した栃木県在住の作家水樹涼子さんは「万物の命を何よりも大切に思う人でした」と、その魅力を語ります。同感です。

 晩年の日記に残る鮮烈な一節。「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし

 それだけではありません。「少しだも/人のいのちに害ありて/すこしぐらいハ/よいと云(い)ふなよ」という狂歌などにもそれは明らかです。


私たち自身で出す答え

 お金より命が大事、戦いより平和が大事…。原点の公害を振り返り、今学び直すべきことは、何よりも命を大切にしたいと願う、人間の原点なのではないか

   「みんな正造の病気に同情するだけで、正造の問題に同情しているのではない
    おれは、うれしくも何ともない」

 長年封印されてきたという正造最期の言葉です。

 意外でも何でもありません。そもそも誰の問題か。百年の問いに答えを出すべきは、私たち自身なのだということです。
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●自ら投げた「政治利用」というブーメランを受け止めず(無自覚)、山本太郎氏を批判する愚

2013年11月03日 00時00分31秒 | Weblog


東京新聞の社説【山本議員「手紙」 軽挙慎み脱原発を前へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013110202000169.html)。

 天に唾する行為だ。タイトルに違和感はあるが、東京新聞の社説に賛成。自ら投げた「政治利用」というブーメランに真摯に対応せず、あるいは、それに無自覚で、山本太郎氏を批判する。マスコミも、なぜ当時、自民党や民主党に対してもっと大騒ぎしなかったのか? 弱き無所属議員・反原発派議員・反特定秘密法案議員が「生意気」「目障り」なので、自公やその他の似たような「与党」群(「みんな」や「維新」などの「ト」党)と一緒に、この際、叩いておけ、ということか?

   『●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!?
                        そして、国会は一体何をやってきたのか?
   
     「「手紙」で憲法違反を叫ぶような議員の党が壊憲党ではシャレにもならない。
      「政治利用そのもので、(足尾銅山鉱毒事件で明治天皇に直訴を試みた)
      田中正造に匹敵する」と批判した」って、さすが壊憲党! 原発推進・
      輸出、消費増税、TPP、特定秘密・・・・・・自公の一体誰が
      「国民の負託に応えている」?」

 「山本氏の処分問題に政治的エネルギーを浪費している場合ではない」、そう、この間、一体国会は何をしていたのか! 与党も「参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」することに手を貸し、故意に、時間を浪費しているとしか思えない。

   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
             出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   
     「「東電は、昨年末から今年5月にかけて汚染水モニタリングを怠った
      ばかりか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」したとは、
      一体どういう了見か! 信じられない!! また、原子力
      「規制委員会も東電を放置し・・福島事故対策には従来と変わらぬ
      約40人しか割かない一方で、再稼働に向けた新基準の適合性審査には
      約80人体制の増員すら図り、週3回のハイペースで審査会合を
      続けてい
」るとは、一体何をやっているのか! 
      そして、国会は一体何をやっているのか!!」
     「「新たな事故」「重大な汚染事故」「重大な人災」による放射能汚染で
      「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、
      この国は一体何をやっているのだろうか・・・・・・。」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013110202000169.html

【社説】
山本議員「手紙」 軽挙慎み脱原発を前へ
2013年11月2日

 脱原発を掲げる山本太郎参院議員が天皇陛下に手紙を渡し、「天皇の政治利用」と批判されている。儀礼を欠き、脱原発運動に水を差しかねない軽挙だが、批判する側に処分する資格があるのか

 山本氏が差し出した手紙は、東京電力福島第一原発事故の現状を伝える内容だという。山本氏は「子どもたちの被ばくや、原発の収束作業員が最悪の労働環境で作業している実情などを知っていただきたかった」と説明した。

 「日本国民統合の象徴」として国民生活の安寧を祈る天皇に、原発を取り巻く厳しい現状を伝えたい気持ちは分からなくもない。

 しかし、山本氏は主権者たる国民の代表である。「国政に関する機能を有しない」天皇に、高度に政治的なテーマと化している原発問題で何かを期待するのは、日本国憲法の趣旨に反する

 子どもを被ばくから守り、原発作業員の労働環境を改善し、国のエネルギー政策を脱原発に導くのは山本氏自身の仕事だ。国民の負託を受けた以上、どんなに困難でも、やり遂げる責任がある。

 原発推進派は早くも「天皇の政治利用」との批判を強め、議員辞職を求める声すらある。山本氏の行動は、脱原発を求めるうねりに付け入る隙を与え、運動全体にマイナスとなりかねない。慎むべきだった。まずは自覚を促したい。

 参院議院運営委員会は山本氏から事情を聴いた。具体的な処分を来週、検討するという。

 ただ、山本氏を批判する自民、民主両党に「天皇の政治利用」を断罪する資格があるのか

 最近の例だけでも、自民党が衆院選で開催を公約した「主権回復の日」式典への天皇陛下出席、東京五輪招致に向けた国際オリンピック委員会総会への高円宮妃久子さま出席も、天皇・皇族の政治利用ではないか、と指摘された。

 民主党政権時代にも、天皇陛下と習近平中国国家副主席(当時)との会見を急きょねじ込み、同様の批判を浴びたことがある。

 自らの行動を顧みず、無所属議員を追い詰めるのなら、多数派の横暴、との誹(そし)りは免れまい

 政府と国会に求められているのは、除染や補償を含む原発事故の収束に全力を挙げる、原発の危険性を認識し、使用済み核燃料の最終処分場のめどもないのに、原発政策を進めることの不合理性に一日も早く気付くことだ。山本氏の処分問題に政治的エネルギーを浪費している場合ではない
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●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!? そして、国会は一体何をやってきたのか?

2013年11月02日 00時00分47秒 | Weblog


asahi.comの記事【山本太郎議員に辞職求める声 園遊会で陛下に手紙渡す】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311010050.html?ref=com_top6)と東京新聞の社説【国会改革 「働く議員」見せてこそ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013110102000146.html)。

 「手紙」で憲法違反を叫ぶような議員の党が壊憲党ではシャレにもならない。「政治利用そのもので、(足尾銅山鉱毒事件で明治天皇に直訴を試みた)田中正造に匹敵する」と批判した」って、さすが壊憲党! 原発推進・輸出、消費増税、TPP、特定秘密・・・・・・自公の一体誰が「国民の負託に応えている」? 第1番目の記事に名のある議員の皆さんは、「政治利用」なんて全くしていないのですね? 第1番目の記事の「批判」の数々・・・・・・聞くに堪えない。(そういえば、「教科書問題」で媚を売って、逆に天皇からたしなめられた方がいたけれども、あれこそ政治に引き込む行為じゃないの?)

 そんなクダラナイ議論している暇なんてあるの? 「七百人を超える国会議員のうち、国民の負託に応えていると自信を持って言える議員は何人いるのか・・・・・・国民のために働かない国会に、存在意義などない」。「国会日程が外交の足かせになっている」って、もう笑うしかない。トルコへの「原発輸出のセールスマン」のどこがマトモな外交なんだろう?

   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
             出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
     「「東電は、昨年末から今年5月にかけて汚染水モニタリングを怠った
      ばかりか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」したとは、
      一体どういう了見か! 信じられない!! また、原子力
      「規制委員会も東電を放置し・・福島事故対策には従来と変わらぬ
      約40人しか割かない一方で、再稼働に向けた新基準の適合性審査には
      約80人体制の増員すら図り、週3回のハイペースで審査会合を
      続けてい」るとは、一体何をやっているのか! 
      そして、国会は一体何をやっているのか!!」
     「「新たな事故」「重大な汚染事故」「重大な人災」による放射能汚染で
      「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、
      この国は一体何をやっているのだろうか・・・・・・。」

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http://www.asahi.com/articles/TKY201311010050.html?ref=com_top6

山本太郎議員に辞職求める声 園遊会で陛下に手紙渡す
2013年11月1日12時30分

 10月31日の秋の園遊会で天皇陛下に手紙を渡した山本太郎参院議員(無所属)に対し、1日、議員辞職を求める声が相次いだ。自民党の脇雅史参院幹事長は党役員連絡会で「憲法違反は明確だ。二度とこういう事が起こらないように本人が責任をとるべきだ」と要求した。

・・・・・・・・・

 下村博文文部科学相も「議員辞職ものだ。これを認めれば、いろんな行事で天皇陛下に手紙を渡すことを認めることになる。政治利用そのもので、(足尾銅山鉱毒事件で明治天皇に直訴を試みた)田中正造に匹敵する」と批判した。
 公明党の井上義久幹事長は「極めて配慮にかけた行為ではないかと思う」と述べた。同党の太田昭宏国土交通相も「国会議員が踏まえるべき良識、常識がある。不適切な行動だ」と批判。古屋圭司国家公安委員長は「国会議員として常軌を逸した行動だ。国民の多くが怒りを込めて思っているのではないか」と資質を問題視した。田村憲久厚生労働相は「適切かどうかは常識に照らせばわかる」、稲田朋美行政改革相は「陛下に対しては、常識的な態度で臨むべきだ」と不快感を示した。
 民主党の松原仁・国会対策委員長も「政治利用を意図したもので、許されない」と批判。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長も大阪市役所で記者団に「日本国民であれば、法律に書いていなくても、やってはいけないことは分かる。陛下に対してそういう態度振る舞いはあってはならない。しかも政治家なんだから。信じられない」と批判した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013110102000146.html

【社説】
国会改革 「働く議員」見せてこそ
2013年11月1日

 国会改革をめぐる与野党協議が始まった。七百人を超える国会議員のうち、国民の負託に応えていると自信を持って言える議員は何人いるのか。国民のために「働く議員」へと変わる好機とせねば。

 国会は唯一の立法機関であり、行政監視という重責も担う。国民の暮らしがよくなるも悪くなるも国会次第だ。しかし、原発や消費税の問題など、国民の切実な思いが国会には届いていない、と痛感することも多い。

 国会議員は統治する政府側ではなく「全国民を代表」(憲法四三条)する立場にあることを、まずは認識すべきだ。その上で形骸化が指摘されて久しい国会審議をどう活性化するのか考えたい。

 まずは委員会審議。与党は首相の出席を原則予算委に限るなど、首相や閣僚の国会出席義務を緩和することを主張し、代わりに党首討論を拡充する、としている。

 党首討論を原則週一回とする与野党申し合わせはすでに空文化している。回数増や時間拡大、中小野党の参加などで党首討論が活性化されるのなら賛成だ。

 ただ、首相らの出席義務緩和には「首相隠しの意図が見え隠れして、すんなり首肯できない。

 国会日程が外交の足かせになっているとの思いは分からなくもないが、答弁や説明のための国会出席は憲法で定められた首相と閣僚の義務だ。国民の代表である国会と向き合う仕事こそ第一である。

 首相や閣僚が外交や重要政策に専念できるよう出席義務を一部緩和するなどの配慮は必要だろう。ただ、政府・与党側が恣意(しい)的な追及回避策として悪用しないよう、厳格なルールづくりは必要だ。

 民主党が求める「通年国会」も検討に値する。東京電力福島第一原発で汚染水漏れが発覚しても国会は約二カ月開かれなかった。いつでも審議が可能なら、こんな体たらくはなくなるだろう。

 会期末のたびに見せられてきた不毛な与野党対立も減るかもしれない。経費増大は避けつつ、国会を常時開く工夫をしたらどうか。

 各党からは、答弁しない閣僚の拘束や、全く同じ首相演説を衆参の両方で行うことの妥当性を問う意見も出ている。国会開会中は週末分も含めて支給されている委員長手当の見直しも、検討の俎上(そじょう)に載せるべきだろう。

 与野党はおおむね合意できたものから実施することで一致した。もはや党利党略にとらわれるべきではない。国民のために働かない国会に、存在意義などない。
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●田中正造さん没後100年

2013年09月27日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の記事【田中正造 没後100年  「終焉の家」栃木・佐野 史跡指定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000221.html)。

 明治の三大鉱毒事件の一つ、公害の原点、に立ち向かい、常に住民サイドに立った田中正造さん。足尾銅山鉱毒事件が「私欲と奸悪」が原因の人災」であったのと、東京電力原発人災も同様。

   『●『城山三郎の昭和』読了(3/3)
   『●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(8/8)
   『●『創(2010年2月号)』読了(3/3)
   『●『ぢぢ放談』読了
   『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(前半)
   『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(後半)
   『●尊敬する人は田中正造
   『●反原発派の声に耳をふさぎ、歴史から何も学ばない愚かさ
   『●田中正造「「私欲と奸悪」が原因の人災」
   『●「韓と恨」と日本人/『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号)、927号についてのつぶやき
   『●「原発と司法」、「大阪イジメ問題」、「小出裕章・佐高信対談本」などについての最近のつぶやき
   『●追われゆく坑夫と脇に追いやられた原発人災
   『●『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3)についてのつぶやき
   『●田中正造さんと自公議員を比較しても仕方のないことだけれども・・・
   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000221.html

田中正造 没後100年  「終焉の家」栃木・佐野 史跡指定
2013年9月4日 夕刊

 足尾鉱毒事件を告発した政治家の田中正造(一八四一~一九一三年)が亡くなって百年となる四日、出身地の栃木県佐野市は、正造が最期を迎えた家を市史跡に指定する。正造への評価がめまぐるしく変わってきた中、この家を四代にわたり守ってきた当主の庭田隆次(にわたりゅうじ)さん(79)は「見向きもされなかった時代もあったが、よく維持できた」と感慨深げだ。 (稲垣太郎)

 「田中さんは非戦論者で反足尾鉱毒。軍国主義の時代に日本が武力で他の国を取ったり、鉱毒被害の示談金をもらったりした方が楽な暮らしができると思っていた人々から嫌われ、気の毒な人だった」

 隆次さんは、生前は「嫌われ者だった」と正造に同情する。庭田家に対しても、そんな正造を「みとった家」という周囲の冷ややかな目線があり、終戦後もしばらく続いたという。

 だが、成田空港建設に反対する一九六〇年代以降の成田闘争のころから見直され始め、「亡くなった部屋を見せてほしい」と人が訪ねてくるように。平成に入ると数が増え、近年は毎年百人は訪れるという。

 正造は、鉱毒事件で活動するための資金調達に奔走していた一九一三(大正二)年八月二日、体調不良を訴え、支援者だった隆次さんの曽祖父、庭田清四郎宅に駆け込んだ。縁側から転がり込むように倒れ込んだという。庭田家は夏の農作業を放り出し、亡くなるまで三十四日間にわたり看病を続けた。

 正造が亡くなった翌年、庭田家は河川の改修工事で二百メートルほど移転したが、正造が息を引き取った八畳間を含め、佐野市下羽田(しもはねだ)町の家屋はそのまま残った。以後、四代にわたり使い続けてきた。

 隆次さんは子どものころから、祖母セトさんに正造の話をよく聞かされた。そんな歴史のある家で、隆次さんは四人の子どもを勉強させたり、家族で寝たりして「普通に使ってきた」という。

 田中正造関連で佐野市が文化財に指定するのは初めて。指定により、固定資産税減免などの恩恵を受けるが、隆次さんが何よりうれしいのは、価値が見直されたことだ。

 「曽祖父は(世間の評価に)だまされずに、『自分の家が偉人国士終焉(しゅうえん)の地になった』と喜んでいた。その家が史跡に指定されれば、曽祖父も田中さんも喜ぶだろうし、自分の喜びにもなる」と話している。

 <足尾鉱毒事件> 明治時代初期から、栃木県足尾町(現日光市)の足尾銅山開発に伴い、鉱毒水や排煙などの有害物質が周辺や渡良瀬川下流域を汚染し、農業や漁業などに被害をもたらした国内初の公害事件。栃木県選出の衆院議員田中正造が帝国議会で追及し、辞職後、明治天皇に直訴も試みた。遊水池を造って鉱毒を沈殿させる案が浮上し、対象地の谷中村(現栃木市)が強制廃村となった。
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●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続

2013年09月08日 00時00分56秒 | Weblog


「ジャーナリスト・金平茂紀 変えてはいけないもの」の記事【筑紫さんの死から6年目の誕生日に】(http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404)、ちょっと時機を逸していますけれども。レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の記事【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】(http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku)。nikkansports.comの記事【汚染水対処、五輪控え政府主導演出か】(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html)。gendai.netの記事【ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身】(http://gendai.net/news/view/110558)。東京新聞の記事【「想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html)と、社説【原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html)、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html)。最後に、asahi.comの【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin)。

 記事の羅列で、すいません。「あろうこうとか」、の連続。

 東京電力原発人災にはケチり、一方、五輪をカネで買うという。世界とフクシマは危機意識を持ち、首都東京や日本政府、原子力ムラは「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」と「科学的」に安全を喧伝。3.11以前の「安全神話」に逆戻り。「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」・・・こういった発言を福島の被災者や避難者の人達はどう思っているのだろう・・・?

   『●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」

 【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】の記事に、何とか希望を見出したい。

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http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404

#23 筑紫さんの死から6年目の誕生日に
2013/06/23

死から6年目の誕生日に

6月23日、沖縄慰霊の日が誕生日だった筑紫さんは
この日はお祝いできないんだよな、と 
生前よく笑いながら言っていたことを思い出す
生きていれば 今日で78歳を迎えていた
「ニュース23のDNA」だと 遺言のように 
最後の「多事争論」で言い残していったことばは
今、見事なほどに裏切られ、忘却され
かつその状態が放置されている
去る者は 日日に疎し、か?
なかでも耐えがたいのは、ウォッチドッグの役割の喪失
強い権力に擦り寄り、プードルと化した仲間たちを眺め、
引き攣った笑いを顔面に張り付けながら 生きていく
からだをはってたたかうものは もはや絶滅寸前だ(けれども まだいる)
忘却とイナーシアが支配する世界
ほら、僕らはもう原発過酷事故がまるで収束したかのように忘れている
ほら、僕らは大震災の被災地がまるで復興したかのように
「絆」とか「ひとつ」とか言って カラオケを歌っている
むかしの通りにやればいいんだよ
経済成長なくして日本は立ち行かない、と
株価をみて、まるでわが身の一大事であるかのように 一喜一憂している
彼ら彼女らは、ほんとうは何もわかっていない
底堅い動きだの、透明感のみえない展開だの
まるでバクチを打っているかのような出来事にうつつを抜かし、
あろうことか 原発を輸出だとさ
僕ら日本人は、広島、長崎に原爆を見舞われようと
第五福竜丸が水爆実験に巻き込まれようと
福島第一原発で未曽有のメルトダウンが起きようと
忘れるのだ  忘れるのだ
経済成長なくして日本はない、と
うち棄てられているのは誰か

誕生祝いはもう言えません。
ただ
僕らはあなたたち死者とともに生きていきます。
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http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku

もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050

9月1日、「さようなら原発講演会」が東京・千代田区の日比谷公会堂で開かれ、定員を超える人々が座席を埋めつくした。(主催・「さようなら原発」一千万署名市民の会)。福島第一原発の止まらない汚染水漏れに、東電も国も何ら有効な対策を打てない深刻な事態が続いている。焼けつくような暑さのなか、予定の午前11時を待たずして整理券が配られはじめ、12時過ぎには早くも入場が開始された。

もう一度 力を合わせて

午後1時、木内みどりさんが司会を務めて開会。呼びかけ人の鎌田慧さんが登壇した。「関東大震災から90年が経った。当時は戒厳令下で大杉栄伊藤野枝ら社会主義者が虐殺され、戦争に向かっていった。外には軍備拡張、内には弾圧体制。今の安倍政権の動きと重なっている。脱原発運動は命を守る運動だ。この秋からもう一度力を合わせてがんばっていきましょう」。

チンドン太鼓とクラリネット、チューバ、ギターなどを融合させた独特の音楽で観客を魅了したのは「ジンタらムータ」。アジアから南米の街頭音楽に脱原発のメッセージを織り交ぜて力強い演奏を披露した。

いわき市議会議員の佐藤和良さんは、「再び関東大震災が起これば、首都圏こそ原発災害の現地になる」と警告し、原発関連死を約1400人と告発。仮設住民の厳しい実態を伝えた。また参院選後に汚染水漏れを公表した東電の態度を、「はじめから出来レース」と糾弾。国と東電の責任を問うために「被害者は絶対にあきらめない。みなさんとつないだ手を離さない」と力を込めた。

新しいモラルに希望を

大江健三郎さんは、小説家のいとうせいこうさんの作品が芥川賞を逃した経緯について話した。死者の声を代弁するヒューマニズム、センチメンタリズムが選考委員に批判されたが、それがなぜいけないのか。むしろそれが文学行為だと反論した。また、作家の故井上ひさしさんと評論家・加藤周一さんとのエピソードにも、時間を割いた。井上さんが旅先で色紙サインの依頼を自分に譲ったこと。そこに書かれた言葉に、ウイットを加えた大江さんの思い出話に、会場は沸いた。

加藤さんとのフランスでの出来事に触れ、原発の是非をめぐる同国の市井の論争を紹介。「日本人は60年間平和憲法を守ってきた。『原発ゼロ』で日本人の新しいモラルが問われる。それに希望を持とう」と、まとめた。木内さんが安倍晋三首相を紹介した。「ザ・ニュースペーパー」のものまねコントにホールは爆笑の連続。懐かしい小泉純一郎氏も駆けつけた。

原子力から抜け出そう

京都大学の小出裕章さんは、スライドを使って原発事故の汚染実態を告発。「戦争が終わった後、国土は荒廃しても人々はそれを再建した。しかし原子力災害は違う」。「他者を犠牲にして成り立つ、原子力的なものすべてから抜け出すこと」。 憲法前文が投影されたスクリーンを差しながら「憲法は素晴らしい。人生は、命は一度きりだ」と語ると、大きな共感の拍手が起きた。

作家の澤地久枝さんは「こんなに猛暑が続くのに停電しないじゃないですか。未来の子供たちのために、原発は止めるべき」だと語った。

評論家の内橋克人さんは、これまでの運動を振り返った。私たちはかつて「福島から学ばない人間を国会に送るなと心から訴えたところがまったく逆のことが起きた。「有権者はいったい何を考えているのか。民主党政権時代のヒアリングを、民意を一顧だにしない現政権の手法にだまされず、新しい安全神話を見破らなければならない」。内橋さんの言葉からは、抑えきれない憤りがにじみ出ている

はじめの一歩から声をかけて

集会の最後に落合恵子さんが発言した。「銀座でショッピングを楽しむ人をつかまえて聞かせたい」と切り出した。全国を講演でまわりながらも、まだまだ真実を知らない人が多いという。この会場にいれば心地いい。でもしばらくは、政治は変わらない。福島の70代の女性は「こんな無念の思いのまま死ねるものか」と口にした。あきらめない。ここにいない人にこそ、声をかけたい。

非暴力主義を貫いた落合さんが、「武闘派になろうか」と口にする。「私は外に出てノックをし続ける。あいつを変えてやる」。焦りやもどかしさが、そして変革への強い意志が伝わってくる。「東京五輪に使う金を福島に注ぎ込め」――この呼びかけに、参加者は渾身の拍手で応えた。

「つながろうフクシマ!くりかえすな原発震災」をサブタイトルに掲げた4時間にも及ぶ長丁場。2050人の聴衆は、最後まで集中力と一体感を維持して集会を成功させた。1千万人をめざす署名は現在、830万筆超に達している。(Y)
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http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html

汚染水対処、五輪控え政府主導演出か

 政府は3日、東京電力福島第1原発の汚染水漏えいに対処するための基本方針を公表し、国費の投入を決めた。「政府一丸で解決に当たる」(安倍晋三首相)と政府主導を強調するが、東電任せの汚染水処理が後手に回って破綻し、国民負担を迫られたのが実態だ。目新しい対策はなく、2020年の夏季五輪の開催地決定を控え、国際社会の懸念を意識した政治的パフォーマンスの色合いが濃い。

 ▽戦犯

 「(五輪の選考に落ちたら)われわれが戦犯になってしまう」。8月末、東電を所管する経済産業省は危機感を募らせた。

 第1原発で止まらない汚染水の漏えいを、海外メディアも大きく報道。五輪開催地を決める9月7日(日本時間8日)の国際オリンピック委員会(IOC)総会への影響が現実味を帯び始める。あるIOC幹部は「(漏えいを)非常に重大と受け止める委員もいる」と明かす。

 政府は「五輪とは関係ない」(菅義偉官房長官)と平静を装うが、招致に失敗すれば、批判の矛先は政府に向かいかねない。関係省庁幹部は「とにかく今週中は悪い話はするなというのが官邸の意向だ」と、対策を急きょ取りまとめた背景を説明する。

 ▽つけ

 基本方針では、原子炉建屋の周囲の地中を凍らせて壁をつくる凍土遮水壁に320億円程度の国費を投じる。資金面で東電を後押しすることで、完成は当初予定の15年度から14年度に前倒しできる想定だ。汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備の増強も含め、総額は470億円程度となった。

 ただこれらの対策の実現は数年先で、目先の漏えいを食い止める決定打にはほど遠い。国際的な環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、基本方針は抜本対策には不十分で、タンクからの漏えい防止の具体案もないとして「巨額の税金を垂れ流しするものだ」と批判する。

 鋼板の接合部をボルトで締める「フランジ型」タンクは以前から危険性が指摘されていたが、低コストで工期も短い。東電は増設を重ね、300基を超えたころ、汚染水漏れが相次いで発覚した。

 4月には地下貯水槽からの漏えいが見つかっており、巨額の赤字に苦しむ東電による作業の限界が明らかになりつつあったが、安倍政権は数十年かかるとされる廃炉工程の前倒しなど「遠い未来」の議論に傾注。与党自民党からも「危機感が薄い」(塩崎恭久元官房長官)と批判が上がっていた。

 ▽お祭り騒ぎ

 「今、東京はオリンピックだ、何だ、とお祭り騒ぎと聞く。(五輪より)国の威信にかけて、事故を収束しなければいけなかった」。

 3日午後、福島県相馬市の相馬双葉漁業協同組合の高橋通さん(58)は、汚染水対策を説明する経産省の担当者に迫った。

 相馬双葉漁協は8月、汚染水問題の深刻化を受け、9月以降の試験操業を見送った。県南部のいわき地区の漁協も、9月に予定した事故後初の試験操業を断念した。

 「国は危機感がなく、もっと前から対策をしてほしかった」(相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長)。五輪招致の旗印に掲げる被災地の復興は遠のきつつある。(共同)

 [2013年9月3日21時2分]
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http://gendai.net/news/view/110558

ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身
2013年09月04日 23:39 更新

 東京五輪招致委員会の竹田恒和理事長(65)が、IOCの委員らに宛てた「みっともない手紙」(外国メディア関係者)をAP通信にスッパ抜かれてしまった。

 APが入手した竹田理事長の手紙は先月27日付で、現地時間2日、ロンドン発の記事で内容を詳細に報じた。見出しは〈東京招致のリーダーはIOC委員に福島は大丈夫と保証する〉。竹田理事長は汚染水漏れの懸念を打ち消すのに必死で、IOC委員に手紙を送りつけたのだ。

 APの記事によると、手紙の内容は一方的な“安全宣言”ばかりだ。

   〈東京の生活これまでと変わったこともなく、安全なまま。
    空気も水も影響を受けていない〉

   〈皆さんも、福島原発の状況をニュースで見たかもしれませんが、
    もう一度、言わせて欲しい。東京全く影響を受けていない、と〉

   〈東京の空気と水は毎日計測されており、何か問題があるという
    根拠は全くない。それは日本政府によっても確認されている〉

 そして竹田氏は手紙の最後をこう締めくくっている。

   〈世界中が政治的にも経済的にも不安定な中、東京極めて安全。
    地震や津波から復興するうえで、五輪招致を国の魂を
    高揚させるチャンスにしたい〉

 手紙を読んだIOC委員たちは、竹田氏が泣きすがる姿を想像したのではないか。

 竹田氏はAPの電話取材にも応じ、どんな根拠があるのか「東京の放射能濃度はニューヨークやロンドンと同レベルだ」とまで言ってのけた。

 いくら東京の安全性を強調したいとはいえ、ちょっとやりすぎじゃないのか。

   「開催地決定の最終投票直前に、実際に票を投じるIOC委員に
    汚染水漏れに関する手紙を送りつけるのは逆効果でしょう。
    寝た子を起こすような話で、汚染水漏れの恐ろしさを想起させる
    だけです」(前出の外国メディア関係者)

 AP通信は世界各国の約5000のテレビ・ラジオ局、約1700の新聞社と契約し、記事を配信している。竹田理事長は世界中に赤っ恥をかいてしまったか。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html

想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発
2013年9月4日 朝刊

 「汚染水対策の失敗はまさに『想定内』。今度こそ『想定外』の言い訳は許されない」。東京電力福島第一原発の汚染水問題で、福島県民による福島原発告訴団が三日、広瀬直己社長ら東電幹部を公害犯罪処罰法違反容疑で福島県警に告発した。県民たちは真相解明の役割を、同じく原発事故の被害者でもある地元の警察官たちに託した。

 代理人の河合弘之弁護士は東京都内で会見し「安全よりお金を優先して原発事故を起こした東電の体質や構造は、事故後もまったく変わっていない」と批判した。

 告訴団は昨年六月、原発事故をめぐり東電幹部らを業務上過失致死傷容疑で福島地検に告訴。検察当局の捜査に、東電幹部たちは「大津波は想定外だった」と過失を否定し、告訴団が求めている家宅捜索もいまだに行われていない。

 告発の理由を、河合弁護士は「被害を受けた人と暮らしている県警なら、被害者に寄り添った捜査をしてくれると思った」と話す。

 告訴団は告発に合わせ、汚染水対策に関する東電の内部文書を公表した。文書には、東電が事故の三カ月後の時点で、原発地下に遮水壁を造るのが「最も有効」と位置付けながら、費用や着工時期を公表しない方針が書かれていた

 団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らないと大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず。文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る。

 東電広報部は三日、本紙の取材に対し、告訴団が入手した文書が「社内に存在する」と認めた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html

【社説】
原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ
2013年9月4日

 政府が、東京電力福島第一原発の汚染水対策への関与を強める方針を決めた。遅きに失した感はあるが、政府も東電も、この問題は国の緊急事態だとの危機意識を持ち、対策に全力を挙げるべきだ。

 「汚染水問題は、東電任せにせず、政府が前面に立って解決に当たる。廃炉が実施できるかには世界中が注視している」。安倍晋三首相はきのう、政府の原子力災害対策本部でこう語った、という。

 その決意は多とするが、安倍内閣がこの問題を甘く見て、本腰を入れるのが遅れたのなら、民主党前政権と同罪だ。

 東電の汚染水対策はこれまでも度々「後手後手」「場当たり的」との指摘を受けてきた。

 八月には約三百トンもの高濃度汚染水がタンクから漏出したことが発覚し、原子力規制委員会は国際的な原子力事故評価尺度による評価を上から五番目のレベル3(重大な異常事象)に引き上げた。

 東電の当事者能力に疑問符を付けざるを得ない現状を考えれば、政府はもっと早く汚染水対策に力を入れるべきではなかったか。

 安倍内閣がこの時期に国の関与強化を決めたのは、二〇二〇年夏季五輪開催都市決定を控え、東京招致への影響を抑えようとの思惑が働いたのかもしれない。

 東京招致委員会の竹田恒和理事長は、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に「東京全く(汚染水の)影響を受けていない」などと訴える手紙を送った、という。

 東京五輪への影響があろうがなかろうが、汚染水問題は一刻も早く収拾すべき問題だ。東京が安全ならいいものでもない。福島第一原発周辺は国土が失われたと同然だ。その回復には、国を挙げ、最優先で取り組むべきだろう。

 首相は海外に原発を売り込むよりも先に、汚染水問題の深刻さを自覚すべきだった。災害に強い国土づくりは大切だが、公共事業をばらまくくらいなら、汚染水対策に振り向けるべきではないか。

 今年は八月から九月にかけ、東日本大震災以降、自粛傾向にあった海外視察に、多くの国会議員が出掛けるという。

 切迫した事情があるのならまだしも、原発事故や汚染水の現状、いまだ避難生活を強いられている被災者の辛苦を、自分の目で確かめるのが先ではないのか

 それを国会での論戦に生かし、政府に対策を迫る。そんな基本的な仕事もできないのなら、国会議員として存在価値もない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html

【コラム】
筆洗
2013年9月4日

 <母と子は/存在の岸辺に/佇(たたず)んでいた/現代の業が/滝のように/水俣の海に流れ込むのを/見つめていた/そしてそれが/自分自身に流れ込み/わが子に流れ込んだことをさとった/わが子は/現代の業苦に/焼けて苦しむ小さないのちだった>▼熊本県水俣市の水俣病資料館の館長を務めた坂本直充さんの詩集『光り海』から引いた。父はチッソの社員。ようやく立てるようになったのは六歳の時だ。自分も患者では…。疑問を抱きながら、差別を恐れ水俣病を引き受ける勇気がなかったという▼大卒後、市職員になり、二〇一一年に資料館長に。震える手を見た来館者に「館長も患者ですか」と何度も問われた。もう逃げてはいけない。水俣病と向き合い、認定申請することを決めた▼<人は高度成長と呼んだ/人は繁栄と呼んだ/もっとほしい/もっといいものを/もっとうまいものを/もっともっとのために/資源を掘りつくし/資源を使い尽くし/限りない欲望の道を/疾走していた/繁栄のために/少女は死んだ>▼水俣に何を学んだのか。福島第一原発は「収束宣言」を嘲笑するように放射能汚染水を垂れ流す。五輪招致の妨げになってはならぬと、レベル3を前に見えないふりを決め込んだ政府は、世界中から批判を浴びた▼きょう四日は、公害の原点である足尾鉱毒事件を告発した田中正造の没後百年。
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http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin

2013年9月4日(水)付
天声人語

 時の流れに色あせてしまう偉人もいれば、いよいよ輝きを増す傑物もいる。田中正造は後者である。公害の原点とされる栃木県・足尾銅山の鉱毒事件で民衆の先頭に立ち闘った。〈真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし〉という至言を残して没し、きょうで100年になる▼明治の半ば、鉱毒は清流を死の川に変え、山や田畑を枯らした。しかし銅は国の経済を支える産品で、政府は人を救うより富国強兵を優先した。そのさまは昭和の水俣病、今の原発にも重なってくる▼衆院議員だった正造は議会で質問を繰り返す。運動を組織し、死罪を覚悟で天皇に直訴した。官権に抗し、幾多の妨害を受けつつ人々を引っ張った。不撓不屈(ふとうふくつ)の四文字が、これほど似合う人はまれだ▼正造を高く買っていた勝海舟が、冗談ながら、この者は末は総理大臣だという証文を、閻魔(えんま)様や地蔵様あてに書いたという逸話が残る。原発事故のあと正造が総理だったら、困っている人、弱い立場の人を、何をおいても助けるに違いない現実の総理は、早々と収束宣言を出し(民主)経済のためには再稼働が必要と唱え(自民)、なお15万人にのぼる避難者は忘れられがちだ。事故処理より外国への原発セールスに熱心というのでは、ことの順番が違う▼冒頭の「真の文明は」の後には、こうした文が続いている。〈……今文明は虚偽虚飾なり、私(し)慾(よく)なり、露骨的強盗なり〉。1世紀が流れて、古びないのがやりきれない。
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●田中正造さんと自公議員を比較しても仕方のないことだけれども・・・

2013年07月30日 00時00分16秒 | Weblog


“公害の原点”足尾銅山鉱毒事件・渡良瀬川鉱毒事件の田中正造さんについての東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013072202000159.html。gendai.netの記事「「宗教と政治」タブーも容赦なし池上彰の選挙特番に大喝采」(http://gendai.net/articles/view/geino/143559と「「死刑」「懲役300年」自民・石破幹事長の衝撃発言」(http://gendai.net/articles/view/syakai/143522。asahi.comの記事「「世界の潮流は原発推進」自民・細田氏」(http://www.asahi.com/politics/update/0723/TKY201307220616.html。東京新聞の三つの記事、「安倍政権、武器輸出に新指針検討 禁輸三原則「撤廃」も」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013072201001769.html、「集団的自衛権 解釈変更 首相意欲」http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072302000108.html)、「事実上の改憲 国民関与できず  政権判断で可能」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072302000107.html)。

 タイトルの通り。「田中正造さんと自公議員を比較しても仕方ないことだけれども・・・・・・」、この彼我の差は埋めようがない。

   『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(前半)
   『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(後半)
   『●尊敬する人は田中正造
   『●反原発派の声に耳をふさぎ、歴史から何も学ばない愚かさ
   『●田中正造「「私欲と奸悪」が原因の人災」
   『●追われゆく坑夫と脇に追いやられた原発人災

 自公政権を「信任」してしまった結果として、原発推進や壊憲へまっしぐら。いよいよ、軍隊を持って「戦争が出来る国」にしたいらしい。「今の自民党が目指しているのは戦前の軍事国家で・・・深刻な事態が進んでいるのです」(政治評論家・森田実氏)が、そんな自公議員に投票できる、小さな子供もいるでしょうに、人の親としての感覚を理解できない。

 島根県選出の細田博之氏によれば、「世界の潮流は原発推進だ。東電福島第一原発事故の不幸があるから全部やめてしまうという議論は、耐え難い苦痛を将来の日本国民に与える」と驚くべきことを言ったらしいが、「耐え難い苦痛を受けた福島の人達は日本国民じゃないらしい
 ・・・胸の悪くなるニュースが続く。自公議員に投票した人たちは何も感じないのだろうか?

 「「天の監督を仰がざれば凡人堕落 国民監督を怠れば治者盗を為す」とは正造の言葉。異論を封じる「徳義」なき政治に陥らぬよう国民の監視が一層必要である」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013072202000159.html

【コラム】
筆洗
2013年7月22日

 衆院議員の歳費を年間八百円から二・五倍の二千円に増額する法案を国会に提出したのは、明治三十年代の第二次山県有朋内閣だ。この時、不義の歳費を受けるよりも、むしろ物乞いをして議員の資格、品位を傷つける方がよい、と反対演説に立った議員がいた▼足尾銅山の鉱毒問題に取り組んでいた田中正造である。相次ぐ増税や不景気の中での歳費の増額は「賄賂的と訴えた。九票差で可決したが、正造は全額辞退を申し出ている▼生活は窮乏していたのに、二年半後に議員を辞職するまで、一円たりとも歳費を受け取らなかった。「ときに際するの徳義」を貫いたのである(小松裕著『真の文明は人を殺さず』)▼正造の没後百年に実施されたきのうの参院選は自民党の圧勝だった。非改選議席を加えると、連立を組む公明党とともに過半数を制し、「ねじれ」は久々に解消されることになった▼選挙期間中、安倍晋三首相は経済政策を重点的に訴え、賛否が分かれる原発の再稼働や持論の憲法改正については積極的には主張しなかった。ねじれが解消できたからと、少数意見をねじ伏せる傲慢(ごうまん)さをちらつかせれば、また強烈なしっぺ返しを受けるだろう▼「天の監督を仰がざれば凡人堕落 国民監督を怠れば治者盗を為す」とは正造の言葉。異論を封じる「徳義」なき政治に陥らぬよう国民の監視が一層必要である。
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http://gendai.net/articles/view/geino/143559

「宗教と政治」タブーも容赦なし 池上彰の選挙特番に大喝采
2013年7月22日 掲載

<テレビ東京参院選特番>

 “攻めすぎるキャスター”の前では、当選者ですら顔色をなくすしかなかった。

 21日に放送された「TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ」(テレビ東京)。ジャーナリストの池上彰(62)が八面六臂(ろつぴ)の活躍を見せた。

 昨年末の衆院選開票特番に続いてテレビ東京の選挙特番のメーンキャスターを担当した池上はのっけから絶好調。当選の報に白い歯を見せるアントニオ猪木に対して「維新の会は猪木さんの人気頼みということですね」「前回出馬したときは“消費税に延髄蹴り”と言っていたが変わったんですか」と切り込むと「まだ(政策は)打ち合わせしていない。選挙に風を吹かせろと言われただけ。へへへ」と、出馬要請に際して政策の共通理念も何もなかった“場当たりぶり”を本人の口から引き出すことに成功。

 「政治と宗教」という他のテレビ局では触れない問題にも遠慮なく踏み込んでいて、公明党が創価学会信者の通称F票」(Friend票と呼ばれる組織票に支えられていることもわかりやすく説明。公明党神奈川選挙区の美人候補、佐々木さやかに対しては「学会の信者が公明党を応援することが功徳を積むことになると言っていたがそうなんですか?」「公明党と創価学会の政教分離についてはどう考えますか?」「あなたは創価学会の信者ですか?」と直球勝負。弁護士でもある佐々木を顔面蒼白にさせていた。


暴走老人は敵前逃亡

 そんな“攻めダルマ”と化した池上に恐れをなしたのか、前回の選挙特番で「暴走老人」と呼ばれた石原慎太郎元都知事は番組に出演せず。東京選挙区でトップ当選した自民党の丸川珠代も姿を現さなかった。

 丸川と直接対決できなかったことは池上も残念だったようで、「丸川さんにはぜひ、6年前の出馬の時に選挙人名簿に自分の名前がなかった件について聞きたかった」とコメント。これは丸川がテレビ朝日時代に、ニューヨーク勤務から帰国後約3年間転入届を提出しておらず、投票権が消滅した状態だったことを指す。このことにより、05年9月の衆院選も07年4月の都知事選も投票に行っていないことが判明したのだった。

   「これは政治家丸川にとって痛恨の失態。池上氏にテレビで追及されたら
    大恥をかくと思い、陣営サイドが個別出演を避けた。石原氏は
    挑発されたら何を口走るかわからないため合同記者会見だけに
    とどめたそうです」(テレビ関係者)

 暴走老人も元女子アナも尻尾を巻いて逃げ出したのである

 上智大教授の碓井広義氏(メディア論)はこう言う。

   「他局は通常のニュース番組の拡大版というべき内容で、
    プラスアルファは感じられませんでしたが、テレビ東京は池上さんの
    “政治教室”と呼ぶべき素晴らしい内容でした。政治に無関心な若い世代を
    意識して、一種の啓蒙活動を行っているようにも感じました。それは
    NHKの記者出身でテレビの特性をよく知り、長年の取材で獲得した
    経験や知識という裏打ちがある池上さんだからこそ可能なワザ。ぜひ、
    このスタンスを貫いてほしい」

 他局のキャスターは池上の爪の垢を煎じて飲むべきだろう。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143522

「死刑」「懲役300年」自民・石破幹事長の衝撃発言
2013年7月19日掲載

それでも「国防軍」の自民党に投票するのか

 参院選の自民圧勝が見えたからか、安倍首相は封印していた「憲法改正」を解禁した。タカ派の本性暴露だが、軍事オタクで知られる石破幹事長は、もっと具体的で恐ろしいことを言っている。テレビのインタビューで「(自衛隊を国防軍に変えた場合)出撃を拒否すれば死刑」などと語っているのだ。選挙直前の今、この発言がアチコチでクローズアップされている。

 石破の死刑発言が飛び出したのは、4月21日に放送された「週刊BS―TBS編集部」。自民党の改憲草案について語った時のことだ。

 自衛隊を国防軍にするにあたり、具体的な変更点として、石破幹事長は「軍事裁判所的なものを創設するという規定がございます」と切り出した。軍の規律を維持するため、命令違反への厳罰化が必要だと、こう力説したのである。

   「『これは国家の独立を守るためだ、出動せよ』って言われた時、
    『いや、行くと死ぬかもしれないし、行きたくないな』と思う人がいない
    という保証はない。だから、その時に、従えと。従わなければ、その国に
    おける最高刑がある。死刑があれば死刑。無期懲役ならば無期懲役。
    懲役300年なら300年。そんな目に遭うくらいなら、
    命令に従おうっていう……」

 これだけなら、自衛隊(国防軍)に入った人だけの話のように聞こえるかもしれない。だが、自民党の改憲草案の他の条文と合わせて考えると、他人事ではなくなってくる。

 石破氏の言う「軍事裁判所的なもの」は、自民党案では「審判所」と表記されており、公開の法廷ではない。いわゆる軍法会議で、現行憲法で禁じている「特別裁判所」にあたる。

 石破氏は「何でもそこで秘密でやってしまうということはいたしません。それは基本的人権に触れることですから」と言っていたが、そもそも自民党の改憲草案は、基本的人権について定めた97条を丸ごと削除しようとしている。

 自民党案では、新たに「緊急事態」についても定めようとしている。第99条案には、こうある。
〈何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない〉

 要するに、戦時中の戒厳令と同じだ。

 国民は何も知らされていないが、自民党は着々と罰則規定まで詰めている。その一端が垣間見えたのが石破発言なのである。

   「石破発言や、最近、9条改正を明言した安倍首相の言動を見ていると、
    今の自民党が目指しているのは戦前の軍事国家で、それを選挙圧勝に
    乗じて既成事実化しているように感じます。深刻な事態が進んでいるのです」
    (政治評論家・森田実氏)

 有権者は参院選でどんな民意を下すのか。
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http://www.asahi.com/politics/update/0723/TKY201307220616.html

2013年7月23日2時45分
「世界の潮流は原発推進」自民・細田氏

 自民党の細田博之幹事長代行は22日夜、BSフジの番組で、「世界の潮流は原発推進だ。東電福島第一原発事故の不幸があるから全部やめてしまうという議論は、耐え難い苦痛を将来の日本国民に与える」と述べた。島根県選出の細田氏としては原発立地県の本音を言いたかったようだが、福島の被災者への配慮を欠くとの指摘も出そうだ。

 細田氏は憲法改正についても言及。「憲法は不磨の大典ではない。法令の一つだ。日本国憲法というと立派そうだが、日本国基本法という程度のものだ」と語った。憲法98条は憲法を国の最高法規と定め、自民党の憲法改正草案でも位置づけているが、憲法軽視との批判を招きそうだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013072201001769.html

安倍政権、武器輸出に新指針検討 禁輸三原則撤廃」も
2013年7月23日 05時16分

 安倍政権は22日、武器禁輸政策の抜本見直しに向けた議論を8月から本格化させる方針を固めた。新たな指針の策定により、従来の武器輸出三原則を事実上「撤廃」することも視野に入れている。安倍晋三首相は撤廃に前向きという。政府筋が明らかにした。

 防衛省は26日にも公表する新防衛大綱の中間報告に新指針の策定方針を盛り込む方向だ。冷戦下で共産圏への技術流出を防ぐ目的の三原則が、武器の国際共同開発が主流の現状にそぐわないとの判断からで、野田民主党政権が進めた禁輸緩和をさらに徹底する。国内防衛産業を育成する狙いもある。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072302000108.html

集団的自衛権 解釈変更 首相意欲
2013年7月23日 朝刊

 安倍晋三首相(自民党総裁)は二十二日午後、参院選での勝利を受けて党本部で記者会見した。首相は、現在は禁じられている集団的自衛権の行使について「日本国民を守るために何が必要かという観点から、有識者懇談会での議論を進める」と述べ、政府の憲法解釈を変更し、容認することに意欲を示した。

 集団的自衛権とは、米国などの同盟国が攻撃を受けた場合、日本が直接攻撃を受けていなくても実力で阻止する権利。政府は「国際法上(権利を)有することは当然」としながらも、戦争放棄などを定めた憲法九条に照らして「国を防衛するための必要最小限の範囲を超える」と解釈し、行使を禁じている。

 行使容認には連立政権を組む公明党が否定的な考えを示しているが、首相は会見で「理解を得る努力を積み重ねたい」と述べた。

 また、来年四月に消費税率を予定通り8%に引き上げるかどうかについて「四~六月期の経済指標などを踏まえ、経済情勢をしっかりと見極める。デフレ脱却と財政再建の両方の観点から秋にしっかり判断する」と明言した。

 九月末に任期が切れる党役員人事での石破茂幹事長の処遇については「(昨年の)衆院選、参院選も石破氏とともに戦い、この議席を得た。そうした観点から考えたい」と続投させる考えを示唆した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072302000107.html

事実上の改憲 国民関与できず  政権判断で可能
2013年7月23日 朝刊

 安倍晋三首相は参院選から一夜明けた二十二日、持論の改憲について慎重に議論していく考えを示した。改憲を掲げる自民党、みんなの党、日本維新の会の三党で直ちに発議できる議席を得られなかったためだ。一方で、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈の変更に意欲を見せた。憲法解釈の見直しは政権の判断だけで可能。国民が関与できないところで、事実上の改憲を進めようとしている。(生島章弘)

 首相は二十二日の記者会見で、改憲について「腰を落ち着けてじっくりと進める」と述べた。改憲の発議要件を緩和する九六条改憲を先行させるという持論も「(発議に必要な)三分の二を構成できるものは何かということも踏まえて考えたい」と柔軟に見直す考えを示した。

 憲法を変えるには、衆参両院で三分の二以上の賛成を得て国民に発議し、国民投票で過半数の賛成が必要。既に衆院では改憲派の三党で三分の二以上を占めるため、今回の選挙で百議席を得れば、非改選議員も含めて参院でも三分の二を占め、発議が可能となったが、そこまでの議席は得られなかった。

 だが、自民党は圧勝し、衆参両院で与党が過半数を占めた。改憲発議の環境は整わなかったが、法案は与党だけで成立できるようになった。これによって集団的自衛権の行使に向けた政府解釈の変更もしやすくなった。

 首相は近く再開する有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」からの提言に基づく形で、憲法解釈を変更する閣議決定に踏み切るシナリオを描く。政府解釈を変更するのは、実際に条文を変えるのとは異なり、安倍内閣の判断だけで決められる。

 首相は二十二日の記者会見で「ただ解釈を変えればいいというものではない。法的な裏付けも必要だ」と指摘。具体的に集団的自衛権を行使するケースや条件を定めた国家安全保障基本法の制定を目指す考えを示した。

 連立政権を組み、集団的自衛権の行使容認に否定的な公明党の抵抗が予想されるが、それをクリアすれば、成立は可能。改憲しないのに平和憲法が変質することになる。
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●田中正造「「私欲と奸悪」が原因の人災」

2013年01月05日 00時00分02秒 | Weblog


東京新聞の古い記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060690120437.html)。そして、東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013010102000082.html)。

 公害の原点。酸性雨の走り。100年以上が経過し、ようやく緑が復元しつつある。
 小出裕章さんは戦争を振り返り、「国破れて山河あり」を引用しつつ、それでも山河は残り、そこに新たな暮らしを作り得た、でも、原発事故はそうはいかない、と。
 安倍政権は、自民党が推進してきた原発が大事故を起こしたにもかかわらず、何の反省もなく、またしても、原発推進に舵をきろうとしている。「天災と人災が複合した「合成加害」と喝破した正造は、洪水被害の三分の二は「私欲と奸悪(かんあく)」が原因の人災と言い切」り、「常に民衆に軸足を置く政治家だった」田中正造と比較して、自公その他の原発推進議員の何たる醜さ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060690120437.html

田中正造記念館 没後100年の来年、民家に移転
2012年6月6日 12時04分

 来年に没後百年を迎える田中正造(一八四一~一九一三年)の足跡を伝える群馬県館林市足次町の「足尾鉱毒事件田中正造記念館」が、同市大手町へ移転することになった。現在の建物の老朽化が進んでいるため、市が寄付を受けた民家へ来年度に移転する予定だ。
 田中正造記念館は旧渡瀬保育園の一部を使って二〇〇六年開館し、NPO法人が運営。足尾銅山鉱毒事件の解決に力を尽くした田中正造に関する本が五百冊以上ある。明治時代に鉱毒汚染の被害を受けた農民らが、現在の明和町で警察と争い負傷者も出た「川俣事件」を伝える貴重な史料や写真もある。これまで延べ約九千七百人が訪れた。
 建物は築四十年以上で耐震性が低く、移転が検討されていた。移転先の建物は、木造平屋で床面積は約百五十七平方メートル。建物と周りの土地を含めた約七百平方メートルについて所有者が市に寄付を申し出て、昨年八月に所有権移転の手続きを終えた。市はこの建物をNPO法人に貸す方針で、今後、貸し出しの条件などを協議する。
 館林市の安楽岡一雄市長は「田中正造の没後百年を記念するのにふさわしい記念館にしたい」と話している。

(中山岳・東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013010102000082.html

【コラム】
筆洗
2013年1月1日

 「予は下野(しもつけ)の百姓なり」。田中正造の自伝はこの言葉から始まる。「小中の土百姓」「溜(ため)(下肥)かつぎ営業」とも自称した。国会議員になっても、辞めた後も生涯一農民という認識は変わらなかった(小松裕著『真の文明は人を殺さず』)▼足尾銅山の鉱毒問題を追及、明治天皇に直訴を試みた正造は、還暦を過ぎても遊水池化に抵抗していた谷中村の農民の粗末な家に泊まり込んだ。常に民衆に軸足を置く政治家だった▼銅山から渡良瀬川に流れた鉱毒は、洪水のたびに下流に被害が広がった。天災と人災が複合した「合成加害」と喝破した正造は、洪水被害の三分の二は「私欲と奸悪(かんあく)」が原因の人災と言い切った▼今年は正造の没後百年になる。五年ぶりに再登板した安倍政権は自らの原発政策への反省や検証もないまま、民主党政権が決めた二〇三〇年代に原発ゼロという方針を覆し、原発の新増設さえ視野に入れる。正造が生きていたら、「加害者が何を言う」と一喝するだろう▼銅の採掘のために伐採され、製錬所が出す亜硫酸ガスや山火事ではげ山になった足尾の山林は、ボランティアが木を植えて、荒涼とした山肌に緑が戻ってきた▼自然との共存を主張した正造に今、学ぶべきことは多い。新年に当たり、もう一度かみしめたい言葉がある。<真の文明は山を荒さず川を荒さず村を破らず人を殺さざるべし
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●反原発派の声に耳をふさぎ、歴史から何も学ばない愚かさ

2012年07月18日 00時00分33秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012071202000096.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012071202000095.html)。週末金曜日の首相官邸抗議行動についてのCMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-July/018311.html)。

 王様の耳はロバの耳、あるいは、裸の王様状態。単なる音や「節電不安」という取り巻きの心地よい「声」しか耳には入らないようだ。いったい首相官邸を何人が、何重に取り巻けば、原発再稼働反対・廃炉の「民の真の声」は、(FUKUSIMAというこんな身近な)歴史から何も学ぼうとしないムダ首相の耳に届くのだろうか。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012071202000096.html

節電不安の声も聞こえる 首相、ブログで再稼働正当化
2012年7月12日 朝刊

 野田佳彦首相は十一日、公式ブログで、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に反対するため毎週金曜日の夜に官邸前で行われている抗議活動について「反原発を訴える多くの方の声も聞こえる。老人ホームのお年寄り、商店主の方々、中小企業で働く方々をはじめ、計画停電や厳しい節電への不安を強く感じる方々の声も聞こえる」と語った。

 再稼働を容認する声があることを説明することで、自らの判断の正当性をアピールしたものだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012071202000095.html

【コラム】
筆洗
2012年7月12日

 借りてきた自転車で湖畔を駆けると、吹き抜けてゆく風が心地よい。初めて耳にする鳥のさえずりが、あちこちから耳に飛び込んでくる。ラムサール条約に登録された渡良瀬遊水地は「野鳥の楽園」だった▼四県の四市二町に接する三千三百ヘクタールは、山手線の内側のほぼ半分の面積。本州以南で最大の湿原を見渡すと、高い建物はほとんど視界に入らない▼貯水池(谷中湖)の北側に、村人が強制移住させられた旧谷中村の遺跡があった。共同墓地や神社、屋敷の跡…。洪水が肥沃(ひよく)な土壌を運び、肥料を必要としない豊かな土地は、渡良瀬川上流の足尾銅山の鉱毒によって「死の沼」になった▼明治政府は、衆院議員だった田中正造や村民が求めた銅山の操業停止を拒否。鉱毒の沈殿池がつくられることになった村は一九〇六年に廃村になり、村人はわずかな補償で追い出された▼議員を辞し、村に移り住んだ正造は、家屋が強制的に壊された後も村にとどまる。<赤貧の洗うが如(ごと)き心もて無一物こそ富というなれ>。鉱毒反対運動で資産を使い果たした正造を支えたのは旧村民たちだったという▼春の風物詩のヨシ焼きは遊水地の生態系の維持に欠かせないが、やはり国策だった原発の事故で二年続けて中止に。日本の公害の「原点」である旧谷中村の遺跡の前に立つと、歴史から学ばない愚かさを叱られている気持ちになる。
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-July/018311.html

[CML 018504] 警官が止めたところが抗議の場
T. kazu ・・・・・・
2012 7 12 () 06:38:52 JST



ni0615田島ですあした13日の抗議では、警官に足止め食らったところは、いたるところ「再稼動反対」の抗議の場、としましょう。迂回誘導地点でも、地下鉄構内でも。遠くにいかせられるくらいなら、そこを「再稼動反対」のばとしよう。警察とむだないさかいをしないように気をつけて。

<以下、たんぽぽ舎メールマガジンより>

┏┓
┗■2.警察は用意周到な規制をしてきた
 |  7/6官邸前抗議行動に参加して感じたこと
└──── 

 7月6日(金)の官邸前再稼働への抗議行動。先週の官邸前の車道を埋め尽くした解放区の実現に学び、警察は用意周到な規制をかけてきた。まず地下鉄の駅構内から、出口規制の一方通行のために警官を駅構内に多数配備。外に出ると、以前のような車道規制はしないでとにかく人の集まりを規制してきた。私は、デモの交通整理係りだったが、警察の言うなりに人の波を規制することに次第に怒りを感じてきた。

 首相官邸に向けた抗議行動なのに、官邸から遠く離れた、国会議事堂の反対側の歩道に押し込め、車道に一歩も出さないように細く長くあくまでも遠くに並ばせた。あの官邸前を埋め尽くした市民の連帯感を、どうやったら、味あわせないようにするかを徹底した。道路規制で官邸前に絶対近付けない。分断された市民は、早めに帰る人も出てきた。官邸前でどんな抗議が行われていたかは、帰宅後夜中に、ustreamの動画で見た。こんな規制のもと、警官と一緒になって交通整理するのはもう嫌だ!と、正直思った。
 これからも、来週の13日の金曜日、16日の10万人集会(50万人になるかも!!)と、警察側は、分断し小さく見せるために、血眼になって規制作戦をかけてくるだろう。
 誰かが民の心『民心』と言ったが、この『民心』を徹底して無視して、その逆の暴虐政治を行う野田政権は完全に狂っている
 基地を辺野古ではなく県外と言ってしまった鳩山や、浜岡原発を止めた菅元首相は、マスコミにたたかれてすぐに辞めさせられたこんなに国民に対して残酷な政治をする野田が、自分たちの利益を守るにために本当によくやってくれていると思っている政官財、原子力帝国、そしてその陰に隠れたアメリカの権力者達の強い意志を、私達が見極めていかなければ。
 デモ後の片付けをしている警察官が、「再稼働反対」と小さく言っているのを、聞いたという話がある。
 昨日のデモでもそういう雰囲気の場面はあった。警察官だって個人的には、野田内閣は嫌なのだと思う
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最後におまけ。本日のツイート。

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AS@ActSludge

梶原得三郎さん『さかなやの四季』(海鳥社)を購入。最近、ブログ(読学、)の名前倒れですが、時間を見つけて読書を楽しみ、何かを学び取りたいものです。本書の帯「どう生きるか、そのことを暮らしの中で考える。/35歳の時に松下竜一氏と出会い・・・」

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●尊敬する人は田中正造

2011年08月12日 00時22分26秒 | Weblog


WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/mainichi-jul-4/)の一部。

 小出裕章さんの研究室には、ゲルニカのほかに田中正造さんの写真も。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/05/mainichi-jul-4/

74 田中正造は私が最も敬愛する人 小出裕章(毎日jp


7
月4日の毎日jpに小出裕章氏のインタビューの記事が掲載されていました。・・・・・・。

以下転載
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<特集ワイド>研究の前線で反原発 住民支える「異端」--京大原子炉実験所・小出助教
2011年7月4日(月)18:00


(※細長い自室に座る小出裕章助教。ついたてには田中正造の大きな写真が=大阪府熊取町の京大原子炉実験所で2011年6月27日、西村剛撮影

 ◇リスク負うのは後世…犠牲少なくする責任ある
 学者の良心とは何か――。福島第1原発事故は、すべての原子力研究者に問いを突きつけた。その一人でありながら、一貫して反原発の立場を取ってきた京都大学原子炉実験所(大阪府熊取町)の小出裕章助教(61)は今、何を思うのか。【宍戸護】

 ◇田中正造「もっとも敬愛する人」
 暑い昼下がり、訪ねた研究室は薄暗かった。蛍光灯もエアコンもスイッチを入れていない。2人一部屋の真ん中をついたてで仕切られた細長いスペースで、小出さんは机に向かっていた。

「余計なエネルギーは使わない。皆さんぜいたくになり過ぎて、不要なものを使い過ぎています」


 原子力の文献が山積みされて、記者が座るともう身動きがとれない。
 小出さんの専門は放射線計測、原子力安全。愛媛県・伊方原発の設置許可取り消し訴訟で原告側証人となり、99年のJCO東海事業所臨界事故では土壌の放射線を測定し、別の争いでは地域のがん死者数の推計作業も行う――放射性物質の被害を受ける住民を支える活動をしてきた。
 福島第1原発の事故後は新聞、テレビ、ラジオ、講演、あらゆる場で事態の深刻さや政府・東京電力の対応のまずさを指摘し続けている。6月に出版した「原発のウソ」(扶桑社新書)は20万部のベストセラーになった。いまや一分一秒を惜しむ忙しさだ。

  ■

 小出さんは東京都台東区生まれ。私立開成高校卒業後、1968年、東北大学工学部原子核工学科に入学。授業を一回も欠席しない学生だったという。

「あのころ、原子力は未来のエネルギーと信じていました。原爆のものすごいエネルギーを平和利用したいと思い込んでいました」


 東大安田講堂事件をテレビで見た69年、宮城県女川町・石巻市にまたがる女川原子力発電所設置を巡り漁師たちが「電気は仙台で使うのに、なぜ自分たちの町に原発を造るのか」と抗議していることを知った。小出さんは原発のあり方について考え抜き、一つの結論にたどりつく。

「女川原発が事故を起こした場合、地元住民はそこに住み続ければ健康に害があり、健康に害がないようにすれば、その地域に住めなくなる」


 その懸念は42年後、福島県で現実となる
 原子核工学科は、原子力発電を支えるための科学者や技術者を養成する場。「この学問は受け入れられない」と去っていった仲間もいたが、小出さんは「原子力の学問の中にいながら、原子力が抱える問題を指摘し続けるのが自分の歩む道」と決断した。
 京大原子炉実験所が助手を募集していることを「大学院の掲示板で偶然知り」、74年春に採用された。そこには既に、反原発を唱える助手が4人もいた。原発関連の訴訟を支援し、のちに加わった今中哲二助教とともに「反原発の6人組」と呼ばれた。中国の文化大革命を主導した4人組になぞらえての揶揄(やゆ)だ。「反国家的な存在」ともささやかれた。
 実験所は「原子炉による実験及びこれに関連する研究」を目的とし、全国の大学の共同利用施設として63年に設置された。反原発を掲げる小出さんらがなぜ残れたのか。

 「ここの原子炉は、もともと中性子を出すための道具として造られた。物理学、化学、医学のがん治療にも中性子を使って研究したい分野があり、推進も反対も関係ないのです。とはいえ、教員の自由な意思を尊重し、学問を発展させる京都大学の校風もあったでしょうね」

 長年、助教(助手)であることについては「(出身大学からしても)外様ですから」とやんわりかわしたが、研究者の「原子力村」への舌鋒(ぜっぽう)は鋭い。

「猛烈な選別があります。例えば東大ならば国家に協力しない人はダメ。その協力の度合いに応じて出世が待っているのです」


 5月23日の参院行政監視委員会で、参考人として国の原子力政策を批判した小出さんは、インド独立の指導者、マハトマ・ガンジーの言葉「七つの社会的罪」を挙げた。うち二つは「道徳なき商業」と「人間性なき科学」。前者を東電、後者を自らも含めたアカデミズムに当てはめた。

 「一人一人の人間が生きてきた歴史が根こそぎ壊れた。失われる土地、生活、健康を考えれば、これからも原子力が科学の進歩で何とかなるとは、私には到底言えない

 小出さんは静かに言った。

  ■

 ふと目の前にあるついたてを見ると、ひげをはやした老人の顔写真があった。足尾鉱毒事件の被害者救済に生涯をささげた明治時代の政治家、田中正造

「私が最も敬愛している人です」


 日本が列強入りを目指し、日露戦争に突き進もうとした時代。正造は、群馬・栃木県の渡良瀬川流域で起きた足尾銅山からの鉱毒公害を告発し、権力の横暴と闘った。明治天皇に直訴し、自らの命と引き換えに農民たちを救おうとしたことはあまりにも有名だ。
 くしくも震災発生直前の3月8日、正造の晩年の直筆短歌が栃木県で見つかった。

 <世をいとひ そしりをいミて 何かせん 身をすてゝこそ たのしかりけれ>

 そしりを受けて世を恨んでも仕方ない。身を捨てて事に当たればこそ楽しいこともあろう――。

正造さんは国家に見捨てられた農民に最期まで寄り添い続けた。亡くなる時も、自分の病気より鉱毒のことを気にして、住民を叱咤(しった)した。実に潔い生き方だと思います


 鉱毒と原発――。二つの出来事が時を超えて重なる。


 「原発には都会が引き受けられないリスクがある。そのリスクを、都会の住人は社会的に弱い立場にある過疎地の人たちに押しつけている。仮に原発事故が防げても、原子力を使い続ける限り核のゴミ(放射性廃棄物)は増え続けるし、人間はそれを無毒化できない。私たちの世代は、自らの利益のために、選択権のない後世にその『毒』を押しつけているのです

 後世への責任。それは小出さんが常に強調してやまないことだ。

「原子力の場にいる私にも普通の人とは違う責任がある。そして、普通の日本人の皆さんにも責任はあると思う。推進派にだまされたかもしれない。でも、だまされた責任もあるはずです」


 とすれば、やるべきことは何か。

 「原子力を進めてきたのは大人だが、そのしわ寄せを受けるのは、おそらく子どもたちです。子どもたちの犠牲を何とか少なくするために、私は自分なりに責任を果たしていきたいのです」

 この国の原発数は米仏に次ぐ54基。自ら「異端」と称する研究者は、これからの長く険しい闘いを覚悟しているようだった。
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●『創(2010年2月号)』読了(3/3)

2010年03月28日 07時39分36秒 | Weblog

『創』(2010年2月号)】

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]ぢぢ放談/第9回 環境問題なんて知らない!」(p.128-135)。「矢崎 あの排出権取引っていうのも、胡散臭いじゃないですか。結局は、温暖化対策が新しいマネーゲームを生むだけの話でしょう。・・・」。「矢崎 「もう少し貧しくなろう」ということだった。金を稼ぐのをやめる。美味いものを食うのをやめる。・・・」。松下センセの『暗闇の思想』、内橋克人さんの『浪費なき成長』。「矢崎 そういえば永さん、『苦海浄土』を書いた石牟礼道子さんや、写真家のユージン・スミスなんかと一緒に、よく水俣に行っていたもんね」。足尾銅山鉱毒事件と田中正造。足尾銅山鉱毒事件と同様に、奈良の平城京は都市公害の第1号。水銀説と奈良の大仏。北山修さん。核廃棄物について、「 これはもう、文明が生んだ「負の遺産」として、次世代に委ねるしかないね。われわれには、その汚物処理は手に負えないし、時間もない。ただ、この汚物は使い物にならない、という発言だけは残しておきたいけどね」。

 三井環さん(元大阪高検公安部長)検察「裏金」告発の闘いはこれからだ! 第13回/仮釈放妨害で告訴」(pp.136-139)。

 雨宮処凛さんドキュメント雨宮革命/第26回 ナショナルミニマム研究会と生活保護の現場」(pp.140-143)。湯浅誠さん。
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