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●田中正造「「私欲と奸悪」が原因の人災」

2013年01月05日 00時00分02秒 | Weblog


東京新聞の古い記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060690120437.html)。そして、東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013010102000082.html)。

 公害の原点。酸性雨の走り。100年以上が経過し、ようやく緑が復元しつつある。
 小出裕章さんは戦争を振り返り、「国破れて山河あり」を引用しつつ、それでも山河は残り、そこに新たな暮らしを作り得た、でも、原発事故はそうはいかない、と。
 安倍政権は、自民党が推進してきた原発が大事故を起こしたにもかかわらず、何の反省もなく、またしても、原発推進に舵をきろうとしている。「天災と人災が複合した「合成加害」と喝破した正造は、洪水被害の三分の二は「私欲と奸悪(かんあく)」が原因の人災と言い切」り、「常に民衆に軸足を置く政治家だった」田中正造と比較して、自公その他の原発推進議員の何たる醜さ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012060690120437.html

田中正造記念館 没後100年の来年、民家に移転
2012年6月6日 12時04分

 来年に没後百年を迎える田中正造(一八四一~一九一三年)の足跡を伝える群馬県館林市足次町の「足尾鉱毒事件田中正造記念館」が、同市大手町へ移転することになった。現在の建物の老朽化が進んでいるため、市が寄付を受けた民家へ来年度に移転する予定だ。
 田中正造記念館は旧渡瀬保育園の一部を使って二〇〇六年開館し、NPO法人が運営。足尾銅山鉱毒事件の解決に力を尽くした田中正造に関する本が五百冊以上ある。明治時代に鉱毒汚染の被害を受けた農民らが、現在の明和町で警察と争い負傷者も出た「川俣事件」を伝える貴重な史料や写真もある。これまで延べ約九千七百人が訪れた。
 建物は築四十年以上で耐震性が低く、移転が検討されていた。移転先の建物は、木造平屋で床面積は約百五十七平方メートル。建物と周りの土地を含めた約七百平方メートルについて所有者が市に寄付を申し出て、昨年八月に所有権移転の手続きを終えた。市はこの建物をNPO法人に貸す方針で、今後、貸し出しの条件などを協議する。
 館林市の安楽岡一雄市長は「田中正造の没後百年を記念するのにふさわしい記念館にしたい」と話している。

(中山岳・東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013010102000082.html

【コラム】
筆洗
2013年1月1日

 「予は下野(しもつけ)の百姓なり」。田中正造の自伝はこの言葉から始まる。「小中の土百姓」「溜(ため)(下肥)かつぎ営業」とも自称した。国会議員になっても、辞めた後も生涯一農民という認識は変わらなかった(小松裕著『真の文明は人を殺さず』)▼足尾銅山の鉱毒問題を追及、明治天皇に直訴を試みた正造は、還暦を過ぎても遊水池化に抵抗していた谷中村の農民の粗末な家に泊まり込んだ。常に民衆に軸足を置く政治家だった▼銅山から渡良瀬川に流れた鉱毒は、洪水のたびに下流に被害が広がった。天災と人災が複合した「合成加害」と喝破した正造は、洪水被害の三分の二は「私欲と奸悪(かんあく)」が原因の人災と言い切った▼今年は正造の没後百年になる。五年ぶりに再登板した安倍政権は自らの原発政策への反省や検証もないまま、民主党政権が決めた二〇三〇年代に原発ゼロという方針を覆し、原発の新増設さえ視野に入れる。正造が生きていたら、「加害者が何を言う」と一喝するだろう▼銅の採掘のために伐採され、製錬所が出す亜硫酸ガスや山火事ではげ山になった足尾の山林は、ボランティアが木を植えて、荒涼とした山肌に緑が戻ってきた▼自然との共存を主張した正造に今、学ぶべきことは多い。新年に当たり、もう一度かみしめたい言葉がある。<真の文明は山を荒さず川を荒さず村を破らず人を殺さざるべし
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