[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/狂った火事場ドロボーたちのシナリオに乗ってはいけない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/272177)。
《憲法を改正して「緊急事態条項」を新設することに「賛成」と回答した人は65・8%で、「反対」の3倍近くに達した――。産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が11、12の両日に行った合同世論調査の結果だ。恐れていた事態が招かれつつある。実施主体の特性を割り引く必要はあるにしても、「緊急事態条項」がここまでの支持を集めたのは初めてだ》。
あのアベ様らによるドサクサ壊憲、緊急事態条項の導入に「賛成」とはねぇ…《実施主体の特性を割り引く必要はあるにしても》酷い結果だ。
COVID19のドサクサに紛れて、壊憲を口にするアベ様。「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらに、「緊急事態条項」の導入をもくろむアベ様…恐怖でしかないのだけれど…。《2016年3月に麻生太郎副総理が…言い放った妄想…大恐慌後の米国経済は戦争に救われたと講釈を垂れていた。「解決したのは第2次世界大戦です」 殺し合いを強いられる側が狂った火事場泥棒のシナリオに乗ってしまったら、取り返しのつかないことになる》。
西日本新聞のコラム【〈風向計〉平和を願う監督の精神 下村佳史】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/602548/)によると、《戦争が廊下の奥に立ってゐた 82歳で亡くなった大林宣彦監督は、映画人生の集大成となった作品「花筐/HANAGATAMI」を語る時、何度この句を口にしたことだろう。日中戦争が泥沼化していく中、俳人渡辺白泉が詠んだ句だ。その2年後、日本は太平洋戦争へと突入した。…戦争はいつの間にか日常生活に入り込んでいる。気が付くと、戦争がそばに待ち構えていた。白泉が敏感に感じ取った恐怖は、決して遠い時代の出来事ではない。…「古里の暮らしや文化を守る人たちの気高き精神こそが、戦争をなくす力になる」。監督の言葉を遺言と思い、かみしめる。 モガリ笛いく夜もがらせ花ニ逢(あ)はん 檀の絶筆。冬の寒風が吹き付け、笛のような音を夜のたびに鳴らすが、必ず春はやって来る。最期まで平和をたぐり寄せようとしていた監督の願いと重ねている》。
《戦争が廊下の奥に立ってゐた》…《そんな時代にしてはならない》はずが、このドサクサに癒党お維や与党議員ときたら壊憲にまっしぐらだ。マスコミと相まって7年間も直接的、間接的にアベ様らをはやし立ててきた支持者…そのツケはあまりに大きい。
週刊朝日のコラム【室井佑月「こっちも自粛中?」】(https://dot.asahi.com/wa/2020042200044.html)によると、《しかしですよ、国会議員、しかもこの国のトップであるなら、今現場で頑張っている医療従事者よりも、はるかに奮闘せねばいかん場面なんだと思うけど違うか? だいたい、ほんとうにそう感じているなら、やることはいっぱいあるだろ。…政治家って、しかもそのトップである首相って、国民の命と生活を守る立場だろう。…ちょっと前に、ウイルスを通しやすい布のマスクを各家庭に2枚、466億円もかけて送るっていうコロナ対策もあったけど、ほんとうにこの国の指導者はなにを考えているのかまったくわからない。まさか! 安倍首相が怖くて、そのまわりにいる人たちも、彼のレベルに合わせているのかしら。安倍政権のうちは、その頭脳も自粛中ってやつか?》
文化・民度・政治…他国との彼我の差を感じる。ウチの首相ときたら…。アベノカビマスクにドブガネ466億円、しかも、回収。私権を制限し、何時まで経っても給付はなされず、休業補償は行われず、アベノケチノミクス。
『●政治判断の《根拠》は? 《国家のリーダーとして、権力を預かる者は
その責任と、権力行使の影響を、十分に自覚しなければならない》』
「神屋由紀子記者による、西日本新聞のコラム【シェアされる首相演説
神屋由紀子】…《先週末、新型コロナウイルス問題を巡り、ある首相の
演説文がインターネット上で相次いでシェア(共有)されていた。
首相といっても安倍さんではない。ドイツのメルケル首相である》。」
『●ウチの首相は《対策の不備…科学的根拠の欠如…的外れ》など
批判の山…文化・民度・首相のレベルに彼我の差を感じずには要られない』
日刊ゲンダイのコラム【高野孟 永田町の裏を読む/コロナ対策の不可解 相談4万7000件も申請受理わずか214件】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/272259)によると、《共産党の小池晃書記局長は13日の記者会見で、新型コロナウイルス対策の一環として政府が打ち出した「雇用調整助成金」の特例措置について、「4月3日の時点で、相談は4万7000件に上る一方、手続きに入ったのは2859件、申請が受理されたのは214件、支給が決定されたのは2件だった」と発表した。…最初の3日間だけで5万人近くが相談に訪れたことに、いま特に中小の経営者が陥っている苦境が表れている。…ところが実際に支給を受けられることになったのは、この中で2件だけ。…それでも政府は、制度はちゃんとつくってやっているんだから、それを利用しない国民が悪いという、完全に上から見下す態度である。麻生太郎副総理の「手を挙げた人には10万円を出してやる」という発言も同じ。この政府の下では国民は不幸になるばかりである》。
万事がこの有様。市民の生活や命を守る気など、全く無しなアベ様。《この政府の下では国民は不幸になるばかりである》のに、内閣支持率4割だってさ。
『●デマ・ウソ吐きはどっち? 《雇用調整助成金…構造的欠陥があり、
誰もが受け取れる「休業補償」という仕組みにはまったくなっていない》』
『●【【私説・論説室から】難局と指導者の態度】《これまで…決して責任を
取らなかった首相である。コロナ禍ではどんな責任を取るのだろう》』
『●ウチの首相は《対策の不備…科学的根拠の欠如…的外れ》など批判の山
…文化・民度・首相のレベルに彼我の差を感じずには要られない』
『●大量検査・隔離・追跡、さらに、地域のサンプリング検査が必要…
アベ様や小池「ト」知事は、この数カ月、一体何をやってきたのか?』
『●鈴木耕さん《目を覚まそうね、みんな》《さすがに、安倍終焉劇の幕は
上がったのだ……。》…であってほしいが、内閣支持率4割の絶望』
『●「自己申告」させる気? アベ様内閣や自公お維には《小さな声に
耳を傾け、実現に向けた実践力を適宜発揮できる政治家》が一人もいない』
『●《補償や生活支援策にはケチり続け》る一方で、《悪魔》が残して
いったアベノマスク2枚で批判封じ…さらに、報道統制のためにドブガネ』
『●《厚労省はそういった感染者用病床に転用できないものも含めた
空きベッドの数を無理やり足して、数合わせ》…アベ様の《やってる感》演出』
西日本新聞のコラム【〈春秋〉どんな歌の上の句に続けても、なるほどと思わせる下の句がある…】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/603201/)によると、《▼受け取るかどうかは個人に委ねられた。議員や公務員は返上せよ、寄付せよという意見も聞く。ご近所や職場で「Aさんはもらわないのに、裕福そうなBさんは…」などとなれば、嫌な空気になりかねない。何が「公平」か、判断は難しい。政府は批判を避け、責任を国民に丸投げした ▼感染におびえ、外出の自由が奪われ、経済や教育、文化などもむしばまれていく。あらゆる日常生活に当てはまる下の句がある。<それにつけてもコロナの憎さよ>》。
<それにつけてもアベ様の無能さよ>。大量検査・隔離・追跡、さらに、地域のサンプリング検査…どれ一つ達成できず。
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/272177】
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
二極化・格差社会の真相
狂った火事場ドロボーたちのシナリオに乗ってはいけない
2020/04/22 06:00
(特措法の「緊急事態条項」と憲法改正による「緊急事態条項」新設は、
まるで違う。コロナ禍が終息しても後者の憲法は、
残る(C)日刊ゲンダイ)
憲法を改正して「緊急事態条項」を新設することに「賛成」と回答した人は65・8%で、「反対」の3倍近くに達した――。産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が11、12の両日に行った合同世論調査の結果だ。恐れていた事態が招かれつつある。実施主体の特性を割り引く必要はあるにしても、「緊急事態条項」がここまでの支持を集めたのは初めてだ。
新型コロナウイルス禍の前に強権を望む集団心理。特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を安倍首相が発令したのが7日だ。たちまち全国に拡大されたが、彼は当初の、7都府県だけを対象とする「宣言」に先立つ衆院議院運営委員会で、憲法に「緊急事態条項」を設ける議論を、と呼び掛けてもいた。
日本維新の会の議員に対する答弁だった。かねて衆院憲法調査会を再開させるべく野党工作を進めていた安倍政権ゆえ、特に意外ではないが、発言のタイミングが問題だ。
「宣言」も「条項」も途中までは同じ「緊急事態」。だから多くの人々が混同しがち。そんな折の、政権に近いメディアグループの世論調査だった。
言うまでもなく特措法の「緊急事態宣言」と、憲法改正による「緊急事態条項」新設とでは、まるで違う。前者はあくまで新型インフルエンザと新型コロナの感染拡大に限った対応。一方、後者は政府の判断次第で広範な人権制限が可能になる。権力のほとんどオールマイティーは、コロナ禍が終息しても憲法に残るのだ。
なのに自民党では、たとえば1月末に伊吹文明・元衆院議長が二階派の会合で、新型コロナの感染拡大を改正憲法における緊急事態条項の「実験台」と見なしたい旨を語っていた。民主党政権下で制定された特措法ではあったが、なるほど水面下で動いたのは警察官僚たちだった。
何もかも初めから仕組まれていたのではないか。中国や韓国と同様の、感染経路を特定する目的を前面に掲げた位置情報の追跡も近く本格化する。超監視社会の到来だ。
IMF(国際通貨基金)のゲオルギエワ専務理事は14日、「大恐慌以来の経済悪化」への懸念を表明した。2016年3月に麻生太郎副総理がP・クルーグマン氏に言い放った妄想を思い出す。ノーベル賞経済学者を相手に麻生氏は、大恐慌後の米国経済は戦争に救われたと講釈を垂れていた。
「解決したのは第2次世界大戦です」
殺し合いを強いられる側が狂った火事場泥棒のシナリオに乗ってしまったら、取り返しのつかないことになる。
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[※ 東京新聞(2017年3月8日)↑]
東京新聞の石原真樹記者による記事【治安維持法 「キネマ旬報」が特集 「共謀罪」に危機感反映】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017060802000247.html)。
《百年近い歴史を持つ老舗映画雑誌「キネマ旬報」は六月下旬号に「治安維持法」の特集を組んだ。戦前・戦中の言論弾圧につながる治安維持法が成立した大正末期と、政府与党が共謀罪法案の成立を目指す現在が似ている、という危機感から》。
先日も引用したとおり、リテラの記事【安倍政権はやっぱり共謀罪を治安維持法にするつもりだ! 金田法相が「治安維持法は適法」と明言、処罰対象も次々拡大】(http://lite-ra.com/2017/06/post-3223.html)によると、《金田法相は…治安維持法の認識を問われ、「適法だった」「謝罪の必要はない」と言い切った》そうです。何か既に恐ろしい段階に、デンデン王国ニッポンは進んでしまっているようです。次は、《治安維持法は適法》を閣議決定かな? 「平成の治安維持法」の《適用範囲は底が抜けた状態になる》に決まっています。なのに、やすやすと「平成の治安維持法」が成立? 御人好しな自公お維信者の皆さん、無関心な「眠り猫」の皆さん…。
『キネマ旬報』に言わせれば、大正末期と現在の状況が似ているそうです。「戦前の治安維持法」の亡霊が、いま、彷徨っています。悍ましき超管理・監視・密告社会へと暴走。
『●『日本の公安警察』読了(2/2)』
『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
・・・冷たい国だ』
『●教員について密告させ、労組を監視する=
自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」』
『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会』
『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」』
『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には
全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?』
『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…』
『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ』
『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」』
『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017060802000247.html】
治安維持法 「キネマ旬報」が特集 「共謀罪」に危機感反映
2017年6月8日 夕刊
(「今、やらずにはいられないと思った」と話す
キネマ旬報編集者の前野裕一さん
=東京都千代田区の中日新聞東京本社で)
「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案の審議が八日、参院で再開された。百年近い歴史を持つ老舗映画雑誌「キネマ旬報」は六月下旬号に「治安維持法」の特集を組んだ。戦前・戦中の言論弾圧につながる治安維持法が成立した大正末期と、政府与党が共謀罪法案の成立を目指す現在が似ている、という危機感からだという。 (石原真樹)
三ページの特集面では、映画評論家の轟夕起夫さん(54)が「来るべき世界への懸念-治安維持法と映画、映画人」と題した評論で、治安維持法下の日本を描いた映画を紹介している。
京都帝国大で学問の自由が弾圧された「滝川事件」が下敷きの「わが青春に悔(くい)なし」(黒沢明監督、一九四六年)、治安維持法に反対し暗殺された政治家・山本宣治(一八八九~一九二九年)の生涯を追った「武器なき斗(たたか)い」(山本薩夫監督、六〇年)、思想犯として摘発された大学教授の妻を吉永小百合さんが演じた「母(かあ)べえ」(山田洋次監督、二〇〇八年)などだ。
編集部は、衆院法務委員会で共謀罪法案の審議が行われていた四月末に企画を立てた。日本ペンクラブが「内心の自由を侵害する」と声明を出すなど、表現に携わる人たちが続々と共謀罪に反対の声を上げていた。担当編集者の前野裕一さん(49)は「こんな法律が成立したら、社会を告発する映画が作られなくなるのではないかという危機感があった」と振り返る。
前野さんは、安全保障関連法案が国会で審議されていた二〇一五年夏に「戦後七十年特集」の別冊で、監督インタビューで安保法制について触れたり、これに反対する「映画人九条の会」の会見リポートを載せたりした。今回は関心のある人向けの別冊と違い、本誌で政治的な内容に踏み込んだ。映画会社の知人には「キネ旬でそんなことやるの」と驚かれ、戦争を子ども時代に知る大林宣彦監督からは「頑張れ」と励まされた。
前野さんは「共謀罪は『平成の治安維持法』と呼ばれる。じゃあ実際に、治安維持法の時代とはどうだったのかを映画から考えたい。二度とあってはならないと、映画を作った先人からのメッセージを受け止めるのは今をおいてない」と話す。
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『澤藤統一郎の憲法日記』から『松元ヒロ・「憲法くん」の語りに脱帽』(http://article9.jp/wordpress/?p=2602)。
「だけど丸投げで頼むわけじゃない。頼まれたから何でもできると思って戦争なんか始めちゃダメだよ。そのために、憲法にしっかりと9条を書いてこれをわたす。この憲法に書いてあることをしっかり守って、頼まれごとをやってくれ、と」・・・・・・松本ヒロさんの「憲法くん」は語る。アベ様をはじめとした自公議員、翼賛野党の壊憲派には理解できまい。
『●「ぼくらは差別が見えていない」 『週刊金曜日』
(2014年5月9日、990号)』
「■⑩『週刊金曜日』(2014年5月9日、990号) / 松元ヒロさん
【写日記その30】、「ドキュメンタリー映画『ザ・思いやり予算』・・
バクレーさんが「ヒロさん、ギャラなんですが・・・・・・」
「大丈夫、『予算』がないんでしょ? 私の『思いやり』!」。
さすが「憲法くん」
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9cf92a972ac07b0d0538d9f8b4167b3a)」
『●「放射能と学校給食③」『週刊金曜日』
(2013年6月7日、946号)についてのつぶやき』
「■『週刊金曜日』(2013年6月7日、946号) / 松元ヒロ氏
【写日記 その10】、「日本国憲法を擬人化した『憲法くん』と
言うネタで全国を飛び廻っているお笑い芸人」「憲法くんが
『私のことを自虐的とか言う人がいる。でも私は六六年間、
戦争という名前で他国の人々を殺したことがない。それが誇りです。
私をどうするか、皆さんに託しましたよ』と締めくくると満場の拍手に包まれた」」
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【http://article9.jp/wordpress/?p=2602】
澤藤統一郎の憲法日記
松元ヒロ・「憲法くん」の語りに脱帽
憲法フェスティバル、略称「憲フェス」に足を運んだ。40回目の憲法記念日となった1987年に、青年法律家協会が企画して第1回を開催。以来連綿と続いて、今年は28回目となっている。実行委員会は、年に1度のイベントを開催するだけでなく、通年の憲法運動の担い手となっている。これが立派なところ。
今年のテーマは、子どもの日にちなんで「この子らに託すもの」。大林宣彦監督作品「この空の花ー長岡花火物語」の上映と、同監督のトークがメインの企画だが、私のお目当ては、松元ヒロさん。「今年の憲フェスに、あの『憲法くん』が帰ってくる!」という惹句に惹かれて、「憲法くん」に会いに行った。
素晴らしいステージだった。45分間の熱演を堪能した。…という程度では言葉が足りない。脱帽した。ショックさえ感じた。そして、その姿勢に学びたいと思った。こんな風に、楽しく、分かりやすく、大切なことを上手に語れるようになりたいものと思う。
私は、ヒロさんの「憲法くん」の初演を観ている。あのときもすごいと思ったが、あれから遙かに芸が磨かれ、洗練されている。同じ古典落語をくり返し聞いていると、簡潔だが実に的確な言葉の組み立てになっていることに気づかされる。言葉の贅肉を殺ぎ落として成り立つ芸。そういう芸を聞かせてもらった。
ヒロさんは、「テレビには出演することのない」芸人として定着している。政権への批判や皇室への物言いにも遠慮がない。そこが、観客にウケる所以だが、決して言葉にどぎつさを感じさせない。政権の要人や天皇を揶揄して笑い飛ばしても、その人格を貶めてはいない。だから、会場全体で安心して笑える。
いくつかのセリフに感心した。憲法の本質を語り、自民党改憲草案の危険性の本質をよく語っている。以下は、私の記憶の限りでのトークの一部の再現。
「私たち国民が国の主人公なんですよ。戦前とはそこが違う。
だから本当は私たち国民自身が、どのように国を動かしていくか
話し合って決めなければならない。だけど、私たち、みんな忙しい
ですよね。仕事もしなければならない。だから、私たちの代わりに
話し合いをする人を選んで、その人たちにきちんと国を動かすように
頼むんです。その頼む相手が代議士・国会議員。その中から、
国を動かす責任者も出てくる。別にエラクもなければ、
先生と呼ぶ必要もない。」
「私たちはこういう人たちに、しっかりと国を動かしてくれよ、
と頼むんです。だけど丸投げで頼むわけじゃない。頼まれたから
何でもできると思って戦争なんか始めちゃダメだよ。そのために、
憲法にしっかりと9条を書いてこれをわたす。この憲法に書いてあることを
しっかり守って、頼まれごとをやってくれ、と」
「この世の中の歪みの犠牲者として、貧しい人が出てきますよね。
不幸な境遇の方もいる。そういう人を、社会全体で支えてあげたい
と思いますよね。お互いさまですから。私たちは、国の主人公として、
そういう風に国民のお金を使いたい。だけど、私たち一人一人は
みんな忙しいですよね。仕事をしなくちゃならない。だから、
みんなからお金を集めて、困っている人に配分する仕事を頼むんです。
そのときに、『ハイ、これが25条。これに基づいてみんなのお金を
使ってくれ』と渡す。これが憲法というものなんです」
私も、ヒロさんに学んで分かりやすく語ることの修行を積み重ねよう。分かりにくいのは、語る側がよく分かっていないからだ。あるいは、分かってもらおうという情熱に欠けるから。聞き手に、あるいは読み手に分かってもらうため工夫を重ねよう。そして、話しも文章も、長すぎないように心掛けよう。原則として…、だけど。
(2014年5月5日)
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『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、石坂啓さん【初めて老いった!?第88回/血をフリコメ詐欺】、「したいんです、と腹で思っても「戦争は、しません」とシレッと言ってのける。ペテン師か。・・・自作自演の狂言アリ捏造アリ冤罪アリの、「血をフリコメ詐欺」が始まろうとしている・・・「安全だから信じろ」ではなく、もう母船が何度傾いているかを察知すべきだ。「そこにいちゃ死ぬぞ!! 逃げろ!!」と、あなたは救命具をつけて待つ高校生に向かって、悔しい思いで叫ばなかったか」。
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■①『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 「袴田事件の次は狭山事件だ」「毒牙をあらわしたアベノミクス」。浜矩子さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8fd0e08da47a39ece1e0e2455b85d940)によると「アホノミクス」を通り越して「ドアホノミクス」だそう
■②『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 片岡伸行氏【アベノミクスで賭博を礼賛? カジノ解禁推進法案の廃案を】、「反対している・・・大門実紀史・・・福島みずほ・・・糸数慶子・・・も参加」。元「ト」知事の方々もお好きでした(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/07968cccb4abad0a01affdd3c37e0b4e)
■③『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 満田夏花さん【原発事故による避難住宅の窮状 期限迫る無償支援の延長を】、「1年先の住居がどうなっているのかもわからないのに、生活の再建などあり得ない」。カジノ法案なんてやっている場合なのか? 原発再稼働や輸出なんて・・!?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2dd6819f03d34852519050b6a80592bf)
■④『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 中島岳志さん【風速計/「創価学会の正念場」】、「理念を大切にしてほしい。/私は一人の歴史家として、同じ仏教を大切にする友人として、その行動を注視している」。う~ん、公明党は既に第3自民党と化し、既に一体化?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/08e4b176dd9a9e274deb5b34a1b9512a)
■⑤『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 石川文洋さん【ベトナム50年を旅する】、「戦争はその〝いい人〟たちが、人を殺すし、拷問もする・・・それが戦争です。・・・私の仕事は、今、そこで起きてる事実を記録し、伝えること」。石川さんとベトナムと沖縄と(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6825289b60b19442e4ab8d25aab34a58)
■⑥『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 【西川伸一の政治時評/安倍首相の集団的自衛権会見 評論にすら値しない猿芝居と横畠新法政局長官の変貌ぶり】、「視覚的に情緒を刺激し強迫観念を植え付けるとは、秀逸なセンスである。事の本質を隠蔽する陳腐な手法」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/28f2776c14d6c2da79a0c4220d510a79)
■⑦『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 【佐高信の新・政経外科第2回/追悼 渡辺淳一様】、「城山三郎さん・・・「・・・を語る時、勲章拒否と現行憲法擁護の二点だけは外してほしくない・・・『戦争で得たものは憲法だけ』と口癖のように・・・まさに城山さんの遺言というべきでしょう」」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/38fef8e43cb96129b5209ba4f5be0214)
■⑧『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 対談金聖雄×小室等【映画『SAYAMA』が静かに伝える石川一雄さんの今 「みえない手錠」はいつはずれるのか】、「「袴田事件の次は、狭山事件の再審の扉を!」との声が高まるなか、逮捕から51年・・・」。「冤罪事件を「絶対に忘れるな」」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/55763e0aa5cd1eeb323e47acc29f73da)
■⑨『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 横田一さん【憲法骨抜き、安倍首相の集団的自衛権行使容認の今後 連立離脱賭けて公明党は抵抗するのか】、「今後の公明党や創価学会の動きから目が離せない」? そうかな~?、すでに自民党と一体化しているけれど(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/08e4b176dd9a9e274deb5b34a1b9512a)
■⑩『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 金子勝さん【「異次元の金融緩和策」から1年 世界の潮流から外れるビジョンなき経済政策】、「出口失う金融緩和策・・原発と武器輸出・・・産業構造の転換を・・・ビジョンと戦略とが日本には、そして安倍政権にはまったく欠けているのです」。時代錯誤(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8fd0e08da47a39ece1e0e2455b85d940)
■⑪『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 木野龍逸さん【「美味しんぼ」で問題提起された低線量被曝をごまかしたい人々の“集団バッシング”】、「麻生太郎・・・佐藤雄平・・・菅義偉・・・森まさこ・・・石原伸晃」「鼻血は多かった・・・根拠言えない環境相・・・説明責任を果たせ」。誰にこそ責任があるのか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c56d9377915ebb7e4a0e6235f2081741)
■⑫『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 本橋哲也氏【格闘する思想 中山智香子 消費中毒の日本でこそ「経済的不服従」を】、「全地球を支配するネオリベのトリック・・・中国やインドは本当に勝利しつつあるのか・・・新自由主義の圧政への民主主義的抵抗とは・・・「新自由主義から不自由主義へ」」
■⑬『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 【佐々木実の経済私考/竹中平蔵氏らの政治装置「国家戦略特区」が始動 熟議なしの強引なシステムに地元では軋轢も】、「特区制度は、多様な立場や意見を反映させる政治システムではない・・・民主主義の“抜け道”でしかない」。〝憲法番外地〟(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d9935b2b6742c0a4d3c9876943f71f4b)
■⑭『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 永六輔さん【話の特集 無名人語録420】、「・・・何はさておいても。まずは東北復興って言ってたよなァ。そうしてないのに訂正してないよなァ」「東北の復興は最優先って言ってたよなァ。言ってたなァ。おい、忘れちゃったのかい」
■⑮『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 松元ヒロさん【写日記その31】、「「憲法フェスティバル」に出演・・・大林宣彦監督・・・「・・・芸能・芸術は風化しないジャーナリズム・・・ゲルニカがそうです。憲法くんもそうです。私はこの映画を『シネマ・ゲルニカ』にしたいのです」。私も憲法くんを『コミック・ゲルニカ』に!」。憲法くん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9cf92a972ac07b0d0538d9f8b4167b3a)
■⑯『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 北原みのり氏【メディア仕分け人Vol.91/韓国沈没船事故で批判の矛先を逸らされ「美味しんぼ」で批判の口を閉ざされ――】、「ああ、どうかこの批判力を、自らの国に向けていただきたいです!と思うけれど、もしかしたら、メディアも・・・・・・」
■⑰『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 北原みのり氏【メディア仕分け人Vol.91/韓国沈没船事故で批判の矛先を逸らされ「美味しんぼ」で批判の口を閉ざされ――】、「・・・・・・メディアも自分の国を批判するの、怖いのかもしれないね。なぜって政府と違う意見を言ったら、つぶされるかもしれない、という例が出来てしまったから・・・「美味しんぼ」批判だ」
■⑱『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 石坂啓さん【初めて老いった!?第88回/血をフリコメ詐欺】、「したいんです、と腹で思っても「戦争は、しません」とシレッと言ってのける。ペテン師か。・・・自作自演の狂言アリ捏造アリ冤罪アリの、「血をフリコメ詐欺」が始まろうとしている・・・・・・」
■⑲『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 石坂啓さん【初めて老いった!?第88回/血をフリコメ詐欺】、「・・・・・・「安全だから信じろ」ではなく、もう母船が何度傾いているかを察知すべきだ。「そこにいちゃ死ぬぞ!! 逃げろ!!」と、あなたは救命具をつけて待つ高校生に向かって、悔しい思いで叫ばなかったか」
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asahi.comの記事【秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6)と、
保坂展人さんの記事【「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案】(http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2、http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html)、
そして、解説記事【(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html)。
最後に、東京新聞の記事【知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html)。
(非)特定秘密隠蔽法が参院でも可決されてしまった。(矢崎泰久さん)「・・それでなくとも「違憲状態」にある国会が、こうしたデタラメな法律を審議する資格など、どこにも見当たらない」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f15ad34b381cf38250f40df47c7ee7ea)にもかかわらず、「ウソをつく人達」である自公議員や翼賛野党議員が「治安維持法」を可決、または、可決をアシストしたわけである。彼/彼女ら議員に投票した人達は、どうも「騙され(続け)ることの責任」を問おうにも、その自覚は全くないようで、いくらその責任を叫んでも空しい・虚しいだけで、次の選挙が来ればまた過ちの繰り返しなのだろう。
保坂展人さんの記事によると、あの小泉純一郎氏でさえが「『平成の治安維持法』をつくった総理」と呼ばれることを嫌ったそうだ。「『平成の治安維持法』をつくった総理」安倍晋三首相や石破茂幹事長らの危険な「思い入れの強さ」で、戦争できる国へまっしぐら・・・。「「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしま」い、さまざまな権利が「民主主義国家」をメルトスルーし、どこに権利が存在するのかわからない状態へ。
それにしても、「第三自民党」公明党の議員の自民党議員化は目を覆うばかりだ。「平和」を願っているらしい「学会さん」らの心情や如何に。
『●閉塞の時代に: 安倍晋三首相の危険な「思い入れの強さ」』
「要するに都合のいい委員会を作り、自分の望む方向へと議論を
誘導してくれる委員を選び、消費税増税にしろ、TPPにしろ、
好き放題やっている訳。戦争を出来る国へと異常な「思い入れの強さ」。
その結果、以下のような世界を希求している」
『●『石原莞爾/その虚飾』読了 (2/2)』
「「手と足をもいだ丸太にしてかへし
万歳とあげて行った手を大陸へおいてきた
/・・・鶴彬は、こうした刺し貫くような反戦川柳をつくって逮捕され、
赤痢にかかって、手錠をかけられたまま、二十九歳で病死した」」
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201312030272.html?ref=com_top6】
秘密保護法案、映画人ら269人反対 吉永小百合さんも
2013年12月3日20時01分
【織井優佳】 高畑勲監督、降旗康男監督、山田洋次監督ら5氏が呼びかけ人となり、「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」が3日発足した。4日間で264人が賛同し、法案の内容や拙速な国会審議を批判する声明を発表した。
賛同したのは大林宣彦監督、宮崎駿監督、是枝裕和監督、井筒和幸監督、俳優の吉永小百合さん、大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さん、ジェームス三木さんら。撮影監督や映画館主、評論家らのほか、映画ファン約60人も加わった。
声明は「心ならずも戦争に対する翼賛を押し付けられた映画界の先達の反省に立ち、日本映画界は戦後の歩みを開始しました」とした上で、「『知る権利』を奪い、『表現の自由』を脅かすことになりかねないこの法案は、とても容認することはできません」と反対を表明している。
呼びかけ人や賛同者の一部のメッセージも公表。高畑監督は「安倍政権を生み出してしまったのが他ならぬ私たち国民自身であることに愕然(がくぜん)とせざるをえません」、降旗監督は「戦前、戦中の日本に戻らないように、ねばり強く抵抗していくほかありません」と記した。原田眞人監督は「公聴会を公然とセレモニー化したやり方にも憤りをおぼえます」と書いた。
■日本映画監督協会なども声明
日本映画監督協会など各分野の著作者でつくる5団体は3日、特定秘密保護法案の廃案を求め、共同で緊急声明を出した。
声明を出したのは同協会と日本児童文学者協会、日本シナリオ作家協会、日本美術家連盟、日本脚本家連盟。声明は「私たち著作者は、かつて国家による言論弾圧により、尊い仲間の生命を失った歴史を決して忘れることはできません」などとして、廃案を求めている。
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【http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368.html?ref=comtop_fbox_d2、
http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201312020368_01.html】
「目配せ」でも成立する共謀罪と特定秘密保護法案
文 保坂展人
2013年12月3日
大きな危惧の声が高まっている特定秘密保護法案が審議されている今、2005年の秋を思い出してみたいと思います。衆議院法務委員会では、「共謀罪」をめぐり与野党で厳しい議論を交わしていました。
8年前、共謀罪を新設する法案は3回も国会に提出されましたが、廃案になりました。当時は、小泉元首相による郵政解散によって与党が圧倒的多数を占めていたにもかかわらず、強行採決は総理官邸からの異例の指示で直前に直前に見送られました。
「小泉元首相発言を『原発ゼロ』の追い風に」(10月8日)でも紹介したように、官邸からもれ聞こえてきたのは「『平成の治安維持法』をつくった総理と言われたくない」というものでした。小泉元首相独特のカンと言ってもよいと思います。
当時、共謀罪はなぜ「平成の治安維持法」と呼ばれたのでしょうか。共謀罪とは「犯罪の概念」を根本から塗り替えるものです。犯罪は、心の中で芽が出る段階から、発育・成長して、次第に確固とした形をとる段階をへて、やがて実行へと至ります。これまでの刑事司法では、少なくとも、未遂か、実際に罪を犯した場合に罪を問われますが、「心の中の犯罪準備の意思」は処罰対象とはなっていませんでした。
共謀罪が特異な点は、犯罪行為に及ばなくても、「2人以上で犯罪計画を示し合わせた時」に犯罪として成立するいう点にあります。「共謀をしたこと」自体が罪に問われるため、8年前の政府は600以上の行為が犯罪に問われる対象として列挙していました。
私は、事件等で耳にする「共謀共同正犯での共謀」と「共謀罪の共謀」は同じ定義か、と国会でたずねたところ、答えはこうでした。
「2人以上の者が、特定の犯罪を行うために、共同意思のもとに一体と
なってお互いに他人の行為を利用し各自の意思を実行に移すための謀議。
共謀罪の共謀として必要とされる合意内容とほぼ同一と考えています」
(2005年10月21日、衆議院法務委員会・刑事局長答弁)
共謀の概念は同一だけど、「謀議」をへて成立する……。それも「特定の犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意」が必要となるので乱用の心配はない、と政府は説明していました。
ところが、暴力団の拳銃所持をめぐる最高裁判所の決定(03年5月1日)に、「黙示的な意思の連携があり、共謀共同正犯に該当する」という判断がありました。暴力団の組長と一緒に移動するボディーガードとの間に特段の「謀議」がなくても、あうんの呼吸で共謀した、と解釈できるというものです。
すると、「謀議」を行なわない共謀も論理的にはありえるということになります。犯罪を実行する意思のあるグループが、その意思を一致させるには必ずしも言語による「謀議」を挟まなくてもいいということなら、サインは「目配せ」でも共謀が成立することにならないでしょうか。
そこで、私はあらためて、リーダーが「いよいよ時が来た」という顔で目配せしたら共謀が成立する場合もありえるのではないかと問いかけました。
「ケースによって合意ができる仲間たちであれば、目配せでも相手に
意思が伝えられるかなと思います」(05年10月25日、南野法相答弁)
南野法相が微笑みながら口にした「目配せ答弁」は衝撃的で、テレビで何度も報道されるなど、多くの議論を呼びました。その後、何度か法案修正の動きがありましたが、共謀罪は廃案になりました。
じつは、その共謀罪が特定秘密保護法案の中に盛り込まれています。しかも、大きな議論にはなっていません。元検事の落合洋司弁護士は次のように指摘しています。
「特定秘密保護法は、懲役10年または1千万円以下の罰金を科しており、
非常に刑罰が重い。特定秘密を漏らした公務員だけでなく、共謀や
教唆(きょうさ)、扇動をした者も含めたことで、処罰対象を市民側にも
広げている。
市民運動をしている人や取材者が原発や在日米軍、外交などに
関する情報を知ろうと、機密を扱う公務員に近づくことで、犯罪としての
疑いがかかる可能性がある。起訴されなかったとしても、
家宅捜索されたり、事情を聴かれたりすれば、人々の生活に支障が
生じかねない」(13年11月28日付東京新聞「私の疑問」)
重大な問題を多く抱えた秘密保護法案をめぐる議論に、共謀罪の危険性への言及が不足しているように思います。重い刑罰を課す法案にはしっかりした審議、あらゆる視点からの検証が不可欠のはずです。
身近かな自治体での仕事について書く予定をさしかえて、今回は少々固い原稿となりました。息苦しい社会にしないために、活発な議論が必要です。
参考:「共謀罪とは何か」(岩波ブックレット)
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【http://www.asahi.com/articles/TKY201312030244.html】
(新ポリティカにっぽん)秘密保護法案、いまこそ再考を
2013年12月3日18時35分
民主党などの野党議員が額賀福志郎委員長(右端)に詰め寄るなか、
賛成多数で特定秘密保護法案を可決した衆院国家安全保障特別委員会。
左奥は森雅子・特定秘密保護法案担当相
=11月26日午前、国会内、越田省吾撮影
世の中もこの法案の危うさにじっとしていられないということだろうか、街に「反対」の声が響く。国会会期末は6日、圧倒的多数の与党と「すりより野党」によって成立してしまうのかどうか、特定秘密保護法案の参院審議が大詰めである。
■「平和」掲げる公明党が、なぜ?
それにしても、いったい公明党は何を考えているのだろうか。「平和」の党であることを誇りにしていたのに、「戦争」がちらつく法案にかくも血道をあげるなんて。
11月26日、この法案が自民、公明の与党とみんなの党の賛成で衆院を強行通過したその夜、明治大学で行われたジャーナリストのリレートークに参加した私は公明党への疑問を呈した。それが伝わったのか元参院議員の平野貞夫氏から電話がきた。
「1985年、中曽根内閣のときのスパイ防止法案に一番強く反対して
廃案に追い込んだのは公明党でしたよ。こんどの秘密保護法案は、
そのスパイ防止法よりも戦前の治安維持法よりもタチが悪い」
・・・・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013120690100153.html】
知る権利もメルトダウン 落合恵子さん憤り胸に反対運動
2013年12月6日 10時01分
激しい怒りを胸に、反対運動に奔走してきた。東京都港区で絵本店を営む作家の落合恵子さん(68)は「私たちの『知る権利』がメルトダウンしてしまう」と原発事故の炉心溶融になぞらえる。参院特別委員会で可決された特定秘密保護法案。穏やかな生活を奪いかねないことへの懸念と、民意を無視して成立に向け強行した政権への憤りが湧き出している。
東京電力福島第一原発事故以降、反原発を訴えてきた。「3・11で情報公開の大切さを嫌というほど味わっているにもかかわらず、世界の潮流を無視して逆行していくのが理解できない」と首をかしげる。
事故直後、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の情報は公表されなかった。「さらに隠蔽(いんぺい)体質が推進されていく。市民の命と安全に生きる権利に反する」。反対集会や記者会見のほか、国会を囲む「人間の鎖」にも駆け付けてマイクを握り、法案に異を唱えた。
法案では公務員だけでなく市民も処罰の対象になる。「見せしめにも、恐喝にも使える。どこまで拡大解釈されるかは、さじ加減ひとつ」。専門家を呼んで原発に関する勉強会を開いているが、その参加者も処罰の対象になる可能性があるのでは、と危惧している。
ごく当たり前の家庭で朝「行ってらっしゃい」と見送ったその夜、愛する人が理由も分からず帰ってこないという状況が起きるかもしれない。
「政府にとって都合の悪いことをしようとしたり、考えたり、話し合ったり。
それだけで網に掛けることは可能。私たちの精神生活や思想の
自由にも介入できる」
採決強行、市民団体のデモを「テロ」と同一視した石破茂自民党幹事長の発言…。反対の声を押し切る姿勢こそがテロ行為だと考えている。「みんなが(法案の危うさに)気付いてきた。これ以上声が大きくなるのが嫌なんでしょう。十分な議論をはしょって決めてしまおうという、そのやり方自体が民主主義に反する」
終戦の年に生まれた。中学生のころ、祖母に「なぜ戦争に反対しなかったの」と尋ねたことがある。答えは「みんなの目があった」「言った人間は捕まった」。その言葉が今の時代と重なる。
「あの問いかけをした世代として、自分なりの『落とし前』を付けたい」。次世代の子どもたちのために、原発事故を体験してしまった国の人間として、いまの大人の一人として。これからも諦めず、抗議の声を上げていくつもりだ。
(東京新聞)
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