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●死者に鞭打つ…風見鶏氏・中曽根康弘元首相《日本の戦後民主主義政治を歪めた張本人》が《ダンマリを貫いた》問題とは?

2019年12月02日 00時00分33秒 | Weblog


リテラの記事【中曽根康弘死去であらためて振り返る従軍慰安婦 中曽根の「慰安所つくった」証言と「土人女を集め慰安所開設」防衛省文書】(https://lite-ra.com/2019/11/post-5119.html)。

 《メディアでは、国鉄民営化や日米安保体制強化などを功績として振り返っているが、負の側面も非常に大きい政治家ある。たとえば、現在の日本社会にもつながる右傾化歴史修正主義の台頭や新自由主義路線の端緒となり、日本の戦後民主主義政治を歪めた張本人だ。こうした功罪の罪の部分も検証されるべきだが、なかでも本人が一度は告白しながら途中からダンマリを貫いたこの問題はきっちり検証するべきだろう。そう、日本軍の従軍慰安婦問題だ》

 死者に鞭打つ…風見鶏氏中曽根康弘元首相《日本の戦後民主主義政治を歪めた張本人》が《ダンマリを貫いた》問題とは? 中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか?

   『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、
            何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩

 功罪の「罪」しか思いつかない…。ダーティーなタカ派の走り、核発電推進、ロン・ヤス不沈空母国鉄分割民営化、…そして、《ダンマリを貫いた》問題

   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?
    「さんざんっぱら原子力を推進してきたMr.風見鶏・中曽根
     (中曾根)氏が、久しぶりに本領発揮。しっかし、酷いね。
     甘い汁を吸いつつ、おそらく核兵器への転用までを視野に
     入れていたダーティーなタカ派のくせに。あたかも小泉純一郎氏や
     竹中平蔵センセが郵政民営化反対を叫ぶほどの変節・風見鶏ぶりで、
     御笑いだ。FUKUSIMAの一因は正力氏やMr.風見鶏氏にある
     というのは言い過ぎであろうか。」

   『●国労組合員恣意的不採用問題、一歩前進
    「中曾根(中曽根)内閣時代の国鉄分割・民営化の際、国労組合員に
     対して行われたとんでもない横暴・差別。…20年以上経過し、
     漸く一歩前進でしょうか。どこまで実行性があるのかは疑問ですが…。
     「鎌田慧著『国鉄処分 ~JRの内幕~』(講談社文庫)」…城山三郎
     『粗にして野だが卑ではない――石田禮助の生涯』」

 東京新聞の記事【中曽根康弘元首相死去 101歳 改憲提唱、国鉄民営化】 (https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019112990140315.html)によると、《「戦後政治の総決算」を掲げて国鉄(現JR各社)の分割・民営化を実現した元首相…旧東京帝大卒。内務官僚、海軍主計科士官を経て一九四七年、戦後第二回の衆院選で初当選…岸信介改造内閣で科学技術庁長官として初入閣》。

 以下は、〝つぶやき〟続けていること。

■城山三郎著『「粗にして野だが卑ではない」―石田禮助の生涯』。「権威をかざすのも、ひとつの「卑」。その卑に屈し…」「国鉄総裁になり、はじめて国会へ呼ばれたとき、石田は代議士たちを前に自己紹介した。「粗にして野だが卑ではないつもり」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3ebce1f9900666e39b288d789d8504f4
■城山三郎著『「粗にして野だが卑ではない」石田禮助の生涯』「勲一等だからといって、マンキーをやめるわけには行かない。それでは「マンキー」を汚してしまう。粗にして野だが卑ではない―この会心のライフ・スタイルを石田は死後といえども…」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3ebce1f9900666e39b288d789d8504f4

■委員長の父君・中曽根康弘氏には聴き取りしたのだろうか??「産経のドン」故・鹿内信隆氏の著作については?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd17f09a886a3b53315797304b4c033e)『自民特命委…慰安婦問題で提言最終案を策定』(産経系)/「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」委員長・中曽根弘文」
■アベ様や醜悪なその取巻き、「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」委員長・中曽根弘文氏は、父親の風見鶏・青年将校ナチソネ元首相に聞いてみればいいし、国会で証言させればよい(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd17f09a886a3b53315797304b4c033e
■《「産経のドン」故・鹿内信隆…フィリピン人女学生を、日本軍の高級将校たちが「山分け」して…した、と鹿内はさも痛快そうに語っていた。…中曽根康弘元首相が「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録》。なぜ産経系宣伝機関は沈黙?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd17f09a886a3b53315797304b4c033e
■鹿内信隆氏や中曽根康弘氏の「自慢」話…《フィリピン人女学生を、日本軍の高級将校たちが「山分け」》《「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録》。で、いまや、『産経』や『新潮』、『文春』は「戦時性奴隷」の存在そのものを全否定(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd17f09a886a3b53315797304b4c033e
■中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩。《歴史学的にも議論の余地はない》ことを消し去り、一方、歴史修正主義を許さない市民に対して《反日の○○》という刷り込みに躍起。醜悪で、見苦しい(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cb11bb312e88817aba0cbc72ceeb0fcc
■「中曽根元首相の証言でも明らかになったように、軍は現地で娼婦でない女性たちも徴収している」…こういったことにこそ「申し訳ないと思」うべきでは?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/fd17f09a886a3b53315797304b4c033e) 『中曽根康弘元首相/(「新しい憲法を制定する推進大会」にて)長い間(憲法)改正できず誠に日本の歴史に申し訳ないと思っている』(サンデーモーニング、2015年5月3日)

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https://lite-ra.com/2019/11/post-5119.html

中曽根康弘死去であらためて振り返る従軍慰安婦 中曽根の「慰安所つくった」証言と「土人女を集め慰安所開設」防衛省文書
2019.11.29 06:57

     (左・中曽根元首相の“手記”が収録されている
      『終りなき海軍』(文化放送開発センター)
      /右・中曽根元首相が慰安所を設置させたことを示す資料)

 中曽根康弘元首相が、101歳で死去した。メディアでは、国鉄民営化や日米安保体制強化などを功績として振り返っているが、負の側面も非常に大きい政治家ある。

 たとえば、現在の日本社会にもつながる右傾化歴史修正主義の台頭や新自由主義路線の端緒となり、日本の戦後民主主義政治を歪めた張本人だ。こうした功罪の罪の部分も検証されるべきだが、なかでも本人が一度は告白しながら途中からダンマリを貫いたこの問題はきっちり検証するべきだろう。

 そう、日本軍の従軍慰安婦問題

 中曽根元首相が戦時中、海軍主計士官(将校)の地位にあったことは有名だが、その当時、自ら慰安所の設置に積極的に関わり、慰安婦の調達までしていたことを、戦後に自分の“手記”の中で自ら書いているのだ。

 しかも、これは中曽根元首相の思い違いでも妄想でもない。防衛省にも中曽根元首相の“慰安所づくり”証言を裏付ける戦時資料が存在している。

 本サイトでは、2014年夏、朝日新聞の慰安婦記事バッシングが盛り上がり勢いづいた右派の、慰安婦の存在や日本軍の関与までなかったことにしようという歴史修正主義の動きに抵抗するため、この中曽根“慰安所づくり”証言とそれを裏付ける戦時資料について詳しく報じた。(ちなみに、フジ産経グループの総帥だった鹿内信隆にも中曽根元首相と同様に、慰安所づくりへの関与発言があり、やはり本サイトが記事にしている(https://lite-ra.com/2014/09/post-440.html)。

 中曽根元首相の証言は、従軍慰安婦に日本軍が組織的に関与していたことを物語る重大な証言だったが、手記出版から30年ほど経ってからこの記述がクローズアップされると、中曽根元首相は一転否定、その後ダンマリを通してきた

 中曽根元首相には、従軍慰安婦問題とりわけ日本軍の関与について、自らの口で明らかにする歴史的責任があったはずだが、それはかなわなくなってしまった。

 中曽根“慰安所づくり”証言とそれを裏付ける戦時資料から、従軍慰安婦の存在と日本軍関与が事実であることを報じた記事を再録する。「慰安婦は存在しなかった」というデマが大手を振って罷り通るいま、あらためてご一読いただきたい。

(編集部)

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●中曽根元首相が「土人女を集め慰安所開設」! 防衛省に戦時記録が

 朝日新聞の慰安婦訂正記事で右派陣営が勢いづいている。「朝日は責任をとれ!」と気勢をあげているのはもちろん、自民党の政務調査会議は河野談話も朝日報道が前提だとして「河野談話を撤回し、新たな官房長官談話を!」とぶちあげた。また、同党の議連では朝日新聞関係者、さらに当時の河野洋平元官房長を国会に招致して聴取すべき、という意見までとび出している。

 だが、朝日や河野洋平氏を聴取するなら、もっと先に国会に呼ぶべき人物がいる。それは第71代日本国内閣総理大臣の中曽根康弘だ。

 大勲位まで受章した元首相をなぜ従軍慰安婦問題で審訊しなければならないのか。それは先の大戦で海軍主計士官(将校)の地位にあった中曽根元首相が、自ら慰安所の設置に積極的に関わり、慰安婦の調達までしていたからだ。


■中曽根が手記で「原住民の女を襲う」部下のために「苦心して、慰安所をつくってやった」と自慢

 何かというと左翼のでっちあげとわめきたてて自分たちを正当化しようとする保守派やネトウヨのみなさんには申し訳ないが、これは捏造でも推測でもない。中曽根元首相は自分の“手記”の中で自らこの事実を書いており、しかも、防衛省にそれを裏付ける戦時資料が存在していたのだ。そこには、部隊の隊員によるこんな文言が書かれていた。

主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設

 まず、“手記”の話からいこう。中曽根が慰安所設立の事実を書いたのは『終りなき海軍』(松浦敬紀・編/文化放送開発センター/1978)。同書は戦中海軍に所属し、戦後各界で活躍した成功者たちが思い出話を語った本だが、その中で、海軍主計士官だった中曽根も文章を寄稿していた。

 タイトルは「二十三歳で三千人の総指揮官」。当時、インドネシアの設営部隊の主計長だった中曽根が、荒ぶる部下たちを引き連れながら、いかに人心掌握し戦場を乗り切ったかという自慢話だが、その中にこんな一文があったのだ。

「三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して、慰安所をつくってやったこともある。かれらは、ちょうど、たらいのなかにひしめくイモであった。卑屈なところもあるし、ずるい面もあった。そして、私自身、そのイモの一つとして、ゴシゴシともまれてきたのである」

 おそらく当時、中曽根は後に慰安婦が問題になるなんてまったく想像していなかったのだろう。その重大性に気づかず、自慢話として得々と「原住民の女を襲う」部下のために「苦心して、慰安所をつくってやった」と書いていたのだ。

 ところが、それから30年たって、この記述が問題になる。2007年3月23日、中曽根が日本外国特派員協会で会見をした際、アメリカの新聞社の特派員からこの記載を追及されたのだ。


■防衛省に、中曽根「慰安所づくり」証言を裏付ける客観的証拠が!

 このとき、中曽根元首相は「旧海軍時代に慰安所をつくった記憶はない」「事実と違う。海軍の工員の休憩と娯楽の施設をつくってほしいということだったので作ってやった」「具体的なことは知らない」と完全否定している。

 だが、これは明らかに嘘、ごまかしである。そもそもたんなる休憩や娯楽のための施設なら、「苦心」する必要があるとは思えないし、中曽根元首相の弁明通りなら、『終りなき海軍』の“手記”のほうがデタラメということになってしまう。だが、同書の編者である松浦敬紀はその10年ほど前、「フライデー」の取材に「中曽根さん本人が原稿を2本かいてきて、どちらかを採用してくれと送ってきた」「本にする段階で本人もゲラのチェックをしている」と明言しているのだ。

 いや、そんなことよりなにより、中曽根元首相の慰安所開設には、冒頭に書いたように、客観的な証拠が存在する。 

 国家機関である防衛省のシンクタンク・防衛研究所の戦史研究センター。戦史資料の編纂・管理や、調査研究を行っている研究機関だが、そこにその証拠資料があった。

 資料名は「海軍航空基地第2設営班資料」(以下、「2設営班資料」)。第2設営班とは、中曽根が当時、主計長を務めていた海軍設営班矢部班のことで、飛行場設営を目的にダバオ(フィリピン)、タラカン(インドネシア)を経てバリクパパン(インドネシア)に転戦した部隊だが、この資料は同部隊の工営長だった宮地米三氏がそれを記録し、寄贈。同センターが歴史的価値のある資料として保存していたものだ。

 本サイトは今回、同センターでその「第2設営班資料」を閲覧し、コピーを入手した。

 宮地氏の自筆で書かれたと思われるその資料にはまず、「第二設営班 矢部部隊」という表題の後、「一 編制」という項目があり、幹部の名前が列挙されていた。すると、そこには「主計長 海軍主計中尉 中曽根康弘」という記載。そして、資料を読み進めていくと、「5、設営後の状況」という項目にこんな記録が載っていたのだ。

「バリクパパンでは◯(判読不可)場の整備一応完了して、攻撃機による蘭印作戦が始まると工員連中ゆるみが出た風で又日本出港の際約二ヶ月の旨申し渡しありし為皈(ママ)心矢の如く気荒くなり日本人同志けんか等起る様になる
 主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設気持の緩和に非常に効果ありたり」

 さらに「第2設営班資料」のなかには、慰安所設置を指し示す証拠となる、宮地氏の残したものと思われる手書きの地図も存在していた。


■インドネシアで民家だった場所を、日本軍が接収し慰安所に作り変え!

 それはバリクパパン「上陸時」の様子(昭和17年1月24日)と、設営「完了時」の様子(17年1月24日〜同年3月24日)を表す2点の地図資料だ。バリクパパン市街から約20km地点のこの地図から、中曽根たちが設営したと思われるマンガル飛行場滑走路のそばを流れるマンガル河を中心に民家が点在し、またマンガル河から離れた場所に民家が一軒だけポツリと孤立していることがわかる。

 そして2つの地図を見比べてみると、“ある変化”があることに気づく。「上陸時」から「完了時」の地図の変化のひとつとして、その孤立した民家の周辺に、設営班が便所をおいたことが記されている。さらにその場所には「上陸時」にはなかった「設営班慰安所」との記載が書き加えられている。

 つまり、上陸時に民家だった場所を日本軍が接収し、「設営班慰安所」に変えてしまったと思われるのだ。

 もはや言い逃れのしようはないだろう。「主計長 海軍主計中尉 中曽根康弘」「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設」という記載。それを裏付ける地図。中曽根元首相が自分で手記に書いたこととぴったり符号するではないか。

 しかも、「土人女を集め」という表現を読む限り、中曽根主計長が命じて、現地で女性を調達したとしか考えられないのである。

 実際、インドネシアでは多くの女性が慰安婦として働かされており、彼女たちは日本軍に命じられた村の役人の方針で、どんなことをさせられるのかもしらないまま日本兵の引率のもと連れ去られたことを証言している。そして、年端も行かない女性達がいきなり慰安所で複数の日本兵に犯されたという悲惨な体験が語られ、その中にはこのパリクパパンの慰安所に連れてこられたという女性もいる。

 つまり、中曽根首相がこうした強制連行に関与していた可能性も十分あるのだ。

 朝日新聞の訂正で勢いづいた保守・右派勢力は銃剣を突きつけて連行したという吉田証言が虚偽だったという一事をもって、強制連行そのものを否定しようとしている。さらには従軍慰安婦への軍の関与そのものを否定するかのような虚偽を平気でふりまいている

 しかし、もし、強制連行はない、軍の関与もないいいはるならここはやはり、「土人女を集め」たという元主計長・中曽根康弘を国会に喚問して、どう「集め」たのか、「苦心」とはなんだったのか証言させるべきではないのか。一メディアの誤報をあげつらうより、そのほうがはるかに「歴史の検証」になると思うのだが、いかがだろう。

エンジョウトオル
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●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩

2019年08月29日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/政治家に封殺された表現の自由】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908060000073.html)。
リテラの記事【八代弁護士が「慰安婦問題は史実に基づかない」とネトウヨ並みのデマ! 中曽根の証言など日本軍慰安所設置の証拠は山程あるのに】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4885.html)。

 《★政治家が先導して表現の自由を封殺する時代が戦後70年もたって起こるとは思わなかった。…表現の自由が政治によって追い込まれるのは少女像だけではない。すべての表現、ゲーム、アニメ、マンガの世界でも時の権力がけしからんと言えばまかり通る前例になりかねない。今回のことで留飲を下げている人たちもところ変われば検閲の対象になる》。
 《立川志らく…「…日本人にとっては多くの人が反日の像だと思ってるわけでしょ?…」…とくに聞き逃せないのは、八代弁護士が発した「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」とのセリフだろう》。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った
     井戸の水を濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
    《憲法が保障する表現の自由に不寛容な現在の日本の空気を映し出すことに
    《▼名古屋市の河村たかし市長には不快だったようだ。作品の評価は人それぞれ、
     自由である。しかし、芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」会場から撤去を要求する
     のは鑑賞や議論の機会を根こそぎ奪う行為で、間違いだった…そして
     表現の自由は、圧迫にあらがう者がいる限り死なない何度でも声を上げよう
     生きるために。(阿部岳)》

 21世紀のこの現代に、《検閲国家》とは呆れる。お隣のアジアの国々を嗤えない。ヨーロッパの国々から見れば、ニッポンは一体どんな国なのか、といったところかな。

 リテラの記事【大村知事が「公権力こそ表現の自由を尊重」の真っ当主張に、杉田水脈や維新の松井・吉村が醜悪な“圧力正当化”】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4887.html)によると、《開幕からわずか3日で中止に追い込まれてしまった問題。ところが、ネットやテレビのワイドショーでは、テロ予告をした人間や圧力をかけ攻撃を煽った政治家を非難するのでなく、“慰安婦像”を展示した「あいちトリエンナーレ」や芸術監督の津田大介氏への非難が渦巻くという異常な事態》。
 《平和なアジアという井戸…の水を濁らせている》人々がデッカイ顔をしているって、どんな国?

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:  
           相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆。産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ》

   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
      「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々
   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩: 
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
    《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する
     「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や
     当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や
     不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みる
     というものだった》

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるでのようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」
    「リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を
     納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と
     国税局に抗議】…証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿
     国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、
     社会に毅然と示した
    《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、
     敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。
     証拠隠滅のためだ》
    《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている
     政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の
     知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、
     人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による
     公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、
     のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ

   『●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、
       子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」

 《平和なアジアという井戸…の水を濁らせている》人々は、中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか、を調べてみては如何か? 《歴史修正主義丸出しのデマを口》にする愚かさ、《歴史的な事実》《客観的事実》《歴史学的にも議論の余地はない》こと、《歴史事実として裏付けされたもの》《軍主導であった事実》を消し去り、一方、歴史修正主義を許さない市民に対して《反日の○○》という刷り込みに躍起。醜悪で、見苦しい。
 《ワイドショーをはじめとするマスコミには、自分たちが取り返しのつかない状況を作り出しているという自覚はないのだろうか》…アベ様の政で〝唯一上手く行っている〟メディアコントロールの極致か? 《政府が先月実施した「ホワイト国除外」に関するパブリックコメントには、寄せられた4万666件の意見のうち、「除外」に賛成が実に約95%で、反対はわずか約1%…。…FNNと産経新聞…世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった》…壊れた国ニッポン。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908060000073.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月6日8時7分
政治家に封殺された表現の自由

政治家が先導して表現の自由を封殺する時代が戦後70年もたって起こるとは思わなかったあいちトリエンナーレ表現の不自由展-その後」だ。展示にテロ予告や脅迫が相次いだという。県警はその捜査は行っているのか。その展示を行政が受け止め中止にしたという。だが、表現の不自由展実行委員会は一方的な中止の判断に対して抗議する声明を出した。表現の不自由展は過去に発表し、中止に追い込まれた作品を集めて表現の自由を改めて感じたり、かみしめる意味があったろう。

★ことの発端は名古屋市長・河村たかしがそりの合わない愛知県知事・大村秀章にケチをつけたい程度から始まったのか。日本維新の会代表で大阪市長・松井一郎が少女像の展示について「どうなってんだ」と電話があったという。松井は記者団に「日本で公金を投入しながらわれわれの先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物が展示されるのは違うのではないか」とほえたが、松井の想像力豊かな感情論も表現の自由に含まれていることを理解しないといけない。

政治や行政が表現の自由に介入することの恐ろしさを松井や河村は「こちらの言うことが正しい」とか「正義」だと思っているようだが、それが検閲国家につながり、自分は検閲する側にいるという勘違いが一番恐ろしい。官房長官・菅義偉も「事実関係を精査し補助金を交付するかどうか慎重に検討する」と発言。こちらも今後の芸術家や展示を考える主催者を萎縮させるにたるガイドラインを示したといえる。表現の自由が政治によって追い込まれるのは少女像だけではない。すべての表現、ゲーム、アニメ、マンガの世界でも時の権力がけしからんと言えばまかり通る前例になりかねない。今回のことで留飲を下げている人たちも、ところ変われば検閲の対象になる。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2019/08/post-4885.html

八代弁護士が「慰安婦問題は史実に基づかない」とネトウヨ並みのデマ! 中曽根の証言など日本軍慰安所設置の証拠は山程あるのに
2019.08.06 06:57

     (ネトウヨなみのデマ!  (『ひるおび!』より))

 安倍政権による韓国への輸出規制と「ホワイト国」除外、あいちトリエンナーレでの「平和の少女像」などの展示中止……。国交正常化以来最悪と言われる日韓関係のなか、日本中がグロテスクな嫌韓ムード歴史修正主義に染まっている。

 それは安倍政権周りの政治家やネット、右派メディアだけではない。地上波のワイドショーでもネトウヨとなんら変わらないヘイトや歴史修正主義が堂々と語られるようになった

 5日放送の『ひるおび!』(TBS)でも、慰安婦問題など含む作品を展示した「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた件をとりあげるなか、八代英輝弁護士がこんな発言をしていた。

「当然、この社会的風潮のなか、この慰安婦像。この慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものであること。あるいはこの慰安婦像に対して嫌悪感、反感をもつ方っていうのは多くいるってことは、当然認識した上での展示ですから。ある程度の反感というのは想定されたんでしょうけど、それが、私は『想定を超えてしまった』って認識は甘いんでないかというふうに思うんですよね」

 八代弁護士は「表現自体をさせないという風潮は危険だなと思う」などとエクスキューズをいれつつも、「私自身はこれ(少女像)を置いて、こんなものあってはならないと議論するということはアリだと思いますけどね」と続けるなど、嫌韓煽りを剥き出しにしていた。

 さらには、落語家の立川志らくも、いつもの物知り顔でこうコメントした。

「結局、こういうことをやると、日本人の多くは不愉快に思って許さないという結果が出た。これを『平和の少女像』って言う人がいることが、私は不思議でしょうがない。平和の少女像って言うなら、日本人の誰もが見て、これは平和だなって思えるならいいんだけれども。そりゃ韓国の人はそうかもしれないけど、日本人にとっては多くの人が反日の像だと思ってるわけでしょ? 本来、芸術ならば、これを反日像だと思っている人が見ても、思わず感動して涙を流す、そういうものを私は展示してほしい」

 本サイトでも解説した(https://lite-ra.com/2019/08/post-4880.html)ように、「平和の少女像」が「反日」だというのは完全にネトウヨの論理であり、歪曲した解釈だ。それを「みんなが思ってるんだから反日に決まってる」と言い張り、表現の自由を踏みにじる卑劣なテロ予告者ではなく、議論を換気しようとした展示や作品のほうを問題視する。その倒錯ぶりと付和雷同には、呆れ果てるしかない

 とくに聞き逃せないのは、八代弁護士が発した「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」とのセリフだろう。八代弁護士は、つい先日も朝日新聞を韓国の中央日報、ハンギョレ新聞と並べて反日三羽ガラスと揶揄するなど、テレビの全国放送ネトウヨぶりを全開していたが、今度は慰安婦それ自体がなかったかのような発言をしたのだ。

 はっきり言っておくが、慰安婦の存在は捏造でもなんでもなく。歴史的な事実だ。弁護士の資格を持つ人間が、地上波の昼間の番組で、保守派の学者でさえ言わないような歴史修正主義丸出しのデマを口にしていいのか。

 いや、八代弁護士だけではない。「平和の少女像」展示に圧力をかけ、「表現の不自由展」への攻撃を煽った河村たかし名古屋市長も、今日の会見で「やっぱり慰安婦ってあったのかと、そういうふうに見られる」などと発言していた。つまり、河村市長も慰安婦は存在しないと信じ込んでいるのだ。


■中曽根康弘元首相が海軍主計長時代に「土人女を集め慰安所を開設」の記録

 こうした連中の妄言の根拠は、2014年、朝日新聞が慰安婦関連記事の虚偽を認め、訂正・謝罪したことだ。朝日が訂正したのは、とっくのとうに虚偽であることが分かっていた吉田清治証言に関するものだけだったが、当時、ネトウヨや極右メディアがこの謝罪を意図的に拡大解釈し、あたかも戦中に「慰安婦」自体の存在がなかったのようなデマを喧伝しまくった。意図的かどうかは知らないが、八代弁護士や河村市長らはこのネトウヨ歴史修正の詐術に丸乗っかりしているということだろう。

 だとしたら、本サイトとしては何度でも、その欺瞞と詐術を明らかにしておく必要がある。戦中の日本軍が各地に慰安所をつくり、現地の女性たちや朝鮮半島の女性たちを慰安婦にして、兵士の性暴力の相手にさせられたのは客観的事実だからだ。

 日本軍が侵略したアジアの各地に慰安所をつくったことは残された軍の記録や通達からも明らかであり、歴史学的にも議論の余地はない。軍が斡旋業者を使って騙して女性を連れ出した証拠や、現地の支配者や村長に命じて女性を差し出させた証拠もいくらでもある。そして、慰安所で現地の女性や朝鮮半島から連行した女性を軍が性的搾取したことは、多くの被害女性だけでなく、当時の現地関係者や元日本兵、元将校なども証言していることだ。

 たとえば、海軍出身の中曽根康弘元首相は、回想記『終りなき海軍』のなかで、当時、設営部隊の主計長として赴任したインドネシアで〈原住民の女を襲う〉部下のために〈苦心して、慰安所をつくってやった〉ことを自慢話として書いている。この中曽根証言は、防衛省のシンクタンク・防衛研究所の戦史研究センターが所蔵している当時の文書「海軍航空基地第2設営班資料」において、〈気荒くなり日本人同志けんか等起る〉ようになったところで〈主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持の緩和に非常に効果ありたり〉と記されているように、歴史事実として裏付けされたものだ。


■産経の総帥も自著で軍時代の慰安所設立を自慢「女の耐久度とか消耗度も決めていた」

 また、陸軍出身の鹿内信隆・元産経新聞社長は、桜田武・元日経連会長との対談集『いま明かす戦後秘史』(サンケイ出版)のなかで、慰安所と慰安婦が軍主導であった事実をあけすけに語っていた。

「(前略)軍隊でなけりゃありえないことだろうけど、戦地に行きますとピー屋(引用者註:慰安所のこと)が……」
「調弁する女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとか、それからムシロをくぐってから出て来るまでの“持ち時間”が将校は何分、下士官は何分、兵は何分……といったことまで決めなければならない(笑)。料金にも等級をつける。こんなことを規定しているのが『ピー屋設置要綱』というんで、これも経理学校で教わった」

 実際、靖国偕行文庫所蔵の『初級作戦給養百題』(1941年)という陸軍主計団記事発行部が発行した、いわば経理将校のための教科書の記述にも〈慰安所ノ設置〉が業務のひとつとされており、この鹿内証言も軍の資料と完全に一致する。

 朝鮮半島の女性たちを慰安婦にした証拠も枚挙にいとまがない。

 日本はアジア・太平洋戦争で東南アジア各国を侵略、傀儡政権を樹立したり、軍の統治下に置くなどの支配を進めていったが、たとえばシンガポールでは現地の華僑を粛清した後に、日本軍の宣伝班の下で刊行された新聞に“慰安婦募集の広告”が出ている。そうした慰安所に大勢の朝鮮人女性も動員されたことは「16歳の時にシンガポールの慰安所に連れて行かれた」という朝鮮人元慰安婦の証言だけでなく、近年発見されたビルマ(現・ミャンマー)とシンガポールの慰安所で帳場の仕事をしていた朝鮮人男性の日記からも明らかになっている。また、独立自動車第四二大隊にいた元日本軍兵士も「トタン塀」と呼んでいた慰安所には「娼妓は朝鮮人が多かったが、マライ人もいた」と証言している。


■米朝会談の舞台となったセントーサ島では朝鮮人女性が騙されて慰安婦に

 昨年、米朝会談の舞台となったシンガポール南端のセントーサ島(旧称・ブラカンマティ島)でもまた、朝鮮人女性たちが慰安婦として働かされていた。しかも、彼女たちは別の仕事だと騙されて連れてこられたのだ。

 当時、東南アジアで通訳として従軍していた永瀬隆氏が証言している。永瀬氏は、日本が戦中につくらせたタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道で陸軍の通訳をしていたことで知られる日本人男性だ。日本軍による泰緬鉄道建設にあたっては、数万人のアジア人労働者や連合国軍の捕虜が非人道的な扱いを受け犠牲となっている。永瀬氏は戦後、反戦平和の立場から個人でその慰霊と償いの社会活動を続け、2011年に亡くなった。

 その永瀬氏が生前、月刊誌「MOKU」(黙出版)1998年12月号での高嶋伸欣琉球大学教授(現・名誉教授)との対談のなかで、セントーサ島での体験を語っていた。シンガポールでも数か月の間、陸軍の通訳として勤務しており、その時、慰安所の女性たちや軍の部隊長と話をしたことをこのように振り返っている。

「(セントーサ島には1942年の)十二月中旬までいました。十一月になって隊長が僕を呼んで、『実は朝鮮の慰安婦がこの部隊に配属になってくるんだが、彼女たちは日本語がたどたどしいから、日本語教育をしてくれ』というんです。僕は『嫌なことをいうな。通訳はそこまでしなきゃいけんのか』と思ったけど、その隊長はもう島の王様気取りでおるんです。仕方がないから、慰安婦の人たちに日本語を三、四回教えました」

 永瀬氏は「そのうちに、僕は兵隊じゃないから、慰安婦の人も話がしやすいんだな」と思ったという。そして、朝鮮人女性たちに慰安所にきた理由を聞くと、騙されて連れて来られたというのだ。

「それで僕も『あんたたちはどうしてここへ来たんだ』と聞いたら、『実は私たちは、昭南島(シンガポール)の陸軍の食堂でウエイトレスとして働く約束で、支度金を百円もらって軍用船でここへ来たんだけど、着いた途端に、お前たちは慰安婦だといわれた』というんです」
「それを聞いて、ひどいことをするなと思った。いま考えてみても、強制的に連行して慰安婦にするよりも、そうやって騙して連れてきて慰安婦にするほうが、僕は罪は深いと思います。
 とにかく、それから島の中に慰安所ができたんですが、隊長が慰安所の兵隊にくだしおかれる前に、慰安婦を毎晩代わりばんこに次から次へ味見しているという話を聞きました」


■「慰安婦は存在しなかった」の嘘が堂々とまかり通る恐ろしさ

 つまり、日本軍は、彼女たち朝鮮人女性に性的労働をさせることを告げず、まして嘘の説明で騙して慰安所に連れて行ったケースが明らかに存在した。そして、前述した中曽根元首相らの証言や当時の軍資料のように、日本軍が従軍慰安婦に積極的に関与していたことも歴史的な事実なのである。

 八代弁護士が言うような「慰安婦問題は史実に基づかない」というのが、いかにフェイクであるかが分かるだろう。歴史修正主義者たちは、こうして慰安婦問題を矮小化しているのだ。

 恐ろしいのは、こうした歴史的な事実を否認する発言が、当たり前のようにワイドショーで飛び出し、他のマスコミが検証を放棄した結果、少なからぬ視聴者が何ら疑念をもたないでいることだ。実際、八代弁護士の発言の嘘を検証したり、批判的に取り上げるマスコミは、いまのところ皆無。それどころか、Twitterでは「よくぞ言ってくれた!」というような賞賛まで受けている。

 繰り返すが、安倍政権が煽動する“嫌韓”を、応援団やマスコミが増幅し、それがごく当たり前のように社会に蔓延しているのが、いまの日本社会だ。その結果起きたのが、平和の少女像などの展示に対する異常なバッシングであり、放火テロまでほのめかす脅迫だった。歴史的事実や、それに向き合うための表現まで「反日」と糾弾され、封殺されてしまう状況は、もはや“嫌韓ファシズム”と呼ぶべきかもしれない。

 しかも、こうしたメディアの扇動によって、国民の世論じたいもどんどん冷静さを失っている

 政府が先月実施した「ホワイト国除外」に関するパブリックコメントには、寄せられた4万666件の意見のうち、「除外」に賛成が実に約95%で、反対はわずか約1%だったという。これは、安倍応援団やネトウヨの組織票の可能性が濃厚だが、他方、FNNと産経新聞が3、4日に実施した世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった

 ワイドショーをはじめとするマスコミには、自分たちが取り返しのつかない状況を作り出しているという自覚はないのだろうか。

(編集部)
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●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」

2018年08月24日 00時00分28秒 | Weblog

[【NNNドキュメント’18/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―】(2018年5月13日)↑]



リテラの記事【『報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html

 《日本の加害戦争責任の全貌を見えづらくした要因は、日本にこそある。それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ》。

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:  
           相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ》

   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩:
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
    《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する
     「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や
     当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や
     不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みる
     というものだった》

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」
    「リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を
     納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と
     国税局に抗議】…証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿
     国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、
     社会に毅然と示した
    《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、
     敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。
     証拠隠滅のためだ》
    《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている
     政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の
     知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、
     人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による
     公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、
     のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ


 彼・彼女らの御望みの証拠(証拠隠蔽にもかかわらず、実際には証拠は存在)が無いことが、〝歴史〟が無かったことになる訳がない。いま、アベ様政権の下、過剰な「忖度」などの滅公奉僕精神により、証拠隠滅を図ったとしても、アベ様御夫妻案件やオトモダチ・取巻き連中の悪事が歴史上無かったことにはならない。決して忘れることなく、指摘し続けるだけだ。

 《戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった》…《この廃棄処分が歴史を歪め歴史修正主義を生み出す温床》。
 《公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている
 『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」』でのリテラ記事でも同様な指摘がなされている…《こうした政府による公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ》。

   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
        報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
   『●広報…「livedoor NEWSも産経ニュースも、
      記事のタイトルがおかしくネ? ……腐ってんな」
   『●自衛隊PKO日報問題…「森友捜査ツブシ」選挙の
       ドサクサに紛れて人治主義国家ニッポンの人事考査が再び

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http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html


『報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点
2018.08.15

     (TBS公式HPより)

 戦後73年が経ち、今年も8月15日を迎えた。今夏も各メディアで戦争を振り返る企画が組まれているが、8月11日に放送された『報道特集』(TBS)の「戦争と記録 大量焼却のワケ」はまさに、現在につながる問題を鋭くえぐった特集だった。

 第二次世界大戦における日本の加害事実や戦争責任について言及すると、歴史修正主義にまみれた安倍応援団ネトウヨは、アメリカやソ連の一方的な主張や資料に基づくでっちあげなどとがなり立てる。実際は日本兵の証言などもありそれ自体ウソなのだが、しかし日本の加害や戦争責任の全貌を見えづらくした要因は日本にこそある

 それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ。

 ポツダム宣言受諾後の8月14日に閣議決定された焼却命令は、東京だけではなく、地方にまでおよんだ。『報道特集』ではその一例として、広島県福山市に残されていた8月17日に焼却された書類を記したリストを紹介。そこには、徴兵関係や日中戦争に関する書類が焼却されたと記されており、また、番組では軍人名簿が焼かれたことで、恩給の給付に支障をきたした地方自治体があるとも紹介されていた。

 『報道特集』は加えて、実際に焼却に携わった人からの証言も複数紹介している。

 まず、逓信省航空局で暗号を翻訳する業務についていた前沢正己氏は、上司の命令によりありとあらゆる資料を防空壕のなかに入れて焼却処分したと語る。それは電話帳まで燃やすという徹底ぶりで、焼却には2日ほどの時間をかけ、防空壕のなかの空気が足りなくなってなかなか燃えずに大変だったと振り返る。

 戦争に関係する書類を燃やしていたのは、役所だけでなくメディアも同様だった。同盟通信の写真部に勤めていた渡辺清氏は、上司からの命令があり、日比谷公園で書類を焼却するよう言われたと証言している。ちなみに、焼却する理由について上司から説明はなかったという。

 終戦当時内務省の官僚だった故・奥野誠亮元法相は後年、公文書焼却の指示についてこう明かしている。

   「ポツダム宣言は「戦犯の処罰」を書いていて、戦犯問題が起きるから、
    戦犯にかかわるような文書は全部焼いちまえ、となったんだ。
    会議では私が「証拠にされるような公文書は全部焼かせてしまおう
    と言った。犯罪人を出さないためにね。会議を終え、公文書焼却
    指令書を書いた」(読売新聞2015年8月11日)

 番組でも「戦犯処理されたら気の毒だから、犯罪人を出さないようにするために公文書を焼けと言った」と会見で語る奥野の映像を紹介している。

 ようするに、終戦直後に各所で急きょ書類が燃やされたのは、戦争責任の追及を免れるためであり、戦争犯罪に関する証拠を隠ぺいしようとする意図からだった(1946年1月3日にはGHQから復元命令を出されている)。

 ノンフィクション作家の保阪正康氏は番組内のVTRに出演し、終戦直後に行われた公文書の焼却は、自らの保身や責任逃れのために行われた「後世の人間に対する侮辱」とこう評価した。

   「後世の人間に対して、この戦争を客観的に検証しろということの放棄
    私たちの世代への侮辱だと私は思っています。次の世代への侮辱
    ですね。次の世代は、戦争について歴史的な検証をする必要が
    ありますね。そこから逃げたわけですね。
    僕はこの罪のほうが大きいと思う」


■安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は同根でつながっている

 現在82歳で、戦争を知る世代の毒蝮三太夫氏も怒りを滲ませた。戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなったからだ。

   「戦争っていうのはこんなに悲惨で、こんなにむごいもので、
    狂ったように相手を殺すんだということをね、いま我々は
    言っていかないと。運が良かっただけですよ、知らなかったのは。
    自分の歴史というのを糧として生きてるんだもんね。だから、
    書き残すとか振り返るというのはとっても大事ですよね。それが
    正しくなければ、非常にゆがんだ報告が残るわけでしょ」

 まさに、この廃棄処分が歴史を歪め歴史修正主義を生み出す温床となっている。実際は、日本軍の残虐な行為を証明する旧日本軍兵士の証言や、戦時記録も僅かに存在するが(たとえば、中曽根康弘や故・鹿内信隆元産経新聞社長の日本軍による慰安所運営に関する証言など)、公文書がほとんど残されていないのをいいことに、歴史修正主義者たちは「証拠がない」などと主張しているのだ。

 繰り返しになるが、日本の戦争責任や加害の実態の全貌を見えづらくしている最大の要因は責任から逃れるために公文書という一級の第一次資料を破棄するという、日本のあまりに卑怯な行為だ

 しかも、この都合の悪いものは捨ててしまえという卑怯なやり口は現在にもつながっている。毒蝮氏は先の発言のあと、こう付け加えていた。

   「改ざん。よくいま平気でやるような時代になった。怖いね

 毒蝮氏が指摘している通り、安倍政権下の日本では、終戦前後の日本で行われたことと、そっくりな文書破棄や改ざんが次々と起きている自衛隊の日報隠ぺい森友学園に関する決裁文書の改ざんなど、公文書に関する前代未聞の不正行為が発覚している。

 また、終戦直後の日本と現在の日本とでは、上に立つ人間が自らの保身や責任逃れのために公的文書を不正に扱うという点以外にも、もうひとつ共通点がある。TBS報道局の金平茂紀氏は、実際に公的書類焼却の現場に立たされたのは、組織のなかでも下のほうにいた人間であったことを指摘しながらこのように語った。

   「破棄に関わっていた人たちが自分たちのことを『下っ端、下っ端』って
    言ってたでしょ。上の人が下の人に対して汚いことを押し付ける
    という構造は、まったくいまと同じ構造だと思うんですよね。
    森友のときも自殺した人というのは、いちばん現場に近い人だったんですよね」

 公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている

 安倍政権によっていまも現在進行形で“歴史の改ざん”が行われているという事実。戦争責任から逃れるために戦争の記録を焼き捨てたという事実。この2つの事実を私たちはもっと重く受け止めるべきだろう

(編集部)
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●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々

2016年11月05日 00時00分41秒 | Weblog


沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀新・ワジワジー通信(20)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69400)。

 《沖縄にまつわる最近の出来事を思い返してみてほしい。「やりたい放題」という言葉はまさに高江の状況を言い当てるためにある。だが「言いたい放題」まで到来するとは思ってもみなかった》。

   『●金平茂紀さん、「No Justice No Peace.
      (正義のないところに平和は来ない)…高江には、ない」
    「本当に法治国家? 工事関係者を警察車両がお運びすることも
     あったそうです。さらには、自衛隊のヘリコプターが工事資材を
     お運びするという噂も出ています。《高江のケースは沖縄だけの
     問題にとどまりません。国が直接、各地の警察組織や機動隊を
     動かしていることが、どれほど恐ろしいことか。これでは地方自治
     何もありません。こういうのを国の暴挙というのであり、許されない行為》
     (大野ひろみ佐倉市議)。辺野古破壊訴訟では、
     県の敗訴を前提にするアベ様や裁判長という異様な状況。
     これら諸々をほとんど報じない「本土」マスコミ。
     「報道の自由」「知る権利」の破壊に立ち向かわない
     「本土」マスコミの差別意識沖縄差別、その究極の姿」。

 「No Justice No Peace.」。沖縄差別・沖縄破壊は激しさを増している。高江は無惨に破壊され、「負担軽減」にはほど遠い。「歴史的暴言」と、松井一郎大阪「ト」知事鶴保庸介沖縄担当相といった、その後の「本土」の皆さんの振る舞い…酷いものである。沖縄には「正義」なんてどこにも無いようだ。

   『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
      差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見


 《もう一つ、僕が記憶しているのは、戦争中に日本軍が南方戦線のインドネシア・ダバオに兵士のための慰安所を開設する際に日本軍が作成した公文書…「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持ちの緩和に非常に効果ありたり」。ここに記されている主計長とは、戦後日本の首相になった中曽根康弘氏》。

 その「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」。ナチソネ氏や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らが戦地で「やったこと」と歴史修正主義。

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む: 
          相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました。太平洋戦争の初期、日本は当時アメリカの植民地だった
     フィリピンを占領しました。その直後マニラ大学に在学していた
     フィリピン人女学生を、日本軍の高級将校たちが「山分け」して
     レイプした、と鹿内はさも痛快そうに語っていたのです…
     以下の対話は、鹿内信隆氏が桜田武氏との共に書いた
     『いま明かす戦後秘史(上)』(サンケイ出版、1983年、29-30頁)
     からの引用である…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ。
       しかも、中曽根元首相の証言でも明らかになったように、
     現地で娼婦でない女性たちも徴収している。これでほんとうに、
     従軍慰安婦のことを「自ら志願した高級娼婦」などと信じている
     としたら、どこかおかしいとしか思えない》

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69400

我々は皆「土人」である 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(20)】
2016年11月2日 13:30 土人発言問題 金平茂紀 沖縄差別 ヘイトスピーチ 沖縄ヘイト 米軍
金平茂紀


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金平 茂紀(かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
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 あまりにも理不尽なことが堂々と持続的に行われていると、いつのまにか感覚が麻痺(まひ)してきて、ああこれは当たり前の出来事なのだと、「思考停止」の状態に陥ってしまうということが、僕らの国の歴史では繰り返されてきた。沖縄にまつわる最近の出来事を思い返してみてほしい。「やりたい放題」という言葉はまさに高江の状況を言い当てるためにある。だが「言いたい放題」まで到来するとは思ってもみなかった。

     (土砂を積んだダンプカーの進入に抗議する市民ら
            =10月25日午前、東村高江・N1ゲート前)

 高江で警備にあたっていた大阪府警の機動隊員が、抗議活動に参加していた作家の目取真俊氏らに対して暴言を吐いた。「触るなくそ。どこつかんどんじゃ、ぼけ。土人」。別の隊員も「黙れ、こら、シナ人」。発言はカメラで動画撮影されていた。映像はインターネットを通じて瞬く間に拡散した。「土人」「シナ人」という語が侮蔑的な意味合いで使われているのは明らかだ。まるでヘイトスピーチではないか。それが公務中の警察官の口から出たのだから根が深い

 本来ならば、戒めるべき立場の松井一郎・大阪府知事がまるで機動隊員を擁護するような見解を示した。「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」。「売り言葉に買い言葉で言ってしまうんでしょ。相手もむちゃくちゃ言っている。相手は全て許されるのか。それをもって一人の警官が日本中からたたかれるのはちょっと違うと思う」。前者はツイッターでのつぶやき、後者は報道陣の質問への回答だ。暗澹(あんたん)たる思いがする

 僕自身も高江の抗議行動の現場で何度か取材をしてきているが、機動隊の警備のありようには大きな問題がある。実施されている交通規制の法的な根拠も曖昧だ。地元紙の記者が取材中に拘束されたこともある過剰警備の指摘がたびたびなされている。けが人も出ているどうみても過剰な力が振るわれるのを目撃もしてきた。

 機動隊員も、きびしい緊張のなかで、感情的になることもあるだろう。だからといって「売り言葉に買い言葉」などと居直るとは何を考えているのか。大体、機動隊員は逮捕権を持ち、警備のために武器を使用することもあり得るのだ。座り込みなどの直接行動に出ている反対派の市民と対等ではない公権力の行使は違法なものであってはならないのだ。

 それにしても、「土人」「シナ人」という「死語になったと思っていた」(翁長雄志知事言葉が、侮蔑的な文脈で、若い機動隊員の口から飛び出したことは深刻だ。日本の近現代史の中で「土人」という言葉が使われていた例で僕が思い出すのは、1899年に制定された「北海道旧土人保護法」という法律だ。アイヌ民族についての「旧土人」という表現および法律の内容が差別的であるとの批判が高まり、1997年、アイヌ文化振興法施行に伴って廃止された。アイヌ保護を名目とはしていたがアイヌの土地の没収、アイヌ語使用の禁止、アイヌ固有の風習の禁止などが含まれていた。

 もう一つ、僕が記憶しているのは、戦争中に日本軍が南方戦線のインドネシア・ダバオに兵士のための慰安所を開設する際に日本軍が作成した公文書に次のような記載があったことだ。「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持ちの緩和に非常に効果ありたり」。ここに記されている主計長とは、戦後日本の首相になった中曽根康弘である。「土人女」が何のために集められたのかはここでは記さないことにする。

 さらに想起されるのは、人類館事件だ。1903年、大阪で開かれた内国勧業博覧会の学術人類館なるパビリオンに、アイヌ、台湾高砂族(生蕃)、清国(当時は「支那」と表記されていた)、朝鮮、インド、トルコ、アフリカなどと並んで琉球人(女性2人)が民族衣装をまとって生きたまま展示されていた。沖縄県と清国から激しい抗議があり、関係部分の展示が中止された。沖縄県からの抗議には非常に屈折した要素が含まれていた。

 実際に展示されていたのが辻遊郭の女性であったこと、さらには当時の日本政府の強烈な同化政策の下で、「我を生蕃アイヌ視したるものなり」(当時の沖縄紙)、つまり「沖縄の人間を台湾のネーティブやアイヌと一緒にするな」と怒っていたのである。だが、当時の日本という国が、自分たちとは「異なる」人々だとしてそれらの人々を生きたまま展示する行為に現れている植民地主義のまなざしは、今に通じるものがないか

 「シナ人」という表現について言えば、翁長知事が那覇市長時代の2013年1月にオスプレイ配備反対を訴えた41市町村首長ら連名の建白書を携えて上京し、銀座をデモ行進した際に、路上にいた一群の連中から中国のスパイ」「売国奴」「琉球人は日本から出て行けなどのヘイトの罵声が浴びせられたことがあった。そんな言葉の悪意が2016年の機動隊員にまで伝染したとは思いたくないが。

 黒船のペリー提督は浦賀に現れる前の1853年5月、琉球王朝時代の沖縄本島を訪れていた。『ペリー提督日本遠征記』に初上陸で目にした沖縄の町の様子が記されている。ペリー一行の冷静な観察眼には今読んでも驚かされるが、こんな記述がある。「土人」などと見下す発想と比べながら僕はこれを読んだ。

 「数群の琉球人が、われわれが上陸するのを見守っていたが、こちらが近づくにしたがってそろそろあとずさりした。髪にさした銀色のかんざしから比較的身分がいいと見分けられる者たちは、こちらに向かって丁寧なおじぎをした。身分の低い者たちは、茶色い木綿か芭蕉布の着物を一枚着ているきりで、子供たちは素裸だった。彼らの住居は、きわめて貧しい家でもよく整頓され、こざっぱりしている」「群集のなかには風格のある老人たちが大勢いて、顎鬚を豊かに垂らし、威厳と落ち着きをそなえていた」「彼らが心から平和を愛する人々であることは間違いない」。

 「植民地主義のまなざし」に対して、礼節と平和をもって接する沖縄の人々の姿が浮かんでこないだろうか。

 もちろん、ペリー一行のまなざしの中にも、異世界の人々=「土人」観が全くなかったとはいえまい。

 もともとアメリカは、ネイティブ・アメリカン(先住民)を大量に殺りくした暗い過去がある。だが、アメリカは根深い人種差別の歴史を乗り越えて、オバマ大統領が選ばれるまでの国になった。あえて言おう。私たちは差別する側も、差別される側も、皆「土人」なのだと。「土人」という言葉を無化するためにそのようにあえて言うのだ。(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む: 相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?

2014年09月14日 00時00分26秒 | Weblog


孫引きですいません。CMLに出ていた記事【[CML 033720] 慰安所を設置した「産経」のドン】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-September/033779.html)。

 同所のもう一つの記事【[CML 033767] 「産経のドン」が証言する集団レイプ】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-September/033828.html)も、是非、御覧ください。一部のみココにコピペ:

   「・・・・・・太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
    任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆産経新聞からリベラル色を
    一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
    深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
    さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
    判りました。太平洋戦争の初期、日本は当時アメリカの植民地だった
    フィリピンを占領しました。その直後マニラ大学に在学していた
    フィリピン人女学生を、日本軍の高級将校たちが「山分け」して
    レイプした、と鹿内はさも痛快そうに語っていたのです・・・・・・
    以下の対話は、鹿内信隆氏が桜田武氏との共に書いた
    『いま明かす戦後秘史(上)』(サンケイ出版、1983年、29-30頁)
    からの引用である・・・・・・「産経」は従軍慰安婦の証言は間違いや
    嘘が多いので信用できない、と・・・・・・これは、自社を日本有数の
    全国紙に育て上げた「中興の祖」が言ったことですので
    信用できるでしょう」

 全文をコピペしませんが、nikkan-gendaiの記事【安倍首相の遺恨…「吉田調書」スクープ合戦の裏に“朝日潰し”】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153202)に・・・・・・、

   「朝日の自滅に安倍政権はほくそ笑んでいるだろう。首相の安倍自身、
    05年に朝日に「NHKの慰安婦番組に圧力をかけた」と書かれて以降、
    長年の遺恨を抱えてきた・・・・・・安倍首相が日頃から朝日に
    私怨ムキ出しだからこそ。ライバル紙も叩く相手を間違えている」

とある。アベ様の思うツボな『産経』や『新潮』、『文春』などの異常さ。『朝日新聞』が良いとは言わない。た~くさんの欠点があることは承知。消費税の記事など酷い。でも、相対的に『産経』や『新潮』、『文春』、そして、『読売』などと比較して、『東京新聞』や『日刊ゲンダイ』よりは劣るものの、ブログ主は『朝日の方が大変に大変に大変にマシな報道機関」だと思います。いまや、『産経』や『新潮』、『文春』は「戦時性奴隷」の存在そのものを全否定している、あるいは、全否定しようとしているのですから、報道機関を名乗ることさえ恥ずかしい。そして、「NHKの慰安婦番組に圧力をかけた」事件の意趣返しに負けず、『朝日新聞』には、くれぐれも「アベ様の犬HK化しないことを望む。

   『●「ヘイトの深層」 『週刊金曜日』
      (2014年8月29日号、1005号)についてのつぶやき

    「■⑯『週刊金曜日』(2014年8月29日号、1005号) /
      
北原みのり氏【メディア仕分け人Vol.97/『朝日』「慰安婦」記事の
      「責任」を問う人たち――本当に記事を読んで、理解しているのか?】、
      写真キャプション「古屋圭司国家公安委員長
      ・・・・・・
下村博文文部科学相・・・・・・櫻井よしこ
     「特意気な調子で「『朝日新聞』が白旗を上げた」(by橋下徹)などと、
      はしゃぐような論調・・」
     「・・・・・・石破茂などは〝『朝日新聞』を証人喚問しろ〟と言っている
      ・・・・・・今回の『朝日新聞』の検証で重要なのは・・・・・・」
     「「慰安婦問題」が国のメンツの話などではなく、女性の問題であると、
      明言していること
だ。橋下徹石破茂は、本当に、記事を読んだの
      だろうか? 読んだとして、理解しているのだろうか?」
     ■⑳『週刊金曜日』(2014年8月29日号、1005号) /
      
山口正紀さん【「慰安婦」もなかったことに? 『朝日』検証報道
      バッシング】、「これで「日本の名誉」が取り戻せた? 軍慰安所に
      軟禁され、毎日日本兵に強姦されて心身に深い傷を負った女性たち。
      
その痛切な訴えを無視する保守政治家と・・・・・・」
     「・・・・・・右派メディア。彼らは『朝日』叩きにかこつけ、
      「
慰安婦の存在そのものまでなかったことにしようとしている」。
      アベ様どころか、下村文科相までが
歴史修正主義者の情けなさ
      (
http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/672a336de9a85ffa6921deecc7bc5f5c
     ■(22)『週刊金曜日』(2014年8月29日号、1005号) /
      
高嶋伸欣氏【『朝日』叩きに踊る『産経』文化人 その浅はかさを突く】、
     「まるで鬼の首でも取ったかのように舞い上がっているのが『
産経新聞』や
      『
週刊新潮』・・・・・・櫻井よしこ氏や秦郁彦氏たちなどだ。彼らの
      共通点は自分には何も非はないとしていることにある」
     「『産経』にはモラルが決定的に欠落した人物のコメントが掲載
      されている。藤岡信勝氏のものだ・・・・・・同紙でなければ載せない暴論だ。
      ・・・・・・
櫻井よしこ氏は・・・・・・だが同氏は・・・・・・」
     「(櫻井よしこ氏は)・・・・・・96年10月3日の横浜市教委による
      講演会での虚偽説明問題で、頬被りをなお続けている」。
      所詮自民党派マスゴミ人
      (
http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7ae94f2835be70d2b3773b23f146fbf6)」

   『●「パレスチナ」 『週刊金曜日』
      (2014年9月5日号、1006号)についてのつぶやき
     「■③『週刊金曜日』(2014年9月5日号、1006号) / 編集部
      【「
慰安婦」問題の次は「南京事件」の否定か 藤岡信勝氏に本誌
      「公開質問」】(リンクは
ココ
)、「『朝日』叩きに邁進する雑誌も急増中で、
      次の矛先は・・「南京事件」の否定に」」
 

 さて、本題。その産経の浅ましさが暴露されました・・・・・・「極右新聞の産経が、執拗に従軍慰安婦を叩く報道をする理由がわかりました。自社の経営者が慰安所を設置して、日本軍将兵に利用させていたことを追求されるのを恐れているから・・・・・・「戦後を糾する」が産経のキャッチコピーですが、その言葉はそっくり産経に返すべきです」・・・・・・。「慰安所を設置した「産経」のドン」!、「産経新聞の総帥が語っていた軍の慰安所作り」!!
 加えて、ツイッターでも拡散されていましたし、記事の中にもあるように、青年将校・ナチ曽根氏も「戦時性奴隷」に関わっていたわけです。

 『朝日』を叩きまくり、謝罪を求めまくり、反省を求めまくった、あさましき『産経』。さて、『産経』は、『産経』のドン=産経新聞の総帥氏の縁者や存命のナチ曽根氏に取材した上で、世間や「戦時性奴隷」被害者にどのような申し開きをするのでしょうか?

   『●「証拠が出てくれば反省しなければならない」のだから
                               反省してください
   『●無節操の図: 橋下元大阪〝ト〟知事も十分に〝ト〟、
                      そして自民党も同じ穴のムジナ


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http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-September/033779.html

[CML 033722] 慰安所を設置した「産経」のドン

donko ・・・・・・
2014年 9月 9日 (火) 00:00:51 JST

 ・・・・・・です。

 極右新聞の産経が、執拗に従軍慰安婦を叩く報道をする理由がわかりました。

 自社の経営者が慰安所を設置して、日本軍将兵に利用させていたことを追求されるのを恐れているからです。

 産経新聞のドンと言われた同社のトップだった故・鹿内信隆が、太平洋戦争中に軍人として慰安所を設置する任務に就いていたことが明らかになりました。

 戦後、ある対談で、自ら得意げにそのことを語っている本が見つかりました。


(ここから)
【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ
「女の耐久度」チェックも! 産経新聞の総帥が語っていた軍の慰安所作り
 http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/40078344.html

 朝日新聞の慰安婦報道の失態で勢いづいている右派・保守陣営だが、中でも、一番大はしゃぎしているのが産経新聞だろう。産経は慰安婦が政治問題化した1990年初頭から、慰安婦の強制連行はなかったと否定し、河野談話や村山談話を批判、慰安婦を記述した教科書を糾弾するキャンペーンを展開してきた。

 さらに同紙の社説にあたる「主張」や月刊オピニオン誌「正論」では、強制連行の否定だけでなく、慰安婦は「民間業者が行っていた商行為」で、「自ら志願した娼婦」。日本軍は従軍慰安婦に「性病予防対策などで関与していた」だけ、「公衆衛生面で関与していた」にすぎないという主張を繰り広げてきた

 そして今回、朝日が「吉田証言」の間違いを認めた事で、こうした自分たちの主張がすべて正しかったと勝ちどきをあげているのだ。

 97年に結論が出ていた「吉田証言」の虚偽を朝日が今になって認めたというだけで、どうしてそういう結論になるのかさっぱりわからないが、とにかく産経は自信満々で、日本軍に慰安婦の責任はまったくないかのような論調を繰り広げている。

 だが、彼らは自分たちの会社で中興の祖とあおがれている人物が、その「軍は公衆衛生面で関与していただけ」という主張をくつがえすような衝撃的発言をしていたことを知っているのだろうか

 その人物とは元産経新聞社長で、フジサンケイグループ会議議長だった故・鹿内信隆。鹿内は日経連専務理事からニッポン放送、フジテレビを開局して社長を歴任した後、産経新聞の経営権を握り社長に就任。現在、フジサンケイグループの原形を築き上げた人物だ。その権力と政治力は絶大なものがあり、1990年になくなるまで、事実上のオーナーとして同グループを独裁支配。経営方針だけでなく、現在の同グループのタカ派的な姿勢もすべて鹿内がつくりあげたものだ。

   「鹿内さんは産経新聞社長に就任時するや同紙を反共タカ派の拠点に
    する方針を掲げ、自分にさからうリベラルなスタンスの社員のクビを
    片っ端から切っていった。800人に及ぶそのリストラの凄まじさは当時、
    マスコミ界でも“産経残酷物語”といわれたほどです。こういうことがあって、
    産経は今のゴリゴリの右派一色に染まった訳です。この鹿内さんの
    DNAはもちろん、現在の経営陣、編集幹部にも
引き継がれています」
    (産経新聞OB)

 その鹿内は戦中、陸軍経理部に招集されていたのだが、産経新聞社長就任後に桜田武・元日経連会長との対談集『いま明かす戦後秘史』(サンケイ出版/絶版)を出版。陸軍時代の思い出話をこんなふうに語っている。


 「鹿内 (前略)軍隊でなけりゃありえないことだろうけど、戦地に行きますとピー屋が……。

   桜田  そう、慰安所の開設

   鹿内  そうなんです。そのときに調弁する女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとか、それからムシロをくぐってから出て来るまでの“持ち時間”が将校は何分、下士官は何分、兵は何分……といったことまで決めなければならない(笑)。料金にも等級をつける。こんなことを規定しているのが「ピー屋設置要綱」というんで、これも経理学校で教わった


 鹿内は召集後、1939年4月から9月にかけて陸軍経理学校で軍の後方支援のノウハウを学んでいたのだが、そのときに、慰安所の作り方も叩き込まれたというのだ。しかも、その内容は今、右派メディアがしきりに喧伝している「公衆衛生の管理だけ」というようなレベルではない。鹿内の発言に「調弁する女」という表現が出てくるが、「調弁」というのは軍隊用語で兵馬の糧食などを現地で調達するという意味。つまり、これは陸軍が慰安婦の調達に関与していたということではないのか。

 さらに衝撃的なのが「女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとか(中略)といったことまで決めなければならない」という発言だ。当時の日本軍が現地の女性を完全にモノ扱いし、どんな女がいいのかを品定めする作業までをも士官に命じていたことを証明するものだ。

 断っておくが、この鹿内発言は老人の妄想でも記憶違いでもない。靖国神社の一角に靖国偕行文庫という図書館があるのだが、そこにこの鹿内発言を裏付ける一冊の本が所蔵されている。

 300ページ以上はあろうかという分厚いその本のタイトルは『初級作戦給養百題』。昭和16年に陸軍主計団記事発行部が発行した、いわば経理将校のための教科書だ。

 表紙はハードカバーで、「日本将校ノ外閲覧ヲ禁ス」という文字。その9ページ目、第一章総説に、師団規模の部隊が作戦する際に経理将校が担当する15項目の「作戦給養業務」が解説されているのだが、その最後の項目「其他」の解説に以下の任務が列挙されていたのだ。

   1 酒保ノ開設

   2 慰安所ノ設置、慰問団ノ招致、演藝會ノ開催

   3 恤兵品ノ補給及分配

   4 商人ノ監視

 ようするに、陸軍の経理将校向け教科書に任務として「慰安所ノ設置」が掲載されていたのである。が関与したのは衛生面の管理だけという保守派の主張が、明らかな嘘だということがよくわかるだろう。

 もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で軍の組織的な関与を認めていたのだ。

 しかも、中曽根元首相の証言でも明らかになったように、は現地で娼婦でない女性たちも徴収している。これでほんとうに、従軍慰安婦のことを「自ら志願した高級娼婦」などと信じているとしたら、どこかおかしいとしか思えない。

 ようするに、保守系メディアはこうした事実を知っていながらそれをネグり、あらかじめ強制連行の定義を「軍が銃剣を慰安婦に直接突きつけて連行した」という非常に狭いものに限定し、それを否定することで、巧妙に情報を誘導してきたのである。朝日が歴史を捏造したというなら、産経をはじめとする保守メディアもまったく同罪なのだ。

 しかも、中曽根首相、今回の鹿内信隆フジサンケイグループ元議長の発言でもうひとつはっきりしたことがある。それは、彼らが従軍慰安婦に対していささかも自責の念を抱いていない事だ。それどころか、まるで笑い話のように、「慰安所をつくってやった」「女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとかまで決めなきゃならない」と語っている。

 狂気のるつぼだった戦中ならともかく、戦後20年以上たってもこんな発言を嬉々としてできるというのは、そのベースに「女性はセックスのための使い捨ての道具」という差別意識が横たわっているという事に他ならない。そして、このメンタリティは、従軍慰安婦像に紙袋をかぶせるような性差別ギャグを嬉々としてほめたたえる今の右派メディアや嫌韓本、百田尚樹などの右派言論人にもしっかりと引き継がれている

 彼らの姿が今の日本人を代表するものだと思われているとしたら、それこそが「日本の恥」ではないか。

(エンジョウトオル)

(ここまで)



「戦後を糾する」が産経のキャッチコピーですが、その言葉はそっくり産経に返すべきです。

・・・・・・・・・。
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