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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化…その起点が15年、当時の安倍晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法…》

2023年10月13日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年09月19日[火])
戦争法や軍事費倍増、軍事国家化…狂っていますニッポン。平和主義、平和憲法はどこに行ったの?

   『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
     戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増
   『●森村誠一氏「秘密保護法…作成、強行成立の過程が杜撰…こういう法律が
     できたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ」
   『●「戦う覚悟」…何度目かの《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ節」――
     戦争法や軍事費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を
   『●台湾での《「戦う覚悟」発言》…《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ
     節」はキシダメ首相と《打ち合わせた“政府の代弁”》だったとは…
   『●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官
      募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》
   『●《「戦争絶滅受合法案」…権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
      安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう》
   『●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き
      飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》
   『●「憲法の番人」が聞いて呆れる最「低」裁…《「臨時国会を開かなくても
      違憲でない」という新しい規範が生じたに等しい。憲法が死文化…》

 戦争法や軍事費倍増、軍事国家化の前に、「戦争絶滅受合(うけあい)法案」の制定が必要。アノ戦争法を早く廃止にしないと…「安倍政権は(日本を)再び戦争可能な国家にしようとしているが、絶対にいけない」。
 東京新聞の【<社説>安保法成立8年 元に戻れなくなる前に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/278219?rct=editorial)。《安全保障関連法の成立が強行されてから19日で8年。安保法の狙いは「日米同盟」強化で紛争を未然に防ぐ抑止力を高め、日本国民全体のリスクを減らすことだが、日本周辺の緊張は緩和されるどころか、むしろ高まっている。「集団的自衛権の行使」を認めた安保法を起点に、「敵基地攻撃能力の保有」に至った防衛力の抜本的強化が、アジア・太平洋地域の緊張緩和に寄与しているのか、冷静に考えるべき局面である。今年8月、台北市で開かれた国際フォーラム。自民党の麻生太郎副総裁から驚くべき発言が飛び出した。「…。戦う覚悟だ。…」》。

 返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。前川喜平さん《…その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。
 琉球新報社説《安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている。2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義は風前のともしびである》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/278219?rct=editorial

<社説>安保法成立8年 元に戻れなくなる前に
2023年9月19日 06時52分

 安全保障関連法の成立が強行されてから19日で8年。安保法の狙いは「日米同盟」強化で紛争を未然に防ぐ抑止力を高め、日本国民全体のリスクを減らすことだが、日本周辺の緊張は緩和されるどころか、むしろ高まっている

 「集団的自衛権の行使」を認めた安保法を起点に、「敵基地攻撃能力の保有」に至った防衛力の抜本的強化が、アジア・太平洋地域の緊張緩和に寄与しているのか、冷静に考えるべき局面である。

 今年8月、台北市で開かれた国際フォーラム。自民党の麻生太郎副総裁から驚くべき発言が飛び出した。

 「今ほど日本、台湾、アメリカなどの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない。戦う覚悟だ。防衛力を持っているだけでなく、いざとなったら使う、台湾海峡の安定のためにそれを使う明確な意思を相手に伝えることが抑止力になる」

 仮に中国が台湾を武力統一しようとする場合、日米などの民主主義国は台湾とともに戦う。その覚悟を示すことが中国に対する抑止力になる、という趣旨である。


◆国民に「戦う覚悟」迫る

 麻生氏は以前にも、台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に当たり得るとの見解を示したことはある。

 今回の発言は戦争防止が目的であるとはいえ、日本国民に戦う覚悟まで求める内容であり、当然、見過ごしてはなるまい。

 憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又(また)は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めており、武力行使の可能性に言及して台湾問題という「国際紛争」を解決しようとすること自体が憲法に反するからだ。

 しかも麻生氏は、岸田文雄首相=写真、2021年11月の自衛隊観閲式で=を支える政権首脳だ。台湾に同行した自民党議員も麻生氏の発言内容は首相らと調整済みと説明する。

 もし政府が武力による威嚇を認めるなら憲法解釈の重大な変更に該当し、到底容認できない。首相は見解を明らかにすべきだ。

 首相は昨年の国家安保戦略など3文書改定で「敵基地攻撃能力の保有」を容認し、防衛予算を「倍増」する防衛力の抜本的強化へと大きくかじを切った。殺傷能力を有する武器輸出にも踏み切ろうとしている。

 憲法に基づいて歴代内閣が堅持してきた「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化が一層進む。

 その起点15年、当時の安倍晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法による安保政策の抜本的転換にあると言っても間違いはあるまい。

 安保法の主眼は、日本が直接攻撃されていなくても、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に該当すると政府が判断すれば、集団的自衛権に基づいて他国への武力行使ができるようにすることだった。

 当時の国会審議で、安倍首相はその意図を「紛争は予防され、日本が攻撃を受けるリスクは一層なくなっていく」と説明していた。

 しかし、その後の日本周辺の国際情勢は緊張を増すばかりだ


◆軍事重視が緊張高める

 北朝鮮は核・ミサイル開発を進め、ウクライナに侵攻したロシアとの軍事的な協力関係を強めている。中国は軍備増強とともに海洋進出を強め、武力による台湾統一の選択肢を放棄していないとみられている。

 台湾海峡の緊張は、日本が集団的自衛権を行使して参戦する可能性に現職政治家が言及するまでに高まっている。

 中国の軍事的台頭を咎(とが)め、状況に応じて日本も防衛政策を適切に見直す必要性はあるとしても、安保法以来の軍事力重視の姿勢が地域の緊張を一層高める一因になっていないか。少なくとも軍拡競争を加速させる「安全保障のジレンマ」に陥っている現実から目をそらせてはなるまい。

 集団的自衛権の行使を認めた安保法は憲法違反だとする安保法違憲訴訟で、最高裁は憲法判断をせず原告側の上告を退けた

 しかし、今必要なことは、日本を再び「戦争をする国」にしないために、安保法の違憲性を正面から問うことではないか。

 このままでは防衛力はどこまでも増強され続け、憲法の平和主義は完全に死文化する。破滅的な戦争に至ったように、一線を越えれば、もう元には戻れなくなる。私たちは自覚しなければならない。
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●《攻撃的兵器…他国領域も攻撃できると声高に宣言するような国を「平和国家」とはとても呼べない。戦後日本の平和を築いてきた先人への背信》

2022年12月22日 00時00分42秒 | Weblog

(2022年12月09日[金])
「立憲」の看板を下ろそうとしている〝論憲〟民主党も頼りにならず (所属議員の皆さん、本当にそれでいいのですか?)、大手メディアも頼りにならない。城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》…を一人一人が理解する道しか残っていないのか。国会でまともに議論されず、閣議決定の名の下に政権と与党自公が談合して軍事費倍増だけが独り歩きする。財源の話にすり替える。《大収奪が必至》な軍事費倍増…《大メディアが脅威を煽り「戦争増税必至」の流れ》《北朝鮮にも似た「先軍政治」と言うべきか。》(斎藤貴男さん)。軍事費倍増こそが、《新しい資本主義》なのか?
 日刊ゲンダイの記事【防衛費倍増のドンブリ勘定と増税先送りの国民だまし さながら“大本営発表”の大メディア】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/315630)によると、《戦後の日本が堅持してきた「専守防衛の原則」を大転換するどころか、大きく逸脱する動きが顕著になってきた。これまでGDP(国内総生産)比約1%で推移してきた防衛費について、2027年度に2%へ引き上げる方針を示した岸田政権のことだ》。

 (渡辺白泉さん)《戦争が廊下の奥に立つてゐた》。
 東京新聞の【<社説>開戦の日に考える 戦争の足音が聞こえる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/218651?rct=editorial)によると、《戦争はいつも自衛を名目に始まります。そして、突然起こるものではなく、歴史の分岐点が必ずどこかにあるはずです。将来振り返ったとき、「軍拡増税」へと舵(かじ)を切ろうとする今年がその分岐点かもしれません。感性を磨いて耳を澄ましてみると、戦争の足音がほら、そこまで…。》

 再度引用。レイバーネットの記事【反戦川柳作家・鶴彬の精神を受け継ごう!〜5.19シンポジウム開催】(http://www.labornetjp.org/news/2019/0519kokuti)によると、《日中戦争が勃発した1937年、川柳作家・鶴彬(つるあきら)は「手と足をもいだ丸太にしてかへし」の句を発表した。だがその当時、多くの川柳人は国家権力の応援団になり、鶴彬たちを「非愛国的」と糾弾する者さえ現れた。まもなく鶴彬は治安維持法で逮捕され、翌年、獄中死している。そんな時代にしてはならない》。
 同紙の【<コラム 筆洗>「記憶せよ、十二月八日/この日世界の歴史あらたまる/アング…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/218611?rct=hissen)によると、《▼それでも身構えるべきはそれが専守防衛の枠組みを超え国際法の禁じる先制攻撃と結果的に何も変わらぬ危険性があることだろう ▼ミサイル発射の動きを見て敵基地を攻撃したとする。それで敵国がわが国への攻撃を断念してくれるとは考えにくく、待っているのはわが国の敵基地攻撃に端を発した長きにわたる戦争状態ではないのか。臆病か。されど、悲劇の入り口に二度と近づきたくないのである》。

   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増=
       《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●斎藤貴男さん《政府と自民党は何がなんでも消費税率を引き上げたい…
     増税を甘受しなければ財政を破綻させるゾと国民を恐喝する目的で…》
   『●《消費税などの値上げを防衛費に転嫁する》気満々…軍事費倍増の
     ために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》
   『●そんなに殺し合いをしたいものかね? 《一体何のために防衛費の
     増額が必要なのか。…冷静にその意味を問い直さなければならない…》
   『●軍事費倍増の根拠は? こっそり《防衛費増額の財源で「法人税」を
     削除》、軍事費倍増〝有識者会議〟の報告書から!? どういうこと?
   『●増税までして軍事費倍増、〝戦争できる国〟にしたいものかね?
     腐りきった自民党を直接的に支持し、選挙にも行かずに傍観するから…
   『●なんの外交努力もしない、軍事費倍増についてなんの説明もしないし、
     できないキシダメ政権…自公お維を直接的・間接的に支持した重いツケ
   『●《大収奪が必至》な軍事費倍増…《大メディアが脅威を煽り「戦争増税
            必至」の流れ》《北朝鮮にも似た「先軍政治」と言うべきか。》

 しつこく、何度でも書きます。
 城山三郎さん《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》、《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》。
 (古賀茂明さん)《…菅原文太さんのことを思い出している。もうすぐ命日だ。菅原さんは死の直前の11月1日、沖縄で演説を行った。文字通り、命を削りながらの訴えだ。「政治の役割は二つあります一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせることもう一つは、これが最も大事です絶対に戦争をしないこと!」》。
 《政治の役割》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。<ぎろんの森>《軍事ではなく外交力を駆使する「別の道」を探るのが、政治の責任》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。ズブズブ壺壺ヅボヅボな自民党、そんな党の下駄の雪・「子育ての党」を詐称する宗教政党(最近は、「平和」「福祉」の看板を下げ、敵基地攻撃能を推進し、軍事費倍増にもろ手を挙げているようだ)。統一協会問題が、自身の宗教団体にどのような影響があるのかばかりで頭がいっぱい…。一方、お維にすり寄り、政権を批判することを放棄した〝論憲〟民主党。お先真っ暗なニッポン。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/218651?rct=editorial

<社説>開戦の日に考える 戦争の足音が聞こえる
2022年12月8日 07時46分

 日本が焦土と化した太平洋戦争は一九四一(昭和十六)年のきょう十二月八日に始まりました=写真は、開戦を伝える国民新聞(中日新聞社が発行する東京新聞の前身の一つ)夕刊。あれから八十一年。憲法九条に基づく「専守防衛」が大きく変質しようとしています。耳を澄ませば、戦争の足音が近づいてくるようです

 戦後日本の防衛政策は、戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の下で組み立てられてきました。日本の安全保障を米軍の攻撃力に委ね、日本の自衛隊は専守防衛に徹するという役割分担です。

 自衛隊の装備は自国防衛目的に限られ、「他国に侵略的攻撃的脅威を与える攻撃的兵器は、あえて保有してきませんでした

 それは日本人だけで三百十万人というおびただしい数の犠牲者を出し、交戦国だけでなくアジア・太平洋の人々にも大きな犠牲を強いた戦争への反省に基づくものでした日本は再び軍事大国にならないとの誓いでもあります


◆平和国家を歩んだ戦後

 安倍晋三内閣当時の二〇一三年に策定された国家安全保障戦略は次のように記します。

我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた
こうした我が国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない

 この平和国家としての歩みを大きく踏み外すのが、岸田文雄首相が年内に予定する国家安保戦略防衛計画の大綱中期防衛力整備計画の三文書改定です。

 その狙いは、他国領域を攻撃できる、政府与党が反撃能力と呼ぶ敵基地攻撃能力の保有と、防衛力強化のための財源確保です。

 歴代内閣は、他国領域にあるミサイル発射基地への攻撃は「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とは考えられない」と憲法九条が認める自衛の範囲内としつつも、他国を攻撃できる兵器を平素から備えることは憲法の趣旨ではない」ともしてきました。

 長射程の巡航ミサイルなど、これまで保有してこなかった敵基地攻撃能力を実際に持てば、専守防衛を逸脱することになります。

 政府は、この敵基地攻撃能力を安倍内閣が一転容認した「集団的自衛権の行使」にも使えるとの見解を示しています。日本が攻撃されていないにもかかわらず、他国領域を攻撃することになれば、他国同士の戦争に積極的に参加することにほかなりません

 岸田政権が敵基地攻撃能力の保有検討に至った背景には、軍備増強を続ける中国や、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の脅威があります。周辺情勢の変化に応じて安保政策を見直し、防衛力を適切に整備することは必要です。

 しかし、軍事力に軍事力で対抗することが地域情勢の安定につながるとはとても思えません。逆に軍拡競争をあおる安全保障のジレンマ」に陥るのは必定です。


◆軍拡増税という分岐点

 抑止力の向上が狙いでも、攻撃的兵器をたくさん備え、他国領域も攻撃できると声高に宣言するような国を「平和国家」とはとても呼べない戦後日本の平和を築いてきた先人への背信です。

 岸田首相は二三年度から五年間の防衛費総額を現行の一・五倍超の約四十三兆円とし、二七年度には関連予算と合わせて国内総生産(GDP)比2%にするよう関係閣僚に指示しました。二二年度の防衛費約五兆四千億円はGDP比約1%ですので倍増になります。

 そのための財源をどう確保するのか。政府の有識者会議は歳出改革とともに「幅広い税目による負担」を求めています。

 物価や光熱費が高騰し、社会保障費負担も増える一方、賃金はなかなか上がらず、国民の暮らしぶりは苦しくなるばかりです。

 いくら防衛のためとはいえ、国民にさらなる増税を強いるのでしょうか。国民を守るための防衛費負担が暮らしを圧迫することになれば本末転倒です。とても「軍拡増税」など認められません。

 戦争はいつも自衛を名目に始まります。そして、突然起こるものではなく、歴史の分岐点が必ずどこかにあるはずです。

 将来振り返ったとき、「軍拡増税」へと舵(かじ)を切ろうとする今年がその分岐点かもしれません。感性を磨いて耳を澄ましてみると、戦争の足音がほら、そこまで…。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/218611?rct=hissen

<コラム 筆洗>「記憶せよ、十二月八日/この日世界の歴史あらたまる/アング…
2022年12月8日 07時00分

 「記憶せよ、十二月八日/この日世界の歴史あらたまる/アングロ・サクソンの主権、この日東亜の陸と海とに否定さる」−。高村光太郎の詩である。一九四一年、真珠湾攻撃への興奮が伝わってくる▼真珠湾攻撃の日である。光太郎に限らず、その日、日本人は熱狂した。長年の米英による圧力。その閉塞(へいそく)感を打ち破る奇襲に対し、国民は胸のすくような思いとなった。分からないでもない。しかし、それが国民に塗炭の苦しみを与える悲劇の入り口であったあの時代にむしろ近づいてはいないか。弾道ミサイルなどの発射拠点を攻撃する敵基地攻撃能力の保有をめぐる議論が進む▼共同通信の世論調査によると約六割が敵基地攻撃能力の保有を容認している。弾道ミサイルが発射される前に基地を攻撃することができれば、国民はより安全になるはず。そう考えるのも理解できる。自衛のためと言われれば、反対もしにくい▼それでも身構えるべきはそれが専守防衛の枠組みを超え、国際法の禁じる先制攻撃と結果的に何も変わらぬ危険性があることだろう▼ミサイル発射の動きを見て敵基地を攻撃したとする。それで敵国がわが国への攻撃を断念してくれるとは考えにくく、待っているのはわが国の敵基地攻撃に端を発した長きにわたる戦争状態ではないのか。臆病か。されど悲劇の入り口に二度と近づきたくないのである。
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●確信犯? ノー天気? 猛毒法に、座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長は断言「・・・賛成だ」

2014年01月24日 00時00分27秒 | Weblog


東京新聞の記事【秘密保護法の諮問会議始動 議事全文は非公開】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014011802000121.html)。

 またしても有識者会議だそうで、その座長が笑える。天下の読売新聞の「渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長」だそうで、(非)特定秘密「隠蔽」法を一体どうしようというのでしょうね? 「渡辺氏は初会合で「多少の条件はあるが賛成だと明言」したそうです。また、「読売新聞は昨年十二月の同法成立時、「国家安保戦略の深化につなげよ」と題する社説を掲載」しました。まったくお目出度い会長と新聞社です。2013年12月6日は「日本の民主主義が死んだ日」だというのに、まったくお目出度い限りです(【大谷昭宏の言いたい放題/2013年12月6日は「日本の民主主義が死んだ日」】、『自然と人間』(2014年1月号、Vol.211))。

   『●我が身を省みらずに遠吠えする元新聞記者らしき人と
                 校長の検閲に喝采を送る元弁護士らしき人のイサカイ
   『●『「押し紙」という新聞のタブー』読了(2/2)
   『●『官僚とメディア』読了(1/3)
   『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(2/3)
   『●『我、拗ね者として生涯を閉ず (上・下)』読了(3/4)
   『●『渡辺恒雄脳内解析 ナベツネだもの』読了
   『●『記者会見ゲリラ戦記』読了
   『●『渡邉恒雄 権力とメディア』読了(1/2)

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014011802000121.html

秘密保護法の諮問会議始動 議事全文は非公開
2014年1月18日 朝刊

 政府は十七日、特定秘密保護法に関し、特定秘密の指定や解除の統一基準を議論する有識者会議「情報保全諮問会議」(座長・渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長)の初会合を首相官邸で開いた。政府は今秋に統一基準や関連政令を閣議決定する方針だが、メンバーの意見が反映される保証はなく、会議の実効性に疑問符が付いた。「機密性の高い事柄を議論する場合もある」として、発言者が分かる議事録全文の非公開も決めた。 (城島建治)

 座長の渡辺氏は会合で「最終的に首相に判断してもらえば結構だ」と述べた。政府によると、現時点で諮問会議が報告書などをまとめる予定はなく、メンバーの発言が言いっぱなしになる可能性は否定できない。

 諮問会議は国民の知る権利が侵害されないように、秘密保護法に関する基準を決めるのが目的。だが、政府の判断で議事要旨は公表するものの、議事録全文は機密性を理由に、あっさり非公開が決まった。国にとって都合の悪い情報が特定秘密に指定されるとの批判が強い中、外部有識者の議論さえ「秘密」にされる。

 政府は七人のメンバーのうち、大半を容認派でそろえた。渡辺氏は初会合で「多少の条件はあるが賛成だと明言した。読売新聞は昨年十二月の同法成立時、「国家安保戦略の深化につなげよ」と題する社説を掲載した。

 会議は米国の秘密保護法制や行政法、情報公開法などの専門家七人で構成。(1)各省庁など行政機関の長が指定する特定秘密の指定や解除の統一基準(2)特定秘密を扱うのに適切な人物かどうかを調べる適性評価の実施に関する運用基準-を議論し、政府が策定する基準に反映させるよう求める。

 諮問会議は秘密保護法の運用状況について、首相から毎年報告を受ける役割もあるが、特定秘密の中身を見て妥当性を検証する権限はない。特定秘密の内容を知らない有識者が、基準づくりに関与することの限界を指摘する声もある。

 同法は昨年十二月に成立し公布され、一年以内に施行される。
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●「戦争できる国」の未来: 「兵士は言った。「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」」

2013年12月26日 00時00分32秒 | Weblog


asahi.comの記事【武器輸出の新原則策定へ 安倍内閣が初の国家安保戦略】(http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312170016.html)。
東京新聞の記事を3つ。【首相、憲法解釈変更へ意欲 集団的自衛権で】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013121701002300.html)、
社説【国家安保戦略を決定 平和国家の大道を歩め】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121802000164.html)、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013121802000120.html)。
asahi.comの記事【(どうする?秘密法)命より重い情報ない 三上智恵さん】(http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312210314.html)。

 アナクロな富国強兵政権は、「武器輸出を原則禁じた武器輸出三原則に代わる新原則を定める方針を打ち出した」そうだ。「平和」主義が聞いて呆れる。「戦争できる国へ」が「平和主義」と云うんだからどんな論理? 「死の商人主義

   『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
                    非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任
   『●「『平成の治安維持法』を作った総理」の「時代錯誤の富国強兵」
   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は
         日本に逆輸入してあげるのですか? 日本で10万年管理??

 さらには、「集団的自衛権に関する憲法解釈変更に取り組む強い意欲を表明した。自らが設置した有識者懇談会の会合で「個別的自衛権だけで国民の生存を守り、国家の存立を全うできるのか。弾道ミサイルなどの脅威が容易に国境を乗り越え、瞬時にわが国にやってくる時に集団的自衛権が必要ないのか」と訴えた」そうだ。どうやって国を守るつもりなのか? それに、猛毒法で国内の「テロリスト」が潰されている、とタカを括っているようだ。

   『●「数十万人単位のテロリスト」のいる
                   「そんな国の与党の首脳」が隠蔽法の本音をポロリ
   『●「テロリスト」潰し・・・・・・「日本の民主主義は、もうオシマイだ」

   『●自公議員・翼賛野党議員に投票した彼・彼女たちに「罪の意識はまったくない」

 「チリの歌手ビクトル・ハラ・・・・・・軍事クーデターで、ハラはチリ・スタジアムに連行された・・・・・・なお歌おうとして射殺された。兵士は言った。「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」」・・・・・・「戦争できる国」に向かうこの国に、このビクトル・ハラの射殺を重ねることは杞憂だろうか? 「テロリスト」に猛毒法の「銃口」を向け、「戦争できる国」を望む「兵士」は言った、自公政権を「潰してみろ。それでも、潰せるものなら」。

   『●『標的の村』三上智恵さんインタビュー
   『●子供にもSLAPPする国:
      三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~
   『●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」・・・
                   「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり

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http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312170016.html

武器輸出の新原則策定へ 安倍内閣が初の国家安保戦略
2013年12月17日11時17分

 安倍内閣は17日、外交・安全保障の基本方針となる国家安全保障戦略(NSS)を初めて策定し、これを支える防衛大綱、中期防衛力整備計画とともに閣議決定した。NSSは「積極的平和主義」を基本理念に、中国や北朝鮮への強い懸念を表明。武器輸出を原則禁じた武器輸出三原則に代わる新原則を定める方針を打ち出した。
 NSSの策定にあたって、連立を組む公明党との間で議論になった「愛国心」に関する条項は、「我が国と郷土を愛する心を養う」との表現を入れた。
 NSSでは「国際協調主義に基づく積極的平和主義」を基本理念とした理由を「国際社会において我が国に見合った責任を果たすため」と説明。これは、安倍晋三首相が目指す、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認を視野に入れたものだ。ただ、安倍政権は行使容認に慎重な公明党に配慮して解釈変更を来春以降とする方針で、NSSでは集団的自衛権に直接は触れなかった。
 一方で、戦後日本の平和主義に基づいた武器輸出三原則は緩和する方向で見直し、新たな武器輸出管理原則を策定する方針を示した。共同開発・生産に参画して防衛装備品のコストを抑えるため、(1)移転を禁止する場合の明確化(2)移転する場合の限定と厳格審査(3)目的外使用と第三国移転に関する適正管理――に留意するとした。ただ、新原則策定については、公明党に慎重論があり、具体的な内容について与党内で議論している。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013121701002300.html

首相、憲法解釈変更へ意欲 集団的自衛権で
2013年12月17日 20時15分

 安倍晋三首相は17日、集団的自衛権に関する憲法解釈変更に取り組む強い意欲を表明した。自らが設置した有識者懇談会の会合で「個別的自衛権だけで国民の生存を守り、国家の存立を全うできるのか。弾道ミサイルなどの脅威が容易に国境を乗り越え、瞬時にわが国にやってくる時に集団的自衛権が必要ないのか」と訴えた。
 外交と安全保障政策の初の包括的指針となる「国家安全保障戦略」と、今後10年程度の防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」を閣議決定したのを踏まえ、防衛力強化に向けた議論を加速させる方針だ。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121802000164.html

【社説】
国家安保戦略を決定 平和国家の大道を歩め 
2013年12月18日

 安倍晋三首相が主導した国家安全保障戦略は、戦後日本が歩んできた「国のかたち」を変質させかねない。「平和国家は踏み外してはならない大道だ。
 政府が初めて閣議決定した国家安全保障戦略は、今後十年程度を念頭に置いた外交・安保の基本方針を示したものだという。
 防衛力の在り方を示した新「防衛計画の大綱(防衛大綱)」、二〇一四年度から五年間の「中期防衛力整備計画(中期防)」と同時に決定されたことは、戦略、防衛大綱、中期防の一体性を示す。
 外交よりも「軍事」に重きが置かれていることは否定できない。

武器三原則堅持を
 戦略は基本理念で、日本が「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた」と指摘し、「平和国家としての歩みを引き続き堅持」すると決意表明している。
 先の大戦の反省に基づく平和国家路線は、国際社会の「高い評価と尊敬」を勝ち得てきた戦後日本の「国のかたち」である。引き続き堅持するのは当然だ。
 同時に、この「国のかたち」を変質させかねない要素も随所にちりばめられている。その一つが武器輸出三原則の見直しである。
 紛争当事国などへの武器や関連技術の輸出を禁じる三原則が果たした役割を認めつつも、「武器等の海外移転に関し、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定める」と、見直しを打ち出した。
 高性能化、高価格化している防衛装備品は国際共同開発・生産が主流になっているというが、三原則の理念は堅持しなければならない。国際紛争を助長したり、日本の信頼が損なわれることにならないか、厳密な検討が必要だろう。
 目先の利益にとらわれて日本の安全が脅かされれば本末転倒だ。

戦略的忍耐の必要
 中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発など、東アジアの安保環境が緊迫化していることは否定できない。日本政府としてどう対応するのか、政権の力量が問われる場面ではある。
 戦略は、地域の平和と安定のための責任ある建設的役割と、軍事面での透明性向上を中国に促すことを打ち出した。このことは日本のみならず、アジア・太平洋地域の平和と安定に資する。困難だろうが、外交力を駆使して中国に粘り強く働き掛けてほしい。
 将来的には「東アジアにおいてより制度的な安全保障の枠組みができるよう適切に寄与」する方針も明記した。東アジアに中国を含む形で安全保障の制度的な枠組みができれば、地域の安定には望ましい。すぐには実現しなくても、戦略として掲げる意義はある。
 心配なのは、偶発的な衝突が本格的な紛争に発展することだ。
 戦略には「不測の事態発生の回避・防止のための枠組み構築を含めた取り組みを推進する」と書き込んだ。日中両政府はホットライン設置や艦艇、航空機間の連絡メカニズム構築にいったん合意しながら、棚上げ状態になっている。
 中国が沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海に防空識別圏を設定し、緊張はさらに高まっている。早期の運用開始に向け、中国説得の労を惜しむべきではない。
 中国の軍事的台頭に毅然(きぜん)と対応することは大切だが、挑発に「軍備増強」で応じれば、軍事的な緊張を高める「安全保障のジレンマ」に陥りかねない。時には耐え忍ぶ「戦略的忍耐」も必要だ。
 しかし、防衛大綱では、これまでの「節度ある防衛力」を「実効性の高い統合的な防衛力」に書き換えてしまった。
 ストックホルム国際平和研究所の調査によると、軍事支出である防衛費だけをみれば、日本は世界五位(一二年)である。そのうえ防衛費の増額に転じ、防衛力整備から「節度」を削れば、周辺国が疑心暗鬼になるのも当然だ。
 国家安保戦略、防衛大綱、中期防を俯瞰(ふかん)すれば、自衛隊を増強して、日米の「同盟関係」を強めようとの安倍内閣の姿勢が鮮明である。その先に待ち構えるのは、集団的自衛権の行使容認と、自衛隊を国軍化する憲法改正だろう。
 果たしてそれが、平和国家の姿と言えるのだろうか。

軍略よりも知略
 プロイセンの軍事学者、クラウゼビッツが著書「戦争論」で指摘したように、戦争が政治の延長線上にあるならば、軍事的衝突は外交の失敗にほかならない。
 防衛力を適切に整備する必要性は認めるとしても、それ以上に重要なことは、周辺国に軍事的冒険の意図を持たせないよう、外交力を磨くことではないのか。
 日本で暮らす人々を守り、アジアと世界の安定、繁栄にも寄与する。そのために尽くすべきは、軍略ではなく、知略である
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013121802000120.html

筆洗
2013年12月18日

 街角に音楽が流れる。歳末の商店街のジングルベルも高円寺駅前の若者の歌もいい。とりあえずは「平和」だ▼霞が関で「ケサラ」のトランペット演奏が聞こえた。抗議集会のようだ。切ないイタリア歌謡の不意打ちにちょっとはなをすする。「ケサラ」は「なんとかなるさ」の意味でホセ・フェリシアーノが歌った原曲は家出する男の歌。日本には反戦、抵抗を歌う訳詞(にしむらよしあき)がある▼チリの歌手ビクトル・ハラ。訳詞に「ビクトル・ハラを決して忘れはしないさ」とある。四十年前の一九七三年九月の軍事クーデターで、ハラはチリ・スタジアムに連行された▼『禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか』(八木啓代著)によると、ハラはスタジアムでも逮捕者のために歌った。兵士にギターを奪われた。手拍子で歌った。銃の台尻で腕を砕かれた。なお歌おうとして射殺された。兵士は言った。「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」▼チリ大統領選決選投票でバチェレ前大統領が勝利した。バチェレさんの父親も軍事クーデターで拷問され死んだ。バチェレさんも母親と拘束された。「痛み」を知る指導者である▼「この牢獄(ろうごく)にいるのはもう前に進むことなく、ゆっくりと死を待つ番号ばかり」。ハラがスタジアムで書いた悲痛な詞。街角に音楽が流れる穏やかな日常のありがたさを思う。
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http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312210314.html

(どうする?秘密法)命より重い情報ない 三上智恵さん
2013年12月21日21時17分

■琉球朝日放送キャスター・三上智恵さん

 多くの人は「国防上の秘密があるのは仕方ない」とか「スパイ容疑で罰せられるのは映画の世界」と思っているのではないでしょうか。しかし、沖縄では機密を知っていたために死に追いやられた住民がたくさんいました
 情報を漏らすものは極刑という軍機保護法があった沖縄戦でのことです。住民は軍人と同じ屋根の下で暮らし、陣地の構築や奉仕にかり出されました。軍の編成や動向など軍事機密に通じていました。だから、敵が上陸し捕虜になって情報が漏れることを恐れた日本軍から「スパイか」と切りつけられ、自決に追い込まれた。自分の身を守るため「あいつがスパイだ」と密告する人もいました。
 特定秘密保護法は軍機保護法の再来です。いまも米軍や自衛隊と隣接して生活する沖縄の住民が、いつまた不都合な存在となり、処罰の対象にされるかと危惧しています。
 事故の多いオスプレイが使う着陸帯の建設に反対する東村(ひがしそん)高江の住民たちが主人公のドキュメンタリー映画「標的の村」を制作しました。家の近くに何がどのくらい飛来するのか、命を守るために知ろうとするのは当然です。しかし、「秘密を保有する者の管理を害する行為」とされて監視対象になりかねません。
 軍事機密の漏洩(ろうえい)を厳罰化した先にもたらされた悲劇を知るこの島から、法の危うさを何度でも訴えていきたい。人の命よりも先に守るべき情報などあるはずはありません
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コメント
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