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●《炎上を恐れずに、地雷を踏みに行く――。…小田嶋隆さんの鋭い批評》《安倍政権は「ヤンキー的」…『一つになろう』って空気が大嫌い》

2022年07月03日 00時00分27秒 | Weblog

(20220626[])
毎日新聞の訃報記事【コラムニスト・小田嶋隆さん死去 65歳 政治や社会を鋭く批評】(https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/074000c)によると、《政治や社会を反権力の立場から鋭く批評したコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日、病気のため死去した。65歳。葬儀は近親者のみで営む。東京都生まれ。早稲田大卒。食品メーカーを退社後、ラジオ局アシスタントディレクター、作詞家などを経験する。雑誌「噂の真相」(2004年休刊)でコラムを連載し幅広い支持を得た。最近ではツイッターでも積極的に発言。19年に脳梗塞(こうそく)を公表し、その後入退院を繰り返していた。今月、自身初の小説集「東京四次元紀行」を刊行したばかりだった。著書に「日本語を、取り戻す。」「小田嶋隆のコラムの切り口」「超・反知性主義入門」など多数。》

 とても、とても残念だ。ご冥福をお祈りいたします。


   『●『1984年のビーンボール ~オダジマタカシ スポーツコラム大鑑~』読了
   『●『テレビ霊能者を斬る ~メディアとスピリッチュアルの蜜月~』読了(1/3)
   『●『テレビ霊能者を斬る ~メディアとスピリッチュアルの蜜月~』読了(2/3)
   『●『テレビ霊能者を斬る ~メディアとスピリッチュアルの蜜月~』読了(3/3)
   『●『人はなぜ学歴にこだわるのか。』読了
    「小田嶋隆著。《…旧弊な身分制度社会の桎梏から近代の人間を
     解放する役割を果たしてきたはずの学歴システムが、いつの間にやら
     階級固定の道具になっている現実…》。《…子供の学力は、低年齢で
     あればあるほど、親の教育水準および経済状態をストレートに反映…》。
     《…学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない…》。
     斎藤貴男さんの『機会不平等(※1) と同じ指摘。」

   『●『テレビ救急箱』読了 (1/2)
   『●『テレビ救急箱』読了 (2/2)
   『●「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」
               (『カナエール福岡応援ページ』)

     「番組を見て、そして、そのWPの一つのフレーズ
      「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」を見て、
      小田嶋隆さんの本の言葉を思い出しました……
      「子供の学力は、低年齢であればあるほど、
      親の教育水準および経済状態をストレートに反映
      学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない…」
      http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2a1cb2eb9e660199cf4fcdc12a4a8d1f

   『●小田嶋隆さんの『偉愚庵亭憮録』
   『●新手の愉快犯?…と言えば、言い過ぎか
   『●アベ様らが《霞が関官僚》を支配して堕落させ、《国会の質疑、
     ひいては、国権の最高機関たる国会の存在価値それ自体を貶め》た
    「日経ビジネスのコラム【小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」
     ~世間に転がる意味不明/「募集」と「募る」の違いはどうでもいい】」
    「#募ってはいるが募集はしてないの両者の違いよりも、小田嶋隆さん、
     《募集に応じて応募した人間はどこからどう見ても「選ばれた人」
     ではないからで、とすると、「安倍事務所の募集に応募して会に
     参加した後援会のメンバーは、言葉の正確な意味において絶対に
     「招待客」ではあり得ないからだ。当たり前の話だが、
     「招待客を募集するという言い方自体が、そもそも矛盾している》、
     そりゃぁ~そうだ。」

   『●『超・反知性主義入門』の小田嶋隆さんインタビュー、
            「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」
    《反知性主義という言葉が流行している。立憲主義を否定し、
     学者の声も黙殺した安倍首相に対して向けられたもの……
     そこで話題なのが「超・反知性主義入門」(日経BP)の
     著者・小田嶋隆氏(58)だ。反知性主義なのは野蛮政権のトップ
     だけではないそういう政権を選んだ国民にも危険な兆候
     広がりつつあるという》
    「アベ様らだけが「反知性主義」者ではなく、《そういう政権を
     選んだ国民にも危険な兆候》を見てとる小田嶋隆さん。
     青木理さんや内田樹さんが仰っていることも、
     そういうことなのかもしれない」
    《ユネスコの記憶遺産に南京大虐殺が登録された時、菅官房長官は
     分担金を減らすことを示唆しました。驚天動地の発言で、昔だったら
     クビが飛んでいると思う。虐殺した数についての議論はあってしかるべき
     だが、虐殺の事実そのものを否定したり、分担金を減らしてユネスコに
     圧力をかけるのは別次元の話でしょう。しかし、菅官房長官がああ言うのは、
     国民の方に『ユネスコはケシカラン』という応援の声があるのを感じたから
     だと思う。ああいう発言ができちゃう空気が、すでに存在しているんですよ》

   『●「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を
            造りたい強権的政治手法好きな二人
    「…う ん ざ り。「反知性主義者たちが「反日」といって
     思考停止してしまうように安倍晋三やその支持者たちを
     反知性主義者だと非難するだけでは思考停止してしまう
     ことは分かっているのだけれども…。
      青木理さんも仰ってます、
     「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している
      高橋源一郎想田和弘小田嶋隆は、反知性主義に
     ついて語ることのむずかしさを指摘している」

   『●アベ様お得意の《政治の私物化》の極致…《「桜を見る会」…
            公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用》
    「アベ様の私的文化的?な《安倍総理のサクラになる会》(©小田嶋隆さん、
     https://twitter.com/tako_ashi/status/1178523901380317184)」
    「「桜を見る会」前夜祭という立派な政治資金パーティーについて、
     《政治資金規正法違反の疑い》だそうですよ。あぁ、でも
     《自民党の最近のルールは「返せば問題ない」と、なかったことに
     できるというもの》でしたねぇ。あれぇ~、もし「資料は破棄した
     といったことになると、「返し」ようもないですよね…」

   『●萩生田光一文科相《テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を
     中止させた勢力に加担する行為…表現の自由を圧殺する暴挙》
    「《萩生田氏自身のゆがんだ歴史観や嫌韓感情、憲法が保障する
     表現の自由への無理解…「表現の不自由展」を中止に追い込んだ
     勢力と同じ思想・感情》…《検閲国家》へと着々と。《文化庁の
     補助金7800万円全額》不交付の一方で、アベ様の私的文化的?な
     《安倍総理のサクラになる会》(©小田嶋隆さん、…)には
     《予算3倍…5700万円もの血税》が飲み代へとドブガネ。」

   『●アベ様案件…(武田砂鉄さん)《近場から放たれる「病人なんだから」
       という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》?
    「【安倍政権が残したもの/類を見ない「言葉」の空疎さと不誠実さ
     小田嶋隆さんが見た7年8カ月】…《コロナ対応などでは適切な判断を
     する自信がないのに、後継者選びに関しては判断ができる、というのは
     矛盾しています。つまり、次にどんな政権ができて、自分をどう断罪する
     のかを見極める余力を残しての辞任だったということです》」

   『●小田嶋隆さん《行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、
     安倍晋三氏とその追随者たちは…この8年の間に完膚なきまでに破壊》
   『●武田砂鉄さん《小田嶋隆さん…予言めいたもの…〈日本学術会議から
     学術を追放すると日本会議になることからも、学術の必要性は明らか〉》


 毎日新聞の記事【「炎上恐れず、地雷を踏みに」 小田嶋隆さんの発言振り返る】(https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/161000c)によると、《社会や政治、そして世相を絶妙な文章技でバッサ、バッサと斬ってきた小田嶋さん。その数々の発言を毎日新聞に掲載された記事から振り返った》。

 今のこの悲惨な「政」小田嶋隆さんの素晴らしき結論…《結論を述べる。安倍政権は外交と経済をしくじり、政治的に失敗しただけではない。より重要なのは、彼らがこの国の文化と社会を破壊したことだ。私はそう思っている。一刻も早くこの国から消えてもらいたいと思っている》。
 最後の言葉《上から目線で他人の命の価値を測るな》という言葉も重く、勁い。

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https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/161000c

「炎上恐れず、地雷を踏みに」 小田嶋隆さんの発言振り返る
毎日新聞 2022/6/24 17:25(最終更新 6/24 22:02)

     (インタビューに答えるコラムニストの小田嶋隆さん=
      東京都千代田区で2015年11月30日、小出洋平撮影)

 炎上を恐れずに、地雷を踏みに行く――。6月24日に65歳で亡くなったコラムニストの小田嶋隆さんの鋭い批評を、毎日新聞の見出し(2015年10月20日東京本社夕刊)はこう表現した。社会や政治、そして世相を絶妙な文章技でバッサ、バッサと斬ってきた小田嶋さん。その数々の発言を毎日新聞に掲載された記事から振り返った。【デジタル報道センター】


安倍政権は「ヤンキー的」

 17年7月、東京都議選の街頭演説で「辞めろ」コールを浴びた自民党の安倍晋三首相(当時)は「こんな人たちに皆さん、私たちは負けるわけにはいかない」と言い放った。この発言を、小田嶋さんは「国会で民進党(当時)や共産党を相手に言うのとは意味が違います。自分に賛成しない人間を『国民とは別のカテゴリー』に分けたようなものですから」と強く批判。そんな安倍政権の姿勢を「ヤンキー的」と表現した。

     (都議選で自民党候補者への支持を訴える安倍首相
      =東京都千代田区のJR秋葉原駅前で2017年7月1日
      午後5時3分、藤井達也撮影拡大)

 そのうえで「最近の若い人たちは『雰囲気を壊さず、仲間を大切にしよう』という考えを重んじる傾向が強い。仲間内では意見を主張せずに、我慢して秩序を保とうという気分と『ヤンキー志向』は無縁ではないと思っています」と指摘してみせた。

 その安倍首相が20年8月に辞任を表明すると、「病気の再発を辞任の理由として挙げているが、『今、逃げるしかなかった』というのが実情ではないか」とバッサリ。

 「アベノミクスでは株価をつり上げることで好景気を演出してきたが、新型コロナウイルスの影響で不況が本格化すれば、フェイクだったことが国民にばれてしまう。東京オリンピックの開催も見通せない。『森友問題』もくすぶったままで、河井克行前法相(当時)らの選挙違反事件買収の原資を巡って自身に飛び火する恐れもあった。政権が火だるまになることが分かっていたのではないか」


菅氏は「一貫した『麦踏み』の発想」

 安倍氏の後任として首相になった菅義偉氏についても手厳しかった。21年9月に菅氏が退陣の意向を表明すると、在任時の所信表明演説などで目指す社会像として「自助・共助・公助」と強調したことについて、自らの病気の体験も踏まえてこう語った。

 「何か困ったときや、苦しいときに公である国が手を差し伸べてくれることが、国が国としてあり、私たちがその国の住人であることの意味じゃないですか。そこを、まず自助、つまり転んだら自分で起きろよと言うんだったら、その国の住人である必要はありません

     (自民党総裁選不出馬について表明する菅義偉首相
      =首相官邸で2021年9月3日、竹内幹撮影拡大)

 「菅さんに一貫していたのは、弱い立場の人への感受性の乏しい『麦踏み』の発想ではないでしょうか。弱い麦は踏んでいるうちに死ぬけれど、強い麦は生き残る。だから麦畑全体の麦の強度はやがて上がるんだと。だけど、それを人間社会に応用したらダメなわけで、だから国民皆保険制度があって、年寄りだって病人だって生きている限りは面倒を見ますよ、という建前で今まで動いてきたわけです。人が生きるってそういうことじゃないですか。でも菅さんは、そういうところに対する感受性が非常に乏しい人なのかなと思ってしまいます」


「『一つになろう』って空気が大嫌い」

 批判を恐れずに、鋭い批評を繰り返した小田嶋さん。「一つになろうって空気が大嫌いなんです」。安倍政権が掲げた「1億総活躍」という言葉も「まるっきり戦前的なキャッチフレーズ」と批判し、こう案じた。「今の日本には個人主義に対する嫌悪感のようなものが徐々に広まっている。元来、周囲の空気から浮き上がることを嫌い、周囲と同じように振る舞うことを内面化している国民です。多様性より秩序の方が心地よいという人が増えているのではないか」

 「音楽に政治を持ち込むな」。16年にこんな批判がネット上でわき起こり、大きな論争になった時にはこう言った。「音楽は純粋なもので、政治はあしきもの、忌まわしいもの、場違いな場所で持ち出してはいけないもの、という空気が背景にあるのではないか。皆が楽しんでいるところで政治的な主張をすると、葬式にアロハシャツで来たヤツみたいな扱いを受けてしまう」

 そして続けた。「自由や平和や憲法や人権など党派色とは無縁と思われていたものが段々と『政治的』『偏っている』と受け止められる時代になっている」「怒りや異議申し立ての歌より『人生賛歌』が好まれる。人とのあつれきを極度に避けようとし、論争や異議申し立て自体が嫌われる風潮も強まっている。しかし過度に『中立性』を求め、論争的な話題を避けることは結局、表現の豊かさや意見の多様性を狭めてしまう


「上から目線で他人の命の価値を測るな」

     (小田嶋隆さん=東京都千代田区で2020年10月6日、
      武市公孝撮影拡大)

 16年のリオデジャネイロ五輪。日本選手団主将でレスリング女子53キロ級の吉田沙保里選手が決勝で惜敗し、「主将として金メダルを取らないといけないところだったのに、ごめんなさい」と泣いて謝罪したことについては、こう指摘した。

 「実績があって、ある程度年齢が高く責任感のありそうな人が主将になるが、本人に要らぬ重圧を与えている印象を受ける。アテネ五輪で主将を務めた井上康生さんも負けるはずのないところで負け、すごく責任を感じていた。4年後の東京五輪では、主将はまったく要らないと思う」

 「安楽死」を希望する難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に頼まれ、薬物を使って殺害したとして、医師2人が20年に嘱託殺人容疑で逮捕・起訴された事件についても発言。「最近は『生きているだけで価値がある』『弱者に寄り添おう』『人権を守ろう』などの正論が『偽善』とされ、反発を受ける場面が目立って増えている。ポリティカルコレクトネス(政治的公正さ)が広まり、差別的な発言をしにくくなった社会に、人々が閉塞(へいそく)感を覚え、反発しているのかもしれない」

 そのうえで語った。「そもそも、一度や二度、死を考えた経験のある人は少なくないだろう。それでも、自死をしなかった人には『あの時死ななくてよかった』と振り返る機会がありうる。自死を願う人に死を提供することは、その機会を永遠に奪う、取り返しのつかない行為なのだ」「健康な人の物差しで、病と闘う人生を測ってはならない。『寝たきりでかわいそう』『さぞやつらいだろう』と上から目線で勝手に推し量り、他人の命の価値や意味を勝手に判定するのはとても暴力的な行為だ
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コメント
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●バカの祭典の《開催に反対する人たちのことを「反日的」などと攻撃》…〝反日的〟なヒトという悪罵を投げつけられるべきはアベ様ら

2021年07月11日 00時00分20秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


 (20210703[])
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/東京五輪はスポーツへの嫌悪と絶望ばかりを押し付ける災厄なのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291238)。
リテラの二つの記事【菅首相が竹中平蔵と面談、残業代なし「裁量労働制」対象拡大を相談か 竹中は「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5935.html)と、
【安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5936.html

   『●ボイコフ教授《五輪がごり押しされるのは「主な理由は3つ。カネ、
     カネ、カネだ」…「そのカネのほとんどはアスリートではなく…」》
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバル
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●《「パソナ」の純利益が前年の10倍以上》―― カネカネカネの
     金(カネ)色の五つの輪に便乗して、アサマシき「なんでも金、金、金」…
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らとグローバルと
         巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『●PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
       仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」
   『●《竹中氏がこんなむちゃくちゃな論理を言い張ってまで、五輪を開催
     させようとしているのは、自分がその利権に関係しているから》(リテラ)
   『●カネカネカネの五輪貴族「菅首相が中止を求めても開催される」
     「アルマゲドン(人類滅亡)が起きない限り、東京五輪は開催される」
   『●斎藤貴男さんの悪い予感的中…《世界の笑いものであり、憎悪の的…
      後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁》
   『●《「殺人オリンピック」「強行派は死の商人」「バカの祭典」といった
        ハッシュタグが次々と…中でもしっくりきたのが「パソナ五輪」》

 そんなにバカ騒ぎしたけりゃ、無選手で、テレビ中継付きで、五輪貴族とバカの祭典関係者だけで開会式のみ実施してはどうかね。終われば、〝バブル〟で空港直行、金目の物は身ぐるみ剥いで、強制送還。帰国後に何が起ころうと、知ったことではない。後は野となれ山となれだ。そして、祭りの後は、(本間龍さん)《中止になって「万歳」でなく、36000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です》。それに加えて、《招致買収疑惑》の追及が必要。
 週刊朝日のコラム【室井佑月「なぜそこまでして」】(https://dot.asahi.com/wa/2021063000026.html)によると、《でも、「IOCなどの大会関係者や低価格で観戦機会を提供する『学校連携観戦プログラム』で入場する児童、生徒らは別枠とする」らしい。これって、子どもたちは付け足しにされただけ。IOCの関係者やスポンサーの招待客は、何が何でも全員入れたいってことじゃない? オリンピックとは、あたしたちの金(血税)を集めて開かれる、上級国民のための祭りなんだね。…なぜそこまでしなくちゃいけないんだ。東京五輪、あたしたち一般人はリスクを背負い込むだけ。膨らんだ開催費のツケを押し付けられるだけ》。
 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/田坂広志さんの提言に大きくうなずく 菅政権はまるでできちゃいないけど…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291365)によると、《『原則①専門家組織には政府から独立した強い「勧告」を行う権限を与えるべき』『原則②政府が「勧告」と異なる方針を決める時は「理由」を明確に説明すべし』『原則③政府が決めた方針で生じる問題には政府が「責任」を持つべし』(田坂広志・経営学者・多摩大学名誉教授)…あたしの結論。一~三までを鑑みて、こういう人たちのことを反知性主義者暴力団風味という。こんな人たちに国を任せておいてはいけない》。
 もうウンザリ、自公お維トファに投票してはいけない。

 斎藤貴男さんの今回のコラム、うなずくことばかり。
 《なぜならこの国では、権力に都合のよいデータをでっち上げる不正が常態化してしまっているからだ。この間の経緯に照らせば、検査を手控えて統計上の「感染者」を増やさず、何もなかったことにすれば問題なし、と踏んでいるのは確実ではないか》。斎藤貴男さんは、以前、《世界の笑いものであり、憎悪の的…後はせめて、負けを勝ちだと強弁するための統計偽装だけはご勘弁》と。
 《感染し、重篤化したら最後、私は薄れゆく意識の中で、政府と奴隷根性丸出しの臣民どもへの怨念をたぎらせながら、野垂れ死にさせられていくのだろう。憧れて飛び込んだジャーナリズムの世界が、今では五輪商売に魂までを売り飛ばし、政府と巨大資本の使い走りに成り下がってしまった悲しみとともに》。《諸悪の根源はメディアがスポンサーになっていること》。
 《残された時間はあまりに短い。このままでは東京五輪変異株による感染大爆発と、民主主義が否定された日本のファシズム定着は必然ではないか。いかなる結果が招かれようと、そんなものに屈する生き恥だけはさらすまい》。バカの祭典に殺される哀れ…

 そんなん最中、カースーオジサンは何をやっているのかと思えば、学商・竹中平蔵氏とパソナ五輪・バカの祭典についての悪だくみか?
 リテラの記事【菅首相が竹中平蔵と面談、残業代なし「裁量労働制」対象拡大を相談か 竹中は「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5935.html)によると、《竹中氏は菅首相のブレーンとして知られる人物だが、ようするに菅首相は、自分と同じように感染防止対策を軽視して東京五輪開催強行論を唱える竹中氏による鼓舞激励を得たくて、こんなタイミングで面談をおこなったのだろう。だが、竹中氏はたんなる経済学者のブレーンなどではない。菅首相と竹中氏の面談を報じたNHKや毎日新聞などは竹中氏の肩書を「慶應義塾大学名誉教授」としていたが、竹中氏は「パソナグループ取締役会長」だ》。
 その悪だくみの中身ときたら、…「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」、醜悪だね

 一方、アベ様ときたら…。一体、どちらが〝反日的〟なのか? 数多のアベ様案件で、ニッポンをさんざんに破壊しつくしておいて。一例として、主権者に、少なくとも国会で118回も息吐く様にウソをつき続けたニッポン国の首相なんて前代未聞。未だ国会議員で居続けていることが信じられない。市民を《「反日的」などと攻撃》するのならば、「反日」などと言う言葉は大嫌いだが、アベ様やカースーオジサンにニッポンを破壊し続けた〝反日的〟なヒトという悪罵を投げつける、用意はありますよ。アベ様やカースーオジサン、自公お維トファ議員こそ、〝反日的〟。《安倍前首相は「反日的」な人たちが「今回の開催に強く反対」しているなどと党派的・思想的な問題に矮小化》。《「安倍やめろ」と声をあげた市民を指差し「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言い放ったが、今回もそれと同じ。つまり、自分の考えに従わない、同調しない人びとはみな敵であり、東京五輪に反対する者は「反日的」だと決めつけ、攻撃対象に仕立て上げるのである》。
 リテラの記事【安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5936.html)によると、《しかし、そうした国民に向けて果たすべき説明責任からは逃げながら、最近ではBSフジやニッポン放送といった御用メディアの番組に登場しては、コロナに乗じて憲法改正を声高に叫ぶ始末。だが、そんななかでもあ然とさせられたのは、現在発売中の「月刊Hanada」(飛鳥新社)8月号に掲載された、櫻井よしこ氏との対談記事だ。この対談のなかで安倍前首相は、東京五輪の開催に反対する人たちのことを「反日的」などと攻撃しているのである》。
 《「自己愛が強くて批判に耐えられない」のも「双方向の議論を避ける」のもアンタのことじゃないか》、アベ様! お得意のブーメラン。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291238

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
東京五輪はスポーツへの嫌悪と絶望ばかりを押し付ける災厄なのだ
公開日:2021/06/30 06:00 更新日:2021/06/30 06:00

     (東京五輪開会式、極秘で準備…(「TOKYO2020」の装飾が
      施された国立競技場)/(C)共同通信社)

 東京五輪の開催が強行され、その期間中にコロナの症状が表れたとする。どれほど重篤化しようとも、動員で逼迫しきった医療体制では、入院どころか治療も受けられまい。いや、そもそも診察自体を断られるのではないかと怯えているのは、ひとり私だけではないはずだ。

 なぜならこの国では、権力に都合のよいデータをでっち上げる不正が常態化してしまっているからだ。この間の経緯に照らせば、検査を手控えて統計上の「感染者」を増やさず、何もなかったことにすれば問題なし、と踏んでいるのは確実ではないか。

 大方の患者とその家族が、自宅待機を強いられよう。伏せってもテレビや新聞を眺めれば、どうせ五輪バンザイ、ニッポン・チャチャチャの大合唱。終われば終わったで、今度はニッポン勝った、22年北京冬季五輪に先んじたドンチャン騒ぎが待っている。国威発揚の前には市井の人間の命など虫けら以下である

 多くの人々が開催以降の世の中に順応する準備を、すでに整えているように思う。最近の世論調査はどれも、五輪中止を求める人の減少を明示した。一時は頑張っているようにも見えた尾身茂会長ら専門家有志の提言も中止や延期の方向性には触れもせず、あくまで開催が前提の、日和りまくったものになっていた。

 感染し、重篤化したら最後、私は薄れゆく意識の中で、政府と奴隷根性丸出しの臣民どもへの怨念をたぎらせながら、野垂れ死にさせられていくのだろう。憧れて飛び込んだジャーナリズムの世界が、今では五輪商売に魂までを売り飛ばし、政府と巨大資本の使い走りに成り下がってしまった悲しみとともに。

 夢だの希望だの感動だのを「与えたい」と、スガ政権とチョーチン持ちの面々は叫ぶ。何様か。何度でも書くが、現在の日本社会における最大の不安要因で、スポーツへの嫌悪感と絶望ばかりをつのらせてくる災厄こそが東京五輪なのである

 首相や閣僚が「責任は私に」などと軽々しく吐きたがるのにもむしずが走る五輪のせいで人生を棒に振らされる人間に対して、政治屋ごときの“責任”が何の役にも立つものか。切腹はおろか、辞任する気もサラサラないくせに、舌先三寸のサル芝居も大概にしろ

 残された時間はあまりに短い。このままでは東京五輪変異株による感染大爆発と、民主主義が否定された日本のファシズム定着は必然ではないか。いかなる結果が招かれようと、そんなものに屈する生き恥だけはさらすまい
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https://lite-ra.com/2021/06/post-5935.html

菅首相が竹中平蔵と面談、残業代なし「裁量労働制」対象拡大を相談か 竹中は「生産性低い人に残業代という補助金を出すのおかしい」
2021.06.29 11:48

     (左・竹中平蔵公式ウエブサイト/右・首相官邸HP)

 まったくグロテスクとしか言いようがない。デルタ株などの変異株による感染拡大が明確になりながら観客を入れての東京五輪開催をゴリ押しして棄民姿勢をあらわにしている菅義偉首相だが、そんな最中の27日、よりにもよって、あの竹中平蔵氏と面談をおこなったからだ。

 報道によると、菅首相と竹中氏は「経済の動向などをめぐって意見を交わした」といい、竹中氏は面談後、記者団に対して「菅総理大臣は『ワクチン接種をこのまましっかりと続けて新型コロナウイルスを収束させ、経済をうまく回していきたい』と話していた」(NHKニュース27日付)などと語ったが、タイミングを考えれば東京五輪が話題にあがらないわけがない。

 竹中氏といえば、政府対策分科会の尾身茂会長が国会で「いまのパンデミックの状況で五輪を開催するというのは、普通はない」と発言した際も、6月6日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)で「明らかに越権」と批判。さらには「人流抑制の効果はエビデンスがない」「日本の国内事情で世界に『やめます』というのはあってはいけない」などと五輪開催を主張し、挙げ句、「世論は間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違ってますから」などと反対世論にまでケチをつけたことも記憶に新しい。

 竹中氏は菅首相のブレーンとして知られる人物だが、ようするに菅首相は、自分と同じように感染防止対策を軽視して東京五輪開催強行論を唱える竹中氏による鼓舞激励を得たくて、こんなタイミングで面談をおこなったのだろう。

 だが、竹中氏はたんなる経済学者のブレーンなどではない。菅首相と竹中氏の面談を報じたNHKや毎日新聞などは竹中氏の肩書を「慶應義塾大学名誉教授」としていたが、竹中氏は「パソナグループ取締役会長」だ。

 そして、本サイトでも繰り返し指摘してきたように、パソナグループは東京五輪の「オフィシャルサポーター」として大会スタッフの派遣業務を請け負っており、その中抜き率97とも言われている。さらに、パソナグループは今期、東京五輪、そして政府のコロナ対策事業の大量受注などにより、前期の10倍以上の純利益を上げる見込みとなっている。つまり、五輪利権に食い込み暴利を貪っているのである。

 東京五輪の開催に国民の不安が募るなか、国民が納得できる説明さえも放棄しておきながら、ど真ん中の利権関係者と面談して東京五輪の開催に弾みをつける──。まさしくその腐りっぷりを象徴するような面談だと言えるだろう。


データ捏造で削除された裁量労働制の対象拡大を厚労省が再び検討 営業職も働かせ放題に

 しかも、このタイミングでの竹中氏との面談には、さらなる問題が潜んでいる。それはいま、竹中氏の肝いりである「裁量労働制の対象拡大」に菅政権が再び手をつけようとしているからだ。

 2018年に強行採決・可決された「働き方改革」一括関連法案では当初、労使で決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の対象職種の拡大が含まれ、新たに法人向け営業職などが追加される予定だった。つまり、これまで裁量労働制は研究開発職などの専門的な職種である「専門業務型」と、経営の中枢で企画や立案などの業務に従事する労働者が対象の「企画業務型」にかぎって認めてきたが、「企画業務型」の対象業務を拡大し、営業職までを残業代ゼロで働かせ放題する計画が進んでいた。

 ところが、国会審議では安倍晋三首相(当時)による「裁量労働制のほうが労働時間は短いデータもある」という答弁の根拠となったデータが“捏造”だったことが判明。結果、「裁量労働制の対象拡大」は法案から削除され、見送られることとなった。

 だが、ここにきて〈(厚労省は)「裁量労働制」が適用できる対象業務の拡大を検討する〉(朝日新聞26日付)と報道され、〈来月から有識者の検討会を始める。その後、労働政策審議会で議論する〉と伝えられたのだ。

 捏造データ発覚によって見送りとなった「裁量労働制の対象拡大」をまたも復活させて検討をはじめる──。ならば当然、「裁量労働制のほうが労働時間は短いデータもある」という安倍前首相の主張を裏付けるデータが得られていなければならないが、ところが、厚労省が25日に公表した調査結果によると、「1日あたりの平均労働時間は一般の職場より裁量労働制のほうが約20分長い」ことが判明。さらに、1週間の労働時間が60時間を超えた人の割合は、裁量労働制ではない人が5.4%であったのに対して裁量労働制で働く人は9.3%と上回り、深夜時間帯の仕事が「よくある」「ときどきある」と回答した人も裁量労働制で働く人は34.3%と、そうではない人の17.8%を上回っている。

 ようするに、裁量労働制のほうが労働時間は長くなることが厚労省の調査からも判明したというのに、それでも対象拡大の検討をおこなおうというのである。滅茶苦茶ではないか。

 しかも、恐ろしいことに安倍政権は当初、「裁量労働制の対象拡大」について「契約社員や最低賃金で働く労働者にも適用が可能だ」とする答弁書を閣議決定していた。つまり菅政権は、コロナによって格差が急激に拡大しているにもかかわらず、さらに「最低賃金で働かせ放題という過労死の温床となりかねない危険な政策を復活させようとしているのである。

 そして、この「裁量労働制の対象拡大」が復活しようとしている背景にも、竹中氏の存在がある。


裁量労働制の対象拡大の裏にも竹中、「生産性の低い人に残業代という補助金を出すのはおかしい」の暴言

 そもそも、「残業代も払わず定額で働かせ放題」の対象拡大は、政府の「産業競争力会議」が提言をおこなっていたものであり、竹中氏はこの会議の民間議員を務めていた。さらに、くだんのデータ捏造が判明した直後である2018年2月22日におこなわれたセミナーでも、竹中氏は性懲りもなくこう主張していた。

「今の働き方改革で意義があると感じるのは、約70年間変わらなかった労働基準法を変えようとしていること。世界のホワイトカラーの間ではすでに認められている裁量労働制にけちをつけるなど、抵抗の動きもあります。ですが、そこに切り込んでいくことで、真の働き方改革が実現できるといえるでしょう」

 でっち上げられた捏造データが問題になっていたのに、それを「けちをつける」「抵抗の動き」などと主張する。この発言からも、いかに竹中氏が「裁量労働制の対象拡大」を推進しようとしていたかがわかるだろう。

 実際、竹中氏は「働き方改革」一括関連法案に盛り込まれ、裁量労働制と同じ「残業代ゼロで定額働かせ放題」を可能にする高度プロフェッショナル制度の創設を正当化する際、「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」などという暴言を連発した上、「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」と述べていた。

 これは竹中氏が「裁量労働制の対象拡大」を進めさせようとしていたのと同じだ。裁量労働制の対象範囲が拡大し、派遣労働にまで適用可能となれば、竹中氏が「補助金」と憚らずケチっている残業代を気にせず、いくらでも派遣労働者を働かせることができる。ようするに、この男の頭のなかには規制緩和を提案して“自分の目先の利益”を得ることしかないのである。

 そして、この「裁量労働制の対象拡大」の再検討が決まった矢先におこなわれた、今回の菅首相との面談。東京五輪の問題はもちろんのこと、面談ではこの問題も俎上に載せられたことは想像に難くないだろう。

 国民の命や労働者としての権利が、この「政商」に食い物にされていく現実。これを変えるには、竹中氏を重用しつづける自民党を政権から引きずり下ろすしか方法はない。

水井多賀子
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https://lite-ra.com/2021/06/post-5936.html

安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現
2021.06.30 08:11

     (安倍晋三Twitterより)

 安倍晋三・前首相が元気ハツラツだ。東京都議会議員選挙が告示された25日には首相退任後はじめて自民党候補の応援に駆けつけてマイクを握ったかと思えば、秋に控えた総選挙に向けて全国行脚までスタート。一方、自身のTwitterアカウントでは、赤木俊夫さんが遺した「赤木ファイル」の一文を切り取って自己正当化を図るという下劣な投稿をおこなったばかり(詳しくは既報参照)。

 「赤木ファイル」を利用して潔白を主張するのならば、まずは森友公文書改ざん問題の再調査開始を自ら訴えるべきだし、選挙運動のために全国行脚するより前に河井案里氏の選挙買収事件で自民党本部が支出した1億5000万円の関与について説明をするべきなのは言うまでもない。

 しかし、そうした国民に向けて果たすべき説明責任からは逃げながら、最近ではBSフジやニッポン放送といった御用メディアの番組に登場しては、コロナに乗じて憲法改正を声高に叫ぶ始末

 だが、そんななかでもあ然とさせられたのは、現在発売中の「月刊Hanada」(飛鳥新社)8月号に掲載された、櫻井よしこ氏との対談記事だ。この対談のなかで安倍前首相は、東京五輪の開催に反対する人たちのことを「反日的などと攻撃しているのである。

 まず、この対談は6月9日におこなわれた党首討論の話題からスタート。そこで安倍前首相は、立憲民主党の枝野幸男代表について「「枝野さんは非常に自己愛が強いので、批判されることに耐えられないのではないか」と見る人もいます」「インタラクティブ(双方向)な議論を避ける特徴があります」などと批判。「自己愛が強くて批判に耐えられない」のも「双方向の議論を避ける」のもアンタのことじゃないか、と呆れずにはいられないが、一方で安倍前首相は党首討論で菅義偉首相が長々と繰り広げた前回の東京五輪の「思い出話」を「評価されるべき内容」と絶賛。東京五輪の意義について、こう語りだすのだ。

「この「共有する」、つまり国民が同じ想い出を作ることはとても大切なんです。同じ感動をしたり、同じ体験をしていることは、自分たちがアイデンティティに向き合ったり、日本人としての誇りを形成していくうえでも欠かすことのできない大変重要な要素です」
「日本人選手がメダルをとれば嬉しいですし、たとえメダルをとれなくてもその頑張りに感動し、勇気をもらえる。その感動を共有することは、日本人同士の絆を確かめ合うことになると思うのです」
「(前回の東京五輪では)日本再デビューの雰囲気を国民が一体となって感じていたのだと思います」
「このコロナ禍のなかにあって、来年は北京冬季オリンピックが予定されていますが、自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、また日本にはその責任がある」


■五輪反対の声を「政治的な意図」「反日的な人たち」と決めつけ! 五輪を政治利用したのは安倍自身なのに

 自身が繰り返してきた「復興五輪」「人類がコロナに打ち勝った証」というフレーズはどこへやら。ようするに、安倍前首相にとって東京五輪の開催は「日本人としての誇りを形成」「日本人同士の絆を確かめ合う」「日本再デビュー」などという全体主義国粋主義のためのものでしかないのだ。その上、北京冬季五輪の前に日本で開催することに「歴史的な意味がある」「日本には責任がある」って、そんなネトウヨの威信のために国民の命と安全を引き換えにしようとは、たまったものではない。

 というか、そもそも五輪開催がこれだけ混乱しているのは、安倍自身が昨年3月、自分の総理在任中に五輪を開き、政治利用しようと、周囲の「2年延期」の声を押し切って1年以内の延期をゴリ押ししたからじゃないか。

 ところが、安倍前首相はその責任や、変異株の脅威や感染拡大への懸念をまったく口にしない。そして「来日した外国人が日本で感染して、帰国してからその国で感染が拡大する心配がある」という野党の指摘を櫻井氏が「菅政権を引きずりおろすために五輪を政治利用している、と言わざるを得ません」と批判すると、安倍前首相はこのように語ったのだ。

「極めて政治的な意図を感じざるを得ませんね。彼らは、日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか。共産党に代表されるように、歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています。朝日新聞なども明確に反対を表明しました」

 東京五輪の開催に反対する意見が多いのは、感染拡大や医療提供体制の逼迫に東京五輪の開催が追い打ちをかけるのではないかという心配や不安が大きく、さらには国民には我慢を強いながら五輪だけは特別扱いにするという不公平感、感染防止対策の実効性や開催リスクを政府がまったく説明できていない不信感からだ。そして、開催に疑義を呈しているのは野党や朝日新聞だけではなく、多くの国民や海外メディアからも反対の声があがっている。にもかかわらず、安倍前首相は「反日的」な人たちが「今回の開催に強く反対」しているなどと党派的・思想的な問題に矮小化したのである。

 安倍前首相は2017年におこなわれた前回の都議選の応援演説中に「安倍やめろ」と声をあげた市民を指差し「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言い放ったが、今回もそれと同じ。つまり、自分の考えに従わない、同調しない人びとはみな敵であり、東京五輪に反対する者は「反日的」だと決めつけ、攻撃対象に仕立て上げるのである。


■ワクチン予約の欠陥を報じた朝日・毎日に「システムがうまくいかないようにしてやろうという悪意を持ってやった」

 もはやウンザリするほかないが、勢いづいた安倍前首相の暴言はこのあともつづく。安倍前首相といえば、自衛隊によるワクチン大規模接種センターの予約システムに欠陥が見つかったと朝日新聞出版の「AERA dot.」や毎日新聞、日経BPの「日経クロステック」が報道した際、〈朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目〉などとツイート。朝日と毎日だけを狙い撃ちした露骨な報道弾圧をおこなったが、今回の対談でもその話題を蒸し返し、「朝日新聞出版の『AERA』や毎日新聞などが架空の不正予約を行い、「システムにこんな欠陥があるぞ」と世の中に示し、批判した」と朝日と毎日を名指しした上で、こんな決めつけをおこなっている。

「極めて悪質な妨害愉快犯だと言わざるを得ません。「システムがうまくいかないようにしてやろう」という悪意を持ってやったとしか考えられません」

 政府が導入したシステムの欠陥をメディアが検証・指摘することは当然の行為であり、公共性・公益性が非常に高い。実際にこれらの報道があったからこそ予約システムの改修をおこなうと政府も表明した。にもかかわらず、またしても「極めて悪質な妨害愉快犯」と言い、「悪意を持ってやったとしか考えられません」と一方的に決めつける──。しかも、同じ内容を報じた日経は「など」扱いで、朝日と毎日だけを名指しして、だ。

 この対談では、安倍前首相がそのほかにも問題発言を連発。たとえば、安倍政権下では防衛費が膨れ上がる一方で社会保障費が削られ、その結果、この国の医療体制がいかに脆弱かがコロナによって明らかになった。にもかかわらず安倍前首相は「第二次安倍政権ができるまで、残念ながら十年間にわたって防衛費は削られ続けました。第二次政権発足から増え始め、八年連続増加しています」と成果として誇り、「さらなる防衛費の増額とスピードアップが必要になっていくでしょう」と発言。また、この国のワクチン接種状況はG7先進国のなかでもダントツの遅れをとっているが、安倍前首相は「国産ワクチンの製造で出遅れてしまったことは、七年八カ月、政権を担ってきたなかで反省点の一つです」と言うだけ。ファイザーなど海外製薬企業とワクチン供給にかんして「基本合意」などというあやふやな約束しかできず確保に出遅れたことの責任は一切無視した。

 このように、国民への説明責任から逃げ回る一方、御用メディアで東京五輪反対派やメディアに対する攻撃を煽り、反省もなく好き勝手言いたい放題になっている安倍前首相。このような知性のかけらもなく無反省な男が7年8カ月も首相を務めてきたことにはあらためて震撼せずにはいられないが、さらに恐ろしいのは「再々登板」を狙っていることだ

 この対談でも、櫻井氏が「いまどなたにお会いしても「やっぱり安倍さんにもう一度、三度目の登板をしていただきたい」と言われます」「多くの国民が「安倍ロス」に陥っています」と持ち上げると、安倍前首相は「大変光栄なことですが、それは全く考えておりません(笑)」などと返答。だが、2007年に体調不良を理由に首相を辞任したあとも当初は再登板を否定しながら、櫻井氏ら極右応援団が担いだ神輿に乗って首相に返り咲いた。こうして極右雑誌に登場し、仮想敵を派手に攻撃することで求心力を高め、再々登板に弾みをつけるという同じ茶番を再現するつもりなのはミエミエだ。

 しかし、繰り返すが、安倍前首相には森友・加計や「桜を見る会」、選挙買収事件への関与など、疑惑が山積み状態なのだ。首相を辞めたからといってそれらを有耶無耶にはできない。今後も「まだ禊は済んでいない」とツッコミを入れつづけていくしかないだろう。

野尻民夫
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コメント
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●リテラ《このような政治の私物化が疑われる事例は安倍晋三・前首相の時代から頻発している問題…安倍前首相を「継承」する菅首相も同じ》

2020年11月16日 00時00分17秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 末世を生きる辻説法/「政治家の覚悟」唯一まともなのはカットしたこの文脈だけ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280677)。
リテラの記事【新潮が報道 菅首相と「第二の森友事件」の相手とのもうひとつの疑惑 所有ビルを事務所費問題発覚後に買い取ってもらっていた】(https://lite-ra.com/2020/10/post-5686.html)。

 《この初版本には、実に立派なことが書かれている。「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、その作成を怠ったことは背信行為」 これは、当時の民主党政権の公文書管理を批判した部分である。自民党が復権し、安倍・菅コンビ内閣になると、この政権は本のタイトルを悪用した方向へ暴走し始めた。内閣の人事権を過剰に行使し、官僚の将来を人質にとった。脅かしを武器に、政権の暴走や違法行為に、彼らを巻き込んだ。とんでもない「官僚を動かせ」だった》。
 《菅義偉首相に一大スキャンダルが噴き出した。…「第二の森友事件」と銘打ち、菅首相のタニマチが公有地でぼろ儲け」「異常すぎる特別扱いの払い下げ」」について報じたからだ》。

 新書から《政治家の覚悟》を削っても、ブーメランは消えない。憎き《悪夢のような民主党政権》に対するド正論《政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為》、カッコイイ! なぜ削ったのでしょうか? 不思議だ。

   『●下野時の発言がブーメラン…「最低の官房長官」スガ殿は、
           「国民への背信行為」を自分自身で行っている
    「リテラの記事【菅官房長官が壊れ始めた! 会見で「ここは質問に
     答える場所じゃない」、自分の著書のことを「知らない」】…
     《過去には公文書の重要性を訴えていたのに、そのことすら
     記憶にない――。…菅氏は野党時代の2012年に出版した
     『政治家の覚悟』(文芸春秋)で、「政府があらゆる記録を
     克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。
     その作成を怠ったことは国民への背信行為」と記していた》 」

   『●ブーメラン…「政治家も責任を取らない結果、政府は無責任体制に
     陥り、国家運営の著しい停滞を招いた」by (当時野党)自民党アベ様
    「【[大弦小弦]安倍首相の「責任」】…。《…▼「政治家も責任を
     取らない結果、政府は無責任体制に陥り、国家運営の著しい停滞を
     招いた」。12年10月31日の衆院本会議で、当時の
     民主党政権を批判した安倍首相の言葉だ。今、ブーメランのように
     返っている。(吉川毅)》」

   『●《悪夢…民主党》総裁選では「全国で遊説することなく、国民に広く
      考えを示さず、政策論争を深めなかった」と当て擦っておきながら…
    「日刊ゲンダイの記事【菅氏「党員投票すべき」発言ブーメラン
     世襲制限も腰砕け】…《これで首相が務まるのか。2日、自民党総裁選に
     出馬表明する菅官房長官。党内からは「政策の継続性」を求める声が
     上がっているが、菅長官に継続性は期待できそうにない。過去の発言が
     “ブーメラン”となり、SNSで話題になっている。…
     〈候補者は民主党議員の顔色をうかがい、多数派工作に終始
     〈自民党が総裁を選ぶ際には、全国で遊説を行いって(原文ママ)
     国民に広く考えを示し、政策論争を深めてきました〉と
     ブログで猛批判していた》」

   『●スガ様の御著書『政治家の覚悟』から「粛々」と、こっそりと
     《「公文書の管理の重要性」を訴える記述》を削除…が意味するものは?
   『●《政治家の覚悟》をかなぐり捨てる――著書から削除・隠蔽すれば
       ブーメランが後頭部に刺さることが無いと思っているオジサン

 さて、〝箕部幹事長〟といい、元最低官房長官といい醜悪です。

   『●無《責任政党》内人事、大惨事アベ様政権・「官邸官僚」人事…
     見るに堪えないメンバーで数々の腐臭漂うアベ様案件に蓋をする気満々
   『●《半沢が箕部幹事長と対峙するシーンの長台詞は、まるで私利私欲に
     まみれた今の自民党政権に対する怒りの言葉のようだった》…現実は?
    「日刊ゲンダイの記事【半沢直樹には快哉を叫び政権支持7割
     ドラマと現実なぜ乖離】…。…【ワダアキ考 
     〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/半沢直樹と日本社会】」

   『●《「これは『半沢直樹』そのまんま」「リアル『半沢直樹』だ!」
     「箕部幹事長はやっぱり二階だったのか」》…キングメーカー気取り

 新たなスガ様案件登場。
 日刊ゲンダイの記事【菅首相の“オトモダチ”に「公有地払い下げ」の異様な経緯】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280645)によると、《「『第二の森友事件』! 『菅総理』タニマチが公有地でぼろ儲け」――。衝撃的なタイトルの記事だ。29日発売の「週刊新潮」が、菅首相のお膝元で起きていた「異常すぎる特別扱い」の土地売買を報じ、政界に激震が走っている。…2015年に神奈川県の県有地が「保育所や学生寮の設置」を条件に破格で民間業者に売却されたが、条件は守られず、転売された。情報公開請求で県の内部資料を検討すると、<経緯の異様さと、菅総理の影や形が立ち上がってくる>というのだ。横浜市保土ケ谷区の3000平方メートルほどの土地を県から購入したのは、横浜市内の「㈲成光舎」という会社の河本善鎬代表。菅首相との関係は古く、<ある県議から紹介されて市議時代の菅さんと知り合った。以来、本人も菅さんとの関係を自慢していましたから、県の政界では『菅さんの太いスポンサー』として知られた存在でした>という県政関係者のコメントが紹介されている》。
 言葉も出てきません。正に『第二の森友事件』。アベ様とやってることが同じ。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280677

中村敦夫 末世を生きる辻説法
「政治家の覚悟」唯一まともなのはカットしたこの文脈だけ
公開日:2020/10/30 06:00 更新日:2020/10/30 06:00

     (野党時代は民主党政権の公文書管理を批判していたのに…
      (C)日刊ゲンダイ)

 菅首相は2012年、後援会向けの単行本を出版したことがある。この年は民主党政権時代で、菅は野党の一議員に過ぎなかった。

 本のタイトルは、「政治家の覚悟 官僚を動かせ」であった。

 ところで、この初版本には、実に立派なことが書かれている。

政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、その作成を怠ったことは背信行為

 これは、当時の民主党政権の公文書管理を批判した部分である。

 自民党が復権し、安倍・菅コンビ内閣になると、この政権は本のタイトルを悪用した方向へ暴走し始めた。内閣の人事権を過剰に行使し、官僚の将来を人質にとった。脅かしを武器に、政権の暴走や違法行為に、彼らを巻き込んだ。とんでもない「官僚を動かせ」だった

 この悲劇の典型は、安倍夫妻と詐欺師が共謀した森友学園事件だ。公文書改ざんを強要された財務省の役人が、後に自殺する結果となった。「政治家の覚悟」とは、これでも知らぬ存ぜぬを通すことなのか。

 ところで、菅内閣は出だしの世論調査で高支持率を獲得したが、「学術会議」スキャンダルで墓穴を掘った。支持率は1カ月で、10ポイントも下落した。国民は、政権のレベルの低さに絶望したのだ。

 政権にとっては、「反知性主義者」とか、「答弁は、役人の作文を棒読み」といった評判が広がるのもまずかった。本の一冊も出して、見えを張りたかったのか。

 しかし、「不得意科目で張り切ると、大やけどする」と俗に言う通り、この再版本は、菅首相の汚点を拡大することになった。

 新書版のタイトルは「政治家の覚悟」に短縮し、「官僚を動かせ」はカット。新たに最近のインタビューなどをつけ足した。

 ところが、びっくり、「議事録の作成を怠ったことは背信行為」という一連の文章は、奇麗サッパリ消えてしまった

 おそらく、この本で唯一まともなのは、ここの文脈だけではなかったろうか。よほど森友事件の公文書改ざんを掘り返されたくなかったのだと思われる。

 しかし、都合の悪い部分だけをカットするのは、省略ではなく、悪意に満ちた改ざんと同じだ。何かを隠そうとすると、嘘と小細工が次々と重なっていく。

 こざかしい人格を、国のトップにいただく国民は、とても幸せとは言えない。
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https://lite-ra.com/2020/10/post-5686.html

新潮が報道 菅首相と「第二の森友事件」の相手とのもうひとつの疑惑 所有ビルを事務所費問題発覚後に買い取ってもらっていた
2020.10.29 11:21

    (自由民主党公式サイトより)

 菅義偉首相に一大スキャンダルが噴き出した。本日発売の「週刊新潮」(新潮社)が、「第二の森友事件」と銘打ち、菅首相のタニマチが公有地でぼろ儲け」「異常すぎる特別扱いの払い下げ」」について報じたからだ。

 記事によると、菅首相が横浜市議会議員時代から付き合いがあるとされる河本善鎬氏が代表を務める「(有)成光舎」は、2015年に神奈川県横浜市保土ケ谷区にある県有地を購入。しかし、この公有地取引は非常に不可解なものだった。

 そもそも、この土地は2013年秋に一般競争入札がおこなわれる予定だったというが、問題の土地の隣接地権者だった同社は同年6月に「保育所と学生寮を併設した施設整備」を理由に土地取得に名乗りをあげた。だが、同社はパチンコホールの経営が主な業務で、保育所を設置できるの「能力や意欲があったかどうか疑問」を持たざるを得なかったという。にもかかわらず、神奈川県はわざわざ“横浜市長からの副申書(参考意見)が必要”などとアドバイス。さらに、実際に林文子・横浜市長は保育所整備が理由であることを挙げて黒岩祐治知事宛てに副申書を提出。これによって同年9月に県は同社と随意契約で売却する方針を固めたというのだ。ちなみに林市長といえば、2009年に民主党の推薦を受けて市長選に初当選を果たした人物ではあるが、菅氏にあっさり取り込まれ菅氏の操り人形」「菅氏の直系と呼ばれてきた人物だ。

 だが、土地取引はさらに怪しさを増してゆく。県は不動産鑑定をもとに売却額を約4億5700万円と決定したのだが、河本代表はこの額に納得せず、「3億円台の半ばくらい」ではないのかと反論。これを受けて県側は一般競争入札に切り替える意思を見せ、河本氏が訴訟をちらつかせても再鑑定には応じない姿勢をとっていたという。

 ところが、その後、県の姿勢は一変。2014年5月に再鑑定の実施を河本氏に伝え、さらに2015年1月には当初の評価額よりも約7000万円も安い約3億8800万円で成光舎に売却をおこなうのだ。しかも、驚くことに同社は売却された当日にこの土地を関連会社に転売。転売禁止の条件を反故にする明確な契約違反だが、県は「保育所建設は困難」という同社の言い分をそのまま認め、用途指定を解除。2016年8月に同社の関連会社は住宅メーカーに売却してしまうのだ。河本氏がこの土地を「5億円台半ばで売りに出していた」という証言もあるが、それが事実なら、約2億円近くを儲けたことになる

 まさに驚くような展開だが、問題は、一時は県も一般競争入札さえ辞さない構えだったというに、再鑑定に応じ、しかも当初評価額よりも低く売却したことだ。一体、この間に何があったのか。「週刊新潮」が入手した県の内部文書には、県との交渉における河本氏のこんな発言が記されていたという。

「対応によっては、知事、副知事、菅官房長官へ話しに行く」(2014年1月21日)
「いろいろとしっかり頼みますよ。納得がいかなければ、知事、副知事にも、官房長官にも行きますから」(2014年2月25日)

 森友学園問題では籠池泰典氏が近畿財務局の職員に昭恵氏との写真を見せた2014年4月28日以降、明らかに交渉の潮目が変わったが、この土地取引でも同じように「菅官房長官」の名によって神風が吹いたのではないのか──。そう考えずにはいられないだろう。

 というのも、河本氏と菅首相は知り合い」「支援者の関係を超えたものだからだ。


神奈川県との交渉記録に「対応によっては、知事、副知事、菅官房長官へ話しに行く」との記述も

 「週刊新潮」によると、河本氏は菅首相が国政で初当選を果たした1996年から2007年までのあいだに、「成光舎」名義で菅首相の関係政治団体に合計342万5000円もの献金をおこなってきたというが、深い関係を示すのはそれだけではない。

 第一次安倍政権では、伊吹文明文科相や松岡利勝農相、中川昭一・自民党政調会長(いずれも当時)らといった重要閣僚や党役員による「事務所費」問題が吹き荒れたが、2007年8月には、よりにもよって政治資金規正法を所管する総務相だった菅氏にも同様の問題が発覚。菅氏が代表を務める自民党神奈川県第2選挙区支部と政治団体「菅義偉後援会」は、菅氏が2004年末に5690万円で購入した所有ビルに「主たる事務所」を置いていたというのに、2005年分の政治資金収支報告書には計1956万円あまりもの事務所費を計上していたのだ。

 政治資金規正法の施行規則では、事務所費は家賃や電話代、切手代などといった事務所の維持に通常必要とされる費用を計上することになっている。そして、1956万円のうち家賃は405万円。つまり、菅首相は政治資金を悪用し、私的な資産形成をおこなっていた、というわけだ。

 この問題が発覚したことにより、すでに菅氏は安倍首相から総務相から官房長官への横滑り人事が伝えられていたものの内閣改造では立ち消えとなり、官房長官は与謝野馨氏に。菅氏は閣僚の座から降ろされてしまった。

 この事務所費問題は当時の菅氏にとって相当の痛手となったが、重要なのはここから。じつは、菅首相は問題となった自分が所有していたビルを、事務所費問題報道の3カ月後に「成光舎」に売却。さらに、翌2008年に菅首相は事務所を他のビルに移したが、それも河本氏の関連会社が所有するビルだったというのだ。

 所有者を変えたところで菅首相の不適切な事務所費問題がなくなりはしないが、問題追及を塞ぐために登場した人物が河本氏だったということは、菅首相との結びつきの深さを物語っているだろう。しかも、河本氏側が所有するビルに事務所を移したということは、河本氏側は「大家」であり、事務所費を支払う金銭のやりとりもあったということだ。だが、その大家と店子という関係は2011年に解消される。というのも、同年3月11日付の朝日新聞朝刊が当時の菅直人首相が在日韓国人から104万円の献金を受け取っていたと報道。政治資金規正法は外国人からの寄付を禁じているが、この献金をおこなっていた人物が河本氏だったのだ。ご存じのとおり、この報道があった午後に東日本大震災が発生したこともあり、菅直人氏の献金問題は大きな話題とはならなかったが、「週刊新潮」によると、同年9月に菅義偉首相は別のオーナーのビルに移ったという。

 しかし、2013年にはじまった土地取引の問題を考えれば、昵懇の関係はずっとつづいていたのだろう。今回、「週刊新潮」が入手した神奈川県の内部文書の記述や土地取引の経緯を見れば、県側の対応は異例なものと言わざるを得ない。しかも、そこでは菅官房長官の名前まで飛び出していたのだ。神奈川県知事の黒岩氏は菅氏の子飼いであり、これだけこじれた河本氏との土地取引の問題が、菅氏の耳に入っていないなどということは考えにくい。


■問題だらけの「GoToイート」で予約件数2.7倍の「ぐるなび」創業者も菅首相のパトロン

 まさしく森友学園を彷彿とさせる、菅首相と「パトロン」である河本氏の関係、そして公有地売却をめぐるこの問題。──だが、菅首相の「パトロン」との関係にスポットがあたったのは、これがはじめてではない。

 本サイトでもお伝えしてきたが、菅首相が官房長官時代から主導して進めている「GoToイート」キャンペーンをめぐっても、「GoToイート」事業に参加しているグルメサイト経営者が菅首相の有力なパトロン・後援者といわれている。それは「ぐるなび」の創業者で現会長の滝久雄氏だ。

 「GoToイート」事業には、事務委託費として最大469億円、オンライン部門には約61億円が投じられており、事業者の企画競争入札には18社が応募し、13社が選ばれている。「ぐるなび」はその13社のなかでも高額の委託費が配分されているとみられている。

 だが、その「ぐるなび」の滝会長は古くから菅首相の有力なパトロンといわれており、実際、菅氏が初当選した1996年から2012年にかけて、滝氏が会長を務める電車の中吊りなどを扱う広告代理店「NKB」や同社の子会社が、菅氏の政治団体に多額の寄付をおこなってきた。「週刊文春」(文藝春秋)9月24日号は菅首相と滝会長の関係について「菅氏が困った時に頼るのが滝氏」という証言を掲載している。

 しかも、菅首相と滝会長の関係は、寄付だけにとどまらない。なんと、菅氏は滝会長に、あの政権御用ジャーナリスト・山口敬之氏への資金援助まで頼んでいたという疑惑が報じられている。

 周知のように、山口氏は伊藤詩織さんへの性暴力事件で告発を受け、逮捕状が出されるも、当時の警視庁刑事部長・中村格氏(現・警察庁次長)によって直前でストップがかけられ、事件が握りつぶされてしまったことが明らかになっている。この中村氏は菅氏の秘書官も務めていた最側近の警察官僚で、逮捕状ストップも菅氏の意向があったのではないかといわれている。

 ところが、その山口氏に対して、菅首相と親しい「ぐるなび」滝会長の経営する広告代理店「NKB」が「顧問料月額42万円」や「交通費その他の経費」等を支払っていたことが明らかになっているのだ。


■菅首相パトロンの「ぐるなび」創業者に安倍御用ジャーナリスト・山口敬之氏への資金援助も依頼

 この問題を最初に報じたのは、「週刊新潮」2019年7月18日号。同誌には、山口氏はTBSを退社したあとの2016年11月に「NKB」の子会社と顧問契約を結んでいた事実、そして広告代理店関係者のこんな証言が掲載されている。

「この滝会長と菅さんが仲良しなんです。山口がTBSを辞めた後に、菅さんが”山口にカネを払ってやってくれないか”と滝会長に依頼したそうです。具体的には月42万円で、実際に払っているのは横浜にあるNKBの子会社。本体の方が業績がよくないので、そうなったということですが、子会社の経営陣は不満を抱えていたようです。“会社と何の関係もない山口に、ちゃんとした人を一人雇える額をなんで払わなきゃいけないのか”と」

 さらに、この関係者は、山口氏は滝会長の子会社に一度も出社したことがなく、「週刊新潮」が2017年5月に伊藤詩織さんへの準強姦疑惑の告発記事を出すと支払いを止めたことから、山口氏との顧問契約は「どうしても断れない特別な案件だったからと考えるのが自然」とも述べている。

 一方、「週刊新潮」は滝会長への“山口氏支援の依頼”にかんして菅氏を直撃しているが、言葉少なに関与を否定するだけで、「それ以上は言えない」などと、事実上、説明を拒絶したという。

 いずれにしても、菅首相と「ぐるなび」の滝会長がかなり昵懇な関係にあり、これまで菅首相がさまざまな協力・支援を受けてきたことは疑いようがない。「ぐるなび」は昨日28日、2021年3月期の連結最終損益が95億円の赤字になりそうだと発表したが、その一方で「GoToイート」により10月のネット予約件数は前年同月と比べて2.7倍に増えたという(10月23日までの実績)。「GoToイート」のポイント還元事業は大手グルメサイトを通さなければいけない制度になっており、「飲食店支援ではなくグルメサイト支援になっているのでは」と批判が起こっているが、こうした制度設計になったことと、菅首相と「ぐるなび」の親密な関係は影響していないのか

 このような政治の私物化が疑われる事例は安倍晋三・前首相の時代から頻発している問題ではあるが、今回の「週刊新潮」のスクープを見れば、安倍前首相を「継承」する菅首相も同じなのではないかと疑わざるを得ない。だが、両者には大きく異なる点があるだろう。

 安倍前首相の場合は「腹心の友」である加計孝太郎氏や、自身の熱狂的な支持者であり、かつ同じ極右思想の持ち主で妻・昭恵氏が校長を引き受けるなどの関係があった籠池氏など、縁故や思想によって政治を私物化していた。対して菅首相の場合は、その関係性以上に「金」の匂いがつきまとっている、ということだ。

 菅首相をめぐって今回あきらかになった不透明かつ不可解な公有地取引の問題は氷山の一角にすぎず、今後、このような「金」が絡んだスキャンダルがどんどん出てくることになるのか。注視したいところだ。

(編集部)
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●中村敦夫さん《「反知性主義」…知識や教養、思考力の欠如。調査やデータの軽視。事実の隠蔽と改ざん。…わが国の内閣の面々》

2020年05月09日 00時00分45秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議/阿呆の出る幕なし “反知性主義”のポピュリスト政治家たち】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268888)。

 《「反知性主義」という言葉があちこちで使われておる。学術用語でもないし、辞書にもない。「一体これは何なのか」と、閻魔堂会議の話題になった。結論。どうやら、ポピュリスト政治家たちを、揶揄する表現のようだ。彼らに共通しているのは、知識や教養、思考力の欠如調査やデータの軽視事実の隠蔽と改ざん依怙贔屓とエゴイズム嘘言癖人種差別女性蔑視こうしてみると、わが国の内閣の面々が、そのままスッポリ入っちまうような気もするな。もっとも日本の場合は「漢字が読めない」とかも共通しとるがの。》


   『●中村敦夫さん、《経済的に弱い地域が犠牲になって危険を
             引き受ける構図は、原発も基地も同じだ》
    「《権力にへたへた》しない中村敦夫さん、「経済的に弱い地域が
     犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ
     と訴えたそうだ。《経済的に弱い地域》、そして、外国人労働者の
     ような弱い立場の人々への押し付け。」

 中村敦夫さんの仰る通り、《「反知性主義」…知識や教養、思考力の欠如。調査やデータの軽視。事実の隠蔽と改ざん。依怙贔屓とエゴイズム。嘘言癖。人種差別。女性蔑視。わが国の内閣の面々》…本当にそうです。
 番犬様の本国も含めて、《そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候》…。与党自公や癒着党お維を直接的に支持し、選挙にもいかない眠り猫な皆さんは独裁政権を間接的に支持。未だ内閣支持率が4割程度ときている。そういう悲惨な状況を生み出した元凶は、アベ様による《メディアコントロール》、アベ様の〝唯一上手く行っている〟「政」

   『●「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を
            造りたい強権的政治手法好きな二人
    「『日本の反知性主義』は内田樹が依頼した9人と内田自身に
     よる論考からなる評論集だ。9人の顔ぶれはさまざま。
     作家の赤坂真理や高橋源一郎もいれば、精神科医の
     名越康文や映画作家の想田和弘もいる。最年長は
     哲学者の鷲田清一で、最年少は政治学者の白井聡。
     つまり、いろんな人がいろんな立場で反知性主義について考える」

   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた: アベ様達と何を
                協議したのか「内情」をどう検証?
    《問題の閣議決定は安倍首相が設置した有識者懇談会の報告書を受けて、
     与党の幹部が横畠裕介内閣法制局長官と非公式協議を重ねた上で、
     与党協議会において文言が練られた。その議事録がないとは、
     反知性主義政権の正体をむき出しにするものだ》

   『●『超・反知性主義入門』の小田嶋隆さんインタビュー、
            「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」
    《反知性主義という言葉が流行している。立憲主義を否定し、
     学者の声も黙殺した安倍首相に対して向けられたもの……
     そこで話題なのが「超・反知性主義入門」(日経BP)の
     著者・小田嶋隆氏(58)だ。反知性主義なのは野蛮政権のトップ
     だけではないそういう政権を選んだ国民にも危険な兆候
     広がりつつあるという》
    「アベ様らだけが「反知性主義」者ではなく、《そういう政権を
     選んだ国民にも危険な兆候》を見てとる小田嶋隆さん。
     青木理さんや内田樹さんが仰っていることも、
     そういうことなのかもしれない」
    《ユネスコの記憶遺産に南京大虐殺が登録された時、菅官房長官は
     分担金を減らすことを示唆しました。驚天動地の発言で、昔だったら
     クビが飛んでいると思う。虐殺した数についての議論はあってしかるべき
     だが、虐殺の事実そのものを否定したり、分担金を減らしてユネスコに
     圧力をかけるのは別次元の話でしょう。しかし、菅官房長官がああ言うのは、
     国民の方に『ユネスコはケシカラン』という応援の声があるのを感じたから
     だと思う。ああいう発言ができちゃう空気が、すでに存在しているんですよ》

   『●「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」の行きついた先
                 …「平成の治安維持法」が衆院を突破

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268888

中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議
阿呆の出る幕なし “反知性主義”のポピュリスト政治家たち
2020/02/11 06:00

     (トランプ大統領(C)ロイター)

 「反知性主義」という言葉があちこちで使われておる。学術用語でもないし、辞書にもない。「一体これは何なのか」と、閻魔堂会議の話題になった。

 結論。どうやら、ポピュリスト政治家たちを、揶揄する表現のようだ。彼らに共通しているのは、知識や教養、思考力の欠如。調査やデータの軽視。事実の隠蔽と改ざん。依怙贔屓とエゴイズム。嘘言癖。人種差別。女性蔑視。こうしてみると、わが国の内閣の面々が、そのままスッポリ入っちまうような気もするな。もっとも日本の場合は「漢字が読めない」とかも共通しとるがの。

 反知性主義者の厄介な点は、選挙で多数を取れば、何をしても許されると勘違いしていることじゃ。これがOKなら、議会などいらないことになる。アホノミクスが延命してきたのは、国会の議論から逃げ出しマスコミも世論も深追いしなかったからじゃ。

 さて、これがアメリカともなるとスケールが全然違う。なにせ、大統領をやっておるのが、反知性主義の世界チャンピオンみたいな男じゃ。

 この男は、本来の意味での政治家ですらない。どこから見ても、怪しげなカジノ経営者であり、脱税と脅迫で財を築いた不動産業者だ。

 政治家は「交渉」によってものごとを決めるが、この男は「取引(DEAL)」する。勝ち負けと損得だけが価値観で、地上げ業者のやり口を政治に持ち込んだ

 その究極の手段が「殺人」ときた。アメリカ大統領の指示で、イラン軍司令官が殺害された。国際社会では、前代未聞の蛮行じゃ。自分が気に入らなければ、他国の高官を殺してもよいのか?

 仏教は殺生を禁じておる。殺すことで何かを解決するなんぞは、閻魔様が絶対にお許しにならぬ。

 イランは今のところ、ペルシャ帝国のプライドを胸に秘め、大統領選で不動産屋が落選するのを待っている。その結果次第で、報復の形が変わるじゃろう。

 一方、国とは別に、中東は強烈な血族社会である。一族の誰かの名誉が傷つけられたら、7代後の子孫まで、復讐を誓うと聞いたことがある。なんとも物騒な話じゃ。

 今や、イラン国内も分裂気味になってきた。

 金髪薄毛の不動産屋は、イランの反政府デモを外から煽り、事態を悪化させようと騒ぎ立てている。やることなすこと、行き当たりばったりじゃ。

 ここは、「反知性主義」など、出る幕ではない。

(筆者は2016年に出家得度)
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●『超・反知性主義入門』の小田嶋隆さんインタビュー、「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」

2015年11月16日 00時00分05秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【コラムニスト小田嶋隆氏 「言論弾圧は自主規制から始まる」】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168014)。

 《反知性主義という言葉が流行している。立憲主義を否定し、学者の声も黙殺した安倍首相に対して向けられたもの……そこで話題なのが「超・反知性主義入門」(日経BP)の著者・小田嶋隆氏(58)だ。反知性主義なのは野蛮政権のトップだけではないそういう政権を選んだ国民にも危険な兆候が広がりつつあるという》。

 アベ様らだけが「反知性主義」者ではなく、《そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候》を見てとる小田嶋隆さん。青木理さんや内田樹さんが仰っていることも、そういうことなのかもしれない。

   『●『「非国民」のすすめ』読了(3/6)
    「「小泉首相をはじめ、与党議員の態度や物言いが、
     どうにも我慢できない・・・薄ら笑いを浮かべながら、
     木で鼻をくくった不誠実極まりない回答だけを繰り返してくる」。
     同感。「私語に雑談、薄笑い。汚い野次」。
     「人々の知性を破壊」する「反知性主義」、
     「それを許したのは誰あろう、私たち自身(※6※7)なのである」」

   『●「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を
            造りたい強権的政治手法好きな二人
    「…う ん ざ り。「反知性主義者たちが「反日」といって
     思考停止してしまうように安倍晋三やその支持者たちを
     反知性主義者だと非難するだけでは思考停止してしまう
     ことは分かっているのだけれども…。
      青木理さんも仰ってます、
     「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している
      高橋源一郎想田和弘小田嶋隆は、反知性主義に
     ついて語ることのむずかしさを指摘している」

   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた: 
      アベ様達と何を協議したのか「内情」をどう検証?
    「《…その議事録がないとは、反知性主義政権の正体を
     むき出しにするものだ》。
      2014年7月1日「7・1クーデター」、その議事録さえ
     ないそうです。歴史の検証もすることが出来ない
     「7・1クーデター」。 反知性的タカ派なアベ王様による
     独裁政治……アベ王国国王様の「人治主義国家
     「「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」…
     …アベ様達からして
」」


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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168014

 反知性主義という言葉が流行している。立憲主義を否定し、学者の声も黙殺した安倍首相に対して向けられたもので、社会学者の上野千鶴子・東大名誉教授は「立憲主義の危機だけではない。知性の危機、学問の危機、大学の危機だ」と訴えた。そこで話題なのが「超・反知性主義入門」(日経BP)の著者・小田嶋隆氏(58)だ。反知性主義なのは野蛮政権のトップだけではない。そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候が広がりつつあるという。


――この本は小田嶋さんの連載コラムをまとめられたものですが、もうバサバサというか、日本人の反知性主義が「これでもか」と出てきますね。生贄を求める社会、絆思考の危うさ、言論の自殺幇助……。世の中、全体が思考停止というか、反知性主義に毒されたというか。

 言論の自殺幇助でいえば言論弾圧って、憲兵がやってきて、言論の自由を掲げる闘士をしょっぴくみたいなイメージがあるじゃないですか。でも、実際は違って、公安や警察が直接手を出すことなんてまずあり得ない戦前もそうだったけど、自主規制なんですよ。このテーマを書くと編集長がいい顔しないよ、読者の抗議はがきが殺到するよって。こんなふうに外側からやんわりと圧力がかかって書きにくくなる。ある種、言論に対する民意が言論の自殺幇助になる。


――本の中には戦前の息苦しさを描いた「言論抑圧」(中公新書・将基面貴巳著)の引用が出てきます。〈いかなる官憲も、軍人も、私自身に向かって、この原稿が悪いとか、こういうことを書くなと命じ、または話してくれたこともない。すべてが雑誌記者もしくは新聞記者を通じての間接射撃であった〉という馬場恒吾氏の言葉です。この間接射撃をしている主体は国民なんですね?

 戦前の言論弾圧だって、そんなことを言うのは非国民だ、お国のためにならない、許すなって、そういう民衆がたくさんいたと思うし、今がまた、同じような社会になっていると思います。


――よく安倍政権の言論弾圧が話題になるけど、それをやらせているのは、国民であると?

 ユネスコの記憶遺産に南京大虐殺が登録された時、菅官房長官は分担金を減らすことを示唆しました。驚天動地の発言で、昔だったらクビが飛んでいると思う。虐殺した数についての議論はあってしかるべきだが、虐殺の事実そのものを否定したり、分担金を減らしてユネスコに圧力をかけるのは別次元の話でしょう。しかし、菅官房長官がああ言うのは、国民の方に『ユネスコはケシカラン』という応援の声があるのを感じたからだと思う。ああいう発言ができちゃう空気が、すでに存在しているんですよ。


■「政治家はタカをくくっているんです」

――戦前の「欲しがりません」みたいな国策標語も、むしろ民衆が率先したような気がします。

 標語にあおられて戦争が泥沼化したのではなく、民衆にこびるような標語が作られた。順序として国民の熱狂の方が先だったように思います。


――五輪招致の時も、賛成しないと「なんで水をかけるんだという空気がある」と言われてましたね。

 五輪招致に賛成ではないという国民が2、3割はいるんじゃないですか? でも少数派の意見は控えろみたいな。こういうのが言論の不自由の最初の兆候です。会議は全員一致、会社は全社一丸。これがよき社会の在り方であると。シラけるような行動はやめなさいって。


――そういうところ、本当にありますね。

 最初は招致活動に反対だったのが、始まっちゃうと、やるんだったら勝ちたいよね、となる。招致に成功すると、決まった以上、みんなで頑張ろうねとなる。戦争もそうなんです。誰も戦争なんかしたくないけど、始まったら、戦争反対の声はかき消されて、国策標語の世界になる


――危ない国民性ですね。

 だから、政治家はタカをくくっているんですよ。反対運動が多くても断固として信念を貫き通せば、日本人の場合、賛成に転じると思っている。安保法制もそうだと思います。


――お上のやっていることだから、しょうがねえかと?

 主体性がないんです。サラリーマンもそうです。これはおかしいと思って会社批判をしながら、しかし、最後は社の方針だからとかいって、黙ってしまう。理屈じゃなくて、最後は「だっておまえ、日本人だろ」「だって、同じ社員だろ」ってのが殺し文句みたいになる。


――集団になると、理性的な判断を棚上げしてしまうんですかね?

 日本人は集団になると変わってしまう。揃いのユニホームとか着ると、2割くらい下品になるじゃないですか。祭りの法被、慰安旅行での浴衣。そういうの着ると、途端に乱暴になったりするでしょう。個々の日本人は普段、控えめで温かいのに、チームになると、とても残酷になったりする。これがスポーツ観戦ならいいんです。あれはチケット買って、選手と同じユニホームを着て、人工的な一体感を買うゲームのようなもので、2時間くらいすれば覚めるから。しかし、この残酷さが社会の中で出てくると怖いと思う。お国のための一体感、陶酔感で、人が変わってしまった国民が、非国民探しを始めたりするんです。


――みんなで生贄を求めるような社会風潮も気になりますね。これも反知性主義として、ご本で取り上げられている。

 端的なのは佐野研二郎氏叩きですね。彼の仕事の中に、若干、コピペ、パクリを疑われる事例があったことは事実ですが、膨大な仕事の中から、疑わしいものを拾い集め、叩く。擁護すると「グルか?」となる。この先、新しいエンブレムができても、ネット検閲のゲシュタポが出てくると思いますよ。


■助け合う社会が美しいという勘違い

――お話を聞いていると、集団になると人が変わって残酷化する日本人と安倍政権の組み合わせが怖くなります。くしくも、この政権は個を否定しようとしている。1億総活躍とかいって、個人の利益よりも公共の利益を押し出そうとしている。それに対して、国民は反発するかと思ったら、のほほんとしている。
 国民の側も、自分たちが独立した個であることをそんなに望んでいないじゃないですか。歴史を振り返ってみても日本人ってそうでしょう。


――お上の言うことを聞いて、付和雷同の方が楽だから?

 戦後民主主義は人間が個人として尊重されるべきであり、それはいいことであると。アメリカから輸入した憲法にそう書かれていて、それをうのみにして信じてきた人は多いけど、そうした考え方は、日本の伝統を分断する悪の思想だと思っている人も決して少なくないと思います。


――最近はそういう人が増えてきた。あるいは目立つようになってきた。そこに安倍政権が登場して、個よりも国家を押し出している。

 キッカケは景気が悪くなったことでしょうね。景気がいい時は個だとか公だとか、どっちを優先すべきかなんて考えない。どういう原則で国が動こうが、おおむねうまくいっていればOKになる。しかし、20年、30年と不況が続くと、何がいけないんだろう? と考える。もしかしたら個人主義が国をむしばんでいるんじゃないか。そう思う人が出てくる。1億総活躍という言葉は「活躍」じゃなくて、「総」に力点が置かれている。1億人が一塊になるべきだという思想ですよね。私は活躍も嫌だけど、1億って言葉の方がもっと嫌です。その下にどんなすてきな言葉が入ろうが絶対に嫌ですが、そうじゃない人々が安倍さんの「日本を取り戻す」という考え方に変なところで呼応しているように感じます。


――「ALWAYS三丁目の夕日」の世界? みんなで助け合って頑張れば、もう一度、高度成長時代が来るって妄想?

 安倍さんは新著で、あの時代の日本は貧しかったけど人々のつながりがあったと書いていますが、この人は何も知らないなと思いました。あの時代、貧乏だから、助け合わなければ社会が回らなかった。相互扶助を本来の地域社会の美しい姿だというのは違いますよ。助け合わないのが悪いんじゃなくて、困れば、みんな助け合います。干渉しないで生きていけるようになったんだから、それはそれでいいんです。しかし、個人の利益よりも公の助け合いを強調すれば、息苦しい社会になる。町の治安を守るために隣組が監視するようになる。みんなと違う意見を言う人は黙れと言われる。そんな社会のどこがいいのかと思います。


▽おだじま・たかし 1956年生まれ、58歳。小石川高校から早大教育学部卒。ネトウヨを恐れない辛口コラムニストとして大活躍中
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●「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を造りたい強権的政治手法好きな二人

2015年04月30日 00時00分08秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【ウリ二つ独裁者 安倍晋三と橋下徹 安倍首相と橋下市長「大衆は愚か」という“上から目線”も酷似】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158867)。
asahi.comの書評【日本の反知性主義 [編]内田樹】(http://book.asahi.com/reviews/column/2015041400001.html?iref=comtop_fbox_d2_05)。

 「つまり、選挙に勝つためならどんな嘘でも平気でつくというインチキぶりにおいて、橋下と安倍は似ているのだ・・・・・・強権的政治手法で自分への批判を許さない安倍と橋下。2人の独裁者は今や自由と民主主義の敵でしかない」。
 「主権在アベ様」と「俺様大好き元大阪「ト」知事」という似た者同士・同志、独裁者ぶり、「自由と民主主義の敵」。「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を作りたくてしょうがないお二人の権力者・・・・・・う ん ざ り。「反知性主義者たちが「反日」といって思考停止してしまうように安倍晋三やその支持者たちを反知性主義者だと非難するだけでは思考停止してしまう」ことは分かっているのだけれども・・・・・・。
 「大阪市をバラバラにはしません」「大阪市は潰しません」「敬老パスはなくしません」って、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」とどこか似ていませんか? おまけに「上から目線」。

   『●思い込みの激しい老人: 大阪元〝ト〟知事に
                 「歴史に関しての無知」だってさ!

   『●「証拠が出てくれば反省しなければならない」のだから
                          反省してください

   『●無節操の図: 橋下元大阪〝ト〟知事も十分に〝ト〟、
                   そして自民党も同じ穴のムジナ

   『●「誤解」だったの?? 弁護士らしからぬ言動で、身から出た錆
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場
   『●掲げてもいない脱原発の看板を下ろす:
          今に始まったことではないし、驚きもしないが・・・

   『●タヌキ(関西電力)とキツネ(橋下徹氏)の汚れたケンカ
   『●『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を
               持つ人達は反省してくれるでしょうか?


   『●「法令に基づいて粛々と対応する」「法治国家」ニッポンならば
                   辺野古破壊を直ぐに停止すべき

   『●この現実を見ても、アベ様と菅官房長官は
        「汚染水の『影響』は完全にブロック」と言うのか?

   『●アベ様の周りには忠実なシモベばかり・・・
       辺野古破壊「続行を」、「強硬論次々」だそうです

   『●アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること・・・
        「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」

   『●「日本最大の右派組織とされる「日本会議」」:
        「ネジレ」を取り戻すためのステップを阻むもの

   『●「小さく産んで大きく育てる」:
       「環境権」で小さく産み、「九条壊憲」へと大きく育てる

   『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない! 
                「私は辞める」なんて考える訳がない!!
   『●「政治の堕落」: 上から目線で「力のある者が、
       自分の意を通すだけの政治なら、民主制など空虚な看板」

   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
                 許されないというのが安倍政権の立場」

   『●「過去への眼差し」無きアベ様、
        「ああ、安倍談話さえなかったら!」を心配する

   『●類は「ト」を呼ぶ、朱に交われば「ア」になる
         ~三原じゅん子議員「八紘一宇」予算委発言~

   『●メルケル独首相のニッポン右傾化への牽制発言は
         「三原議員の耳にはナ~ンも届いていなかった」

   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派」的・独善的
               首相戦後七十年談話など、全く不要


 「いま時代を読み解くキーワードは「反知性主義」だ。なぜネトウヨ的なことばが蔓延するのか。なぜ安倍晋三が首相なのか。こうした素朴な疑問は、反知性主義について考えることで解ける・・・・・・反知性主義に陥らないためにはどうすればいいのか。想田和弘の文章が参考になる。映画作家の想田はドキュメント番組の製作で、効率と予定調和を求められる現実に直面する。試行錯誤をすべてムダと考え、あらかじめ決めた結論に向けて一直線に進んでいく思考。それが反知性主義だ」。
 青木理さんも仰ってます、「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」。

   『●続・「首相はくず」とは言っていないけれど、
       「息吐く様に嘘つく」「ネット右翼の書き込みと大差なし」

   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」
                    ・・・・・・アベ様達からして?


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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158867

ウリ二つ独裁者 安倍晋三橋下徹
安倍首相と橋下市長「大衆は愚か」という“上から目線”も酷似
2015年4月11日

     (安倍首相(右)と橋下大阪市長(C)日刊ゲンダイ)

 大阪都構想を巡り論戦が行われている大阪府議、市議選で話題になっているチラシがある。2011年の大阪府知事、市長のダブル選で大阪維新の会が配布した「維新の挑戦」と書かれたものだ。ここには「大阪市をバラバラにはしません」「大阪市は潰しません」「敬老パスはなくしません」などと書かれているのだが、今、維新は大阪市を解体し、再編する大阪都構想の信認を得ようとしている。

 橋下市政は、70歳以上の大阪市民が地下鉄とバスを無料で利用できた「敬老パス」もいつのまにか有料化にし、まったく別の制度にしてしまった。

 自民党の大阪市議は「橋下(徹大阪市長)は嘘つきだと証明するものだ」と威勢がいいが、自民党だって嘘つきぶりでは負けていない。

 昨年10月、安倍晋三首相は衆院本会議で「いわゆる移民政策を取ることは考えていない」と答弁したが、新成長戦略に外国人労働者の受け入れ制度拡充が盛り込まれることが明らかになった。この新成長戦略は竹中平蔵 パソナ会長も委員を務めている産業競争力会議で取りまとめられる。

 12年12月の衆院選ではTPPについて「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対する」としていたが、その約3カ月後には交渉参加を表明。

 つまり、選挙に勝つためならどんな嘘でも平気でつくというインチキぶりにおいて、橋下と安倍は似ているのだ。

 野党時代、無役だった安倍は大阪で講演し、民主党を批判してこう言ったことがある。

    「マニフェストの訳は嘘ですよ

 これが自分へ振り返ってくる批判への予防線だったのか。

 かと思うと、橋下は「フワッとした民意に支えられている」とよく言う。フワッとした民意とはつまり有権者は意見がない、何となくしか考えられないという意味ではないか。その根底には「大衆は愚か」という上から目線が見え隠れする。

 有権者をここまで愚弄できるからこそ、独裁的政治手法に何の痛痒も感じないのであろう。強権的政治手法で自分への批判を許さない安倍と橋下。2人の独裁者は今や自由と民主主義の敵でしかない。

(敬称略=おわり)
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http://book.asahi.com/reviews/column/2015041400001.html?iref=comtop_fbox_d2_05

日本の反知性主義 [編]内田樹
[文]永江朗  [掲載]2015年04月17日

     (著者:内田樹、赤坂真理、小田嶋隆白井聡想田和弘
      高橋源一郎、仲野徹、名越康文、平川克美、鷲田清一 
      出版社:晶文社 価格:¥ 1,728)

■反知性主義に抗する方法

 いま時代を読み解くキーワードは「反知性主義」だ。なぜネトウヨ的なことばが蔓延するのかなぜ安倍晋三が首相なのか。こうした素朴な疑問は、反知性主義について考えることで解ける。

 『日本の反知性主義』は内田樹が依頼した9人と内田自身による論考からなる評論集だ。9人の顔ぶれはさまざま。作家の赤坂真理や高橋源一郎もいれば、精神科医の名越康文や映画作家の想田和弘もいる。最年長は哲学者の鷲田清一で、最年少は政治学者の白井聡。つまり、いろんな人がいろんな立場で反知性主義について考える。

 反知性主義は、たんなる無知や無教養とは違う。もっと積極的なもので、知性に対する反発いや攻撃的態度だ。反知性主義的な人はそれなりに知識も教養もある。だけど彼らは「考える」ということをしない。とくに「自分で考える」ということを。

 高橋源一郎や想田和弘、小田嶋隆は、反知性主義について語ることのむずかしさを指摘している。誰かに反知性主義者の烙印を押すことは、反知性主義者たちが別の誰かを「反日」「売国奴」「サヨク」と呼ぶことと同じだからだ。反知性主義者たちが「反日」といって思考停止してしまうように安倍晋三やその支持者たちを反知性主義者だと非難するだけでは思考停止してしまう。内田は『アメリカの反知性主義』の著者、ホーフスタッターの言葉を引いて言う。「知識人自身がしばしば最悪の反知性主義者としてふるまう」と。

 反知性主義に陥らないためにはどうすればいいのか。想田和弘の文章が参考になる。映画作家の想田はドキュメント番組の製作で、効率と予定調和を求められる現実に直面する。試行錯誤をすべてムダと考え、あらかじめ決めた結論に向けて一直線に進んでいく思考。それが反知性主義だ。

 反知性主義に抗するためには、ああでもなくこうでもなくと考え続け、辛抱強く悩み、思い、迷い続けていくしかない
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