Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●戦争法案・壊憲法案・・・・・・全国各所の狼煙や「声なき声」でアベ様に「報い」を

2015年08月23日 00時00分21秒 | Weblog


出しそびれたが・・・・・・東京新聞のコラム【【私説・論説室から】ボーダーラインを割るか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015072902000128.html)。

 「安倍政権の内閣支持率が急落した。反転上昇に躍起だが、それも一種の非連続回帰デザインだろう。支持率は30%台後半で、30%を割ると「危険水域」といわれるから、もうすぐである。首相は「国民の理解が進んでいないのは確か」と言いながら、その安保関連法案を衆院で強行採決した。その報いである」。

 種々の手法で、全国各所で挙がる狼煙や「声なき声」で戦争法案壊憲法案を廃案にし、そして、アベ様に「報い」を! 廃案にし、その次なる重要なポイントは「次なる選挙で自民党(+公明党)にだけは投票しないようにすること」。岩手県知事選などでは、自公は敵前逃亡・不戦敗。「報い」の兆候は既に現れている。

   『●高校生による壊憲法案反対デモ:
     赤紙を受け取る側の論理、人殺しに加担させられる側の論理

   『●自民党の武藤貴也衆院議員: 赤紙を送る側の(非)論理、
                      人殺しに加担させる側の(非)論理

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、
      「人を殺したくない」という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」

   『●「次なる選挙で自民党(+公明党)にだけは
       投票しないようにすること」・・・「ワスレイデカ」!

   『●戦争法案・壊憲法案に「対案」? 
      答えは「No!」、対案なんてクソくらえだ!

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015072902000128.html

私説・論説室から
ボーダーラインを割るか
2015年7月29日

 ボーダーラインが寿命を左右する-。

 病気の検査結果には、治療を始めるかどうかのボーダーラインが存在する。ボーダーより少しでも悪いと治療が始まり、逆に良ければ治療は見送られる。検査の数値が悪かった方が結果的に延命する場合がある。検査数値と病状といった本来連続的な関係に政策的に介入し、その効果を分析する手法を経済学で「非連続回帰デザイン」と呼ぶそうだ。

 安倍政権の内閣支持率が急落した。反転上昇に躍起だが、それも一種の非連続回帰デザインだろう。支持率は30%台後半で、30%を割ると「危険水域」といわれるから、もうすぐである。首相は「国民の理解が進んでいないのは確か」と言いながら、その安保関連法案を衆院で強行採決したその報いである

 国民は十二分に理解しているのだ。限りなく違憲な戦争法案であり、隣家の火事を消すのとは訳が違い地球の裏側にまで自衛隊が戦争しに行かされることであり、子ども連れのママが炎天下の渋谷に結集して「だれの子どもも、ころさせないと訴えずにいられない緊急事態で、戦争体験のあるお年寄りや学者や文化人や普通に平和に暮らしたいと願う市民に学生たちも加わり、もう本当に止めないと取り返しがつかなくなるということを-。

 さらに政権が米国に忠誠を誓えば安泰でいられると信じていることも。だが、国民の意志は「延命許すまじ」である。 (久原穏
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●血税と赤紙と・・・「主権者である天皇に徴兵制に基づき血を納めた」。そして、いま、アベ国王へ血税が

2015年06月13日 00時00分53秒 | Weblog


東京新聞の記事【【私説・論説室から】血税の原義と戦争法案】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015061002000166.html)。

   『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」: 
                       2014年12月衆院選に是非行こう!
   『●いい加減に学ぼう: 「白紙委任状をもらった」
       とアベ様に勘違いさせるようなことをやってはいけない

   『●『戦争法案』、理由は何でもアリ:
     だって「国民から強い支持をいただいた」んだもの!? 嗚呼・・・


 「白紙委任状をもらった」「国民から強い支持をいただいた」なんて、アベ様に勘違いさせた自公支持者・投票者や無関心を決め込む「眠り猫」の皆様の罪の重さよ。

 「「血税投入は七百億円」-。消費税増税の先送りを問うためとか、アベノミクスが争点だと言っておきながら大勝した途端国防軍(わが軍?)創設を含む安保法制整備に「国民の支持を得た」と言ってのけた昨年末の総選挙に要した費用である・・・・・・血税の原義は全く違う。明治憲法下、お金を提供する義務が税金で血を提供つまり兵役が血税だった。主権者である天皇に徴兵制に基づき血を納めたのである」

 「血税の原義」を知りませんでした。「血の滲むような」といったイメージだったのですが、まさに「血税」だったとは・・・。そして、赤紙の色は「血の色」。「主権者気取り」のアベ王国の王様に「血を納め」るシステム=疑似徴兵制が出来ようとしています。

   『●いろんな意味で疲れます・・・住民基本台帳活用と
          アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!

   『●東京新聞・半田滋さん「「銃後の国民」も
     無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは・・・」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015061002000166.html

【私説・論説室から】
血税の原義と戦争法案
2015年6月10日

 「血税投入は七百億円」-。

 消費税増税の先送りを問うためとか、アベノミクスが争点だと言っておきながら大勝した途端国防軍(わが軍?)創設を含む安保法制整備に「国民の支持を得た」と言ってのけた昨年末の総選挙に要した費用である。

 今さら七百億円が党利党略に使われたとか、民主主義のコストとして高いなどというつもりはない。正々堂々と安保法制の是非を問わない姑息(こそく)な政治手法や、勝てば何をやっても良いとの勘違いを正そうというのでもない。「血税」という言葉の本来の意味も知らずに使ってきた不明を恥じているのだ。

 確かに「重税感に耐え、血のにじむ思いで納めた貴重な税金」という使い方は今では一般的だ。だが、血税の原義は全く違う。明治憲法下、お金を提供する義務が税金で血を提供つまり兵役が血税だった。主権者である天皇に徴兵制に基づき血を納めたのである。

 今は平和憲法下だが、「戦争法案」が現実味を増してきて不安を抱く自衛隊員や家族は少なくないだろう。しかし「自衛隊員のリスクばかり言うのは木を見て森を見ない議論だ」と切り捨てる首相に「思い」は届くまい
 
 格差を放置どころか拡大させる政策ばかり見せられると、貧困の若者らが食うために志願兵にならざるを得ない疑似徴兵制ともいえる米国の兵士大量生産システムを後追いするのかと思えてくるのだ。 

久原穏
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●福島瑞穂氏への「絶対権力」者の横暴と狭量: 「自らと異なる立場に対する敬意や尊重などかけらもない」

2015年04月27日 00時00分54秒 | Weblog


asahi.comの社説【言論の府で―異論への異常な圧力】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞のコラム【【私説・論説室から】正しい「評論家」が必要だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015042202000158.html)。
asahi.comの記事【戦争法案発言「修正要求許さない」 民主・長妻氏】(http://www.asahi.com/articles/ASH4R51QPH4RUTFK00Q.html?iref=comtop_list_pol_n02)。

 「言論をめぐる、昨今の自民党の行状が目にあまる。1日の参院予算委員会での社民党・福島瑞穂氏の発言について、自民党は「不適切と認められるような言辞があった」として修正を求めている・・・・・・福島氏は拒否し、「国会議員の質問権をこういう形で抑え込もうというのは極めておかしい。表現の自由に関わる」と反発」。
 「国会での発言の削除や修正の要求は、絶対に許さないという意思を明確に出さないと、どんどん押し切られて議会の役割を果たせなくなってしまう・・・・・・社民党の福島瑞穂氏が安全保障関連法案を「戦争法案」と国会で質問したのに対し、自民党の議員が修正を要求」。
 福島瑞穂さん、ガンバレ!! 「戦争法案」、一体何が問題なの? 「「国際平和支援法案」・・・・・・この実情を見れば「戦争法案」であり、「戦争できる国法案」「戦争したい法案」である。「平和憲法」「平和主義」の「へ」の字もない」。

   『●「平和憲法」が泣いている
   『●神浦元彰さん「後方支援がなければ前線の戦闘は成り立ちません。
                    後方支援は紛れもない武力行使」

   『●戦争に油を注ぎ、番犬様の片棒を担げば、
        「非戦闘地域」「後方支援」は何の保証にもならない


 「異論を許さず、気にくわないと放送免許や酒販免許を振りかざす政府・与党である。そうやって沖縄の民意も、原発再稼働差し止めの司法判断も、突っぱねるのではないか。言論をも封殺しかねない暴走政権に抗(あらが)い、その愚かさを正す「強権政治」評論家「統制経済」評論家らが今こそ必要だ」。
 国会でも、沖縄でも、報道でも、カラスはやっぱり「黒い」と言えなくなる日は近い。

   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
        「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
      そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?

   『●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、
              そんな例があったら私は辞める」と明言

   『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない! 
              「私は辞める」なんて考える訳がない!!
   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
             許されないというのが安倍政権の立場」

   『●アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること・・・
       「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」

   『●今の辺野古破壊の基本構図:
      「今は米国と日本の政府が向こう岸にいて、沖縄に対峙している」


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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

言論の府で―異論への異常な圧力
2015年4月21日(火)付

 言論をめぐる、昨今の自民党の行状が目にあまる

 1日の参院予算委員会での社民党・福島瑞穂氏の発言について、自民党は「不適切と認められるような言辞があった」として修正を求めている。

 福島氏は質問の中で「安倍内閣が、14本から18本以上の戦争法案を出すと言われている。集団的自衛権の行使や後方支援という名のもとに、戦場の隣で武器弾薬を提供することを認めようとしている」と述べた。

 安倍首相はその場で「レッテルを貼って議論を矮小(わいしょう)化していくことは断じて甘受できない」と反論した。

 その後、自民党の堀井巌・予算委理事が福島氏に会い、「戦争法案」との表現を修正するように要求。福島氏は拒否し、「国会議員の質問権をこういう形で抑え込もうというのは極めておかしい。表現の自由に関わる」と反発している。

 国会議員の国会内での発言は、国会の外で責任は問われないと憲法は定めている。すべての国民を代表する議員が自由に議論するためだ。それほど尊重されるべきものだ

 これまでも議員発言が議事録から削除・修正されたことはあるが、国会の権威や人権を傷つけたような場合が通例だ。

 福島氏の発言は、集団的自衛権についての強引な解釈改憲に基づく法整備への、国民の根強い懸念を代弁している。多数意見であろうとなかろうと、国会で尊重されるべき主張である。

 政権側に異論があるなら、議場で反論し、やりとりをそのまま記録に残せばいい。その是非を判断するのは、現在と後世の国民だ

 多数派の意に沿わない発言だからといって、「一方的だ」という理由で修正させようというのは、数の力を背景にした言論の封殺である。

 権力と憲法の関係について、改めて考えたい。

 憲法によって権力の暴走を防ぐ「立憲主義」について、首相はかつて国会で「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方だ」と語った。まるで権力を縛るなど時代錯誤だと言わんばかりだった

 しかし、最近の安倍首相ら政権側の言動はどうだろうか。沖縄県知事らの意向などお構いなしの普天間飛行場移設の強硬姿勢。個別の報道番組への口出し。そして今回の議員発言への修正要求である。

 自らと異なる立場に対する敬意や尊重などかけらもない「絶対権力」の振る舞いと見まごうばかりである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015042202000158.html

【私説・論説室から】
正しい「評論家」が必要だ
2015年4月22日

 航空会社の社員がボヤいた。空の事故が相次ぎ、会社の機長OBが航空評論家の肩書でメディアに登場するが、誤ったコメントを散見するという。機長経験者とはいえ航空問題全般にまで精通しているわけでもなく、知識はすぐに時代遅れとなる。ドイツの格安航空機墜落事故でも「格安航空だから安全投資が少ない」など、とんでもない発言もあった。

 しかし、素人は専門家の解説だからと信じる。解説が正しいのかの判断はつかない。結果、玉石混交の評論家が世に存在する。

 ならば航空評論家の評論が正しいのか評論する「航空評論家」評論家がほしい。国債の信用度を格付けしている格付け機関の信用度はどうなのかを格付けする「格付け機関」格付け機関などもあってしかるべきだ。

 では政治評論家や経済評論家、さらにエコノミストや学者らはどうか。政府の審議会や有識者会議に入っている方々は要注意である。政権の意向を忖度(そんたく)し、無批判・無抵抗でお墨付きを与え、政権にとってありがたい「御用達」派かもしれないからだ。

 異論を許さず、気にくわないと放送免許や酒販免許を振りかざす政府・与党である。そうやって沖縄の民意も、原発再稼働差し止めの司法判断も、突っぱねるのではないか言論をも封殺しかねない暴走政権に抗(あらが)い、その愚かさを正す「強権政治」評論家「統制経済」評論家らが今こそ必要だ。 (久原穏
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http://www.asahi.com/articles/ASH4R51QPH4RUTFK00Q.html?iref=comtop_list_pol_n02

戦争法案発言「修正要求許さない」 民主・長妻氏
奈良部健 2015年4月24日01時35分

 「国会での発言の削除や修正の要求は、絶対に許さないという意思を明確に出さないと、どんどん押し切られて議会の役割を果たせなくなってしまう

 民主党の長妻昭代表代行は23日、社民党の福島瑞穂氏が安全保障関連法案を「戦争法案」と国会で質問したのに対し、自民党の議員が修正を要求したのを受け、記者会見で語った。

 1940年に政府・軍部の日中戦争の対応を批判した斎藤隆夫の「反軍演説」が、衆院本会議の議事速記録から削除されたことを引き合いに出したものだ。

 反軍演説は3分の2が議長職権で削除された。この演説が原因で斎藤は衆院議員を除名された。その後、各政党は解党し、大政翼賛会を結成した。長妻氏は「野党が大声を上げ国民に問題点を説明しないと、自由の範囲が狭くなり、戻れない地点まで行きかねない」とも語った。(奈良部健)
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●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる

2015年01月26日 00時00分05秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015012102000143.html)と、
【【私説・論説室から】地球儀を俯瞰(ふかん)しない外交】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012102000167.html)。
nikkan-gendaiの記事【日本人拘束 安倍首相のバラマキ中東歴訪が招いた最悪事態】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156580)。

   『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
                   伝えようとした人が現場にいたからです」

 「イラク戦争でバグダッドが陥落した直後に、かの地の病院を取材していた時、医師に投げ付けられたひと言だ。「日本人? 米国の味方だろ、帰れっ」・・・・・・米英が大義ある「テロとの戦争」と呼んだイラク戦争を、日本も明確に支持した。戦闘のために軍を送ったわけではなく「人道支援」であったが、それでも戦火にさらされた人々にとり日本は「憎き米国の味方」であったのだ」。
 そして、イラク人女性は「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした責任がある」といった。人道支援、非軍事支援、非戦闘地域・・・・・・いくら言葉を繕っても、「軍事」につながり、「戦闘地域」との境界はあいまいで、拡大する。

   『●イラク人女性:
      「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」


 「しょせん世界が見えていない「井の中の蛙(かわず)」なのである。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と大仰だが、単に原発や武器を売る相手国探しだろう。「積極平和主義」とは戦争には積極的だが、平和裏に行う連帯デモなど無関心なのだろう。まさに悪夢だ」。

   『●日米ガイドライン:  
      アベ様達は、そんなに「人殺し」をさせたいものでしょうかね?


 「死の商人」外交。「積極平和主義」と称し、外交という名のトップセールスをして回る。アベ様がケンカを売った代償火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎた。

 「トップセールスといえば聞こえはいいが、結局、安倍外交はカネ、カネ、カネ。日本人2人の人質事件は、カネにものをいわせる安倍外交の虚を突かれた格好・・・・・・人質事件を引き起こした責任をどう取るつもりなのか」。

   『●「存立事態」: 他国(番犬様)の戦争にまで油を注ぎに行きたいそうだ

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015012102000143.html

【コラム】
筆洗
2015年1月21日

 もうあれから十二年近くがたつが、胸に刺さったままの言葉がある。イラク戦争でバグダッドが陥落した直後に、かの地の病院を取材していた時、医師に投げ付けられたひと言だ。「日本人?米国の味方だろ、帰れっ」▼市内では銃撃戦が続き、病院には次々とけが人が運び込まれ、痛みに泣き叫ぶ子らの声と、医師の怒声が響き続けていた。「希望はない。血の海を泳いでいるだけだ」「ブッシュ(米大統領)が約束した平和はどこだ」▼米英が大義ある「テロとの戦争」と呼んだイラク戦争を、日本も明確に支持した。戦闘のために軍を送ったわけではなく「人道支援」であったが、それでも戦火にさらされた人々にとり日本は「憎き米国の味方」であったのだ▼一つの国を戦争で破壊し尽くす。それはまさに、地獄の扉を開けるようなものなのだろう。どんな魔物が出てくるか。開けてみて初めて分かる▼イラクとシリアの廃虚で絶望感と憎悪を糧に勢力を拡大させてきた過激派組織「イスラム国」の刃(やいば)が、日本にも向けられた。「イスラム国」対策のため周辺国に人道的な支援を申し出た日本政府に対し、邦人人質の殺害予告が届いたのだ▼それは、理不尽で卑劣な脅しである。しかし何が「イスラム国」を生み、育ててきたのか。そこに目を凝らさず、憎悪に憎悪で向き合うだけなら、「イスラム国」の思うつぼだろう。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012102000167.html

【私説・論説室から】
地球儀を俯瞰(ふかん)しない外交
2015年1月21日

 十年前の「悪夢」が頭に蘇(よみがえ)った。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の葬儀を、パリ支局からバチカンに出張取材した時のことだ。

 元法王は東欧の民主化を支援し、ソ連崩壊-冷戦終結の「陰の功労者」といわれた。カトリック教会という一宗教の指導者を超えた存在であり世界平和に偉大な足跡を残した。

 葬儀には百カ国以上の大統領や王族らが顔をそろえた。イラク戦争をめぐり法王の制止を振り切って開戦したブッシュ米大統領は、どの要人よりも先に駆けつけ、法王の遺体の前に跪(ひざまず)いたほどである。大国で元首級が出席しなかったのはバチカンと反目したロシアと中国の「共産国」、そして日本だけだった。

 歴代三人の大統領が出席した米国とは対照的に、バチカンの影響力を理解していない外交オンチぶりを露呈、弔問外交という貴重な機会を生かそうとの戦略もなかったのだ。

 悪夢の再来は、フランスで反テロの連帯を示す各国首脳のデモ行進。日本は駐仏大使の出席で済ませた。米国も首脳が参加しなかったが、批判が集中し、ホワイトハウスは「外交上の失敗だった」と判断ミスを謝罪した。

 しょせん世界が見えていない「井の中の蛙(かわず)」なのである。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と大仰だが、単に原発や武器を売る相手国探しだろう。「積極的平和主義」とは戦争には積極的だが、平和裏に行う連帯デモなど無関心なのだろう。まさに悪夢だ。 (久原穏)
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156580

日本人拘束 安倍首相のバラマキ中東歴訪が招いた最悪事態
2015年1月21日

     (72時間以内の殺害を予告(ユーチューブから)、
      右は会見する安倍首相/(C)AP)

 衝撃的な事態だ。日本人2人が「イスラム国」に人質として捕まり、72時間以内の殺害を予告された。

 イラクとシリアの北部一帯を支配し、残虐の限りを尽くしているイスラム国は、これまで人質に取った白人を容赦なく殺しているだけに、殺害予告は脅しじゃない。

 人質は湯川遥菜さん(42)と、フリージャーナリストの後藤健二さん(47)とみられている。イスラム国はビデオ声明で、72時間以内に2人の身代金2億ドル(約235億円)を払うように要求している。

 イスラム国が20日に流したビデオ声明は、「日本政府と国民へのメッセージ」というタイトルで、1分40秒ほどのもの。〈日本の首相へ。日本はイスラム国から8500キロも離れていながら、自発的に十字軍に参加した〉〈日本国民に告ぐ。おまえたちの政府は、イスラム国と戦うのに2億ドル支払うという愚かな決定をした。日本人の命を救うのに2億ドル支払うという賢明な判断をするよう政府に迫る時間が72時間ある〉とナイフ片手に英語で凄んでいる。

 ビデオ声明でも分かるように、今回の人質事件、安倍首相の「中東外交」が引き金になったのは明らかだ。

 16日から中東4カ国を訪問している安倍首相は、17日にカイロで行った演説で、「イスラム国の脅威を食い止めるために2億ドルを支援する」とブチ上げた。この演説がイスラム国の怒りに火をつけたのは間違いない。湯川さんは昨年8月、後藤さんは昨年10月にイスラム国に拘束された可能性が高いが、これまで殺害を予告されることはなかった。元レバノン大使の天木直人氏がこう言う。

   「イスラム国が、安倍首相の中東訪問のタイミングを狙っていたのは
    間違いないでしょう。しかも、首相は、イスラム国と戦うために
    2億ドルを支援すると表明した。彼らにとっては、飛んで火に入る
    夏の虫です。イスラム国は、ネットを駆使して世界中の情報を手に
    している。恐らく、安倍首相が何を語るか、じっくり観察していたはず。
    深刻なのは、彼らは、日本の中東政策を問題にしていることです。
    日本は文字通り、イスラム国との戦争に巻き込まれてしまった

 安倍首相は真っ青な顔をして「2億ドルは避難民への支援だ」と釈明していたが、もはや「イスラム国」に言い訳は通用しない。


カネをバラまいただけの中東歴訪

 そもそも、安倍首相は、このタイミングで中東4カ国を訪問する必要があったのか。

 ちょっと考えれば、いま中東にノコノコと出掛けて、「イスラム国がもたらす脅威を食い止める」と2億ドルのカネを出すと表明すれば、イスラム国を刺激することは容易に想像がついたはずだ。

   「地球儀を俯瞰する外交」を掲げる安倍首相は、これまで
    50カ国以上を訪問し、毎月、外遊すると心に決めているらしいが、
    中東に行く緊急性はまったくなかったはずである。

 実際、16日から20日まで駆け足でエジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナを訪ねているが、中身のある外交はゼロだった。エジプトに430億円、ヨルダンに147億円……と、ひたすらカネを配っていただけだ。総額2900億円である。浮かれてカネをバラまき、その結果、人質事件を引き起こしているのだから、どうしようもない。

   「安倍首相は中東歴訪を中止すべきでした。いま、中東諸国は
    “イスラム国”を相手に必死の戦いをしている。フランスでは
    シャルリー紙に対してテロが起きたばかりです。各国の首脳は
    正直、安倍首相をゆっくりもてなす状況ではなかったと思う。
    そもそも、安倍首相は、どこまで中東外交を理解しているのか
    今回、ゼネコン、銀行、商社など46社の首脳をズラズラと
    引き連れていったのが象徴です。トップセールスといえば聞こえは
    いいが、結局、安倍外交はカネ、カネ、カネ。日本人2人の
    人質事件は、カネにものをいわせる安倍外交の虚を突かれた
    格好です」(天木直人氏=前出)

 中東4カ国歴訪は、安倍首相が「どこでもいいから外遊に行きたい」と外務省をせっついて組んだ日程なのだろうが、人質事件を引き起こした責任をどう取るつもりなのか。
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●「政策をカネで買う」経団連の企業行動憲章には「従業員のゆとりと豊かさを実現する」と謳っている

2014年09月18日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の社説【政治献金 経団連の再開に反対だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090102000173.html)と、
コラム【【私説・論説室から】儲かる秘訣を尋ねたら…】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014090102000175.html)。

 「過去二十年、経団連自身が悩み考え、二転三転しながらも中止している政治献金を、榊原経団連が再開するという。「政策をカネで買う」という根本的な批判に応えられるのか」・・・・・・経団連の企業行動憲章は「従業員のゆとりと豊かさを実現する」「企業は雇用の維持・拡大を実現し、国民生活を豊かにする役割を果たしている」と謳っている。

   ●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」

 「人材確保、人材雇用という時の、人材の『材』の字が気に入らない。人間は材料じゃない。財産の『』、人財と書くべきだ」・・・・・・未来工業城南信金に対して、経団連という組織は本当に「従業員のゆとりと豊かさを実現する」「企業は雇用の維持・拡大を実現し、国民生活を豊かにする役割を果たしている」と言えるでしょうか? 随分と酷かった前経団連会長の米倉弘昌氏の流れをくむ現会長榊原定征氏は、自民党と癒着し、「政策をカネで買う」そうです。そして、ノコノコとアベ様に御伴する経営者たちのなんという浅ましさよ。「死の商人」と呼ばずして、なんと呼べばいいのか?

   『●「優しくすれば、社員もここを守りたいと働いてくれる」:
                未来工業の創業者のお一人が亡くなる
   『●アベ様が「原発再稼働、進める方針を明言」
                    ・・・・・・世界に向けて「恥」を発信


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090102000173.html

【社説】
政治献金 経団連の再開に反対だ
2014年9月1日

 過去二十年、経団連自身が悩み考え、二転三転しながらも中止している政治献金を、榊原経団連が再開するという。「政策をカネで買う」という根本的な批判に応えられるのか。再開には反対だ。

 今年六月に就任した榊原定征経団連会長は「政治と経済は車の両輪」と語り、ぎくしゃくしていた安倍政権との関係修復を加速している。二〇〇九年十月以降、中止している政治献金の再開はその象徴といえる。

 民主主義の下で企業と政治、カネはどうあるべきか-。考え抜いたあげく、企業の政治献金は廃止すべきだとの結論を出したのは一九九三年、当時の平岩外四会長だった。

 保守合同の五五年以来、経団連は、会員企業に割り当てる「あっせん方式」で年間百億円程度を自民党に献金していた。これが金権腐敗の温床になり、リクルート事件、佐川急便事件、金丸信自民党副総裁をめぐる巨額脱税事件などを引き起こす。

 世論の批判で自民党一党支配が終わり、細川連立政権誕生後の九三年九月、平岩経団連が公表したのが「企業献金に関する考え方」だった。冒頭を引用する。

 「民主政治は、国民全ての参加によって成り立つものである。それにかかる必要最小限の費用は、民主主義維持のコストとして、広く国民が負担すべきである。従って、政治資金は、公的助成と個人献金で賄うことが最も望ましい」

 平岩会長は企業献金の廃止を考えていたとされるものの、慎重論もあり、まずはあっせんを廃止。企業献金については「一定期間後、廃止も含めて見直すべきだ」とした。

 〇四年になると奥田碩会長が、各政党の政策を評価して金額を決定する方式で、献金への関与を復活させた。小選挙区制が導入されたのを受け、「二大政党制」定着を目指して民主党への献金も表明したが、この方式は民主党政権発足後、民主党が献金を断り、〇九年十月から中止されている。

 企業と政治、カネの問題は「政策を買う」との批判と政治改革の中で揺れ動き、経団連の献金は中止に至っている。にもかかわらず再開するのは何のためか。

 見えてくるのは政権との関係修復とアベノミクス推進の算術だけで、民主主義や政党政治への見識はうかがえない。再開の決定は九月以降となる。その前に榊原会長には「企業献金に関する考え方」をもう一度読んでほしい。選ぶべきは再開ではなく廃止ではないか
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014090102000175.html

【私説・論説室から】
儲かる秘訣を尋ねたら…
2014年9月1日

 「人材確保、人材雇用という時の、人材の『の字が気に入らない。人間は材料じゃない。財産の『』、人財と書くべきだ」

 型破りな経営で半世紀近く、目を見張る好業績を続けてきた名物経営者が七月末に逝った。岐阜県に本社がある電気設備資材メーカー「未来工業」の創業者、山田昭男さん。

 社員をとことん大事にした残業なしパートや派遣社員なし八百人の社員は全員正社員だ年間休日はおそらく日本一の百四十日有給休暇四十日を合わせれば一年の半分は休日になる。六十代社員の平均年収は約七百万円、それが定年の七十歳まで続く。「豊かな人生が、やる気を生む」という信念からだ。唯一社員に求めたのは常に考えること。アイデア、提案、何でも一件五百円で買い取り、それが国内有数のシェアにつながった。

 儲(もう)かる秘訣(ひけつ)を聞かれ、「儲からない会社の反対のことをやる」。時流に流されずに年功序列を貫き、成果主義に背を向け続けた

 では、「あの人」に儲かる秘訣を尋ねたら…。「労働時間でなく成果で評価する残業代ゼロで働かせる」「派遣や解雇しやすい限定正社員を増やして労働コストを抑える」とでも答えるか。それこそ、働く人を「儲けるための材料」としかみていないのである

 あるいは「僕についてくれば原発や武器でがっぽりだ」か。ノコノコとお供する経営者たちも「同じ穴の狢(むじな)」である。 (久原穏
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●アベ様は「株価さえ上がれば何をやっても許されると思っているのだろうか」?

2014年07月15日 00時00分10秒 | Weblog


東京新聞の社説【新成長戦略 奇策や禁じ手ばかりだ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014062502000165.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014062502000139.html)と、
【【私説・論説室から】 春子ママの声を聞け!】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014070902000132.html)。

 「株価さえ上がれば何をやっても許されると思っているのだろうか。安倍政権が閣議決定した新成長戦略は、なりふり構わぬ手法が目立つ。国民の利益を損ないかねない政策は成長戦略といわない」・・・・・・「そう、安倍政権の新成長戦略である。国民の大切な年金資金を使った株価つり上げ策や、残業代ゼロの長時間労働につながる労働規制の見直し、安い労働力を都合よく使う外国人実習制度の拡大、原発や武器輸出に続いて、賭博の合法化となるカジノ解禁とくる…」・・・・・・。

 経済についても「奇策や禁じ手ばかりだ」。斎藤貴男さんによれば、「庶民から取れるだけ取ろうとしているのが安倍政権」。また、浜矩子さんによると「アホノミクス」を通り越して「ドアホノミクス」だそうだ。
 未だにアベ様や自公政権を支持する理由が分からない。そんなに多くの人が「大企業のエライさん」ばかりなんだろうか? 一般市民はこれだけイジメられているというのに・・・・・。諦め? 無関心?? 不感症??? 「原発再稼働を目指し、トップセールスと称して原発や「武器」を世界に売り歩き、今度はカジノ賭博解禁に前のめり」で「禁じ手や奇策を弄(ろう)して生き延びてきた「いかさま師」」達に対してそれでいいのでしょうか?

   ●斎藤貴男さん「庶民から取れるだけ取ろうとしているのが安倍政権」
   『●野中広務氏「憲法があり、9条があったからだ」・・・・・・ 
                    自公議員や翼賛野党議員への痛烈批判
   『●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」
   『●「『平成の治安維持法』を作った総理」の「時代錯誤の富国強兵」
   『●安倍首相殿、「先進国」の「首都」で凍死、
        そして、この寒空の路上に生活困窮者を叩き出したそうです
   『●『自然と人間』(2014年6月号、Vol.216)についてのつぶやき


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014062502000165.html

【社説】
新成長戦略 奇策や禁じ手ばかりだ
2014年6月25日

 株価さえ上がれば何をやっても許されると思っているのだろうか。安倍政権が閣議決定した新成長戦略は、なりふり構わぬ手法が目立つ。国民の利益を損ないかねない政策は成長戦略といわない。

 国民の虎の子の年金積立金を株式市場に大量投入する「官製相場」で株価つり上げを狙う。

 財政危機だと国民には消費税増税を強いながら、財源の裏付けもない法人税減税を決める。

 過労死防止が叫ばれる中、残業代ゼロで長時間労働につながる恐れが強い労働時間規制緩和を進める。

 低賃金など劣悪な環境で「強制労働」との批判もあがる外国人技能実習制度を都合よく活用する。

 昨年の成長戦略は安倍晋三首相の発表会見中から株価が急落、大失敗に終わった。今回はその経験だろう、株式市場とりわけ外国人投資家の関心が高い法人税減税や労働市場改革を柱にすえた。国民の財産の年金資金による株価維持策という禁じ手まで使うに及んでは株価上昇のためなら何でもありかと思わざるを得ない。日々の株価に一喜一憂する「株価連動政権」と揶揄(やゆ)されるゆえんである。

 新しい成長戦略は「企業経営者や国民の一人一人が自信を取り戻し、未来を信じ、イノベーションに挑戦する具体的な行動を起こせるかどうかにかかっている」と最大のポイントを挙げている。しかし、この成長戦略でどうやって国民が自信を取り戻し、未来を信じればいいのか

 二十年近く続いたデフレの大きな要因は、非正規雇用の急増などで国民の所得が減り続け、それが消費減退、企業活動の低下を招くという「賃金デフレ」であったことは通説だ。正社員の給与も伸び悩み、中間層が消失、一握りの富裕層と大多数の低所得者層に置き換えられたのである。

 だとすれば、まずは非正規労働の増大や長時間労働に歯止めをかける。人材教育や訓練に力をいれることによって生産性を高め、働く人への適切な分配を進める。成果主義によって報酬を決める労働時間規制の見直しでは、生産性向上よりもかえって長時間労働を生む懸念の方が強いだろう。

 原発再稼働を目指し、トップセールスと称して原発や「武器」を世界に売り歩き、今度はカジノ賭博解禁に前のめりだ。どうして、こんな奇策ばかり弄(ろう)するのか。正々堂々と経済を後押しし、国民が納得する形の成長戦略でなければ、いずれ破綻するであろう。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014062502000139.html

【コラム】
筆洗
2014年6月25日

 「いろはに、金平糖(こんぺいとう)、金平糖は甘い、甘いは砂糖、砂糖は白い、白いは兎(うさぎ)…」。単語をつないでいくので、しり取り歌という。「さよなら三角また来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い、白いは兎…」。幼き日、友と別れ、夕餉(ゆうげ)の家へ帰る道を思い出す人もいるか▼いつ誰がつくったか分からない。地域で歌詞も異なる。大阪では、「ダイヤモンドは高い、高いは通天閣、通天閣は怖い、怖いは幽霊…」という▼最初の言葉が経過、順序をたどりながら、まったく別の言葉に変化していく強引さが子どもには愉快で歌い継がれたか▼法人税引き下げ問題である。閣議決定した「日本再興戦略」によると数年で20%台まで下げたいというが、政府の言い分は強引なしり取り歌に聞こえる。法人税を下げる。下げたら海外からの投資が増える。増えれば雇用増にもつながる。雇用が増えれば、国民は大喜び▼二番もある。法人税を下げる。下げたら企業は設備投資、研究開発にカネを回す。回せば成長。成長すれば賃上げ。賃上げで国民は大喜び▼金平糖が兎になるほど強引で怪しい。海外から投資を呼び込める根拠や企業が設備投資、ましてや賃金を喜んで上げる保証はどこにもない。その財源をどうひねり出すかもみえぬ。国民が「無傷」ですむかどうか。政治のしり取り歌は「国民は困っています」と、まず歌いだすべきだろうに。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014070902000132.html

【私説・論説室から】
春子ママの声を聞け!
2014年7月9日

 不意に耳元でこだました。

 「普通にやって、普通に売れるものをつくりなさいよっ!」

 昨年、人気を博したNHKの朝ドラ「あまちゃん」で主人公の母、春子(小泉今日子)が言い放った台詞(せりふ)である。主人公が所属するアイドルグループの歌声を勝手に加工し、ロボットのような声に変えたプロデューサーが相手だ。この男は過去、春子にも「口パク歌手の影武者」を強要した「前科」があった。

 そんな禁じ手や奇策を弄(ろう)して生き延びてきた「いかさま師」に対して、春子の台詞はまさに正論だったから、大いに留飲が下がったものだ。その台詞がふと、頭に-。

 そう、安倍政権の新成長戦略である。国民の大切な年金資金を使った株価つり上げ策や、残業代ゼロの長時間労働につながる労働規制の見直し、安い労働力を都合よく使う外国人実習制度の拡大、原発や武器輸出に続いて、賭博の合法化となるカジノ解禁とくる…

 普通にやらずに、いとも簡単に禁じ手、奇策に走る。この政権の体質を示す最大の特徴である。集団的自衛権をめぐる手法も同じ。「選挙に勝てば何でもやれる、政権は全能だ」-そんな傲慢(ごうまん)かつ姑息(こそく)さを感じるのである。

 次から次へ好きなように国のかたちを変えていく。市場の公正さを歪(ゆが)め、海外からの信頼を失い、働く人の不利益を増幅してもこれが目指す「美しい国」なのか。 (久原穏)
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●自公議員に投票したことの意味: 原発は「重要なベース電源」、さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続

2013年12月19日 00時00分17秒 | Weblog


東京新聞の社説【エネルギー政策 反省ゼロの基本計画】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121102000126.htmlと『私説・論説室から』【おごれる者は久しからず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013121102000127.html)。asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)エネ計画どう変わる?】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312120411.html)。東京新聞の記事【「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121402000119.html。最後に佐賀新聞の記事【再稼働、現状では暴挙 専門家、新基準を批判】(http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2596187.article.html)。

 「経産省のエネルギー基本計画素案によると、原発は「重要なベース電源」で、輸出も推進、新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残し、使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画さえ、引き続き推進するという」・・・・・・メチャクチャ。東京電力原発人災の被災者に対して何の感情もわかないらしい。

   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「成長戦略に「原発の活用」」: あ~恥ずかしい政権、恥ずかしい国
   『●「もはや犯罪というしかない」 
              ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●すぐさま廃炉作業に着手を!

   『●東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、
                                  致命的欠陥対策にドブ金か?
   『●核開発・核使用、そして原発推進・・・・・・、それは愛国心の発露か?
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、さらに「死の商人」へ:
                           どうやら「恥」という概念は無いらしい
   『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」: あとは野となれ、山となれ
   『●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!?
                            そして、国会は一体何をやってきたのか?
   『●東京電力原発人災4号炉問題
                    「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は
          日本に逆輸入してあげるのですか? 日本で10万年管理??

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・「まさに『神頼み』」、それほど危険な作業

 しかもである、「実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記」なんて、正気の沙汰なのだろうか?

   『●事業仕分け忘れ?
   『●悪「夢の原子炉」
   『●美浜の会「もんじゅ運転再開への抗議声明」
   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●高速増殖炉もんじゅ廃炉
   『●廃炉と、核燃サイクル撤退を
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
   『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●もんじゅに〝投資〟、まだやっている・・・
   『●原発立地県知事の神経を疑う: 「原発のお金が大好き」という最低レベルの議論
   『●復興予算をムダに「原子力ムラ」事業に流用
   『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開
   『●視察パフォーマンスと経団連詣で
   『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう
   『●「技術的には危険、経済的には損、資源的には何の意味もない」プルサーマル
   『●もんじゅ周辺の住民はそんなことを望んでいるの?
   『●「もんじゅ」の尻拭い・後始末も出来ない日本原子力研究開発機構が・・・・・・

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121102000126.html

【社説】
エネルギー政策 反省ゼロの基本計画
2013年12月11日

 経済産業省の新たなエネルギー基本計画案を見て驚いた。福島原発事故の反省は一体どこへ行ったのか。三年足らずで、もう忘れてしまったのか。忘れた時に、人は過ちを繰り返すのではないか。

 経産省のエネルギー基本計画素案によると、原発は「重要なベース電源」で、輸出も推進、新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残し、使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画さえ、引き続き推進するという。

 福島の事故などまるでなかったかのように耳をふさいで、3・11以前にすべてを戻そうというのだろう。

 ベース電源とは、基本になる最も重要な電源の意味である。

 福島の事故を真摯(しんし)に反省し、原発依存度は可能な限り少なくするとは書いてある。だが、国の反省は伝わらない。素案をまとめた審議会委員の大半は、原発維持・推進派が占めている

 原発を「ベース電源」に位置付けるのは、エネルギーの安定供給や発電コスト、温暖化対策のためだという。

 しかし、今現に五十基ある原発は、すべて停止中である。汚染水さえ止められず、膨大な国費をつぎ込んでいる。この先、除染、補償、廃炉など、天文学的な費用が必要になるだろう。

 とてもではないが、原発は安定的とも低コストとも言い難い。そこにごまかしがあったのは、私たちの大きな反省点である。

 使用済み核燃料の処分方法は、棚上げにしたままだ。核燃料サイクルの実用化は可能かどうかわからない。再処理して取り出した危険なプルトニウムが蓄積されていくだけだ。代替エネルギーの開発は世界に後れを取りかねない。

 手続き的にも問題がある。

 民主党政権は、少なくとも討論型世論調査などの結果を踏まえて原発ゼロ方針を打ち出した。

 自民党は昨年末とこの夏の国政選挙に大勝した。しかし、エネルギー計画を明確な争点にはしていない。世論調査を見れば、それこそ民意のありかは明らかである。

 ゼロから推進へ、これほどの大転換を図るなら、国民の声をもっとよく聴いてからにするべきだ。

 特定秘密保護法に従えば、原発の事故対策すら、テロ防止を口実に公開されない恐れがある。

 基本エネルギーが原子力である必要はない。原発に代わる新技術をなぜ奨励しないのか。そこには国の未来がかかっている
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013121102000127.html

【私説・論説室から】
おごれる者は久しからず
2013年12月11日

 過酷事故の後始末もできないのに「原発再稼働」を目指す公約違反の「TPP交渉参加」を決めるバラマキもやめないで「消費税増税」する民主主義を壊しかねない「特定秘密保護法」を強引につくる

 「民意」の多くに反する重大事案をさも平然と決めていく。安倍政権は国政選挙さえ勝てば「やりたい放題の免罪符を得ると勘違いしているのではないか

 もっとも、「民意」と政権との大きなズレは選挙結果で分かっていたことだ。一年前の総選挙で自民党は大勝したが、それは低投票率や小選挙区制の特性のおかげだった。全有権者でみれば自民の得票率は小選挙区で24%、比例代表はわずか15%四分の一以下の「民意」しか得ていない

 「ナチスの手口を学んだらどうか」「デモはテロという政権である。以前、この欄で触れた寓話(ぐうわ)『茶色の朝』の世界に、いよいよ近づいたと感じる。ファシズムの怖さを原体験に持つ作者パブロフ氏は言った。

 「民主主義は壊れやすい花瓶と同じ。小さなひびを放っておくと、いつの間にか割れてしまう」。氏は多くの人に伝えたいと印税を放棄し、寓話の原書は一ユーロ(約百四十円)で販売された。フランスでは学校教材としても広く読まれた。

 道徳を教科化するというなら、この国も教材に採用してはどうか。いや、「不都合な真実」を「秘密」にしておきたい政権には望むべくもないか。 (久原穏
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http://www.asahi.com/articles/TKY201312120411.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)エネ計画どう変わる?
2013年12月13日09時43分

■「みんなでワーワーいう」のがだいじ

 こんにちは。もんじゅ君です。特定秘密保護法はとっても残念だったね。きまったあとで安倍さんが「もっとていねいに説明すべきだった」といっていたけど、開いた口がふさがらないとはまさにこのことですだよ

 法律は成立しちゃったけど、再認識したのは「みんなでワーワーいう」ことの大切さ。

 審議の終盤にかけてたくさんの人たちが国会前や日比谷公園にあつまって抗議や集会をしていて、それとともにテレビなどの報道でも法案への疑問を投げかけるものが増えたように感じたよ。


■声は届いている

 のちに撤回したけれども、石破さんが「デモはテロだ」といって問題になっていたでしょ。あれはきっと、官邸前でずっとつづいてきた脱原発の抗議活動がよっぽど耳ざわりだったんだよね。

 だとすると、とにもかくにも声は届いているということ。石破さんにとってはあの声が、脱原発や秘密保護法の撤回を「強制している」かのように感じる、いやなものだったということだよね。


■来年の再稼働にそなえて

 残念だけど、来年の春にはきっと原発の再稼働が現実的なものとして浮上してくると思うの。具体的には、愛媛の伊方くんとかね。

 そのときに早い段階からみんなでワーワー声を上げることがきっとだいじなんだろうな、と秘密保護法の騒動をとおして思いました。

 とりわけ、立地自治体の人たちの声というのは大切。ボクの地元・福井もそうだけれども、自分の住んでいるところに原発のある人は、はやくから「再稼働がくるかも。やだね」とまわりの人とお話ししたり、地元の議員さんに「応援してます。反対するようがんばってくださいね」と励ましの声を届けたりするといいのかもしれないね。


■年末ぎりぎりのエネルギー計画

 ところで、この年末にあたらしいエネルギー基本計画がリリースされそう。これは、国のエネルギーの全体量やうちわけについて、このさき10年、20年、30年の計画をしるしたもの。とっても重要なんだ。

 民主党さんの時代には「2030年代には脱原発依存社会に」という戦略が打ち出されていて、そのときにはそれでさえ「表現が弱い」と批判もあったのだけど、今回のエネルギー計画には「どんどん再稼働」「輸出もしていく」「核燃料サイクルはやめない」と書かれるようで、脱原発はおおきく後退しそう


■なぜこのタイミング?

 このタイミングで、再稼働の方針をはっきり打ち出したエネルギー計画を出すのには、電力会社さんの都合もありそうなんだ。

 ことし、安倍さんの原発イケイケな姿勢にあとおしされて各電力会社さんはもりもりと再稼働の申請を出していて、その数は7原発14基にもおよぶの

 年末に「再稼働をすすめます」という政府の計画が出れば、それも2014年度の事業計画に織り込むことができて、ほら、経営の見通しを明るく描けそうでしょ。

 ボクたちの暮らしにおおきくかかわるエネルギー計画が、ゆううつなクリスマスプレゼントになってしまわないように、サンタさんにお願いしておかなくちゃ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121402000119.html

「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記
2013年12月14日 朝刊

 経済産業省の審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は十三日、エネルギー基本計画案を了承した。経産省の素案段階で「重要なベース電源」としていた原発を「基盤となる重要なベース電源」と書き換え、さらに推進色を強めた。国民の意見を踏まえて決めた民主党政権の「原発ゼロ目標」からの転換姿勢を鮮明にした。

 今後、国民の意見を募り、関係閣僚会議の議論を経て、来年一月に閣議決定する。前民主党政権は意見公募に加え、討論型世論調査などで国民の意見を取り入れ脱原発へ舵(かじ)を切ったが、現政権は意見公募しか行わない。政府が国民の声に耳を傾ける姿勢は大きく後退した。

 計画案は、脱原発の世論に配慮して「原発依存度を可能な限り低減させる」とした。ただ、原発をどう減らすか具体策は示さず、「必要な規模を確保する」と明記した。

 原発の依存度が増す新設や建て替えについての考えは記載せず、判断を先送りし、将来に含みを残した。運転から四十年で廃炉にする原則にも言及はなかった。脱原発につながる項目は曖昧にして、なし崩し的に原発を進めようとする姿勢が見え隠れしている。

 実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記し、研究終了を掲げた前民主党政権時の方針は白紙に戻した。実用化のめどがないまま国民の税金が投入され続ける恐れがある。

 基本計画は中長期のエネルギー政策の方向性を示し、三年をめどに見直す。

 前民主党政権は二〇一〇年の計画で、将来的に全電源の半分を原発に頼る方針を決めたが、福島第一原発事故後に「二〇三〇年代に原発ゼロ」目標に転換した。
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http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2596187.article.html

再稼働、現状では暴挙 専門家、新基準を批判

 佐賀県議会は13日、原子力安全対策等特別委員会を開き、井野博満東京大名誉教授(金属材料学)が参考人として出席した。原子力規制委員会が定めた原発の新規制基準について、「福島第1原発事故で破綻した設計基準そのものを見直していない」などと問題点を指摘した上で、現状での再稼働は「暴挙」と批判した。

 井野氏は、新規制基準に関し、外部電源の耐震性など従来の設計基準が見直されていないと指摘。過酷事故対策もフィルターベントなど5年の猶予期間を設けるなど、「付け焼き刃と批判した。

 さらに、規制委員会が「基準に適合しても原発の安全を完全に保証するものではない」としていることと、安倍政権が「適合した原発は再稼働させる」としていることが矛盾すると指摘。「原発の安全に誰が責任を持つのか」と批判した。

 現在、審査が行われている玄海原発3、4号機についても、メルトダウンした際、格納容器に注水するとしている九州電力の対応について、作業時間などの問題点を指摘した。

 再稼働の判断については、技術的な問題点や廃炉費用を含めた原発の経済性などをすべて公開して論議し、国民が判断すべきと提言した。

 特別委はこれまで九電や原子力規制庁の担当者などを招致。今回は、原子力政策に批判的な専門家として井野氏から意見を聞いた。今後は原発政策を推進する立場の専門家を招致する。

2013年12月14日更新
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●「報われない国」の労働環境の「質」の劣化

2013年09月20日 00時00分08秒 | Weblog


未来工業について触れている東京新聞の社説【企業の人材投資 削減するばかりでは】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082402000115.html)と東京新聞の【【私説・論説室から】頑張っても報われない国】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013082602000131.html)。最後に、gendai.netの記事【ワタミだけじゃない! あの有名経営者「ブラック発言」の数々】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144202)。

 未来工業という会社ついて、以前東京新聞のコラム『筆洗』でも触れられていた。

   『●働くとは何か? 生業とは?
   
     「コストを削った利益を社員に回すためだという・・・「これだけ休みを
      もらって、自由にやらせていただいていて売り上げが下がったのでは
      申し訳ない」という営業社員の声が載っていた。「ムチがなくても
      社員は働く。それを知らないのは無知」という思想の浸透を感じた
      ▼・・・社員がやりがいを持って幸福に働ける環境を築いてきた
      経営者の言葉には、小さな企業が生き抜いてゆく知恵が詰まっている

 労働者の敵・経団連米倉弘昌会長や新自由主義学者竹中平蔵氏にはあり得ない発想。消費税増税非正規化が加速することは明白なのに、安倍晋三首相は消費税増税・非正規労働化に向かって驀進している。それに対して、この未来工業を見よ!

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082402000115.html

【社説】
企業の人材投資 削減するばかりでは
2013年8月24日

 全日本空輸が二十年ぶりに客室乗務員の正社員採用を再開する。従来のコスト削減を目指した契約社員採用を見直す。経済界は人件費圧縮ばかりに走るが、人材投資に前向きな経営にすべきだ

 国内航空会社の客室乗務員(CA)は花形の職業でありながら、バブル崩壊後は賃金抑制のために契約社員採用になっていた。

 全日空の場合、入社から三年たたないと正社員に移行できない。福利厚生や年金、退職金などの待遇面で正社員に劣ることから離職率は高い。格安航空会社(LCC)を含めて競争が激しくなる中、優秀な人材確保のために正社員採用の再開を決めた。

 すなわち「コスト削減こそ競争力の源泉」とみていたのを改め、「人材こそ競争力の源泉の戦略に大きくかじを切ったのである。

 考えてみれば、企業が横並びで非正規社員を拡大させ、雇用の不安定化と賃金低下に歯止めがかからず、それがデフレ経済を長引かせてきたのである。人件費をコストとしかみず、労働者を大切にしない資本(株主)優先の安易な経営が、結果的に自らの首を絞めてきたということだ。

 人を大事にする経営で知られる岐阜県の未来工業(電気・ガス設備資材)は、全員が正社員で定年も七十歳。昭和四十年の創業以来、赤字はなく、社員約八百人の平均年収は六百二十万円(四十三歳)。好業績は社員の提案に基づく商品開発力にあるという。かつてと違い、大手企業からヒット商品が生まれないのも人件費削減に躍起な経営と無縁ではあるまい。

 ところが安倍政権は「世界一企業が活動しやすい国」を掲げ、解雇しやすい正社員といわれる「限定正社員」など雇用流動化に力を入れる。派遣労働についても規制緩和を一段と進める方針である。

 厚生労働省の労働者派遣制度の見直しを検討した有識者研究会の報告書は、企業が派遣を利用しやすい内容だ。これまで企業が一つの業務に派遣労働を使用できる期間は最長三年だったルールを撤廃し、人を入れ替えれば派遣を使い続けられる。派遣会社と無期契約した場合には、派遣先で無期限に働けるルールも提言した。

 これらは正社員の仕事が派遣に置き換えられたり、派遣労働の固定化につながる懸念がぬぐえない。年末に厚労省の審議会で詰められるが、「多様な働き方」の美名の下に賃金・不安定雇用の非正規労働をこれ以上、拡大することは見過ごすことができない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013082602000131.html

【私説・論説室から】
頑張っても報われない国
2013年8月26日

 今月初めに聴いた絵本作家、伊勢英子さんの講演が重くのしかかっている。

 3・11と福島原発事故の痛ましさに、しばらく絵筆を取る気になれなかったという伊勢さん。考えて考えて、未来につながる希望を日本中の母子に伝えたいと、その年の夏、一冊の絵本を緊急出版した。『木のあかちゃんズ』(平凡社刊)は、モミジなど二十種余りの樹木の種子を人間の赤ちゃんに擬して描き、ほほ笑ましい作品。ただ「気がかりが一カ所あった」という。

 原発事故で数十年も苦難が予想される地域に思いを寄せて描いた「メマツヨイグサ」。その種子は地中で三十年でも百年でも眠って芽吹きを待つ。だが、帰還困難地域などで先の見えない状態が現実となった今、種子の特性をありのまま描いてよかったのか-と自問するようになったのだ。

 さらにショックが重なった。本来、内陸に生えるメマツヨイグサが、岩手県内の海岸で群生していることを知った。津波で種子が流されたらしく「移住を強いられた方々と重なって…」と声を震わせた。

 安倍晋三首相は「頑張った人が報われる社会に」という。しかし、このどうしようもない格差固定社会では、いくら頑張っても非正規から抜け出せない人もいる出自に恵まれた首相には、そんな機会の不平等は見えないだろう。古里を奪われ、無縁の地で毎日を頑張っている人はいつ報われるのか。 (久原穏)
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http://gendai.net/articles/view/syakai/144202

ワタミだけじゃない! あの有名経営者「ブラック発言」の数々
2013年8月24日 掲載

<人権無視、法律無視のオンパレード>

「365日24時間死ぬまで働け」「いますぐ、ここから飛び降りろ!」――。いずれも今年の「ブラック企業大賞」に輝いたワタミの創業者・辺美樹参議院議員の発言だが、ほかにも企業トップのヤバい発言がいくつもある。24日発売の「ブラック語録大全」(合同出版)には、法律無視を得意満面に語る経営者の数々の語録がまとめられている。

〈過労死を含めて、これは自己管理だと思います〉〈祝日もいっさいなくすべきです。労働基準監督署も不要です〉〈格差論は甘えです〉――。こんな持論を主張したのは、人材派遣会社「ザ・アール」の奥谷禮子社長。奥谷社長は内閣府規制改革会議委員など政府の諮問委員を歴任した人物だ。

 小平の格言になぞらえて、〈白い猫でも黒い猫でも利益を稼ぐのはいい猫だ〉と言い放ったのは、御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長。まるで労働者を犬猫扱いではないか。

 “富士通の怪物”と呼ばれ、現在も相談役として同社に影響力を持つ秋草直之相談役は、「週刊東洋経済」(01年10月13日号)の取材で業績不振について聞かれ、〈くだらない質問だ。従業員が働かないからいけない〉と社員に責任転嫁した。

 精密小型モーターの開発製造で世界一の日本電産の永守重信社長は08年4月の決算発表の場でこんな発言をした。

   〈休みたいならやめればいい。社員全員が休日返上で働く企業だから
    成長できるし給料も上がる〉

 スズキの鈴木修会長も〈土曜休んで日曜も休む奴は要らない〉と言っている。ま、永守社長も鈴木会長も自分が休日返上で働くタイプ。それで会社が成長したのだから、言ってることはわからないではないが、法律には週40時間労働と書かれている。

 他にも〈結果的にはブラック企業が社会を豊かにする〉(ITベンチャー・ジーワンシステムの生島勘富社長)、〈業界ナンバーワンになるには違法行為が許される〉(クリスタル創業者の林純一氏)、〈労働基準法なんておかしい。今は24時間働かないといけない時代なのに〉(NOVAの猿橋望元社長)といった仰天語録のオンパレードだ。ちなみに、猿橋元社長はこの発言後の08年6月に業務上横領で逮捕され、クリスタルはとっくに消滅した。

 「ブラック語録大全」の法律監修を担当した佐々木亮弁護士(ブラック企業被害対策弁護団代表)がこう言う。

   「本に載せたブラック語録は経済誌や大手新聞などの出版物、
    ウェブサイトで経営者が臆面もなく語った表の情報です。彼らはそれが
    経営哲学だと信じ、熱く語っているのでしょうが、いずれも、法律無視の
    不当労働やパワハラを正当化するような発言ばかり。恥ずべき言動です。
    そんな経営者をきちんと検証せず、カリスマ経営者みたいに持ち上げた
    メディアにも責任があると思います」

 若者を使い潰すブラック企業が社会を豊かにすることは絶対にない法を顧みない悪質な企業はいずれ駆逐される運命にある。
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●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」

2013年03月08日 00時00分24秒 | Weblog


東京新聞の社説『企業と賃上げ 格差縮める任を果たせ』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012802000150.html)と記事『私説・論説室から/110%のやさしさ』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013012802000148.html神保哲生さんのvideonews.comの二つの映像記事『アベノミクスは浦島太郎の経済学だ』(http://www.videonews.com/interviews/001999/002647.php・『インフレ目標2%は達成不可能』(http://www.videonews.com/interviews/001999/002648.php。最後に東京新聞の社説『企業と賃上げ 中間層復活の役割担え』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013021802000138.html

 企業の貯金は250兆だそうだ。働くことが、馬鹿らしくないか? いったい、「働くとは何か?」

   『●働くとは何か? 死ぬために働く・・・・・・
   『●働くとは何か? 生業とは?
   『●「利益率の向上」だけのために働かされる・・・・・・

 インフレだけが起こり、給料が上がらなければ、経済の活性化など起こりえないと素人ながらに思うのだけれども。この未来の日本に待っているのは、大企業やお金持ちだけが栄える社会になるのでは。「経団連の企業行動憲章は従業員のゆとりと豊かさを実現する」「企業は雇用の維持・拡大を実現し、国民生活を豊かにする役割を果たしている」とうたっている」そうだが、実際に経団連ふぁやっていることを考えると、聞いて呆れる。
 一方、インフレそのものが本当に起こせるのか、と言う議論もあるようだ。野口氏によれば、「2%インフレ達成」どころか「1%」インフレが起きたのは2008年の原油価格上昇時のみ」! 同様に、この記事(http://www.videonews.com/on-demand/611620/002644.php)では「しかし、慶應大学大学院の小幡績准教授は「今回の市場の動きはアベノミクスとはあまり関係ない。安倍発言が取引を後押しした側面はあるが、あくまでも市場が上昇局面だったことが主な要因」としたうえで、日銀の無理な金融緩和によって「今後、物価は上がらず、資産インフレだけ起きる可能性がある」と警鐘を鳴らす。/金融緩和によって本当に日本の物価は上昇するのか。そうすることで日本経済は本当に復活するのか・・・・・・」。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012802000150.html

【社説】
企業と賃上げ 格差縮める任を果たせ
2013年1月28日

 安倍政権も企業の潤沢な資金の存在に気づいたのだろう。賃上げした企業の法人税負担を和らげる税制の導入を決めた。企業が貯蓄に励み、設備投資も賃上げも躊躇(ちゅうちょ)していてはデフレ脱却は危うい。
 人件費を増やした企業は、その最大一割を法人税から差し引く。与党の自民、公明両党がまとめた二〇一三年度税制改正大綱に、企業の税負担を緩和する新たな制度が盛り込まれた。企業の手元に積み上がっている巨額の内部留保を眠らせることなく、勤労者に移し替えて内需を盛り上げる。デフレ脱却に対する安倍政権の意図が込められている。
 だが、経団連の春闘方針「経営労働政策委員会報告」は、賃上げを「実施の余地はない」と一蹴、年齢などに応じて給与を引き上げる定期昇給も延期や凍結があり得るとほのめかしている。法人税軽減というニンジンを見せられても、減税が時限措置ゆえに、やすやすとは応じられないと冷淡だ。
 日本の経営者は一九九〇年代からの「失われた二十年」にうろたえ、すっかり内向きになってしまったようだ。分厚い手元資金に安心を求め、賃上げはおろか、設備投資さえためらっている。日銀統計によると、企業が抱える現預金は二百十五兆円にも膨らんだ。
 経済界は「アジアの成長を取り込む」と勇んではいるが、海外子会社からの年三兆円に上る受取配当なども有効に活用しているか疑わしい。日本経済をむしばんでいる原因の一つは、十五~六十四歳の生産年齢人口減少に伴う内需縮小であり、企業はとりわけ消費性向が高い子育て世代にお金を回し、内需拡大に転じることが求められていると言うべきだ。
 経団連の企業行動憲章は従業員のゆとりと豊かさを実現する」とうたっている。円高などの六重苦を嘆いてばかりいないで、日本再生への自助努力を受け入れる度量をしっかりと示すべきだ。
 オバマ米大統領は二期目の就任演説で、米国の成功は復興しつつある中間層に支えられるべきだ-と訴えた。「なぜ1%が金持ちで、99%が貧乏なのか」を合言葉とした金融の中枢、ウォール街占拠への回答でもある。
 購買力のある中間層の復活は日本も重い課題だ。格差拡大の原因にもなった製造業への派遣就労拡大を法制化したのは、かつての自民党政権ではなかったか。税制で賃上げを促そうとする安倍政権には、中間層復活に向け、経済界に協力を強く求める責務がある。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013012802000148.html

【私説・論説室から】
110%のやさしさ
2013年1月28日

   「お願いします、あの子たちをこれっきりにしないでください。
    正社員として雇ってください。私たちが何でも手伝いますから」

 知的障害者らの雇用を半世紀以上も前から少しずつ増やしてきた川崎市のチョークメーカー、日本理化学工業。その第一歩は、短期の就業体験をした少女二人の働きぶりに胸を打たれた社員の総意が、会社を動かしたことだったという。
 休憩時間も持ち場を離れず、一心不乱にラベルを箱に貼る作業を続けた。集中力と根気。働ける喜びがひしひし伝わってきた。周りの社員が刺激を受けないはずはなく、会社の姿勢に賛同する取引先も増え、業績は伸びた。今ではよく知られた会社だ。
 社員七十四人のうち五十五人が知的障害者。重度も二十六人いる。法定雇用率は重度の人数を二倍に換算するため、同社は110%という驚異的数字になる。
 企業に課せられる法定雇用率は1・8%だが、半数以上の企業が守っていない。雇用率を向上させるのは喫緊の課題だが、重要なのは数字を達成することではなく、いかに生き生きと働ける場にするかだ。
 施設面から細かなサポート体制まで生易しくはないが、障害者は手帳所持者だけで人口の6%。発達障害やうつの人を合わせれば、十人に一人と身近な存在だ。積極的に受け入れて、職場や仕事の方を彼らに合わせていく。そんな発想が企業にほしい。 (久原穏
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http://www.videonews.com/interviews/001999/002647.php

インタビューズ (2013年01月26日)
アベノミクス浦島太郎の経済学
インタビュー:浜矩子氏(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)

 「浦島太郎の経済学」。同志社大学大学院の浜矩子教授はアベノミクスをそう評する。
 アベノミクスではインフレターゲットなどの金融政策が前面に出てきているが、その実態はばらまき型公共事業円安による輸出企業の救済であり、これは50~60年前の「浦島太郎」の経済戦略だと浜氏は言う。
 その上で浜氏は、既に成熟している日本経済に今必要なのは、インフレターゲットでも成長戦略でもなく成熟戦略であるとして、今日本は既に積み上げた国富を国民全体でどう分かち合っていくのか考えなければならない段階にあるとの考えを示す。
 ジャーナリストの神保哲生が浜氏にアベノミクスの評価と懸念点を訊いた。

・・・・・・・・・。

プロフィール
浜 矩子 はま のりこ
(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)
1952年生まれ。75年一橋大学経済学部卒業。同年三菱総合研究所入社。ロンドン駐在員事務所長、主席研究員などを経て2002年退職。同年より現職。著書に『新・国富論グローバル経済の教科書』、『ユニクロ型デフレと国家破産』、『グローバル恐慌 金融暴走時代の果てに』など。
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http://www.videonews.com/interviews/001999/002648.php

インタビューズ (2013年01月26日)
インフレ目標2%は達成不可能
インタビュー:野口悠紀雄氏(早稲田大学大学院ファイナンス研究科顧問)

 インフレターゲットに対して批判的なことで知られる早稲田大学大学院顧問の野口悠紀雄氏は、先に安倍政権と日銀が合意した年率2%のインフレ目標について「達成は不可能」と語り、あらためて金融政策では経済の活性化はできないとの考え方を強調する。
 野口氏は過去10年の日本の金融緩和策がインフレにはつながらなかったことを指摘した上で、日銀が2%のインフレが達成されるまで国債を買い続けることになれば、日銀による財政ファイナンスによって公共事業などのばらまきが横行する危険性があるとの懸念を表明する。
 アベノミクスがはらむリスクについてジャーナリストの神保哲生が野口氏に訊いた。

プロフィール
野口 悠紀雄 のぐち ゆきお
(早稲田大学大学院ファイナンス研究科顧問)
1940年東京都生まれ。63年東京大学工学部卒業。72年エール大学経済学博士号取得。64年大蔵省(現財務省)入省。主計局、一橋大学教授、東京大学先端工学研究センター長などを経て2001年退官。スタンフォード大学客員教授などを経て05年より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授、10年より現職。著書に『世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか』、『消費増税では財政再建できない』、『製造業が日本を滅ぼす』など。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013021802000138.html

【社説】
企業と賃上げ 中間層復活の役割担え
2013年2月18日

 安倍晋三首相が経団連などに賃金を引き上げるよう求めた。労働者の懐を温めてデフレから脱却することが狙いだ。企業には所得増→内需拡大→企業業績好転の好循環を引き寄せる重い役割がある。
 ボーナスなど、すべての給与を合わせた二〇一二年の給与総額(月平均)は前年比0・6%減の三十一万四千二百三十六円で、一九九〇年以降の最低水準。ピーク時の九七年に比べ約五万七千円も減っている。
 厚生労働省の調査結果であり、懐の寂しさを象徴する数字といえる。十年以上にもわたって名目賃金が下がり続けているのは、先進国の中では日本だけだ。消費が縮んでデフレ・低成長が常態化するのも当然と言わざるを得ない。
 家計の年収の分布は六百五十万円台以上が減って、六百万円台以下が増える低層化が著しい。消費性向の高い中間層がすっかり傷んでしまった。中間層とは「自ら働いて、人間らしい生活を営める所得層」を指すが、深刻なのはその中間層だけにとどまらない。
 生活保護世帯の中で大幅に増えたのは母子世帯などではなく、就労可能層を含む「その他世帯」だ。三人に一人に膨らんだ非正規労働者を中心に、賃金を抑え込まれて食べていけなくなっている。これではデフレ脱却は望めない。
 安倍首相は経団連などに、業績が改善した企業から賃金を引き上げるよう要請した。賃上げは個別企業ごとに決めるべきものだが、デフレから抜け出すにはやむを得ないというべきだろう。
 その根っこにあるのが、現預金二百兆円をゆうに超える企業の内部留保だ。麻生太郎財務相も「企業は給料に配分せず、ため込んできた」と経済界に賃上げを迫っているが、経団連の米倉弘昌会長らは「景気がよくなれば」などと腰を引いている。今春闘も退職金などに反映される定期昇給やベースアップを拒み、一時金や賞与の増額で収拾を図りたいようだ
 オバマ米大統領は一般教書演説で経済再生に向け中間層の底上げを最優先課題に掲げた。安倍首相も中間層復活を日本再生の原動力として明確に位置づけるべきだ。
 経団連は基本方針に「企業は雇用の維持・拡大を実現し、国民生活を豊かにする役割を果たしている」と明確に記している。ならば手元資金をため込む内向きの経営を排し、稼いだ富のうち労働者の取り分を示す労働分配率を引き上げる度量を示してほしい。
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●作家としての能力と政治センス、そして人間性

2012年12月06日 00時00分47秒 | Weblog


東京新聞の二つのコラム(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012112902000093.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012112802000129.html)。

 さて、どんな結果が待っているのか? 5回目の失望か、新たな希望か?
 「来る総選挙で「時計の針」を戻すか、否か。いっそのことリセットすべきか。脱原発、改憲、消費税増税、金融政策…。どの候補者が信用でき、どの政党なら国民の安全を脅かさないか。民意は移ろいやすいが、賢明な判断を下すと信じたい」・・・私もそう信じたい。

   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012112902000093.html

【コラム】
筆洗
2012年11月29日

 映画館で近く上映される作品の予告編を長々と見せられるのは苦痛だ。騒々しい映像が続くと、本編が始まる前に疲れてしまう。ただ、中にはこれは見逃せないと思わせる作品もある▼山梨県の青木ケ原樹海を舞台に、男女の愛を描いた「青木ケ原」もそうだった。ミステリアスな展開を示唆する予告編の映像に引き込まれそうになったが、一瞬だけ映った人物が気になった▼東京都知事の座を投げ出し、日本維新の会の代表に納まった石原慎太郎さんではないか。原作は石原さんの小説。製作の総指揮を執り、脚本も書いた。都知事役として出演もしている▼知事室の執務も、最後には週一日か二日、それもわずかな時間しか登庁しなかった人だ。その分、映画製作に時間を割いていたのだから、さぞかし見応えのある映画に仕上がっているだろう。公開が待ち遠しい▼その石原さんの辞任に伴う都知事選はきょう、告示される。衆院選より一足先に本格的な舌戦がスタートする。きのうは猪瀬直樹副知事、宇都宮健児日弁連会長、笹川尭元衆院議員、松沢成文前神奈川県知事の四氏が、日本記者クラブ主催の共同記者会見で主張をぶつけた▼衆院選をめぐる合従連衡の報道に埋もれがちだが、「首都の顔」を選ぶ極めて大事な選挙だ。電力の最大消費地に暮らす有権者の責任として各候補のエネルギー政策を吟味したい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012112802000129.html

【私説・論説室から】
もう一つの3・11
2012年11月28日

 総選挙が近い。世論調査は政権交代の可能性を示すが、ふたを開けるまで何が起こるか分からない。そんな劇的な体験を思い出す。
 二〇〇四年三月十一日。スペインの首都マドリード。朝の通勤電車で列車爆破テロが起き、約二百人が犠牲になった。駐在先のパリから急ぎ現地に入った。なぜか当時のアスナール首相はテロ発生直後から、「バスク祖国と自由(ETA)」という分離独立を唱える国内武装組織による犯行との情報を流していた。
 スペインはテロの三日後に総選挙を控えていた。直前までのいずれの世論調査も、国内経済の好調を反映して与党の勝利を示していた。しかし、投票日のまさに前日、事態は一変する。国際テロ組織アルカイダ系の犯行声明が明るみに出たためだ。
 首相は前年のイラク戦争開戦で米英を支持し、派兵。その米国追従政策が報復テロを誘発した。首相はそれが明らかになれば窮地に陥るため、ETA犯行説をでっち上げたのだった。民意は雪崩を打って野党に流れ、“一夜”にして大どんでん返しが起きた。
 民意を侮ってはいけないということだ。来る総選挙で「時計の針を戻すか、否か。いっそのことリセットすべきか。脱原発改憲消費税増税、金融政策…。どの候補者が信用でき、どの政党なら国民の安全を脅かさないか。民意は移ろいやすいが、賢明な判断を下すと信じたい。 (久原穏)
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