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●《杉並から世界に拡散した「原水爆禁止」運動...「市民の戦い」…70年前、先人は声を上げ、局面を動かした…やすやすと諦めている場合ではない》

2024年02月29日 00時00分31秒 | Weblog

(2024年02月12日[月])
中島京子さん《杉並区は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし…さまざまな活動をしている区民が多いんです》。

   『●岸本聡子杉並区長「日本の政治を変えていくには、やっぱり地方、地域
     から変えていくことが大切で、そこにこそ大きな可能性があると感じた」
    「中島:私が素晴らしいな、と思ったのは、杉並で長く運動をして
        きた、いろいろな人たちがウワーッと集まって、みんなで
        選挙を作っていくのを目の当たりにできたことです。杉並区
        は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし、お母さんたちが
        学校給食の自校調理方式を守ったり、さまざまな活動をして
        いる区民が多いんです。
     岸本:私がレジェンドと呼んでいる方々です。」

 山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/杉並から世界に拡散した「原水爆禁止運動 声を上げた一軒の魚屋、公民館を拠点にした「市民の戦い」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/308840)。《◆デスクメモ 不安定な世界情勢。核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになるうんざりする。でも、と思う。70年前、先人は声を上げ、局面を動かした。それも東京からだ。見習うべき姿勢やすやすと諦めている場合ではない。(榊)》

   『●鎌田慧さんらの「脱原発」署名呼びかけ
   『●社説:核廃絶と脱原発
    《しかし、本をただせば同じ核燃料と技術である。これまで分けて
     いたことが異常だったのかもしれない。そのことは安全神話が
     まかり通っていた原発が事故を起こし、思い知らされることになる
      田中氏は言う。「核と原発はつながっているが、背中合わせ
     
だからお互いが見えなかった」と。》

   『●呼び掛けに応じて ~原発なんて要らない~
   『●あれから3年半、広島市長までが、
     原発は「安全性を確保できれば再稼働するという方向が出ている」と
    《「核と人類は共存できない」という思想を75年に打ち出した
     哲学者・森滝市郎(1901~94)の次女だ。
      原爆で右目を失った父は戦後、原水爆禁止運動の先頭に立った。
     豪州のウラン鉱山で働く同胞の被曝(ひばく)の危険性を訴えた
     先住民の女性との出会いが、核の「絶対否定」を確信させた》

   『●人類は核と共存できるのか?
      『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
    《これがきっかけで、原水爆禁止運動が国民的な広がりを持った。
     翌年八月六日、広島で開かれた「第一回原水爆禁止世界大会」には
     三千万を超える署名が集まった。展示館にはその署名簿の一部も
     展示されている。
      影響は海外にも広がった。哲学者バートランド・ラッセル
     物理学者アルバート・アインシュタインは「核兵器の廃絶と
     戦争の廃絶」を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言を発表した。
     宣言を出す理由として、水爆実験で日本の漁船員が被ばくしたこと
     に触れている。宣言には、湯川秀樹博士も署名した。
      二年後の五七年、カナダの漁村パグウォッシュに、米、旧ソ連、
     西欧、東欧、中国などの物理学者ら二十二人が集まり、核兵器の
     危険性、放射線の危害、科学者の社会的責任について討議した。
     この後、パグウォッシュ会議のグループ名で毎年、開催されている》

   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となったハンフォードと
           東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
      経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず
    《原水爆禁止運動に生涯を捧(ささ)げた哲学者の故森滝市郎さん
     さえも「軍事利用はいけないが、平和利用だったらいいのじゃないか
     と考えたのです」…と、一時は評価に傾きました。
      五七年には茨城県東海村の実験炉に初の原子の火がともり、
     十年後には福島第一原発の建設が始まった》
    《◆夢はずっと夢のまま こうして被爆国日本は五十四基の原子炉を
     有する世界三位の原発大国になったのです。ところが、
     しょせん夢は夢。原子力の飛行機も鉄道も、超小型原子炉で
     十万馬力の鉄腕アトムも、使えば使うほど燃料を増やす夢の原子炉も、
     実現を見ることはありますまい
      核兵器の実相を糊塗(こと)するために陳列された空虚な夢は、
     安全神話経済神話クリーン神話三つの神話の温床には
     なりました》

   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる
    《ビキニ事件は原水爆禁止の国内世論を高めた一方で、日米両政府の
     政治決着により、翌年に米側の見舞金7億円余で「完全解決」とされた
      同じ海域で影響を受けた日本の漁船は約1千隻とされるが、
     公式の健康影響調査はされていない。80年代以降、船の約3割は
     高知県から出ていたことが地元の地道な調査で浮かんだ》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/308840

こちら特報部
杉並から世界に拡散した「原水爆禁止」運動 声を上げた一軒の魚屋、公民館を拠点にした「市民の戦い」
2024年2月12日 12時00分

 太平洋のビキニ環礁で米国が水爆実験を行ってからまもなく70年を迎える。付近で操業していた日本のマグロ漁船が「死の灰」を浴び、放射能に汚染された「原爆マグロ」が大量に廃棄される騒動も起きた。原水爆禁止を求める統一的な署名運動は、東京都杉並区の魚商の呼びかけがきっかけとされる日本全国に広まり、世界的な活動へつながっていく運動の原点をたどった。(山田祐一郎


◆飲食店主、市場の仲間 みんな危機感があった

 「ある日を境にぱたっと魚が売れなくなった。付近の住民が遠巻きに怖い物を見るように店を避けていったのを覚えている」

 杉並区の竹内ひで子さん(81)が70年前の記憶をこう語る。当時は11歳。両親の菅原健一さんとトミ子さん(ともに故人)が営む鮮魚商「魚健」の店番や配達を手伝っていた。

     (署名運動に奔走した両親について話す
      竹内ひで子さん=東京都杉並区で)

 1954年3月1日、ビキニ環礁での水爆実験に静岡県焼津市の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が遭遇し、乗員23人全員が被ばくした。当時、周辺で多くのマグロ漁船が操業中で、850隻以上から放射能に汚染されたマグロが水揚げされた。ニュースで報道されると「日本の台所を預かる市場が大パニックに陥った」と竹内さんは振り返る。

 父健一さんの元には、すし店や干物店などの店主らが次々と相談に訪れた。同月中には、原水爆禁止を求める署名運動を行うことを地元の魚商組合が決定。健一さんは、築地市場に買い出しに訪れる東京中の魚商仲間にも声を掛けた。


◆店先の署名簿が1カ月で爆発的に広がった

 4月2日、築地市場であった大会は500人以上が集まり、米国の負担による損害補償や実験中止のための大国間の会議などを求める決議を採択した。杉並区にも地元魚商組合が陳情書を提出。文面考案の中心となったのは健一さんだ。「第五福竜丸の一報から1カ月もたたないうちに、米国や日本政府、区に意思を示したのは驚くべきこと」。竹内さんはそう思い返す。

 当初は魚商の店先に置かれていた署名簿。一気に署名運動が広がったのは、母トミ子さんの言動がきっかけだった。

     (菅原健一さん、トミ子さん夫妻=竹内ひで子さん提供)

 4月16日に杉並区立公民館で開かれた地元婦人団体協議会主催の婦人参政権行使記念講演会。講演が終わり、トミ子さんが手を挙げて発言した。「ビキニ水爆実験による放射能汚染で魚が全く売れず、困っています」。署名運動への協力を呼びかけた。後に講演会の参加者から伝え聞いた様子を竹内さんはこう話す。「母は震えながら手を挙げ、意を決して訴えたようだ」


◆日本政府は批准していない「核兵器禁止条約」

 戦時中から労働運動などを行っていた菅原夫妻。「子どものころから、戦争は絶対にしてはいけないと両親から繰り返し言われてきた。米国とソ連(当時)の核開発競争に日本が巻き込まれたことで再び戦争への道が開かれることを懸念した」。竹内さんは積極的に署名運動に関わった両親の原動力をそう語る。

     (杉並公民館の館長室で署名簿を整理する女性たち
      =1954年撮影(杉並区立郷土博物館提供))

 講演会翌日、杉並区議会は全会一致で水爆実験禁止を求める決議文を採択。5月に入ると「水爆禁止署名運動杉並協議会」ができ、区役所にも署名簿が置かれた。官民の垣根なく区民の運動として盛り上がり、当時39万人が住んでいた同区で2カ月余りのうちに27万以上の署名が集まった

 水爆実験からまもなく70年。2021年には核兵器禁止条約が発効した一方、日本政府が今も批准していない状況を竹内さんは残念がる。「かつての杉並から広まった核兵器反対のうねりが再び起こってほしい


◆「魚屋さんだけの問題だけではない」

 署名運動の中心には、杉並区立公民館の存在があった。講演会で署名への協力を呼びかけたトミ子さんに対し、安井郁(かおる)館長(故人)は「これは魚屋さんだけの問題ではない。全人類の問題である」と会場の参加者に呼びかけたという。

 安井さんは1954年5月にできた水爆禁止署名運動杉並協議会の議長に。署名簿に掲げられたスローガンと声明文は「杉並アピール」と呼ばれ、統一的な署名運動が全国に広がった。

     (三つのスローガンが掲げられた署名簿の表紙
      =杉並区立郷土博物館提供)

 8月に原水爆禁止署名運動全国協議会が発足すると、事務局が区立公民館に置かれた。安井さんが事務局長を務め、全国から寄せられた署名の集計を協議会の女性たちが行った。「当初から世界に訴えるという目標がスローガンにも表れている」と長男の妻の節子さん(79)は語る。

 大学教授でもあった安井さん。「専門は国際法。公民館は民主主義社会と平和主義のための基地であるという思いがあった」と節子さん。当時、公開講座や女性向けの読書会を企画。社会教育の場として区立公民館で多くの女性が学んだ。


◆女性たちのエネルギーが局面を動かした

 区内の署名運動で大きな役割を担ったのは、公民館でつながった女性たちだ。「署名は、女性の水爆禁止への意思表示の手段だった」。地域で平和活動や社会教育活動に関わってきた杉並ユネスコ協会顧問の林美紀子さん(84)はこう話す。「あの時代に何万という署名を集めるエネルギーには驚く」

 全国的な署名運動は、55年8月6日に広島で開かれた「第1回原水爆禁止世界大会に結実する。大会までに全国で集められた署名は3200万筆以上当時の人口の3分の1以上が署名したことになる

     (署名を呼びかけるポスター=杉並区立郷土博物館提供)

 こうした動きは、広島・長崎の被爆者の団結にもつながった。日本原水爆被害者団体協議会被団協)の田中熙巳代表委員(91)は「70年前の事件がなければ全国の原爆被害者は救われなかったかもしれない」と明かす。広島での世界大会後、各地で被爆者団体が結成され、56年に長崎で開かれた第2回大会で被団協が誕生。被爆者への補償や実相普及につながった。

 原水爆禁止の署名運動の中心となり、その後の運動に大きな影響を与えた杉並だが、当時を知る人が少ないのが現状だ拠点となった区立公民館は89年に廃館となり、跡地に建てられた記念碑には経緯が短く記されているだけだ。


◆多くの人が「連帯」できるノウハウ 継承できるように

 昨年3月には、区内の市民団体が平和資料館(室)を求めて署名活動を開始した。被爆者や戦争体験者、署名運動の関係者が所有してきた資料や証言記録を整理、保存、展示する施設の整備を訴えている。

 署名の呼びかけ人の一人で区内在住の武蔵大の永田浩三教授(メディア社会学)は当時の動きを「行政も地域の住民も頑張る中で、政党色がなく多くの人を巻き込んだ」と指摘する。

     (杉並公民館跡地に立つ「オーロラの碑」)

 「当時の資料からは、関係者が知恵を出し合い、工夫してきたことがうかがえる連帯のためのノウハウが詰まっている」と検証する場の必要性を強調する。

 安井さんが自宅で保管していた資料は2005年以降、有志らがデータベース化を行ってきた。一昨年、区立郷土博物館に資料を寄贈した節子さんは「今後、資料を研究者に役立ててもらうなどして、杉並区から世界に広がったこの運動の姿勢や精神を次世代へ語り継いでほしい」と願う。


◆デスクメモ

 不安定な世界情勢。核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになるうんざりする。でも、と思う。70年前、先人は声を上げ、局面を動かした。それも東京からだ。見習うべき姿勢やすやすと諦めている場合ではない。(榊)


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●相澤冬樹さん《アベノマスクを突破口に、安倍政権の負の遺産が明らかになるかもしれない》…数多のアベ様案件の解明につながるか?

2023年03月26日 00時00分33秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(20230309[])
上脇博之さん「本当に妥当だって言うんだったら正々堂々と出せばいい。そんなに誇れるもんだったら(価格を)出してくださいよ」。相澤冬樹さん《アベノマスクを突破口に、安倍政権の負の遺産が明らかになるかもしれない》。

   『●アベノカビマスク《廃棄するよりも高くなるとは呆れるばかりでは
     ないか》…そもそもこんな愚策に数百億円ものドブガネをしていなければ…
   『●アベノカビマスク…《この問題で法律的に責任を問うのは難しい。
     しかし、…政治責任は大きい。…「政治責任に時効はない」はずだ》

 (2022年02月15日)「そもそもこんな最低・最悪の大愚策アベノカビマスクに、《約二百六十億円》ものドブガネをしていなければ…。《内訳はマスク調達費百八十四億円、配送費など七十六億円》《計画時点では四百六十六億円》」、「そもそもこんな最低・最悪の愚策アベノカビマスクに巨費をドブガネしておきながら、さらには…という酷いお話。醜悪な利権絡みか何かか? 《反省ゼロ男》ときたら…。数多のアベ様案件。たとえ汚い手を使ってでも刑事責任を逃れることが出来たとしても、(古賀茂明さん)《「政治責任に時効はない」はずだ》」。
 日刊ゲンダイの記事【相澤冬樹/ “アベノマスク裁判”で国が全面敗訴 単価開示で明らかになる安倍政権「負の遺産」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319405)/《「アベノマスク単価の開示を命令」 注目の判決結果を裁判所前で知らせる“旗出し”だ。大阪地裁で28日、通称「アベノマスク裁判」の判決が言い渡された》、《全国で1億枚以上が配布されたが、国は単価を明らかにしていない。情報公開請求に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が求めても開示しなかったし、国は今に至るまで価格を明らかにしていない》。

 アベ様、カースーオジサン、キシダメ氏…皆、酷過ぎる。《今ほど異常な政治はないのに、マスコミは沈黙、そして何よりも国民が無関心》(ラサール石井さん)。
 日刊ゲンダイのコラム【ラサール石井 東憤西笑/今ほど異常な政治はない! コオロギよりタチが悪い“国に巣くう虫たちの愚かさ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319439)によると、《ここんとこ、週に1回の連載じゃ間に合わないぐらいに腹の立つことが多い。今回は「この世は狂ってる」と思うようなことをまとめて書いてみる。まずは。》《■牛乳20万トン廃棄させて、13.7万トン輸入》《■牛乳は廃棄してコオロギを食べろ》《■ミャンマー軍事政権から麻生大臣が勲章を授与》《とまあ。狂っていることは他にも山ほど。今ほど異常な政治はないのに、マスコミは沈黙、そして何よりも国民が無関心。頼むよ。せめてこっち側は一枚岩でいきましょうや》。


   『●《相変わらず「麻生節」の何のと甘やかす。石原慎太郎の時もこうだった
       が、日本社会の根源的な愚劣さを見せつけられているようで悲しい》
   『●適菜収さん《誤解と言うなら、この短い発言の正しい解釈は何なのか?》
       …ことごとくヅボヅボ自民党議員の「誤解を招いたなら謝罪する」

 「静かなる独裁」。
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/主語をごまかす岸田首相はおごりを捨てよ!「時代は憲法の早期改正を求めている」の支離滅裂】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319535)によると、《上司には全力で媚びへつらい、上司からの命令をそのまま部下に押し付けるだけで、あたかも自分がなにかを成し遂げたかのような気分になっている中間管理職の男をイラストにしたら岸田文雄のような顔になるのではないか。2月26日、東京都内のホテルで自民党大会が開催され、約1200人が参加した。会場では安倍晋三の映像が流され、岸田は演説で安倍を礼賛。…安倍派に媚びを売り、10年前の民主党政権に難癖をつけることでネトウヨにアピールし、しまいには「時代は憲法の早期改正を求めている」と支離滅裂なことを言い出した。時代って何? 「日本会議が求めている」「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が求めている」「アメリカが求めている」と言うなら日本語としては意味が通る。要するにヘタレだから主語をごまかす。アメリカに武器を押し付けられても、主体的な判断により購入したかのように振る舞う姿が絶望的に気持ち悪い。「前進の10年」どころか後退を続けてきたこの10年臭いものにはすべて蓋。岸田は防衛力強化の財源論や自民党と統一教会のずぶずぶの関係など都合が悪いことには一切触れなかった》。

 《あれだけの批判をしてきた自民党の厚顔さにもあきれるが、やるべきことを10年放置した安倍政権の責任は重い》。斎藤貴男さん《適齢期の男女が結婚しないのも、子どもを産みたがらないのも、絶望的な政治に弄ばれる社会に、夢も希望も抱き得ないからではないか。》 ニッポンの《有事》は少子化浜田敬子さん)。なのに、軍事費倍増って、バカなのか?
 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辺野古ゲート前の県民大行動と埋め立て工事の状況】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/7f125f32c33c02f4305aaf2db95b1d5d)によると、《石垣島の自衛隊基地にミサイル発射機を含む約200台の車両が搬入され、琉球列島全体が対中国の軍事要塞と化していることに強い危機感が語られた。抗議のため今日は石垣島に向かった市民もいる、との話も聞いた。昨年生まれた子どもが80万人を割ったことが報じられている。莫大な予算を軍事強化に浪費し、少子化対策や貧困対策を後回しにしてきた結果がこれだ「台湾有事」を煽って本当の危機から目をそらしている間に、さらに衰亡は進み日は没する》。

   『●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を
      持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める

 キシダメ氏の地元で (足元だからこその) この体たらく…核廃絶どころか、広島で《消える「はだしのゲン》、消える福竜丸》…。
 琉球新報の【<社説>「ゲン」「福竜丸」削除 複眼的に被爆を伝えたい】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1672664.html)によると、《多様化する社会でも普遍的な価値を持つものがある。沖縄戦や広島・長崎での被爆体験の継承がそうだ歴史に学び、平和な社会を築くために必要不可欠なものである。広島市教育委員会が市立小中高校を対象にした平和教育プログラムから漫画「はだしのゲン」、米国のビキニ水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」の記述を削除する。全国から疑問の声が上がっている。…広島市教委が公開した改訂内容一覧によると、小学校3年の単元にある「ゲン」に関しては漫画の一部だけでは被爆の実相に迫りにくいことや、母親のために他人の家からコイを盗む場面が「誤解を与える」などとしている。中学では「福竜丸が被爆した記述のみに留まり、実相を確実に継承する学習内容となっていない」とも指摘した。…小学校低学年の児童が漫画を入り口に原爆を学び、中学生が福竜丸事件から核兵器の脅威を知りたいと考えるのは自然なことだ。削除すれば、学びを深めるきっかけを失う可能性がある。それではプログラムの目的からも逸脱する。…証言者が少なくなり、戦後生まれの教諭が実相を伝えるのは確かに難しい。だからこそ教育現場に求められるのは歴史を継承するための教材の充実だ。「伝わりにくい」から削除するのでなく「伝える」ための努力こそが必要だ》。

   『●《おばあさんが川へ洗濯に行くなんて、時代に合わない。もう「桃太郎」
        を子どもたちに教えるのはやめよう。…警察に届けるべき…》……
   『●適菜収さん《ある種の人間が「はだしのゲン」に反発するのは、
     グロテスクな自分の顔を描かれたような気分になるからではないか。》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319405

相澤冬樹 ジャーナリスト・元NHK記者
1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。


“アベノマスク裁判”で国が全面敗訴 単価開示で明らかになる安倍政権「負の遺産」
公開日:2023/03/01 13:55 更新日:2023/03/01 13:55

     (正々堂々と出せばいい(撮影)相澤冬樹)

アベノマスク単価の開示を命令

 注目の判決結果を裁判所前で知らせる“旗出し”だ。大阪地裁で28日、通称「アベノマスク裁判」の判決が言い渡された。

 コロナ蔓延初期、全国の世帯に配布された布マスク。安倍首相(当時)の肝いりで“アベノマスク”と呼ばれたが、小さい、遅い、雑だ、と散々な評判だった。

 全国で1億枚以上が配布されたが、国は単価を明らかにしていない。情報公開請求に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が求めても開示しなかったし、国は今に至るまで価格を明らかにしていない

 なぜ開示しないのか? 価格がわかると納入業者の正当な利益を害する。それに国の今後の業務の妨げになる恐れがある、からだそうだ。ホントにそうか?

 国民の税金を使って購入したアベノマスクの価格がわかったからといって、そんなことがありうるか? というか、そもそも国民に知らせるべき情報ではないか? 政策が妥当かどうか検証できないではないか? そこに疑問を持った上脇教授は、価格の開示を求めて裁判を起こした。

 判決は、金額を開示しない理由はないと指摘。価格を開示しないとした国の決定を取り消し、開示すべきだという判断を示した。原告の要求をほぼ全面的に認めた勝訴判決だ

 ちなみに判決理由要旨の読み上げで裁判長も「アベノマスク」という"俗称"を使っていたのがクスっと笑えた。そうとしか言いようがないからだろう。

 会見で原告弁護団長の阪口徳雄弁護士は……。

「随意契約でやっておいて単価を明らかにしない。およそ理解ができないわけです。これはやはり安倍官邸がとにかくやらなあかんということで始めた。その負の遺産を明らかにしないことで役所は安倍さんを守ってきたそういう失敗事例を明らかにするひとつのきっかけに、この判決はなるのではないか」


■本人は回顧録で「政策は間違っていなかった」

 アベノマスクについて安倍さん本人は、最近話題の回顧録でこう語っている。

「いろいろ言われましたが、私は政策として全く間違っていなかったと自信を持っています

 これに対し原告の上脇教授は……。

本当に妥当だって言うんだったら正々堂々と出せばいいそんなに誇れるもんだったら(価格を)出してくださいよ

 この判決が確定すると、国はアベノマスクの価格を初めて公表せざるを得なくなる。さらに契約過程を記した文書の開示訴訟も進んでいる。アベノマスクを突破口に、安倍政権の負の遺産が明らかになるかもしれない
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/319439

ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。


ラサール石井 東憤西笑
今ほど異常な政治はない! コオロギよりタチが悪い“国に巣くう虫たち”の愚かさ
公開日:2023/03/02 06:00 更新日:2023/03/02 06:00

     (異常な政治が平然と行われている…(岸田首相と自民党の
      麻生副総裁=右)/(C)日刊ゲンダイ)

 ここんとこ、週に1回の連載じゃ間に合わないぐらいに腹の立つことが多い。今回は「この世は狂ってる」と思うようなことをまとめて書いてみる。まずは。


■牛乳20万トン廃棄させて、13.7万トン輸入

 全く何のことかわからん。国の事業のせいで乳製品の在庫が増え、「牛乳を搾るな」と言われ、搾ったが出荷できない生乳を酪農家が廃棄させられている。なのにウルグアイ・ラウンドの合意で消費量の3%を輸入するミニマムアクセスのために輸入はやめない狂っている


■牛乳は廃棄してコオロギを食べろ

 嫌だよ。コオロギより牛乳がいいよ。なぜ急にコオロギからタンパク質を取らなきゃいけないのか。食糧危機に備えると言うが何やら怪しい。

 ある求人広告を見た。仕事内容が「食用コオロギを大量生産する体制の構築」。会社の場所は徳島県。そうです。兵庫県の淡路島で有名なパソナですが。徳島にもある。おまけに電通も関わっている。コオロギの是非はともかく。なぜ政府が力を入れる産業はいつも電通とパソナなのか。これって不平等じゃないのか。でまたごっそり中抜きされるんじゃないのか。政権に巣くって税金を食らう、あんたらが虫だよ


■ミャンマー軍事政権から麻生大臣が勲章を授与

 クーデター以降ミャンマー軍事政権自国民を虐殺している。世界中が批判し、日本政府も距離を置いている。普通なら辞退するのが筋だろう。しかし麻生氏はこれもらっちゃってるのよね。日本企業のミャンマー進出に一役買って、日本ミャンマー協会の最高顧問だ。この辺りも利権が渦巻いてるんだろうなあ。

 そして岸田総理の自民党大会の演説。

「この10年は、民主党政権によって失われた日本の誇り、自信、活力を取り戻すために、みんなで力を合わせ、大きくこの国を前進させた『前進の10年』でありました」

「改めて、『政治は国民のもの』──この立党の精神に立ち返り、真摯に、地域の声、国民の声に耳を澄ませていこうではありませんか」

 どこの国の話なんだ。この人おかしいよ。この10年で日本は驚くほど衰退してるよ。たった3年の民主党政権のせいにするのは無理があるでしょ。国民の声聞くなら、物価高を生活を貧困を、まず何とかしてくれよ


 とまあ。狂っていることは他にも山ほど。今ほど異常な政治はないのに、マスコミは沈黙、そして何よりも国民が無関心。頼むよ。せめてこっち側は一枚岩でいきましょうや
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●《56大学が弔旗や半旗を掲揚…彼らの反応はアカデミズムの「白旗」に他ならない。この国の暗澹たる未来を予感…絶望的な惨状だ》

2020年11月09日 00時00分48秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/56大学が弔意…金のため権力に屈したアカデミズムへの絶望】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280233

 《彼らの反応はアカデミズムの「白旗」に他ならない。この国の暗澹たる未来を予感させて余りある、絶望的な惨状だ》。

   『●《支配欲の亡者ばかり…。今はため込むしかないらしい屈辱を、
     いずれ真の自由を獲得するための原動力に転化して、爆発させたい》

 日刊ゲンダイのコラム【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/学術会議問題に思う 税金は私たちの物で政権の物ではない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280241)によると、《日本学術会議(以下、学術会議)をめぐる誤った発言と意味不明な釈明を見ていて、小学生の頃の自分の醜態がよみがえった。この問題で、フジテレビの解説委員は学術会議のメンバーは学士院のメンバーとなり終生250万円の年金がもらえると言い、橋下徹氏はアメリカとイギリスを例に「両国の学者団体には税金は投入されていないようだ」とした上で、「学問の自由や独立を叫ぶ前に、まずは金の面で自立しろ」と自身のツイッターで発信した。いずれも事実ではないが、そうした誤った発言が別の議論に火をつけて、問題の本質を覆い隠す役割を担っている。自民党はここぞとばかりに学術会議の組織改編を議論し始めた。これについて学術会議の会長を務めた東京大学の大西隆名誉教授が「今回の任命拒否と学術会議の在り方は別の問題であり、あたかも問題をすり替えるように組織の在り方が議論されるのは大変奇異だ」と語っている。ここにこそ、問題の本質がある。菅総理がなぜ推薦された6人を除外したのか? なぜ除外の理由を説明しないのか? 説明がなければ、政府の方針に異議を唱えたことが理由だと考えるのが自然だろう。では、我々はそういう社会を許容するのか? ここが問われている》。

 亡国の「人事介入」と取巻き連中のデマまき散らし。とにかく酷いデマ、そして、《デマだけではなく、悪質なミスリードも目立つ》《デマが指摘されるとまた新たなデマが湧いてくる……》。《自助》大好きオジサンを庇うためならどんなデマでも、ミスリードでも厭わない。
 《このようなデマを流すことで、任命拒否という問題から論点をずらそうとしてきたのである》。《本質》である6人だけを「任命拒否」した理由を説明できないスガ様。

   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く
      「「欧米列強に倣え、進め」と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●「国策の名の下に研究者が軍事研究に
     加担させられた歴史を繰り返そうとしている…亡国の施策だ」
   『●取巻きに堕さず《官邸と距離を置》くような官僚を左遷するアベ様や
       スガ様…《人事でも異常なことが続いています》(前川喜平さん)
   『●《キンモクセイで世間の鼻をごまかし、学問の自由、言論の自由を
         脅かしかねない「腐臭」に気付かせぬようにしている》(筆洗)
    「週刊朝日の記事【「杉田官房副長官、和泉補佐官に政権批判した
     学者を外せと言われた」学術会議問題を前川喜平氏語る】…。
     西日本新聞のコラム【春秋/「学匪(がくひ)」とは、学問や知識で
     民心を惑わし…】…。日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/
     東大総長選考にも疑惑…菅は裸の王様か】」

   『●西日本新聞【例えるなら、こんな話か。授業が始まるのに数人の子が…】
          …取り巻きが《デマを流してまでも、必死で政権擁護》の醜悪
    《菅義偉首相による日本学術会議の任命拒否問題をめぐり、
     「日本学術会議のここが問題だ!」とがなり立てられてきたものが
     ことごとく「デマ」だったことがあきらかになっている》

 《この国の暗澹たる未来を予感》…《学問も表現も人間の内心も、何もかもを支配できると信じ込み、思いあがりきった権力》。
 《真理の探究を旨とすべきアカデミズムは、断じて政治権力の軍門になど下ってはならなかった》のに。《大学人たちが屈服したのは、ひとえにカネのためである政権の意向に逆らうと予算を削られる恐怖が、学究の矜持に優先された》。

   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?
    「さんざんっぱら原子力を推進してきたMr.風見鶏・中曽根
     (中曾根)氏が、久しぶりに本領発揮。しっかし、酷いね。
     甘い汁を吸いつつ、おそらく核兵器への転用までを視野に
     入れていたダーティーなタカ派のくせに。あたかも小泉純一郎氏や
     竹中平蔵センセが郵政民営化反対を叫ぶほどの変節・風見鶏ぶりで、
     御笑いだ。FUKUSIMAの一因は正力氏やMr.風見鶏氏にある、
     というのは言い過ぎであろうか。」

   『●国労組合員恣意的不採用問題、一歩前進
    「中曾根(中曽根)内閣時代の国鉄分割・民営化の際、国労組合員に
     対して行われたとんでもない横暴・差別。…20年以上経過し、
     漸く一歩前進でしょうか。どこまで実行性があるのかは疑問ですが…。
     「鎌田慧著『国鉄処分 ~JRの内幕~』(講談社文庫)」…城山三郎
     『粗にして野だが卑ではない――石田禮助の生涯』」

   『●死者に鞭打つ…風見鶏氏・中曽根康弘元首相《日本の戦後
     民主主義政治を歪めた張本人》が《ダンマリを貫いた》問題とは?
   『●風見鶏氏・中曽根康弘元首相《左派労働運動(総評)をつぶし、
        社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに…》
   『●《「国民には自助だ共助だと自己責任押し付けて中曽根の葬式には
     公助か」の声》(リテラ)…河野太郎行革担当相は閣議の際に無言?

 《生き残れるのは戦争の役に立つか、儲かる研究だけなどという事態にもなりかねない》。
 運営費交付金を削り、学術会議や総長・学長選挙で人事介入あるいは忖度を強制し、「あの時、何をしていたのか?」な元総理への弔意を強制…それに悠々諾々と従う最高学府上層部。
 レイバーネットの記事【憲法違反の「中曽根合同葬儀」に果敢に抗議行動!〜労働者の首切りが功績か?】(http://www.labornetjp.org/news/2020/1017sugi)によると、《10月17日、1億円近い税金投入のみならず、弔意強制などの憲法違反まで行う「故中曽根康弘」内閣・自民党合同葬儀に対して、市民有志3人で会場のグランドプリンスホテル新高輪「国際館パミール」入口付近まで行き、強く抗議しました。高輪警察署警備課が「密」になって立ちはだかるも、「私たちは入る権利がある。税金を払っているんだから。勝手に自民党(と内閣)が人の税金を使ってやっているのがおかしい文句を言う権利がある」と抗議。政府関係者を呼ぶように要求すると、しばらくして内閣府職員が出てきて、別室にて申し入れ。「なぜ血税を使ってやるのか」の問いに、内閣府職員(聞いても名前を名乗らず)が「国鉄分割・民営化の功績があるから閣議決定で合同葬儀を決めた」と答えたため、私たちは「労働者の首を斬り、多くの人を自死に追い込んだと猛抗議。(杉原浩司)》。

   『●アベ様に犯罪をもみ消してもらえる「報道」者、かたや、
         「卑劣な報復=身辺調査」を噂される新聞記者…
    《2年前に筑波大学の学生新聞が行ったアンケート調査では、
     軍事研究賛成派の学生が反対派を上回ったという結果が出ています。
     筑波大はどちらかというと政府系の研究所やシンクタンクが多い
     ということもありますが、そのような結果が出たのは衝撃的でした。
     今年になって、日本の科学者を代表する団体である「日本学術会議」で、
     軍事研究を禁止する1950年・67年の声明を継承していくとする決定が
     出たことを受け、同大の永田恭介学長は「軍事研究を禁止するルールを
     作っていく。学生とは一から議論していきたい」と会見で発表しました。
     NHKで一部報道されていましたが、名古屋大の大学院生らの中には
     「(実際の)戦争が起こらないのであれば、助成金をもらっていても
     よいのではないか」「国防のためには軍事研究は必要だ
     と言う学生もいたそうです》

   『●【NNNドキュメント カネのない宇宙人 信州 閉鎖危機に揺れる
     天文台】…《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減
    「2005年から運営費交付金を年1%削減し続ける文科省。人件費が
     どんどんと削られ、研究者が減らされていく。文系どころか、理系に
     対しても未来に投資しない国。一方、巨額の軍事研究費で研究者の
     良心を釣る。おカネ儲けのことしか考えていない独裁者・アベ様ら。
     この国ニッポンの科学の未来はトンデモなく暗い…。」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280233

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相

56大学が弔意…金のため権力に屈したアカデミズムへの絶望
公開日:2020/10/21 06:00 更新日:2020/10/21 06:00 今だけ無料

     (故中曽根元首相の内閣・自民党合同葬(代表撮影))

 中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬が17日、東京都内で強行され、1億円近い血税が費消された。全国の国立大学と都道府県教委は文部科学省に弔意表明を求める通知を送り付けられ、事前の共同通信調査によると、国立大の68%に当たる56大学が弔旗や半旗を掲揚。

 彼らの反応はアカデミズムの「白旗」に他ならない。この国の暗澹たる未来を予感させて余りある、絶望的な惨状だ

 現政権が中曽根氏を事実上の国葬で弔いたがるのは、自然の成り行きではあった。彼はなにしろビキニ水爆実験の間隙を縫って日本の原発開発を可能にした立役者で、1980年代の首相在任中には“戦後政治の総決算”を唱えて今日に至る構造改革路線日米軍事同盟の深化憲法改正への道筋をつけた、要は現在の体制構造の基盤を築いた人物なのだから。

 だが、あの男が導いた現代史ないし状況に、人生を奪われ、不幸に追いやられた人々もまた、いくらでも存在する。であれば真理の探究を旨とすべきアカデミズムは、断じて政治権力の軍門になど下ってはならなかった

 わかりきっていて、それでも大学人たちが屈服したのは、ひとえにカネのためである政権の意向に逆らうと予算を削られる恐怖が、学究の矜持に優先された

 国立大学の独立行政法人化が進んでいく過程で、私は反核運動の嘆きを幾度も聞かされた。広島大や長崎大の現役教授に遠ざけられるようになったという。リベラルで知られた金沢大の憲法学者が、繁華街への監視カメラ設置について諮問された市の審議会の委員長に就任して行政追認の答申を出した際、「ご自身の学問を否定する行為では」と質して、君は金沢大がどうなってもいいと言うのかと居直られた記憶も、なお生々しい。

 アカデミズムに対する政治権力の圧力は、すでに当時の比でさえなくなった。日本学術会議の問題も同じ文脈上にある。このままでは政権の意に染まない研究はご法度にされてしまう。生き残れるのは戦争の役に立つか、儲かる研究だけなどという事態にもなりかねない。

 知の権威たちにありがちな選民意識に対する反発は、もちろん私にもある。しかし、私たちの眼前で繰り広げられている光景は、もはやシニカルに冷笑していられる段階ではない学問も表現も人間の内心も、何もかもを支配できると信じ込み、思いあがりきった権力によってもたらされるものは、破滅だけではないのだ。
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●《基準値超えのマグロ…午後からは検査がなくなり、すべてのマグロが出荷された…。こうして汚染魚は“ゼロ”に》

2019年10月16日 00時00分44秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]



井上能行記者による、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】第五福竜丸の教訓】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019080702000175.html)。

 《調べてみると、静岡県焼津市の市場では、大みそかの午前中まで検査をし、基準値超えのマグロがあった午後からは検査がなくなり、すべてのマグロが出荷されたという。こうして汚染魚は“ゼロ”になった》。

   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…
                 2011年から「X年後」を怖れる
    「東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「放射線を浴びたX年後」】
     …《登場人物はみな、静かな語り口だが、私たちは被ばく船員を
     見捨ててきたと痛感する。ビキニ事件で政府が積極的に調べたのは、
     船体と魚の放射能汚染。船員はおざなり。米国から賠償金二百万ドルを
     受け取ると調査もやめた。漁港では風評被害を恐れ、
     誰も被ばくは口にできない。そんな時代だ》」
    「同じ構図を…3.11東京電力原発人災でもやってしまっているのではないか…、
     ということをとても怖れる。過小に見積り、情報が隠され、
     「ただちには影響はない」とした「X年後」に、取り返しのつかない何かが
     起こってしまいはしないか? …「事故直後の1巡目の検査では「異常なし」
     とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑い
     と診断…1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの
     甲状腺がんが急増した」。取り返しのつかない「X年後」が経過してしまった
     のではないでしょうか」

   『●人類は核と共存できるのか? 『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
    「東京新聞の社説【核と人類 パグウォッシュ会議を前に 世界を動かした死の灰】
     …《第五福竜丸は一九五四年、太平洋で操業中に、米国がビキニ環礁で行った
     水爆実験で被ばくした。大量の放射性降下物(死の灰)を浴び、乗組員の一人が
     帰国後、死亡した》。これは一面にしか過ぎない…『放射線を浴びたX年後』」

   『●東電核発電人災から6年が経過し、全て廃炉へ…な訳がない:
                  高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日
    「井上能行記者によるコラム【【私説・論説室から】福島を忘れない仲間たち】」

   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
                …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?
    「井上能行記者によるコラム【【私説・論説室から】福島の声に耳を傾けて】」

 《「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない》。でも、《1954年12月末》で終わったことにし、《こうして汚染魚は“ゼロ”に》させられて。
 そして、2011年3月11日東京電力原発人災の『X年後』を怖れる…。《子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の影響を否定するばかりだ。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる》…慄くし、怒りが湧く。「こうして東京電力核発電所人災の影響は“ゼロ”に」させられる…。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
     「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                      vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・ 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●人類は核と共存できるのか? 
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん「ビキニと
     福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
                「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
    「《子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の
     影響を否定するばかりだ。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は
     進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる
     …慄く。怒りが湧く」



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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019080702000175.html

【私説・論説室から】
第五福竜丸の教訓
2019年8月7日

 東京・夢の島にある都立第五福竜丸展示館。リニューアルしたというので見に行った。入ると眼前に船体がある。そして死の灰も。一九五四年三月、米国のビキニ水爆実験の際、百六十キロ離れた海域で被ばくした。

 展示館のパネルには、多くのマグロ漁船が被ばくしていたことも記されている。漁船八百五十隻が五百トン近いマグロを処分した。

 「秋から冬にかけて汚染海流が日本の沿岸にたどりつき、汚染魚が捕れるようになった。しかし国・厚生省は魚の検査を1954年12月末で打ち切ってしまった」とある。

 調べてみると、静岡県焼津市の市場では、大みそかの午前中まで検査をし、基準値超えのマグロがあった午後からは検査がなくなりすべてのマグロが出荷されたという。

 こうして汚染魚はゼロになった

 パネルは、日米両政府が「法律上の責任問題とは関係なく慰謝料として200万ドル(当時、7億2000万円)をアメリカが支払う」という交換公文を五五年一月四日に交わして「すべてを終わったものとしました」と説明する。「完全かつ最終的合意をした」ということだろうか。残念な説明が次にあった。「水産業界には5億8000万円が支払われ」たが「多くの乗組員には補償もなく健康診断などもおこなわれなかった」。

 元乗組員らは二〇一六年、国家賠償請求訴訟を起こした。 (井上能行
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●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない

2016年05月27日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事『ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050902000237.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016051202000152.html)。

 《被ばくに関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を奪われた…》。
 《<目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)》。

 長年こつこつと、この問題に取り組んでこられた「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん、「『ビキニ事件』は終わっていないんです」。

   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
               「『ビキニ事件』は終わっていないんです」

 <目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/…>その典型が、正にアベ様ら。

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン
   『●アベ様ら「貧しい人」=「ぜいたくな暮らしを際限なく求め、
                欲の奴隷となって」政を行い、人殺しへと誘う
    「ホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領は、《日本政府が憲法解釈を変更し、
     他国を武力で守ることを可能にした安全保障関連法を制定した
     ことについて「日本が先走って大きな過ちを犯していると思う」と批判》、
     《私たちには戦争を終わらせる義務がある。それは世界の若者が
     完成させなければならない大義であり、可能なことだ》。
       涙が出ました…《日本に来て広島を訪れないのは
     日本国民の皆さんに対して敬意に欠けるのではないか》…とまで言う、
     貴重な「先輩」「真の友人」の助言には、耳を傾けるべき。」

   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
       原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人

 広島や長崎で核兵器が使用され、ビキニ事件で多くの船員の皆様が亡くなり、福島では核発電所が人災を起こしても、何も変わらないニッポン。「核の非人道性」を訴えることもしません。それをタブー視しつつある、とさえ感じます。ヘレン・ケラーが指先で感じ取った《「戦争の早期終結に寄与したと米国が主張する核兵器の真の姿》や《人類の不条理》…ニッポンが主張せずして誰がするのでしょうか? そのためには、まずは、アベ様らがやることは何? 出来ないのならば、分からないのならば、分からないフリをしているのならば、政権から降りてもらうしかありません。

   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●黙殺される東電原発人災『X年後』: 
     「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」
   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となった
      ハンフォードと東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
      元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長
       山下正寿さん「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
   『●「教訓を学ばないアベ様ら」を教訓に選挙を:
       戦前を忘れて壊憲し、東電人災を忘れて核発電所再暴走

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050902000237.html

ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初
2016年5月9日 夕刊

 一九五四年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験の際に周辺海域にいた元漁船員やその遺族ら四十五人が九日午後、被ばくに関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を奪われたなどとして、元船員一人当たり二百万円の慰謝料を求める国家賠償請求訴訟高知地裁に起こした。 

 原告側によると、ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めて。被ばくした第五福竜丸(静岡県焼津市)の元船員らには五五年に米側から見舞金が支払われており、提訴で国の責任を追及するとともに、救済実現を目指す

 訴状などによると、高知県選出で共産党の故山原健二郎元衆院議員が八六年、衆院予算委員会で実験による被ばくに関する過去の調査結果の開示を求めたが政府側は「見つからない」として拒否した。

 しかし支援者らの度重なる求めに応じ、国は二〇一四年に当時周辺海域にいた漁船延べ五百五十六隻の検査結果を開示。うち延べ十二隻に一定線量以上の被ばくがあったが「健康被害が生じるレベルを下回っているとの見解を示した。

 原告は主に高知県の漁船の元船員とその遺族らで、高知、神奈川、兵庫の各県在住。訴訟では、国が事前に実験について知っていたのに漁船に周知しなかったと主張。さらに被ばくに関する調査結果を意図的に隠し、実験から六十年もたった後に開示した結果、元船員らは米国への賠償請求権などを時効で失い、精神的打撃を被ったと訴える。また五五年の米側の見舞金で政治決着して以降一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為についても追及する。

 提訴を前に高知市で開いた原告団の結成会で、周辺海域にいて被ばくした漁船の元船員桑野浩さん(83)=同市=は「仲間の中には四十代で亡くなった人もいて、国の対応には怒りを感じる」と訴えた。

 ことし二月には、周辺海域で被ばくし、後にがんなどを発症したとして今回の原告のうち高知県内の元船員やその遺族ら十人が船員保険適用を全国健康保険協会(東京)に申請している。


◆1954年に6回、「死の灰」広範囲


ビキニ水爆実験> 米国は1954年3~5月、6回にわたり太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁などで水爆実験を実施、放射性物質「死の灰」が広範囲に降り注いだ。3月1日の水爆「ブラボー」の実験では静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸の23人が被ばくし、半年後に無線長久保山愛吉さん=当時(40)=が死亡。日本で反核世論が高まる契機となった。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016051202000152.html

【コラム】
筆洗
2016年5月12日

 ヘレン・ケラーは一九四八年の秋、広島を訪れた。見ることも聞くこともできぬ彼女は、原爆ドームを見ることも、被爆者の声に耳を傾けることもできなかった▼だが、一人の男性が彼女の手を自分の顔に導き、触れさせた。その顔に原爆が刻んだケロイドの感触が、「戦争の早期終結に寄与したと米国が主張する核兵器の真の姿を、ヘレン・ケラーにまざまざと伝えたのだ▼この逸話をもとに長崎の詩人・志田昌教(まさのり)さんは、こんな詩を書いた。<視覚も聴覚も失ったヘレンにとって/触れることが世界を知る唯一の術(すべ)であった/そしてヘレンの細いゆびさきは/健常者の目や耳の感覚を超えて/人類の不条理をあまねく読み取った…>▼<目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/束(つか)の間の繁栄に執着するだけの/わたしたちの罪を受け止めるように/ヘレンのゆびさきは不条理と対峙(たいじ)する…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)▼米国のオバマ大統領が今月二十七日に、広島を訪れることになった。現職の米大統領による初の被爆地訪問だが、米政府の説明によると、被爆者と会う機会を持つかどうかは未定だという▼しかし米大統領は、その指で核兵器の発射ボタンを押すこともできる。だからこそ、ゆびさきで原爆の傷痕にじかに触れ核の不条理を読み取ってほしいのだ
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●第五福竜丸元乗組員大石又七さん「ビキニと福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」

2016年03月03日 00時00分37秒 | Weblog


asahi.comの田井中雅人記者による記事【(核の神話:15)福島原発が呼び起こしたビキニの記憶】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2N5D1MJ2NPTIL00P.html?iref=comtop_fbox_d1_01)。

 《日本のマグロ漁船「第五福竜丸」など多くの漁船の乗組員らが「死の灰」(放射性降下物)をあびて被曝(ひばく)したビキニ事件。2011年の福島原発事故を受け、「ビキニと福島はつながっている」と訴える第五福竜丸元乗組員の大石又七さん(82)の話に、今こそ耳を傾けた……私たちビキニの被曝者がたどった道を、福島で放射能を浴びた人たちもたどっているんだと思います。本当に気の毒だと思うばかりです。福島の人たちの苦労が始まったわけですからね》。

 映画・TVドキョメンタリー『放射線を浴びた『X年後』』にある通り、大石又七さんの仰るように、《あのころ、ビキニ環礁では、のべ1千隻に及ぶ日本の漁船が漁をしていて、アメリカの一連の核実験の放射能を浴びて、あとになって大勢の人が発病して亡くなっているんだけど、だれもその責任を認めていない》。本インタビュー記事を、是非、読んでもらいたい。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
     「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●人類は核と共存できるのか?
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」

 大事なことは、東京電力核発電人災との関連である。
 この人災の『X年後』への懸念に加えて、記事の末尾で、大石さんは、《核兵器とおんなじで、原発も被害を作り出すものだってことは証明されたよね、福島でね核兵器は悪いけど原発はいいもんだってことを盛んに言ってきたけど、そうじゃないわけで、いまや原発のほうが核兵器よりも直接の害を及ぼしてますからね。・・・、原発の方が直接的には悪いんじゃないの》とも仰っている。

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

   『●社説:核廃絶と脱原発
   『●アメリカのちょっかいとナチソネ氏、原子力の「安全」利用
   『●原発と核兵器は同じ: 「怖いと思わなかった。何も知らなかったから」
   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
               五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●東電の「万全」神話: 「作業員の安全を祈らずにはいられなかった」
   『●米国ビキニ環礁水爆実験『放射線を浴びた『X年後』』:
           福島でも、X年後に「因果関係の証明は困難」と
   『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・
        取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●ビキニ水爆実験からの『X年後』、
      そして、3.11東京電力原発人災からの・・・・・・
   『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
       「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」

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http://www.asahi.com/articles/ASJ2N5D1MJ2NPTIL00P.html?iref=comtop_fbox_d1_01

(核の神話:15)福島原発が呼び起こしたビキニの記憶
核と人類取材センター・田井中雅人 2016年2月23日14時30分

     (大石又七さん=東京・夢の島の第五福竜丸展示館、
      田井中雅人撮影)

 1954年3月1日、太平洋ビキニ環礁で米国が実施した「ブラボー」水爆実験で、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」など多くの漁船の乗組員らが「死の灰」(放射性降下物)をあびて被曝(ひばく)したビキニ事件。2011年の福島原発事故を受け、「ビキニと福島はつながっている」と訴える第五福竜丸元乗組員の大石又七さん(82)の話に、今こそ耳を傾けたい


     ◇


■第五福竜丸元乗組員・大石又七さん

 福島原発事故が起きるまでは、ビキニ事件のことは世間から忘れられていました。マスコミも私のところに全然来なかったです。福島の事故がなければ、完全に消えていったでしょうね。放射能と内部被曝っていう大きな問題を福島が呼び起こしちゃったよね。半世紀以上前にあったことを忘れていたのか、抑えられてきたからか。みなさんが知らないで生きているだけのことだと、私の目には映ります。知ってることは話しておかなきゃね。

 私たちビキニの被曝者がたどった道を、福島で放射能を浴びた人たちもたどっているんだと思います。本当に気の毒だと思うばかりです。福島の人たちの苦労が始まったわけですからね。

 第五福竜丸の乗組員23人のうち、半分以上は放射能が原因とみられる病気で亡くなりました。放射能の中に放り出されている福島の人たちには、これからいろんな形でいろんなことが起こる。そのことの始末ができない以上は、これから先もずっと続いていくということになりますのでね。あまり声を大きくして言えないようだけど、ほんとは声を大きくして言わないといけない。声を大きくすると困る人が出てくるってことが、まったく困ったことなんだよね。

 これから福島原発の放射能による病気が見つかっていくんでしょうけど、お医者さんはきちんと事実を発表して、それが起こらないようにしないと、いつまでたってもなくならない。まあねえ、国自体がこのことを隠そうとして一生懸命になってるんだから、お医者さんにしろ学者さんにしろ、わかってても手をつけないんでしょう。だって自分が不利になるもん。そういうものなんだよね、この放射能とは。日本はこれまで、核というものの扱いをそういうふうに持ってきたから、福島のの被災地にもそういうことが起こるんだよ。そんなことは分かってることなんだけど、やっぱりそれにお金がからむと、人間ってのはお金に弱いのかな。負けちゃうんだよね。いやだね。

 危険ということより、お金が先に来ちゃってる。よく調べたら、原発自体がやっちゃいけないことだったんだよね。よく調べないから、それに手を出して、つかんでしまう。いったんカネをつかんだら、放さないですからね。あとにひきずって、いま、こういう結果になってるんでしょ。どっかで道を間違えているわけですよ。人間の弱さが、そういう道をつくってるんですよ。だれを責めるっていうのは、難しいんですよね。責任者を探せばいないことはないけれども、だからっていってその人に決めつけられないし、歴史の大きな流れの中でそういうことが起こってくる。はっきりどっかで線引きしないと、また原発事故が起こっちゃうでしょう。


【被爆させられた船】

 (東京・夢の島の第五福竜丸展示館で展示されている)福竜丸を見るたびに思うのは、この船もおどらされたんだな、と。福竜丸自体が被曝したんじゃなくって、そういう時代の中で被曝させられた船なんだって。大きく考えたら、日本人の心がヒバクしたんだよね、あの時。それを船が警告してる。ずっと教えてるんだよ。「おれは被曝したあわれな船じゃないんだ」って言ってるように見えます。都合の悪いことは全部この船に押しつけて。この船だけが被曝したってことで終わらせてるわけでしょ。あのころ、ビキニ環礁では、のべ1千隻に及ぶ日本の漁船が漁をしていて、アメリカの一連の核実験の放射能を浴びて、あとになって大勢の人が発病して亡くなっているんだけど、だれもその責任を認めていない

 私は言わないと気がすまないっていうのがあったね。被曝させられたことすら知らずに死んでいった仲間がかわいそうでならなかった。福竜丸乗組員の中で短い人では今の私の半分くらいですよ、人生が。私は普通の人以上に長生きができたんだから、自分の寿命はまっとうできたと言っていいと思うんですよ。苦労はしたけどね。その代わり、いろんなことを教えてもらったよね。どっかで恩返ししなきゃ申し訳ない。ただ、だらだら長生きしたで終わりたくないから。使命なんて立派なもんじゃないけどね。

 私の最初の子供は死産、私も肝臓がん、慢性心房細動、高血圧、気管支ぜんそく、糖尿病、肺には腫瘍(しゅよう)を抱え、二十数種類の薬を飲みながら命をつないでいます。4年前、家内のアルツハイマー病の悪化による看病疲れで自分が脳出血で倒れ、右半身と言葉に支障をきたしました。

 もう、これ以上体が良くなることはないですけどね、仲間が若くして死んじゃってることを考えればまだまだ幸せなほうで、助けられてます。神様がビキニ事件のことを伝えるために、こいつだけは生かしておけと言ってるのかもしれない。そうでないと、死んでいった連中に申し訳ないもの。生き残ったことが幸せかどうかはわかんないけどね。ああだこうだと文句は言えるから、いいんじゃないですか。仲間は言いたいことも言えないで死んでいってるからね。

 ふるさとを捨てて出てきてますから、帰るところはない。つきあいはありません。生まれ変わったら、この船に乗って同じことをしたいとは思わないけど、海の生活や魚は好きだから、そこには戻りたいね。陸の生活っていうか、人間同士の生活はだましあいをしているようにしか見えません。

 もともと、静岡から東京に出てきたのは隠れるため。福竜丸の仲間うちで私が一番ガキだったんで、地元に残って静かに暮らしていくことができなかった。地元では「罪人」でしたよ。ほかの船の漁師たちを苦しめたんだからね。(ビキニ被曝事件によって)漁はできないし、お金は入ってこないし、生活も苦しいっていうのをみんなが味わったからそういう怒りは、それを持ってきた我々福竜丸のほうへと向けられたんですよ。人間ってそういうもんだよね。あいつらが持って来なきゃ、自分たちも苦労しなくてすんだんだっていう考えになるんですよ、単純に、事件の内容がわかんない人は。それが普通の漁師ですからね。カネが入らない、食うものがない、苦しい、となれば、その原因をつくったやつが悪いやつになるんだよね。

 地元に残った仲間もそういうことでずっといじめられて、いまもそれが抜けないんだよね。重荷をしょって地元で暮らしたって面白くもなんともない。ほんとに罪人とおんなじですよ。私はそんなこといやだから、せめて都会へ出て、みんなとおんなじような気分で生活したいと思って、おおぜいの中にまぎれこんだ。事件のことを言わなきゃわかんないんですから、東京ではね。

 だから、私は平和運動家じゃないんです。東京の雑踏にまぎれて洗濯屋になって隠れてたんです。それが半世紀の長い間に逆転しちゃった。ずっとビキニ事件のことは隠してたんだけと、政府と交渉したときに、私たちの病気はたいしたことないというふうに言われて、これは間違いなく放射能の影響があったんだ、それでずいぶん悩んで苦しんだんだっていうことを伝えなきゃ意味がないと思うようになったんだよね。

 アメリカの公文書館で調べて日米交渉の真実を教えてくれる人も出てきた。ビキニ事件そのものが根本的な解決をしていないし、このままでは人類のためにもマイナス面のほうが大きい。そういうことが年を追うごとにわかってきた。なのに日本の政治家や役人はアメリカの家来になって、今もひた隠しにしてる。裏切りですよ

 いまや戦争好きの軍国主義者らが政権を握っている。これも裏切りですよそういうことのために戦場に行かされた人たち、たくさんの人たちが帰りたくても帰ってこられなかったという歴史的事実をいまの若い人はなんにも知らない

 私は戦時中の教育を受けて、特攻隊員になろうと思って勉強してたんだから、当時の指導者がどういうことを言って若者を戦場に送ったか知っている。それはもう腹がたちますよ。表だっては言えないけどね。でも、それが本心なんですよ。それが私のいまの発言の根底にあるんですよ。怖いからみんなが黙ってるけどね、腹の中には私と同じ考え方を持っているはずです。


【政治決着という不合理】

 (ビキニ事件で、米政府は日本政府に200万ドルの「見舞金」を支払い、核実験で第五福竜丸の乗組員23人を被曝させた米国の責任を不問にすることに日本側が応じた)あの政治決着という、私たちが受けた扱いは正当じゃないですよ、不合理です。いくら敗戦国だといっても、当時は戦争中じゃなかったわけですからね。間違ってるよ。

 間違ってるけれども、そういう時代で、戦争に負けた国の弱さが、そういうところに出てくるってことを、みんな知らなきゃいけない。力で抑え込まれたっていう事実だけは、ちゃんと記しておかなきゃ。負けた国の弱みだよね。戦争に負けたってことなんだよね。

 当時の(日米政府交渉をめぐる機密)文書が少しずつ出てきてますね。そういったものが出てくるから、判断ができるわけです。何が間違ってたか。過去の歴史を学ばなかったら、今の判断が出てこないですよ

 福島原発事故について、政治家や科学者は自分たちの誤りで起こしてしまったという認識はあるのでしょうか。経済が優先され、ビキニ事件のように人権と命が無視され、真実は隠されている責任問題も補償問題も健康問題も、ビキニ事件に立ち返って考え直さないと答えは出てこないと思いますよ。

 ビキニ事件当時、日米政府は水面下で大変な取引をしたんだよね。それは、原発の導入です。「日本は地震大国であり、放射能についてはまだ十分に分かっておらず、危険である」と言って反対していた学者もいたんだけど、その考えは押しのけられた。ビキニ事件でこうむった膨大な被害を200万ドルというわずかな見舞金にすり替え、太平洋で行われていたアメリカの水爆実験を容認する代わりに、原子力技術と原子炉が日本に導入されたんです。ヒバクシャを切り捨て、地球汚染も容認し、地震大国である日本に危険な原発を安易に導入したんだよね。

 今また同じことをやってるな、と思います。過去を知らない人は、いいか悪いかが分からないまま過ごしていっちまう。それは、間違いだと思うんですよ。無責任。政治家にしても学者にしても、過去を知ってりゃ、こんなことは出来ないと思うよ。放射能が人間に及ぼす影響というものをはっきり知ってたらね。原発を再稼働させて、それをよその国にまで売ってカネにしようなんていう考え方は出てこないはずですよ。できないはずですよ、人間としてね。それを平気でやれるってことは、過去を知らないから、おカネになるんなら、事故が起こらないようにするんならっていう、そういうことに流されちゃう。もっとひどいことが必ず起こりますよ。

 核兵器とおんなじで、原発も被害を作り出すものだってことは証明されたよね、福島でね核兵器は悪いけど原発はいいもんだってことを盛んに言ってきたけど、そうじゃないわけで、いまや原発のほうが核兵器よりも直接の害を及ぼしてますからね。核兵器は持って威嚇してるだけだけど、原発は実際に人類に害を与えているんだから、原発の方が直接的には悪いんじゃないの。そういうふうに見えるもんね。

………。
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●『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督、「ビキニ事件…全貌を知ることが、福島の今後につながります」

2015年11月24日 00時00分50秒 | Weblog


『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月、伊東英朗、金子勝』(https://www.youtube.com/watch?v=xk7ktSMuVOA&spfreload=10)。
『通販生活®』(https://www.cataloghouse.co.jp/?cid=A01gal20000)のWPより。

 映画『放射線を浴びたX年後』についてのつぶやき。『大竹まことゴールデンラジオ』と『通販生活®』で伊東英朗監督インタビュー。

伊東英朗監督『放射線を浴びたX年後』。「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…2011年から「X年後」を怖れるhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eb446a9c877577cc1b434aa8f509a9c6) 『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月伊東英朗金子勝』(https://www.youtube.com/watch?v=xk7ktSMuVOA&spfreload=10
   ……『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
                ・・・2011年から「X年後」を怖れる

■『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督…乗組員、地元民への箝口令http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eb446a9c877577cc1b434aa8f509a9c6) 『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月、伊東英朗、金子勝』
   ……『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
                ・・・2011年から「X年後」を怖れる


■『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督…アジアに風が吹く時期に水爆実験。結果としてはアメリカが最初に汚染http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/eb446a9c877577cc1b434aa8f509a9c6) 『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月、伊東英朗、金子勝』
   ……『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
                ・・・2011年から「X年後」を怖れる

■『放射線を浴びたX年後』…室井佑月さん、アジア蔑視、差別の気持ち。米軍の(沖縄)「差別性の極み」http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/493386787484183dcaa6a5679e0a1fca) 『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月、伊東英朗、金子勝』
   ……『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
        『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』


■『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督…日大の野口邦和さんの協力の下、当時の放射性物質を検出http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8e61134ffc62f7bc54cf43c3558da18b) 『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月、伊東英朗、金子勝』
   ……『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                        vs 研究者「1400ミリシーベルト」


■『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督…ビキニ水爆実験と同じ、福島も記憶の風化をさせてはいけないhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cbd562dc82a49384d49bb9fd2f03e830) 『大竹まことゴールデンラジオ 2015年11月20日 室井佑月、伊東英朗、金子勝』
   ……『●黙殺される東電原発人災『X年後』:
        「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」


東京電力原発人災から「X年後」を怖れる 『映画『放射線を浴びたX年後』監督・伊東英朗さんインタビュー|今週の原発|読み物|通販生活®』(https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/itoh/?sid=arrowBtn#contentsContainer)/「日本人の記憶から消し去られてきたビキニ事件。その全貌を知ることが、福島の今後につながります

東京電力原発人災を忘却するニッポン 『『放射線を浴びたX年後 2』監督・伊東英朗さんインタビュー|通販生活®』(https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/151117/?sid=top_main)/「福島第一原発事故をビキニ事件のように『忘却』しないために、放射能のリスクを室戸から世界へ示していきたい

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●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」・・・2011年から「X年後」を怖れる

2015年06月11日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「放射線を浴びたX年後」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015060102000132.html)。

 「登場人物はみな、静かな語り口だが、私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感する」。
 そして、東京電力原発人災から「X年後」を怖れる・・・・・・。アベ様達、原子力「ムラ寄生」委員会、電力会社の好き勝手を許していていいのだろうか。
 「同じ構図を・・・・・・3.11東京電力原発人災でもやってしまっているのではないか・・・・・・、ということをとても怖れる。過小に見積り、情報が隠され、「ただちには影響はない」とした「X年後」に、取り返しのつかない何かが起こってしまいはしないか? ・・・・・・「事故直後の1巡目の検査では「異常なし」とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑いと診断・・・・・・1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がんが急増した」。取り返しのつかない「X年後」が経過してしまったのではないでしょうか」。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
      「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
        『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』

   『●東電原発人災の『X年後』:
       厚生省「1.68ミリシーベルト」 vs 研究者「1400ミリシーベルト」

   『●東京電力原発人災から『X年後』
       ・・・・・・取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?

   『●「アベノミクス選挙という愚」
       『週刊金曜日』(2014年12月05日、1019号)について

    「【金曜日から】の「単行本『放射能を浴びたX年後』・・・
     その「ただちに」から「X年後」、我々は黒塗りの理由を知ることに
     なるのだろうか。(本田政昭)」」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015060102000132.html

【私説・論説室から】
「放射線を浴びたX年後」
2015年6月1日

 日本記者クラブ特別賞を受賞した映画「放射線を浴びたX年後」を見た。愛媛県のテレビ局南海放送が二〇一二年に製作した。タイトルの「放射線を浴びた」はビキニ水爆実験(一九五四年)による被ばくだ。

 監督は同社ディレクターの伊東英朗(ひであき)さん。幼稚園の先生から転職したという。多くの漁船が被ばくしたことを再発見した高知県の元高校教師、山下正寿さんを訪ねたのが始まりだったという。

 登場人物はみな、静かな語り口だが、私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感する。

 ビキニ事件で政府が積極的に調べたのは、船体と魚の放射能汚染。船員はおざなり。米国から賠償金二百万ドルを受け取ると調査もやめた。漁港では風評被害を恐れ、誰も被ばくは口にできない。そんな時代だ。被ばくした船長の妻は「日本がやっと自分でつかまり立ちできるか、という状態のころでしょ。その柱は石炭と魚ですから」と当時を語る。

 被ばく船員の調査と救済を求めて高知県ビキニ被災船員の会をつくった岡本清美さんのお墓で、妻が「これは絶対、成功せんと言っていた。国が相手だから」と思い出す。早死にした人が多く、墓や仏壇がよく出てくる。

 山下さんは「(社会が)急に変わるなんて思ってないよ。谷川で赤いカニが穴をあける。それがセメントで固めた堰(せき)を切るときがある」と話した。 (井上能行)
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●ビキニ水爆実験からの『X年後』、そして、3.11東京電力原発人災からの・・・・・・

2015年02月19日 00時00分09秒 | Weblog


福島みずほのどきどき日記』より【ビキニ水爆実験問題で厚労省が新たに健康調査】(http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-2698.html)。

 「福島みずほ 厚労省はひどいと思いますよ。広島、長崎があって、福竜丸があって、ビキニの環礁の被曝があったわけで、それについてきちっとフォローアップすべきですよ。船員さんたちは、なぜ健康が悪くなったか分からず黙って亡くなっていった人もたくさんいるわけです。六十年間放置していたんですよ。低線量被曝が影響ないなんて何で分かるんですか。みんな海水でお風呂を浴びているし、泳いでいるし、マグロを食べているし、そうなんですよ」!

   ●『放射能を浴びたX年後』:
       「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」


 自民党やこの国ニッポンがやってきたことは、ずっと何も変わらない。そして、いま、東京電力原発人災からの『X年後』を怖れる。この状況下で平気でいられるアベ様達や電力会社、原子力「ムラ寄生」委員会は、正気とは思えないし、感じる心もないチクショウ、ヒトデナシ、である。

   ●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』

   『●東電原発人災の『X年後』:
       厚生省「1.68ミリシーベルト」 vs 研究者「1400ミリシーベルト」

   『●東京電力原発人災から『X年後』
       ・・・・・・取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?

   『●「アベノミクス選挙という愚」
       『週刊金曜日』(2014年12月05日、1019号)について


   『●「敗戦70年 日本人は、戦争で何をしたのか」
                   (2015年1月9日、1022号)

     ■⑭『週刊金曜日』(2015年1月9日、1022号) / 
      岩崎大輔氏【黒塗りだらけだった「ビキニ被ばく」の政府間公開文書
      時間との闘い続く『X年後』】の真相究明】、「伊東英朗監督・・・・・・
      開示された2700頁の重要な部分が黒塗り・・・なぜ、60年も経った
      今も黒塗りにしなければならないのか・・・・・・」
     ■⑮『週刊金曜日』(2015年1月9日、1022号) / 岩崎大輔氏
      【黒塗りだらけだった「ビキニ被ばく」の政府間公開文書 時間との
      闘い続く『X年後』】の真相究明】、「福島で上映会を行うと、
      500人の観客が集まった。上映後、いつまでも拍手が続いた」。
      取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
     ■⑯『週刊金曜日』(2015年1月9日、1022号) / 岩崎大輔氏
      【黒塗りだらけだった「ビキニ被ばく」の政府間公開文書 
      時間との闘い続く『X年後』】の真相究明】、「福島での上映は
      悩みました・・・・・・乗組員の死をもって被曝が証明される最悪の
      状態となった・・・・・・福島の人から励まされたことに責任を感じます」

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http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-2698.html

福島みずほのどきどき日記

ビキニ水爆実験問題で厚労省が新たに健康調査
2015年01月05日(Mon)

 毎日新聞は本日(1月5日)付で、「1954年のビキニ環礁水爆実験に関して、厚労省が第五福竜丸以外の船の船員に対して初めて健康影響調査に乗り出すことを決めた」旨、報じています。

 この問題に関して長年にわたって取り組んでこられた全国の皆さんの努力のおかげです。私も心からうれしく思っています。

 私も昨年、参議院厚生労働委員会で以下のように質問しました。


(2014年10月16日参議院厚生労働委員会)

○福島みずほ 二〇一三年、アメリカ公文書館で、例えば船体の基準値を超えた船は五隻となっています。また、沖縄のビキニ事件、一九五三年から六〇年まで八年間にわたり、年間八回ずつ被災海域で操業していたマグロ漁船、銀嶺丸と大鵬丸、この乗組員六十八名がいるんですが、この調査の結果、これは民間で調査を日本でやったわけですが、十七人が四十歳代半ばから五十歳代で死亡し、死因はがんが最も多くて十一人。被害が本当に出ていますよ。

 それで、アメリカからの見舞金があり、八億ほどありましたよね。そのうち、百六十名に見舞金が払われています。少ないと思いますが、数も、でも、その百六十名、見舞金を払った人たちのフォローアップを厚生労働省はしていますか


○政府参考人(新村和哉) 見舞金を支払って、それを受けた方につきましては、その当時、見舞金を払った方の名簿はあったんだろうと思いますけれども、私ども、船体あるいは人体等の放射能の検査をして検出をしたその船、それから乗組員、そういった方々については今回徹底的に調査をして資料を出したわけですけれども、その名簿、船の船名なりその乗組員の方の名簿等がやはり十分残っているものではなくて断片的であったということでございますし、その見舞金を受けられた方との関係等についても明確でございませんので、その意味でフォローはされておりません

(中略)


○福島みずほ 厚労省はひどいと思いますよ。広島、長崎があって、福竜丸があって、ビキニの環礁の被曝があったわけで、それについてきちっとフォローアップすべきですよ。船員さんたちは、なぜ健康が悪くなったか分からず、黙って亡くなっていった人もたくさんいるわけです。六十年間放置していたんですよ。低線量被曝が影響ないなんて何で分かるんですか。みんな海水でお風呂を浴びているし、泳いでいるし、マグロを食べているし、そうなんですよ。そして、服などは洗っているから、それを放射線量が低いからといって被曝していないとは言えないし、むしろ四十、五十、六十で症状が出てくるからきちっとフォローアップすべきじゃないですか。それを六十年間やらなかったんですよ。こんなことをやっていると、今、福島の被曝でも低線量被曝、大したことないなんてなったら本当にこれは困ると思います。

 とりわけ外務省は、当時アメリカには資料を提供しながら日本では公表しない。厚労省も、資料を持って結果があって、少なくともそれを公表すべきじゃないですか。みんな福竜丸しか被曝していないと思っている人もいるかもしれませんが、全国的に被曝しているんですよ。大きな被曝があります。

 これについては、なかなか、歴史、六十年たっていますが、今からでも遅くない、何かやるべきだ。大臣、いかがですか。


○国務大臣(塩崎恭久) 先ほど橋本政務官から御説明申し上げたとおり、こういった資料が出てこなかったというのは極めて問題だったと思います。

 さらに、今御指摘の点について、今局長から説明したように、当時の判断としては、線量としてははるかに国際基準よりも低いという判断でそういうことになったんだろうというふうに思いますが、今日、先生、そういう形で問題点の指摘をいただきましたので、持ち帰ってまたみんなで検討してみたいというふうに思います。

(議事録おわり)


  これからも、厚労省の調査結果や、元船員の皆さんへのフォローアップなどについて、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
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●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」

2015年01月16日 00時00分33秒 | Weblog


毎日新聞の記事【ビキニ水爆実験:船員被ばく追跡調査 福竜丸以外で初】(http://mainichi.jp/select/news/20150105k0000m040074000c.html)。

 「当時周辺で操業していた他の船員について健康影響調査に乗り出すことが分かった。被災船は全国で少なくとも500隻、被災者は1万人に上るとされるが、国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」。
 東京電力原発人災から『X年後』を想像しようともしないアベ様達・・・・・・そしてまたしても「沖縄」がすっぽり抜け落ちようとしていないか?

   ●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』:
       厚生省「1.68ミリシーベルト」 vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●東京電力原発人災から『X年後』
       ・・・・・・取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●「アベノミクス選挙という愚」
       『週刊金曜日』(2014年12月05日、1019号)について
   『●「敗戦70年 日本人は、戦争で何をしたのか」
                   (2015年1月9日、1022号)

     ■⑭『週刊金曜日』(2015年1月9日、1022号) / 
      岩崎大輔氏【黒塗りだらけだった「ビキニ被ばく」の政府間公開文書
      時間との闘い続く『X年後』】の真相究明】、「伊東英朗監督・・・・・・
      開示された2700頁の重要な部分が黒塗り・・・なぜ、60年も経った
      今も黒塗りにしなければならないのか・・・・・・」

 

     ■⑮『週刊金曜日』(2015年1月9日、1022号) / 岩崎大輔氏
      【黒塗りだらけだった「ビキニ被ばく」の政府間公開文書 時間との
      闘い続く『X年後』】の真相究明】、「福島で上映会を行うと、
      500人の観客が集まった。上映後、いつまでも拍手が続いた」。
      取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?

 

     ■⑯『週刊金曜日』(2015年1月9日、1022号) / 岩崎大輔氏
      【黒塗りだらけだった「ビキニ被ばく」の政府間公開文書 
      時間との闘い続く『X年後』】の真相究明】、「福島での上映は
      悩みました・。。。。・乗組員の死をもって被曝が証明される最悪の
      状態となった・・福島の人から励まされたことに責任を感じます」

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http://mainichi.jp/select/news/20150105k0000m040074000c.html


ビキニ水爆実験:船員被ばく追跡調査 福竜丸以外で初
毎日新聞 2015年01月05日 07時30分(最終更新 01月05日 09時21分)



http://mainichi.jp/graph/2015/01/05/20150105k0000m040074000c/001.html
ビキニ水爆実験で漁獲物を廃棄した漁船


 1954年に静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくした太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験を巡り、厚生労働省が近く、当時周辺で操業していた他の船員について健康影響調査に乗り出すことが分かった。被災船は全国で少なくとも500隻、被災者は1万人に上るとされるが、国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった。当時の放射線検査の記録が昨年見つかったことを受けたもので、ビキニ水爆実験での被害の位置づけが大きく変わる可能性が出てきた。

 水爆実験では54年3月14日に福竜丸が帰港した後、他の漁船やマグロからも放射線が検出された。同18日に国は東京など5港を帰港先に指定。放射線が一定基準(距離10センチで毎分100カウント=放射線測定器の計測値)を超えた漁獲物を廃棄処分し、船員についても毎分500カウントを超えれば精密検査を行うとしたが、同年末で放射線検査は打ち切りに。翌55年1月4日、米国側の法的責任を問わない「慰謝料」として200万ドル(当時のレートで7億2000万円)を日本側が受領することで「完全な解決」とする日米交換公文に署名、政治決着させた。

 55年4月に閣議決定した慰謝料の配分先には福竜丸以外の船員123人の治療費や992隻が水揚げした汚染マグロなどの廃棄経費も含まれていた。しかし、国はその後、こうした船員らについて全くフォローをせず、86年3月の衆院予算委分科会で今井勇厚相(当時)は当時の記録の存在を否定した上で「30年以上前のことで調査も難しいし、対策を講ずることは考えにくい」と答弁していた。

 国の対応を転換させたのは、高知県で80年代から船員の聞き取りを進めてきた市民団体「太平洋核被災支援センター」の活動。山下正寿事務局長は、被災時に厚生省がまとめ外務省を通じて米国側に提供した検査記録の一部を同省が2013年に開示したことを受け、基になった記録の開示を14年7月に厚労省に求めた。

 同9月、厚労省は延べ556隻、実数473隻の船員の体表面などを検査した記録を開示した。厚労省幹部は「過去に薬害エイズもあり、『資料を隠していた』と指摘されることに厚労省は敏感だ」と話し、記録開示の延長線上で船員らの健康影響調査をせざるを得なくなったことを示唆する。

 福竜丸以外の漁船を巡っては14年8月、岡山理科大の豊田新教授が広島市内で開かれた研究グループの会合で、水爆実験の東方約1300キロの海域にいた高知県の船員の歯を調べたところ最大414ミリシーベルトの被ばくをしていたと報告。同グループは広島大の星正治名誉教授の呼び掛けで集まった放射線被ばくの研究者や山下事務局長らで構成され、血液の細胞中にある染色体異常なども調べている。

 関係者によると、厚労省の健康影響調査は、専門家らを集めた研究会を設置し、同省の記録に基づき当時の被ばく状況を推計するとともに、福竜丸の状況と比較する。星名誉教授らのグループによる船員の歯や染色体異常の検査も聞き取り調査する。【日野行介】


 米国が1954年3月1日〜5月14日に太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁を中心に行った6回の核実験。初回に東方約160キロの危険区域外にいた第五福竜丸が放射性降下物(死の灰)を浴びて被ばく、乗組員23人のうち無線長の久保山愛吉さん(当時40歳)が半年後に死亡した。日本船は広範囲で被災し、漁獲物を廃棄するなどした。厚生労働省は「当該海域に延べ1000隻、(2回以上被災した船もあり)実数550隻程度と言われる」とし、1隻当たり約20人、実数で約1万人が影響を受けたとみられる。



 ◇解説 実態に迫る一歩に

 国がようやく着手する第五福竜丸以外の船員の調査は、病歴や死因を含めて一人一人の状態にどこまで踏み込むかが焦点になる。

 福竜丸以外の船については、厚生労働省や外務省の開示記録でも、宮古港に帰港した貨物船への岩手医科大の検査結果として「放射能症状を疑わせる者4名」がいた事例などが報告されている。だが、こうした事例に対する国の対応について、水爆実験直後に政府の調査船でビキニ環礁に赴いた研究者らのグループは、1976年発行の「ビキニ水爆被災資料集」で「(福竜丸以外の)乗組員の被災状況が明らかにされたものでも、その後に健康診断が行われたかは不明で、追跡調査が行われた記録もないと批判していた。

 一方、厚労省は昨年の開示記録について、当時の船員の最大被ばく量は毎分988カウントだったとして「2週間同じペースで被ばくした場合の線量は1.68ミリシーベルトで、健康に影響する国際基準(100ミリシーベルト)を下回っている」と説明。被ばくは微量に過ぎず影響はない、と強調する。

 被ばくの影響を巡っては、疫学的な調査では明らかに「健常者との有意な差」(異常)があっても、外部被ばくの線量評価だけで「被ばくはわずか」と影響を否定するという対立がこれまで繰り返されてきた。ビキニでの被ばくに詳しい安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「大事なのはとにかく多くの情報を集め、(当時検査していない)内部被ばくを含めた被ばく実態に迫ること。民間では調べられないことでも国なら調べられる。それをする意義は大きい」と指摘。国は調査で「一歩前」に出ることが求められる。【日野行介】
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●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」

2013年02月16日 00時58分32秒 | Weblog


レイバーネット日本(http://www.labornetjp.org/の『●木下昌明の映画の部屋』から(http://www.labornetjp.org/Column/20121211。東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082290070613.html)とコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012091302000110.html。最後に、映画『放射線を浴びた『X年後』』のWPから(http://x311.info/message/、http://x311.info/keyword/)。

   「こんな巨大な事件が、全体像が明らかにされないまま現代史に
    埋没するなんてことは、日本人としての資質が問われる」

 こんな事件があったなんて、衝撃的。まったく知らなかった。1年ほど前に「NNNドキュメント」で映画の原本と云えるものが放映されたらしいが、覚えていないということは、見損ねたのか。
 第五福竜丸だけではなく、しかも日米両政府の「密約」があったというのが驚き。

   「たとえば「第二幸成丸」の乗組員20人中17人が、「新生丸」では
    19人中17人が死亡している。それなのに米政府は、200万ドルの
    慰謝料を支払うことで“完全解決”を図り、日本政府が受諾し、
    一切の調査を打ち切って隠蔽した。翌年から、すべての魚が無検査で
    全国の食卓にのぼった」・・・・・・。

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http://www.labornetjp.org/Column/20121211

木下昌明の映画の部屋・第153
伊東英朗監督『放射線を浴びたX年後』

「第五福竜丸」事件の実態暴く――フクシマ「X年後」の未来は……

 「3・11」以降に見た放射能問題を扱った数多くの映画のなかでも、伊東英朗監督の『放射線を浴びたX年後』は刺激的だった。一つの事件を介して、日本人とその社会のあり方を問うていたからだ
 この作品は今年1月「NNNドキュメント」で放映されたテレビ番組を、新たな映像を加えて映画用に編集し直したドキュメンタリーである。1954年、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」がビキニの水爆実験によって被曝した事件を扱っている。この事件が、戦後文化の象微となったゴジラ映画誕生のヒントとなったことはよく知られている。
 だが、実は被曝したのは1隻だけでなく992隻に上った。しかも、船員の多くは若くしてがんで人知れず亡くなっていた。たとえば「第二幸成丸」の乗組員20人中17人が、「新生丸」では19人中17人が死亡している。それなのに米政府は、200万ドルの慰謝料を支払うことで“完全解決”を図り、日本政府が受諾し、一切の調査を打ち切って隠蔽した。翌年から、すべての魚が無検査で全国の食卓にのぼった。
 この事件を、高校教師の山下正寿とその教え子たちが28年かけて調査、記録していた。そのことを知った南海放送の伊東監督は調査に参加するとともに独自に船員家族の取材を始める。埋もれていた実態が次々と明るみに出てくるこのシーンが見どころだ。
 また映画は、米国から入手した機密文書によって、日本全土が放射性降下物「死の灰」に覆われていた実態も図面によって明らかにする。米国は、日本の米軍基地で死の灰を予知し、観測していたのだ。
 山下は語る。「こんな巨大な事件が、全体像が明らかにされないまま現代史に埋没するなんてことは、日本人としての資質が問われる」と。
 この映画から、フクシマの「X年後」が見えてきて誰しも愕然となろう。
 映画は現在、全国で自主上映されているが、東京では今年の目玉の一つとして上映される。フェスタは、映画や音楽を通じて身近な労働や生活を見つめ直す趣旨で毎年開かれている。他に、中川五郎のライブや3分ビデオ大会など。
木下昌明/『サンデー毎日』 2012年12月23日号)

「レイバーフェスタ」は12月15日午前10時30分~ 新宿区大久保のR’sアートコートで。
問い合わせは、℡ 03-3530-8588

〔付記〕 再録にあたって、若干の加筆をした。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082290070613.html

ビキニ水爆実験 調査続ける元教諭 死の灰1000隻に 恐怖今も
2012年8月22日 07時06分

 一九五四年の米軍のビキニ水爆実験では、第五福竜丸だけではなく、約一千隻ものマグロ漁船が死の灰を浴びた。高知県宿毛(すくも)市の元高校教諭山下正寿さん(67)は三十年近く調査を続け、船員たちが長く健康被害に苦しみ、がんなどで亡くなった実態を明らかにした。「核の恐怖は三十年後、四十年後でないと分からない」。福島という核の体験を重ねたこの国で命の重みを問い続ける。 (森本智之

 二十一日の東京・築地市場の正門近く。被ばくマグロが大量廃棄されたことを伝える金属板に、足を止める観光客はいない。「寂しいですね」と山下さんがつぶやいた。
 終戦四十年に当たる八五年夏。社会科教諭だった山下さんは高校生らと地元の原爆被爆者への聞き取りをした。年老いた女性から「長崎で被爆した息子はビキニでも被ばくし、最後は自殺しました」と聞いた。
 爆心地から一・八キロの長崎市の自宅で被爆。宿毛に移り住み、母子家庭を支えるためマグロ漁船に乗り始めたという。戦後復興のため「沖合へ遠洋へ」と国が旗を振った時代。貧しい港町でほとんど唯一の高収入を得る手段だった。航海を重ねるうち、のどの痛みなどを訴えるようになり、入院先の神奈川県で海へ身を投げた。二十七歳だった。
 「第五福竜丸の他に死の灰を浴びた人がいた。それも身近に」。当時の新聞記事や公文書を調べると、計六回の水爆実験の際、付近で操業していたマグロ漁船は帰国後、被ばく検査を受けた。マグロの廃棄を求められたのは九百九十二隻。三分の一に迫る約二百七十隻は高知県船籍だった。日米両政府は二百万ドル(当時のレートで七億二千万円)の慰謝料で決着。その後、船員の健康調査は行われていない
 山下さんたちは突き動かされるように、県内の漁村を訪ね歩く。偏見や風評被害を恐れ沈黙していた船員たちも口を開き始めた。航海中、汚染された雨水を飲み、被ばくマグロを食べていた。「きのこ雲を見た」「白い粉が降ってきて口に含んだ仲間が、血を吐いて死んだ」という証言をいくつも得た。
 身元が判明した百八十七人中、四十人は死亡していた。大半は六十代前後。うち十三人ががんだった。「マグロ漁師は早死にする」とうわさされる地域もあった。
 元船員らの団体をつくるなどして補償を国や県に求めた。「因果関係が不明」と相手にされない中、元船員らは相次いで亡くなった。今も調査は続ける。
 東京電力福島第一原発の事故後も「放射能の直接的な影響で亡くなった人はいないという論で再稼働を求める動きがあることに、市民の被害を過小評価する姿勢は変わっていないと危惧する。
 今夏、自身の前立腺がんが分かった。この日、東京を訪れたのも治療のためだ。「核実験でがん患者の数が増えていると警鐘を鳴らしてきた。その私ががんにかかるとは『もっと頑張れ』と誰かに言われているような気がする」

<ビキニ水爆実験> 1954年3~5月、米国が南太平洋ビキニ環礁などで計6回行った。放射性物質を含む死の灰が広範囲に降り、近くで操業していた静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の無線長久保山愛吉さんは急性放射線障害で死亡した。この年を含め、米国は周辺海域で原水爆実験を繰り返しており46~58年に計67回行った

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012091302000110.html

【コラム】
筆洗
2012年9月13日

 米国は一九五四年、太平洋のビキニ環礁などで、六回もの水爆実験を繰り返した。無線長だった久保山愛吉さんが亡くなった「第五福竜丸」以外にも、多くの日本の漁船が「死の灰」を浴びたことはほとんど知られていない▼同じ海域で数多くのマグロ漁船が操業していた。二百七十隻は高知県の船だった。闇に葬られそうだった事実を発掘しようと、高校の教員だった山下正寿さんは三十年かけて、生徒とともに漁村を訪ね歩き、聞き取りを続けた▼調査の過程で二百人以上の元船員の消息が分かった。健在なら五十代から六十代のこの時期に、三分の一の人はすでにがんなどで亡くなっていたという▼山下さんの調査の足跡を丹念にたどり、生存している元船員や遺族への取材を重ねた南海放送(松山市)のドキュメンタリーが映画になった。「放射線を浴びた『X年後』」。十五日から東京都内で上映が始まる▼なぜ、被曝(ひばく)の記憶が消えたのか。船員には米国からの補償金は届いたのか。歴史の底に沈む闇を照らそうとするジャーナリズムの熱意が伝わる。山下さんの執念が、地方のテレビ局に乗り移ったかのようだ▼南海放送が独自に入手した米国の原子力委員会の機密文書からは、日本全土が核実験の死の灰で覆われていた実態も明らかになる。福島第一原発の事故を経験した今、映像は重い問い掛けを発している。
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http://x311.info/message/

プロデューサー 大西康司

 はじめに、何故「もうひとつの第五福龍丸事件」を愛媛の放送局が?という疑問を持つ方が多いと思います。今から8年前、私にとっても1954年に起きたいわゆる'第五福龍丸事件'は遠く、歴史上の、そして教科書上の出来事に過ぎませんでした。しかし伊東英朗ディレクター(監督)が掴んできた「ビキニで被災した元マグロ漁船乗組員が、愛媛にもいるらしい」という思わぬ情報は「不思議な感覚」を私に呼び起こしました。それは歴史が'今'に生きている「不思議さ」であり、広島・長崎・第五福龍丸だけと思っていたこの国の被ばく者が、自分の近くに共存している「驚き」でした
 2004年から始めた取材。伊東ディレクター(監督)との約束事は一つ。それは、被取材者と近い位置にいるローカル局制作者として「一人の人間の'痛み'を忠実に丁寧に描くこと」によって、「個人と国家」の関係が問われるこの事件の実態・本質に迫っていこう、ということでした。そう、「一人の人間に寄り添うことから本質へと迫る」…これはローカル局の'限界'ではなくローカル局だからできる'可能性'なのです。手探りの中、ひたすら、ひたすら現地を訪ね、一人一人の証言を積み重ねていく取材…「小さな井戸を掘り続け、それを'普遍'につなげていく」…8年の取材を重ねる中、社の理解を得てローカルで粘り強く放送を続けることができたこと、そして何より日本テレビ系「NNNドキュメント」で2回に渡り全国放送できたことが、この'小さな井戸'を掘り進んでいく大きな勇気となりました。
 そんな取材の集大成として突き進んだ映画化。
 この映画が発掘した事実を'一人'でも多くの方に知って欲しい。
 この映画を見て頂いた'一人'が、その立場や考え方を超えて噛みしめて欲しい。
 この映画を'一人''一人'にしっかりと届けたい。
 …'一人'の人間にこだわる私達の願いです。
 最後に、南海放送というローカル局が'テレビ'というメディアを超え'映画'に挑戦する試みが可能になった背景には、日頃「メディアとメディアの新しい組み合わせ」を積極的に推進してきた南海放送トップの後押し、様々な現場の仲間による社を挙げての協力・応援がありました。そして勿論、'映画'という未知の航海への'灯台'となって頂いた 日本テレビ系「NNNドキュメント」関係者の皆様のご指導、御協力があったればこそです。改めて深く感謝致します。

大西 康司【プロフィール】
 昭和57年南海放送入社。以来、様々な番組を制作、プロデュースを行う。報道情報本部制作部長などを経て、現在 執行役員テレビ局長。


監督 伊東英朗

『高校生で訪れた広島』
 原爆で焼かれた一人ひとりの壮絶な死を知り、その苦しみに自らを重ね合わせた時、深い絶望と強い怒りを覚えた。10代だった僕はその思いを「忘れること」は、加害と同じだと考えた。以来、折にふれ広島を訪れるようになった。そしていつからか「忘れない」ではなく「何かできることをしたい」と思うようになった。

『8年前』
 インターネットで番組リサーチをしていた時。元高校教師 山下さんの活動を伝える記事が目に飛び込んできた。『…第五福竜丸以外の多くの被ばく船を調査…』「第五福竜丸以外の船?そんな話聞いたこともない。僕だけが知らないことなのか。」まるで狐につままれたような感覚だった。

『確かめたい』
 番組制作を共にやってきたプロデューサーの大西と、4時間をかけ高知県の山下さんを訪ねた。山下さんは静かに語り始めた。「多くのマグロ漁船、貨物船が被ばくし、汚染された魚が水揚げされ食卓に運ばれた。いつしか事件は第五福竜丸事件として記憶された」と言う。それまで当たり前のように使ってきた「広島、長崎、唯一の被ばく国というフレーズは正確ではなかった。「なぜ事件が記憶から消え去ったのか」僕は、その理由をこの手で解き明かしたいと思った。
 その日からこの事件の取材が始まった。抱えている番組制作の隙間を見つけては現場に通った。費用を節約するため山下さんの自宅を宿舎兼取材拠点とさせてもらった。カメラマンと2人、愛媛西部から高知東部まで300キロを何十回となく往復。被ばく者を訪ね歩く日々。時に怒鳴られ凄まれ、飯が喉を通らないこともあれば「よう来てくれたなあ、ありがとう。お父さんが生きとったらあんたら大歓迎するに。腹減っちゅうがやろ」とカレーをおご馳走になることも。取材で疲れた体で車を運転し会社まで4時間をかけ戻る。その繰り返し。その年2004年には、日本テレビ系列(NNNドキュメント)で全国の人にその事実を伝えることができた。以降、新事実が見つかるたびにローカルでの放送を繰り返した。しかし、番組が事件解明へつながることはなかった。

『乗組員の証言も積み重ねた』
 日米両政府の公的文書、調査記録も検証した。
しかし乗組員が被ばくしたことを裏付けることができないままだった。ところが2009年、米エネルギー省の機密文書を発見。放射性降下物が漁場を中心に拡大、日本全土までもが放射性降下物で覆われていたことが分かった。

『2011年3月11日』
 その日を境に人々の関心は放射能に集まった。「直ちに健康に影響はない」という言葉に疑心し、目に見えない放射線に怯え、風評被害が起こった。

   「ついにあの時がやってきた

テレビの前で呆然と立ち尽くす自分の姿がありった。

『人々に向けられる線量計』
 風で舞い上がり、雨で落下する放射性物質。セシウム、ストロンチウム、ホットスポット、シーベルト…専門用語が飛び交い、新聞紙上に、牛乳やお茶、魚、水などから放射線が検出されたと記事が踊る。風評被害が起こり、わずかの期間で政府は、終息宣言をした。
僕が、港を歩き老人や未亡人から聞いた半世紀前の話が、目の前で起こっていることと重なる。心の中で叫んでいた。

   「半世紀前に身の回りで同じことが起こっていたんだ。
    皆知らないのか
    同じ轍を踏んではいけない。」

 過去の被ばく事件を未清算のまま放置してはいけない。この事件を解明しなければ、今後起こりうる被害を防ぐことができない。
 2012年1月、日本テレビ系列(NNNドキュメント)で1時間番組として8年ぶり2回目となる放送を行った。全国から大きな反響を得、多くの若い世代が見てくれたことが分かった。

『今度は映画化』
 映画館での上映はもちろん、その後の小さな自主上映が調査などにつながって欲しい。それが僕の強くささやかな願いだ。事件はほぼ未解明なままだ。全国津々浦々にかつてマグロ船に乗った人がいる。生存していれば70歳台から80歳台。核実験は、太平洋だけとっても1954年から1962年まで続けられた。被害者の数は計り知れない。解明の第一歩となる被害の実態を調査し、救済の道筋をつけなければならない。小さな行動が積み重なれば光が見えてくると信じている。
 日本テレビ日笠プロデューサーには番組製作から映画化まで親身になってアドバイス頂いた。また、当時のマグロ漁をとらえた「荒海に生きる」、そして高校生たちの取り組みを記録した「ビキニの海は忘れない」などの映像によって、よりリアリティをもってビキニ事件の実相に迫ることができた。
 今、被ばく者たちは自らの死をもって被ばく事件のX年後を伝えている。僕らはそれを重く受け止め、事件を伝え続けなけれならない。
 人々が事件を知ることが、被ばく事件解明の一歩につながると信じている。

伊東 英朗【プロフィール】
 1960年愛媛県生まれ。16年間公立幼稚園で先生を経験後、テレビの世界に入る。東京で番組制作を経験した後、2002年から地元ローカル放送局 南海放送で情報番組などの制作の傍ら、地域に根ざしたテーマでドキュメント制作を始める。2004年ビキニ事件に出会い、以来、8年に渡り取材を続ける。
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http://x311.info/keyword/

ビキニ水爆実験
 米国が1954年3月1日から5月まで、中部太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で行った実験。キャッスル作戦と名付けられた実験は6回(うち1 回はエニウェトク環礁)。3月1日に爆発させた「ブラボー」は広島に落とされた原爆の1千倍以上の破壊力があるとされ、近海で操業中の第五福龍丸(乗組員23人)が被ばく。同年9月、無線長の久保山愛吉さんが死亡した。

ビキニ被災事件の補償問題に関する日本側書簡返信
 日本政府は、1954年12月、被ばくした魚は、人体に影響を及ぼすものではないとして、放射線の検査をすべて打ち切った。そして翌日からは、すべての魚が水揚げされた。その直後、日本政府とアメリカ政府は、公文書を取り交わしている。アメリカ政府が「完全な解決」を条件に、慰謝料として200万ドル(当時、日本円にして7億2千万円)を支払うという文書。日本政府は、その条件を受け入れ、事件は完全な解決とされた。慰謝料は、4分の3が、魚の廃棄や魚価が下がったことによる損害に、残りは、第五福龍丸乗組員の治療費などにあてることが閣議決定されている。

アメリカ原子力委員会の機密文書
 南海放送は2009年、アメリカエネルギー省から、水爆実験を所管した米原子力委員会の機密文書を入手。これは、米国気象局のロバート・J・リストが、1955年5月(実験のおよそ1年後)にまとめたNYO-4645と呼ばれるもので、非公開資料として長年機密扱いされてきた、しかし、1984年8月に一部の数値や文章を削除した状態で公開したものである。「キャッスル作戦からの世界的規模の放射性降下物」と題された機密文書には、世界規模の放射性降下物の広がりが記録されている。各水爆実験の広がりの他、1日毎の広がりが記録されている。この機密文書から、多くのマグロ漁船が放射性降下物に覆われた場所で操業していたこと日本全土が放射性降下物で覆われていたことが裏付けられることになった。また、この文書から、実験の1年前に、すでに122ヶ所のモニタリングポストが設けられていることが分かった。日本では、三沢や東京など5ヶ所。さらに広島や長崎ではABCCが利用され測定が行われていた。

山下正寿(やましたまさとし)と幡多ゼミ(はたぜみ)
 元高校教師の山下正寿氏らが顧問を務める高校生ゼミナール(1983年設立)。高知県幡多地区の高校生が主体となり「足もとから平和と青春を見つめよう」をモットーに、地域の現代史調査活動をしている。1985年から地域のビキニ事件を調査。その姿は「ビキニの海は忘れない」(1990年)で描かれた。
 教師になって高知に帰ってきた山下さんは、仲間の教師や教え子たちと共に、被災者の聞き取り調査を始め、高知県の沿岸部を3年に渡り調査した結果、消息が分かった乗組員は241人。生存していれば50代から60代のこの時期に、既に3分の1が死亡していた。被ばくした魚を水揚げした船は、東北から九州まで全国に渡っていた。その内、3分の1が山下さんの地元、高知船籍の船だった。山下先生は現在も、被災した乗組員たちに、被爆者健康手帳が交付されるように働きかけている。
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