Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●古賀茂明さん《自民党の政策は今も安倍政権と変わらないものばかり。日本の政治は“安倍的なもの”という『妖怪』に牛耳られている》

2023年04月24日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20230409[])
前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》。醜悪な《妖怪の棲む国》。古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっているのではないか。》
 再び、前川喜平さん《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。そんな自民党を、特に、ヅボヅボ壺壺な自民党を、支持できる理由が全く分からない。納得できる意見を聞いたことがない。それに追随する公明やお維コミも同様。野党がだらしない? 自公政権やお維コミを支持して、よほど何か良いことでもあったのですか?

 dot.のインタビュー記事維【安倍政治の検証映画「妖怪の孫」がついに山口県でも上映に 監督が明かす公開直後の「攻撃的な電話」】(https://dot.asahi.com/dot/2023040400098.html)によると、《岸信介元首相と、その孫である安倍晋三元首相を描いた映画「妖怪の孫」の上映館が急速に拡大している。公開予定を含めると、すでに全国50館以上での上映が決まっており(4月4日時点)、3月17日の封切りから比べると2倍以上に増えた。安倍元首相の政治姿勢を検証したドキュメンタリー映画でありながら、これまでは地元・山口県では上映されていなかったが、4月7日からは「イオンシネマ防府」で上映されることも決まった。なぜこれほど反響が大きくなったのか。内山雄人監督、プロデューサーの古賀茂明氏、映画館関係者に話を聞いた》。

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
       の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?
   『●「妖怪の孫」アベ様は息吐く様にウソをつき、カルトとヅボヅボだった
         ……さらには、「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン
    《衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を
     見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのか
     と思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、
     妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー
     映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される》

   『●古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に
       解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっている…》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《「安倍的なもの」は、依然としてわが国を深く蝕み続けている…岸田
     政権は「安倍的なもの」に則り、国家の破滅に向けて暴走を続けている》
   『●妖怪のひ孫氏《「家族の意志をしっかり受け継ぐ」…安倍の遺志を
     継ぐ意向》!? ニッポンの政をどこまで私物化すれば気が済むのか?

=====================================================
https://dot.asahi.com/dot/2023040400098.html

安倍政治の検証映画「妖怪の孫」がついに山口県でも上映に 監督が明かす公開直後の「攻撃的な電話」
妖怪の孫 2023/04/05 11:00
上田耕司

     (「桜を見る会」で挨拶する安倍晋三元首相)

 岸信介元首相と、その孫である安倍晋三元首相を描いた映画「妖怪の孫」の上映館が急速に拡大している。公開予定を含めると、すでに全国50館以上での上映が決まっており(4月4日時点)、3月17日の封切りから比べると2倍以上に増えた。安倍元首相の政治姿勢を検証したドキュメンタリー映画でありながら、これまでは地元・山口県では上映されていなかったが、4月7日からは「イオンシネマ防府」で上映されることも決まった。なぜこれほど反響が大きくなったのか。内山雄人監督、プロデューサーの古賀茂明氏、映画館関係者に話を聞いた。

*  *  *

 3月末の平日。筆者が「妖怪の孫」を見ようと、東京の「新宿ピカデリー」を訪れると、上映2時間前だというのに座席残数はすでに「△」。前列と一番隅の席の5席しか残っていなかった。平日の昼に満席状態になるほど、客足は順調のようだ。

「公開後1週目は、地方はガラガラでしたね。都内はまあまあの入りでしたが、大阪もサッパリ。でも、映画を見てくれた人の口コミや、宣伝効果が出てきた公開2週目からは、一気に満席となる劇場も増えてきて、調子が上がってきました」

 こう語るのは、同作の内山雄人監督。内山監督によれば、3月17日の公開から3月末までの2週間の観客動員数は1万5000~1万6000人。同作のようなドキュメンタリー映画は動員1万人を超えれば、業界ではヒットとみなされるが、すでにその基準はクリアしている。

「日本全国で『これは見るべき作品だ』という声が広がってきて、様子見だった映画館も食いついてきた。菅義偉前総理を題材とした私の監督作『パンケーキを毒見する』は観客動員数6万人超でしたが、これを超えるかもしれないという期待もあります」(内山監督)

 「妖怪の孫」は、安倍元首相の政治姿勢に疑問を投げかけるシーンも多い。それゆえ、一部からは激しい批判があったという。

「当初は苦情に悩まされました。『タイトルに妖怪とつけるなんて元総理に失礼じゃないか』『なぜ死人にムチ打つような作品を上映するんだ』などと延々と言い続けられました。それが数日続いたので、映画館側から『何とかしてください』と泣きが入った。そこできちんと窓口をつくって、苦情に対して誠実に対応するようにしたのです。そうしたら攻撃的な電話はスッとなくなりました。安全であることがわかって客入りも増え、様子を見ていた映画館も上映に踏み切るようになったのだと思います」

     (銃撃事件の13日前に山口県で選挙応援をしていた
      安倍晋三元首相(左)。この時点から安倍氏の背後の
      無防備さが目立つ(画像=内山監督提供))

 ちなみに、タイトルに「妖怪」とつけたのは、毎日新聞社特別顧問などを務めた政治評論家・岩見隆夫氏(2014年死去)の著書『昭和の妖怪』が元になっているという。

「岸信介元総理も、“昭和の妖怪”という言葉を喜んでいたと、岩見さんの著書にも出ていますから」(同)

 全国上映にもかかわらず、当初は安倍元首相の選挙区である山口県では上映されていなかった。これに対して、一部では「山口県では安倍家への忖度があって上映できないのでは」という臆測報道も出た。

 そこで、3月末にAERA dot.が山口県内の映画館に上映予定を聞いたところ、「その映画自体を見たことがない。あくまでビジネスなので」(A館)、「先々の予定が決まっていて、もう入らない」(B館)、「その映画を知らなかった。ヒットしたらやるけど、こちらは地方なので」(C館)など消極的な回答が目立った

 だがそんななか、山口県防府市の「イオンシネマ防府」で上映が決まった。4月7日から上映予定だという。同映画館を運営するイオンエンターテイメントの広報担当者は、山口県での上映に踏み切った理由をこう話す。

「世の中の多種多様なニーズにお応えするつもりで選定しました。編成では、1週間ごとに上映中の作品を継続するか、新しい作品に切り替えるかを検討しています。当社では7日から、山口県を含む全国10劇場での上映を予定しています」

 前出の内山監督はこう語る。

「もともと、ウチのPも含めイオンさんと上映の実績があったから決めて頂いたようです。イオンさんには別に政治的な意図はないと思います。ただ、全国的に見れば、東北は仙台市の1館だけ、北陸はやっと公開の可能性が出てきたところ。四国も1館だけの予定ですから、もうちょっとがんばらないといけないですね」

 映画「妖怪の孫」は、「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」など話題作を次々と生み出してきたスターサンズ代表の河村光庸氏が企画した。だが、河村氏は昨年6月に心不全でこの世を去った。一時期は映画の公開も危ぶまれたが、河村氏の遺志を受け継いだスタッフたちが完成させた。自身も出演し、同映画のプロデューサーを務めたジャーナリストの古賀茂明氏は、公開までの経緯をこう明かす。

     (映画「妖怪の孫」にはコミカルなイラストレーションも
      挿入されている(画像=内山監督提供))

「そもそも、この映画は河村さんが松竹の幹部に直接かけ合って始まった企画です。河村さんは死の前日まで、『僕はこの“妖怪の孫”を世に出さないと死んでも死にきれない』と言っていました。河村さんが亡くなった後、映画はどうなるのかと心配していたら、松竹の幹部は『河村さんとの約束だからやりましょう』と言ってくれたそうです。そうしたら、今度は安倍さんが銃撃されて亡くなった。そこでまた話がつぶれかかったんですが、松竹は『これはやる』と決めて、新宿ピカデリーなどの映画館を開けてくれたんです」

 現在、松竹系はピカデリーが2館、MOVIXが9館で公開しており、同作を支えている。

 映画では、安倍元首相が一部から熱狂的に支持された理由や、安倍政権の評価が真っ二つに分かれる要因などを数々の証言から検証している。最期の銃撃場面は描かれていない。

「この映画の趣旨は安倍政権の全体像を振り返ることであり、銃撃場面で心を揺さぶろうとしているように捉えられるのは、本意ではありませんでした。冷静に安倍政権の約9年を見直してもらうのが狙いですから、最初から(銃撃シーンを)入れる気はありませんでした」(内山監督)

 古賀氏は安倍政権についてこう総括する。

「安倍さんは亡くなりましたが、彼を支え続けてきた岩盤保守層を中心に、“安倍的な思想はまだ残っていますその人たちは安倍さんを批判する人を敵とみなす。彼らはたとえ嵐でも投票に行くので、自民党全体が彼らに気を使うわけです。だから、自民党の政策は今も安倍政権と変わらないものばかり日本の政治は安倍的なものという『妖怪』に牛耳られていると言えるでしょう」

 日本の政界に潜む妖怪の正体をぜひ劇場で確かめてみてほしい。

(AERA dot.編集部・上田耕司)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「妖怪の孫」アベ様は息吐く様にウソをつき、カルトとヅボヅボだった……さらには、「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン

2023年04月02日 00時00分35秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


// (2023年03月18日[土])
「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン。無能な3代目どころか、4代目まで……壊れ切っている国。醜悪な《妖怪の棲む国》。

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
       の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?
   『●そして、いまや、『妖怪の孫』どころか「妖怪のひ孫」までもが…《安倍
      晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か?》(長周新聞)

 スッゲェなぁ、山口2区4区……岸信千世氏も《東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》。《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は? 世襲4代目も、そんなに政治家になりたいのなら、東京かどこかで立候補すればいいのにね。
 再度引用。長周新聞の【コラム 狙撃兵】…(信千世のミス?➙) 《岸信介から数えると世襲4代目へのバトンタッチということで、このご時世になんと厚かましいといおうか、いったいいつまで国会議員ポストを特定の一族で私物化するつもりなのだろうか…という思いしかない。選挙区が「地元」といっても、岸信夫もその子息である信千代も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもないもともとこの地をルーツにした世襲政治家一族が握って離さない選挙区というだけなのである。地元の人々にとっては、「信千代? 誰だよそれ」が一般的であり、見たことも話したこともない若造にほかならないが、このまますんなりと30そこらの4代目を担いで岸家の命脈を継承するというのだろうか。同じ山口県民として、選挙区は違えど2区の人たちの心境やいかばかりかと慮る》。

 《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は? これでも、世襲4代目を選ぶつもり? 投票者や支持者、恥ずかしくないのでしょうか? 《何をしても勝てるといいたいのだろうか。》、舐められたものだ。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/山口2区 何をしても勝てるというのか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202303020000064.html)によると、《本人の人物像よりもまず華麗なる家系図を示し、続いて後援会組織づくりということが優先されたようだが、これも今は閉鎖。サイトのプロフィルにはフジテレビ報道局、警視庁担当などが書かれていたが世襲、個人情報、家系図に男性だけの表記など、国会でも大いに話題となるテーマを一切無視するところがすごい。ところがこの選挙区、17年以降、対立候補は共産党だけとなっている。何をしても勝てるといいたいのだろうか。》





【『妖怪の孫』】
 (https://youkai-mago.com/

 さて、息吐く様にウソをつきカルトとヅボヅボだった「妖怪の孫」について。
 小塚かおるさんによる、日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/古賀茂明氏「アベ政治は終わったはずなのに、何か得体の知れないものに支配されている」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319824)によると、《衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのかと思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される。企画プロデューサーを務めたのは、元経産官僚のこの人。2時間のストーリーから何が見えるのか。》

   『●《健全な官僚制を破壊し「亡国の官僚」が闊歩》…自民党内部からも
      《安倍氏の政権運営が「…官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》
   『●《財務省では多くの人がかかわっていたのに、何故誰も異論を唱え
     なかったのか、官僚の倫理観はどうなっているのか》?(古賀茂明さん)

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202303020000064.html

コラム
政界地獄耳
2023年3月2日7時39分
山口2区 何をしても勝てるというのか

★2月25日、自民党本部で開かれた全国幹事長会議で党総裁(首相)・岸田文雄は4月23日に行われる見通しの衆参5補欠選挙について「今後の政局に大きな影響を与えるかもしれない大事な選挙だ」と強調した。その補選のひとつ、衆院山口2区補欠選挙に出馬表明した元防衛相・岸信夫の長男・岸信千世が不思議な選挙戦術をとっている。

★過日はホームページに掲載した世襲自慢ともとれる家系図をトップページに掲載、既に削除されているが、そこには岸信夫(父)、安倍晋三(伯父)、安倍晋太郎(祖父)、安倍寛(曾祖父)。岸信介(曾祖父)、佐藤栄作(曾祖叔父)と記されていた。不思議なのは、この家系図には一切女性が出てこない。信千世はどうやって生まれたのか。当該事務所は「一族の中に政治家を務めた方がたくさんいたことは事実で、それを表記するということ」と説明したようだが、それでは佐藤栄作の次男で旧山口2区から衆院8期、参院1期を務めた通産相、運輸相を歴任した佐藤信二はなぜ書かれないのか。本来なら元首相・吉田茂、元外相・松岡洋右も親戚だ。

★そして今度はホームページトップに「岸のぶちよ後援会入会申込フォーム」との表記があり、お名前、ふりがな、生年月日、郵便番号、ご住所、お電話番号、メールアドレスとあり、任意でファクス、企業・団体名、ご紹介者のお名前、LINEID、その他とある。まず個人情報を記入しないと入れない新人候補のホームページとは恐れ入った。ところがこのページも今では閲覧できなくなっている。本人の人物像よりもまず華麗なる家系図を示し、続いて後援会組織づくりということが優先されたようだが、これも今は閉鎖。サイトのプロフィルにはフジテレビ報道局、警視庁担当などが書かれていたが世襲、個人情報、家系図に男性だけの表記など、国会でも大いに話題となるテーマを一切無視するところがすごい。ところがこの選挙区、17年以降、対立候補は共産党だけとなっている。何をしても勝てるといいたいのだろうか。(K)※敬称略
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319824

注目の人 直撃インタビュー
古賀茂明氏「アベ政治は終わったはずなのに、何か得体の知れないものに支配されている」
公開日:2023/03/13 06:00 更新日:2023/03/13 06:00


古賀茂明(映画「妖怪の孫」企画プロデューサー)

     (古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ)

 衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのかと思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される。企画プロデューサーを務めたのは、元経産官僚のこの人。2時間のストーリーから何が見えるのか。


 ──選挙、憲法、官僚、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)、地元・下関など、映画ではいくつものテーマが扱われていますが、見どころは?

 もちろん全部僕が手掛けているわけじゃないので、驚きがたくさんありました。中でも、安倍さんの幼少期や性格も熟知している野上忠興さん(政治ジャーナリスト)のパートはすごく面白い。「アベノミクスなんて見せかけで、要領のいいやつだった」と。アベ政治の本質を突いているなと思いましたね。下関の元市議の女性の話も面白い。東京では見えてなかった地元の安倍さんのことが浮き上がってきました。


 ──企画プロデューサーに就かれた経緯は?

 企画の発想は、菅前総理を題材にした映画「パンケーキを毒見する」や「新聞記者」のプロデューサーであるスターサンズの河村光庸さん。実は「パンケーキ」を撮っている時から、河村さんは「本当は俺がやりたいのは安倍さんなんだよな」と言っていたんです。それで、「パンケーキ」と同じテレビマンユニオンの内山雄人監督に頼むとか、具体的に動き始めたところで、昨年6月、河村さんが急逝してしまった。実は、亡くなる前夜に河村さんから電話がかかってきて、「古賀さん、とにかくこの安倍の映画を出さないと、俺は死んでも死に切れないんだ」という話をしていたんです。翌日に亡くなったと知って、びっくりしたんですが、その後、監督らから僕に「プロデューサーをやってくれませんか」という話があって。「えー、できるわけないよ」と言ったんだけど、結局、お引き受けしました。


 ──河村さんの「遺言」みたいなものだったんですね。

 もともと製作サイドからは、「安倍氏を扱う映画だから風当たりが強くなる。打たれ強い人が(スタッフに)欲しい」というリクエストがあったそうです。河村さんの企画にずっと携わってきたから引き継いで欲しいというのと、社会的、政治的に難しい映画だから、そこを支える役割。その2つをやってくれということでした。


 ──主役の安倍氏まで亡くなってしまって、製作は大変だったのでは。

 もうできないんじゃないか、という時期はありました。安倍さんの呪縛から解かれて自由になるかと思ったら逆なんですよ。「死者に鞭を打つのか」と、日本的なあの言葉です。監督は最初、いろんな政治家にインタビューしようと考えていたけれど、野党議員も逃げちゃう、スポンサーも引いていくみたいな感じでね。ただ、意外だったのは、松竹が新宿ピカデリー(映画館)をおさえているからやろうと決断してくれたことです。きちんと客観的に見つめ直した映画を見てみたいという人はたくさんいるんだろうな、ということはみんな分かっているんですよ。松竹の決断は、エンターテインメント業界として、観客が求めているものを世に出すのが我々の仕事だ、という筋を通してくれたと感じています。


■中枢官僚の絶望は想像以上

     ((C)2023「妖怪の孫」製作委員会)

 ──古賀さん自身は映画で覆面官僚2人にインタビューしていました。

 安倍さんを評価できる人っていうのは、各省庁で官房に近いところにいた人とか、内閣府や内閣官房にいて官邸に出入りするなど、中枢にいた人じゃないと分からないんですね。そういう経験のある2人ですが、想像以上に深い絶望にあるという感じでしたね。


 ──「我々が習った憲法学では集団的自衛権は違憲。これからは合憲と答えないと公務員になれない」という言葉には背筋が凍りました。法律を作る官僚が「もう憲法は変わった」とはっきり言う。すごいことだな、と。

 
「テロだ」いう言葉も出ました。国家の根本規範である憲法を正当な手続きを踏まずに変えることは、暴力は使わずとも、テロ以外何ものでもない、ということですよね。あの安保法制反対のデモまでは、わりと一般の人が参加するムードがあった。でも結局、あれだけやっても止まらなかったっていうことが、その後の日本の一般市民に、相当影響を与えたと思います。何も変わらないという諦めになってしまった。あれが止まっていたら、日本はまったく変わっていたんじゃないかと思います。


 ──覆面官僚の「そんな勇気ある官僚は残念ながらいない。(官僚は)臆病で弱くて卑怯な人間なんです」という言葉も強く印象に残りました。

 財務省の公文書改ざんで自ら命を絶った赤木俊夫さんについて聞いた部分ですね。妻の雅子さんに聞くと、最初は財務省本省からもお花を送った人がいたそうなんですが、途中から音信不通になったと。裁判になったこともあるけれど、赤木さんに花を手向けるとか、お線香をあげるなどしたら、きっと安倍さんに睨まれるという恐怖感が官僚にはあるんだろうな、と思っていて、それを聞いてみたんです。そうしたら出てきたのが、あの名ゼリフでした。


 ──「妖怪の孫」というタイトルは直接的な意味だけではないですよね?

 河村さんが「タイトルは妖怪の孫だ」と。ただ当初は、「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元総理の孫で、脈々と伝わる保守の思想……というところまでだった。岸さんのことをあまり知らない人もいるし、僕はタイトルとしてどうかな、と思っていたんです。だけど、旧統一教会のこともあったし、安倍さんが亡くなった後でも岸田総理は「アベ的なものを否定できず防衛費のGDP比2%とか原発の新増設とか、むしろ先鋭化している。それで、後から解釈を付け加えたんです。「妖怪の孫」とは、岸さんの話をしているというより、もう安倍さんはいないし、そういう意味ではアベ政治は終わっているはずなのに、何か得体の知れないものに支配されているという状況。それを許してしまうのは、もちろん岩盤保守層の人たちであり、それをしっかり固めた安倍さんの最大の功績です。ちょっとやそっとじゃ壊れない。


■心の中に妖怪が仁王立ち

     ((C)2023「妖怪の孫」製作委員会)

 ──まさに日本中が妖怪に支配されている。

 今の日本のしくみは、憲法が想像していた世界を完全に逸脱しているんですよ。憲法では国民主権であり、国民が国民の代表である国会議員を選び、国会が国権の最高機関です。その国民の代表である国会が選んだ内閣総理大臣が政治をするのだから、この人に任せれば国民のための政治が行われるという前提なんですね。しかし、内閣が国民のために働かない、あるいは米国のために働いているとしたら……そんな酷い内閣は選挙で落ちるでしょ、というのが憲法のしくみなんです。ところが、何をしたって選挙で勝っちゃう、というのが安倍政権だった。もうどうすればいいのか分かりませんよね。国民が正しいんだってことであれば、国民が勝たせたんだから、安倍さんがやってることが正しいと、安倍支持派の人は言うでしょう。公約を掲げて選挙に勝ったんだから、その公約を前に進めて何が悪いのかと。でも、最後は国民自身に返ってくるんです。映画にアニメが登場します。人の心の中に妖怪が仁王立ちしているのは、「国民自身がなにか変えられちゃっていませんか」というメッセージになっている。もう一度、みんなで考え直してみようというメッセージです。4月に統一地方選や国政の補欠選挙がありますから、映画を見て、よく考えてもらいたいなと思っています。

(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


古賀茂明(こが・しげあき)
1955年、長崎県生まれ。東大法卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。ベストセラーとなった「日本中枢の崩壊」(講談社)ほか著書多数。映画「妖怪の孫」の原案となった新著「分断と凋落の日本」(発行・日刊現代、発売・講談社)が4月刊行予定。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●そして、いまや、『妖怪の孫』どころか「妖怪のひ孫」までもが…《安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か?》(長周新聞)

2023年03月28日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年02月07日[火])
そして、いまや、「妖怪の孫」どころかひ孫までもが…。
 スッゲェなぁ、山口2区4区…《…信千代 (信千世のミス?) も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》。《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は?

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
      の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?

 再々度引用。長周新聞の【コラム 狙撃兵】…(信千世のミス?➙) 《岸信介から数えると世襲4代目へのバトンタッチということで、このご時世になんと厚かましいといおうか、いったいいつまで国会議員ポストを特定の一族で私物化するつもりなのだろうか…という思いしかない。選挙区が「地元」といっても、岸信夫もその子息である信千代も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもないもともとこの地をルーツにした世襲政治家一族が握って離さない選挙区というだけなのである。地元の人々にとっては、「信千代? 誰だよそれ」が一般的であり、見たことも話したこともない若造にほかならないが、このまますんなりと30そこらの4代目を担いで岸家の命脈を継承するというのだろうか。同じ山口県民として、選挙区は違えど2区の人たちの心境やいかばかりかと慮る》。

 さて、『妖怪の孫』。
 長周新聞の記事【映画『妖怪の孫』――安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か? 監督・内山雄人】(https://www.chosyu-journal.jp/review/25992)によると、《あれだけ世間を騒がせたモリカケ桜統一教会の問題も、今ではまるでなかったかのような空気をメディアが醸し出すなか、安倍晋三元首相やその背景を改めて検証することで、彼は日本になにをもたらしたのか、今の自民党や岸田政権はどこへ向かおうとしているのかを、ユーモアたっぷりに描いた映画『妖怪の孫』が完成した。制作したのは、菅義偉元首相のドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』をつくった内山雄人監督とそのスタッフだ。その時々の実際の映像と、右左関係なく関係者に突撃インタビューした内容をつなぎ、そこに突っ込みを入れるという、マイケル・ムーアを彷彿とさせる手法をとっている。3月17日からの全国公開を前に、2月23日には特別限定上映会「サクラが見る会」が、一日にはマスコミ試写会がおこなわれた。映画『妖怪の孫』はなにを描いているのか――。》

   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)
   『●《最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、
      中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態に迫った…》




【3月17日公開!『妖怪の孫』公式サイト】
 (https://youkai-mago.com/

 アベ様著『安倍晋三 回顧録』(アノ北村滋氏が監修らしいいです。中央公論新社、2023/2/8)が出版されたそうです。
 昔のつぶやき: 「■昔のブログ: ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実。キョウソ様ともはやカルトなディストピアの信者様方。「選挙妨害…」について問題にし続けていた山岡俊介さんは謎の事故…。国内はさておき、世界に拡散中(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c1777c7973a737c55a9d935e31ca085c)」。
 アノ山口敬之氏には《安倍ヨイショ本『総理』(幻冬舎)》なんてのもありました。
 それよりも、『「安倍晋三」大研究』の方が面白いですよ。

   『●ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、
        「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実
    《◇武富士事件と同様に記者クラブメディアは沈黙するが…》
    《また、警視庁が、犯歴情報という個人情報を消費者金融の武富士に流し、
     武富士からはお中元お歳暮などが出ていたほか、個人の信用情報を警察に
     流していた事件(いわゆる武富士事件)も、
     山岡氏は積極的に取材していた》
    《しかし、山岡氏自宅電話の盗聴を指示していたとして、武富士の
     武井保雄会長が03年12月2日、電気通信事業法違反容疑で逮捕され、
     形成は一気に逆転した》
    《国会という場で「早く質問しろよ! 」とヤジを飛ばし、挙げ句、
     市民に向かって指を指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
     などと口走る、あの人が、“悪口を言わない”“意地悪をやろう
     と思ったことがない”って……。》

   『●『「安倍晋三」大研究』(望月衣塑子&特別取材班著)読了
     …《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》
    「《『安倍三代』…を書き上げた青木理さんは若き日の安倍晋三を
     評して「恐ろしくつまらない男だった」とし…》(p.83)、それが、
     今やニッポン国の首相。」

 財務省の公文書改ざん強制問題について、「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。数多のアベ様案件の一つ、《メディアコントロール》の下、「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を大きく委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。有耶無耶にしていいのか…(リテラ)《国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い》。さて、「捏造」でないことが分かった今、高市早苗氏の「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか…。
 日刊ゲンダイの記事【注目集まる放送法文書の真贋 総務省から怒りの内部告発続出!“安倍政権の膿”噴出の可能性】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319629)によると、《放送法の政治的公平性の解釈を巡り、安倍政権が総務省に圧力をかけた記録とみられる「内部文書」の真贋に注目が集まっている。省内から入手した文書を基に「個別の番組に圧力をかける目的で法解釈を変えた」と追及する野党に対し、岸田内閣が「文書は捏造」「文書の正確性、正当性に疑義」と主張しているからだ。この政府の態度に、総務省内部から怒りの声が噴出。今後、内部告発が続出する可能性がある》。
 もう一つ、同紙の記事【総務省の内部文書に“クビ”を懸けた高市早苗氏の大誤算…行政文書認定でも「捏造」強調】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319680)によると、《「捏造でなければ辞職」と威勢よくタンカを切ったものの、どうも旗色がよくない。高市早苗経済安保相にとっては誤算だったのではないか。放送法の政治的公平性の解釈をめぐり、第2次安倍政権が総務省に“圧力”をかけたとされる内部文書が注目を集めていたが、松本総務相が7日午前、「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と明らかにした》。
 さらにもう一つ、【放送法の公平性「番組全体を見て」は麻生太郎氏の04年国会答弁 安倍官邸に解釈“歪曲”疑惑】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/319656)によると、《放送法に基づく政治的公平性は「一つの番組」ではなく、「番組全体」を見て判断する――。麻生氏が国会でこう断言していたにもかかわらず、いつの間にか「一つの番組でも判断し得るケースがある」と変更されたわけで、小西氏が「都合のいい解釈に放送法が私物化されている」と指摘するのも当然なのだ》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
リンク   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…』
りんく   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》』
りんく   『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
     公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》』

=====================================================
https://www.chosyu-journal.jp/review/25992

映画『妖怪の孫』――安倍晋三がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か? 監督・内山雄人
書評・テレビ評 2023年3月6日

 あれだけ世間を騒がせたモリカケ桜統一教会の問題も、今ではまるでなかったかのような空気をメディアが醸し出すなか、安倍晋三元首相やその背景を改めて検証することで、彼は日本になにをもたらしたのか、今の自民党や岸田政権はどこへ向かおうとしているのかを、ユーモアたっぷりに描いた映画『妖怪の孫』が完成した。制作したのは、菅義偉元首相のドキュメンタリー『パンケーキを毒見する』をつくった内山雄人監督とそのスタッフだ。その時々の実際の映像と、右左関係なく関係者に突撃インタビューした内容をつなぎ、そこに突っ込みを入れるという、マイケル・ムーアを彷彿とさせる手法をとっている。3月17日からの全国公開を前に、2月23日には特別限定上映会「サクラが見る会」が、一日にはマスコミ試写会がおこなわれた。映画『妖怪の孫』はなにを描いているのか――。


3月17日から全国上映開始

 映画は冒頭、「安倍さんはなぜ選挙に強いの?」と問いかける。確かに第二次安倍政権は選挙に勝ち続け、憲政史上最長の政権となった。

 一つのカギはメディア戦略で、野党に転落した自民党がもっとも重視した。大手広告代理店と手を組んで「T2」を立ち上げ、どんな話題をとりあげればネット・ユーザーが反応するか、選挙運動にどう反映させるかを研究し、若者対象のネットファンクラブもいち早く立ち上げた。

 そして、安倍政権になってからのメディアトップとの“濃厚接触”、頻繁な会食。「『ニューヨークタイムズ』の社長がオバマ大統領と食事することはありえないメディアの独立を冒すからだ政権と癒着すると読者の信頼を失う」とは、米国のジャーナリストの意見だ。

 安倍政権は選挙前、在京テレビ局に「報道の公正・中立」を申し入れた。日本のメディアの選挙報道量の調査では、衆院選のあった2005年が300時間をこえていたのに対し、同じく衆院選のあった2014年は50時間をこえた程度に激減。それに比例して投票率が、2005年の67・51%から2014年の52・66%(戦後最低)にまで落ち込んだ。メディアが萎縮して選挙報道を減らし、連動して投票率は低下し、自民圧勝が演出されたわけだ。

 安保法制強行採決のとき、ニュースキャスターの降板があいつぎ、高市早苗総務相(当時)の「電波停止」発言まで飛び出した。「報道の自由度ランキング」で日本は世界72位に。

 しかし冷静に見れば、権力者の横暴は世の常。問題は、政権を監視する役割を持つはずのメディアの側があまりにも腰砕けで、政権とズブズブの関係になっていることだ。そもそも『朝日』『読売』『毎日』にせよ、NHKにせよ、日本のメディアは戦時中、天皇制政府の情報局の中枢におり、「鬼畜米英」「一億玉砕」を煽って国民の犠牲を増やした側だ。それが敗戦後、新聞社の解散を免れてその体質を温存したまま、対米従属下の政府広報紙になって今に至る。

 メディアの問題といえば、映画の中に出てくる霞ヶ関の現役官僚たちの覆面座談会には、思わず身を乗り出した。財務省の公文書改ざん問題が論議されるなか、「マスコミにネタを提供しても、新聞社内で通らないんだ。社内で握りつぶされる。ひどいですよ。場合によっては自分が通報されてるんじゃないかという気すらした」「マスコミには二重スパイがいて、マスコミにいろいろ聞かれたことがいつの間にか上司に伝わっていて、身の危険を感じたことがある」。心ある有能な新聞記者たちが大手新聞社を次々に去っていくはずである

 安倍晋三が強いわけではない。「選挙に勝てば正義」という理屈だが、憲政史上最長の政権は、メディアと野党に支えられた砂上の楼閣だ、問題は国民がそれに気づくことなのだ、とのメッセージを受け止めた。


岸信介から続く系譜

     (「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介)

 次に「安倍さんはどんなふうに育ってきたの?」に画面は移る。

 長年安倍晋三を取材してきた年輩のジャーナリスト。机の上にはオフレコの取材メモの山。安倍晋三の生育過程について、いったいなにが明かされるのか。

 「(小さい頃)あの子は強情で、一度いい出したら聞かない子だった」
 「宿題やったの? といったら、やったよというが、ノートを見ると真っ白だった」
 「(両親の愛情不足から)かまってほしいタイプ」
 「中学生になっても乳母のふとんにもぐりこんでいた」
 「(大学生のとき)大学校内をアルファロメオで走っているバカがいると評判になった」
 「勉強はしなかった。卒業できたのは“要領”だといっていた」

 このジャーナリストが示した安倍晋三の本音の政治信条とは、「要領のいい演出家」。みせかけ政治とやってる感。「アベノミクスもやってる感なんだから。成功とか不成功とかは関係ない」。ちょっと軽すぎないか? こうした幼少期からの自分の弱さやコンプレックスを隠して、安倍晋三が目標としたのは誰か?

 父方の祖父は安倍寛で、戦時中は大政翼賛会に抗って出馬し当選した、反骨と平和主義の人として地元では信頼が厚い。しかし彼がめざしたのは、それとはまったく方向性が異なる、「昭和の妖怪」と呼ばれた母方の祖父・岸信介だった。

 岸は戦前、満州国経営の中心人物の一人で、東条内閣の閣僚の一員。戦後はA級戦犯として投獄されるが処刑を免れ、米国に拾われて、出獄からわずか9年で首相に登り詰めるCIAとの癒着もとり沙汰された。やったことは日米安保条約改定で、「米国の戦争に巻き込まれる」と全国的な60年安保反対闘争が巻き起こった。

 「なんでも一番でないと気が済まない安倍晋三さんは、憲法改正をやって岸信介をこえようと思ったんだ」


安倍8年とは何だったか

     (映画『妖怪の孫』の一場面)

 そんな安倍晋三が手を染めたのがモリカケ桜集団的自衛権安保法制統一教会との関係も、安倍政権8年で一気に強まった。

 「もし私や妻がかかわっていたのなら、総理大臣も議員も辞める」といって財務省近畿財務局職員の赤木俊夫氏を自殺に追い込み、「ウソなんかつくわけないじゃないですか」といって虚偽答弁を118回おこなった、安倍晋三元首相。「知りうる立場にあったが、実際には知らなかった」など、かなり無理のある国会答弁の映像が続く。

 これも霞ヶ関の官僚たちの覆面座談会だが、財務省の公文書改ざんについて、「個人的にはものすごくショックだった。総理が平気で嘘をつくのだから。そして赤木さんがあんなことになって…」と語る言葉に無念さがにじむ。

 「国民の公僕として本当に正しいことを直言する、という精神文化はまったく失われた。ポーンと首が飛ぶのだから。それを露骨にやり始めたのが安倍政権」「今の政権の方向性と違うことは一切考えるなと上司からいわれた」

 さらに安倍政権は、それまで歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を、内閣法制局長官をかえ、解釈改憲の閣議決定をして、行使容認に転換させた。これについても「今までの判例や学説をすべてひっくり返すようなものだ。自分の仕事をやるのがバカバカしくなる」「時の総理大臣がルールを無視してテロをやるんだ」と憤懣やる方ない。

 安倍政権8年で、三権分立や法治国家といった国のあり方をぶっ壊してしまった。これに対して霞ヶ関の官僚のなかでも、いかに「いいかげんにしろ!」の思いが渦巻いているか。このあたり、ぜひ本作をみてほしい。

 自民党と統一教会との関係も、「安倍さんが仲いいんだから、つきあわなかったら怒られる」(自民党議員)。統一教会と関係の深い議員が大臣やさまざまな役職に就き、国政に影響を与えてきた。きっかけは2009年、全国で統一教会の霊感商法が摘発され、渋谷区松濤の本部教会へのガサ入れも秒読みになったとき、止めたのが警察官僚出身の亀井静香だった。その後、第二次安倍政権では国家公安委員長に統一教会と親しい議員が次々と就任し、警察の捜査がゆがめられたいまだに統一教会関係議員はおとがめゼロだ

 「政策がゆがめられた」のは、財界との関係でも同じ。自動車業界や化学業界など、自民党への大口献金が多い業界ほど、政策減税の恩恵が大きいことが数字にあらわれているアベノミクスの結果、「賃金は上がらず、トリクルダウンは起こらなかった」(岸田首相)。一人当りGDPで日本は世界27位まで急降下し、先進国から脱落した。


火炎ビン事件の真相も

 では、「安倍さんの選挙区はどうなっているのか?」

 江島潔が下関市長であった時期、多くの公共事業の入札で官製談合が疑われたが、そのなかで安倍晋三ととくに関係の深い業者にかかわる入札といわれたのが、奥山工場ごみ焼却施設建設工事、新環境センター・リサイクルプラザ建設工事、下関市社会教育複合施設(ドリームシップ)整備運営事業の三つだ。映画では当時の本紙の記事を紹介しながら、なにがおこなわれていたのかに迫っていく。

 このうち奥山工場ごみ焼却炉(落札価格110億925万円)とリサイクルプラザ(59億9550万円)は、安倍晋三の出身企業といわれる神戸製鋼を指名した入札で、ドリームシップ(下関市生涯学習プラザ)は安倍晋三の実兄が支社長(当時)をしていた三菱商事中国支社が落札した。

 「私物化は昔からだった」。こうして彼らが利権をあさった結果、首相お膝元の下関は全国トップクラスで人口減少が進む街となった。閑散とした街の姿をカメラが映し出すのを見ながら、郷土を豊かにできない政治家が国を豊かにできるわけがない、と改めて考えさせる。

 1999年の下関市長選で、安倍事務所が推す江島潔に対抗した古賀敬章に対して、「あいつは北朝鮮とつながっている」と誹謗中傷するビラをヤクザに配らせたあげく、その報酬を安倍事務所がケチったことに腹を立てたヤクザが、安倍晋三宅などに火焔瓶を投げ込んだ事件があった。映画では、この問題を国会の場で、山本太郎(当時、自由党)が「民主主義の根底をひっくり返すような、相手候補に対する選挙妨害を発注した」と追及する場面が出てくる。安倍晋三は関与を否定したが、画面には、安倍事務所秘書の直筆の名前「竹田」が記された念書が映し出された。

     (安倍事務所への火炎瓶投げ込み事件の捜査現場
      (2000年6月28日、下関市))


この国に棲みついた妖怪とは

 映画のなかでときどき登場する風刺絵本(マンガに吹き出しがついたもの)。安倍晋三がもたらしたのは「美しい国」ではなく、妖怪が棲みついた国だった。

 「電車に乳母車を押して乗ってくるな!」「近所に保育園を建てるなんて、子どもの声がうるさいじゃないか!」。これは妖怪「不寛容」にとりつかれている人たち。
 「大学に入れないのも、就職が見つからないのも、結局自己責任なのさ」というのは妖怪「慈虚(じこ)責任」で、能力主義から傲慢さが増幅し、自信を失った者はもっと自虐的になる。
 隣に自分勝手な人が住んでいると、「ウチの生活を守るんだ」と勝手にエスカレートしてミサイルなどを次々に購入し、最後には自爆してしまう家族。これは妖怪「セメ・テクール」の影響だ。

 いつから日本人は、周りの人に深い思いやりを持ったり、弱きを助け強気をくじく美風を忘れてしまったのか。この種の妖怪にとりつかれて、気分・感情を蝕まれてはいないか。まったく他人事ではない。

 とはいえ、ラストはいたって真面目。自民党の改憲案は、「憲法は政治権力を縛るもの」という立憲主義を逆転させて、国民を縛るものにかえている。そして、憲法九条の「必要最小限の防衛力」を「必要な防衛力」にかえ、際限のない軍拡に進もうとしている。岸信介や安倍晋三が残したものは、戦争への道だった。最後の場面、監督が自身の幼い娘をひきあいに出しつつ、次世代のために平和な社会を残すのはわれわれ大人の責任ではないかと問いかけて終わる。

 17日より新宿ピカデリーなど全国で上映が始まる。上映時間115分、『妖怪の孫』製作委員会。制作・テレビマンユニオン、配給・スターサンズ。


■ 内山雄人監督インタビュー

 ――なぜ今、この時期に『妖怪の孫』を世に問おうと思ったのか?

     (内山雄人監督)

 内山 この映画の企画自体は安倍さんが亡くなる前から動いていた。しかし、牽引者であったスターサンズのプロデューサー・河村光庸氏が亡くなり、安倍さんも亡くなって、映画自体が頓挫しかかった。

 そうした紆余曲折をへたわけだが、「なぜ今」といわれれば、一つは統一地方選が近いということがある。そこに向けて意識を喚起してもらいたいという思いがあった。同時にこの年明けから、岸田政権が閣議決定を含めてかなり強引に物事を進めていく姿勢を一気に強めた気がしたし、その背景には安倍政権から引き継いでいるものが大きいと感じている。

 そこで、この映画は早くみなさんに知ってもらった方がいい、そして今の軍拡だとかマイナンバーだとか、国民が置いてきぼりをくいながらどんどん進んでいくことへの危機感をなんとか共有できないか、みんなが気づかないといけないんじゃないかという気持ちがあって、このタイミングでの公開になった。

 そして、テレビがこういう発想におよそ至らなくなっているという現実をすごく感じる。安倍さんが亡くなった後、安倍政治の10年の功罪を検証する特番やスペシャルがどんどん出てきておかしくなかったが、それがまったくなかった。国葬のタイミングでやるかと思っていたら、それもなかった。あまりにもそういうことをテレビが避けている。

 ただ僕の今回の作品は、「検証」とか「総括」というニュアンスで受け止められがちだが、僕のアプローチは上から目線で安倍さんに切り込むというのとは違っている。僕はテレビで当時は伝えられなかった、したがってみんなが知らなかった安倍さんの一面をもう一度見つめ直そうという姿勢で臨んでいる。自民党のメディア戦略というのもテレビでは扱えないことだけど、それを表に出すことでテレビの限界ということも知ってほしいし、そこで知らなかった安倍さんに出会えるといいなと思っている。


 ――この映画をつくるうえで心がけたこと、気をつけたことは?

 内山 僕らに対して、「アベガー」みたいに安倍さんを批判するために映画をつくっていると見られることはまったくの誤解なので、まずそこを理解してほしい。

 僕自身はテレビマンとしておもしろいもの、視聴者の興味をひくものを提供したいという思いがある。ただ権力を監視するという姿勢は持っていたい。たとえば現役官僚の座談会で、赤木さんが亡くなって官僚のみなさんはどんな気持ちだったのか、この10年間で官僚組織がどう変わったのかを語っていただいたが、それはびっくりすることでもあるし、ほんとの気持ちを少しは伝えることができたかなと思っている。ああそうだったのか、あのときはこうだったのか、と謎解きみたいなことが一つ一つできたらいいなという思いの方が強いので、「糾弾する!」とか「安倍やめろ!」というようなスタンスはまったくとっていない。

 ただ、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」という安倍さんの言葉は、それは一国の総理がいう言葉だろうかという疑問があるからとりあげる。しかし、それを「よくないじゃないか」とは提示せず、見ている人がそれを受け止めて考えてもらえばいいと思っている。


 ――映画のなかで、マンガで書かれた人たち(風刺絵本)を通じて、安倍政治の国民の心への浸透をとり上げている。

 内山 「不寛容」とか「忖度」とか、なにかこの10年の間にわれわれがおかしな空気にとりつかれているような気がして、それが妖怪の魔力の影響だと描いている。身近にこんなことたくさん起きてるなと、風刺として受け止めつつ、「あれ、自分もそうだな」と気づいてもらえたらなと思っている。


 ――今から映画館に足を運ぶ方に一言。

 内山 知らなかった安倍さんに出会えるというつもりでみてもらえたらと思っている。同時に、今の自民党政権の背景というものがわかるし、LGBTの問題とかいろんな問題がつながってきて、今起こっている問題を紐解くヒントが見えてくるのではないか。今の岸田政権の背景が見えてくると思う。


【リンク】映画『妖怪の孫』公式サイト
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態に迫った…》

2021年08月11日 00時00分37秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


// (20210801[])
塚田ひさこさんによる、マガジン9のインタビュー記事【この人に聞きたい 内山雄人さんに聞いた:「パンケーキ好きの令和おじさん」の正体は? ──映画『パンケーキを毒見する』】(https://maga9.jp/210728-1/)。

 《長らく政治家を描くことには及び腰だった日本映画界にあって、なんと現役総理大臣の正体を暴こうという大胆不敵な野心作が公開されます。題して『パンケーキを毒見する』。『新聞記者』『i—新聞記者ドキュメント—』などで知られる制作会社スターサンズの企画作品です。石破茂氏、江田憲司氏ら政治家、前川喜平氏ら元官僚、ジャーナリストらの証言でつづるドキュメンタリーですが、タイトルから受ける印象どおりどこかユーモラス。随所にブラックユーモアや風刺のスパイスを効かせた、これまでにないユニークな映画になっています。最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態に迫った監督・内山雄人さんにお話を伺いました》。



【『パンケーキを毒見する』60秒予告 2021年7月30日(金)公開】
 (https://www.youtube.com/watch?v=dxaw64L7hL8
  《日本映画史上初、現役首相を描いたドキュメンタリー映画が完成!
   世界が未曾有のコロナ禍に陥る中、国民の命と激動の時代の舵取りは、
   この男に託された。果たして日本の将来はどうなるのか?
   日本アカデミー賞作品「新聞記者」や、東京国際映画祭作品賞
   (スプラッシュ部門)「i-新聞記者ドキュメント-」で官邸政治の闇や、
   菅首相(当時官房長官)をウォッチしてきたスターサンズが、
   “今、一番日本人が知りたいこと”菅政権の正体に迫った
   ドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』が7月30日(金)より
   新宿ピカデリーほか全国公開!
   選挙イヤーである本年、時代の変わり目に誕生した前代未聞の
   ドキュメンタリー映画。是非あなたもパンケーキ政権を毒見してみては
   どうだろうか。》

 「私は選挙に影響する映画をつくりたい」と、《国にケンカを売った裁判で全面勝訴》し、《文化芸術の発展においては常にアンチという立場》であると主張する河村光庸プロデューサー。
 投票の前に、まず、自公お維支持者は《パンケーキ政権を毒見》して見せてください。《最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、中から出てきたものは……?》 毒見して死んでしまう前に、毒とウソにまみれた独裁政権のデタラメぶりに気づいてください。

   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)

 デタラメがまかり通るこの国を変えなきゃ。もはや、(斎藤貴男さん)《こうした“巧妙さ”が消えた》《あからさまに民主主義を破壊し、露骨に憲法をなきものとし、人権を踏みにじり、差別を隠そうともせず、言論を弾圧して、平然としている。…悪党がその正体をあらわにして、居直ったのである》。《民主主義はもう終わったという前提》の下で…、《バッハ会長が来日し、小池都知事と会談した日の都庁周辺には、自衛隊員や彼らの車両が絶え間なく行き来していた果たして大手メディアは何も伝えようとしない。これは治安出動なのか、だとしたら、軍事政権とどこがどう違うのかあからさまな暴政の前に》…どうすべきなのか…。もしかすると、次がラストチャンスかもしれない。
 《古賀氏は実際は国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を支配できているところに問題があるとも言う》。塚田ひさこさん《──投票したい人がいない、面倒くさい、1票入れたからといってどうせ変わらないなどとは、よく言われますね一方、政治家の側も本音では投票率が低いほうがいいと思っているのではないか政治家が自分のことしか考えていないことが透けて見えると、有権者はしらけてしまいます》…でも、何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない

   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
     する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?
   『●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因は
     コロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》
   『●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さん
     ご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪
   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)
   『●自公お維トファに投票してはいけない、《普通の国》とするために
     ―― 《普通の国なら何度も政権が吹っ飛ぶ失態が繰り返されてきた》
   『●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事による五輪招致が間違い
        だった…小池「ト」知事「コロナとの戦いで金メダル取りたい」…
   『●《それでもバカとは戦え/…2021年7月23日は非常に残念ながら
         悪が人類に打ち勝った日として確実に歴史に残ることになる》
   『●アベ様の害交・害遊の大きな成果 ―― 「ゴールまで、ウラジーミル、
        二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」
   『●アベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出
       …政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》
   『●あぁ、《「復興五輪」「新型コロナに打ち勝った証し」…スローガン》の
        《大会経費は3兆円を超える》…そのおカネで何ができただろう?
   『●保坂展人世田谷区長が《この方針を打ち出した当初、感染症の専門家や
           マスメディアからの激しい批判に晒されたという》…東京は4000人超
   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…

=====================================================
https://maga9.jp/210728-1/

この人に聞きたい
内山雄人さんに聞いた:「パンケーキ好きの令和おじさん」の正体は? ──映画『パンケーキを毒見する』
By マガジン9編集部 2021年7月28日

 長らく政治家を描くことには及び腰だった日本映画界にあって、なんと現役総理大臣の正体を暴こうという大胆不敵な野心作が公開されます。題して『パンケーキを毒見する』。『新聞記者』『i—新聞記者ドキュメント—』などで知られる制作会社スターサンズの企画作品です。石破茂氏、江田憲司氏ら政治家、前川喜平氏ら元官僚、ジャーナリストらの証言でつづるドキュメンタリーですが、タイトルから受ける印象どおりどこかユーモラス。随所にブラックユーモアや風刺のスパイスを効かせた、これまでにないユニークな映画になっています。最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態に迫った監督・内山雄人さんにお話を伺いました
――――――――――――――――――――――――――――――――――


菅総理の正体を暴く

──内山さんは長年テレビ番組の制作に関わっていらして、映画監督は初めてだそうですね。プロデューサーの河村光庸さんからは、どのような依頼があったのですか?

内山 河村さんからは「菅総理の正体を暴くんだよ」という一言で、それ以上具体的な要求はありませんでした。ただ菅さんを貶めるようなことをやってもしょうがないという方向性は決まっていましたが、あとはどういう形で見せるか、どう着地するかは任せると言われました。
 撮影を開始したのは2021年の年明けで、就任当初は高かった菅さんの人気が落ち始めていたころだったんですね。「なんだ菅さん、だめじゃん」という空気になりつつあるときに、それを後追いしてもおもしろくない。ならば逆に菅さんのすごいところをしゃべってくれる人に話を聞いてみたいと、菅さんに近い自民党議員たちが結成した「ガネーシャの会」の若手議員とか、菅さんの横浜市議会議員時代を知る県議、市議たち、政治評論家らに取材を申し込んだのですが軒並み断られました。菅さんがよく利用するホテルやパンケーキ屋も取材NG
 東京オリンピックにぶつけて公開したいというスケジュールは決まっているのになかなか取材が進まず、結論が見えないままに走り出したというのが正直なところです。

     (©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会)

──オリンピックもやるかやらないかわからない、いつ総選挙があるのかもわからないという流動的な情勢の中では、走りながら考えるしかなかったでしょうね。

内山 特にオリンピックに関してはどうなるかわからなかったので、触れられませんでした。下手すると映画が出来たころには、菅さん、総理を辞めてた、ということもありえましたからね。

──安倍さんに比べて菅さんは地味な印象で、すぐ辞めるのではと思っていた人も多いかもしれません。監督は菅さんに対してどういう印象をお持ちでしたか?

内山 いや、むしろそういう先入観を排して菅さんという人を見ていこうと心がけました。僕らは政治ジャーナリストではないし、新聞を読んでニュースは一応知ってはいるけれど、深掘りまではしていない、投票には行くけれど、とくに強い関心があるわけではない。そういう「普通」の市民の目線で見ていこう、と。ですから僕自身がナレーションで解説するとか、政治的なメッセージを発するとかいうのでなく、証言者を集めてそれを届けるというスタンスをとりました。


笑える「政治バラエティ」

──プレスリリースには「いたずらに異議を唱えたり、スキャンダルを暴こうとする政治ドキュメンタリーではありません」とあります。

内山 政治ドキュメンタリーというジャンルにくくられてしまうと、その瞬間に見る人が限られてしまう。ミニシアターで上映して一部の人の間で評判になって、というパターンではなく、新宿のでかいところでドカーンとやるというのは決まっていたので、どうしたら多くの人に見てもらえるか? ハードルを下げるか? ということを考えました。従来のイメージを変えたいというねらいもありましたね。
 政治を真正面から見据えて深掘りする政治ドキュメンタリーでなく、テレビ的発想で言うと「政治バラエティ」ですね。僕らはテレビの人間なので、普通の人に気楽に見てもらって、「政治って“変なカルチャー”だね、これ、やばいじゃん」くらいの気づきがあればいいな、と。

──映画の中にはブラックユーモアを効かせたアニメーションが挿入されるなど、斬新な試みが見られましたが、反応はいかがでしたか?

内山 政治に詳しい人とか専門家のあいだでは、突っ込みが足りないとか、スクープめいたことが見当たらない、政治ドキュメンタリーとしてどうなのか、など辛口のコメントもありました。
 一方、YouTubeが体にしみ込んでいるような若い世代の人からは、1本の映画に様々な映像表現が織り交ぜられていておもしろかったという声もいただきました。また政治的な事柄についても、ニュースで知ってはいたけれど、あらためて映像や言葉で見せられると、こんなことが起こっていたのかとリアルに実感できた、と。とくに政治に参加しようという意欲のある若者にとっては、話の順番が整理されていて、わかりやすかったと言われました。

──たしかにYouTubeの影響は大きいですよね。その意味でも若い世代には親和性のある映画になっていると思います。

     (©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会)


赤旗編集部にカメラが入った!

──「しんぶん赤旗」の内部など、これまで見たことのないシーンもあって驚きました。赤旗を政党の機関誌でなく、メディアのひとつとしてとらえたところがとても新鮮でした。

内山 今のマスコミの問題を描こうと思えば、週刊文春か赤旗しか撮るべきものはないなと思っていました。文春はすでにいろいろ取材もされているので、やるなら赤旗だ。赤旗にカメラが入るなんて前代未聞だし、向こうも初めてだと受け入れてくれたので、結果15分くらいの長いシーンになりました。

──画期的な出来事だったのですね。

内山 テレビの人間が、テレビでは絶対出来ないことをやったという自負はありますね。赤旗の取材なんて考えられないでしょう。そんな発想ないから、企画に上がることもありえない。
 僕も最初は共産党機関誌って、どんな世界だろうとこわごわ入っていったのですが、そこにはある種のまっとうな姿があって、新鮮な驚きでした。

──「国会パブリックビューイング」代表として、国会審議を可視化する活動を行っている法政大学教授の上西充子さんが、国会審議での菅さんの答弁のおかしさを丁寧に解説するシーンが、とてもわかりやすくおもしろかったです。

内山 今回、上西先生に解説してもらってわかったんですけれど、国会審議って、すごく笑える。まさに笑えるドキュメンタリー。こんなにおかしな笑っちゃうようなことが起きているのかと驚きました。
 ただテレビで中継を見ているだけでは、そこまで滑稽さには気づけない。初めての人にも伝わるように、どこがおかしいかを上西さんに解説してもらって、ヤジもちゃんとわかるように音声を調整したりテロップを入れたりしました。どうやったらおもしろく見せられるか、そこはテレビで培ったノウハウを駆使しました。

──この映画のおかげで、赤旗にしても国会審議にしても、従来のイメージが変わりましたね。

     (©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会)


このままではやばい、という気づき

──内山さんは世代的にはどういう政治スタンスをお持ちだったのでしょう?

内山 僕は1966年生まれで、バブル世代ではあるんですが、学生時代は『朝日ジャーナル』を愛読していたり、サブカルチャーが盛んだった時代で、なんとなく反権力が身についている世代です。とくに支持政党があったわけではありませんが、今回取材したことで、当時訝しく見ていた昔の自民党には、実は長いスパンで国のことを考える政治家がいたんだ……と知ることになりました。

──映画は若い人を投票に導くためのツールになるでしょうか。

内山 政治的なメッセージを伝えるのが目的ではないけれど、見た人にやっぱり選挙に行こうと思わせる、選挙に何らかの影響を与える映画でなければ、今やる意味はないよね、とはプロデューサーの河村さんとも話し合いました。
 ただ、今の若い人って、非難するとか引きずりおろしてやるとか、そういう表現をすると、とたんに引かれてしまう。それでは最後まで見てもらえない。そうではなく笑わせてみるとか、ちょっと怖い事実を見せて、「これ、やばいぞと思わせるとか、そんなふうに気持ちをたぐり寄せられればいいかな、と思っています。
 真正面から批判したり対峙したりするのも一つの方法だけれど、それだけだと限られた人にしか届かない。本作でも強すぎる言葉とか非難めいたストレートな表現はなるべく削って、強い言葉が一人歩きしないように配慮しました。

──直近の東京都議選については、どう思われましたか?

内山 コロナにしてもオリンピックにしても、もしかしたら目の前で大惨事が起きるかもしれないという、誰にとっても自分事が争点になっているのに、あの投票率の低さには愕然としましたね。オリンピック開催についても、党によって主張が違っていて、投票へのモチベーションはあったはずなのに、なんなんでしょうね

     (©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会)

──投票したい人がいない、面倒くさい、1票入れたからといってどうせ変わらないなどとは、よく言われますね。一方、政治家の側も本音では投票率が低いほうがいいと思っているのではないか。政治家が自分のことしか考えていないことが透けて見えると、有権者はしらけてしまいます。

内山 選挙に行けと声高に言うと逆効果になったり、悩ましいですね。いっそ投票を義務化するしかないのかなと思うこともあります。
 先日、ある大学の学生さんたちと話をしたのですが、彼らはどこかの党を応援するとか、選挙での勝敗には興味がない。それより自分たちが望む政策を立案して、政府に提言して実現させることに熱心なんですね。なるほどそういう方法もありかなと感心しました。さらに言えば、短いスパンでの政策提言だけでなく、エネルギー政策とか憲法など、10年、100年の視野で考えるべきことも大切ですね。

──この映画も是非若い世代に見てもらいたいですね。今日はありがとうございました。

(聞き手・塚田ひさこ 構成・マガジン9編集部)



パンケーキを毒見する
7月30日(金)新宿ピカデリーほか全国公開 配給:スターサンズ
公式サイト https://www.pancake-movie.com/




うちやまたけと●1966年8月24日生まれ。早稲田大卒業後、90年テレビマンユニオンに参加。93年「世界ふしぎ発見!」でディレクターデビュー。主な作品に、2001年12月〜日本テレビ「歴史ドラマ・時空警察」Part1〜5監督&総合演出、2006年〜09年日本テレビ「未来創造堂」総合演出、2010〜15年日本テレビ「心ゆさぶれ!先輩Rock You」総合演出、2015〜20年NHKプレミアム アナザーストーリーズ「あさま山荘事件」、「よど号ハイジャック事件」、「マリリン・モンロー」、「ドリフターズの秘密」などがある。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)

2021年07月28日 00時00分15秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(20210723[])
平井康嗣さんによる、日刊ゲンダイの記事【映画「宮本から君へ」裁判で全面勝訴! 忖度なき映画プロデューサーの“アンチ魂”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/291003)。
日刊スポーツの記事【菅首相に迫った映画「パンケーキを毒見する」 試写会翌日アカウント凍結】(https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202106240000508.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp)。
リテラの記事【菅首相批判の映画『パンケーキを毒見する』のTwitterはなぜ凍結されたのか? プロデューサーは「政治的意図を疑わざるをえない」】(https://lite-ra.com/2021/06/post-5932.html)。

 《忖度しない映画プロデューサー、河村光庸氏が国にケンカを売った裁判で全面勝訴し、話題になっている。…ところが、同年6月に瀧氏の有罪判決が確定されると態度が一転、「公益性の観点」から助成金の交付を取り消す。スターサンズが助成金交付要項に「公益性」という文言がないと指摘されると芸文振は要項を書き換え、「公益性」という文言を後付けて入れ込んだからムチャクチャだ。スターサンズ代表の河村プロデューサーは、政権の内幕に迫る映画「新聞記者」も手がけている。「今回の助成金不交付も芸文振による政権への忖度ではないか」(業界関係者)と見る向きもあるが、むろん真相は闇だ》。
 《菅義偉首相(72)の素顔に迫ったドキュメンタリー映画「パンケーキを毒見する」(内山雄人監督、7月30日公開)の製作会社スターサンズは24日、公式サイトで「本日未明、ツイッター公式アカウントが凍結されてしまいました」と、同作の公式ツイッターアカウントがツイッター社により凍結されたと明らかにした。前日23日に都内で特別内覧試写会が2回、開催されており、同社は「皆様にはご迷惑をおかけしますが、手を尽くし復旧を急いでおりますので、引き続き応援よろしくお願いします」(コメントは原文のまま)と現状を報告した》
 《菅首相と政権を批判するドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』の公式Twitterアカウントが、一時凍結されたことが、大きな話題になっている。『パンケーキを毒見する』は菅首相に迫るドキュメンタリー映画で、監督は内山雄人氏。俳優の古舘寛治がナレーターを務め、自民党の石破茂・元幹事長や村上誠一郎衆院議員、立憲民主党の江田憲司衆院議員といった与野党の政治家や、加計問題告発をめぐり官邸の謀略攻撃に遭った前川喜平・元文科事務次官、菅官房長官の圧力で『報ステ』を降板させられた元経産官僚の古賀茂明氏、国会パブリックビューイングなどで知られる上西充子・法政大教授といった政治家や学者、ジャーナリストなどへのインタビュー、菅首相の過去の答弁の検証などを通して、菅政権の正体に迫るというもの。》


【『パンケーキを毒見する』60秒予告 2021年7月30日(金)公開】
 (https://www.youtube.com/watch?v=dxaw64L7hL8
  《日本映画史上初、現役首相を描いたドキュメンタリー映画が完成!
   世界が未曾有のコロナ禍に陥る中、国民の命と激動の時代の舵取りは、
   この男に託された。果たして日本の将来はどうなるのか?
   日本アカデミー賞作品「新聞記者」や、東京国際映画祭作品賞
   (スプラッシュ部門)「i-新聞記者ドキュメント-」で官邸政治の闇や、
   菅首相(当時官房長官)をウォッチしてきたスターサンズが、
   “今、一番日本人が知りたいこと”菅政権の正体に迫った
   ドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』が7月30日(金)より
   新宿ピカデリーほか全国公開!
   選挙イヤーである本年、時代の変わり目に誕生した前代未聞の
   ドキュメンタリー映画。是非あなたもパンケーキ政権を毒見してみては
   どうだろうか。》

※ 本日7月27日(木) ――― 昨日と今日、1週間で倍増。前週は2週間で倍増でしたが…恐ろしい状態。(斎藤貴男さん)《世界の笑いものであり、憎悪の的》になり下がる、《スガ政権、東京はコロナウイルス実験のシャーレではない》…。
 東京新聞の記事【<新型コロナ・27日>東京都で過去最多2848人 第3波のピーク2520人を大きく上回る】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/119678)によると、《東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者が過去最多の2848人報告されたと発表した。これまでの最多は第3波のピークだった1月7日の2520人。1週間前の火曜日より1461人も増えた。都内の累計の患者数は20万3568人。このうち現在入院している重症患者は82人となった。新規感染者数(1週間平均)は、27日時点で前の週に比べて49.4%増えた》。

 核発電人災の原子力緊急事態宣言下でウラアリなオ・モ・テ・ナ・シだの、アンダーコントロールだの、果ては、復興五輪だのと嘯き、COVID19緊急事態事態宣言下でも《コロナに打ち勝った証》として五輪貴族やその取り巻きによる〝バカの祭典〟〝パソナ五輪〟を強行。一体どんな国?? 《スガさんの生命維持装置》としてのバカの祭典パソナ五輪スガ政権の祭典を強行する無為無策無能な政権。最早、殺人オリンピック

 《伊藤真弁護士は「やはり文化芸術の世界では世間や政権に忖度は無用である」と判決の意義を話した》。《今回の判決を受け、映画公開についてさらに勇気づけられたと語った。河村氏の“アンチ魂”はまだまだ世論を挑発していくようだ》。
 「私は選挙に影響する映画をつくりたい」と、《国にケンカを売った裁判で全面勝訴》し、《文化芸術の発展においては常にアンチという立場》であると主張する河村光庸プロデューサー。自公お維支持者には、是非、カースーオジサンの独裁《パンケーキ政権を毒見》してほしいものだ。来る衆院選、自公お維トファに投票してはいけない。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/291003

映画「宮本から君へ」裁判で全面勝訴! 忖度なき映画プロデューサーの“アンチ魂”
公開日:2021/06/24 06:00 更新日:2021/06/24 06:00

     (会見する河村光庸プロデューサー(提供写真))

 忖度しない映画プロデューサー、河村光庸氏が国にケンカを売った裁判で全面勝訴し、話題になっている。映画「宮本から君へ」の助成金をめぐる裁判で、あらましはこうだ。

 映画が完成した2019年3月12日、出演者の1人であるピエール瀧氏が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたが、製作会社のスターサンズには同29日に、文化庁所管の日本芸術文化振興会(芸文振)から助成金1000万円の交付内定を知らせる通知が送られていた。

 ところが、同年6月に瀧氏の有罪判決が確定されると態度が一転、「公益性の観点」から助成金の交付を取り消す。スターサンズが助成金交付要項に「公益性」という文言がないと指摘されると芸文振は要項を書き換え、「公益性」という文言を後付けて入れ込んだからムチャクチャだ

 スターサンズ代表の河村プロデューサーは、政権の内幕に迫る映画「新聞記者」も手がけている。「今回の助成金不交付も芸文振による政権への忖度ではないか」(業界関係者)と見る向きもあるが、むろん真相は闇だ。


■弁護団も驚く判決内容

 スターサンズ側は助成金不交付の取り消しを求める訴訟を起こし、裁判は今年1月末に結審。そして6月21日、東京地裁で清水知恵子裁判長は判決の主文をこう読み上げた。

「(芸文振が)助成金を交付しない旨の決定は取り消す

 判決読み上げの法廷は閑散としていたが、この異例の判決が出たためか、夕方の記者会見は立ち見も出た。

 会見冒頭、四宮隆史弁護団長は「われわれも驚くような内容。かなり踏み込んだ主張が認められた」、弁護団の伊藤真弁護士は「やはり文化芸術の世界では世間や政権に忖度は無用である」と判決の意義を話した。

 芸文振側は、この映画への助成金を認めてしまうと「国が薬物乱用について寛容である」と誤解されかねないなどと主張していたが、清水裁判長は「(ピエール瀧氏の)出演は129分のうち11分。本件の主役でも主要な4人でもない。本件の顔として認められるものではない」「(芸文振の助成金不給付は)公益性の濫用」などと全否定した。

 河村氏によると、原作者の新井英樹氏は「すごく喜んでいた。今後の創作活動の励みになる」と電話口で話したという。焦点のピエール瀧氏について、河村氏は「私は直接知らないが、今度会ってゆっくり話したい」と語った。


■「常にアンチ」であれ 

 河村氏は会見で「文化芸術の発展においては常にアンチという立場でいけないと思っております。今の状態がいいのかと。常に突破しなければいけない壁にぶつかり、それを超えていかなければいけない。それが私の1つの原動力になっています。しかし同調圧力とか忖度といったものがまだまだ蔓延しています」とアンチである重要性を指摘。

 さらに近夏公開される次回作『パンケーキを毒見する』についても言及。パンケーキは菅総理の好物と報じられた食べ物だ。つまり映画は菅総理をめぐる内容になるという。

「7月30日の公開予定です。オリンピックの真ん中、9月末に予定にされる(衆議院議員)選挙の中で公開します。ジャーナリズムは選挙に影響するものはまずいとなる。一定の党派に寄り添う作品ではないが、私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村氏)

 今回の判決を受け、映画公開についてさらに勇気づけられたと語った。河村氏の“アンチ魂”はまだまだ世論を挑発していくようだ。

(取材・文=平井康嗣/日刊ゲンダイ)
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202106240000508.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

菅首相に迫った映画「パンケーキを毒見する」 試写会翌日アカウント凍結
[2021年6月24日15時28分]

     (ドキュメンタリー映画「パンケーキを毒見する」特別内覧
      試写会後にトークを行った、左から内山雄人監督、
      河村光庸エグゼクティブプロデューサー、古賀茂明氏
      (撮影・村上幸将))

 菅義偉首相(72)の素顔に迫ったドキュメンタリー映画「パンケーキを毒見する」(内山雄人監督、7月30日公開)の製作会社スターサンズは24日、公式サイトで「本日未明、ツイッター公式アカウントが凍結されてしまいました」と、同作の公式ツイッターアカウントがツイッター社により凍結されたと明らかにした。前日23日に都内で特別内覧試写会が2回、開催されており、同社は「皆様にはご迷惑をおかけしますが、手を尽くし復旧を急いでおりますので、引き続き応援よろしくお願いします」(コメントは原文のまま)と現状を報告した。

 「パンケーキを毒見する」は、菅氏が地元の秋田から上京して法大に進学し、就職課の紹介で衆院議員小此木彦三郎氏の秘書になったことや横浜市議会議員、衆院議員とステップアップした歴史を紹介。その上で官房長官、首相としての答弁の問題点、G7の中で日本が最低に落ち込んでいる項目が多いというデータや、企画から関わった元経済産業省官僚の古賀茂明氏(65)が、テレビ朝日系「報道ステーション」を降板に追い込まれた内幕も“暴露”。アニメなども絡め、現役政権トップを題材にした初の映画でありながら、エンターテインメントとしても楽しめる“政治バラエティー映画”となっている。

 映画は、冒頭から製作陣が菅氏に近い自民党議員たちが結成した「ガネーシャの会」所属の若手議員や、同氏がかつて“影の市長”の異名を取った横浜市議会や神奈川県議会の議員らに取材を試みたが、全て拒否されたことを明らかにした。同氏が使用するホテルや番記者を連れていったことで話題となったパンケーキ店からも取材NGが相次ぐ中、徹底した取材を敢行したことにも触れた。

 映画には現役の国会議員も出演している。自民党の村上誠一郎衆院議員は「今までの総理大臣には、上に立つものとしての見識があったが、菅さんにはない」とバッサリ切り捨てた。特に日本学術会議の任官拒否問題については、菅氏が弟子を自認する故梶山静六氏を引き合いに「梶山さんがご存命だったら、あり得ない。梶山さんは学問をリスペクトし(学者の)論文を読んでいた。(菅氏は)読んでいないんじゃないか?」と疑問を呈した。

 故橋本龍太郎首相の秘書官で、96年の衆院選で初当選した菅氏をサポートした立憲民主党の江田憲司衆院議員は、同氏に説得されて出馬した00年の総選挙の際、1年生議員だった菅氏が金を用意すると言い「数千万円を用意してきた」と激白。菅氏を「都会派の一方、カネ集めの上手い自民党の利権政治家の2つの顔を持つ」と分析した。


 20年9月の自民党総裁選で菅氏に敗れた自民党の石破茂元幹事長は、同氏について「こびないし、人の機嫌を取ろうというかけらもない。威圧感がある」と評した。一方で、答弁で意図的な論点をすり替え「ご飯論法」ともされる菅氏の答弁をはじめとした現在の国会での論戦については「この世界に35年いて、初めての言論空間。Aと言えばBと答える。かみ合っていない」と評した。

 「パンケーキを毒見する」は、19年の映画「新聞記者」でも現在の日本の政権、政治と社会に疑問を投げかけた、河村光庸エグゼクティブプロデューサーが陣頭指揮を執り、製作。公開日を東京オリンピック期間中の7月30日をあえて選んだ。同氏は、映画「宮本から君へ」(真利子哲也監督)が助成金交付内定後に下された不交付決定の行政処分の取り消しを求めて、文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」(芸文振)を訴えた裁判で、21日に不交付処分の取り消しを命じる判決を勝ち取り、勝訴したばかり。

 23日の特別内覧試写会では、「菅内閣が発足して、すぐに、いても立ってもいられず、この映画を作ろうと思った。タイトルは最初に決めた。監督を何人か当たりましたが、5人くらい断られた。映画の表現は自由であってしかるべき。どこかの政治勢力には一貫してくみしない。民主主義国家の中で当たり前のことをやる、こういう映画が当たり前のように作っていかれないといけない」と製作経緯を説明。その上で「9月に多分、総選挙があるであろうと思う。ジャーナリズム、メディアの方が、ぜひとも、この映画に影響されて、選挙に対して、きっちり、どの政党、政治家を選ぶということじゃなくて、間違っているじゃないかと、態度をきっちり表明していただきたい」と訴えていた。
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2021/06/post-5932.html

菅首相批判の映画『パンケーキを毒見する』のTwitterはなぜ凍結されたのか? プロデューサーは「政治的意図を疑わざるをえない」
2021.06.26 10:56

     (Twitterアカウントが一時凍結に)

 菅首相と政権を批判するドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』の公式Twitterアカウントが、一時凍結されたことが、大きな話題になっている。

 『パンケーキを毒見する』は菅首相に迫るドキュメンタリー映画で、監督は内山雄人氏。俳優の古舘寛治がナレーターを務め、自民党の石破茂・元幹事長や村上誠一郎衆院議員、立憲民主党の江田憲司衆院議員といった与野党の政治家や、加計問題告発をめぐり官邸の謀略攻撃に遭った前川喜平・元文科事務次官、菅官房長官の圧力で『報ステ』を降板させられた元経産官僚の古賀茂明氏、国会パブリックビューイングなどで知られる上西充子・法政大教授といった政治家や学者、ジャーナリストなどへのインタビュー、菅首相の過去の答弁の検証などを通して、菅政権の正体に迫るというもの。

 配給会社はスターサンズ、企画・プロデュースは同社社長の河村光庸氏。河村氏は、東京新聞・望月衣塑子記者原作の映画『新聞記者』のプロデューサーでもある。ようするに『新聞記者』では一応、フィクションとして描かれた政権の実態にドミュメンタリーとして迫った映画、といっていいだろう。

 スターサンズは、公開日である7月30日に向けて、『パンケーキを毒見する』公式Twitterアカウントを開設。ところが、完成披露試写会を行い、ポスターや予告動画も公開するなど、宣伝を本格的に開始した6月23日夜、そのアカウントが突如、凍結されたのだ。

 スターサンズが24日、ツイッター社に問い合わせたところ、25日未明にメールで「ツイッターのルールに繰り返し違反したため、凍結されました。今回の凍結は継続される見込みです」と回答があったが、どのルールに違反していたかの言及はなかったという。

 結局、朝日新聞などがこの事実を報じた後の25日午前、凍結は解除され、アカウントは復活したが、結局、Twitter Japanはなんのルールに違反したのか、理由を明かしていない。スターサンズ社長で、同作の企画・プロデューサーを務める河村光庸氏は朝日新聞の取材に対し、こう語っている。

ツイッター社からちゃんとした説明がなく、現状では政治的な意図を疑わざるを得ないちゃんと誠意ある回答をしてほしい

 実際、この凍結はあまりにも不自然だ。というのも『パンケーキ』のツイッターを見ても、投稿内容に「ルール違反」があった形跡がないからだ。アカウントは今年4月に開設され、5月21日から投稿が始まっているが、現時点で確認できる範囲では、差別や誹謗中傷、個人攻撃のような類の投稿は見当たらない。告知のほか、共産党の志位和夫委員長のツイートや、映画にも登場する上西充子・法政大教授や古賀茂明氏のツイートや、国会ウォッチャーなどのツイートをリツイートしているくらい。それらも、ごく穏当なツイートばかりだ。投稿内容が、ルールに抵触していたとは到底考えられないし、著作権違反なども見当たらない。

 アカウントの運営方法やシステムに不備があった可能性もあるが、スターサンズや河村氏のコメントを読むかぎり、その可能性も低い。

 そうしたことを考えると、今回のTwitterアカウント凍結が、菅政権批判のドキュメンタリー映画だったことが原因ではないかという疑念を持つのは当然だろう。


■『新聞記者』ではテレビ局が宣伝拒否 主演の松坂桃李も「番宣はほとんどできなかった」と告白

 しかも、河村光庸プロデューサーは、これまで、いくつかのプロデュース作品で、政治的な圧力や忖度ではないかと思える妨害を受けている

 河村プロデューサーは菅田将暉がアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した『あゝ、荒野』や、長澤まさみがアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した『MOTHER マザー』などをプロデュースしてきた敏腕プロデューサー。今年も、仲野太賀主演『泣く子はいねぇが』、綾野剛主演の『ヤクザと家族 The Family』、尾野真千子主演の『茜色に焼かれる』など、数々の話題作をプロデュースしている。

 だが、前述した望月衣塑子記者原案で、政権の謀略を描いた『新聞記者』では、公開直後に公式サイトがサイバー攻撃を受け、サーバーがダウンするという大きなトラブルに見舞われている

 また、『新聞記者』では、テレビのプロモーションをことごとく拒否されるという問題も起きていた。

 このことは、主演の松坂桃李も、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で明かしている。インタビュアーの玉川徹氏が政権に物申す作品に出演することにためらいや恐怖はなかったかと問うと、松坂は、「この作品を通してちゃんと伝えたいなという思いがあったので出ました。まわりの情報などに惑わされずにちゃんと自分の目で自分の判断で選択できる意思を持とうよっていうメッセージ性を込めた作品なので」と答えたあと、「ただ!」と少し声を強くして、こう付け加えた。

「あのお、番宣にいたってはほとんどできなかったです(笑)」

 この言葉に玉川が「それが忖度なんですよ」と反応すると、松坂も「ていうことなんですかね」とうなずいたのだ。

 実際、松坂の言うとおり、『新聞記者』の公開前、テレビで同作のことが取り上げられることはまったくと言っていいほどなかった。人気俳優が出演する映画が公開される際は、その俳優たちがテレビのバラエティに出演し、映画の宣伝を行うのがパターンになっている。松坂も公開前後にバラエティ番組に出演していたが、告知されるのは同時期に公開された別の映画のみ、『新聞記者』について一切触れられことはなかった。

 同じく河村氏のプロデュース作品で2019年に公開された『宮本から君へ』では、文化庁の助成金が途中で取り消しになっている。

 『宮本から君へ』は2019年3月、文化庁所管の独立行政法人・日本芸術文化振興会から1000万円の助成が内定していたが、出演者の1人であるピエール瀧が麻やく取締法違反で有罪判決を受けた後、「公益性の観点」から「不交付」を通知されていた。スターサンズは、不交付は違法として不交付決定の取り消しを求め芸文振を提訴。今年6月21日、不交付決定は違法、「裁量権を逸脱または乱用した処分として取り消す判決が出たばかりだ。

 この『宮本から君へ』助成金取り消しは、ピエール瀧の有罪を理由としていたが、同時期に、あいちトリエンナーレも補助金が取り消されたことから、当時、「『宮本から君へ』も『新聞記者』をつくった河村氏のプロデュース作品ということで、政権から意趣返しを受けたのではないか」という見方も広がっていた。


■Twitter Japanの政治的偏向は「陰謀論」ではない! JCとパートナー締結、笹本社長は自民党で指南

 さらに、こうした疑念に拍車をかけているのが、Twitter Japanの政治的偏向、幹部の右派、自民党政権との親和性だ

 2017年には同社の上級役員が『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)などのヘイト本で知られるケント・ギルバート氏らのツイートに「いいね!」をしていたことが取り沙汰されたし、同年には代表取締役である笹本裕氏が自民党本部の勉強会で、「Twitterの現在と政治での活用」なるあたかも、自民党にSNS のアドバイスするような講演をおこなっていた

 2020年にはTwitter Japanが自民党の強固な支持母体で、ネトウヨの製造装置とも言われる日本青年会議所(JC)と「情報・メディアリテラシー確立のためパートナーシップ」を締結し、大きな波紋を広げた(その後、パートナーシップを解除)。

 というのも、日本青年会議所(JC)は2018年に「宇予くん」なるキャラクターアカウントを開設し、中国と韓国について〈日本はこのバカ二国と国交断絶、もしくはミサイル攻撃したほうがいいど〉と差別や戦争を煽るネトウヨ暴言を繰り返していたからだ

 そんな団体とよりにもよってメディアリテラシー確立のパートナーシップを締結するというのは、「ツイッターをネトウヨのフェイク拡散装置にするつもりなのか」ともう批判の声が上がったのである。

 しかも、こうした政治的偏向は、実際にTwitterの凍結措置にも反映されてきた形跡がある。Twitterでは、対レイシスト行動集団「C.R.A.C.」など差別に反対・抗議するアカウントが次々凍結される一方、その元になった民族差別、ヘイト丸出しのネトウヨアカウントはなかなか凍結されない、という状況が横行。「Twitter Japanは反差別に厳しく、極右や差別に甘い」という“政治的偏向”が指摘されてきた。

 こうした経緯を考えると、今回の『パンケーキを毒見する』公式Twitterアカウント一時凍結は、同映画が政権批判のドキュメンタリー映画であることと無関係とは考えられないのだ。

 ところが、ネットでは、疑いの声に対して「陰謀論」「被害妄想」などと決めつける声が上がっている。ネトウヨだけでなく、冷笑系の連中も、“Twitter本社の方針に機械的に従っているだけで、Twitter Japanに権限はない”などとしたり顔で語っている。

 だが、実態をわかっていないのは「陰謀論」と決めつけている連中のほうだ。実際、アメリカ在住の映画評論家・町山智浩は、一般ユーザーの〈政権が権力でやったと言いたいんだろうけど、そんなに力があるなら、そもそもこんな映画公開できないだろ。笑笑〉というツイートに、こう反論している。

〈そうではなく、ツイッタージャパンが独自の判断で政権に忖度した可能性があるかと。ツイッタージャパンは青年会議所と提携しようとするなど、実際に保守的な政治的傾向が強く、米本社が徹底的に規制しているQアノン(大統領選不正デマ)やワクチン陰謀論も野放しで、明らかに政治的に偏向しています。〉


■疑念を招く最大の元凶はTwitter Japanが凍結の具体的理由を開示しないこと

 Twitter Japanが独自の判断で政権批判のツイッターを狙い撃ちするというのは考えづらいが、政権に批判的なアカウントについては、官邸やネトウヨ親衛隊が常に監視を続けており、何かと理由をつけ通報しているといわれる。Twitter Japanがこうした通報を受けて、即座に凍結に動いた可能性は十分あるだろう。

 また、もうひとつ強調しておかなければならないのは、こうした疑念を持たれる最大の理由が、Twitter Japanの姿勢にあることだ。

 Twitter Japanはこれまで、アカウントを凍結しても「ルールに違反している」というのみで、その具体的な理由についてはほとんど開示してこなかった。リテラのTwitterアカウントも2017年9月に一時凍結されたことがあるが、やはり明確な理由はわからないままだった。

 今回も同様だ。『パンケーキを毒見する』の配給会社であるスターサンズ社はTwitter Japanに対して、「あまりに茫漠としており、理由をつかみかねます」「なぜこのタイミングで凍結という判断に踏み切ったのか、理由を明らかにしていただきたい」という内容の質問状を送ったというが(朝日新聞6月25日)、冒頭に書いたように、Twitter Japanからは「ツイッターのルールに繰り返し違反したため、凍結されました。今回の凍結は継続される見込みです」という回答のみで、どのルールに違反したかは明示されていない

 その理由がきちんと開示できないというのは、やはり、何か恣意的な判断があったと考えざるを得ない

 改めて言うが、Twitterはいまや、一私企業のサービスではなく、言論の自由を担保する公的なメディア、公共財なのだ。Twitter Japanはその自覚をもつべきだろう。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)

2019年11月26日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 《望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る》…森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』(https://i-shimbunkisha.jp/)↑]



石川智也記者による、アサヒコムのインタビュー記事【インタビュー/望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る】(https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04)。
レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』/望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る】(http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga)。

 《でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです》。
 《森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。…その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

 森達也監督『i -新聞記者ドキュメント-』が、先日、公開されました。

   『●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く
     森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開



https://youtu.be/Y_UTOTWFVVI



https://youtu.be/_HafYKE2PvY?t=3



https://youtu.be/LAfwlVQH_jg

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。
 木下昌明さん、《一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

=====================================================
http://www.labornetjp.org/news/2019/1113eiga

木下昌明の映画批評 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』

●木下昌明の映画の部屋 第259回 : 森達也監督『i―新聞記者ドキュメント』
望月衣塑子のジャーナリスト精神に迫る

 森達也監督の『i―新聞記者ドキュメント』が刺激的だ。安倍政権が巻き起こした数々の政治的事件と、その真相に迫る一人の女性記者の取材の日々をドキュメントしている。

 森監督は、オウム真理教の中に入りこみ、教団内外のもろもろをとらえた『A』(98年)や『A2』(01年)で知られた映画作家である。そのかれが『東京新聞』の望月衣塑子記者の取材活動に密着して、緊迫したドキュメタリーをつくった。彼女が官邸の記者会見で、菅官房長官のいいかげんな返答食い下がり、同じ質問をなんどもくり返したことは有名だ。森の映画も、この二人の対立を軸に展開している。

 望月と映画のプロデューサーである河村光庸案による『新聞記者』は、先ごろ大ヒットしたが、それは内閣情報調査室の実態を暴露したものだった。フィクション仕立てのこの映画は、大学の獣医学部新設は毒ガス製造などの軍事目的のためと訴えていた。

 今度の森の映画は、「新聞記者」の頭に「i」と付しているように、一人でも立ち向かうという望月衣塑子の気概(きがい)に光をあてている。

 彼女はトップシーンから沖縄に飛び、船で辺野古の土砂投入の現場にのりこんで、禁じられている赤土が山盛りになっている光景を撮り、翌日には、記者会見で菅官房長官にその不正を問いただす。それに菅はニベもない返答をして逃げる。

 この赤土問題をめぐる沖縄説明会で、沖縄防衛局調達部長はまともに対応できない。望月は部長に「あなたは現場の責任者でしょう?」と迫り、車で逃げるかれに「答えられないような恥ずかしいことをしないで下さい」と大声で怒鳴る。

 別の日、望月は宮古島に飛ぶ。そこで、弾薬庫と給油所が並置している自衛隊新基地の危険な状況を地元の人々から教えられ、早速、それを新聞の一面トップで暴いて、防衛大臣を謝罪に追い込む。

 権力に物怖じしない彼女のジャーナリスト精神に喝采を送りたくなる。また、ところかまわず社内外の人々と携帯を手にわたり合っている姿にもひかれた。

 その彼女の「i」(一人称)としての活動が、ついにジャーナリストたちを突き動かし、官邸前でのデモにまで発展していくのだ。 映画は、前川喜平、籠池夫妻、伊藤詩織など、安倍政権の強権的なふるまいに屈しない生き方にも迫っている。一人ががんばればみんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる

※11月15日より新宿ピカデリー他で公開
=====================================================

=====================================================
https://www.asahi.com/and_M/20191112/7262093/?iref=comtop_fbox_u04

インタビュー
望月衣塑子はタブーなのか? 森達也、新作『i』でメディアの忖度に迫る
2019.11.12

オウム問題、死刑制度、「3・11」に、ゴーストライター騒動……。時代時代の主題に迫りつつ、背後で進行する社会の「空気」の変化を見つめ、描いてきた映画監督・森達也さん。

この国のトップが歴代最長在任期間を更新しようとするなか、森監督が新たに被写体に選んだのは、東京新聞社会部の望月衣塑子記者。2017年夏から菅義偉・官房長官の会見に出席し始めて以来、妨害を受けながらも波状攻撃のように直球の質問を繰り出し、一躍時の人になったジャーナリストだ。

喝采を浴びる一方で激しい批判にもさらされてきたその望月記者に密着した『i -新聞記者ドキュメント-』が11月15日から全国で順次公開される。

森監督が、いま、メディアに携わる人間をあえて題材にした理由は何か。そこにはどんな問題意識があったのかを聞いた。


周囲の人間が普通ではなくなっている、という疑問

インタビューに現れた森監督は、自作のPR中というのに、ぼさぼさの髪に登山シャツ、すすけたジーンズという、いつもの出で立ちだった。そういえば、11月5日に六本木で開かれた東京国際映画祭のクロージングセレモニーに登壇した際も、パーカーにカーゴパンツ姿だった。

「僕は世の『空気』を描いてきたと言われますが、空気を読まない奴ともよく言われます。周りをあまり気にしない。胸を張ることでもないし、直したいんだけど。そういうところは、実は望月衣塑子さんとよく似ているんです。周囲から浮き、首相官邸の他の記者から色眼鏡で見られても、あの人は気にしない。もちろん、まっすぐでコケティッシュな部分もある彼女とは、性格はまったく似ていないですけどね」

確かに仏頂面で愛想がない。サービス精神もない。だが決して偏屈ではない。質問には一呼吸置き、じっくり悩んで答える。

「オウム内部から『A』を撮ったとき、色んな同業者から『なんでお前だけ撮影が許されたんだ?』と言われましたが、僕は普通の手順通り、広報に手紙を書いて取材申請をして、信者に『なぜオウムに入ったんですか』『なぜ脱会しないんですか』と疑問をぶつけただけ。当たり前のことを当たり前にやっただけです。でも周りはそういう手順を踏んでいなかった。普通のことをやっているだけだと思っていたけど、僕だけが浮いてしまった」

「望月さんの場合も、同じことが起きている。彼女も記者として当たり前のことをやっているだけだと僕は思う。それなのに彼女だけが目立って浮き上がってしまっている。それはなぜなのか、逆に周囲にいる人たちの方が普通ではなくなっているのではないか……。そんな疑問からこの映画は出発しています」

『i』は、望月記者の著書を原案にして今年ヒットした映画『新聞記者』河村光庸プロデューサーが企画・製作した。映画『新聞記者』は序章に過ぎなかった――とのキャッチコピーどおり、前作同様、昨今のメディア状況への危機感が強い動機となったという。

作中、辺野古問題森友・加計問題の関係者たちを「どうして答えられないんですかっ!」と追いかけ、官房長官に「回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています」と食い下がる望月記者の姿は、強い印象を残す。一方、望月記者の質問中に官邸報道室長が執拗に繰り返す「質問は簡潔に」という横やりに反応せず、ひたすらPCのキーボードをたたく内閣記者会の記者たちの姿も映し出される。

官邸は昨年末、望月記者の「度重なる問題行為」についての「問題意識の共有」を内閣記者会に求めたが、この極めて異例の文書が記者室の掲示板に貼られたまま放置されているシーンは、象徴的だ。

「でも、官邸の記者を糾弾する意図はありません。善悪の図式に押し込めるつもりもない。望月さんも別に記者として100点満点ではないし、質問も長い。他の記者からしたら『迷惑だ』『あんなのパフォーマンスだ』という理屈も分からなくはない。僕が撮りたかったのは、記者としてのスキルというより、記者としての内実や姿勢と言えばいいのかな……。集団に埋没し同調圧力に負けるのではなく、『個』として声を発するのがジャーナリストの大事な部分なんじゃないか、ということです」


自粛の連鎖と二項対立のワナにはまっていないか

過去の作品『A』 『A2』 『FAKE』では、オウムや佐村河内守の深部に入り込んだ森監督のカメラは、教団や「ニセ天才作曲家」の異様さよりも、むしろ取り囲むメディアや住民の暴力性を映し出してきた。結果として世の多数派とは異なる視点を提示するその表現スタイルは、強い批判も受けてきた。

「オウム事件を機に日本社会は変質した、というのが僕の意見です。事件後に続いた信者に対する別件逮捕や微罪逮捕の後遺症はいまだに社会をむしばんでいる体感治安の悪化防犯カメラが増殖し、危機意識からか人々の『群れ化』が進み、結果として異物を排除する空気が醸成されました。正義と悪、敵と味方、右と左、被害と加害。単純な二元思考で物事を切る傾向や風潮も、この20年でどんどん広がっています」

「そういう集団化の流れへの違和感が、作品を撮るにあたっての動機というか手がかりになってきたのは事実です。それが多くの人にとって不愉快だというのも、よく分かります」

『i』の編集作業中も、「あいちトリエンナーレ」の問題や「KAWASAKIしんゆり映画祭」での上映中止問題が起きた。どちらも、特定の立場から激しく批判された作品をめぐってのことだった。

「抗議や脅迫など直接の攻撃もありましたが、いま文化やメディアの世界で起きているのは、露骨な圧力というより、むしろ自粛や萎縮の連鎖だと思います。論争があるのが当たり前なのに、それを極度に恐れ、攻撃されることにおびえている

「『新聞記者』にしても『i』にしても、内容よりも、この題材を作品化したこと自体が『挑戦』と評価される。これはきわめて不健全な状況です。政権に厳しい問いを投げている彼女を取り上げること自体が、メディアのなかで一種のタブー化している証拠です」


同調圧力から解放されること

森監督がこれまで撮ってきたのは、オウム真理教(当時)の広報担当・荒木浩や佐村河内守など、悩みや葛藤、揺れを抱えた人物ばかりだった。今回の望月記者の裏表のない、迷いの見えない姿勢は、従来の作品の主人公たちとはかなり異なる。それだけいまの時代への危機感と切迫感があったということか。

「確かに、僕のこれまでの流儀には、望月さんは合致しない。彼女はしっかり目標を持って突き進む人ですが、僕は葛藤とか煩悶(はんもん)、懊悩(おうのう)を撮るのが好きだからね。そこは結構苦しみましたし、悩みました」

「でも、繰り返すように、善悪の図式の中で彼女を正義のヒロインにするつもりはまったくなかった。撮っている途中から、これは被写体に迫る映画ではない、と気付きました。望月さん自身ではなく、テーマはたぶん、背後にある別のもっと大きなものなんです」

森監督はそれを自ら詳しく解説することはしないが、先述のとおり、今作のテーマが社会に広がる同調圧力や忖度のあり様であり、メディアがそれに抵抗できていないどころか埋没しているのではないかという問題提起にあることは明らかだ。

メディアの力が弱くなっているチェック機能が働かなくなっている、と言われて久しい。一昔前だったら森友問題も加計問題も、それだけで『アウト』ですよね。政権も、ここまで露骨なウソやはぐらかしはしなかった。追及力が弱くなっているのは確かだと思います」

「でも、メディアは社会と政治の合わせ鏡です。社会と政治が素晴らしいのにメディアだけがどうしようもないということはない。メディアが地盤沈下しているとしたら、社会全体がそれを許していると考えるしかない

「まさにニワトリと卵ですが、社会が何かに気付いて動くためには、メディアも覚醒しなければならない。そのためには、個々の記者が自主規制や思考停止、同調圧力から解放されなければならないはずです」

東京国際映画祭での作品上映後、記者からの質問タイムで際立ったのは、「あなたはどう思いますか?」という森監督の逆質問。答えに詰まる記者の言葉をゆっくり待ったうえで、「それが正解です。映画は見た瞬間に皆さんのもの。色んなことを考えてもらえばいい。僕も皆さんの意見を受けて発見していきたい」と返した。

タイトルには、衣塑子(i)のように主語(i)を出そう、というメッセージが込められているようだが、むろん森監督は絶対に自ら解題しない。

「虎の尾を踏むかのような題材を扱うのは、ある意味で僕の抵抗です。スタイリッシュな世界観やオトナの趣味を紹介する『&M』の世界にはそぐわないかもしれない。でも、メディア=媒体は、文字どおり社会や政治と人をつなげるものです。政治のことや社会問題なんて自分には関係ない、と思っている人がいま見ているスマホやPCも、キャンプや車といった趣味の世界も、ぜんぶ政治や社会が反映されている。無関係と思っているうちに巻き込まれている。メディアはそれを人々に気付かせる役割があるはずです

「言っている意味がよく分からない、と思ったら、ぜひこの映画を見て下さい」

最後に少しだけニヤリと笑った。

(文・石川智也 写真・林 紗記)


プロフィール

〈もり・たつや〉1956年、広島県生まれ。テレビ番組制作会社を独立後の98年、オウム真理教を取り上げたドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年には続編『A2』も公開し、賛否両論を巻き起こした。16年には作曲家・佐村河内守に密着した『FAKE』を発表。著書に『下山事件(シモヤマ・ケース)』 『死刑』 『A3』など。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』

企画・製作・エグゼクティヴ・プロデューサー:河村光庸
監督:森達也 出演:望月衣塑子
2019年/日本映画 制作・配給:スターサンズ
11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
(c)2019『i -新聞記者ドキュメント-』
http://i-shimbunkisha.jp/
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く 森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』》が11月に公開

2019年09月09日 00時00分59秒 | Weblog

「安倍晋三」大研究』…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…↑]



CINRA.NETの記事【森達也が望月衣塑子の姿を通して報道の問題に迫る記録映画『i』11月公開】(https://www.cinra.net/news/20190903-i)。

 《森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『i -新聞記者ドキュメント-』…東京新聞社会部記者で、映画『新聞記者』の原案者でもある望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫るもの。プロデュースは『新聞記者』の河村光庸が手掛けた》。

 Real Soundにも、同様な記事【『新聞記者』原作者の視点で報道現場を描く 森達也監督作『i -新聞記者ドキュメント-』11月公開】(https://realsound.jp/movie/2019/09/post-410782.html)。《本作は、オウム真理教を題材にした『A』やその続編『A2』、そしてゴーストライター騒動の渦中にあった佐村河内守を題材にした『FAKE』などで知られる、映画監督で作家の森監督の最新作。東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の問題点、ジャーナリズムの地盤沈下、ひいては日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫る社会派ドキュメンタリーだ。『新聞記者』のプロデューサーである河村光康が、企画・製作、そしてエクゼクティヴ・プロデューサーを務めた》。

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか? 」

 《「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した》。かつて森達也さんは…ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》、と…でも、いま、大マスコミの壊れっぷりは凄まじい。

   『●『追及力 権力の暴走を食い止める』
     (望月衣塑子×森ゆうこ著)読了…《今、ジャーナリズムと野党の…》
    「お二人の共通した問題意識は、森友問題加計問題準強姦事件の3つ。
     「いつまでやっているのか?」という声に対して、最低の官房長官
     (の会見を仕切る…)への望月さんの返答
     「まだ納得できる回答を得ていない」という〝追及力〟が重要。」

 そして、森達也さんの予想を上回るニッポンの「政」の壊れっぷり。アベ様の「政」で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロール。《あるべきメディアとジャーナリズムの姿》とは程遠い。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」
     「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『●青木理さん《ちょっと冷静になって、
     ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、
     国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》
   『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
      その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》

=====================================================
https://www.cinra.net/news/20190903-i

森達也が望月衣塑子の姿を通して報道の問題に迫る記録映画『i』11月公開
i -新聞記者ドキュメント- 森達也 望月衣塑子 河村光庸
2019/09/03 09:00

     (『i -新聞記者ドキュメント-』 ©2019『i –新聞記者ドキュメント-』)

森達也監督の新作ドキュメンタリー映画『i -新聞記者ドキュメント-』が、11月15日から東京・新宿ピカデリーほか全国で順次公開される。

同作は、東京新聞社会部記者で、映画『新聞記者』の原案者でもある望月衣塑子の姿を通して日本の報道の問題点、日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫るもの。プロデュースは『新聞記者』の河村光庸が手掛けた。

森監督は「望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ」とコメント。


■森達也監督のコメント

望月衣塑子記者の名前を、あなたはいつ知っただろうか。官房長官の記者会見で質問を重ねる女性記者。同じ質問を何度もするなと官邸スタッフに咎められたとき、「納得できる答えをいただいていないので繰り返していますと彼女は即答した。とても当たり前のこと。でもその当り前の言葉が、ずっと僕の頭から離れない。

この国のメディアはおかしいジャーナリズムが機能していない。そんな言葉を日常的に見聞きするようになってから、もう何年が過ぎただろう。いや見聞きするだけではない。僕自身も頻繁に言ったり書いたりしている。

かつてテレビ・ディレクターだった。その後に映画監督が肩書に加わった。それから活字も仕事の領域になった。いわば僕のこれまでの人生は、常にメディアと共にあった。そのうえで断言する。確かに今のメディアはおかしいジャーナリズムが機能していない

あなたが右だろうが左だろうが関係ない。保守とリベラルも分けるつもりはない。メディアとジャーナリズムは、誰にとっても大切な存在であるはずだ。だから撮る。撮りながら考える。望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。

撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ。


作品情報
『i -新聞記者ドキュメント-』
2019年11月15日(金)から新宿ピカデリーほか全国で順次公開
監督:森達也
出演:望月衣塑子
配給:スターサンズ
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《安倍外交礼賛原稿…「実際は蚊帳の外だった」と書けない…》、《安倍政権の不正を描く映画》は宣伝されず…

2019年07月18日 00時00分53秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/大手メディアのやらせと礼賛と既得権】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907080000134.html)。
リテラの伊勢崎馨さんによる記事【望月衣塑子原案の映画『新聞記者』サイトに宣伝妨害のサイバー攻撃! 松坂桃李主演なのにテレビはプロモーション拒否】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4827.html)。

 《ニューヨーク・タイムズ官房長官・菅義偉と東京新聞記者との質問のやりとりで「あなたに答える必要はない」と回答を拒んだことも書いている。…それをうまく利用して政府の情報をコントロールしているのが官邸の会見を軸とする記者会見の仕組みだ。その最たるものが、首相や官房長官への記者の質問に既に回答が用意されていて、読み上げるというやらせ会見だ》。
 《こうした政権の謀略を担う機関として、内閣情報調査室がクローズアップされ、映画で描かれた数々の謀略工作のほとんどに関与しているという設定になっていた。官邸はこの映画の内容に怒り心頭で、公開前に内容をつかんだ内調幹部は親しい記者に絶対許さないと烈火のごとく怒っていたという》。

 アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール。アベ様による善政は何一つ無し。悪辣な独裁状態。
 映画『新聞記者』では、《こうした政権の謀略を担う機関として、内閣情報調査室がクローズアップされ、映画で描かれた数々の謀略工作のほとんどに関与しているという設定になっていた》。《現在進行形の政治事件をモデル…。官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮》。《安倍政権の不正を描く映画》は、特にテレビでは、ほとんどプロモーションされず。《公式サイトへのサイバー攻撃に、プロモーション拒否。政権批判を封殺する圧力が新聞やテレビだけでなく、映画にまで及び始めている状況に暗澹とさせられる》。

 2019年7月参院選について、斎藤美奈子さんの仰るとおり、「過半数が投票先未定 情勢は流動的」。《「どうせ変わらない」のイメージを増幅させているのは誰なのか》? 騙されてはいけない、投票でしか、この酷い現状を変えることはできない。メディアの皆さん、《投票先未定の迷える有権者のためにこそ、流動の現場を取材して異色の候補者を追い、街頭の熱気を伝えてほしいただ伝えるだけで、政治は変わるかもしれないのだ》!
 与党自公や癒着党お維を支持している「1/4」の皆さん、この政治状況を振り返ってみて下さい。
 「2/4」の眠り猫な皆さんが目覚めて、1/4でもいいので選挙に行き(12.5%投票率アップ!)、野党に投票してほしい。1票1票を積み重ねれば、社会は変えられる。《投票しなければ社会は変わらない》。

   『●映画『新聞記者』…《内閣情報調査室の暗躍》
      《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》
   『●《メディアコントロール》…こんな「広報」マスメディアばかりでは
                 第25回参議院議員通常選挙が思いやられる
   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
         弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
   『●南彰記者『報道事変』…《皆さんと一緒に考え、
       新しい時代のメディア、ジャーナリズムをつくっていきたい》
   『●身の回りの選挙に行かない「2/4」の「眠り猫」な方を説得し、
                   選挙に行って野党に投票してもらいましょう
   『●映画『新聞記者』はMotive Forceに…
      参院選、「2/4」の眠り猫な皆さんを投票所へ〝駆動〟させる力へと
   『●《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、
        政権批判に対して圧力がかかる不健全な言論状況》…
   『●東京新聞「本音のコラム」【「動かぬ証拠」 前川喜平】
        【「情勢は流動的」 斎藤美奈子】…野党に投票を!

==================================================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907080000134.html

コラム
政界地獄耳
2019年7月8日9時8分
大手メディアのやらせと礼賛と既得権

★日本の新聞は政権にことのほか好意的で、優しく親政府派メディアと言われてもさして後ろめたさを感じないようだが、海外メディアは政権に対して辛辣(しんらつ)だ。6日、北朝鮮の朝鮮中央通信はG20直後に米朝首脳会談が電撃的に開かれ、「安倍は一寸先も見通せない間抜け。わが国を中心に活発に展開している首脳外交の場に加われずにいる。国際的な笑いものになった。現情勢と地域構図の下、日本ができることは何もない」と批判した。

★5日のニューヨーク・タイムズ電子版は、日本政府が会見で記者の質問を制限したり、記者クラブに加盟していないジャーナリストの出席を拒否するなどしていて「日本は報道の自由が憲法に記された現代の民主国家だが、時には独裁政権のように振る舞っている」と書いている。官房長官・菅義偉と東京新聞記者との質問のやりとりで「あなたに答える必要はない」と回答を拒んだことも書いている。

★だが記者クラブ制度をうまく利用して既得権を得ているのは大手既存メディアだし、フリーの記者を締め出す風潮はメディア側の問題だ。それをうまく利用して政府の情報をコントロールしているのが官邸の会見を軸とする記者会見の仕組みだ。その最たるものが、首相や官房長官への記者の質問に既に回答が用意されていて、読み上げるというやらせ会見だ。

★しかし、大手メディアはそれを批判せず、海外メディアが書いたことを載せるだけだ。そのメディアには朝鮮中央通信の原稿の視点すらなく、安倍外交礼賛原稿が躍る。「実際は蚊帳の外だった」と書けないのか。おや、既に「安倍外交は蚊帳の外ではない」と閣議決定していたかしら。(K)※敬称略
==================================================================================

==================================================================================
https://lite-ra.com/2019/07/post-4827.html

望月衣塑子原案の映画『新聞記者』サイトに宣伝妨害のサイバー攻撃! 松坂桃李主演なのにテレビはプロモーション拒否
2019.07.09 07:11

     (映画『新聞記者』公式サイトより)

 東京新聞・望月衣塑子記者原案、松坂桃李主演、安倍政権下で起こった数々の不正を描いたことで大きな話題になっている映画『新聞記者』。観客動員も好調で、現在も上映中の同映画だが、6月28日の公開直後に大きなトラブルに見舞われていたことがわかった。公式サイトがサイバー攻撃を受け、サーバーがダウンしていたのだ。

〈現在、特定のIPアドレスから、システムを使用した集中的なアクセスを受けていることから、サーバーが一時的にダウンしてしまうなど不安定な状況になっております〉

 ツイッターなどSNSの公式アカウントにはこんな告知があったが、一体何が起こっていたのか。配給会社スターサンズの宣伝担当者に話を聞くと、異変は公開直後から起こっていたという。

「記録に残っているかぎりでは7月1日からですね。断続的に複数の特定IPアドレスからのアクセスが殺到したのです。それは1秒間に何十回という、人力では考えられないようなアクセスでした。その結果、サーバーが不安定な状態になり、ダウンしてしまった。映画のサイトなのでこうした事態の対策をまったくしておらず、宣伝には非常にダメージがありました」

 そのため配給会社は、Twitterや上映映画館の外部サイトでの告知を行うなど、対策に追われたという。

「ただ、サーバーダウンを知った多くの人がTwitterなどに書き込みをしてくれましたので、それはすごく助かりました。異常アクセスも、そうした人々の“声”が抑止効果になったのか、ある時期から一気に減少し、今はほぼ普通の状況に戻りました。」(宣伝担当者)

 担当者は「サイバー攻撃かどうかは断定できない」として、「被害届を出すとか、IPを特定するなどは、現在のところ考えてはいません」というが、“特定”のIPアドレスからの集中アクセスということは、明らかに意図的な嫌がらせ、妨害行為があったということだろう。

 冒頭でも述べたように、映画『新聞記者』には、安倍政権下で実際に起こった様々な不正を想起させるエピソードがてんこ盛りになっている。たとえば、物語の核でもある大学新設計画をめぐる不正は明らかに加計学園問題を意識させるし、ほかにも、前川喜平・元文科事務次官への謀略報道をモチーフにしているとしか思えない文科省官僚に対するスキャンダル攻撃伊藤詩織さんの告発を彷彿とさせる“総理ベッタリ記者”による性暴力事件もみ消し森友公文書改ざん問題を示唆する官僚の自殺などのエピソードも出てくる。

 さらに、こうした政権の謀略を担う機関として、内閣情報調査室がクローズアップされ、映画で描かれた数々の謀略工作のほとんどに関与しているという設定になっていた。

 官邸はこの映画の内容に怒り心頭で、公開前に内容をつかんだ内調幹部は親しい記者に絶対許さないと烈火のごとく怒っていたという。そして、同じく安倍応援団やネトウヨも公開前から一斉に映画に対して、非難と攻撃を繰り広げていた。

 そこに、サイバー攻撃があったため、ネット上ではいま、「安倍政権や内調関係者の仕業じゃないか」などという憶測の声まであがっているのだ。

 『新聞記者』では、内閣情報調査室のスタッフたちがネットに向かい、すさまじい勢いで書き込み続けて謀略情報を流す様子が描かれていたが、まさに同じような光景が繰り広げられたのではないか、というのだ。

 現実的には、内調などの政府機関が直接、そんなリスクを冒すとは考えにくいが、政権や自民党の周辺にいる関係者、あるいは熱烈な政権支持者が安倍政権批判を仕掛けた可能性は十分あるだろう


■『新聞記者』がテレビのバラエティでまったく取り上げられない理由

 もしそうなら、日本の言論状況もいよいよロシア並みになってきた感じがするが、映画『新聞記者』の宣伝活動には、この直接的な妨害以外にもうひとつ、大きな障害があったようだ。

 それは、映画『新聞記者』がテレビのプロモーションをことごとく拒否されているという問題だ。周知のように、人気俳優が出演する映画が公開される際は、その俳優たちがテレビのバラエティに出演し、映画の宣伝を行うのがパターンになっている。

 『新聞記者』の場合も人気俳優の松坂桃李が出演しているが、しかしテレビでは『新聞記者』についてはほとんど取り上げられなかった。こうした事情についても、前出の配給会社の宣伝担当者に聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。

「たしかに、テレビあまり扱ってくれませんでしたね。主演のシム・ウンギョンさんや松坂桃李さんらの舞台挨拶などは紹介されましたが、そのときも作品の内容は紹介してもらえませんでした。そもそも政治ものの映画パブリシティはマスコミのみなさんはあまり積極的ではないのですが、今回は特に“選挙前”と言われて。私たちは“公示前だからいいんじゃないか”と思ったのですが、難しかった」(宣伝担当者)

「選挙前」などと言い訳をしているが、テレビが不自然なくらい『新聞記者』のことを紹介しようとしなかったのは、同作が安倍政権の不正を描く映画だったからだ。

 テレビで芸能人の政治発言がタブーと言われている状況について、実際は「政治発言がタブーなのではなく、政権批判がタブーになっている」こと、背景に「安倍政権批判をした芸能人を起用すると、抗議が殺到する」という問題があることは、リテラでも散々指摘してきたが、まさに、『新聞記者』でも、同じような構造で、自主規制がしかれたのである。

 公式サイトへのサイバー攻撃に、プロモーション拒否。政権批判を封殺する圧力が新聞やテレビだけでなく、映画にまで及び始めている状況に暗澹とさせられるが、救いは、こうした妨害にもかかわらず『新聞記者』の観客動員が好調なことだ。公開初週に比べて翌週は通常、動員数が下がることが多いが、『新聞記者』の場合は逆に105%と増えている。興行収入も2週目が終わった段階で約2億円と、社会派映画としては異例の結果を残している。

 大手マスコミが政権に忖度、萎縮し、安倍応援団のがなりたてる声ばかりが目立つ昨今この国の政権権力や問題に正面から向き合った作品が評価され、多くの人々が映画館に足を運ぶ。こうした動きが今後、さらに大きなものになっていくことを強く望みたい。

伊勢崎薫
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●映画『新聞記者』…《現在進行形の政治事件をモデル…。官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮》

2019年07月07日 00時00分12秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]



日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー/公開日にも確たる意図 映画「新聞記者」なぜリスク取った】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/257085)。

 《参院選(7月4日公示―7月21日投開票)が迫る中、安倍政権に渦巻く数々の疑惑や官邸支配に焦点を当てた社会派サスペンス映画が28日に公開された。東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書を原案にした「新聞記者」だ。企画始動から2年弱。現在進行形の政治事件をモデルにした作品の上映は異例だ。官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮する中、なぜリスクを取ったのか。エグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏に聞いた》。

 2019年7月参院選。こんなサディスティックな独裁政権の下、委縮した社会のままでいいのですか? 《国民が何も知らなければ、権力によって意のままに分断されてしまう。そこに「政治に無関心の怖さがある。そうしたことが政治による同調圧力に屈してしまう下地になっている》。「2/4」の眠り猫な皆さんの半分とは言いません(投票率25%アップ)、1/4の方(投票率12.5%アップ)、今度こそ、投票所へ足を運びませんか。もちろん投票先は野党へ…与党自公・癒着党お維なんて以ての外です。
 《結果的にメディアが官邸を守る役割を担っているのが現状》…アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…それが諸悪の根源かも知れない。何か一つでも、市民のための「政」があっただろうか? 映画『新聞記者』…《官邸支配とメディアの萎縮》、《安倍政治の象徴》《内閣情報調査室の暗躍》を描きつつ、《現在進行形の政治事件をモデルにした作品の上映は異例だ。官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮》…そんな社会がこれからも続くと思うと、耐えられません。有権者の《責任》を果たしてほしい。

   『●『新聞記者』(望月衣塑子著)読了…《ひとつずつ真実を
              認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》
   『●《改ざんを命じられたときも相当抵抗…。
      やっているのは犯罪。自分の信念や理に反して悔しかっただろう》
   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
                 「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…
   『●【<金口木舌>権力はうそをつく】《イラク戦争…
       大量破壊兵器の保有は後に捏造だと明らかになった》
   『●《安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を
       反社会勢力にも通じる人物に頼》む…なぜに報じられないの?
   『●《テンチョンニュース》で決して報じない
     《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》
   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」
      「ここは質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん

   『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…
     実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》
   『●映画『新聞記者』…《内閣情報調査室の暗躍》
       《ひとつは…マスコミへの警告、もうひとつは…当人への警告》

==================================================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/257085

注目の人 直撃インタビュー
あえて参院選前に公開 映画「新聞記者」なぜリスク取った
2019/06/29 06:00

     (映画「新聞記者」エグゼクティブプロデューサーの
      河村光庸氏/(C)日刊ゲンダイ)

 参院選(7月4日公示―7月21日投開票)が迫る中、安倍政権に渦巻く数々の疑惑や官邸支配に焦点を当てた社会派サスペンス映画が28日に公開された。東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書を原案にした「新聞記者」だ。

 企画始動から2年弱。現在進行形の政治事件をモデルにした作品の上映は異例だ。官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮する中、なぜリスクを取ったのか。エグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏に聞いた


 ――参院選目前の公開です。あえて、このタイミングにブツけたのですか。

 政治の季節をもちろん意識しています。たくさんの人に見てもらいたいので、参院選を狙いました。この6年半で民主主義的な政党政治は押しやられ、官邸の独裁政治化が相当に進んでいる。自民党員でさえも無視されている状況です。にもかかわらず、安倍政治を支えている自民党員、忖度を強いられている官僚のみなさんには特に見てもらいたいですね。単館上映で小さくやると逆に潰されてしまいかねないので、全国150館規模で公開します。

 ――製作のきっかけは?

 かなり前から政治がおかしい、歪んでいると感じていたのですが、異常だとまで思うようになったのは2年ほど前。伊藤詩織さんが告発した事件がきっかけです。

 ――安倍首相と親密な関係にある元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に持ち上がったレイプ疑惑ですね。詩織さんの訴えで警察が動き、山口氏は帰国直後に成田空港で逮捕されるはずが、執行直前に逮捕状が取り下げられた。

 逮捕状取り下げなんて、通常はあり得ないでしょう。官邸は身近な人間や取り巻きを守るために警察まで動かすのかと。衝撃でしたね。この国では警察国家化も進んでいる。官邸を支える内閣情報調査室(内調)が公安を使ってさまざまな情報を吸い上げ、官邸はそれを政敵潰しに利用しています。

 加計学園疑惑をめぐり、「あったことをなかったことにはできない」と告発した前川喜平元文科次官の出会い系バー通いが官邸寄りの新聞にリークされたり、昨年9月の自民党総裁選で対抗馬に立った石破茂さんの講演会に内調職員が潜り込んで支援者をチェックしたり。この作品で内調を取り上げたのは、安倍政治の象徴であると同時に、最も触れられて欲しくない部分ではないかと感じたからです。

 ――望月記者の著書が原案ということで配役が注目されましたが、ヒロインは日本人の父親、韓国人の母親を持つ米国育ちという設定。実力派女優として知られる韓国のシム・ウンギョンさんが演じていますね。

 この2、3年間で現実に起きた問題を生々しく展開したかったので、当初はリアルな事件をリアルに描こうと思い、実名を使うことも考えたのですが、そうすると作品としての広がりがなくなる。個人史としてではなく、テーマとして官邸支配とメディアの萎縮を扱いたかった。映画ならではの表現の自由を生かして普遍性を持たせたかったので、フィクション仕立てにしました。

 一方で、現実にリンクしたリアルなイメージを出すために、望月さん、前川さん、朝日新聞の南彰記者(新聞労連委員長)、元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんの4人が安倍政権の実態や報道のあり方について議論している映像を劇中で流しています。

 映画の設定としては、男女が出てくると作品が盛り上がるし、観客の期待値も上がる。ですが、どうしても恋愛関係の進展も期待されてしまう。その点で、シム・ウンギョンさんは男女関係という枠組みを乗り越えられる女優で、役柄にぴったりとハマった。記者と官僚の緊張感を豊かな表現力で演じてくれました。


■「干されるかも」オファー固辞が相次ぐ

 ――内調に出向中のエリート官僚に扮した松坂桃李さんは〈「こんな攻めた映画を作るのか!」という純粋な驚きがありました〉とコメントしていましたが、キャスティングでご苦労は?

 役者のキャスティングは実はそうでもなかったのですが、スタッフ集めが難しかったですね。「テレビ業界で干されるかもしれない」と断ってきた制作プロダクションが何社もありましたし、「エンドロールに名前を載せないでほしい」という声もいくつか上がりました。映画館や出資者など協力してくれた人たちは口には出しませんが、いろいろと風当たりがあったと思います。僕自身は圧力を感じたことはありませんが。

 ――藤井道人監督にも一度はオファーを断られたそうですね。

 監督は32歳。新聞をまったく読まない世代で、政治にも関心がなかった。それで、「民主主義国家で生きている以上、政治とは無縁ではいられない一人一人の生身の生活と政治は切り離せない政治から遠ざかれば、民主主義からも遠ざかる」というような話をしたんです。「上から目線ではなく、若者の視点から映画を撮ったら面白いとは思わないか。やってみないか」と。

 すると、監督は俄然ヤル気を出して、東京新聞の購読を始めて、モーレツに政治の勉強を始めた。国民が何も知らなければ、権力によって意のままに分断されてしまう。そこに政治に無関心の怖さがある。そうしたことが政治による同調圧力に屈してしまう下地になっていることを監督は悟ったんです。うれしかったですね。

 ――芸能界にも政治を忖度する雰囲気が広がっているのですか。

 毎年恒例の首相主催の「桜を見る会」があるでしょう。官邸は芸能人や文化人をたくさん招待している。彼らの間では、呼ばれることが一種のステータスのような雰囲気が出来上がっていますよ。官邸はSNSを通じたイメージ戦略にも非常に長けていますよね。安倍首相は若者に影響力のある芸能人には積極的に会い、彼らはその様子をツイートする。思想的に近い文化人もうまく利用して、安倍政治に都合の良い色に社会を染め上げている印象です。

 ――官邸自身も「安倍首相スゴイ!」と言わんばかりの動画を量産し、SNSでバンバン発信しています。

 野党に比べ、実にしっかりとマーケティングができています。それと、安倍政権は2つの要素を使い分けている。来年の東京五輪開催への期待や、新元号「令和」の祝賀を利用したお祭りムードによる国威発揚非常事態が継続しているという雰囲気づくり。要所要所で福島をはじめとする復興を持ち出し、災害に対する危機感を維持させる。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威もあおってきた。よく練られたコントロールだと思いますよ。

 これではメディアがいくら政権の腐敗を報道してもかなわない。中でも、認可事業であるテレビ局官邸に服従していると言わざるを得ない状況でしょう。結果的にメディアが官邸を守る役割を担っているのが現状です。

 ――政権に批判的な言論人はメディアから消え、もの言えば唇寒しの風潮が広がる一方です。

 もうひとつ、安倍政治で間違っていると感じるのが、憲法改正が政治目的化していることです。憲法は法律の親分という一面ばかりが強調されていますが、憲法はそもそも、国民の代弁者である国会議員や為政者を縛るもの為政者が前のめりに改憲を進めようとしているいまの政治状況は明らかにおかしい。なのに、国民レベルではそうした意識は希薄です。政治について財界人が遠慮なくモノを言い、学校でも職場でも語り合うようにならないとおかしい。そういう社会に戻さないとマズイことになりますよ。

(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)


▼映画「新聞記者」 原案は東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書「新聞記者」。権力とメディアの裏側、組織と個人のせめぎ合いに迫る政治サスペンス。加計学園問題を彷彿(ほうふつ)とさせる医療系大学の新設をめぐる内部告発を受け、政権がひた隠す暗部を暴こうとする女性記者(シム・ウンギョン)と、出向中の内閣情報調査室で情報操作を強いられる若手エリート官僚(松坂桃李)との対峙(たいじ)や葛藤を描く。

▽かわむら・みつのぶ 1949年、福井県生まれ。慶大経済学部中退。フリーランスでイベントやCMなどのプロデューサーとして活動後、08年にスターサンズを設立。「牛の鈴音」(09年)、「息もできない」(10年)を配給。主な作品はエグゼクティブプロデューサーを務めた「かぞくのくに」(12年)、企画・製作に携わった「あゝ、荒野」(17年)、「愛しのアイリーン」(18年)など。
==================================================================================

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする