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フリック・ストーリー ’75 フランス・イタリア

2007-06-26 | アクション
凶悪犯人エミール・ビュイッソンが脱獄した。
逃走を続ける彼は、その合間にも容赦なく人を殺していく。
大胆にも大金を盗み、宝石を奪い取る。

国家警察が動く。
ボルニッシュ警部が中心となり、エミールを追う。
だが、相手の先手をうつエミールのほうが、一枚上手であった。
しかし、いつまでも奴に振り回されている訳にはいかない。
国家警察のプライドってもんがある。
やり手のボルニッシュは、部長も泣かせるような大胆な行動に出た。

エミールが仲間に、「拳銃を用意しろ」と言う場面がある。
「できれば『ワルサーP38口径』がいい」と。
ルパン三世も愛用しているあれだ。(とは言ってません)
ドイツ製のタフな拳銃を要望するあたり、相当タフな野郎である。

極悪非道なエミールを演じたジャン=ルイ・トランティニャン。
この人って、始終、無表情な役が多くないだろうか。
ま、出来れば、あまり笑ってほしくない俳優であるが(笑)
彼の場合、年齢を重ねて渋味が増した今のほうが、断然いい。
本作品では、うってつけと言ってもいいほど、犯人役をリアルに演じていて、当時の評価も高かったのではないだろうか。

冷酷なこの男にも、美しいと思うものがあった。
それは、エディット・ピアフの歌。
どんなに冷血であろう人物にも、“心”はあったのである。
その思いが、人に向けられることが無かった、ということなのだろう。

エミール・ビュイッソンは、1956年2月に処刑されている。


2 コメント

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これは印象深かったです (豆酢)
2007-06-26 11:49:36
お久しぶりです、豆酢です。
これ観ましたね~。トランティニャンの存在感だけでみせている映画でした。犯罪者と警察の追いつ追われつのスリリングさもさることながら、なんともいえない遁世感が画面に横溢していてたまりませんでしたね。

実はブログを移転しまして。それに伴い、こちらとリンクさせていただけないかとお願いに参りました。いつも読み逃げで申し訳ありませんが(笑)、よろしくご検討くださいませ。
「豆酢館」http://blog.goo.ne.jp/mamesumaldini
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こんばんは (abricot)
2007-06-27 22:22:07
>豆酢さん

わざわざお越しくださいまして、ありがとうございます。
この映画、ものすごくマイナーな作品だと思っていましたが、そうでもないようですね。
おっしゃるとおり、トランティニャンの独壇場という印象が強い。 アラン・ドロンはやっぱりカッコつけすぎてましたしねぇ。(だから大根と言われちゃうのかも・笑)

リンクについてですが、更新が非常にマチマチで申し訳ないですけど、差し支えないようでしたらよろしくお願いいたします。

遊びに伺わせていただきますね!
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