アブリコのCinema散策

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トーク トゥ ハー 2002年 スペイン

2005-05-13 | ヒューマン・ドラマ
これは非常に難しいテーマである。
単純に語れるものではない。
〈究極の愛〉がテーマといわれる作品なだけに、とっつきにくくもある。

一方通行の恋にしかならないベニグノにとって、彼のアリシアに対する想いは究極のものに違いないのだが、悲しいかな、決して報われはしない愛である。

どんなに愛情を注いでも、報われることはない。
どれだけ献身しても、アリシアの声を聞くことはない。
なぜなら彼女は、長く昏睡状態にあるから。

だが、ベニグノはあきらめない。
起きるかもしれぬ、奇跡を信じて・・・

この作品で、どちらに感情移入できるかといえば、ほとんどがベニグノと答える。
しかしアリシアの立場から思えば、やはり考えるところが多いのが本音であろう。

そこが究極の問題なのである。
人間、一方的な想いで悲劇につながることは少なくない。

個人的には、原作本のほうがすんなりと入っていけたかな。
映像よりも文章で体感したほうが、感銘を受けやすいと思う。

最後まで幸せを手にすることのできなかったベニグノ。
一方で、彼の友人となったマルコの行く末が気になるところだ。