わん太夫の迷路

気ままに人生を送りたいな~、との希望的観測と共に

マザッチョ:聖母子

2007年07月20日 18時22分15秒 | 美術散歩

マイミクのJuliaさんのご質問にお答えして。

  
聖母子:マザッチョ           楽園追放:マザッチョ

ミクシイの表紙の聖母子ですが、マザッチョ(1401-1428)の作品です

古今東西数ある聖母子がのなかにあって、、

この作品ほど母の慈しみが感じられるの作品はないのではないかと思っています。

マリア様がイエス様のほっぺたを指で押してあやしています。

世の中どこにでもいる普通の親子のようで、温かみに溢れています。

 

ジョットはルネッサンスの扉を開き、従来からの絵画に「命:喜怒哀楽」を吹き込みました。

  
最後の晩餐:ジョット                   ユダの接吻:ジョット

そのジョットが亡くなったのが1337年。マザッチョが生まれたのが、1401年。この間、約一世紀。

この間、ヨーロッパは黒死病(ペスト)が蔓延しました。14世紀に流行し始めたペストは、イタリアに初めて到達したのが1347年で、続く4年間、ヨーロッパ中を襲いました。

黒死病は数多くの命を奪い、中世の社会は多大な変革を余儀なくされに至りました。

南ヨーロッパではジョットの死後、約一世紀の間、絵画芸術にとって空虚な時期となっていました。

しかしその後のイタリア・ルネッサンスは、フィレンツェの画家マザッチョによって、奇跡のように甦えりまた。

   
三位一体:マザッチョ      カルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂

マザッチオはジョットが描きこんだ感情に加え「奥行き、立体感」、すなわち「等身大の人間」そのものを表現しました。

これがまさに「ルネッサンス」でしょう。

でも残念なことに彼は僅か27歳で夭折しました。

   
洗礼を施す聖ペテロ:マザッチオ     共有財産の分配とアナニアの死:マザッチオ

そんなマザッチョは、最初に科学的に、遠近法を使用した画家でありました。

マザッチョ以後、ヨーロッパ絵画は、積極的に遠近法を用いて、写実性を追求していきました。

  
貢の銭:マザッチョ                        己の影を投じて病者を癒す聖ペテロ

彼の作品は遠近法による、空間表現を革命的に変えたことに加えて、人物の表現にも卓越したもの示したと言えるでしょう。

フィレンツェにあるブランカッチ礼拝堂に行って、是非この目で「マザッチョ」を見てみたいものですね。


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2 コメント

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素敵です~☆ (Julia)
2007-07-20 23:02:20
わん太夫さん

ジオットやマザッチョの図版と記事を
書いていただいて、有難うございました<m(__)m>

マザッチョの《聖母子像》はやっぱり、
色も構図もいいし、慈愛に満ちている
ところも最高ですね~!!

そういえば、来週はわん太夫さんのお誕生日
ですね~
Juliaさん、こんばんは (わん太夫)
2007-07-21 01:04:03
盛期ルネッサンスの完成された絵画も良いですが、

ジョットやマザッチョもなかなかに魅力があります

フレスコ画であるので、色彩も透明感があり、

油彩とはまた一味違った味わいがあると思います

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