わん太夫の迷路

気ままに人生を送りたいな~、との希望的観測と共に

九月文楽鑑賞

2022年09月19日 16時26分25秒 | 古典芸能

創建55年の国立劇場も老朽化で、建て替えのため今年度限りのさよなら公演


第1部、第2部は「碁太平記白石噺」
南北朝時代のの楠木正成亡きあと、江戸時代初期の由比正雪が登場するもの。
第1部では田植の段、逆井村の段。ストーリーが淡々と進むが華やかさはない。
その為か客席の入りは火曜日の朝一と言うこともあり2~3割程度で寂しい。
第2部は浅草雷門の段、新吉原揚場の段。こちらはぐっと艶やかな舞台。

 

第3部は「奥州安達原」
奥州での安倍一族の反乱を源氏の八幡太郎義家が平定した「前九年の役」に拠るもの。
朱雀堤の段、敷妙使者の段、矢の根の段、袖萩祭文の段、貞任物語の段、道行千里の岩田帯の段。

特に見どころは貞任物語の段。源義家と、桂中納言則氏(実は安倍貞任)、外ヶ浜南兵衛(実は安倍宗任)との場面。第3部のまさにクライマックス。
貞任の妻の袖萩が三味線を弾くが、人間国宝の鶴沢清治の三味線と息がぴったり。人間国宝の人形遣いの桐竹勘十郎とのガチが凄い。
桐竹勘十郎は「阿古屋」でも琴、三味線、胡弓を人形で演奏するが、やはりさすが。

それを上回る凄味を見せたのが、吉田玉男の遣う貞任。最後の「決め」のあの大迫力。これは「奥州安達ヶ原」を象徴する名演技でその醍醐味に満場の拍手で段切れとなった。


楽屋訪問の時、舞台裏やバックヤードをご案内して下さる吉田玉佳さんが源義家を遣っていました。義家のキャラを表すように凛としていながら心の篤さがにじみ出ている素晴らしいものでした。

余談ながら、今まで太夫の切り場語りは人間国宝の豊竹咲太夫だけだったが、今回から竹本千歳太夫、豊竹呂太夫、竹本錣太夫が加わった。

 

公演詳細は
https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/2022/bunraku_9.html

碁太平記の見どころ・あらすじ
田植の段、逆井村の段
https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/2022/bunraku_9.html
浅草雷門の段、新吉原揚場の段
https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/2022/bunraku_9.html

奥州安達ヶ原の見どころ・あらすじ
https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/2022/bunraku_9.html


鎌倉能舞台の「能を知る会 横浜公演」を観る

2022年03月10日 16時05分34秒 | 古典芸能

鎌倉能舞台の「能を知る会 横浜公演」

お招きをいただき家内とお邪魔しました。
家内は能は眠くなってしまうと言うことでついぞ一緒したことはなかったのですが、今回は貫太さんのお孫さんの初舞台と言うことで、我が家の孫を思い浮かべながら眠ることなくの鑑賞。

狂言は野村萬斎さんの「名取川」
能は中森貫太さんの「隅田川」

能では親子生き別れでも最後は巡り敢えてハッピーエンドになる曲が多いのですが、この「隅田川」だけは、母子は生きては会えなかったとても悲しい曲。
その子供役に貫太さんのお孫さんが初舞台として登場。
開演前の貫太さんの小方(こがた)解説では、お孫ちゃんがなかなか機嫌が難しく果たして舞台に登場できるかとのこと。
舞台も進み、子供が弔われた塚の中に小方が登場。
本来は涙無くしては見れない曲なのですが、一生懸命台詞を言い、演技をしている姿に客席一同ハラハラドキドキし、舞台と客席が一体となりました。

お孫ちゃんは自分の役目が全て終わったあと塚の中で、「もう終わったの?」とつぶやいているのが聞こえ、客席一同ほっと安堵のため息に包まれました。

初舞台お疲れ様でした、中森家の皆さんおめでとうございます🌸


「アマヴィエ」のお札をいただきました

2020年08月03日 22時38分47秒 | 古典芸能


知り合いの小鶴幸一画伯が自分の作風に合わせ作った「アマビエ」のお札。
「AMABIE」のBをコロナに打ち勝つ勝利のVにして「AMAVIE」だそうです。
A・MA・VIはそのままフランス語になり、「我が人生へ」、つまり「幾何学的な我が人生へ」と言う隠れたタイトルだそうです。


松竹からとても悲しいお知らせが来ました

2020年07月22日 14時50分28秒 | 古典芸能

 

株主優待で歌舞伎座や新橋演舞場などの観劇招待があります。
しかし、武漢コロナウィルス禍の影響で公演そのものが中止となり、
株主優待も中止に。
前年度の2月公演から、今年度中間末の11月まで。とても損した感じがしますし悲しい。

元々あまり株主に顔が向いていない会社だが、もう少し血の通った対策をしてほしいですね。
例えば、シネマ歌舞伎などの無料配信、公演のDVDを配るとか。https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/


2月文楽公演第3部鑑賞

2020年02月25日 16時44分42秒 | 古典芸能


楽屋で弁慶を遣って説明をして下さる吉田玉男師匠

 

演目:
☆傾城恋飛脚 (けいせいこいびきゃく)新口村の段
 当時実際に起こった事件を近松門左衛門が「冥途の飛脚」として上演したものなどを下敷きにして書かれたもの。

☆鳴響安宅新関(なりひびくあたかのしんせき)勧進帳の段
 能の安宅をもとに歌舞伎の勧進帳ができそれを文楽にしたもの。
 文楽人形は歌舞伎と異なり人間ではできないような動きで魅せてくれます。
 人形は武蔵坊弁慶を吉田玉男師匠が、安宅の関守富樫を吉田玉助が遣う。
 先日楽屋訪問をしたとき、玉男師匠に弁慶が舞台を下がる時六法を踏みますが、 どうされるのでしょうかとお尋ねしましたら、ニコッと笑っておられました。
 舞台では人形の足遣いが片足だけで歩くようにして六法を踏んでました。
   🙋‍♂️ 💁‍♂️ 🦵
 3人遣いの人形では通常左手遣いと足遣いは黒子のように黒い頭巾をかぶるのですが、この弁慶だけは主遣いと3人とも顔を出しての遣い。やはり弁慶は別格なんでしょうね。
 舞台で特に印象に残ったのは、最後の方で弁慶を残し義経一行がその場を去り、義経もその場を去る時、笠を取り富樫に挨拶をしました。
 富樫は一瞬義経と気付き表情をこわばらせるが、弁慶の「心」を察しその場を去っていく。
 その一瞬を表した玉助さん、さすがです。


二月歌舞伎座昼の部 十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言

2020年02月17日 16時38分29秒 | 古典芸能

二月歌舞伎座昼の部
十三世片岡仁左衛門二十七回忌追善狂言

演目:菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
   加茂堤 筆法伝授 道明寺

仁左衛門の追善狂言と言うだけあって、仁左衛門の一族総出の感がある。
菅丞相の当代仁左衛門をはじめ、桜と立田の前を息子の孝太郎、刈谷姫は孫の千之助。さらには、秀太郎,我當。

元は人形浄瑠璃のために書かれ大当たりしたものを歌舞伎にも移され上演されるようになった。

今回公演の見どころは十三世の当たり役と言われた菅丞相を当代仁左衛門が演じる。
右大臣菅原道真の役ですから知性教養、気品が求められる。
以前にもこの仁左衛門の菅丞相を見たことがありましたが、今回はさらに凛とした迫力がありました。
派手な演技や大立ち回りもなく、台詞もそれほど多くない。でもその圧倒的な存在感と微妙な表情の変化で演じている。
能の舞台を見るようでした。

そうしてもう一人の極めつけは玉三郎。歌舞伎の難役の三婆の一つ、覚寿。凛として凄味があるのに心の奥に温かさがある。さすがさすがの玉三郎でした。

終演後は感想会であれこれと歌舞伎談義をしてきました。

余談です
桜丸、梅王丸、松王丸の三つ子ですがその奥さんの名は
八重=桜丸、春=梅王丸、千代=松王丸
考えるまでもなく上手く付けた名前とお判りでしょう(笑)

演目の詳細はこちらを
http://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/736


国立能楽堂 1月狂言の会

2020年01月31日 16時01分24秒 | 古典芸能

国立能楽堂 1月狂言の会

久し振りに千駄ヶ谷に行ってきました。
今回は発売開始から数時間後に申し込みをしたので、正面席が取れず、脇正面席です。
こちらからだといつもと景色が違うだけかと思ったら、台詞も正面方向に発せられるので遠近感が特に強く感じられました。
 

今回は脇正面席でした 


ここは中正面席。シテ柱が邪魔で見えにくい時があります


終演後の国立能楽堂 夜も更けて行きます


能楽堂内のお食事処「向日葵」の羽衣弁当

演目は
狂言 三本の柱(さんぼんのはしら)善竹 忠重(大蔵流)
狂言 法師ヶ母(ほうしがはは)  野村 万作(和泉流)
新作狂言 彦市ばなし(ひこいちばなし)茂山 千五郎

「三本の柱」は謡などが入り目出度く賑やかな曲。
「法師ヶ母」は酔った勢いで妻を追出してしまい後で後悔をして探し回る夫、身に迫る話し。
萬斎がその妻をやるので、チケットが思うように取れなかったようです。」
「彦市ばなし」は木下順二作の民話話を基にした新作狂言。
天狗の隠れ蓑を中心とした話。子供の頃に聞いた話でした。

https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2019/11016.html?lan=j


十二月大歌舞伎 昼の部(Aプロ)を千穐楽の日に

2020年01月09日 15時21分28秒 | 古典芸能

 

十二月大歌舞伎

昼の部(Aプロ)を千穐楽の日に行ってきました

演目:
一、たぬき 柏屋金兵衛 市川中車二、
二、村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)梅 枝
三、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)阿古屋 玉三郎

昨年も見た玉三郎の阿古屋。
今年もまた舞台に吸い込まれそうでした。
「阿古屋」は平家滅亡後も源氏に敵対する悪七兵衛景清の行方を探し出すため、恋人の
遊君阿古屋を責めて行方を聞き出そうとします。
その為の責め道具に琴、三味線、胡弓を弾かせ演奏に乱れが無いかを確かめます。
まあ、うそ発見器のようなもの。
さすが玉三郎若い頃からやっているせいかその芸道が凄い。

それとちょっと面白いのが岩永左衛門が文楽の人形よろしく松緑が演じる。滑稽味があ
る。もとは文楽から来た演目なのでちょっと真似をした感じ。

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/655/


吉例顔見世大歌舞伎夜の部 (11月)

2019年11月22日 14時31分07秒 | 古典芸能

 

吉例顔見世大歌舞伎夜の部

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 古来顔見世興行は芝居小屋の新年のようなもの。 この1年に出る役者の顔ぶれを披露する豪華な出し物。 座の看板を上げるのだが、1枚目は座頭や主役の役者、 2枚目は男前とかの持て役、3枚目の看板はそれ以外のひょうきんな役者など。 今でも京都の南座ではこの看板上げをして、暮れの風物詩となっている。

 今月は玄関入り口の上に鳳凰の図柄の櫓が載ってます。 これは江戸時代幕府から芝居小屋が営業のお墨付きをもらった印。 これも顔見世興行ならではのものです。

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

演目

鬼一法眼三略巻 菊畑 連獅子 江戸女草紙 市松小僧の女

「鬼一法眼三略巻」では子供の頃から梅玉の手元で修業を積んだ梅丸が、「梅丸改め莟玉」へと改名し、その披露目口上を芝居の途中で披露。

「連獅子」は幸四郎・染五郎の親子共演で息のあったところを見せてくれる。 親獅子の幸四郎はややどっしりとした演技を。 子獅子の染五郎は若々しくシャキシャキした演技で両者はそれぞれ見せている。


「市松小僧の女」は時代小説の大家、池波正太郎が書き下ろし、江戸の市井に生きる人々を描いた作品。このたび、実に42年ぶりの上演とのこと。

 

舞台が跳ねた後の歌舞伎座は静まり返っている。鳳凰の櫓が見える。

 

顔見世弁当の蓋

顔見世弁当

 

歌舞伎座最寄り駅の東銀座駅のコンコースのディスプレー


歌舞伎座 芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2019年10月15日 14時13分52秒 | 古典芸能

今月の出し物

 

 

歌舞伎座正面の賑わい

 

東銀座駅の歌舞伎座改札口付近

 

一、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ) 和尚吉三:松 緑 お坊吉三:愛之助 お嬢吉三:松 也

二、二人静(ふたりしずか) 静御前の霊:玉三郎 若菜摘:児太郎  

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

三人吉三は菊五郎のお嬢吉三のは前にも何度か見ていて、やはり松也はちと風格が違う感じで迫力がいまいち。 愛之助のお坊吉三はやや品があり過ぎてお行儀が良すぎる。でもそこが愛之助の良いところでしょうね。 松緑の和尚吉三はこの二人に比べどっしりとしていかにも和尚吉三らしい。 この公演では和尚吉三が舞台を仕切っている感がある。

 

二人静は玉三郎による児太郎への芸の伝承。 特に児太郎の後ろに玉三郎が立つ場面では、どっしりとした玉三郎の演技と比べると、児太郎は未だおどおどしているよう。まさに師匠の前で弟子が緊張して演じているといった様子。 特に足の運びは、能の足の運びをするのですが、玉三郎のはす~っと足が流れるように行くのに対し、児太郎のは未だぎくしゃくとしている。 でもこうやって直伝で芸を引き継ぐのは素晴らしいことです。

12月公演では今年も「阿古屋」を玉三郎、児太郎、梅枝がそれぞれ演じます。 見ものですよ!!

 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/638/


八月納涼歌舞伎第2部 「東海道中膝栗毛」

2019年09月03日 15時41分21秒 | 古典芸能

十返舎一九のおなじみの滑稽本。毎年夏の風物詩となり今年で4年目。 前作では弥次郎兵衛(幸四郎)と喜多八(猿之助)がともに冥途に行ってしまって幕でしたが、今回は幕開けであれは夢だったと言う事で再び娑婆に復活。 またいつものようにドタバタしながらお伊勢参りをしてやっとお伊勢様にたどり着く。

特に見ものは二人が滝つぼのようなところで頭っからずぶ濡れになる場面。あれは想定以上に水がかかっているんじゃないかと思われるくらい。まさのこれぞ「納涼」の極め付け。 弥二さん、喜多さん、ゆめゆめ風邪など召しませぬように。 また今迄のいろいろな出し物のパロディーのようなものもあり、歌舞伎通を楽しませてくれる。鈴ヶ森の白井権八とか。

この八月公演は3部になっていますが3部とも七之助が登場。 第1部では伽羅先代萩の乳母政岡、この第2部では女方5役、第3部の雪之丞変化では玉三郎と共演し、秋空星三郎を演じる。本当にお疲れさまです!!

連日大入り満員の札止め、大いに楽しませてくれました https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/625


八月納涼歌舞伎第1部

2019年08月28日 16時07分25秒 | 古典芸能

 

演目は、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)と闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)。

伽羅先代萩は過去に何度か見ていましたが、直近では数年前に玉三郎が政岡を演じたときのもの。... この政岡の役は、歌舞伎の女方の中でも屈指の大役。とても難しく格式のある役。 その大役を七之助が初めて演じます。 見どころは、政敵仁木弾正と八汐の一派から幼君鶴千代君を守るため御殿奥で生活をし自ら飯を炊く場面。 鶴千代君を毒殺せんと管領山名宗全の妻栄御前の土産の饅頭を政岡の子の千松が食べてしまい、事件の発覚を恐れた八汐がその千松を殺してしまう。 そして千松が殺されるのに耐え鶴千代君を守った政岡が千松の遺骸を抱きながらの「くどき」 実は前回の玉三郎の時は1階1等席のやや上手寄りの席でしたが、飯を炊くシーンが下手寄りでしかも前の席は着物姿の女性。帯をしているため前のめりで観るので舞台が全く見えませんでした。

そんなこともあり、今回は舞台全体が見渡せる3階席で、尚且つ飯を炊くシーンが良く見える下手寄りの席を取りました。 今回はバッチリ見えました。

闇梅百物語は納涼気分が味わえる(?)舞踊。のっぺらぼう、傘の一本足、骸骨、河童などが次々登場。


十二月大歌舞伎

2018年12月21日 15時12分54秒 | 古典芸能

今年最後の観劇を掉尾の一振として、気張って桟敷席で観ました。
今年はいろいろドタバタして、歌舞伎座まで来てそのままドタキャンしたことも有り感慨深いものがあります。

演目はこれぞ極め付け、玉三郎の阿古屋。...
元は文楽人形浄瑠璃の壇ノ浦兜軍記ですが、最近は専らこの「阿古屋」の段のみが上演されます。
平家の武将悪七兵衛景清と親密な関係にあった阿古屋に景清の居場所を尋ねるもの。
尋問するのは秩父の重忠(あの鵯越の武将畠山重忠)
重忠は阿古屋を拷問にかけるが、琴、三味線、胡弓を弾かせ、演奏に乱れがあれば嘘を言っているとして責めるがその演奏に乱れはなく阿古屋は釈放される。

他の演目は「あんまと泥棒」これは落語のような喜劇仕立て。中車のあんまが見所。
「二人藤娘」は梅枝と児太郎の女形2人による華麗なる踊り。

今月の演目は女形の人間国宝の玉三郎による芸の伝承が大眼目。阿古屋も玉三郎しかできなかったのを、今月のBプログラムで梅枝と児太郎が交代で受け持つ。

参考までに、1月(大阪)と2月(東京)の文楽公演では桐竹勘十郎が阿古屋を遣ります。


歌舞伎座十一月公演吉例顔見世大歌舞伎夜の部

2018年11月19日 13時30分39秒 | 古典芸能

江戸時代以来芝居の世界では十一月が年度初めのようなもの。
それで芝居小屋にはその1年間に出演する役者の看板を掲げて顔見世お披露目をする。
今回新装なった京都の南座でも、昔からの習わし通りに役者の看板を玄関正面に掲げていました。

今回は歌舞伎座初お目見えの方とご一緒させていただきました。

演目:一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)吉右衛門、菊五郎

   二、文売り(ふみうり) 雀右衛門

   三、隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)猿之助、巳之助

楼門五三桐は吉例顔見世に相応しく人間国宝のベテラン二人の競演。それぞれに持ち味を出している一幕。

文売りは雀右衛門による「一人芝居」

隅田川続俤は猿之助演じる法界坊が縦横無尽に活躍する芝居。
一人で男と女の二役をやるシーンが見もの。筋書などの詳細は以下を参照してください。

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/590?
fbclid=IwAR0DU4lntKUYkGLWRwHj5uiTXlF7veYwamBrXkU9UsfeNTB8AmFmZZTXE-Q

舞台が跳ねた後は、前日解禁となったボージョレ・ヌーヴォーで乾杯をして楽しい感想会になり
ました。


歌舞伎座百三十年 芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2018年11月02日 14時07分49秒 | 古典芸能

 

 

今月は玉三郎の芸の伝承が見所。

演目:...
一、宮島のだんまり(みやじまのだんまり)

二、吉野山(よしのやま)義経千本桜より 静御前 玉三郎  狐忠信 勘九郎

三、助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)花川戸助六 仁左衛門 揚巻 七之助

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/586

「だんまり」とは舞台設定が真っ暗闇の中だとしていて、舞台上の役者は右も左も分らぬと言う状態として演じる。ただ実際の舞台は真っ暗だと客席から見えないのである程度明るい。

吉野山は静御前と家来の佐藤忠信(実は狐の化身)との道行。
桜の花のもと静が華麗に舞う。玉三郎ならではの世界。
歌舞伎座新装開店の時は海老蔵とのコンビだったような。

助六は歌舞伎十八番のうち。團十郎家のお家芸。
いつも見るのは團十郎や、海老蔵が助六をやり、花魁揚巻を玉三郎がやる。
でも今回は芸の伝承と言う事で揚巻は七之助。
玉三郎は助六の母親役でちらっと顔を見せる程度。

今月は華やかな玉三郎ワールドでした。