わん太夫の迷路

気ままに人生を送りたいな~、との希望的観測と共に

フェルメール展余話

2018年11月26日 16時36分58秒 | 美術散歩

フェルメールの活躍した17世紀はオランダが海洋王国として世界で活躍し、市民階級が裕福になった時期。
絵画製作の注文はそれまでの教会や王侯貴族に変わって、そうした市民階級の注文に応じるようになりました。
市民階級はそれまでの宗教画や歴史画などの絵画とは異なり、一般日常生活を描いたものが好まれました。...
フェルメールの絵はそうした市民の需要に応えたものでした。

日本人がフェルメールの絵が好きなのは、宗教画や歴史画などと異なり、絵に難しい説明が要らないことによるものかと。これは日本人が印象派の絵が好きなのと相通ずるところがあ
ると思います。

完全予約制で入場開始時間を規制していますが、先日ふらっと寄ってみたら当日でもOK。
ただ入場開始時間に行くと20~30分待たされると言われ、入場時間をずらして入ってきました。
入場してすぐの辺りは結構混んでいましたが、フェルメールの部屋は混んではいましたが、作品が見えないと言う程ではありませんでした。今回は人物画のみで、風景画は無し。

上野の森美術館は極めて小振りの美術館なので、沢山の入場者では、作品の横にある解説が
見え辛くなるので、ポケットサイズの「青い」ハンドブックを解説書として配ってました。でも絵画の前で皆さん一斉に見ているので混雑には変わりがありません。

入場までの時間を利用して、上野公園を散歩しました。
美術館のすぐ隣には今を時めく「せごどん」西郷さんの銅像があり、久し振りに見てきました。紅葉も色付くこの時季の浴衣姿は寒そうでしたね(笑)


歌舞伎座十一月公演吉例顔見世大歌舞伎夜の部

2018年11月19日 13時30分39秒 | 古典芸能

江戸時代以来芝居の世界では十一月が年度初めのようなもの。
それで芝居小屋にはその1年間に出演する役者の看板を掲げて顔見世お披露目をする。
今回新装なった京都の南座でも、昔からの習わし通りに役者の看板を玄関正面に掲げていました。

今回は歌舞伎座初お目見えの方とご一緒させていただきました。

演目:一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)吉右衛門、菊五郎

   二、文売り(ふみうり) 雀右衛門

   三、隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)猿之助、巳之助

楼門五三桐は吉例顔見世に相応しく人間国宝のベテラン二人の競演。それぞれに持ち味を出している一幕。

文売りは雀右衛門による「一人芝居」

隅田川続俤は猿之助演じる法界坊が縦横無尽に活躍する芝居。
一人で男と女の二役をやるシーンが見もの。筋書などの詳細は以下を参照してください。

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/590?
fbclid=IwAR0DU4lntKUYkGLWRwHj5uiTXlF7veYwamBrXkU9UsfeNTB8AmFmZZTXE-Q

舞台が跳ねた後は、前日解禁となったボージョレ・ヌーヴォーで乾杯をして楽しい感想会になり
ました。


歌舞伎座百三十年 芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2018年11月02日 14時07分49秒 | 古典芸能

 

 

今月は玉三郎の芸の伝承が見所。

演目:...
一、宮島のだんまり(みやじまのだんまり)

二、吉野山(よしのやま)義経千本桜より 静御前 玉三郎  狐忠信 勘九郎

三、助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)花川戸助六 仁左衛門 揚巻 七之助

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/586

「だんまり」とは舞台設定が真っ暗闇の中だとしていて、舞台上の役者は右も左も分らぬと言う状態として演じる。ただ実際の舞台は真っ暗だと客席から見えないのである程度明るい。

吉野山は静御前と家来の佐藤忠信(実は狐の化身)との道行。
桜の花のもと静が華麗に舞う。玉三郎ならではの世界。
歌舞伎座新装開店の時は海老蔵とのコンビだったような。

助六は歌舞伎十八番のうち。團十郎家のお家芸。
いつも見るのは團十郎や、海老蔵が助六をやり、花魁揚巻を玉三郎がやる。
でも今回は芸の伝承と言う事で揚巻は七之助。
玉三郎は助六の母親役でちらっと顔を見せる程度。

今月は華やかな玉三郎ワールドでした。