国立劇場開場50周年記念
通し狂言 仮名手本忠臣蔵 三ヶ月連続完全通し上演
第一部を見てきました。
...大序:鶴ヶ岡社頭兜改めの場
二段目:桃井館力弥使者の場、同 松切りの場
三段目:足利館門前の場、同 松の間刀傷の場、同 裏門の場
四段目:扇ガ谷塩冶館花献上の場、同 判官切腹の場、同 表門城明渡の場
仮名手本忠臣蔵は元々は人形浄瑠璃で上演されたものを歌舞伎にして上演されたもの。
ですので、舞台には文楽の太夫、三味線が上手の床で進行を誘っている。江戸時代の赤穂浪士仇討事件であるが、当時の幕府に憚って設定は鎌倉時時代で足利将軍家としている。
この第一部の見どころは何たって、何たって四段目判官切腹の場。
切腹し、息も絶え絶えになっている中村梅玉の塩冶判官が、「由良之助は未だか」と虫の息で言うところ。史実では浅野内匠頭の臨終には間に合わなかった大石内蔵助ではありますが、歌舞伎ではかろうじて間に合い、判官から遺言を耳打ちされる。
そして息が絶え葬送されて花道を去るわけですが・・・・・
何とこのシーンで思いっきり拍手を送る観客が多いこと。
呆れ返ります。なんで厳粛な葬送のシーンの哀愁漂う空気をバッサリ切る拍手。
葬式で拍手をする人などいないと思いますが・・・・
せっかくの舞台を台無し、ぶち壊す拍手は興ざめですので厳に慎んでいただきたい。
何でもかんでも拍手をすればいいと言うものではありませんね。
舞台進行の妨げとなるような拍手に役者は次のセリフのタイミングが難しいそうです。
どうか劇場と言う空間を舞台客席で一体として共有しましょう。