わん太夫の迷路

気ままに人生を送りたいな~、との希望的観測と共に

藤田喬平:雅の夢とヴェネチアの華展

2007年09月26日 00時19分25秒 | 美術散歩

藤田喬平:雅の夢とヴェニスの華展

 

9月19日(水)~10月1日(月)の期間で日本橋高島屋で開催されています。

藤田喬平は、ガラス工芸界で初めて文化勲章を受章しました。

彼は、美校(現東京藝術大学)の彫金科に入学し、琳派に強い憧れを抱いていました。

        

そんな彼が、奈良で正倉院展を見たときペルシャのガラス器に大いなる憧れを感じ、

ガラス工芸を始めるきっかけになったのです。

               

今回の展示では、各種ガラス作品のほか、彼の代名詞でもある『飾筥』も多数展示されています。

そんな中で、『白鳳』と題された飾筥は乳青色を基調にし、金箔・銀箔をふんだんに使った作品です。

     

今回多数出品された「飾筥」の中で、唯一箱の中が見れるのも嬉しい限りです。

ただ個人蔵のため、画像をお載せできないのが残念です。

   源氏物語:飾筥

藤田が、「飾筥」をガラスの本場ヴェネチアのヴィエンナーレに出品したとき、

インタビューを受け、記者の一人から「筥には何を入れるんでしょうか?」との質問を受けたとき、

藤田は「夢を入れるんです・・・」と返事をし、満場の喝采を浴びたということです。

  五色の舞:飾筥  紅白梅:飾筥

藤田の「飾筥」はガラスと琳派との華麗なる融合ではないでしょうか

ちなみに私は「杯」を一つ持っておりますが、言葉に表せないほど素敵な「器」です

   竹取物語:飾筥


高島屋 藤田喬平:雅の夢とヴェニスの華展
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/index

藤田喬平のプロフィール
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/fujikyou/pro.htm

藤田喬平ガラス美術館
http://www.ichinobo.com/museum/m_guide.html

 


ちょっと目を引く看板

2007年09月22日 01時52分10秒 | 美術散歩

今日銀座の地下道を歩いていたら、目を引く広告ディスプレーがあったので、

ちょっとお披露を・・・

ぱっと見たときは、てっきり美術展の宣伝かと思ったのですが

この絵は展示の予定はないし、映画は既に2~3年前に見たし・・・

よくよく見れば、美容整形外科の宣伝でした

 真珠の耳飾の少女:フェルメール

 
 そしてこれがその広告ディスプレー

 

やはり『違和感』が・・・

 


青木繁:《海の幸》と日露戦争の夏

2007年09月17日 15時03分07秒 | 美術散歩

青木繁《海の幸》と日露戦争の夏

ブリジストン美術館の土曜教室「再考・青木繁」を聴講してきました。
講師は首都大学東京の長田謙一教授でした。

         青木繁

青木繁は東京美術学校(現在の東京藝術大学)を卒業した明治37年の夏に、
友人の坂本繁二郎、恋人の福田たね等と千葉の房総の布良に逗留している。
その時に《海の幸》も画かれている。

   

その後《海の幸》は第9回白馬会展に出品され大きな反響を呼んだとされている。
しかし、その「反響」については「好評」を博したとは、
どこにも見当たらないのが不思議でならなかった。

一般に《海の幸》は、若い青木繁の青春のエネルギーが爆発した作品であり、
当時主流だった黒田清輝の画風とは相容れないものであった、と解されていた。

ただ、わん太夫は以前に《海の幸》を見たとき、
図版で見るよりもはるかに哀調を含んだ作品の印象を持っていた。
そして今回ブリジストン美術館で、じっくり鑑賞する機会を得た。
それでも、若者の力強い作品と言うイメージは持てなかった。
悪く言えば「葬送の行進」にしか思えないのである。
まして、中央で一人だけこちらを向いた「白い顔」は死者そのものではないか。
この「白い顔」は青木繁本人だとする説もあるが・・・
見れば見るほど、そのような疑問をさらに強く抱いてしまった次第である。

その疑問は、今回の長田謙一先生の講義を拝聴して解決したような気がします。
以下は長田先生のお話を基にした私見です。

青木繁が美校を卒業する年の2月に日露戦争の開戦がありました。
日本海軍は、ロシアの艦船に対抗するため、布良の漁師たちを甲板員として、採用しました。
しかし、この漁師たちが乗り組んでいた「貨物船」(軍用船ではありません)が、
ロシア海軍により撃沈され、数百人もの多数の犠牲者が出たのです。
その葬儀は、当時の青山練兵場で執り行われましたが、
その葬列は延々と続いていたようで、当時の新聞にも載っていました。
布良の漁師も多数犠牲になったことを考えると、
《海の幸》で描かれた列を成す人々は、犠牲となった布良の漁師たちへの
「鎮魂」の意味が込められていると言えるのではないでしょうか。
そして、当時の世相から、日露戦争に国を挙げて国民を「鼓舞」するという方向とは違う
青木繁の《海の幸》が大反響を呼んだ一因かもしれませんね。

皆さんはどのようにお考えですか・・・

ブリジストンの土曜講座、次回9月22日は
「布良という聖地ー《海の幸》が生まれた場所」と言うテーマで
ブリジストン美術館主任学芸員の貝塚 健先生が担当なさいます。
あと30席ほどお席に余裕があるとのことでした。
お時間のある方は、是非わん太夫の顔を見に来てください ヽ(^o^)丿

ブリジストン美術館のURL
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/

NHKのアートシーンでの放映後は、一日の平均入場者が
300人から600人に倍増したとのことでした。

 


「鳥獣戯画がやってきた!―国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌―」

2007年09月14日 10時50分02秒 | 美術散歩

今年の4月に東京国立博物館の国宝質での展示は「甲巻」のみでしたし、
しかもレオナルド・ダ・ヴィンチの特別展と同時開催でしたので、目立ちませんでしたが・・・

  


サントリー美術館で下記の日程で開催されます
是非お見逃しのないように、
但し、相当の混雑が予想されますのでお覚悟を・・・

   


開館記念特別展「鳥獣戯画がやってきた!―国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌―」展
2007年11月3日(土)~12月16日(日)

京都・栂尾(とがのお)の高山寺に所蔵される「鳥獣戯画」(「鳥獣人物戯画絵巻」)4巻を中心に、分蔵される断簡、模本類もあわせて展示し、「鳥獣戯画」の全貌を本格的にご紹介します。「鳥獣戯画」の魅力を多面的に捉えながら、それぞれの系譜に連なる作品を集め、「鳥獣戯画」を基軸として垣間見えてくる日本文化の本質に迫ります。

         

http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/07vol04chouju/index.html

 

 


これ何だか分かりますか???

2007年09月13日 16時43分09秒 | 美術散歩

これ何だか分かりますか???

東京国立博物館の本館のインテリアです。

展示品をご覧になる時も、ちょとあちこちと視線を向けてください

 

2階への階段踊り場の天上のシャンデリアです。

他にもいろいろありますので、東博に行かれる時は、

天上や階段の手すりなどもご覧になってください。

 
 特5室の裏側のホールのシャンデリア

  
   特5室の裏側のホールの掛け時計

     
     正面階段の踊り場のステンドグラス


《没後170年記念 仙・センガイ・SENGAIー禅画に遊ぶー》

2007年09月09日 00時22分59秒 | 美術散歩

出光美術館で開催中の
《没後170年記念 仙・センガイ・SENGAIー禅画に遊ぶー》
会期:2007年9月1日(土)~10月28日(日)
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

  

9月7日(金)に行ってきました。
6時から学芸員の八波浩一先生のレクチャ-も拝聴してきました。
禅僧である仙の真髄は
「指月布袋画賛」「鏑図」「蛙」の3点に集約されると言うことでした。
布袋様の絵は、実際に月がなくても、天を指差すことにより月を暗示しているとのこと。

    
      指月布袋画賛


それは、目には見えなくても「禅の修行をするということ」に通じるのだそうです。
鏑は、坐禅と同じで、デンと座っていて、しかも瑞瑞しい。
蛙は、いつも座っているので座禅をしているのかと言えば、
自分では座禅をしていることに気づいていない。
これが「禅の心」だそうです。
わん太夫には、分かったような分からないような・・・

   
     □△○

これに関連して、学芸員の解説があります。
 MARUNOUCHI SEMINARIO アートサロン
       センガイ─禅画からひも解く素敵な晩年─
______________________________

「博多の仙がいさん」から「世界のSENGAI」へ。本アートサロン7回目
の今回は、そのあいだをとったカタカナの「センガイ」に注目します。
水墨表現に巧みでありながら、うまく描くのではなく、ユーモアあふれ
る禅画で教えを広め伝えた、博多の禅僧・仙がい。その作品の大半
を所蔵する出光美術館より、9月1日から10月28日まで行なわれる
「仙がい・センガイ・SENGAI」展の企画担当学芸員八波浩一氏をお招き
して、博多から世界へ飛躍した仙がいの姿や、禅についてお話しいただ
きます。

日時:10月4日(木) 19:00-20:30(18:30受付開始)
場所:MARUNOUCHI CAFE 2F
講師:八波浩一(財団法人出光美術館 学芸員)
参加費:¥2,000( 1drink・「仙がい・センガイ・SENGAI 」展鑑賞券1枚付)
主催:MARUNOUCHI CAFE
企画協力:出光美術館 http://www.idemitsu.co.jp/museum/

詳細・申込はコチラ↓
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#1004